図1は、本発明の一実施の形態に係る記録装置の1つであるインクジェット式複合機の外観構成の全体を示す斜視図、図2は、その内部構造を示す斜視図、図3は、その概略側面図である。このインクジェット式複合機100は、例えばJIS規格のL判やA6判からA4判までのサイズの単票紙やハガキに記録することができるプリンタ機能と、JIS規格のA4判までのサイズの原稿及びUS規格のレターサイズまでの原稿を読み取ることができるスキャナ機能と、JIS規格のL判、2L判、B5判、A4判、六切り、ハガキのサイズの用紙に複写することができるコピー機能を備えている。
このインクジェット式複合機100は、図1に示すように、全体が略直方体状のハウジング101で覆われており、下段にプリンタ110が配設され、上段にスキャナ120が配設された構成となっている。そして、背面側に本発明の特徴的な部分である給紙部130が配設され、前面側に給排紙部140が配設されている。ユーザは、記録前の用紙のセッティング方向として背面側の給紙部130及び前面側の給排紙部140の一方または両方を選択することができるので、インクジェット式複合機100の設置位置の自由度を高めることができる。さらに、記録後の用紙は常に前面側の給排紙部140から排紙されるので、ユーザは用紙を容易に取り出すことができる。
ハウジング101の上面には、図1に示す矩形平板状のスキャナカバー102が配設されている。このスキャナカバー102は、前部に取っ手103が形成されており、後部の回転軸を中心に図示矢印a方向に回動可能に取り付けられている。ユーザは、スキャナ120を使用するときは取っ手103に指を差し込んでスキャナカバー102を開閉することができるので、原稿の出し入れを容易に行うことができる。
ハウジング101の前面両側には、図2に示す複数のインクカートリッジ10が抜き差しされるカートリッジ収納部104がそれぞれ形成されている。各インクカートリッジ10は、記録用の各色のインクを貯留している。各カートリッジ収納部104は、図1に示す透明もしくは半透明のカートリッジカバー105によって覆われている。カートリッジカバー105は、その下部の回動軸を中心に図示矢印b方向に回動可能に取り付けられている。ユーザは、従来のように重量のあるスキャナ120全体を持ち上げてプリンタ110の内部を開放しなくても、カートリッジカバー105を軽く押して係止部を外しカートリッジ収納部104を開放するのみにより、インクカートリッジ10の交換作業等を行うことができるので、作業効率を向上させることができる。
ハウジング101の上面のスキャナカバー102の手前には、図1に示すように、プリンタ110、スキャナ120、コピーの各動作を指示する操作部106が配設されている。操作部106は、パワーをオン・オフするパワー系、用紙の頭出し等を操作したりインクのフラッシング等を操作する操作系、画像処理等を行う処理系等の図示しないボタン等と、状態を表示する液晶パネル107等を備えている。ユーザは、液晶パネル107を見て確認しながらボタン等を操作することができる。
ハウジング101内には、図2及び図3に示すように、本発明の特徴的な部分である給紙部130と、給排紙部140、記録部150等が配設されている。給紙部130には、図1に示すように、上方に向かって矩形状に開口したリア給紙口131が形成され、このリア給紙口131の両端縁と後縁に沿ってフレーム(枠部)132が配設されている。そして、このフレーム132には、図1〜図3に示すように、給紙する用紙を1枚もしくは複数枚サポートするペーパーサポート133と、ペーパーサポート133にサポートされている用紙を1枚ずつ自動的に給送する背面給紙機構(以下、リアASFという)134等が配設されている。
図4は、ペーパーサポート133とリアASF134の詳細を示す側面図であり、図1〜図4を参照して説明する。ペーパーサポート133は、用紙の裏面をサポートする第1サポート(媒体支持部)21及び第2サポート(媒体支持部)22と、用紙の両サイドエッジをガイドする固定エッジガイド23と可動エッジガイド24等を備えている。リアASF134は、ペーパーサポート133にサポートされている用紙を給送するために持ち上げるホッパ(当接部)31、このホッパ31により持ち上げられた用紙を取り出す給紙ローラ(給送ローラ)32、この給紙ローラ32により重送された用紙を1枚のみに分離するリタードローラ33、このリタードローラ33により分離された残りの用紙をホッパ31へ戻すリア紙戻しユニット34等を備えている。
