JP2006117393A - 媒体給送装置及び記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 種々のサイズの媒体をスキューを発生させずに供給することができる媒体給送装置及びその媒体給送装置を備えた記録装置と液体噴射装置を提供すること。
【解決手段】 供給ローラ32は、媒体の一側端部側に偏倚して設けられ、前記供給ローラの径よりも小径の補助ローラ32cが、前記供給ローラに対して前記媒体の一側端部側に設けられている。これにより、種々のサイズの媒体を供給する際に当該媒体の両側端部側を屈曲形状にすることができるので、一側端部側と他側端部側との経路長差の発生を防止することができる。
【選択図】 図10
【解決手段】 供給ローラ32は、媒体の一側端部側に偏倚して設けられ、前記供給ローラの径よりも小径の補助ローラ32cが、前記供給ローラに対して前記媒体の一側端部側に設けられている。これにより、種々のサイズの媒体を供給する際に当該媒体の両側端部側を屈曲形状にすることができるので、一側端部側と他側端部側との経路長差の発生を防止することができる。
【選択図】 図10
Description
本発明は、媒体を給送する媒体給送装置及びその媒体給送装置を備えた記録装置と液体噴射装置に関する。
一般的な記録装置の1つであるインクジェット式プリンタは、背面側上部に自動給紙装置が配設され、前面側下部に自動排紙装置が配設されている。自動給紙装置は、用紙を給紙する給紙ローラと、この給紙ローラと対向して配置され、保持した用紙を持ち上げて給紙ローラに当接させるホッパ等を備えている。ホッパには種々のサイズの用紙が保持されるため、小さいサイズの用紙の給紙に対応可能なように、給紙ローラは給紙の際に用紙の一側端部をガイドするエッジガイド側に偏って設けられている。しかし、この給紙ローラのみであると、大きいサイズの用紙の給紙の際にスキューが生じるおそれがあるので、給紙補助ローラが上記エッジガイドとは逆側に給紙ローラから所定距離離して設けられている。
上述した従来のインクジェット式プリンタにより例えば名刺サイズの用紙に記録する場合、その用紙の縦長は非常に短いので、給紙時におけるエッジガイドとの係合距離も短くなる。このため、その用紙が紙送りローラに達する前に用紙後端がエッジガイドを通過してしまう。一方、給紙ローラはその用紙の他側端部側に当接して給紙するため、用紙の他側端部側は屈曲形状になるが、一側端部側はストレート形状になる。よって、用紙の両側端部はフリー状態となり、さらに側視上は用紙の他側端部側と一側端部側とで経路長差が発生するので、用紙がスキューを起こすおそれがある。
本発明は、上記のような種々の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、種々のサイズの媒体をスキューを発生させずに供給することができる媒体給送装置及びその媒体給送装置を備えた記録装置と液体噴射装置を提供することにある。
上記目的達成のため、本発明の媒体給送装置では、媒体を供給ローラにより給送する媒体給送装置であって、前記供給ローラは、前記媒体の一側端部側に偏倚して設けられ、前記供給ローラの径よりも小径の補助ローラが、前記供給ローラに対して前記媒体の一側端部側に設けられていることを特徴としている。これにより、種々のサイズの媒体を供給する際に当該媒体の両側端部側を屈曲形状にすることができるので、一側端部側と他側端部側との経路長差の発生を防止することができる。
また、前記供給ローラは、最小サイズの前記媒体の他側端部近傍の位置に配設されていることを特徴としている。これにより、特に媒体が最小サイズであっても、一側端部側と他側端部側との経路長差の発生を防止することができる。また、前記補助ローラは、供給開始時の径が供給終了時の径より小径となるように形成されていることを特徴としている。これにより、供給初期の段階で媒体に反りが発生していても、補助ローラとの干渉を防止することができる。
上記目的達成のため、本発明の記録装置では、媒体に記録する記録装置であって、上記各媒体給送装置を備えたことを特徴としている。また、本発明の液体噴射装置では、被噴射媒体に液体を噴射する液体噴射装置であって、上記各媒体給送装置を備えたことを特徴としている。これにより、上記各作用効果を奏する記録装置及び液体噴射装置を提供することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る記録装置の1つであるインクジェット式複合機の外観構成の全体を示す斜視図、図2は、その内部構造を示す斜視図、図3は、その概略側面図である。このインクジェット式複合機100は、例えばJIS規格のL判やA6判からA4判までのサイズの単票紙やハガキに記録することができるプリンタ機能と、JIS規格のA4判までのサイズの原稿及びUS規格のレターサイズまでの原稿を読み取ることができるスキャナ機能と、JIS規格のL判、2L判、B5判、A4判、六切り、ハガキのサイズの用紙に複写することができるコピー機能を備えている。
