JP2006114872A - 銅酸化物を含む銅変質層の除去液及び除去方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】銅酸化物、及び/又は、ドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層を、銅の腐食を抑制し選択的に除去するための除去液を提供する。
【解決手段】モノカルボン酸と水からなるドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層の残渣除去液。
【選択図】なし

Description

本発明は、Cu/Low-k多層配線構造におけるダマシン構造およびデュアルダマシン構造の形成、リソグラフィーなど一部のプロセスのやり直し(リワーク)などの半導体の製造プロセスや液晶パネル素子において、Low-k膜やシリコン含有膜に対する薬液によるエッチングを抑制してレジスト、反射防止膜、埋め込み材およびドライエッチング残渣などの不要物の有無にかかわらず、銅酸化物、及び/又は、ドライエッチング及び/又はアッシング(灰化)時に形成された、Cu/low-k多層配線構造の銅酸化物及び/又は銅酸化物を含む銅変質層を選択的に除去するための除去液及び該除去液を用いてこれらを除去する方法に関するものである。
近年まで、配線材料としてAlあるいはAl合金などを用い、層間絶縁膜としてSiO2膜を使用するAl/SiO2多層配線構造の半導体デバイスが中心に製作されてきた。現在は、デバイスの微細化に伴う配線遅延を低減するため、配線材料として抵抗値の低いCuを用い、SiO2膜の代わりに層間絶縁膜として配線間容量の小さいlow-k膜(低誘電率膜)を用いるCu/low-k多層配線構造が開発されている。
Cu/low-k多層配線構造では、ドライエッチングにより、まずlow-k膜に溝(トレンチ)や穴(ビアホール)を加工し、その加工部分に主に銅などの配線材料を埋め込み、配線構造を形成するダマシンといわれる方法により加工が行われる。さらに、デュアルダマシン法においては、配線のためのトレンチとビアホールを同時にlow-k膜に形成し、その後、銅などの配線材料を埋め込む。
デュアルダマシン構造の形成には、ビアホールを先に形成した後、配線のための溝を形成するビアファーストプロセス、この逆の順序で配線のためのトレンチを先に形成した後、ビアホールを形成するトレンチファーストプロセス、その他にミドルファーストプロセス、デュアルハードマスクプロセス、トリプルハードマスクプロセスなどがある。
ビアファーストのプロセスにおいては、埋め込み材が使用されることが多い。ビアホールをドライエッチングにより形成した後、埋め込み材を埋め込み、トレンチを形成するためのリソグラフィーを行い、ドライエッチングする。その後、埋め込み材は選択的に除去される。これに対して、デュアルハードマスクプロセス、トリプルハードマスクなどのプロセスでは、埋め込み剤を使用しない。
Al/SiO2多層配線構造では、配線のためのメタルエッチングやビアホール加工のためのビアエッチング後には、レジスト、反射防止膜やエッチング残渣などの不要物を除去するために酸素ラジカルを含んだプラズマによりアッシングを行っていた。
Cu/low-k多層配線構造では、多量の酸素ラジカルを含んだプラズマによりアッシングを行うと、low-k膜にダメージを与えてしまう。このため、多量の酸素ラジカルを含んだプラズマアッシングを行わずに、水素プラズマアッシング、Heなどの不活性ガスを用いたアッシングおよびHe/水素などの混合ガスプラズマ、もしくは酸素を含んでlow-k膜にダメージを与えないように酸素ラジカルを減らしたプラズマアッシングをした後に、レジストやドライエッチング残渣などの不要物を除去することが望ましい。このようなアッシング方法を用いても、レジスト、反射防止膜、ドライエッチング残渣および埋め込み材が残る場合がある。さらには、ダマシン、デュアルダマシンなどの構造を形成する際のドライエッチングおよび/又はアッシング時に、このような酸素を含んだプラズマを用いた場合、或いはプロセス間の移動などにより大気に曝されることがあれば、Cu金属配線の表面に銅酸化物、及び/又は、ドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層が形成される。ダマシン、デュアルダマシン構造のトレンチやビアホールに、バリアメタルのTaNや配線材料のCuなどの金属を埋め込む際に、下層部にあるCuなど配線層との接点に銅酸化物や前述の変質層があると、抵抗が大きくなり半導体デバイスの不良の原因となる。さらに、半導体回路のパターンのリソグラフィー(描画)をやり直すリワークの場合も含めて、このような銅酸化物、及び/又は、ドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層は、Cu腐食およびLow-k膜の薬液によるエッチングを抑制して選択的に取り除かなければならない。
銅配線の表面に、このように形成された銅酸化物、及び/又は、ドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層を、現在、市販されている従来のレジストなどのポリマー剥離液で除去しようとすると、銅およびシリコン含有膜、Low-k膜などのデバイスを構成する膜がエッチングされてしまい、十分選択的に除去できず、本来の設計寸法どおりの加工ができない。特にレジスト、反射防止膜、埋め込み材およびドライエッチング残渣などの不要物が共存する場合、これらが妨げとなって、いっそう困難である。
例えば、銅酸化物およびドライエッチングやアッシングによる損傷を受けて形成された、銅酸化物、及び/又は、ドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層の除去に、水で希釈した塩酸やフッ酸を用いると、銅酸化物を除去できる。しかしながら、銅酸化物を含む銅変質層は除去しにくく、解離したH+が多いため銅が腐食しやすい。
また、レジスト、反射防止膜、埋め込み材およびドライエッチング残渣などの不要物が、銅酸化物、及び/又は、ドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層の周辺に共存する場合、水で希釈した塩酸やフッ酸ではこれらを取り除けないため、本来取り除くべき銅酸化物や前述の銅変質層も完全に除去することが困難であり、均一な除去ができない。さらに、これらの薬液によりドライエッチングによりダメージを受けた層間絶縁膜、特に層間絶縁膜がポーラスLow-kである場合に著しくエッチングされて、設計寸法通りに加工ができなくなる。
このようにダマシンおよびデュアルダマシンを形成するあらゆるプロセスにおいて、レジスト、反射防止膜、埋め込み材およびドライエッチング残渣などの不要物の有無にかかわらず、Low-k膜やシリコン含有膜に対する薬液によるエッチングを抑制して銅酸化物、及び/又は、ドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層を銅に対して選択除去する専用薬液はこれまで存在していないし、未だ開発されていない。
特許文献1は、CMP後の銅フィルムの洗浄剤を開示しているが、エッチングないしアッシング後に生じる銅酸化物の除去については言及していない。また、特許文献1では、洗浄液中に配合可能なカルボン酸としてクエン酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸などのポリカルボン酸のみが例示されている。
特許文献2は、ポリマー残渣を除去するための洗浄液を記載しているが、銅酸化物を含む銅変質層の除去については記載されていない。
特表2001−521285 特開平10−256210
本発明は、Cu/low-k多層配線構造におけるダマシン、デュアルダマシン構造の形成において、シリコン含有膜やLow-k膜に対して薬液によるエッチングを抑制し、銅酸化物、及び/又は、ドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、Cu/low-k多層配線構造の銅酸化物を含む銅変質層を、銅の腐食を抑制し選択的に除去するための除去液を提供することにある。
本発明者は、モノカルボン酸及び水を基本組成とする溶液を用いることにより、短時間でかつ選択的に銅の表面に形成された銅酸化膜、及び/又は、ドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、Cu/low-k多層配線構造の銅酸化物を含む銅変質層を除去できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
1. モノカルボン酸0.1〜80重量部と水99.9〜20重量部(水とモノカルボン酸の合計が100重量部)を含むドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、Cu/low-k多層配線構造の銅酸化物を含む銅変質層の残渣除去液。
