JP2016088977A - 樹脂発泡体及び発泡部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】厚みが小さく、より微小なクリアランスに適用しても衝撃吸収性に優れる樹脂発泡体を提供する。【解決手段】本発明の樹脂発泡体は、樹脂を含む樹脂組成物を発泡させることにより得られる樹脂発泡体であり、厚みが0.01〜0.30mmであり、50%圧縮時の圧縮応力が6〜20N/cm2であり、見掛け密度が0.05〜0.45g/cm3であることを特徴とする。上記樹脂発泡体では、さらに、平均セル径が、20〜130μmであることが好ましい。【選択図】図4

Description

本発明は、樹脂発泡体及び発泡部材に関する。詳細には、厚みが小さく、優れた衝撃吸収性を有し、衝撃吸収材として好適に用いることができる樹脂発泡体、及び、この樹脂発泡体を含む発泡部材に関する。
従来、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ等の画像表示装置に固定された画像表示部材や、いわゆる「携帯電話」や「携帯情報端末」等に固定されたカメラやレンズなどの光学部材を、所定の部位(固定部など)に固定する際に、樹脂発泡体や発泡部材が使用されている。
光学部材(画像表示装置、カメラ、レンズなど)が装着(セット)される製品では、薄型化が進みつつあり、樹脂発泡体や発泡部材が使用される部分のクリアランス(clearance;すきま、間隔)は、小さくなっていく傾向がある。このようなクリアランスの減少に対応するために、厚みの小さい衝撃吸収材が提案されている(特許文献1参照)。
特開2010−215805号公報
樹脂発泡体や発泡部材が使用される部分のクリアランスの大きさについて、近年、変化が生じ、より小さいクリアランスに対応できるものが求められるようになってきている。このため、より小さいクリアランスに対応でき、且つ、より高いレベルでの衝撃吸収性を有する樹脂発泡体や発泡部材が求められるようになってきている。
従って、本発明の目的は、厚みが小さく、より微小なクリアランスに適用しても衝撃吸収性に優れる樹脂発泡体を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、厚みが小さく、より微小なクリアランスに適用しても衝撃吸収性に優れる発泡部材を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、薄い樹脂発泡体において、所定の50%圧縮時の圧縮応力を有し、所定の見掛け密度を有するようにすれば、より微小なクリアランスに適用しても、優れた衝撃吸収性が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、樹脂を含む樹脂組成物を発泡させることにより得られる樹脂発泡体であり、厚みが0.01〜0.30mmであり、50%圧縮時の圧縮応力が6〜20N/cm2であり、見掛け密度が0.05〜0.45g/cm3であることを特徴とする樹脂発泡体を提供する。
上記樹脂発泡体は、さらに、平均セル径が、20〜130μmであることが好ましい。
上記樹脂は、ポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。
上記樹脂発泡体は、上記樹脂組成物を、高圧の不活性ガスを含浸させた後、減圧する工程を経て発泡させることにより得られることが好ましい。
上記樹脂発泡体は、上記樹脂組成物からなる未発泡成形物に、高圧の不活性ガスを含浸させた後、減圧する工程を経て発泡させることにより得られることが好ましい。
上記樹脂発泡体は、溶融した上記樹脂組成物に、高圧の不活性ガスを含浸させた後、減圧する工程を経て発泡させることにより得られることが好ましい。
減圧する工程の後、あるいは減圧とともに、加熱し、上記樹脂発泡体を得ることが好ましい。
上記不活性ガスは、二酸化炭素であることが好ましい。
上記不活性ガスは、超臨界状態であることが好ましい。
上記樹脂発泡体は、上記樹脂組成物を発泡させてから、さらに、加温圧縮することにより得られることが好ましい。
上記加温圧縮の際の温度は、50℃以上であることが好ましい。
さらに、本発明は、上記樹脂発泡体から構成されることを特徴とする発泡部材を提供する。
上記発泡部材は、さらに、粘着剤層を有することが好ましい。
上記粘着剤層は、アクリル系粘着剤層であることが好ましい。
上記発泡部材は、衝撃吸収材として用いられることが好ましい。
上記発泡部材は、電気又は電子機器用として用いられることが好ましい。
さらに、本発明は、上記発泡部材が、キャリアテープによって保持されていることを特徴とする発泡部材積層体を提供する。
さらに、本発明は、上記発泡部材を有することを特徴とする電気又は電子機器を提供する。
本発明の樹脂発泡体は、厚みが小さく、より微小なクリアランスに適用しても衝撃吸収性に優れる。
本発明の発泡部材は、厚みが小さく、より微小なクリアランスに適用しても衝撃吸収性に優れる。
衝撃試験装置の概略構成図である。 衝撃試験装置の保持部材の概略構成を示す図である。 樹脂発泡体における圧縮率と応力との関係を示すグラフである。 樹脂発泡体の断面を示す電子顕微鏡写真である。 樹脂発泡体の断面を示す電子顕微鏡写真である。 樹脂発泡体の断面を示す電子顕微鏡写真である。 樹脂発泡体の断面を示す電子顕微鏡写真である。
[樹脂発泡体]
本発明の樹脂発泡体は、樹脂を含む樹脂組成物を発泡させることにより得られる樹脂発泡体であり、厚みが0.01〜0.30mmであり、50%圧縮時の圧縮応力が6〜20N/cm2であり、見掛け密度が0.05〜0.45g/cm3である。本発明の樹脂発泡体は、樹脂から構成され、気泡構造(発泡構造)を有する。
本発明の樹脂発泡体の形状は、特に限定されないが、シート状、テープ状であることが好ましい。また、必要に応じて、所望の形状に加工されていてもよい。
本発明の樹脂発泡体の厚みは、0.01〜0.30mmである。本発明の樹脂発泡体の厚みは、好ましくは0.05mm以上であり、より好ましくは0.08mm以上である。本発明の樹脂発泡体は、厚みが0.01mm以上であるので、良好な衝撃吸収性、良好なシール性及び良好な防塵性を確保できる。また、本発明の樹脂発泡体の厚みは、好ましくは0.20mm以下であり、さらに好ましくは0.15mm以下である。本発明の樹脂発泡体は、厚みが0.30mm以下であるので、より微小なクリアランス(例えば、大きさが0.05〜0.30mmのクリアランス)に対しても適用でき、追従できる。