第1サポート21は、平板状に形成されてフレーム132の後壁内側に格納・引出自在に配設され、第2サポート22は、平板状に形成されて第1サポート21に格納・引出自在に配設されている。第1サポート21及び第2サポート22は、給紙方向に伸縮自在に形成されているので、不使用のときはコンパクトに格納しておくことができ、また使用のときは種々のサイズの用紙を確実にサポートすることができる。
また、固定エッジガイド23は、フレーム132の装置前面側から見て右側壁に沿う形状でホッパ31と一体形成され、可動エッジガイド24は、フレーム132の装置前面側から見て左側壁に沿う形状に形成され、フレーム132の左側壁と右側壁の間をフレーム132の後壁と略平行に移動可能なようにホッパ31に取り付けられている。固定エッジガイド23と可動エッジガイド24は、用紙のサイズが異なっても確実に用紙の両側縁をガイドすることができるので、給送を高精度に行うことができる。
ホッパ31は、用紙が載置可能な平板状に形成されてフレーム132の後壁と略平行に配設されており、下端が給紙ローラ32の近傍に位置し、上端がフレーム132の後壁頂部に近接して位置するように配設されている。そして、ホッパ31は、下端側の裏面にフレーム132の後壁に一端が取り付けられた図示しない圧縮バネの他端が取り付けられており、この圧縮バネの伸縮により上端側を中心に下端側が旋回するように配設されている。
給紙ローラ32は、断面の一部が切り欠かれたD字状に形成されてホッパ31の下端近傍に配設されており、間欠的に回転してホッパ31により持ち上げられた用紙を摩擦給送するようになっている。リタードローラ33は、給紙ローラ32と当接可能に配設されており、給紙ローラ32により用紙が重送されたときに最上層の用紙のみを下層の用紙から摩擦分離するようになっている。リア紙戻しユニット34は、爪状に形成されて給紙ローラ32の近傍に配設されており、リタードローラ33により分離された下層の用紙を爪に掛けてホッパ31へ戻すようになっている。
給排紙部140には、図2及び図3に示すように、前方に向かって矩形状に開口したフロント給排紙口141が形成され、このフロント給排紙口141の下側に給紙トレイ142が配設され、給紙トレイ142の上側に排紙トレイ143が配設されている。そして、フロント給排紙口141の奧には、図3に示すように、給紙トレイ142に収納されている用紙を1枚ずつ自動的に給送する前面給紙機構(以下、フロントASFという)144と、排紙トレイ143に用紙を自動的に排送する前面排紙機構(以下、フロントEJという)145が配設されている。
給紙トレイ142は、図2及び図3に示すように、平板状に形成されており、上面に記録前の給紙される用紙が積層収納されるようなっている。排紙トレイ143は、図2及び図3に示すように、第1トレイ143a、第2トレイ143b及び第3トレイ143cを備えている。第1トレイ143aは、平板状に形成されて後部が給排紙部140の奧の本体フレーム108に回動自在に配設され、第2トレイ143bは、平板状に形成されて第1トレイ143aに格納・引出自在に配設され、第3トレイ143cは、平板状に形成されて第2トレイ143bに格納・引出自在に配設されている。
排紙トレイ143は、第2トレイ143b及び第3トレイ143cが引き出された状態で、上面に記録後の排紙される用紙が積層載置されるようなっている。第2トレイ143b及び第3トレイ143cは、排紙方向に伸縮自在に形成されているので、不使用のときはコンパクトに格納しておくことができ、また使用のときは種々のサイズの排紙される用紙を確実に積層載置することができる。なお、この給排紙部140は、給排紙時に折り曲げることが不可能な厚手の用紙や光ディスク等が収納されたトレイを手差しで給紙、供給することが可能なようにも形成されている。