2. モノカルボン酸(0.1〜80重量部)と水(99.9〜20重量部)の合計量100重量部に対し、0.1-25重量部の有機溶媒をさらに含む項1に記載の残渣除去液。
3. モノカルボン酸(2〜70重量部)と水(98〜30重量部)の合計量100重量部に対し、0.005-5.5重量部のフッ素化合物をさらに含む項1に記載の残渣除去液。
4. モノカルボン酸(2〜70重量部)と水(98〜30重量部)の合計量100重量部に対し、0.005-5.5重量部のフッ素化合物および0.1-25重量部の有機溶媒をさらに含む項1に記載の残渣除去液。
5. さらにモノカルボン酸塩および/または有機塩基を含む項1〜4のいずれかに記載の残渣除去液。
6. さらに、非共有電子をもつ酸素及び/又は非共有電子をもつ窒素を有する非共有電子をもつ硫黄含有化合物を少なくとも1種を含む、項1〜5のいずれかに記載の残渣除去液。
7. さらに、界面活性剤を含む項1〜6のいずれかに記載の残渣除去液。
8. さらに、防食剤を含む項1〜7のいずれかに記載の残渣除去液。
9. モノカルボン酸が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、トリフルオロ酢酸からなる群から選ばれる少なくとも一つである項1〜8のいずれかに記載の残渣除去液。
10. フッ素化合物が、フッ化水素及びフッ化アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つである項3または4に記載の残渣除去液。
11. 有機溶媒が、アルコール類、エステル類、アミド類、エーテル類、スルホン類およびスルホキシド類からなる群から選ばれる少なくとも一つである項2または4に記載の残渣除去液。
12. 有機溶媒が炭酸プロピレンである項11に記載の残渣除去液。
13. 有機溶媒がジメチルホルムアミド(DMF)である項11に記載の残渣除去液。
14. 非共有電子をもつ酸素及び/又は非共有電子をもつ窒素を有する非共有電子をもつ硫黄含有化合物が、スルフィド類、メルカプタン類、チオカルボン酸類、チオアセトアミド類、チオウレア類、チアジアゾール類、テトラゾール類、トリアジン類、チアゾール類、チオフェン類、ピリミジン類、プリン類、チアゾリン類およびチアゾリジン類からなる群から選ばれる少なくとも1種である項6に記載の残渣除去液。
15. 非共有電子をもつ酸素及び/又は非共有電子をもつ窒素を有する非共有電子をもつ硫黄含有化合物が、2−アミノ−2−チアゾリン、メルカプト酢酸、3-メルカプトプロピオン酸、チオ乳酸及びチオリンゴ酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である項14に記載の残渣除去液。
16. 防食剤が、ポリカルボン酸である項8に記載の残渣除去液。
17. ポリカルボン酸が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、リンゴ酸、クエン酸及び酒石酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である項16に記載の残渣除去液。
18. 項1〜17のいずれかに記載の除去液と、表面上にドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、Cu/low-k多層配線構造の銅酸化物を含む銅変質層を有する除去処理対象物とを接触させることにより、該銅変質層の残渣を除去する方法。
19. 項18の方法によって得られた除去処理物。
本発明の除去液は、シリコン含有膜やLow-k膜に対する除去液のエッチングを抑制し、ウェハーに形成された銅配線等の銅薄膜、電極、銅層等の表面にできた銅酸化物、及び/又は、ドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層を、銅に対して選択的に除去することができる。
本発明のCu/low-k多層配線構造の銅酸化物を含む銅変質層の残渣除去液(以下、「本発明の除去液」という。)は、銅酸化膜、及び/又は、ドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、Cu/low-k多層配線構造の銅酸化物を含む銅変質層(以下、「銅酸化膜及び/又銅変質層残渣」と略す場合がある)の残渣に対する溶解性と銅に対する防食効果との組合せを特徴とする。
本発明の除去液は、導電性金属として、銅(Cu)を用いて成膜したウェハーにおいて、銅表面上に形成された銅酸化物を除去するのに適している。
ドライエッチング及び/又はアッシング時に酸素を含んだプラズマを用いた場合に形成された銅酸化物、或いはプロセス間の移動などにより大気に曝された場合に、金属が自然に酸化されてできた自然酸化膜等が挙げられる。例えば、銅酸化物としてはCuO、Cu2O、Cu(OH)2等が挙げられる。ドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層とは、ドライエッチング及び/又はアッシングにより、損傷を受けて酸化および/またはフッ素化された銅酸化物とその銅との混合物からなる変質層であり、電気抵抗が増大したものである。この銅変質層は、酸化および/またはフッ素化された、銅酸化物および配線である銅からなるので、その電気抵抗は銅酸化物に近い絶縁層となる。銅酸化物の厚さも限定されないが、通常、1〜80Å程度、好ましくは1〜40Å程度が挙げられる。ドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層の厚さもドライエッチングやアッシングによる条件により変化して限定されない。通常は銅酸化物ができる限り少なくなるようにプロセス上で調整される。銅変質層の厚さは通常、500Å程度以下、好ましくは1〜300Å程度が挙げられる。
本発明の除去液は、モノカルボン酸と水を特定の比率で混合することにより、銅に対する防食効果を維持したまま、銅酸化膜、及び/又は、ドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層の残渣(CuO、Cu2O、Cu(OH)2等のCu以外の変質した成分)に対する溶解性を向上させることが可能である。
さらには、本発明で使用する好ましいモノカルボン酸は水に対して無限に溶解するため、成分の蒸発や消費されることによって、組成が変化しにくく、たとえ若干変化したとしても、十分な量のモノカルボン酸を銅酸化膜及び/又は銅変質層残渣に対して供給できる。そのため、非常に安定した銅酸化膜及び/又は銅変質層残渣の除去効果を発現できる。また、モノカルボン酸の分量を増やすことにより、有機成分を含むレジスト、反射防止膜、埋め込み材およびドライエッチング残渣などが共存する場合であっても、これらを同時に除去できる。したがって、このような不要物の有無にかかわらず、銅酸化膜及び/又は銅変質層残渣を除去することができる。
これに対して、ジカルボン酸やトリカルボン酸などのポリカルボン酸やその塩、モノカルボン酸塩のみを用いた場合は、銅酸化膜及び/又は銅変質層残渣を溶解させる効果が小さく、除去するまでに時間がかかる。さらに、マレイン酸のようなジカルボン酸などのポリカルボン酸は、モノカルボン酸を添加せず単独で使用すると銅とキレートを形成し、防食効果よりも銅を溶解させる効果を発現する。ジカルボン酸などのポリカルボン酸やその塩、モノカルボン酸塩の場合も同様である。例えばこれらのアンモニウム塩を単独で用いた場合も、NH4 + ⇔ NH3 + H+ の平衡から生じるNH3が銅と錯体を形成するため銅を溶解させやすく、銅酸化膜及び/又銅変質層残渣を除去するのに時間を要する。さらに、水に対する溶解量も少なく、蒸発や消費されることによって、組成が変化しやすい。組成変化が起こると、安定した銅酸化膜及び/又銅変質層残渣を溶解除去する効果と防食の効果を発揮しにくい問題点がある。また、ジカルボン酸などのポリカルボン酸やその塩の溶解量には限りがあるため、有機成分を含むレジスト、反射防止膜、埋め込み材およびドライエッチング残渣などを十分除去できず、これらの不要物が存在すると、銅酸化膜及び/又銅変質層残渣を除去することが困難になる。
本発明の除去液に添加する有機溶媒は、銅酸化膜及び/又は銅変質層残渣と有機成分を含むレジスト、反射防止膜、埋め込み材およびドライエッチング残渣の溶解性をさらに向上させる。これとともに防食効果を付与して、溶解性と防食のバランスを調整する効果がある。
フッ素化合物は、シリコン含有膜やlow-k膜がSiを含有した膜である場合、これらを含むドライエッチング及び/又はアッシング後の残渣を除去する効果を付加するために加える場合がある。銅酸化膜及び/又銅変質層残渣と配線材料の銅とが強固に密着している場合には、銅を溶解させる物質を若干量の添加剤として加えてもよい。この添加剤としては、モノカルボン酸アンモニウム塩などの銅と錯体を形成するイオンや分子を発生させる物質である。さらに、銅の腐食を抑制しにくい場合は、防食剤を添加してもよい。微細なパターンに対して、十分に薬液を接触させるために、界面活性剤を添加する場合もある。具体的には、半導体デバイスが製造される方法(プロセス)と使用される材料(特に層間絶縁膜)により、本発明の薬液の組成が決定される。
