JP2006112526A - 発泡ガスケット - Google Patents

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Abstract

【課題】柔らかく、発ガスがないためにクリーン度の高く、耐透湿性に優れた発泡ガスケットを提供する。
【解決手段】疎水性の熱可塑性エラストマーの射出発泡成形体から構成し、その発泡倍率が1.0〜1.5とし、コア層の発泡倍率をスキン層の発泡倍率より高く設定する。前記スキン層の厚みを望ましくは50〜1500μmとし、前記可塑性エラストマーとしては吸水率70℃で1重量%以下のオレフィン系エラストマーかスチレン系エラストマーを用いることが望ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明のガスケットは、ハードディスク(HDD)装置の蓋と本体の間をシールするガスケット、燃料電池のセパレータ間のシール用ガスケットを始めとして、携帯電話などの通信機器、OA機器、自動車に搭載の電子回路ボックスなどの湿気、排ガス、煤塵を嫌う各種電子製品の保護に必要なシールを目的としたガスケットに関するものである。
電子機器の小型化、高性能化の要求に伴って、各構成部品の薄型化が希求されている。このような要求に応じるために電子機器のケーシング本体や蓋体など薄型化されており、その結果、各構成部材の剛性も低下傾向にあり、その剛性低下に対応し、シール用ガスケットも薄く細くかつ柔らかさのあるものが求められるに至っている。
前述のように適用機器の薄型化によるガスケットの柔らかさへの要求と同時に、最近では、シール性、クリーン度、復元性のより一層の向上が求められている。前記クリーン度が高いとは、ガスケットを構成する化学成分が周囲に放出されにくいことを意味する。前記化学成分は主に組成分がガス(揮発)状態で放散される成分である。このクリーン度が低いと、すなわち、ガスケットから化学成分が揮発するようなことがあると、そのガス成分がガスケットにより密閉された容器内のハードディスク装置(HDD)などの精密機器の駆動部や記録部分などの要部に付着し、それらの特性を劣化させることになる。
前記ガスケットに要求されるクリーン度について、前記精密機器として、例えば、ハードディスク装置を例に挙げて、さらに説明する。現在、ハードディスク装置は、カーナビゲーション機器の記録部に用いられたり、DVD(digital video disc)装置とハードディスク装置とを組み合わせたハイブリッド映像記録再生機器も家電製品として登場している。それら機器は、高温高湿な雰囲気下などの精密機器には劣悪な環境においても使用されることになる。そのような劣悪な環境下では、ハードディスク装置を収納する容器のシールに用いられるガスケットも高温高湿という劣悪な環境に曝されることになり、ガスケットの組成分の一部がガス化しやすくなる。このガス成分が放散されれば、前述のように、ガスケットにて周囲の劣悪な環境から保護しているはずのハードディスク装置を劣化させることになる。したがって、ハードディスク装置などの精密機器の気密保護に用いられるガスケットには、高温・高湿な環境においても発ガスが少ないことが重要視されている。
また、DVD装置とのハイブリッド製品におけるハードディスク装置や、パーソナルコンピュータに内蔵のハードディスク装置は、その使用状況では、激しい書き込み・読み出し操作が行われるので、相当厳しい温度の上昇や物理的衝撃を受けることになる。そのような厳しい使用環境下でも、ハードディスク装置として、10年もの耐用年数が要求され始めているのが、現状である。このような耐用年数での厳しい要求に対応するためには、装置のシール性を担っているガスケットの前記諸性能のより一層の向上が必要となっている。
このようなガスケットに対する高性能化の要求に対して、従来提供のガスケットには、それぞれ性能向上的に不満足な特性が存在している。この点について、以下に、主な従来技術として、4つの特許文献を挙げて説明する。
特許文献1には、水添ブロック共重合体として、例えば、水添SBS(styrene-butadiene-styrene)ゴムを100重量部と、ポリプロピレンを1〜100重量部と、さらに可塑剤として特定の粘度の非芳香族系軟化剤を50〜1000重量部とを添加してなる熱可塑性エラストマーからなるハードディスク装置用のガスケットが、開示されている。しかし、ガスケットでは、その中の軟化剤が高い温度に曝されると、発ガスとして出てくる。これを避けるために軟化剤の配合を取り止めると、エラストマーの硬度が高くなってしまい、ガスケットとして適用できなくなる。
