JP2006113965A - 生産設備管理システム - Google Patents
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Abstract
データ保存手段16は、上記異常停止データ「8」となった時刻から、生産設備が再起動して起動データ「0」となるまでの期間を、「充填コントローラの異常」による生産設備の停止期間として認識する。(図6(d))
【効果】 整合性の取れた状態で生産設備の停止期間を認識することができ、正確に生産設備の生産履歴を管理することができる。
【選択図】 図6
Description
このような生産設備管理システムとして、各製造設備の稼動情報、生産情報、アラーム情報等を、各製造設備に設けられた表示装置を介してホストコンピュータに収集し、これらの情報を用いて各生産設備の管理を行うようにしたものが知られている。(特許文献1)
また、各生産設備の資材情報や製造情報を製造履歴として蓄積する製造履歴蓄積部と、製造設備故障情報を設備故障履歴として蓄積する設備故障履歴蓄積部とを備え、製造履歴の検索結果と設備故障履歴とを対比管理する設備故障履歴出力部とを備えた生産設備管理システムも知られている。(特許文献2)
これらの生産設備管理システムによれば、ある生産設備が異常により停止しても、収集・蓄積したデータをもとに、生産設備が異常により停止した原因ごとに、その停止期間を検出することができるようになっていた。
例えば、同じ作業を行う生産設備であっても、ある設備メーカの生産設備では、リセットボタンの操作信号を収集するようにして、生産設備に異常信号が発生してからリセット信号の発生までを、その異常による停止時間として設定し、他の設備メーカの生産設備では、異常信号のたびにその旨のデータを収集するようにして、生産設備に異常信号が発生したあとに別の異常信号が発生すると、先の異常が解消されていなくても、後の異常による停止時間とみなすように設定されている場合がある。
したがって、このように収集されたデータから、生産設備の停止履歴を作成しようとしても、生産設備ごとに停止期間が異なる定義に基づいて認識されてしまい、生産設備毎の停止期間の扱いに整合性が取れなくなってしまうので、上記異常が生産ライン全体の稼働率に与えた影響等を算出しようとしても、その結果は必ずしも正確であるとはいえなかった。
このような問題に鑑み、本発明は生産ラインが異なる設備メーカの生産設備で構成されていたり、また作業者による作業手順に差異があっても、各生産設備の停止期間を整合性の取れた状態で認識することの可能な生産設備管理システムを提供するものである。
上記生産設備管理システムは、各生産設備の状態変化に関するデータを収集するデータ収集手段と、データ収集手段が収集したデータをデータファイルに記録保存するデータ保存手段とを備えた生産設備管理システムにおいて、
データ収集手段は上記状態変化のデータとして生産設備の異常停止についての異常停止データと、当該生産設備の起動についての起動データとを収集し、
データ保存手段は、上記データ収集手段が所定の生産設備について収集するデータが、起動データから異常停止データとなったら、その次に起動データが検出されるまでの期間を当該生産設備の停止期間に設定するとともに、該停止期間における最初の異常停止データを異常停止の原因に設定することを特徴としている。
上記生産ライン1は複数の生産設備3から構成され、各生産設備3はそれぞれPLC(プログラマブルロジックコントローラ)などの設備制御手段4によって制御されるようになっている。
また上記生産設備管理システム2は、上記各生産設備3の設備制御手段4と直列的にLAN等の通信手段5を介して接続されたデータ収集制御手段6と、このデータ収集制御手段6と通信可能に接続され、生産ライン1の状態の表示等を行う端末装置7とから構成されている。
そして上記データ収集制御手段6は上記設備制御手段4から生産設備3の状態変化に関する信号を受信して、この信号を生産設備3の状態変化に関する状態データに変換し、端末装置7ではこの状態データを収集すると共に、当該状態データを用いたデータファイルを作成することで、生産ライン1の管理を行うようになっている。
各生産設備3には上記設備制御手段4に各種検出信号を送信する図示しないセンサが設けられており、このセンサによって、処理した容器の本数や、生産設備3の異常が検出されるようになっている。