本発明の樹脂発泡体の50%圧縮時の圧縮応力は、6〜20N/cm2(=0.06〜0.20MPa)である。本発明の樹脂発泡体の50%圧縮時の圧縮応力は、好ましくは8N/cm2以上であり、より好ましくは10N/cm2以上である。本発明の樹脂発泡体は、上記50%圧縮時の圧縮応力が6N/cm2以上であるので、厚みが小さくても必要な硬さを確保でき、衝撃により気泡構造が潰れて衝撃を吸収できず、衝撃を伝えてしまうという問題の発生を防止でき、優れた衝撃吸収性を得ることができる。加えて、優れた防塵性を確保できる。また、本発明の樹脂発泡体の50%圧縮時の圧縮応力は、好ましくは18N/cm2以下であり、より好ましくは16N/cm2以下である。本発明の樹脂発泡体は、上記50%圧縮時の圧縮応力が20N/cm2以下であるので、十分な柔らかさを確保でき、硬くなりすぎて衝撃を吸収できないという問題の発生を防止できる。さらに、微小クリアランスに適用しても、樹脂発泡体の反発による不具合の発生を防止できる。
上記50%圧縮時の圧縮応力(50%の厚みまで圧縮したときの対反発荷重)は、樹脂発泡体を、初めの厚みに対して50%の厚みとなるように圧縮し、つまり初めの厚みの50%だけ圧縮し、この圧縮に必要な荷重を求め、その荷重を単位面積当たりで表したものである。
本発明の樹脂発泡体の30%圧縮時の圧縮応力は、特に限定されないが、1N/cm2(=0.01MPa)以上であることが好ましく、より好ましくは1.5N/cm2以上であり、さらに好ましくは2N/cm2以上である。上記30%圧縮時の圧縮応力が1N/cm2以上であると、厚みが小さくても必要な硬さを確保でき、衝撃により気泡構造が潰れて衝撃を吸収できず、衝撃を伝えてしまうという問題の発生を防止でき、優れた衝撃吸収性を得ることができる。加えて、優れた防塵性を確保できる。また、本発明の樹脂発泡体の30%圧縮時の圧縮応力は、特に限定されないが、10N/cm2(=0.10MPa)以下であることが好ましく、より好ましくは8N/cm2以下であり、さらに好ましくは5N/cm2以下である。上記30%圧縮時の圧縮応力が10N/cm2以下であると、十分な柔らかさを確保でき、硬すぎて微小なクリアランスに追従できないという問題の発生を抑制しやすくなる。さらに、微小クリアランスに適用しても、樹脂発泡体の反発による不具合の発生を防止できる。
上記30%圧縮時の圧縮応力(70%の厚みまで圧縮したときの対反発荷重)は、樹脂発泡体を、初めの厚みに対して70%の厚みとなるように圧縮し、つまり初めの厚みの30%だけ圧縮し、この圧縮に必要な荷重を求め、その荷重を単位面積当たりで表したものである。
本発明の樹脂発泡体の見掛け密度は、0.05〜0.45g/cm3である。本発明の樹脂発泡体の見掛け密度は、0.06g/cm3以上であることがより好ましく、さらに好ましくは0.08g/cm3以上である。本発明の樹脂発泡体は、見掛け密度が0.05g/cm3以上であるので、良好な衝撃吸収性、良好なシール性及び良好な防塵性を確保できる。また、本発明の樹脂発泡体の見掛け密度は、0.4g/cm3以下であることがより好ましく、さらに好ましくは0.35g/cm3以下である。本発明の樹脂発泡体は、見掛け密度が0.45g/cm3以下であるので、柔軟性を高めて、優れた衝撃吸収性や優れたクリアランス追従性を得ることができる。
上記のように、本発明の樹脂発泡体は、気泡構造を有する。上記気泡構造は、特に限定されないが、独立気泡構造、半連続半独立気泡構造(独立気泡構造と連続気泡構造とが混在している気泡構造であり、その割合は特に限定されない)であることが好ましい。
特に、本発明の樹脂発泡体は、独立気泡率が70%以下の気泡構造を有することが好ましい。気泡構造における上記独立気泡率が70%以下であると、衝撃が作用して樹脂発泡体が圧縮変形した際に、空気が抜けやすくなり、優れた衝撃吸収性が得やすくなる。気泡構造における上記独立気泡率は、60%以下であることがより好ましく、さらに好ましくは50%以下である。また、本発明の樹脂発泡体は、独立気泡率が20%以上の気泡構造を有することが好ましい。気泡構造における上記独立気泡率が20%以上であると、連続気泡の割合を調整して、塵等の微小な粒子の通過を効果的に阻止でき、良好な防塵性を得やすくなる。気泡構造における上記独立気泡率は、25%以上であることがより好ましく、さらに好ましくは30%以上である。
樹脂発泡体の独立気泡率は、以下のようにして求める。樹脂発泡体から、一定厚みで、一辺5cmの平面正方形状の試験片を切り出し、この試験片の重量W1(g)及び厚み(cm)を測定して、試験片の見掛け体積V1(cm3)を算出する。次に、得られた値を式(1)に代入し、気泡の占める見掛け体積V2(cm3)を算出する。なお、試験片を構成する樹脂の密度をρ(g/cm3)とする。
気泡の占める見掛け体積V2=V1−W1/ρ (1)
続いて、この試験片を23℃の蒸留水中に、試験片の上面から水面までの距離が40mmとなるように沈め、24時間放置する。その後、試験片を蒸留水中から取り出して、試験片の表面に付着した水分を除去する。得られた試験片の重量W2(g)を測定し、式(2)に基づいて、連続気泡率F1を算出する。この連続気泡率F1から、式(3)に基づいて、独立気泡率F2を求める。
連続気泡率F1=100×(W2−W1)/V2 (2)
独立気泡率F2=100−F1 (3)
本発明の樹脂発泡体の平均セル径は、特に限定されないが、5μm以上であることが好ましく、より好ましくは10μm以上であり、さらに好ましくは20μm以上である。上記平均セル径が20μm以上であると、優れた衝撃吸収性を得やすくなる。また、本発明の樹脂発泡体の平均セル径は、特に限定されないが、130μm以下であることが好ましく、より好ましくは100μm以以下であり、さらに好ましくは80μm以下である。上記平均セル径が130μm以下であると、優れたシール性や優れた防塵性が得やすくなり、さらに、遮光性を良好とすることができる。
(樹脂組成物)
本発明の樹脂発泡体は、樹脂を含む樹脂組成物を発泡させることにより得られる樹脂発泡体である。上記樹脂組成物は、樹脂発泡体の形成に用いられる組成物であり、樹脂発泡体の素材である樹脂を少なくとも含む。上記樹脂組成物中の樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全量(全重量、100重量%)に対して、30重量%以上であることが好ましく、より好ましくは50重量%以上であり、さらに好ましくは80重量%以上である。