このインクジェット式複合機100は、図1に示すように、全体が略直方体状のハウジング101で覆われており、下段にプリンタ110が配設され、上段にスキャナ120が配設された構成となっている。そして、背面側に本発明の特徴的な部分を含む給紙部130が配設され、前面側に給排紙部140が配設されている。ユーザは、記録前の用紙のセッティング方向として背面側の給紙部130及び前面側の給排紙部140の一方または両方を選択することができるので、インクジェット式複合機100の設置位置の自由度を高めることができる。さらに、記録後の用紙は常に前面側の給排紙部140から排紙されるので、ユーザは用紙を容易に取り出すことができる。
ハウジング101の上面には、図1に示す矩形平板状のスキャナカバー102が配設されている。このスキャナカバー102は、前部に取っ手103が形成されており、後部の回転軸を中心に図示矢印a方向に回動可能に取り付けられている。ユーザは、スキャナ120を使用するときは取っ手103に指を差し込んでスキャナカバー102を開閉することができるので、原稿の出し入れを容易に行うことができる。
ハウジング101の前面両側には、図2に示す複数のインクカートリッジ10が抜き差しされるカートリッジ収納部104がそれぞれ形成されている。各インクカートリッジ10は、記録用の各色のインクを貯留している。各カートリッジ収納部104は、図1に示す透明もしくは半透明のカートリッジカバー105によって覆われている。カートリッジカバー105は、その下部の回動軸を中心に図示矢印b方向に回動可能に取り付けられている。ユーザは、従来のように重量のあるスキャナ120全体を持ち上げてプリンタ110の内部を開放しなくても、カートリッジカバー105を軽く押して係止部を外しカートリッジ収納部104を開放するのみにより、インクカートリッジ10の交換作業等を行うことができるので、作業効率を向上させることができる。
ハウジング101の上面のスキャナカバー102の手前には、図1に示すように、プリンタ110、スキャナ120、コピーの各動作を指示する操作部106が配設されている。操作部106は、パワーをオン・オフするパワー系、用紙の頭出し等を操作したりインクのフラッシング等を操作する操作系、画像処理等を行う処理系等の図示しないボタン等と、状態を表示する液晶パネル107等を備えている。ユーザは、液晶パネル107を見て確認しながらボタン等を操作することができる。
ハウジング101内には、図2及び図3に示すように、給紙部130と、給排紙部140、記録部150等が配設されている。給紙部130には、図1に示すように、上方に向かって矩形状に開口したリア給紙口131が形成され、このリア給紙口131の両端縁と後縁に沿ってフレーム132が配設されている。そして、このフレーム132には、図1〜図3に示すように、給紙する用紙を1枚もしくは複数枚サポートするペーパーサポート133と、ペーパーサポート133にサポートされている用紙を1枚ずつ自動的に給送する本発明の特徴的な部分を含む背面給紙機構(以下、リアASFという)134等が配設されている。
図4は、ペーパーサポート133とリアASF134の詳細を示す側面図であり、図1〜図4を参照して説明する。ペーパーサポート133は、用紙の裏面をサポートする第1サポート21及び第2サポート22と、用紙の両サイドエッジをガイドする固定エッジガイド23と可動エッジガイド24等を備えている。リアASF134は、ペーパーサポート133にサポートされている用紙を給送するために持ち上げるホッパ31、このホッパ31により持ち上げられた用紙を取り出す本発明の特徴的な部分である給紙ローラ32、この給紙ローラ32により重送された用紙を1枚のみに分離するリタードローラ33、このリタードローラ33により分離された残りの用紙をホッパ31へ戻すリア紙戻しユニット34等を備えている。
第1サポート21は、平板状に形成されてフレーム132の後壁内側に格納・引出自在に配設され、第2サポート22は、平板状に形成されて第1サポート21に格納・引出自在に配設されている。第1サポート21及び第2サポート22は、給紙方向に伸縮自在に形成されているので、不使用のときはコンパクトに格納しておくことができ、また使用のときは種々のサイズの用紙を確実にサポートすることができる。