図5は、フロントASF144の詳細を示す側面図であり、図3及び図5を参照して説明する。フロントASF144は、給紙トレイ142に収納されている用紙を取り出すピックアップローラユニット41、このピックアップローラユニット41により取り出された用紙の向きを変える土手部42を備えている。さらに、ピックアップローラユニット41により重送された用紙を1枚のみに分離するリタードローラユニット43、このリタードローラユニット43により分離された残りの用紙を給紙トレイ142に戻すフロント紙戻しユニット44、給送される用紙をU字状に反転させる中間ローラ45及びアシストローラ46等を備えている。
ピックアップローラユニット41は、給紙トレイ142の後部上方に配置され給紙トレイ142に対して上下に旋回自在に配設されており、下降して給紙トレイ142に収納されている用紙を摩擦給送するようになっている。土手部42は、給紙トレイ142の後部にて後方に向けて傾斜するように配設されており、ピックアップローラユニット41により給送される用紙の先端を上方に方向変換するようになっている。
リタードローラユニット43は、中間ローラ45と当接可能に配設されており、ピックアップローラユニット41により用紙が重送されたときに最上層の用紙のみを下層の用紙から摩擦分離するようになっている。フロント紙戻しユニット44は、爪状に形成されてリタードローラユニット43の近傍に配設されており、リタードローラユニット43により分離された下層の用紙を爪に掛けて給紙トレイ142へ戻すようになっている。アシストローラ46は、中間ローラ45に対して常時当接するように配設されており、リタードローラユニット43により分離された最上層の用紙を中間ローラ45と挟持してU字状に反転させ、プラテン155へ給送するようになっている。
フロントEJ145は、図3に示すように、第1排紙ローラ51と第1ギザローラ52、第2排紙ローラ53と第2ギザローラ54等を備えている。第1排紙ローラ51は、プラテン155の搬送下流側に配設されており、プラテン155を通過してくる用紙を第1ギザローラ52とともに挟持して排送し、さらに第2排紙ローラ53は、第1排紙ローラ51の搬送下流側に配設されており、その用紙を第2ギザローラ54とともに挟持して排紙トレイ143上へ排送するようになっている。
記録部150には、図3に示すように、記録動作に同期して副走査方向に用紙を送る紙送りローラ151とその従動ローラ152、記録動作に同期して主走査方向に移動するキャリッジ153、記録動作に同期してインクを吐出する記録ヘッド154、記録時の用紙を平坦に保持するプラテン155等が配設されている。
紙送りローラ151は、図3に示すように、プラテン155の搬送上流側に配設されており、給紙ローラ32により給送される用紙もしくは中間ローラ45により反転給送される用紙を図2に示す紙送り機構156により従動ローラ152とともに挟持してプラテン155へ送り出すようになっている。キャリッジ153は、プラテン155の上方で図3に示すキャリッジガイド軸157に貫装されて図2に示すキャリッジベルト158に連結されており、図2に示すキャリッジモータ159によってキャリッジベルト158が作動すると、キャリッジベルト158の動きに連行され、キャリッジガイド軸157に案内されて往復移動するようになっている。
記録ヘッド154は、図3に示すように、プラテン155と所定の間隔が空くようにしてキャリッジ153に搭載されており、例えばブラックインクを吐出するブラックインク用記録ヘッドと、イエロー、シアン、ライトシアン、マゼンタ、ライトマゼンタの5色のインクをそれぞれ吐出する複数のカラーインク用記録ヘッドとを備えている。そして、記録ヘッド154は、圧力発生室とそれに繋がるノズル開口が設けられており、圧力発生室内にインクを貯留して所定圧で加圧することにより、ノズル開口から用紙に向けてコントロールされた大きさのインク滴を吐出するようになっている。次に、本発明の特徴的な部分である給紙部130について、さらに図を参照して説明する。
図6は、上記給紙部130の詳細を斜め前方から見た斜視図、図7は、それを斜め後方から見た斜視図であり、図4の側面図も参照して説明する。この給紙部130は、上述したように、フレーム132に配設されたペーパーサポート133とリアASF134を備えている。フレーム132は、装置前面側から見て右側壁132aと左側壁132b、及びそれらの間に架設された後壁132cと底盤132dで構成されている。ペーパーサポート133とリアASF134は、フレーム132に囲われた1ユニットとして構成されているので、インクジェット式複合機100の組立や修理等の際の取り扱いが容易となる。