本発明の除去液の主要除去対象物は、(1)銅酸化物及び/又は銅変質層、(2) Si含有残渣であり、一般的な非除去対象物としては、Low-k膜などのILD(層間絶縁膜)、 シリコン含有膜、およびドライエッチング及び/又はアッシングによりダメージを受けたILDダメージ層がある。主要対象物に付随する付加的な除去対象物として、(3) 無機埋め込み材残渣、(4) レジスト残渣、(5)反射防止膜残渣、(6)有機埋め込み材残渣などがある。
これらの対象物の除去は、水とモノカルボン酸を含む本発明の除去液により行うことができるが、該除去液にさらに他の成分を加えてもよい。以下の表1に特に好ましい1つの実施形態を示す。しかし、本発明の除去液の組成はこれらに限定されるものではない。なお、表1中「任意」とは、任意の配合量でよいとの意味である。
Figure 2006114872
例えば、Cu/Low-kデュアルダマシン構造の形成において、銅の腐食を抑制しながら、ドライエッチング及び/又はアッシング後の銅酸化物及び/又は銅変質層を除去するためには、モノカルボン酸と水は必須であり、フッ素化合物、有機溶媒を添加することにより、除去効果を増大させるなどの調整をすることができる。
除去対象物としてデバイスを構成する膜をドライエッチング及び/又はアッシングすることにより生じたSiを含む残渣や無機埋め込み材などの付加的な残渣が存在する場合には、除去液にフッ素化合物を含むことが望ましい。Si含有残渣を銅酸化物及び/又は銅変質層と同時に有する対象物の場合、水とモノカルボン酸のみでも同時除去は可能であるが、フッ素化合物をさらに少量(水とモノカルボン酸からなる本発明の除去液100重量部に対し0.01〜1重量部程度)配合することで、Si含有残渣の除去をより容易に行うことができる。また、無機埋み込み材残渣を銅酸化物及び/又は銅変質層と同時に有する対象物の場合、水とモノカルボン酸のみでの同時除去は困難であり、フッ素化合物をさらに配合することで(水とモノカルボン酸からなる本発明の除去液100重量部に対し0.005〜5.5重量部程度)、無機埋み込み材残渣の除去をより容易に行うことができる。
シリコン含有膜、ILD(Low-k膜)、ILDダメージ層は、フッ素化合物が配合されると除去或いは損傷を受ける可能性があるので、これらの損傷を抑制する必要がある場合には、フッ素化合物を含有しないか、或いは少量(本発明の除去液100重量部に対し0.1重量部以下)配合するのが好ましい。
有機溶媒は、有機成分を含有している残渣(レジスト残渣、BRAC残渣、有機埋み込み材残渣など)の除去効果を高め、フッ素化合物の解離を調整し銅酸化物の除去効果を増大させ、銅の防食効果を付与することができる。ただし、モノカルボン酸のみでもこのような効果を有しており、有機溶媒はモノカルボン酸の効果を補強するものである。
モノカルボン酸塩は、除去液に使用可能なモノカルボン酸の塩であることが必要である。このモノカルボン酸塩を加えることにより、モノカルボン酸の解離を抑制して、除去効果を制御する。有機塩基はモノカルボン酸塩が安定に存在しない場合に、除去液に加えて、モノカルボン酸塩と同様の効果を与える。
モノカルボン酸塩としては、モノカルボン酸のアンモニウム塩、モノカルボン酸のヒドロキシルアミン塩、モノカルボン酸の第一級、第二級、第三級または第三級アミン塩、第四級アンモニウム塩が挙げられ、好ましくはアンモニウム塩である。
有機塩基としては、アンモニア、ヒドロキシルアミン、第一級、第二級または第三級アミン、TMAH(Tetramethylammonium hydroxideの略,水酸化テトラメチルアンモニウム)などの第四級アンモニウムが挙げられる。
レジスト、反射防止膜および埋め込み材やドライエッチング及び/又はアッシングに伴い発生する残渣に有機成分が多く含まれている場合、モノカルボン酸または有機溶媒の量を増やすことにより、これらの残渣を効率的に除去できる。
また、デバイスの誘電率を下げるためLow-k膜として比誘電率が2.4近傍あるいはそれ以下のポーラスlow-kあるいはウルトラlow-kと呼ばれる膜が使用される場合がある。これら膜は薬液によりエッチングされやすい。したがって、このような場合にはフッ化水素などのフッ素化合物を少量添加するか添加しないのが好ましい。また、ドライエッチング及び/又はアッシング後に層間絶縁膜にダメージ層が形成されており、これを取り除かずに残したい場合も、フッ素化合物を少なくするか、添加しないほうが好ましい。
本発明の1つの好ましい実施形態において、非共有電子をもつ酸素及び/又は非共有電子をもつ窒素を有する非共有電子をもつ硫黄含有化合物を少なくとも1種をさらに添加することができる。これらは、銅の腐食を防止するのに有効であり得る。
このように本発明の除去液では、有機溶媒を増加させることにより、レジスト、反射防止膜、埋め込み材およびドライエッチング及び/又はアッシングに伴い発生する残渣などの有機成分含有残渣をより容易に除去できる、さらに、フッ化水素と水及び有機溶媒の組合せにより、OHと結合したシリコン(Si−OH結合) および/またはHと結合したシリコン(Si−H結合)を含む無機埋め込み材および反射防止膜およびドライエッチング及び/又はアッシングに伴い発生するSi含有残渣などの無機成分含有残渣もより容易に除去できる。
したがって、上述の残渣除去の際には、シリコン含有膜やLow-k膜やなどの層間絶縁膜やドライエッチング及び/又はアッシングの際に形成されたこれらの膜のダメージ層に対して除去液によるそのエッチングを最小限に抑えて、レジスト、反射防止膜、埋め込み材などの有機および無機のドライエッチング残渣、Si含有残渣などの不要物が共存しても、これらを同時に除去し、銅酸化物、及び/又は、ドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層の除去を銅に対してより選択的に除去することが可能である。
本発明の除去液は、モノカルボン酸及び水を主成分として含む。モノカルボン酸としては、水溶性のモノカルボン酸がより好ましい。水溶性であると、本発明の除去液で処理したあと、純水でリンスすることにより、ウェハーなどの被処理物に残った本発明の除去液を容易に取り除くことができるためである。好ましい水溶性のモノカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、α−クロロ酪酸、β−クロロ酪酸、γ−クロロ酪酸、乳酸、グリコール酸、ピルビン酸、グリオキサル酸、アクリル酸、メタクリル酸など、その中でも、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、トリフルオロ酢酸がさらに好ましく、酢酸が最も好ましい。
モノカルボン酸は、水とモノカルボン酸からなる本発明の除去液において、0.1wt%-80wt%であり、好ましくは、1-80wt%、より好ましくは2.5-60wt%である。水は残量である。水とカルボン酸が上記の範囲内にあると、Cu/low-k多層配線構造の銅酸化物を含む銅変質層の残渣を速やかに除去することができるが、上記の範囲外になると、該残渣の除去速度が急速に遅くなる。モノカルボン酸の量が多すぎても少なすぎても除去速度が低下する。
水としては純水を使用するのが好ましい。
また、フッ素化合物、有機溶媒、モノカルボン酸塩または有機塩基、およびこれらを混合して用いることもできる。
フッ素化合物としては、フッ化アンモニウム、フッ化水素、一水素二フッ化アンモニウムが好ましい、通常フッ化アンモニウム水溶液、希フッ酸(50重量%水溶液)を用いる。フッ素化合物の濃度は、シリコン含有膜、Low-k膜などの層間絶縁膜およびドライエッチング及び/又はアッシングによりダメージを受けた層間絶縁膜の種類と量により異なる。フッ素化合物の好ましい配合量は、水とモノカルボン酸からなる本発明の除去液100重量部に対し0.005重量部〜5.5重量部であり、より好ましくは0.01〜3重量部である。フッ化アンモニウムを添加する場合には、pHが7以下で、できるだけ酸性域である場合が好ましい。酸性度が弱くなると、NH4 + ⇔NH3 + H+によりNH3が増加して、銅と錯体を作り、銅を腐食しやすくなるからである。
本発明の有機溶媒は、モノカルボン酸水溶液に溶解可能な有機溶媒であるのが好ましい。モノカルボン酸水溶液に溶解可能な有機溶媒としては、エーテル、エステル、アルコール、アミド、スルホキシドなどが挙げられる。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t-ブタノール、フッ素含有アルコール等が挙げられる。
エーテルとしては、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテルなどのアルキレングリコールモノアルキルまたはアラルキルエーテル;ジオキサン、トリオキサン、ジグライム、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシプロパン、ジエトキシメタン、1,1-ジメトキシエタン、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等が挙げられる。
エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのモノカルボン酸アルキルエステル、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどのカーボネート類、亜硫酸エチレン、γ−ブチロラクトン、リン酸トリブチル、リン酸トリメチル等が挙げられる。
アミドとしては、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N-メチル-2-ピロリドン、1,1,3,3-テトラメチル尿素、 N-メチルプロピオンアミド及びジメチルイミダゾリジノンなどが挙げられる。
スルホキシドとしては、ジメチルスルホキシド(DMSO)が例示される。
さらに、本発明の有機溶媒としてスルホラン、ジメチルチオホルムアミド及びN-メチルチオピロリドン、メタンスルホン酸などの硫黄化合物などが好ましく使用できる。
その中でも、モノカルボン酸水溶液に溶解性の有機溶媒である、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、亜硫酸エチレン、γ−ブチロラクトン、リン酸トリブチル及びリン酸トリメチルなどのエステル、ジオキサン、トリオキサン、1,1-ジメトキシエタン、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジメトキシメタン、ジメトキシプロパン、ジエトキシメタン、ジグライム、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル及びポリエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、メタンスルホン酸及び無水酢酸がさらに好ましい。
さらに、酢酸メチル、酢酸エチル、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、ジグライム、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、メタンスルホン酸および無水酢酸がさらにいっそう好ましい。これらの中で炭酸プロピレンが最も好ましい。
さらに、本発明の除去液を使用する環境において引火する恐れのある場合は、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル及びポリエチレングリコールジメチルエーテルなどの高引火点の有機溶媒を使用することが望ましい。
いずれも半導体や液晶のプロセスにおいて、金属等の汚染を引き起こさない純度であることが重要である。
非共有電子をもつ酸素及び/又は非共有電子をもつ窒素を有する非共有電子をもつ硫黄含有化合物としては、スルフィド類、メルカプタン類、チオカルボン酸類、チオアセトアミド類、チオウレア類、チアジアゾール類、テトラゾール類、トリアジン類、チアゾール類、チオフェン類、ピリミジン類、プリン類、チアゾリン類およびチアゾリジン類からなる群から選ばれる少なくとも1種を例示でき、具体的には以下の化合物を好ましく例示できる。
スルフィド類としては、チオジグリコール、2,2′‐チオ二酢酸、3,3′‐ジチオジプロピオン酸が挙げられる;
メルカプタン類としては、メルカプト酢酸、チオリンゴ酸、チオ乳酸、3−メルカプトプロピオン酸、アミノチオフェノール、2‐メルカプトエタノール、3‐メルカプト‐1,2‐プロパンジオールが挙げられる;
チオカルボン酸類としては、チオール酢酸、3−アセチルチオ−2−メチルプロパン酸が挙げられる;
チオアセトアミド類としては、チオアセトアミドが挙げられる;
チオウレア類としては、チオ尿素、チオカルボヒドラジド、グアニルチオウレア、エチレンチオ尿素、マロニルチオ尿素が挙げられる;
チアジアゾール類としては、2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール、2-チオ酢酸-5-メルカプト-1,3,4-チアジアゾール、2,5-ジチオ酢酸-1,3,4-チアジアゾールが挙げられる;
テトラゾール類としては、1-メチル-5-メルカプト-1H-テトラゾールが挙げられる;
トリアジン類としては、2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジンが挙げられる;
チアゾール類としては、4−チアゾールカルボン酸、2‐アミノチアゾールが挙げられる;
チアゾリジン類としては、2,4-チアゾリジンジオン、2-チオ-4-チアゾリドン、2-イミノ-4-チアゾリジノンが挙げられる。
チオフェン類は、2,5-チオフェンジカルボン酸、3-チオフェンマロン酸、2-チオフェンカルボン酸が挙げられる。
ピリミジン類は、2−チオバルビツル酸、2−チオシトシン、チオウラシル、4−アミノ−6−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジンが挙げられる。
プリン類は、2,5-ジチオプリン、6-メルカプトプリンが挙げられる。
チアゾリン類は、2−アミノ−2−チアゾリン、2−チアゾリン−2−チオールが挙げられる。
本明細書において、層間絶縁膜とは、Low-k膜のことであり、例えばフッ素を含んだシリコン酸化膜(FSG膜)も包含され、比誘電率が、1より大きく、4以下程度、好ましくは3以下程度、より好ましくは2.8以下程度、さらに好ましくは2.6以下程度の絶縁膜を意味する。Low-k膜としては、例えば、Black Diamond(商品名、アプライドマテリアルズ社製)、コーラル(商品名、Novellus社製)、LKDシリーズ(商品名、JSR社製)、オーロラ(商品名、ASM社製)、HSGシリーズ(商品名、日立化成社製)、Nanoglass(商品名、Honeywell社製)、IPS(商品名、触媒化成社製)、Z3M(商品名、Dow Corning社製)、XLK(商品名、Dow Corning社製)、FOx(商品名、Dow Corning社製)、Orion(商品名Tricon社製)、NCS(商品名、触媒化成社製)、SiLK(商品名、Dow Corning社製)などが挙げられる。
Low-k膜の組成としては例えばOHと結合したシリコン(Si−OH結合) および/またはHと結合したシリコン(Si−H結合)を含む低誘電率膜(Low-k膜、SiOC, SiOC:Hなどの組成を示した形で表現されることもある)などのシリコン(Si)含有化合物などが挙げられる。ポリアリルエーテルなどを主成分とするものであってもよい。
Low-k膜は主に塗布と有機プラズマCVDにより生成される。塗布の場合は原料固有の膜の名称がつけられ、有機プラズマCVDの場合は原料と装置により固有の膜の名称がつけられる。
シリコン含有膜とは、シリコンウェハーを酸化して形成したテトラエトキシシラン[TEOS:Si(OC2H5)4]を用いて形成したTEOSシリコン酸化膜、高密度プラズマ(High Density Plasma)で形成されたHDPシリコン酸化膜、主にシラノール[(OR)mRnSi(OH)4-m-n]を溶剤に溶かし、ウェハー上にスピン塗布して熱硬化させて形成したSOG(Spin on Glass)とよばれるシリコン酸化膜、シリコン窒化物(SiN)、炭化シリコン(SiC)、SiCNなどが挙げられる。これらは絶縁膜バリアなどで使用される場合がある。絶縁膜バリアとは、層間絶縁膜と層間絶縁膜の界面や銅と層間絶縁膜の界面などに形成される膜を示す。
レジストとしては、KrF(クリプトンエフ)、ArF、F2レジスト等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
反射防止膜および埋め込み材は、有機物を主成分とするものとシリコンなどの無機物を含むものなどがある。シリコンなどの無機物を含む反射防止膜および埋め込み材とはシリコン、Si-OH結合および/又はSi-H結合などを含むものを示し、プラズマアッシングによりダメージを受けたものもこれに該当する。Si-H結合を含む反射防止膜および埋め込み材とは、Si-CH3結合がない或いは少なく、Si-H結合が多い膜であり、FT-IR測定データとして有意なSi-H吸収スペクトル(2200〜2300cm-1)を有するSiOxCyHzで示される膜であり、一般にHSQ(Hydrogen Silsesquioxane)と呼ばれているものも含む。Si-OH結合を含む膜、Si-H結合を含む膜、特にSi-CH3結合がない或いは少なく、Si-H結合及び/又はSi-OH結合が多い膜ほど本発明の除去液により有効に除去できる。本発明では、これらを効果的に除去することができる。反射防止膜および埋め込み材が有機物を主成分とするものの場合であっても、メタンスルホン酸のようなアクセプター数が高い溶媒を用いると除去可能である。
ドライエッチングプロセスに伴い発生するエッチング残渣には、絶縁膜バリアなどで使用されるシリコン窒化物を含む場合がある。ドライエッチングおよび/またはアッシングにおいて、窒素原子を含有するガスや窒素および窒素を添加した混合ガスを用いると、窒素と結合したシリコン(Si-N)を含む不揮発性のシリコン窒化物を生じる。この様なエッチング残渣も本発明の除去液で除去しやすい。