上記樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。このような熱可塑性樹脂としては、熱可塑性を示すポリマーであって、高圧ガスを含浸可能なものであれば特に限定されない。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンとの共重合体、エチレン又はプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体、エチレンと他のエチレン性不飽和単量体(例えば、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ビニルアルコール等)との共重合体などのオレフィン系重合体;ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)などのスチレン系重合体;6−ナイロン、66−ナイロン、12−ナイロンなどのポリアミド;ポリアミドイミド;ポリウレタン;ポリイミド;ポリエーテルイミド;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリ塩化ビニル;ポリフッ化ビニル;アルケニル芳香族樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;ビスフェノールA系ポリカーボネートなどのポリカーボネート;ポリアセタール;ポリフェニレンスルフィドなどが挙げられる。なお、上記熱可塑性樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
また、上記熱可塑性樹脂には、常温ではゴムとしての性質を示し、高温では熱可塑性を示す熱可塑性エラストマーも含まれる。このような熱可塑性エラストマーとして、特に限定されないが、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブテン、ポリイソブチレン、塩素化ポリエチレンなどのオレフィン系エラストマー;スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン共重合体、それらの水素添加物ポリマーなどのスチレン系エラストマー;熱可塑性ポリエステル系エラストマー;熱可塑性ポリウレタン系エラストマー;熱可塑性アクリル系エラストマーなどが挙げられる。これらの熱可塑性エラストマーは、ガラス転移温度が室温以下(例えば20℃以下)であるため、これらの熱可塑性エラストマーによれば、衝撃吸収性、柔軟性及び形状追随性に優れる樹脂発泡体を得ることができる。なお、熱可塑性エラストマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
中でも、上記熱可塑性樹脂は、室温下での柔軟性を発現しやすく、衝撃吸収性、柔軟性及び形状追随性に優れる樹脂発泡体が特に得やすい点より、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。なお、上記ポリオレフィン系樹脂には、上記オレフィン系エラストマーも含まれる。
また、上記熱可塑性樹脂は、混合物であってもよい。例えば、上記熱可塑性樹脂は、熱可塑性エラストマーのみであってもよいし、熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性樹脂のみであってもよいし、熱可塑性エラストマーと熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性樹脂との混合物であってもよい。
上記熱可塑性樹脂が「熱可塑性エラストマーと熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性樹脂との混合物」である場合、その混合比率(重量基準)は、特に限定されないが、前者/後者で、1/99〜99/1であることが好ましく、より好ましくは10/90〜90/10であり、さらに好ましくは20/80〜80/20である。
本発明の樹脂発泡体は、上記樹脂組成物を発泡することにより得られるが、上記樹脂組成物には、上記樹脂の他に、必要に応じて、添加剤が含まれていてもよい。添加剤の添加量は、気泡の形成等を損なわない範囲で適宜選択することができる。なお、添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記添加剤としては、例えば、気泡核剤、結晶核剤、可塑剤、滑剤、着色剤(顔料、染料等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、充填剤、補強剤、難燃剤、帯電防止剤、界面活性剤、加硫剤、表面処理剤などが挙げられる。
上記滑剤は、樹脂の流動性を向上させるとともに、樹脂の熱劣化を抑制する作用を有する。上記滑剤としては、特に限定されないが、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックスなどの炭化水素系滑剤;ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などの脂肪酸系滑剤;ステアリン酸ブチル、ステアリン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、硬化ヒマシ油、ステアリン酸ステアリルなどのエステル系滑剤などが挙げられる。なお、滑剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記滑剤の添加量は、特に限定されないが、流動性の向上を図り、発泡時の延伸性が低下して発泡倍率が低下する不具合の発生を抑制する点より、樹脂100重量部に対して、0.5重量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.8重量部以上であり、さらに好ましくは1重量部以上である。また、上記滑剤の添加量は、流動性が高くなりすぎて発泡倍率が低下する不具合の発生を抑制する点より、樹脂100重量部に対して、10重量部以下が好ましく、より好ましくは8重量部以下であり、さらに好ましくは6重量部以下である。