特許文献2には、EPDM(ethylene-propylene-diene-monomer)100重量部と、ポリプロピレン10〜100重量部と、可塑剤20〜130重量部と、架橋剤0.1〜10重量部との混合物からなるガスケットが、開示されている。このガスケットは、高温での復元性が向上されている。このガスケットの構成する混合物には可塑剤としてパラフィン系プロセルオイルなどが添加されており、これら可塑剤はゴムの混練性を向上させ、流動性を高め、成形性を向上させ、さらには、ゴムの硬度を低下させる。しかし、このような可塑剤は高い温度に曝されると、成形品から発ガスとして出てくる。
特許文献3には、独立気泡性ウレタンフォームを用いたガスケットが提案されている。このガスケットは、シール性が良いことや柔らかい長所はあるが、耐透湿性が劣る欠点がある。これは発泡体のセルが独立気泡であっても、湿分は薄い高分子の膜を透過する性質があり、ポリウレタンの様な極性高分子ではその値が高いため、わずかに発泡するだけでも耐透湿性は大幅に低下するためである。
さらに、独立気泡の発泡体では圧縮することで、徐々に気泡中の発泡ガスが膜を通して透過し、その結果、応力緩和し圧縮応力が低下するためシール性が悪いことが、特許文献4に指摘されている。その問題点を克服するために、発泡ゴムをガスケットとして適用する場合において、発泡ゴム材と金属ばね材とを複合する形で適用されることが提案されている。しかし、金属ばね材と複合する構成では、ガスケットの占有スペースが大きくなり、省スペース化の要求が厳しい精密機器には適用しがたい。
特開2001−114975号公報 特開2003−173671号公報 特開平05−234342号公報 特開2000−48835号公報
前述のように、ハードディスク装置などの精密機器を収納する容器のシール性を担っているガスケットに対しては、精密機器への性能向上の要求に伴って、柔らかさ、シール性、クリーン度、復元性等の諸特性のより一層の向上が希求されている。しかしながら、従来提供されているガスケットでは、要求されている諸特性の全てにおいて高性能化を実現するには至っていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題は、柔らかく、発ガスがないためにクリーン度の高く、耐透湿性に優れた発泡ガスケットを提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる発泡ガスケットは、疎水性の熱可塑性エラストマーの射出発泡成形で得られる発泡ガスケットであって、発泡倍率が1.0〜1.5であり、コア層の発泡倍率がスキン層の発泡倍率より高いことを特徴とする。
本発明の発泡ガスケットは、疎水性の熱可塑性エラストマーの射出発泡により得られた発泡体から構成されているため耐透湿性が優れ、しかも発泡構造は均一でなく、スキン層である表面部位が連続緻密層により覆われている構造となっているため、さらに耐透湿性が高められている。このように表面層が緻密層になっているが、この表面緻密層(スキン層)の内側のいわゆるコア層の発泡倍率が高くなっているため、全体の柔らかさが充分に確保されている。
このように、本発明にかかる発泡ガスケットは、緻密なスキン層と発泡密度の高いコア層とが一体的に構成された構造(インテグラルスキン構造)を有しているため、柔らかくかつシール性の高い特性を有している。また、本発明にかかる発泡ガスケットは、緻密なスキン層の存在と、疎水性エラストマーという耐透湿性の高い材質を使用しているという形状的および材質的な特質によって、気液透過性を極めて低く抑えることができている。さらに、本発明にかかる発泡ガスケットは、表面が緻密であるため、取り付け部位への密着性が大変高く、それによって、シール性を格段に高めることができる。また、本発明にかかる発泡ガスケットは、可塑剤を添加せずとも柔らかいものとすることができるため、クリーン度が高く車載用など高温雰囲気での使用に好適である。
本発明にかかる発泡ガスケットを構成する発泡体は、緻密なスキン層と発泡構造のコア層とが一体的に構成されているインテグラルスキン構造のエラストマー発泡体である。そのため、本発明の発泡ガスケットは、柔らかく、機器の本体や蓋体の剛性が低くとも、また、たとえ寸法精度が低くとも、被シール部の表面に若干の凹凸があったとしても、圧縮により隙間を完璧にふさぐことができ、良好なシール性を発揮できる。
本発明において、緻密なスキン層とは、内層であるコアの発泡層に対して、ほとんど発泡していない状態の表面層を意味する。本発明の発泡ガスケットは、このような緻密なスキン層を有するため、発泡体でありながら、低い透湿性、低いガス透過性、液体不透過性などの各種シール向上要因を満足できる。もし、ガスケットの表層までもが発泡している場合は、ガスケットとシールすべき面との密着性が悪くなると同時に、気体の透過性が高くなり、耐透湿性、耐水素透過性などシール特性が悪化する。さらに、本発明の発泡ガスケットを構成するインテグラルスキン構造の発泡体では、圧縮時に発泡層(コア層)部分が優先的につぶされるため、圧縮率の低い部分(表面層)で圧縮応力が低くなるメリットがある。