(i) 除去対象物が銅酸化膜、及び/又は、ドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層が大半を占める場合、本発明における好ましい除去液としては、以下のものが例示できる。
モノカルボン酸:水=0.1〜80重量%:99.9〜20重量%であって、必要に応じて配合可能な成分であるフッ素化合物、有機溶媒、モノカルボン酸塩または有機塩基は、モノカルボン酸と水の合計量を100重量部として、各々0〜1重量部(フッ素化合物);0〜25重量部(有機溶媒);0〜25重量%(モノカルボン酸塩または有機塩基)使用できる。
好ましい除去液の具体例を以下に示す(ただし、モノカルボン酸と水の合計量は100重量部である):
・酢酸及び/又はトリフルオロ酢酸:水=0.1〜80重量部:99.9〜20重量部
・酢酸:水:酢酸アンモニウム=0.1〜80重量部:99.9〜20重量部:1〜25重量部
・酢酸及び/又はトリフルオロ酢酸:水:テトラメチルヒドロキシアンモニウム
=0.1〜80重量部:99.9〜20重量部:1〜25重量部
・酢酸及び/又はトリフルオロ酢酸:水:炭酸プロピレン
=0.1〜80重量部:99.9〜20重量部:1〜25重量部
・酢酸及び/又はトリフルオロ酢酸:水:ジメチルホルムアミド
=0.1〜80重量部:99.9〜20重量部:1〜25重量部
などが挙げられる。

(ii) 除去対象物が銅酸化膜、及び/又は、ドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層とSi含有残渣を含む場合、本発明における好ましい除去液としては、以下のものが例示できる。
モノカルボン酸:水=2〜75重量%:98〜25重量%であって、フッ素化合物、有機溶媒、モノカルボン酸塩または有機塩基は、モノカルボン酸と水の合計量を100重量部として、各々0.005〜5.5重量部(フッ素化合物);0〜25重量部(有機溶媒);0〜25重量%(モノカルボン酸塩または有機塩基)使用できる。
好ましい除去液の具体例を以下に示す(ただし、モノカルボン酸と水の合計量は100重量部である):
フッ化水素及び/又はフッ化アンモニウム:酢酸及び/又はトリフルオロ酢酸:水
=0.005〜5.5重量部:2〜75重量部:98〜25重量部
フッ化水素及び/又はフッ化アンモニウム:酢酸:水:酢酸アンモニウム
=0.005〜5.5重量部:2〜75重量%:98〜25重量%:1〜25重量部
フッ化水素及び/又はフッ化アンモニウム:酢酸及び/又はトリフルオロ酢酸:水:テトラメチルヒドロキシアンモニウム
=0.005〜5.5重量部:2〜30重量部:98〜70重量%:1〜25重量部
・フッ化水素及び/又はフッ化アンモニウム:酢酸及び/又はトリフルオロ酢酸:水:炭酸プロピレン=0.005〜5.5重量部:2〜70重量%:98〜30重量%:1〜25重量部
・フッ化水素及び/又はフッ化アンモニウム:酢酸及び/又はトリフルオロ酢酸:水:ジメチルホルムアミド=0.005〜5.5重量部:2〜75重量部:98〜25重量部:1〜25重量部
などが挙げられる。

(iii) 除去対象物が銅酸化膜、及び/又は、ドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層であり、層間絶縁膜にダメージ層が存在する場合、本発明における好ましい除去液としては、以下のものが例示できる。
モノカルボン酸:水=2〜75重量%:98〜25重量%であって、フッ素化合物、有機溶媒、モノカルボン酸塩または有機塩基は、モノカルボン酸と水の合計量を100重量部として、各々0〜0.1重量部(フッ素化合物);0〜25重量部(有機溶媒);0〜25重量%(モノカルボン酸塩または有機塩基)使用できる。
好ましい除去液の具体例を以下に示す(ただし、モノカルボン酸と水の合計量は100重量部である):
フッ化水素及び/又はフッ化アンモニウム:酢酸及び/又はトリフルオロ酢酸:水
=0〜0.1重量部:2〜50重量部:98〜50重量部
フッ化水素及び/又はフッ化アンモニウム:酢酸:水:酢酸アンモニウム
=0〜0.1重量部:2〜50重量部:98〜50重量部:1〜25重量部
フッ化水素及び/又はフッ化アンモニウム:酢酸及び/又はトリフルオロ酢酸:水:テトラメチルヒドロキシアンモニウム
=0〜0.1重量部:2〜50重量部:98〜50重量部:1〜25重量部
・フッ化水素及び/又はフッ化アンモニウム:酢酸及び/又はトリフルオロ酢酸:水:炭酸プロピレン=0〜0.1重量部:2〜50重量部:98〜50重量部:1〜25重量部
・フッ化水素及び/又はフッ化アンモニウム:酢酸及び/又はトリフルオロ酢酸:水:ジメチルホルムアミド=0〜0.1重量部:2〜50重量部:98〜50重量部:1〜25重量部
などが挙げられる。
(iv) 除去対象物が銅酸化膜、及び/又は、ドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層と無機埋め込み材残渣である場合、本発明における好ましい除去液としては、以下のものが例示できる。
モノカルボン酸:水=2〜75重量%:98〜25重量%であって、フッ素化合物、有機溶媒、モノカルボン酸塩または有機塩基は、モノカルボン酸と水の合計量を100重量部として、各々0.5〜5.5重量部(フッ素化合物);0〜25重量部(有機溶媒);0〜25重量%(モノカルボン酸塩または有機塩基)使用できる。
好ましい除去液の具体例を以下に示す(ただし、モノカルボン酸と水の合計量は100重量部である):
フッ化水素及び/又はフッ化アンモニウム:酢酸及び/又はトリフルオロ酢酸:水
=0.5〜5.5重量部:2〜75重量部:98〜25重量部
フッ化水素及び/又はフッ化アンモニウム:酢酸:水:酢酸アンモニウム
=0.5〜5.5重量部:2〜75重量部:98〜25重量部:1〜25重量部
フッ化水素及び/又はフッ化アンモニウム:酢酸及び/又はトリフルオロ酢酸:水:テトラメチルヒドロキシアンモニウム
=0.5〜5.5重量部:2〜75重量部:98〜25重量部:1〜25重量部
・ フッ化水素及び/又はフッ化アンモニウム:酢酸及び/又はトリフルオロ酢酸:水:炭酸プロピレン
=0.5〜5.5重量部:2〜75重量部:98〜25重量部:1〜25重量部
・ フッ化水素及び/又はフッ化アンモニウム:酢酸及び/又はトリフルオロ酢酸:水:ジメチルホルムアミド
=0.5〜5.5重量部:2〜75重量部:98〜25重量部:1〜25重量部
などが挙げられる。

(v) 除去対象物が銅酸化膜、及び/又は、ドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層と、レジスト残渣、BARC残渣および有機埋め込み材残渣である場合、本発明における好ましい除去液としては、以下のものが例示できる。
モノカルボン酸:水=40〜80重量%:60〜20重量%であって、有機溶媒、モノカルボン酸塩または有機塩基は、モノカルボン酸と水の合計量を100重量部として、各々0.5〜5.5重量部(フッ素化合物);0〜25重量部(有機溶媒);0〜25重量%(モノカルボン酸塩または有機塩基)使用できる。
好ましい除去液の具体例を以下に示す(ただし、モノカルボン酸と水の合計量は100重量部である):
・酢酸及び/又はトリフルオロ酢酸:水=40〜80重量部:60〜20重量部
・酢酸:水:酢酸アンモニウム=40〜80重量部:60〜20重量部:1〜25重量部
・酢酸及び/又はトリフルオロ酢酸:水:テトラメチルヒドロキシアンモニウム
=40〜80重量部:60〜20重量部:1〜25重量部
・酢酸及び/又はトリフルオロ酢酸:水:炭酸プロピレン
=40〜80重量部:60〜20重量部:1〜25重量部
・酢酸及び/又はトリフルオロ酢酸:水:ジメチルホルムアミド
=40〜80重量部:60〜20重量部:1〜25重量部

防食剤
本発明において、除去液の構成要素である有機溶媒の中には銅に対して、防食効果を有するものもの存在する。例えば、イソプロピルアルコール、tert-ブタノールなどの炭素数3以上の水溶性アルコール、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、酢酸メチル、酢酸エチル、炭酸プロピレンなどの分子中にカルボキシル基(COOH)を含むものやカルボキシエステル(−C(=O)O−)を形成している物質、ジメトキシエタンなど分子中に酸素原子を二つ有する物質などが銅に対して防食作用が大きい。
また、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、リンゴ酸、クエン酸および酒石酸などのポリカルボン酸は、モノカルボン酸に添加することにより、相乗的に銅の腐食を抑制することができる。