また各生産設備3には、異常が発生した時などに警報等を解除するためのリセットボタン、停止している生産設備3を起動させるための起動ボタン、生産設備3を停止させる停止ボタンなどが設けられている。
そしてセンサから信号を受信したり、上記ボタンが操作されると、設備制御手段4は上記データ収集制御手段6にその旨のビット信号を発信するようになっており、このビット信号として、生産設備3に生じた異常内容についての信号や、起動ボタンによる生産設備3の起動を示す信号等がある。
信号取得手段11は、設備制御手段4からのビット信号を受信すると、そのビット信号を送信した設備制御手段4の生産設備3を認識し、この生産設備名とビット信号とを信号変換手段12へと送信する。
次に、ビット信号変換手段12には予め、生産設備3の名称を示すエリアコードと、上記エリアコードに対応する生産設備3の起動や異常停止内容を示す状態データとが登録されている。
そしてビット信号変換手段12は、信号取得手段11からの信号を受信すると、ビット信号を送信した設備制御手段4の生産設備3に対応するエリアコードを認識すると共に、受信したビット信号を上記エリアコードに対応する状態データへと変換するようになっている。
図2は上記ビット信号変換手段12に登録されているエリアコードと状態データの一例を示しており、この表において、左欄は上記エリアコードであり、たとえば生産設備3としてのフィラのエリアコードは「R17041」となっている。
またエリアコードの右欄は状態データを示しており、各生産設備3によりそれぞれ異なる内容の状態データが設定されている。例えば、フィラでの充填コントローラの異常は「8」の状態データで示される。
なお、上記状態データの右欄は、後述する異常内容記憶部15に記憶された異常停止理由を示しており、エリアコードと状態データとの組合せがどのような異常停止理由であるかわかるようになっている。
また、全てのエリアコードについて、生産設備3の起動状態を示す状態データは「0」に設定してあり、以下の説明ではこの「0」の状態データを起動データとし、「0」以外の状態データを異常停止データとする。
状態データ記憶部13が記憶する所定の状態データについて説明すると、状態データ記憶部13は各エリアコードに対し、起動データが異常停止データに変化した時と、その後生産設備3が再起動して状態データが上記異常停止データから起動データに変化した時にだけ、状態データを書き換えて記憶するようになっている。
つまり、起動データが異常停止データに変化した後に、別の異常停止データが受信されても、状態データを当該別の異常停止データに書き換えないようになっている。
上記データ収集手段14は上記状態データ記憶部13の所定のエリアコードについて、上記状態データが書き換えられると、その状態データを収集すると共に、その状態データが書き換えられた時刻を端末装置7に設けられたタイマより収集する。
異常内容記憶部15には、上述したように、図2に示すエリアコード及び異常停止データに対応して、生産設備3毎に設定された異常停止理由が予め登録されている。
そしてデータ保存手段16は、データ収集手段14に収集された所定の生産設備の異常停止データから、異常内容記憶部15に記憶されている異常停止理由を検索し、異常停止した生産設備名や異常停止時刻とともに当該異常停止理由をデータファイル18に記録する。なお、データファイル18はデータベースまたはその他のファイル形式であってもよい。
またデータ保存手段16では、上記データ収集手段14に収集された状態データが、起動データから異常停止データとなったら、その次に起動データが検出されるまでの期間を当該生産設備の停止期間に設定し、そのときの異常停止理由を異常停止の原因として認識するようになっている。
最初に、上記データ収集手段14によって収集されるデータから説明する。
フィラが正常に運転されている間、状態データ記憶部13には、フィラを示すエリアコード「R17041」についての状態データは、起動データを示す「0」が記憶されており、ここからフィラの充填コントローラに異常が発生すると、フィラは異常停止して設備制御手段4がビット信号を送信する。
このビット信号はビット信号変換手段12によって、エリアコード「R17041」についての異常停止データである「8」に変換され、状態データ記憶部13はエリアコード「R17041」の状態データを「0」から「8」へと書き換える。