上記収縮防止剤は、発泡体の気泡膜の表面に分子膜を形成して発泡剤ガスの透過を効果的に抑制する作用を有する。上記収縮防止剤としては、特に限定されないが、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミドなどが挙げられる。上記脂肪酸金属塩としては、特に限定されないが、例えば、ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などの脂肪酸のアルミニウム、カルシウム、マグネシウム、リチウム、バリウム、亜鉛、鉛の塩などが挙げられる。上記脂肪酸アミドは、モノアミド、ビスアミドのいずれであってもよいが、微細セル構造を得るためにはビスアミドが好ましい。上記脂肪酸アミドとしては、特に限定されないが、例えば、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ラウリン酸ビスアミドなどが挙げられる。なお、収縮防止剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記収縮防止剤の添加量は、特に限定されないが、被膜の形成が不十分となり、発泡時にガス抜けが発生して、収縮がおこり、発泡倍率が低下する不具合の発生を抑制する点より、樹脂100重量部に対して、0.5重量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.7重量部以上であり、さらに好ましくは1重量部以上である。また、上記収縮防止剤の添加量は、セル成長過程においてガス効率の低下を生じ、セル径は小さいものが得られるものの未発泡部分も多くなり、発泡倍率が低下するという不具合の発生を抑制する点より、樹脂100重量部に対して、10重量部以下が好ましく、より好ましくは8重量部以下であり、さらに好ましくは6重量部以下である。
上記のように、上記樹脂組成物に必要に応じて添加される添加剤は、2種以上組み合わせて用いることができる。例えば、上記滑剤と上記収縮防止剤は、組み合わせて用いることができる。例えば、ステアリン酸モノグリセリドなどの滑剤と、エルカ酸アミド、ラウリン酸ビスアミドなどの収縮防止剤とを組み合わせて用いることができる。
また、上記樹脂組成物は、セル径を容易に調整することができ、適度な柔軟性を有するとともに、衝撃吸収性に優れた樹脂発泡体を容易に得ることができる点より、気泡核剤を含有することが好ましい。上記気泡核剤としては、特に限定されないが、例えば、タルク、シリカ、アルミナ、マイカ、チタニア、酸化亜鉛、ゼオライト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の酸化物、複合酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属水酸化物等が挙げられる。なお、気泡核剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記気泡核剤の添加量は、特に限定されないが、気泡核剤を添加することによる効果を十分に得る点より、樹脂100重量部に対して、2重量部以上であることが好ましく、より好ましくは3重量部以上であり、さらに好ましくは5重量部以上である。また、上記気泡核剤の添加量は、発泡の阻害を抑制する点より、樹脂100重量部に対して、150重量部以下が好ましく、より好ましくは140重量部以下であり、さらに好ましくは130重量部以下である。
上記樹脂組成物は、公知・慣用の方法により得られる。例えば、樹脂組成物は、発泡体の原料となる樹脂に、必要に応じて添加剤を添加して、混錬することにより得られる。なお、混錬の際には、加熱されてもよい。
上記樹脂組成物の具体的態様の一例しては、例えば、熱可塑性エラストマーと熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性樹脂との混合物、気泡核剤、滑剤、収縮防止剤を少なくとも含み、熱可塑性エラストマーと熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性樹脂との混合物100重量部に対して、気泡核剤(特に金属酸化物)の含有量が0.5〜150重量部であり、滑剤(特にエステル系滑剤)の含有量が0.5〜10重量部であり、収縮防止剤(特に脂肪酸アミド)の含有量が0.5〜10重量部である樹脂組成物が挙げられる。
(樹脂発泡体の製造方法)
本発明の樹脂発泡体は、上記樹脂組成物を発泡させることにより得られる。樹脂組成物の発泡方法としては、特に限定されないが、物理的方法、化学的方法等、発泡成形に通常用いられる方法が挙げられる。物理的方法は、低沸点液体(発泡剤)を樹脂に分散させ、次に加熱し発泡剤を揮発させることにより気泡を形成させるものである。また、化学的方法は、添加された化合物(発泡剤)の熱分解により生じたガスによりセルを形成し、発泡体を得る方法である。環境面からは、物理的手法が好ましい。
特に、上記発泡方法は、セル径が小さく且つセル密度の高い気泡構造を容易に得ることができる点より、高圧の不活性ガスを発泡剤として用いる物理的方法が好ましい。本発明の樹脂発泡体は、上記樹脂組成物を、高圧の不活性ガスを含浸させた後、減圧する工程を経て発泡させることにより得られることが好ましい。特に、発泡剤として二酸化炭素を用いると、不純物の少ないクリーンな樹脂発泡体が得やすく、好ましい。上記物理的方法による発泡方法では、発泡剤として用いられる物質の可燃性や毒性、及びオゾン層破壊などの環境への影響が懸念される。また、上記化学的方法による発泡方法では、発泡ガスの残渣が発泡体中に残存するため、特に低汚染性の要求が高い電気又は電子機器用途においては、腐食性ガスやガス中の不純物による汚染が問題となる。なお、一般的な物理的発泡方法や化学的発泡方法では、微細な気泡構造を形成することは難しく、特に300μm以下の微細気泡を形成することは極めて困難であるといわれている。
このように、本発明の樹脂発泡体は、高圧の不活性ガスを発泡剤として用いる物理的方法により上記樹脂組成物を発泡させることが好ましい。つまり、本発明の樹脂発泡体は、上記樹脂組成物を、高圧の不活性ガスを含浸させた後、減圧する工程を経て発泡させることにより得られることが好ましい。なお、高圧の不活性ガスを含浸させる際には、予め成形した未発泡成形物(樹脂組成物の未発泡成形物)に不活性ガスを含浸させてもよく、また、溶融した樹脂組成物に不活性ガスを加圧状態下で含浸させてもよい。従って、本発明の樹脂発泡体の製造方法としては、上記樹脂組成物に高圧の不活性ガスを含浸させた後、減圧する工程を経て形成する方法が好ましく挙げられ、より具体的には、上記樹脂組成物からなる未発泡成形物に高圧の不活性ガスを含浸させた後、減圧する工程を経て形成する方法や、溶融した上記樹脂組成物に不活性ガスを加圧状態下で含浸させた後、減圧とともに成形に付して形成する方法などが好ましく挙げられる。