また、固定エッジガイド23は、フレーム132の装置前面側から見て右側壁に沿う形状でホッパ31と一体形成され、可動エッジガイド24は、フレーム132の装置前面側から見て左側壁に沿う形状に形成され、フレーム132の左側壁と右側壁の間をフレーム132の後壁と略平行に移動可能なようにホッパ31に取り付けられている。固定エッジガイド23と可動エッジガイド24は、用紙のサイズが異なっても確実に用紙の両側縁をガイドすることができるので、給送を高精度に行うことができる。
ホッパ31は、用紙が載置可能な平板状に形成されてフレーム132の後壁と略平行に配設されており、下端が給紙ローラ32の近傍に位置し、上端がフレーム132の後壁頂部に近接して位置するように配設されている。そして、ホッパ31は、下端側の裏面にフレーム132の後壁に一端が取り付けられた図示しない圧縮バネの他端が取り付けられており、この圧縮バネの伸縮により上端側を中心に下端側が旋回するように配設されている。
給紙ローラ32は、断面の一部が切り欠かれたD字状に形成されてホッパ31の下端近傍に配設されており、間欠的に回転してホッパ31により持ち上げられた用紙を摩擦給送するようになっている。リタードローラ33は、給紙ローラ32と当接可能に配設されており、給紙ローラ32により用紙が重送されたときに最上層の用紙のみを下層の用紙から摩擦分離するようになっている。リア紙戻しユニット34は、爪状に形成されて給紙ローラ32の近傍に配設されており、リタードローラ33により分離された下層の用紙を爪に掛けてホッパ31へ戻すようになっている。
給排紙部140には、図2及び図3に示すように、前方に向かって矩形状に開口したフロント給排紙口141が形成され、このフロント給排紙口141の下側に給紙トレイ142が配設され、給紙トレイ142の上側に排紙トレイ143が配設されている。そして、フロント給排紙口141の奧には、図3に示すように、給紙トレイ142に収納されている用紙を1枚ずつ自動的に給送する前面給紙機構(以下、フロントASFという)144と、排紙トレイ143に用紙を自動的に排送する前面排紙機構(以下、フロントEJという)145が配設されている。
給紙トレイ142は、図2及び図3に示すように、平板状に形成されており、上面に記録前の給紙される用紙が積層収納されるようなっている。排紙トレイ143は、図2及び図3に示すように、第1トレイ143a、第2トレイ143b及び第3トレイ143cを備えている。第1トレイ143aは、平板状に形成されて後部が給排紙部140の奧の本体フレーム108に回動自在に配設され、第2トレイ143bは、平板状に形成されて第1トレイ143aに格納・引出自在に配設され、第3トレイ143cは、平板状に形成されて第2トレイ143bに格納・引出自在に配設されている。
排紙トレイ143は、第2トレイ143b及び第3トレイ143cが引き出された状態で、上面に記録後の排紙される用紙が積層載置されるようなっている。第2トレイ143b及び第3トレイ143cは、排紙方向に伸縮自在に形成されているので、不使用のときはコンパクトに格納しておくことができ、また使用のときは種々のサイズの排紙される用紙を確実に積層載置することができる。なお、この給排紙部140は、給排紙時に折り曲げることが不可能な厚手の用紙や光ディスク等が収納されたトレイを手差しで給紙、供給することが可能なようにも形成されている。
図5は、フロントASF144の詳細を示す側面図であり、図3及び図5を参照して説明する。フロントASF144は、給紙トレイ142に収納されている用紙を取り出すピックアップローラユニット41、このピックアップローラユニット41により取り出された用紙の向きを変える土手部42を備えている。さらに、ピックアップローラユニット41により重送された用紙を1枚のみに分離するリタードローラユニット43、このリタードローラユニット43により分離された残りの用紙を給紙トレイ142に戻すフロント紙戻しユニット44、給送される用紙をU字状に反転させる中間ローラ45及びアシストローラ46等を備えている。
ピックアップローラユニット41は、給紙トレイ142の後部上方に配置され給紙トレイ142に対して上下に旋回自在に配設されており、下降して給紙トレイ142に収納されている用紙を摩擦給送するようになっている。土手部42は、給紙トレイ142の後部にて後方に向けて傾斜するように配設されており、ピックアップローラユニット41により給送される用紙の先端を上方に方向変換するようになっている。
リタードローラユニット43は、中間ローラ45と当接可能に配設されており、ピックアップローラユニット41により用紙が重送されたときに最上層の用紙のみを下層の用紙から摩擦分離するようになっている。フロント紙戻しユニット44は、爪状に形成されてリタードローラユニット43の近傍に配設されており、リタードローラユニット43により分離された下層の用紙を爪に掛けて給紙トレイ142へ戻すようになっている。アシストローラ46は、中間ローラ45に対して常時当接するように配設されており、リタードローラユニット43により分離された最上層の用紙を中間ローラ45と挟持してU字状に反転させ、プラテン155へ給送するようになっている。