次に、作業者が充填コントローラを復帰させるためにフィラの作業扉を開くと、作業扉に設けられているセンサが作動して、設備制御手段4がビット信号を送信する。
このビット信号はビット信号変換手段12によって、エリアコード「R17041」についての異常停止データを示す「30」に変換されるが、状態データ記憶部13では、エリアコード「R17041」についての状態データは「8」のまま「30」には書き換えないようになっている。
次に、充填コントローラの修復が終了し、作業者が作業扉を閉じ、リセットボタンを操作してから起動ボタンを操作すると、状態データは「8」から起動データである「0」に書き換えられる。
すなわち、状態データ記憶部13は、作動中を示す起動データ「0」を充填コントローラの異常を示す異常停止データ「8」に書き換えたら、次の起動データ「0」との間に、作業扉の開放を示す異常停止データ「30」があっても、これを無視するようになっている。
またデータ保存手段16は、エリアコード「R17041」についての状態データが「8」に書き換えられた時刻から、その後状態データが起動データを示す「0」に書き換えられるまでの時刻を、フィラの停止期間として記録する。
これと同様、状態データ記憶部13はフィラ以外の各生産設備3についても、該当するエリアコードについて所定の状態データだけを記憶し、データ収集手段14がその状態データに対応した異常停止理由を収集することで、データ保存手段16は、作動中の生産設備3が異常停止してから再起動するまでの期間を、当該異常停止理由による当該生産設備3の停止期間としてデータファイル18に記録するようになっている。
図4は生産ライン1全体及び各生産設備3毎に、異常停止理由ごとの停止回数と、当該異常停止理由による停止期間と、当該停止期間が及ぼす生産設備における停止率とをそれぞれ表示したものである。
図5は生産ライン1全体及び異常の発生した生産設備3について、異常停止理由と停止期間とに関するパレート図を表示したものである。
このような場合、生産設備3に異常が発生してから再起動させるのに必要な手順が生産設備3毎に異なっていたり、設備制御手段4が送信するビット信号が異なる場合がある。また、生産設備3を担当する作業者によっても、再起動させる手順に差異が生じる場合がある。
図6(a)(b)は、異なる設備メーカが製造したフィラにおいて、同一の時間に充填コントローラに異常が発生した場合の、異常発生から再起動までに必要な手順と、ビット信号変換手段12が変換した状態データとを、それぞれ時系列的に示したものとなっている。
上記充填コントローラに異常が発生するまでは、フィラは正常に作動しているので、状態データは起動データである「0」であり、充填コントローラに異常が発生してフィラが異常停止すると、状態データは「充填コントローラの異常」を示す異常停止データである「8」に変化する。
次に、作業者が作業扉を開くと、状態データは改めて「作業扉開放」を示す異常停止データ「30」に変化し、最後に起動ボタンの操作により「作動状態」を示す起動データ「0」に変化する。
充填コントローラの異常により状態データが「0」から「8」に変化すると、「作業扉開放」で「30」に変化し、その後リセットボタンの操作により「1」に変化してから、起動ボタンの操作によって「0」に変化する。
図6(c)は上記図6(b)と同一のフィラにおいて、図6(b)とは異なる手順で再起動を行う場合を示した図となっており、この図ではフィラが異常停止した時点で作業者が一旦リセットボタンを操作し、その後作業扉を開いて充填コントローラの修復を行っている。
この場合、充填コントローラの異常により状態データが「0」から「8」に変化したら、その後リセットボタンの操作により状態データが「1」となり、作業扉が開かれることで、状態データは「1」から「30」へと変化し、さらに作業扉が閉鎖されてリセットボタンが操作されることで、状態データは「30」から「1」へと変化し、その後さらに起動ボタンの操作により「0」へと変化する。
このように、同一の異常停止であっても、再起動させるためには状態データの変化にこれだけの差が生じ得るものとなっているため、この状態データをそのまま用いてデータファイル18を作成してしまうと、各生産設備3毎に停止期間の長さに差が生じてしまうこととなる。