前記緻密なスキン層の厚みは、ガスケット製品の肉厚によっても異なるが、50μm〜1500μmが好ましく、特に、厚みが50〜500μmの範囲にあれば、柔らかさと低透湿性を同時に向上できるために好ましい。本発明で言うインテグラルスキン構造とは、緻密なスキン層(表面層)と発泡のコア層とからなる発泡体構造のことで、少なくとも表面から約50μmまでの層がほとんど発泡していない「緻密なスキン層」を有する発泡体構造である。
本発明の発泡ガスケットを構成する発泡体の発泡倍率は1.0〜1.5倍であることが好ましい。発泡倍率は高くなるほど柔かくなり、シール面との密着性は良くなるが、高圧でのシール性は低下する。一方、型内での樹脂の流動性は、発泡剤の添加量とともに良くなり、従って、発泡倍率の向上とともに向上し、射出成形金型での流動樹脂同士の合わせ目、いわゆる「ウェルド部」の厚み均一性が良くなり、ある発泡倍率まではむしろシール性と耐透湿性は向上する。しかし、発泡倍率が1.5倍を超えると、高圧でのシール性や復元性も悪くなる。特にハードディスク装置用のガスケットでは、発泡倍率は1.01〜1.5倍が好ましく、燃料電池用ガスケットでは、発泡倍率は1.01〜1.3倍が好ましい。
本発明におけるガスケットの断面形状は、矩形、台形、円形、半楕円形、ドーム形など、そして、これらを組合せた形状が適用できる。
本発明の発泡ガスケットの取り付け方法としては、ハードディスク装置用のガスケットの場合、ガスケットを成形した後、ハードディスク装置の蓋体に接着する方法もある。しかし、この方法では、ガスケットは材質が極めて柔らかく、寸法が1mmφ程度の細さであるため、取り扱い性が悪く、取り付け作業が難しくなる。そのため、ポリプロピレンやポリエステルのフィルムをキャリアーとしてこの上に成形したガスケットを付着後、フィルムごと蓋体に接着する方法も、取り付け方法の選択肢である。あるいは、フィルムにガスケットを成形と同時に接着し、その後、蓋体に接着する方法や、さらには蓋体にエラストマーを射出成形で直接ガスケットとして成形する方法なども、好適な取り付け方法である。
本発明の発泡ガスケットを構成する発泡体に用いる発泡剤としては、熱分解してガスを発生する熱分解型発泡剤を用いることが可能である。このような発泡剤としては、具体的には、アゾジカーボンアミド(ADCA)、ジエチルアゾカルボキレート、アゾジカルボン酸バリウム、4,4ーオキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、3,3ージスルホンヒドラシドフェニルスルホン酸、N,N’−ジニトロソペンタメテトラミン、p−トルエンスルホニルヒドラジド、トリヒドラジノトリアジンなどの有機発泡剤、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウムなどの無機発泡剤等が挙げられる。前記有機発泡剤としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)、N,N’−ジニトロソペンタメテトラミン、トリヒドラジノトリアジンが好ましい。また、前記無機発泡剤としては、炭酸水素ナトリウムが好ましい。また、炭酸水素ナトリウムとクエン酸モノナトリウムおよびグリセリン脂肪酸エステルを混合させた発泡剤を用いてもよい。これらの発泡剤は、単独で用いてもよいし、複数を組合せて用いてもよい。また、いわゆる分解助剤を併用して用いることも可能である。
本発明においては、前記熱分解型発泡剤による発泡に代えて、揮発性溶剤としてブタン類、ペンタン類や水等によって樹脂を発泡させることもできる。また、ガスそのものを樹脂基材に分散あるいは含浸させて発泡させることもできる。この場合に用いられるガスとしては、二酸化炭素ガスや窒素ガスが挙げられる。硫酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどの含水塩の高温での水分を発泡剤として利用し、前記水分が蒸気化することにより発泡を生じさせる方法もある。炭酸ガスを用いること、あるいは反応や分解して炭酸ガスを放出するような発泡剤は、インテグラル構造のスキンを形成しやすい傾向があり、肉厚の大きい製品においてインテグラルスキン構造を形成するのに適している。これに対して、窒素系発泡剤を用いた発泡ではスキン層が形成されにくい傾向があり、肉厚が1mm以下の薄い製品においてインテグラルスキン構造を形成するに適している。これら発泡剤は、本発明の発泡ガスケットの製造に使用可能であり、エラストマー組成や肉厚に応じて使い分けることができる。