第1サポート21は、フレーム132の後壁132cの内側であって右側壁132aと左側壁132bの間に配設され、第1サポート21の両側端が右側壁132aと左側壁132bに沿って上下に摺動自在となるように嵌め込まれている。第2サポート22は、上端が突出する形で第1サポート21の背面側に収納され、第2サポート22の両側端が第1サポート21の両側壁に沿って上下に摺動自在となるように嵌め込まれている。ペーパーサポート133は、第1サポート21と第2サポート22の2段階で収納・引出自在となっているので、収納したときの面積を小さくすることができ、また引き出したときの支持面積を大きく取ることができる。
固定エッジガイド23は、ホッパ31の右側端から垂直に立ち上がるように一体形成され、可動エッジガイド24は、固定エッジガイド23と平行であって、ホッパ31の左側端と右側端との間に形成された溝31aに沿って摺動自在に配設されている。可動エッジガイド24は、スムーズに移動することができるので、固定エッジガイド23との間で用紙を幅に合わせて正確に挟み込むことができる。
ホッパ31は、第1サポート21の内側であってフレーム132の右側壁132aと左側壁132bの間に配設され、ホッパ31の下端が上端を中心に旋回して、収納されている用紙の下端を給紙ローラ32に対して押圧・離間するようになっている。給紙ローラ32は、両端がフレーム132の右側壁132aと左側壁132bの間に回転自在に配設されている給紙ローラ軸32aの右端寄りに配設されている。この給紙ローラ32は、用紙の摩擦給送が容易となるように、外周にゴム等が配設されている。そして、この給紙ローラ軸32aには、主要な用紙の幅に合わせて3つの補助給紙ローラ32bが配設されている。リタードローラ33は、フレーム132の底盤132dにおける給紙ローラ32と接触する位置に回転自在に軸支持されている。リア紙戻しユニット34は、フレーム132の底盤132dにおけるリタードローラ33の両側と、補助給紙ローラ32bの近傍の4箇所に回転自在に軸支持されている。
図8は、上記第1サポート21及び第2サポート22の詳細を背面側から見た斜視図である。第1サポート21の背面側には、第2サポート22が収まる収納部21aが形成されている。第2サポート22の背面側には、両側縁に沿ってガイド溝22aが形成され、上縁に指掛け部22bが形成されている。そして、第1サポート21の収納部21aの両側には、第2サポート22のガイド溝22aに入り込んで第2サポート22の摺動をガイドするガイド部21bが形成されている。ユーザは、第2サポート22の指掛け部22bに指を掛けて引き上げ、あるいは押し込むことにより、第2サポート22を第1サポート21に対し容易に引出・収納することができる。さらに、第1サポート21の背面側の下部両側には、第1サポート21の両側面がフレーム132の右側壁132aと左側壁132bに沿って摺動する際のガイドとなるスライダ(摺動部)25が配設されている。
図9(A)、(B)、(C)は、上記スライダ25の一方の周辺を背面側から見た斜視図、正面側から見た斜視図、スライダ25のみを示す斜視図である。なお、他方のスライダ25も同様の構造であるため図示及び説明は省略する。このスライダ25は、先端のスライダ部25aが第1サポート21の側面21cに対し突出し、あるいは引っ込むように、後端が第1サポート21に内蔵されているバネ26により押圧されている。さらに、その突出量が一定となるように、側面に設けられたストッパ25bが第1サポート21に設けられている係止穴21dに係止されている。