これらを含めて、さらに銅の腐食を防止するために、除去液中に防食剤を添加することも可能である。防食剤の種類は限定されないが、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、ピロカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオール、サリチルアルコール、p−ヒドロキシベンジルアルコール、o−ヒドロキシベンジルアルコール、p−ヒドロキシフェネチルアルコール、p−アミノフェノール、m−アミノフェノール、ジアミノフェノール、アミノレゾルシノール、p−ヒドロキシ安息香酸、o−ヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、これらの誘導体等などの芳香族ヒドロキシ化合物、ベンゾトリアゾール、o−トリルトリアゾール、m−トリルトリアゾール、p−トリルトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、ニトロベンゾトリアゾール、ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、これらの誘導体等のトリアゾール化合物、シクロデキストリン、D−ソルビトール、アラビトール、マンニトール、蔗糖、アミロース(澱粉)、アミロペクチン、これらの誘導体等の糖類、1−プロパンチオール、1−デカンチオール、n−ヘキサデシルメルカプタン、α−トルエンチオール、フリフリルメルカプタン、アリルメルカプタン、これらの誘導体等のチオール類、などが挙げられる。また、2−ブチン−1,4−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2−メチル−3−ブチン−2−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、これらの誘導体等のアセチレンアルコール、アスコルビン酸、キノリノール、これらの誘導体等の還元剤等も防食剤として使用できる。
上記防食剤の中でも、防食効果の点から、ピロカテコール、ピロガロール、ベンゾトリアゾール、D-ソルビトール、フタル酸、2−ブチン−1,4−ジオール、アスコルビン酸、キノリノール、1−プロパンチオール、それらの誘導体等が好ましい。
本発明における除去液中の防食剤の濃度は、防食効果が得られれば限定されないが、例えば、水とモノカルボン酸の合計量に対して0.1〜20重量%程度、好ましくは0.5〜10重量%が挙げられる。

その他
本発明の除去液に、さらに不活性ガスを溶解させてもよい。不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン等が挙げられる。除去液に不活性ガスを溶解させる方法としては限定されず、一般的に用いられている方法で行うことができる。例えば、除去液に不活性ガスを吹き込めばよい。不活性ガスの溶解量は限定されず、除去液中の酸素分圧を(例えば、飽和溶解した空気の酸素分圧よりも)低下させることができればよい。除去液中の酸素分圧が低下する結果、銅酸化物が除去された銅の酸化および銅の腐食を防止することができる。不活性ガスは必ずしもこれらに限られるものではなく、実質上、除去液に対して不活性であれば良い。例えば、フルオロカーボンガス、炭化水素、一酸化炭素など、除去液と反応しないガスであれば、溶存酸素を除去する同様の効果が得られる。

銅酸化物及び/又銅酸化物を含む銅変質層の除去方法
本発明の方法は、Cu/Low-k多層配線構造において、ダマシン、デュアルダマシンなどの構造を形成する場合およびキャパシタ構造において銅の膜を使用する場合などにおいて使用される。この様な場合において本発明の除去液は、シリコン含有膜やLow-k膜の除去液によるエッチングを抑制し、銅を腐食させず、銅配線等の銅薄膜、電極、銅層等が形成されたウェハーにおいて、その銅表面に形成された銅酸化物、及び/又は、ドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層を銅に対して選択的に除去するのに好適に使用できる。
Cu/Low-k多層配線構造において、例えば、半導体基板(例えば、SiN、銅、TaN、SiCなど)上にLow-k膜を形成、反射防止膜を成膜して、次いでレジストを形成、その後フォトリソグラフィーによりパターンを形成、当該パターンに従ってLow-k膜をエッチングおよびアッシングした後、本発明の除去液に接触させることにより銅酸化物、及び/又は、エッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層を除去することができる。
従って、本発明の除去液は、Low-k膜、反射防止膜及びレジストに穴もしくは溝が開き、レジスト(レジストの変質物を含む)、反射防止膜、埋め込み材などをアッシングなどにより除去された状態の被処理物として、当該銅酸化物、及び/又は、ドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層を除去する液である。なお、ドライエッチングにより得られたLow-k膜の穴の壁面及び/又は底面にポリマー(エッチングガスの重合物)及び/又はドライエッチング及び/又はアッシング後の残渣が付着したものであってもよい。基板上にLow-k膜を形成した後には、必要に応じてLow-k膜上にSiN、SiC、TaN膜などの絶縁膜バリアを形成し、該SiN、SiC、TaN膜などをLow-k膜と共にエッチングすることもできる。
また、レジストの表面上あるいはレジストと絶縁膜バリア間には、反射防止膜を形成することができ、これら反射防止膜のドライエッチング及び/又はアッシング後の残渣は、銅酸化物、及び/又は、エッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層と共に除去することができる。
Low-k膜及びレジストは、通常、それぞれ0.01〜2μm程度、0.001〜0.2μm程度、0.01〜10μm程度の厚みを有している。また、必要に応じて形成されるSiN膜、SiC膜、TaN膜、反射防止膜なども、通常、それぞれ0.01〜2μm程度、0.001〜0.2μm程度、0.01〜10μm、0.01〜0.1μm程度の厚みを有している。
本発明の方法では、エッチング後、本発明の除去液に接触させる前に、レジスト、反射防止膜、埋め込み材およびエッチング残渣などの不要物を除去するために、多量の酸素ラジカルを含んだプラズマによりアッシングを行うと、Low-k膜にダメージを与えてしまう。このダメージを無くすため、アッシングを行わないか、あるいは減らすため、多量の酸素ラジカルを含んだプラズマアッシングを行わずに、必要に応じて、実質的にLow-k膜にダメージを与えない程度に、水素プラズマアッシング、Heなどの不活性ガスを用いたアッシングおよびHe/水素などの混同ガスプラズマ、もしくは酸素を含んでもLow-k膜にダメージを与えないように酸素ラジカルを減らしたプラズマでアッシングを行ってもよい。アッシングを行った場合でも、ダメージを軽減するため、途中でアッシングを中断してレジスト、反射防止膜、埋め込み材およびエッチング残渣などの不要物を完全に取り除かないハーフアッシングと呼ばれる手法が用いられる場合もある。この様なプラズマアッシングを行う場合には、同じ除去液を用いた場合であっても、エッチング後アッシングせずに直接レジストを除去する場合とは温度、時間などの最適条件が異なる場合がある。

本発明の除去液を用いた銅酸化物、及び/又は、エッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層の除去方法は、銅酸化物、及び/又は、エッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層を除去でき、且つ、シリコン含有膜やLow-k膜に実質的にダメージを与えない程度の温度及び時間で行うものである。シリコン含有膜やLow-k膜に実質的にダメージを与えないとは、除去液を用いた処理前後のシリコン含有膜やLow-k膜の物性が、例えば半導体基板に用いられたときにその性能に影響を与えない程度しか変化していないこと、例えば、レジストとシリコン含有膜やLow-k膜の界面において実質的にシリコン含有膜やLow-k膜を侵す(エッチングする)ことなく、被処理物の膜の積層方向における断面形状を実質的に変化させないようなもの、或いは、除去液を用いた処理前後にシリコン含有膜やLow-k膜の比誘電率が実質的に変化しないことをいう。実質的にシリコン含有膜やLow-k膜をエッチングしないとは、シリコン含有膜やLow-k膜のエッチング量が、好ましくは200nm以下程度、より好ましくは100nm以下程度、さらに好ましくは50nm以下程度であることをいう。除去液を用いた処理前後のシリコン含有膜やLow-k膜の比誘電率が実質的に変化しないとは、比誘電率の変化が、好ましくは20%以下程度、より好ましくは10%以下程度、さらに好ましくは5%以下程度であることをいう。