フロントEJ145は、図3に示すように、第1排紙ローラ51と第1ギザローラ52、第2排紙ローラ53と第2ギザローラ54等を備えている。第1排紙ローラ51は、プラテン155の搬送下流側に配設されており、プラテン155を通過してくる用紙を第1ギザローラ52とともに挟持して排送し、さらに第2排紙ローラ53は、第1排紙ローラ51の搬送下流側に配設されており、その用紙を第2ギザローラ54とともに挟持して排紙トレイ143上へ排送するようになっている。
記録部150には、図3に示すように、記録動作に同期して副走査方向に用紙を送る紙送りローラ151とその従動ローラ152、記録動作に同期して主走査方向に移動するキャリッジ153、記録動作に同期してインクを吐出する記録ヘッド154、記録時の用紙を平坦に保持するプラテン155等が配設されている。
紙送りローラ151は、図3に示すように、プラテン155の搬送上流側に配設されており、給紙ローラ32により給送される用紙もしくは中間ローラ45により反転給送される用紙を図2に示す紙送り機構156により従動ローラ152とともに挟持してプラテン155へ送り出すようになっている。キャリッジ153は、プラテン155の上方で図3に示すキャリッジガイド軸157に貫装されて図2に示すキャリッジベルト158に連結されており、図2に示すキャリッジモータ159によってキャリッジベルト158が作動すると、キャリッジベルト158の動きに連行され、キャリッジガイド軸157に案内されて往復移動するようになっている。
記録ヘッド154は、図3に示すように、プラテン155と所定の間隔が空くようにしてキャリッジ153に搭載されており、例えばブラックインクを吐出するブラックインク用記録ヘッドと、イエロー、シアン、ライトシアン、マゼンタ、ライトマゼンタの5色のインクをそれぞれ吐出する複数のカラーインク用記録ヘッドとを備えている。そして、記録ヘッド154は、圧力発生室とそれに繋がるノズル開口が設けられており、圧力発生室内にインクを貯留して所定圧で加圧することにより、ノズル開口から用紙に向けてコントロールされた大きさのインク滴を吐出するようになっている。次に、本発明の特徴的な部分である給紙ローラ32を含む給紙部130について、さらに図を参照して説明する。
図6は、上記給紙部130の詳細を斜め前方から見た斜視図、図7は、それを斜め後方から見た斜視図、図8は、それを斜め下方から見た斜視図、図9は、上記給紙ローラ32の詳細を示す斜視図であり、図4の側面図も参照して説明する。この給紙部130は、上述したように、フレーム132に配設されたペーパーサポート133とリアASF134を備えている。フレーム132は、装置前面側から見て右側壁132aと左側壁132b、及びそれらの間に架設された後壁132cと底盤132dで構成されている。ペーパーサポート133とリアASF134は、フレーム132に囲われた1ユニットとして構成されているので、インクジェット式複合機100の組立や修理等の際の取り扱いが容易となる。
第1サポート21は、フレーム132の後壁132cの内側であって右側壁132aと左側壁132bの間に配設され、第1サポート21の両側端が右側壁132aと左側壁132bに沿って上下に摺動自在となるように嵌め込まれている。第2サポート22は、上端が突出する形で第1サポート21の背面側に収納され、第2サポート22の両側端が第1サポート21の両側壁に沿って上下に摺動自在となるように嵌め込まれている。ペーパーサポート133は、第1サポート21と第2サポート22の2段階で収納・引出自在となっているので、収納したときの面積を小さくすることができ、また引き出したときの支持面積を大きく取ることができる。
固定エッジガイド23は、ホッパ31の右側端から垂直に立ち上がるように一体形成され、可動エッジガイド24は、固定エッジガイド23と平行であって、ホッパ31の左側端と右側端との間に形成された溝31aに沿って摺動自在に配設されている。可動エッジガイド24は、スムーズに移動することができるので、固定エッジガイド23との間で用紙を幅に合わせて正確に挟み込むことができる。
ホッパ31は、第1サポート21の内側であってフレーム132の右側壁132aと左側壁132bの間に配設され、ホッパ31の下端が上端を中心に旋回して、収納されている用紙の下端を給紙ローラ32に対して押圧・離間するようになっている。リタードローラ33は、フレーム132の底盤132dにおける給紙ローラ32と接触する位置に回転自在に軸支持されている。リア紙戻しユニット34は、フレーム132の底盤132dにおけるリタードローラ33の両側と、補助給紙ローラ32bの近傍の4箇所に回転自在に軸支持されている。