そして、スライダ部25aの先端面には、後述するフレーム132に形成されている突起部(係止部)132gと係合するための凹部(係止部)25cが2箇所形成され、側面の凹部25c近傍には、斜面25dが2箇所形成されている。スライダ25を突出・引込可能に構成することにより、凹部25cと突起部132gとの係合・取外しを容易に行うことができる。さらに、凹部25cと突起部132gとが係合しているときに、第1サポート21に背面側から無用な外力が加わった場合、凹部25cが突起部132gから外れ、さらに斜面25dが後述するフレーム132に形成されている傾斜壁132iを滑るので、第1サポート21を破壊することなくフレーム132から外すことができる。なお、スライダ部25aに凹部25cの代わりに突起部を形成し、フレーム132に突起部132gの代わりに凹部を形成するようにしても良い。
図10は、上記フレーム132の右側壁132aの詳細を示す平面図、図11(A)、(B)、(C)は、その主要部の詳細を示す平面図、B−B線断面図及びC−C線断面図である。なお、左側壁132bも同様の構造であるため図示及び説明は省略する。このフレーム132の右側壁132aには、第1サポート21が上下に摺動する際のガイドとなるガイド溝(案内溝部)132eが形成されている。このガイド溝132eにはスライダ部25aが嵌まり込み、第1サポート21が摺動する際にガイドするようになっている。ガイド溝132eの最上端部は、折れ曲がり部132fが形成されており、この折れ曲がり部132fには、上述したスライダ部25aに形成されている2つの凹部25cが係合する2つの突起部132gが形成されている。
第1サポート21が、フレーム132の右側壁132aの下部に位置しているとき、すなわち収納状態にあるときは、第1サポート21の下部はガイド溝132eに嵌まり込んでいるスライダ部25aにより位置決めされ、第1サポート21の上部はガイド溝132eに沿って形成されている突起部132hにより位置決めされている。また、第1サポート21が、フレーム132の右側壁132aの上部に位置しているとき、すなわち引出状態にあるときは、スライダ部25aに形成されている凹部25cが、ガイド溝132eの折れ曲がり部132fに形成されている突起部132gに係合し、スライダ部25aの前面及び背面が、ガイド溝132eの折れ曲がり部132fを形成する前面側の傾斜壁132iと背面側の垂直壁132jに当接して第1サポート21は位置決めされている。
さらに、上述したように、第1サポート21に背面側から無用な外力が加わって、第1サポート21がフレーム132から外れてしまったときに、第1サポート21の下端両側をガイド溝132eの折れ曲がり部132fに差し込み易くするために、折れ曲がり部132fの上部には、傾斜面132kが形成されている。なお、第1サポート21に前面側から無用な外力が加わった場合は、凹部25cが突起部132gから外れて第1サポート21の自重によりスライダ部25aがガイド溝132eに沿って滑り落ちるので、第1サポート21はフレーム132に自動的に収納されることになる。
さらに、一旦差し込んだ第1サポート21の下端両側がガイド溝132eの折れ曲がり部132fから容易に抜けないようにするために、傾斜面132kの下部には、抜け防止壁132lが形成されている。なお、フレーム132の右側壁132aの背面側の上部は下部からの延長線よりも手前に傾斜する形状に形成されている。これにより、インクジェット式複合機100の奥行き寸法を小さくすることができる。このような構成のペーパーサポート133の動作について図を参照して説明する。
図12及び図13は、上記第1サポート21をフレーム132から引き出した直後の状態を示す斜視図及び断面側面図、図14及び図15は、上記第1サポート21をフレーム132から引き出してセット完了した状態を示す斜視図及び断面側面図である。ユーザが第1サポート21をフレーム132から引き出して最上部まで引き上げると、スライダ部25aに形成されている上側の凹部25cのみが、ガイド溝132eの折れ曲がり部132fに形成されている上側の突起部132gに係合する(図12及び図13参照)。このとき上側の凹部25cは上側の突起部132gを乗り越えて係合することになるので、ユーザはクリック感を得ることができ、第1サポート21がフレーム132から完全に引き出されたことを認識することができる。
次に、ユーザが第1サポート21の支持面21eを押して第1サポート21を上側の突起部132gを支点に反時計回り方向に回転させ、下側の凹部25cを下側の突起部132gに係合させる(図14及び図15参照)。このときも下側の凹部25cは下側の突起部132gを乗り越えて係合することになるので、ユーザはクリック感を得ることができ、第1サポート21がフレーム132にセットされたことを認識することができる。