上記樹脂組成物に、高圧の不活性ガスを含浸させることにより、樹脂発泡体を製造する方法としては、具体的には、上記樹脂組成物に、不活性ガスを高圧下で含浸させるガス含浸工程、該工程後に圧力を低下させて発泡させる減圧工程、及び必要に応じて加熱により気泡を成長させる加熱工程を経て形成する方法などが挙げられる。この場合、上記のように、予め樹脂組成物から成形した未発泡成形物に不活性ガスを含浸させてもよく、また、溶融した樹脂組成物に不活性ガスを加圧状態下で含浸させた後、減圧の際に成形に付してもよい。これらの工程は、バッチ方式、連続方式の何れの方式で行ってもよい。
上記不活性ガスは、上記熱可塑性樹脂などの樹脂に対して不活性で且つ含浸可能なものであれば、特に限定されない。上記不活性ガスとしては、例えば、二酸化炭素、窒素ガス、空気等が挙げられる。これらのガスは混合して用いてもよい。これらのうち、樹脂発泡体の素材として用いる上記熱可塑性樹脂などの樹脂への含浸量が多く、含浸速度が大きい点より、二酸化炭素が好ましく挙げられる。
上記不活性ガスは、高発泡倍率の気泡構造を得る点、微細な気泡構造を得る点より、液体状態や超臨界状態であることが好ましく、特に超臨界状態であることが好ましい。特に、超臨界状態では、熱可塑性樹脂などの樹脂へのガスの溶解度が増大し、高濃度の混入が可能である。また、含浸後の急激な圧力降下時には、高濃度であるため、気泡核の発生が多くなり、その気泡核が成長してできる気泡の密度が気孔率が同じであっても大きくなるため、微細な気泡を得ることができる。なお、二酸化炭素の臨界温度は31℃、臨界圧力は7.4MPaである。
バッチ方式によれば、例えば、以下のようにして樹脂発泡体を得ることができる。まず、単軸押出機、二軸押出機等の押出機を使用して、樹脂組成物を押し出すことにより、未発泡成形物(シート状の未発泡成形物など)を形成する。あるいは、ローラ、カム、ニーダ、バンバリ型の羽根を設けた混練機を使用して、樹脂組成物を均一に混練しておき、これを熱板のプレス機を用いてプレス成形し、未発泡成形物(シート状の未発泡成形物など)を形成する。そして、得られた未発泡成形物を耐圧容器中に入れ、高圧の不活性ガスを導入し、該不活性ガスを未発泡成形物中に含浸させる。この場合、未発泡成形物の形状は特に限定されず、ロール状、板状等の何れであってもよい。また、高圧の不活性ガスの導入は連続的に行ってもよく不連続的に行ってもよい。十分に高圧の不活性ガスを含浸させた時点で圧力を解放し(通常、大気圧まで)、気泡核を発生させる。気泡核はそのまま室温で成長させてもよく、また、必要に応じて加熱することによって成長させてもよい。加熱の方法としては、ウォーターバス、オイルバス、熱ロール、熱風オーブン、遠赤外線、近赤外線、マイクロ波などの公知乃至慣用の方法が挙げられる。このようにして気泡を成長させた後、冷水などにより急激に冷却し、形状を固定化する。なお、加熱は減圧する工程の後に行ってもよいし、減圧とともに行ってよい。
また、連続方式によれば、例えば、以下のようにして樹脂発泡体を得ることができる。樹脂組成物を単軸押出機、二軸押出機等の押出機を使用して混練しながら高圧の不活性ガスを注入し、十分にガスを含浸させた後、押し出して圧力を解放し(通常、大気圧まで)、発泡と成形とを同時に行い、場合によっては加熱することにより気泡を成長させる。気泡を成長させた後、冷水などにより急激に冷却し、形状を固定化する。なお、加熱は減圧する工程の後に行ってもよいし、減圧とともに行ってよい。
上記ガス含浸工程における圧力は、特に限定されないが、6MPa以上(例えば6〜100MPa)が好ましく、より好ましくは8MPa以上(例えば8〜100MPa)である。上記圧力が6MPa以上であると、発泡時の気泡成長が著しく、気泡径が大きくなりすぎるという問題の発生を抑制して、微細な気泡構造が得やすくなり、良好な衝撃吸収性や防塵性を有する樹脂発泡体が得やすくなる。これは、圧力が小さいとガスの含浸量が高圧時に比べて相対的に少なく、気泡核形成速度が低下して形成される気泡核数が少なくなるため、1気泡あたりのガス量が逆に増えて気泡径が極端に大きくなるからである。また、圧力が小さいと、含浸圧力を少し変化させるだけで気泡径、気泡密度が大きく変わるため、気泡径及び気泡密度の制御が困難になりやすい。
ガス含浸工程における温度は、用いる不活性ガスや樹脂の種類等によって異なり、広い範囲で選択できるが、操作性等を考慮した場合、10〜350℃が好ましい。例えば、シート状などの未発泡成形物に不活性ガスを含浸させる場合の含浸温度は、10〜200℃が好ましく、より好ましくは40〜200℃である。また、溶融した樹脂組成物を押し出して発泡と成形とを同時に行う場合において、溶融した樹脂組成物に不活性ガスを含浸させる際の含浸温度は、60〜350℃が好ましい。なお、不活性ガスとして二酸化炭素を用いる場合には、超臨界状態を保持するため、含浸時の温度は、32℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましい。
上記減圧工程において、減圧速度は、特に限定されないが、均一な微細気泡を得るため、好ましくは5〜300MPa/秒である。また、前記加熱工程における加熱温度は、特に限定されないが、40〜250℃が好ましく、より好ましくは60〜250℃である。
樹脂発泡体の見掛け密度、平均セル径、気泡構造は、用いる不活性ガスや樹脂の種類、用いる添加剤などに応じて、例えば、ガス含浸工程における温度、圧力、時間などの操作条件、減圧工程における減圧速度、温度、圧力などの操作条件、減圧後の加熱温度などを適宜選択、設定することにより調整することができる。
また、樹脂発泡体の厚み、50%圧縮時の圧縮応力、30%圧縮時の圧縮応力も、用いる不活性ガスや樹脂の種類、用いる添加剤などに応じて、例えば、ガス含浸工程における温度、圧力、時間などの操作条件、減圧工程における減圧速度、温度、圧力などの操作条件、減圧後の加熱温度などを適宜選択、設定することにより調整することができる。
特に、本発明の樹脂発泡体は、上記樹脂組成物を発泡させてから、さらに、加温圧縮することにより得ることが好ましい。具体的には、本発明の樹脂発泡体は、上記樹脂組成物を発泡させて、樹脂発泡構造体を得てから、この樹脂発泡構造体を加温圧縮することにより得ることが好ましい。上記樹脂発泡構造体は、上記樹脂組成物を発泡させることにより得られる発泡体であり、加温圧縮される発泡体である。加温圧縮によれば、厚み、50%圧縮時の圧縮応力、及び、30%圧縮時の圧縮応力を、所望の範囲に容易に調整することができる。これは、加温圧縮により、気泡径及び全体の厚みを小さくできるためである。加温圧縮によれば、樹脂発泡体において、所望の厚みと所望の硬さを容易に調整することができる。