除去液での処理は、例えば、ドライエッチング及び/又はアッシング後の基板を被処理物として本発明の除去液に浸漬することにより行うことができる。除去液への浸漬条件は、銅酸化物、及び/又は、エッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層が除去でき、銅の腐食を抑えて、シリコン含有膜やLow-k膜に実質的にダメージを与えなければ特に限定されることはなく、除去液の種類や温度に応じて適宜設定することができる。例えば、除去液の温度は、例えば10〜60℃程度、好ましくは15〜40℃程度にするのがよい。浸漬時間としても限定されず適宜選択することができるが、例えば、0.5分〜60分程度、好ましくは1分〜40分程度が例示できる。また、必要に応じて、撹拌下の除去液にウェハーを浸漬してもよい。撹拌の速度も限定されず、適宜選択することができる。
また、除去液を被処理物に接触させれば銅酸化物、及び/又は、エッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層の除去を行うことができるので、例えば、被処理物を回転させながらその上から液を供給して洗浄してもよいし、被処理物に組成物をスプレーで吹付け続けて洗浄してもよい。
本発明の除去液での処理は、レジスト、反射防止膜および埋め込み材の種類やエッチング及び/又はアッシングなどの条件によりエッチング及び/又はアッシング残渣などの銅酸化物、及び/又は、エッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層の除去するための障害となる不要物が剥離しにくい場合、例えば被処理物を除去液に浸漬して超音波洗浄を行ってもよい。
本発明の銅酸化物の除去方法は、さらに、銅酸化物を除去したウェハーを、純水で洗浄することにより行う。この洗浄工程により本発明の除去液を洗い流すことができる。単に純水で洗浄する工程の変わりに不活性ガスを溶解させた純水で洗浄する工程を用いるとより好ましい。また、この水は不活性ガスを溶解させることにより酸素分圧を低下させているので、銅酸化物が除去された銅の酸化および銅の腐食を有効に防ぐことができる。不活性ガスの水への溶解は、不活性ガスの除去液への溶解の場合と同様に行うことができる。
本発明において、銅酸化物の除去においても、実質的に不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。実質的に不活性ガス雰囲気下というのは、完全に不活性ガス雰囲気下でもよいし、空気の酸素分圧よりも酸素分圧が低い雰囲気下でもよい。このような条件下で銅酸化物の除去を行うことにより、銅酸化物を除去した銅の酸化および銅の腐食をより有効に防止できるので好ましい。
本発明除去液を用いて銅酸化物、及び/又は、エッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅酸化物を含む銅変質層の除去を行った半導体基板は、例えば、銅配線をするなど、慣用されている方法(例えば、詳説半導体CMP技術、土肥俊郎 編著 2001年 に記載された方法)に従って、様々な種類の半導体装置へと加工することができる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴を一層明確にする。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本発明の除去液を用いて処理した場合のポーラスLow-k膜等のエッチングによる膜の減少、銅酸化物及びドライエッチングやアッシングによる損傷を受けて形成された、銅酸化物を含む銅変質層の除去及び銅の腐食を、成膜した8インチウェハーを一定の大きさに切り出した成膜ウェハーを用いて調べた。
使用した成膜ウェハーを以下に示す。
膜厚1000Å、30mm×30mm銅のスパッタ成膜ウェハー、
膜厚5000Å、15mm×10mmのポーラスLow-k膜ウエハー、
銅酸化物CuxOの膜厚はX線干渉法により測定し約33Åであることを確認した。約33ÅまでをCuの酸化物(CuO、Cu2O、Cu(OH)2等。以下、「CuxO」と記載する場合もある。)、33Å以上をCuとして、それぞれ除去速度及び腐食速度を求めた。
さらにCuxOの除去性を確認するため、人為的にCuxOを厚く成膜して、その膜の除去液による除去時間を測定した。CuxOは、Cu上の自然酸化膜を除去した後、30%の過酸化水素水で酸化して成膜した。
銅の侵食量を測定するためのウェハーは、使用前に、0.1NのH2SO4水溶液で、銅の酸化膜約33Åと銅の一部を除去した。
銅酸化物、及び/又は、ドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅
酸化物を含む銅変質層のサンプルウェハーは、銅のスパッタ成膜ウェハーをフルオロカーボンプラズマでエッチング処理した後、H2/HeおよびO2プラズマでアッシング処理した。
さらに、テストパターン付きウェハーにより、レジスト、反射防止膜及び埋め込み材やドライエッチング及び/又はアッシングに伴い発生するエッチング残渣が共存する場合、これらの除去と銅酸化及びドライエッチングやアッシングによる損傷を受けて形成された、銅酸化物を含む銅変質層と見なせる銅表面上の残渣の除去及びパターンの形状の変化を調べた。
テストパターン付きウェハーは、次のようにして作製した。ポーラスLow-k膜(ポーラスMSQ)、絶縁膜バリアであるSiN膜、シリコンを含有する反射防止膜(BARC)、レジスト膜が形成されたSi基板について、ビアエッチングとHe/H2プラズマでアッシング処理を行い、その後、埋め込み材を充填して、再度、リソグラフィー、トレンチエッチング、He/H2プラズマでアッシングを行った。SiN膜の表面上に若干のレジスト(表面のレジストがドライエッチング処理により変質したものを含む)反射防止膜(BARC)及びドライエッチング残渣を有し、ビアやトレンチ内にも埋め込み材が若干残った銅配線形成前のデュアルダマシン構造の被処理物を得た。これをさらに、ドライエッチングして、ビアホール底のSiNを除去してCuを露出させた。この状態の被処理物をO2プラズマでアッシングして、被処理物のCu表面は酸化された状態にした。
埋め込み材、ポーラスLow-k膜は、以下のものを用いた:
埋め込み材:Si,C,O,Hを含み、Si-OH、Si-CH3、Si-O結合を有する無機系の埋め込み材
およびSiを含有しない有機系の埋め込み材;
ポーラスLow-k膜:Si,C,O,Hを含み、Si-CH3、Si-O結合を有する塗布膜;
実験は、成膜ウェハーあるいはパターン付きウェハーを、本発明の除去液に23℃で1〜20分間、撹拌下(600rpm)に浸漬することにより行った。その後、1リットルの純水を満たした容器に2リットル/minで純水をオーバーフローさせて、その容器の中で1〜5分間リンスし、N2パージで乾燥した。除去液に浸漬する前後の成膜ウェハーの膜厚を測定し、その膜厚差(Å)からポーラスLow-k膜のエッチング量および銅の侵食量を求めた。
銅酸化物、及び/又は、ドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、銅化物被膜を含む銅変質層のサンプルウェハーは、その表面をXPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)で調べて銅と結合したF(フッ素)のピークが検出されるかどうかで、ドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けて形成された、銅酸化物を含む銅変質層の有無を調べた。銅と結合したFが検出された場合には変質層が存在していると見なした。テストパターンのレジスト、反射防止膜及び埋め込み材やドライエッチング及び/又はアッシングに伴い発生するエッチング残渣、銅表面上の残渣除去の具合や断面形状は電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。
成膜ウェハーを使用した場合のポーラスLow-k膜のエッチング速度、銅の腐食速度、銅酸化膜(CuxO)の除去時間および銅酸化物を含む銅変質層(「変質層」と表示)の除去時間を調べた結果を表2に、比較例を表3に示す。表中のTMAH (Tetramethylammonium hydroxideの略)は水酸化テトラメチルアンモニウム、PCは炭酸プロピレン、DMFはジメチルホルムアミド、DMSOはジメチルスルホキシド、AcOEtは酢酸エチルを表す。
ポーラスLow-k膜のエッチング速度が、1Å/min以下の場合は“A”、1〜5Å/minの場合は“B”、5Å/min以上は“C”で表した。銅の腐食速度は、3Å/min以下の場合は“A”、3〜10Å/minの場合は“B”、10Å/min以上の場合は“C” で表した。銅酸化膜(CuxO)の除去時間が、10秒以下の場合は“A”、10〜30秒の場合は“B”、30秒以上の場合は“C” で表した。銅酸化物を含む銅変質層(「変質層」と表示)の除去時間が、60秒以下の場合は“A”、60〜120秒の場合は“B”、180秒以上の場合は“C” で表した。
比較例1〜比較例4に対して、実施例1〜実施例23では、ポーラスLow-k膜のエッチング速度および銅の腐食速度が小さく、なおかつ銅の酸化膜CuxOの除去時間および銅酸化物を含む銅変質層の除去時間が短い。ポーラスLow-k膜のエッチングと銅の腐食を抑えて、銅酸化物およびこれを含有する変質層を短時間で除去できることが明らかである。