給紙ローラ(供給ローラ)32は、両端がフレーム132の右側壁132aと左側壁132bの間に回転自在に配設されている給紙ローラ軸32aの右端寄りに配設されている。この給紙ローラ32は、用紙の摩擦給送が容易となるように、外周にゴム等が配設されている。そして、この給紙ローラ軸32aには、主要な用紙の幅に合わせて2つの補助給紙ローラ32bが給紙ローラ32の図示左側に配設され、1つの補助給紙ローラ(補助ローラ)32cが給紙ローラ32の図示右側に配設されている。これらのうち本発明の特徴的な部分である給紙ローラ32と補助給紙ローラ32cについて、さらに図を参照して説明する。
図10は、給紙ローラ32と補助給紙ローラ32cの配置を示す平面図、図11(A)、(B)は、その動作を示す側面図である。給紙ローラ32は、上述したように用紙の一側端部側、すなわちフレーム132の右側壁132a側に配設されているが、これに加えて、図10に示すように、最小サイズの用紙、例えば名刺Pの他側端部近傍の位置、すなわち給紙ローラ32の左端面が名刺Pの他側端からはみ出さない位置に配設されている。
2つの補助給紙ローラ32bは、比較的大きなサイズ、例えばJIS規格のA4版やB5版の用紙の他側端部近傍の位置、すなわち給紙ローラ32の左側となるフレーム132の左側壁132b側に配設されている。一方、1つの補助給紙ローラ32cは、給紙ローラ32の右側となるフレーム132の右側壁132a近傍に配設されている。そして、補助給紙ローラ32cは、径が給紙ローラ32の径よりも若干小さくなるように、かつ給紙開始時の径が給紙終了時の径よりも若干小さくなるように形成されている。
より詳しく説明すると、補助給紙ローラ32cは、図11(A)に示すように、給紙開始時、すなわちホッパ31が給紙ローラ32と当接したタイミング(ホッパ上昇タイミング)では、用紙給送面132aaに近接している径(以下、給紙開始径d1という)が給紙ローラ32の径よりも小径、具体的には例えば3.5mmの逃げを持って形成されている。そして、図11(B)に示すように、給紙終了時、すなわち用紙先端が給紙ローラ32とリタードローラ33のニップ点を越えたタイミングでは、用紙給送面132aaに近接している径(以下、給紙終了径d2という)が給紙ローラ32の径よりも若干小径、具体的には例えば1.5mmの逃げを持って形成されている。
以上のような構成によれば、例えば名刺Pに記録する場合、仮に補助給紙ローラ32cが給紙ローラ32と同一径であると、名刺Pが給紙ローラ32によりリタードローラ33に給送されたとき、名刺Pの角部が上方に反っていると、補助給紙ローラ32cの外周部と名刺Pの角部が干渉し、名刺Pがスキューを起こすおそれがある。しかし、補助給紙ローラ32cの給紙開始径d1が給紙ローラ32の径よりも小径であるので、名刺Pが給紙ローラ32によりリタードローラ33に給送されたとき、名刺Pの角部が上方に反っていても、補助給紙ローラ32cの外周部と名刺Pの角部が干渉することは無く、名刺Pのあばれを押さえることができ、名刺Pのスキューの発生を防止することができる。
また、名刺Pの縦長は非常に短いので、給紙時における固定エッジガイド23及び可動エッジガイド24との係合距離も短くなるため、名刺Pが紙送りローラ151に達する前に用紙後端が固定エッジガイド23及び可動エッジガイド24を通過してしまう。しかし、給紙ローラ32は名刺Pの他側端部側に当接して給紙し、補助給紙ローラ32cは給紙終了径d2が給紙ローラ32の径よりも若干小径なだけなので、名刺Pの一側端部側に当接して給紙するため、名刺Pの他側端部側及び一側端部側は共に屈曲形状になる。よって、名刺Pの両側端部がフリー状態となっても、側視上は名刺Pの他側端部側と一側端部側とで経路長差が発生しないので、名刺Pのスキューの発生を防止することができる。
このような構成において、インクジェット式複合機100にて用紙に記録する場合の動作について説明する。ユーザは、ペーパーサポート133の第2サポート22を第1サポート21から完全に引き出すとともに、第1サポート21をフレーム132から完全に引き出してセットする。そして、記録前の複数枚の用紙をペーパーサポート133に収納してインクジェット式複合機100を起動する。ペーパーサポート133に積層収納された用紙は、給紙ローラ32の回転に機械的に同期した圧縮バネの復元によるホッパ31の上昇により給紙ローラ32に押付けられ、最上層の用紙のみがリタードローラ33により分離されて紙送りローラ151へ給送される。そして、分離された下層の用紙は、リア紙戻しユニット34によりホッパ31へ押し戻される。一方、最上層の用紙は、スキュー取り及び頭出しされた後、紙送り機構156により駆動されている紙送りローラ151とその従動ローラ152に挟持されてプラテン155へ給送される。