上記加温圧縮の際の温度は、特に限定されないが、50℃以上であることが好ましく、より好ましくは80℃以上であり、さらに好ましくは90℃以上であり、特に好ましくは100℃以上である。また、上記加温圧縮の際の温度は、140℃以下であること好ましく、より好ましくは130℃以下であり、さらに好ましくは120℃以下である。
上記加温圧縮の際の圧力は、特に限定されないが、5MPa以上であることが好ましく、より好ましくは10MPa以上であり、さらに好ましくは12MPa以上である。また、上記加温圧縮の際の圧力は、30MPa以下であることが好ましく、より好ましくは20MPaであり、さらに好ましくは18MPaである。
上記加温圧縮の時間は、特に限定されないが、5秒以上であることが好ましく、より好ましくは10秒以上であり、さらに好ましくは15秒以上である。また、上記加温圧縮の時間は、120秒以下であることが好ましく、より好ましくは90秒以下であり、さらに好ましくは60秒以下である。
特に、上記加温圧縮は、温度:100〜130℃、圧力:12〜18MPa、時間:15秒〜60秒の条件下で行われることが好ましい。
本発明の樹脂発泡体は、上記樹脂組成物を発泡させることにより得られ、気泡構造を有し、さらに、50%圧縮時の圧縮応力が所定の範囲内であり、見掛け密度が所定の範囲内であるので、厚みが小さくても、衝撃吸収性に優れる。また、良好な、柔軟性、シール性、防塵性、吸音性等を有する。そして、微小クリアランスに対する追従性に優れ、微小クリアランスに対する適用性に優れる。ゆえに、本発明の樹脂発泡体は、各種部材又は部品を、所定の部位に取り付ける(装着する)際に用いられる部材(例えば、防塵材、シール材、衝撃吸収材、防音材、緩衝材等、特に衝撃吸収材)として好適に用いられる。特に、本発明の樹脂発泡体は、電気又は電子機器において、電気又は電子機器を構成する部品や光学部材を所定の部位に取り付ける(装着する)際に用いられる部材(例えば、防塵材、シール材、衝撃吸収材、防音材、緩衝材等、特に衝撃吸収材)として好適に用いられる。
特に、本発明の樹脂発泡体は、樹脂発泡体を構成する樹脂として上記熱可塑性エラストマーを含み、発泡剤として二酸化炭素等の不活性ガスを用いて上記樹脂組成物を発泡させると、柔軟性に優れ、有害物質の発生や汚染物質の残存がなく、クリーンである。このため、電気又は電子機器の内部に用いる部材(例えば、防塵材、シール材、衝撃吸収材、防音材、緩衝材等、特に衝撃吸収材)として好適に用いられる。
[発泡部材]
本発明の発泡部材は、上記の特定の特性を有している本発明の樹脂発泡体から構成されている。本発明の発泡部材は、本発明の樹脂発泡体単独の形態であっても、その機能が有効に発揮された発泡部材とすることができるが、本発明の樹脂発泡体の片面または両面に他の層又は基材(特に、粘着層など)が設けられている形態の発泡部材であってもよい。また、本発明の発泡部材の形状は、特に限定されないが、シート状、テープ状であることが好ましい。また、必要に応じて、所望の形状に加工されていてもよい。
本発明の発泡部材は、本発明の樹脂発泡体の他に、さらに粘着層(粘着剤層)を有していてもよい。このような発泡部材は、被着体への固定や仮止めを効果的に行うことができる。例えば、本発明の樹脂発泡体の片面または両面に粘着層を有している形態の発泡部材とすると、光学部材等の部材又は部品を被着体へ固定ないし仮止めすることができるようになる。従って、このような点からは、本発明の発泡部材としては、発泡部材を構成する本発明の樹脂発泡体の少なくとも一方の面(片面または両面)に、粘着層を有していることが好ましい。
上記粘着層を構成する粘着剤としては、特に限定されないが、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤(天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤など)、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤などが挙げられる。また、粘着剤は、ホットメルト型粘着剤であってもよい。粘着剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。なお、粘着層を形成する組成物(粘着層の形成に用いられる組成物、粘着剤組成物)は、エマルジョン系、溶剤系、オリゴマー系、固系などのいずれの形態であってもよい。
上記粘着剤としては、被着体への汚染防止などの観点から、アクリル系粘着剤が好適である。つまり、上記粘着層は、アクリル系粘着剤層であることが好ましい。
上記粘着層は、公知乃至慣用の形成方法を利用して形成することができる。例えば、所定の部位又は面上に粘着剤組成物を塗布する方法(塗布方法)、剥離ライナーなどの剥離フィルム上に、粘着剤組成物を塗布して粘着層を形成した後、該粘着層を、所定の部位又は面上に転写する方法(転写方法)などが挙げられる。なお、上記粘着層の形成に際しては、公知乃至慣用の塗布方法(流延方法、ロールコーター方法、リバースコータ方法、ドクターブレード方法など)を適宜利用することができる。
上記粘着層の厚みは、特に限定されないが、2μm以上であることが好ましく、より好ましくは10μm以上である。また、上記粘着層の厚みは、100μm以下であることが好ましい。粘着層は、薄層であるほど、端部のゴミや埃の付着を防止する効果が高いため、厚みは小さい方が好ましい。なお、上記粘着層は、単層、積層体のいずれの形態を有していてもよい。
また、上記粘着層は、他の層(下層)を介して、樹脂発泡体上に形成されていてもよい。このような下層としては、例えば、基材層(特に、フィルム層)や、他の粘着層の他、中間層、下塗り層などが挙げられる。
さらにまた、本発明の発泡部材がシート状やテープ状である場合、上記粘着層が一方の面(片面)にのみ形成されている場合、他方の面には、他の層が形成されていてもよい。例えば、他の層として、他の種類の粘着層や、基材層などが形成されていてもよい。
本発明の発泡部材の形状や厚みなどは、特に限定されず、用途などに応じて適宜選択することができる。0.01mm〜0.30mmといった更なる微小なクリアランスに対する適用性の点からは、厚みとしては、0.01mm〜0.3mmが好ましく、より好ましくは0.05mm〜0.15mmである。
また、本発明の発泡部材は、用いられる装置に合わせた種々の形状に加工されてもよい。例えば、本発明の発泡部材を衝撃吸収材として用いる場合、このような衝撃吸収材は、用いられる装置に合わせた種々の形状に加工され、製品化されてもよい。