なお、表2〜表5中、水と酢酸の合計量を100重量部とし、その他の成分は、水と酢酸の合計量(100重量部)に対し配合した量を重量部で示す。
Figure 2006114872
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本発明の除去液を用いてパターン付きウェハーを処理した場合の実施例を表4、表5に、比較例を表6,表7に示す。
Figure 2006114872
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Figure 2006114872
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非除去対象物は、ポーラスLow-k膜、ポーラスLow-k膜のダメージ層及び銅である。ポーラスLow-k 膜のエッチングの程度は、テストパターン付きウェハーの断面形状で知ることができる。除去対象物としては、レジスト残渣、反射防止膜(BARC)残渣、有機埋め込み材残渣、無機埋め込み材残渣、Si含有残渣および銅表面の銅酸化物およびこれを含有する変質層残渣(「銅表面残渣」と記載)が挙げられる。これらの除去の程度を以下の記号で示した。
ダメージ層を除去すると、わずかな量であるが、設計寸法に対して加工寸法が大きくなるため、これを除去しない場合が多い。ダメージ層が除去された場合には、ドライエッチングにおける加工パターンの側壁の断面形状が明確に見えるようになるため、ダメージ層が除去されたか否かを判断することができる。ダメージ層が除去されていない場合を“A”、約半分程度除去されている場合を“B”、完全に除去されている場合を“C”で表した。
銅の腐食は、腐食が進行しているものほど、表面が荒れて凹凸が明確になる。表面が腐食していないものを“A”、腐食が見え始めているものを“B”、腐食して凹凸が明らかに見えているものを“C”とした。
レジスト、反射防止膜及び埋め込み材などがドライエッチング及び/又はアッシングされることにより発生するエッチング残渣(「レジスト残渣」、「反射防止膜(BARC)残渣」、「有機埋め込み材」及び「無機埋め込み材残渣」とそれぞれ表示した)を3分以内に除去できている場合は“A”、5分以内に除去できた場合は“B”、5分以内に除去できていない場合は“C”で示した。
銅表面残渣は、主にビアホール底に存在し、Si含有残渣は、主にビアホール側壁に残る場合が多い。これらが除去できた場合は“A”、除去できていないものを“C”で表した。
断面形状がほぼ設計寸法どおりである場合は“A”、絶縁膜バリアやポーラスLow-k膜に段差等が生じている場合は“C”とした。
比較例5〜10に対して、実施例24〜53では、いずれも銅表面残渣が除去でき、ダメージ層も残した状態で、断面形状にも問題がない。実施例33〜37では、酢酸および有機溶媒を多く含んでいるため、「レジスト残渣」、「反射防止膜(BARC)残渣」、「有機埋め込み材」を含むテストパターン付きウェハーのこれらを除去することも可能である。実施例32、33に示すように、酢酸の量が少ない場合は、極性の大きな有機溶媒を混合することにより、除去時間を短くできる。
実施例38〜47では、Si含有残渣を含んだテストパターン付きウェハーを処理した場合の結果である。フッ化物としてフッ化水素(HF)を添加することにより、これらが共存した場合であっても、これらと銅表面残渣を有効に除去できる。実施例49〜53は、無機埋め込み材の残渣が残っているテストパターン付きウェハーを処理した場合の結果である。酢酸とフッ化水素の量が十分あると、これらの残渣が存在した状況で、銅表面残渣も除去できることがわかる。
この実施例では、モノカルボン酸として、酢酸を用いたが、トリフルオロ酢酸を混合させた場合や用いた場合には、このような除去効果は増大することも確認した。蟻酸、プロピオン酸、酪酸などでも同様の効果があることを確認しているが、酢酸を主成分にした場合がもっとも扱いやすい。
パターンを形成したウェハーは、その作製方法の違いにより、メッキ処理時に形成されるグレインやドライエッチングやアッシングによるダメージ層など、非常に腐食しやすい銅配線部分が存在する場合がある。このような部分は、薬液処理により、表面のわずかな一部が亀裂状やピット状に腐食することがある。非共有電子をもつ酸素及び/又は非共有電子をもつ窒素を有する非共有電子をもつ硫黄含有化合物は、このようなわずかな腐食を防ぐ効果がある(表5、表7)。硫黄含有化合物にカルボキシル基を含む場合には、銅表面残渣除去の効果も併せ持つ。

Claims (19)

  1. モノカルボン酸0.1〜80重量部と水99.9〜20重量部(水とモノカルボン酸の合計が100重量部)を含むドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、Cu/low-k多層配線構造の銅酸化物を含む銅変質層の残渣除去液。
  2. モノカルボン酸(0.1〜80重量部)と水(99.9〜20重量部)の合計量100重量部に対し、0.1-25重量部の有機溶媒をさらに含む請求項1に記載の残渣除去液。
  3. モノカルボン酸(2〜70重量部)と水(98〜30重量部)の合計量100重量部に対し、0.005-5.5重量部のフッ素化合物をさらに含む請求項1に記載の残渣除去液。
  4. モノカルボン酸(2〜70重量部)と水(98〜30重量部)の合計量100重量部に対し、0.005-5.5重量部のフッ素化合物および0.1-25重量部の有機溶媒をさらに含む請求項1に記載の残渣除去液。
  5. さらにモノカルボン酸塩および/または有機塩基を含む請求項1〜4のいずれかに記載の残渣除去液。
  6. さらに、非共有電子をもつ酸素及び/又は非共有電子をもつ窒素を有する非共有電子をもつ硫黄含有化合物を少なくとも1種を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の残渣除去液。
  7. さらに、界面活性剤を含む請求項1〜6のいずれかに記載の残渣除去液。
  8. さらに、防食剤を含む請求項1〜7のいずれかに記載の残渣除去液。
  9. モノカルボン酸が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、トリフルオロ酢酸からなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項1〜8のいずれかに記載の残渣除去液。
  10. フッ素化合物が、フッ化水素及びフッ化アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項3または4に記載の残渣除去液。
  11. 有機溶媒が、アルコール類、エステル類、アミド類、エーテル類、スルホン類およびスルホキシド類からなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項2または4に記載の残渣除去液。
  12. 有機溶媒が炭酸プロピレンである請求項11に記載の残渣除去液。
  13. 有機溶媒がジメチルホルムアミド(DMF)である請求項11に記載の残渣除去液。
  14. 非共有電子をもつ酸素及び/又は非共有電子をもつ窒素を有する非共有電子をもつ硫黄含有化合物が、スルフィド類、メルカプタン類、チオカルボン酸類、チオアセトアミド類、チオウレア類、チアジアゾール類、テトラゾール類、トリアジン類、チアゾール類、チオフェン類、ピリミジン類、プリン類、チアゾリン類およびチアゾリジン類からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項6に記載の残渣除去液。
  15. 非共有電子をもつ酸素及び/又は非共有電子をもつ窒素を有する非共有電子をもつ硫黄含有化合物が、2−アミノ−2−チアゾリン、メルカプト酢酸、3-メルカプトプロピオン酸、チオ乳酸及びチオリンゴ酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項14に記載の残渣除去液。
  16. 防食剤が、ポリカルボン酸である請求項8に記載の残渣除去液。
  17. ポリカルボン酸が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、リンゴ酸、クエン酸及び酒石酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項16に記載の残渣除去液。
  18. 請求項1〜17のいずれかに記載の除去液と、表面上にドライエッチング及び/又はアッシングによる損傷を受けた、Cu/low-k多層配線構造の銅酸化物を含む銅変質層を有する除去処理対象物とを接触させることにより、該銅変質層の残渣を除去する方法。
  19. 請求項18の方法によって得られた除去処理物。
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