本発明の発泡ガスケットの製造は射出成形による。一般的に、肉厚が1mm程度に薄くしたい場合は、窒素系の発泡剤を使うのが良く、それより厚いものを得るには、炭酸ガス系の発泡剤が適用できる。金型内に樹脂を射出した後、型締め圧を低下する方法、あるいは射出後あるいは射出中に金型キャビティーのクリアランスを広げることは、発泡を促進する方法として好ましい。
燃料電池のセパレーターはカーボン材料のような脆い材質でつくられている。そのような材質に対して射出成形でガスケットを一体で成形するには、従来技術ではあらかじめガスケットを作った後、接着剤等で接着する方法をとっていた。これに対して、本発明の発泡ガスケットのように発泡成形であると、低圧で成形できるので、他の部材へ極めて適用しやすく、被取り付け部位に直接成形することが可能である。また、本発明のガスケットは、発泡体であるので、柔らかく、燃料電池の電解質膜やカーボン繊維からなる拡散層を圧締する場合に、これら電解質膜や繊維材料を損傷しにくいというメリットがある。
本発明の発泡ガスケットの作製に用いる疎水性の熱可塑性エラストマーとは、水との接触角が90度以上のものを意味し、未発泡状態で測定した70℃での吸水率が1重量%以下であることが好ましい。70℃での吸水性が1重量%以下であれば、発泡状態となっても透湿性や液体の浸透性が低下しにくいため、好ましい。そのような熱可塑性エラストマーの例としては、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、エステル系エラストマー、フッ素ゴム系エラストマーが挙げられる。これらの中で、水分の低透過性、耐酸性、耐アルカリ性、液体の透過性の低いことなどより、オレフィン系エラストマーとスチレン系エラストマーが好ましい。これらのエラストマーに発泡剤を配合して射出成形することにより、本発明の発泡ガスケットを得ることができる。
前記オレフィン系熱可塑性エラストマーは、オレフィン系共重合ゴムと結晶性オレフィン系プラスチックの混練反応によって得られるものである。オレフィン系共重合ゴムとしては、プロピレンなどのα-オレフィンとエチレンとの共重合体や、それに非共役ジエン成分を共重合したものが、好適に使用される。前記結晶性オレフィンプラスチックとしては、プロピレンなどのα-オレフィンの重合体または/および共重合体が用いられる。これらを用いた混練反応は、架橋剤や架橋助剤の存在下で行うことも出来る。このオレフィン系熱可塑性エラストマーは、低い透湿性と優れた復元性を示し、さらに射出成形での成形性がよく、ガスケット材料として好適である。
前記スチレン系エラストマーとは、水添SBS(スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体)または水添SIS(スチレン・イソプレン・スチレン共重合体)を主体に、ポリプロピレンやポリエチレンなどを混練し、必要なら架橋反応を行って得る熱可塑性エラストマーである。
発泡体を構成するエラストマー材料として発ガスとなる成分の多い材料を用いる場合には、ベーキングといって高温にて熱処理する工程を設けて発ガスとなる成分を予め飛散しておく処置をとりえる。このベーキング工程は、原料の段階か、ガスケットを成形した後の段階において、行うことができる。熱処理工程は、真空状態を併用してもかまわない。
以下、本発明の実施例を説明する。以下に示す実施例は、本発明を好適に説明するための例示に過ぎず、なんら本発明を限定するものではない。
(実施例1,2,3)
エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム(エチレン含量:66モル%、ヨウ素価:12、ムーニー粘度:38)75重量部と、ポリプロピレン(メルトフローレート:5)20重量部と、低分子ポリプロピレン(融点140℃)5重量部と、過酸化物として2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリー−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3を1.0重量部と、架橋助剤としてトリメチロールプロペントリメタクリレートを1.0重量部とを、ラボプラストミルを用い、室温より混練反応を開始し、200℃に昇温した段階で反応を停止し、これによって、熱可塑性オレフィン系エラストマーを得た。この原料の70℃で22時間後の吸水率は、0.1重量%であった。
射出成形機(日本製鋼所社製、J85EL III)を用い、上記熱可塑性オレフィン系エラストマー100重量部に、窒素系化学発泡剤(永和化成社製:ビニホールAC#FC)の添加部数を変化させ(実施例1:0.5重量部、実施例2:1重量部、実施例3:1.5重量部)、シリンダー温度200℃にて、1.5mmφで直径50mmのOリング形状のガスケット金型を用い、発泡ガスケットを成形した。
(比較例1,2)