本発明の発泡部材は、上記の本発明の樹脂発泡体を有するので、厚みが小さくても、衝撃吸収性に優れる。また、良好な、柔軟性、シール性、防塵性、吸音性等を有する。そして、微小クリアランスに対する追従性に優れ、微小クリアランスに対する適用性に優れる。ゆえに、本発明の発泡部材は、各種部材又は部品を、所定の部位に取り付ける(装着する)際に用いられる部材(例えば、防塵材、シール材、衝撃吸収材、防音材、緩衝材等)として好適に用いられる。特に、本発明の発泡部材は、電気又は電子機器において、電気又は電子機器を構成する部品を所定の部位に取り付ける(装着する)際に用いられる部材(例えば、防塵材、シール材、衝撃吸収材、防音材、緩衝材等)として好適に用いられる。
本発明の発泡部材は、衝撃吸収材として好適に用いられる。つまり、本発明の発泡部材は、各種部材又は部品(例えば、光学部材など)を、所定の部位に取り付ける(装着する)際に用いられる衝撃吸収材として有用である。特に、本発明の発泡部材は、高密度化された部品間の微小なクリアランスを埋めることが可能であることから、小型の部材又は部品(例えば、小型の光学部材など)を、薄型化の製品に装着する際であっても好適に用いることができる。
本発明の発泡部材を利用して取付(装着)可能な光学部材としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ等の画像表示装置に装着される画像表示部材(特に、小型の画像表示部材)や、いわゆる「携帯電話」や「携帯情報端末」等の移動体通信の装置に装着されるカメラやレンズ(特に、小型のカメラやレンズ)などが挙げられる。
また、本発明の発泡部材は、トナーカートリッジからトナーが漏れることを防ぐ際の緩衝材としても用いることができる。
さらにまた、本発明の発泡部材は、エレクトロルミネッセンスディスプレイのエレクトロルミネッセンパネルの緩衝材としても用いることができる。
[発泡部材積層体]
本発明の発泡部材積層体は、上記の本発明の発泡部材、及び、キャリアテープにより少なくとも構成され、なおかつ、上記の本発明の発泡部材が、キャリアテープにより保持されている構成を有する。本発明の発泡部材積層体によれば、発泡部材の加工や運搬を容易に行うことができる。
上記キャリアテープは、特に限定されないが、少なくとも1つの粘着剤層を有し、発泡部材に対して、発泡部材の加工や搬送時には保持するのに十分な程度の粘着力(接着力)を発揮し、一方、発泡部材の剥離時には、表面を破壊することなく、容易に剥離できる程度の粘着力(接着力)を発揮できることが重要である。
上記キャリアテープは、粘着テープ又はシート(以下、単に、「粘着シート」と称する場合がある)が好ましい。上記粘着シートが有する粘着剤層を構成する粘着剤としては、特に限定されない。例えば、ゴム系粘着剤(天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤など)、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤などが挙げられる。なお、これらの粘着剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。中でも、上記粘着剤は、発泡部材に対する接着性と剥離性の両立が得やすい点より、アクリル系粘着剤が好ましい。つまり、上記キャリアテープは、アクリル系粘着シートであることが好ましい。
上記粘着シートは、基材の少なくとも一方の面に粘着剤層を有する構成の基材付き粘着シートでもよく、粘着剤層のみにより構成された基材レス粘着シートであってもよいが、発泡部材の加工や搬送のしやすさの点より、基材付き粘着シートであることが好ましい。
上記基材付き粘着シートにおける基材としては、特に限定されないが、例えば、プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材;紙などの紙系基材;布、不織布、ネットなどの繊維系基材;金属箔、金属板などの金属系基材;ゴムシートなどのゴム系基材;発泡シートなどの発泡体や、これらの積層体(特に、プラスチック系基材と他の基材との積層体や、プラスチックフィルム(又はシート)同士の積層体など)などが挙げられる。中でも、プラスチック系基材が好ましい。
キャリアテープとしての粘着シートにおける基材や粘着剤層の厚み等は特に限定されない。
[電気又は電子機器]
本発明の電気又は電子機器は、上記の本発明の発泡部材を少なくとも有する。つまり、本発明の電気又は電子機器は、上記の本発明の発泡部材が用いられた構成を有している。本発明の電気又は電子機器において、上記の本発明の発泡部材は、防塵材、シール材、衝撃吸収材、防音材、緩衝材等として用いられている。このような電気又は電子機器は、電気又は電子機器用の部材又は部品や光学部材が、上記の本発明の発泡部材を介して所定の部位に取り付けられた(装着された)構成を有している。具体的には、本発明の電気又は電子機器としては、光学部材又は部品としての液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ等の画像表示装置(特に、小型の画像表示部材が光学部材として装着されている画像表示装置)や、カメラやレンズ(特に、小型のカメラ又はレンズ)が、上記の本発明の発泡部材を介して装着された構成を有している電気又は電子機器(例えば、いわゆる「携帯電話」や「携帯情報端末」等の移動体通信の装置など)が挙げられる。このような電気又は電子機器は、従来より薄型化の製品であってもよく、その厚みや形状などは特に限定されない。
[衝撃吸収構造]
衝撃吸収構造(光学部材を所定の部位に取り付ける際の衝撃吸収構造)は、光学部材が、上記の本発明の発泡部材を介して取り付けられている構造を有している。衝撃吸収構造としては、光学部材を、所定の部位に取り付ける(装着する)際に、上記の本発明の発泡部材が用いられていれば、他の構造は特に限定されない。従って、光学部材や、該光学部材を取り付ける所定の部位などは特に限定されず、適宜選択することが可能であり、例えば、光学部材としては、上記のような光学部材が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。平均セル径、見掛け密度、50%圧縮時の圧縮応力、30%圧縮時の圧縮応力は、以下の方法により求めた。また、独立気泡率は、上記の方法により求めた。
(平均セル径)