用紙は、キャリッジモータ159とキャリッジベルト158により走査されるキャリッジ153に搭載された記録ヘッド154により記録される。このとき、インクジェット式複合機100の制御部は、例えばイエロー、マゼンタ、ライトマゼンタ、シアン、ライトシアン、ブラックの計7色のインクカートリッジから記録ヘッド154へ各色インクを供給し、各色インクの吐出タイミング及びキャリッジ153や紙送りローラ151の駆動を制御して、高精度なインクドット制御、ハーフトーン処理等を実行する。そして、記録が完了した用紙は、紙送り機構156により駆動されている第1排紙ローラ51と第1ギザローラ52、第2排紙ローラ53と第2ギザローラ54に挟持されて給排紙部140へ排紙され、排紙トレイ143上へ積層載置される。
以上のように、本実施形態のインクジェット式複合機100によれば、給紙ローラ32は、用紙の一側端部側に偏倚して設けられ、給紙ローラ32の径よりも小径の補助給紙ローラ32cが、給紙ローラ32に対して用紙の一側端部側に設けられているので、種々のサイズの用紙を給紙する際に当該用紙の両側端部側を屈曲形状にすることができ、一側端部側と他側端部側との経路長差の発生を防止することができる。
また、給紙ローラ32は、最小サイズの用紙の他側端部近傍の位置に配設されているので、特に用紙が最小サイズであっても、一側端部側と他側端部側との経路長差の発生を防止することができる。また、補助給紙ローラ32cは、給紙開始時の径d1が給紙終了時の径d2より小径となるように形成されているので、給紙初期の段階で用紙に反りが発生していても、補助給紙ローラ32cとの干渉を防止することができる。
媒体給送装置を備えた記録装置であれば、例えばファクシミリ装置、コピー装置、スキャナ等であっても適用可能である。また、記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を液体噴射ヘッドから被噴射媒体に噴射して液体を被噴射媒体に付着させる液体噴射装置の意味として、例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタ製造に用いる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイや面発光ディスプレイ(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等を備えた装置にも適用可能である。
21 第1サポート、22 第2サポート、23 固定エッジガイド、24 可動エッジガイド、31 ホッパ、32 給紙ローラ、32c 補助給紙ローラ、34 リア紙戻しユニット34、60 紙戻し部、61 紙戻しレバー、62 紙戻し爪、70 紙戻し駆動部、71 紙戻し軸、72 カムフォロア、73 カム、74 紙戻し復帰バネ、100 インクジェット式複合機、101 ハウジング、110 プリンタ、120 スキャナ、130 給紙部、131 リア給紙口、132 フレーム、133 ペーパーサポート、134 リアASF、140 給排紙部、144 フロントASF、150 記録部
Claims (5)
- 媒体を供給ローラにより給送する媒体給送装置であって、
前記供給ローラは、前記媒体の一側端部側に偏倚して設けられ、
前記供給ローラの径よりも小径の補助ローラが、前記供給ローラに対して前記媒体の一側端部側に設けられていることを特徴とする媒体給送装置。 - 前記供給ローラは、最小サイズの前記媒体の他側端部近傍の位置に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の媒体給送装置。
- 前記補助ローラは、供給開始時の径が供給終了時の径より小径となるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の媒体給送装置。
- 媒体に記録する記録装置であって、
請求項1〜3の何れか一項に記載の媒体給送装置を備えたことを特徴とする記録装置。 - 被噴射媒体に液体を噴射する液体噴射装置であって、
請求項1〜3の何れか一項に記載の媒体給送装置を備えたことを特徴とする液体噴射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004307500A JP2006117393A (ja) | 2004-10-21 | 2004-10-21 | 媒体給送装置及び記録装置 |
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