比較例1として、前記実施例1において発泡剤を2部、比較例2は発泡剤を含まないこと以外は同様にして、同様の形状のガスケット成形品を射出成形した。
前記実施例1,2,3と、比較例1,2の各々で得られたガスケット製品の性能を下記表1に示す。
Figure 2006112526
*1:圧縮試験機で圧縮速度1mm/分にて測定
*2: 1.5mmφの直径50mmのOリング形状製品を、水分10gを含有したステンレス容器に付随したフランジに圧縮率25%で圧締し、70℃オーブンで22時間放置して水分の減量を透湿性として測定した
*3:製品を温度150℃で真空度0Torrの真空オーブンにて22時間放置し、加熱減量を測定した
表1から明らかなように、実施例1〜3はインテグラルスキン構造に発泡しており、圧縮応力は発泡していない比較例2に比べ大幅に柔かく、実施例1の発泡倍率1.06倍でさえも非発泡の比較例2と比べ16.6%も柔かく、透湿性は桁違いに低くなっており、発泡の効果が出ている。透湿性の良い理由は、ガスケットの密着性が良くなった事とウェルド部の厚みのばらつきが少なかったためと、考えられる。しかし、比較例1に見られるように、発泡倍率がさらに高くなり、1.5倍を超えるようになると、ガスケット製品の表面まで発泡するようになり、透湿性が急激に悪化する。
(実施例4)
前記実施例1の原料(熱可塑性オレフィン系エラストマー)を用い、発泡剤として超臨界状態の窒素ガスを0.05重量%用いた以外、実施例1と同様にして、Oリング状のガスケット製品を射出成形した。
(比較例3)
市販の熱可塑性オレフィン系エラストマー(可塑剤含有率:15%、吸水率:0.15%)を用い、窒素ガス(発泡剤)は使わず、実施例4と同様に射出成形した。
前記実施例4と比較例3とで得られた各ガスケット製品の性能を下記表2に示す。
Figure 2006112526
表2から明らかなように、実施例4のガスケットは実施例1よりさらに発泡倍率は高く、圧縮応力は一層低くなっているが、透湿性はまったく悪化していない。比較例3は発泡していないが、原料自体が可塑剤を含有しているため、柔軟な製品が得られているが、可塑剤含有のため、加熱減量は極めて大きく、精密機器のガスケットとしては不適である。
(比較例4,5)
アジピン酸などのジカルボン酸とエチレングリコールとより得られるポリエステルポリオールと、トルエンジイソシアナートから得られた熱可塑性ウレタン系エラストマー(吸水率:1.2重量%)とを用い、実施例4と同様にして、Oリング状のガスケット製品を射出成形した。比較例4では窒素ガス量を0とし、比較例5では窒素ガス量を0.05重量%とした。
前記比較例4,5で得られたガスケット製品の性能を下記表3に示す。
Figure 2006112526
比較例4は、ウレタン基など極性基を有する樹脂のため、透湿性は非発泡品であるにもかかわらず、比較的高くなっている。また、比較例5は、発泡倍率1.1倍とわずかに発泡したものでインテグラルスキン構造であるが、疎水性でない極性樹脂の発泡体のため、セル膜を水分が透過しやすく、透湿性は大幅に悪化している。
以上説明したように、本発明にかかる発泡ガスケットは、緻密なスキン層と発泡密度の高いコア層とが一体的に構成された構造(インテグラルスキン構造)を有しているため、柔かいのにシール性がよい、という特性を有している。また、本発明にかかるガスケットは、発泡していながら緻密なスキン層の存在と、疎水性エラストマーを用いるという、形状的および材質的な特質によって、気液透過性を極めて低く抑えることができている。さらに、本発明にかかる発泡ガスケットは、表面が緻密であるため、取り付け部位への密着性が大変高く、それによって、シール性を格段に高めることができる。また、本発明にかかる発泡ガスケットは、可塑剤を添加せずとも柔らかいものとすることができるため、クリーン度が高く車載用など高温雰囲気での使用に好適である。

Claims (5)

  1. 疎水性の熱可塑性エラストマーの射出発泡成形で得られる発泡ガスケットであって、
    発泡倍率が1.0〜1.5であり、コア層の発泡倍率がスキン層の発泡倍率より高いことを特徴とする発泡ガスケット。
  2. 前記スキン層の厚みが50μm〜1500μmであることを特徴とする請求項1に記載の発泡ガスケット。
  3. 前記熱可塑性エラストマーの吸水率が70℃で1重量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の発泡ガスケット。
  4. 前記熱可塑性エラストマーがオレフィン系エラストマーであることを特徴とする請求項3に記載の発泡ガスケット。
  5. 前記熱可塑性エラストマーがスチレン系エラストマーであることを特徴とする請求項3に記載の発泡ガスケット。
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