つまり、図6(a)及び(b)での「充填コントローラの異常」による停止期間は、異常停止時刻から作業扉が開放されるまでの期間となり、図6(c)での停止期間は、「充填コントローラの異常」による異常停止時刻から、復旧作業を行う前のリセットボタンが操作されるまでの期間となってしまう。
また、図6(a)、(b)、(c)いずれの場合にも、異常停止理由としてフィラを復旧させるために必要な「作業扉の開放」までが認識されてしまうこととなる。このため、この「作業扉の開放」という異常が、生産設備3の異常で発生したものなのか、作業者がフィラを復旧させるために開いたものなのかを判断することができなくなってしまう。
このように、生産設備3の停止期間の認識について整合性を取らないまま、図3〜図5のような異常停止履歴を作成しても、生産設備3ごとに作成される生産履歴の内容がそれぞれ異なってしまうので、作業者が生産履歴を正確に確認することができなくなってしまう。
すなわち、本実施例のデータ保存手段16は、図6(a)〜(c)のいずれにおいても、最初に検出された充填コントローラの異常停止時刻から、フィラが再起動する起動時刻までの期間を停止期間として認識する。(図6(d))
したがって、設備メーカが異なっていたり、作業者の作業手順が異なっていても、同じ条件でデータが保存されることとなり、上記図3〜図5のような異常停止履歴を用いて生産ライン1の状態を正確に知ることができる。
以上のことから、各生産設備ごとに停止期間の整合性をとらせるための手段を設ける必要がなく、しかも各設備制御手段4からのビット信号はデータ収集制御手段6で一括して変換されるようになっているので、各生産設備3に対して改造等を施す必要がなくなり、その分低コストに生産履歴の管理を行うことができる。
また本実施例では各生産設備3の状態データ記憶部と端末装置のデータ収集手段14とは、それぞれ個別に通信手段5によって接続されている。
このような構成の場合であっても、各生産設備3毎に状態データ記憶部13が当該生産設備3の状態データを書き換えてゆき、書き換えられた状態データは生産設備管理システム2のデータ収集手段14によって収集されるようになっているので、上記第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
この場合、上記データ収集手段14によって全ての状態データが収集されるが、上記データ保存手段16は、状態データが起動データから異常停止データとなったら、その次に起動データが検出されるまでの間、収集された異常停止データを無視することで、上記実施例と同じ停止期間を得ることができる。
3 生産設備 4 設備制御手段
6 データ収集制御手段 7 端末装置
12 ビット信号変換手段 13 状態データ記憶部
14 データ収集手段 16 データ保存手段
18 データファイル
Claims (3)
- 複数の生産設備によって構成された生産ラインについての生産設備管理システムであって、
上記生産設備管理システムは、各生産設備の状態変化に関するデータを収集するデータ収集手段と、データ収集手段が収集したデータをデータファイルに記録保存するデータ保存手段とを備えた生産設備管理システムにおいて、
データ収集手段は上記状態変化のデータとして生産設備の異常停止についての異常停止データと、当該生産設備の起動についての起動データとを収集し、
データ保存手段は、上記データ収集手段が所定の生産設備について収集するデータが、起動データから異常停止データとなったら、その次に起動データが検出されるまでの期間を当該生産設備の停止期間に設定するとともに、該停止期間における最初の異常停止データを異常停止の原因に設定することを特徴とする生産設備管理システム。 - 各生産設備には、各生産設備の状態変化に関する信号を発信する設備制御手段が設けられ、当該設備制御手段が発信する上記信号は、データ収集制御手段によって上記起動データ若しくは異常停止データに変換されてから、上記データ収集手段によって収集されることを特徴とする請求項1に記載の生産設備管理システム。
- データ保存手段により保存されたデータをもとに、生産設備名、異常停止理由、異常発生時刻及び停止期間からなる異常停止履歴を出力することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の生産設備管理システム。
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