そして、第1サポート21をフレーム132から引き出してセット完了した状態では、第1サポート21の支持面21eとホッパ31の支持面31aは、段差が無い平坦な面、すなわち面一の状態になる。さらに、第2サポート22の上部には、第1サポート21の支持面21eと面一となる段差面22cが形成されている。このような構成のペーパーサポート133によれば、ホッパ31の支持面31aと第1サポート21の支持面21eと第2サポート22の段差面22cに支持される用紙は平坦になるので、給紙時に用紙が斜行して紙ジャム等が発生することを防止することができる。
このような構成において、インクジェット式複合機100にて用紙に記録する場合の動作について説明する。ユーザは、ペーパーサポート133の第2サポート22を第1サポート21から完全に引き出すとともに、第1サポート21をフレーム132から完全に引き出してセットする。そして、記録前の複数枚の用紙をペーパーサポート133に収納してインクジェット式複合機100を起動する。ペーパーサポート133に積層収納された用紙は、給紙ローラ32の回転に機械的に同期した圧縮バネの復元によるホッパ31の上昇により給紙ローラ32に押付けられ、最上層の用紙のみがリタードローラ33により分離されて紙送りローラ151へ給送される。そして、用紙は、スキュー取り及び頭出しされた後、紙送り機構156により駆動されている紙送りローラ151とその従動ローラ152に挟持されてプラテン155へ給送される。
用紙は、キャリッジモータ159とキャリッジベルト158により走査されるキャリッジ153に搭載された記録ヘッド154により記録される。このとき、インクジェット式複合機100の制御部は、例えばイエロー、マゼンタ、ライトマゼンタ、シアン、ライトシアン、ブラックの計7色のインクカートリッジから記録ヘッド154へ各色インクを供給し、各色インクの吐出タイミング及びキャリッジ153や紙送りローラ151の駆動を制御して、高精度なインクドット制御、ハーフトーン処理等を実行する。そして、記録が完了した用紙は、紙送り機構156により駆動されている第1排紙ローラ51と第1ギザローラ52、第2排紙ローラ53と第2ギザローラ54に挟持されて給排紙部140へ排紙され、排紙トレイ143上へ積層載置される。
以上のように、本実施形態のインクジェット式複合機100によれば、ペーパーサポート133は、フレーム132に対して収納・引出自在に配設されているので、ペーパーサポート133の支持面の大きさを変更、すなわち第1サポート21と第2サポート22を収納・引出することにより、使用時は支持面を大きくして用紙の全面を支持することができ、不使用時は支持面を小さくしてコンパクトに収納することができる。
また、ペーパーサポート133は、引き出されたときに第1サポート21の支持面21eとホッパ31の支持面31a、さらには第2サポート22の段差面22cとが段差の無い平坦な面になるので、用紙を平坦な状態に維持したまま給送することができ、給送エラーを防止することができる。また、ペーパーサポート133は、突出・引込自在なスライダ25を備え、フレーム132に形成されているガイド溝132eに沿って摺動し、引き出されたときにスライダ25に形成されている凹部25cとガイド溝132eに形成されている突起部132gとが係止するので、ペーパーサポート133の収納・引出をスムーズに行うことができ、用紙のセット作業を簡易に行うことができる。また、ペーパーサポート133の引出状態を維持することができるので、用紙を常に精度良く給送することができる。
21 第1サポート、22 第2サポート、23 固定エッジガイド、24 可動エッジガイド、25 スライダ、25c 凹部、31 ホッパ、32 給紙ローラ、100 インクジェット式複合機、101 ハウジング、110 プリンタ、120 スキャナ、130 給紙部、131 リア給紙口、132 フレーム、132g 突起部、132e ガイド溝、133 ペーパーサポート、134 リアASF、140 給排紙部、150 記録部