デジタルマイクロスコープ(商品名「VHX−500」キーエンス株式会社製)により、発泡体気泡部の拡大画像を取り込み、画像解析ソフト(商品名「Win ROOF」三谷商事株式会社製)を用いて、画像解析することにより、平均セル径(μm)を求めた。なお、取り込んだ拡大画像の気泡数は100個程度である。
(見掛け密度)
たて100mm、よこ100mmの打抜き刃型にて樹脂発泡体を打抜き、シート状の試験片を得て、この試験片の寸法を測定する。また、測定端子の直径(φ)20mmである1/100ダイヤルゲージにて厚みを測定する。これらの値から試験片の体積を算出する。次に、試験片の重量を最小目盛り0.01g以上の上皿天秤にて測定する。これらの値より密度(g/cm3)を算出する。
(50%圧縮時の圧縮応力(50%の厚みまで圧縮したときの対反発荷重))
JIS K 6767に記載されている発泡体の発泡体の圧縮硬さ測定方法に準じて測定する。
具体的には、直径20mmの円形状に切り出したシート状の試験片を、圧縮速度2.54mm/minで、初期厚みに対して50%の厚みまで圧縮したときの応力(N)を単位面積当たりに換算して、50%圧縮時の圧縮応力(50%の厚みまで圧縮したときの対反発荷重)(N/cm2)とする。
(30%圧縮時の圧縮応力(30%の厚みまで圧縮したときの対反発荷重))
JIS K 6767に記載されている発泡体の圧縮硬さ測定方法に準じて測定する。
具体的には、直径20mmの円形状に切り出したシート状の試験片を、圧縮速度2.54mm/minで、初期厚みに対して70%の厚みまで圧縮したときの応力(N)を単位面積当たりに換算して、30%圧縮時の圧縮応力(70%の厚みまで圧縮したときの対反発荷重)(N/cm2)とする。
(実施例1)
ポリプロピレン[メルトフローレート(MFR)(230℃):0.35g/10min]:45重量部、ポリオレフィン系エラストマー[メルトフローレート(MFR):6g/10min、JIS A硬度:79°]:55重量部、水酸化マグネシウム:10重量部、カーボン(商品名「旭♯35」旭カーボン株式会社製):10重量部、ステアリン酸モノグリセリド:1重量部、及び脂肪酸アミド(ラウリン酸ビスアミド):2重量部を、日本製鋼所(JSW)社製の二軸混練機にて、200℃の温度で混練した後、ストランド状に押出し、水冷後ペレット状に成形した。このペレットを、日本製鋼所社製の単軸押出機に投入し、220℃の雰囲気下、13(注入後12)MPaの圧力で、二酸化炭素ガスを注入した。二酸化炭素ガスは、樹脂100重量部に対して6重量部の割合で注入した。二酸化炭素ガスを十分飽和させた後、発泡に適した温度まで冷却後、ダイから押出して、厚みが0.6mmのシート状の樹脂発泡構造体を得た。
この樹脂発泡構造体に対して、プレス機を用いて、120℃の温度条件下、15MPaの圧力で20秒間加圧することにより、加温圧縮を行った。そして、厚みが0.12mmのシート状の樹脂発泡体を得た。
(実施例2)
ポリプロピレン[メルトフローレート(MFR)(230℃):0.35g/10min]:45重量部、ポリオレフィン系エラストマー[メルトフローレート(MFR):6g/10min、JIS A硬度:79°]:55重量部、水酸化マグネシウム:120重量部、カーボン(商品名「旭♯35」旭カーボン株式会社製):10重量部、及びステアリン酸モノグリセリド:1重量部を、日本製鋼所(JSW)社製の二軸混練機にて、200℃の温度で混練した後、ストランド状に押出し、水冷後ペレット状に成形した。このペレットを、日本製鋼所社製の単軸押出機に投入し、220℃の雰囲気下、13(注入後12)MPaの圧力で、二酸化炭素ガスを注入した。二酸化炭素ガスは、樹脂100重量部に対して6重量部の割合で注入した。二酸化炭素ガスを十分飽和させた後、発泡に適した温度まで冷却後、ダイから押出して、厚みが0.8mmのシート状の樹脂発泡構造体を得た。
この樹脂発泡構造体に対して、プレス機を用いて、120℃の温度条件下、15MPaの圧力で20秒間加圧することにより、加温圧縮を行った。そして、厚みが0.12mmのシート状の樹脂発泡体を得た。
(比較例1)
厚みが0.12mm、平均セル径が60μm、見掛け密度が0.15g/cm3、30%圧縮時の圧縮応力が1N/cm2、50%圧縮時の圧縮応力が5N/cm2であるポリオレフィン系樹脂発泡体(ポリオレフィンを主成分とする発泡体)を用いた。
(比較例2)
厚みが0.12mm、平均セル径が45μm、見掛け密度が0.48g/cm3、30%圧縮時の圧縮応力が1N/cm2、50%圧縮時の圧縮応力が2N/cm2であるアクリル系樹脂発泡体(アクリル系樹脂を主成分とする発泡体)を用いた。
(評価)
樹脂発泡体について、下記の方法により、衝撃吸収性を評価した。
(衝撃吸収性の評価方法)
図1及び図2に示されている衝撃試験装置(振り子試験機)を用いて、支持板のみに鋼球を衝突させた時の衝撃力(F0)及び固定治具と支持板との間に樹脂発泡体(発泡材)を挿入した状態で支持板上に鋼球を衝突させた時の衝撃力(F1)を測定し、式(1)により衝撃吸収性を求めた。
衝撃吸収性(%)=(F0−F1)/F0×100
樹脂発泡体は、20mm角のものを用いた。また、衝撃試験装置には、直径19mm、重量0.27N(28g重)の鋼球が長さ350mmの指示棒により付属している。衝撃試験装置において、固定治具としてはアルミニウム板を使用した。
支持板としては、アクリル板(商品名「アクリライト」三菱レイヨン社製、厚さ:3mm)を使用した。
なお、衝撃力測定の際には、衝撃力測定に影響を及ぼさない範囲で、支持板への試験片の固定用に粘着剤を使用した。
衝撃力は、鋼球が付属している支持棒を40度の角度に振り上げて固定した後、固定を解除し、鋼球を支持板に衝突させて、このときの衝突した際の力を圧力センサーで感知し、MULTI−Purpose FTT Analyzer(株式会社小野測器社製)により求めた。
上記衝撃吸収性が40%未満であると、衝撃吸収材として適用した際に衝撃を吸収できず破損する可能性がある。
上記衝撃吸収装置の概略構成について、図1及び図2により説明する。図1及び図2に示すように、衝撃試験装置1(振り子試験機1)は、試験片2(衝撃吸収材2)を任意の保持力で保持する保持手段としての保持部材3と、試験片2に衝撃応力を負荷する衝撃負荷部材4と、衝撃負荷部材4による試験片2に対する衝撃力を検出する衝撃力検出手段としての圧力センサー5等により構成されている。また、試験片2を任意の保持力で保持する保持部材3は、固定治具11と、固定治具11に対向して試験片2を挟み込んで保持できるようスライド可能な押さえ治具12とで構成されている。さらに、押さえ治具12には押さえ圧力調整手段16が設けられている。さらに、保持部材3によって保持された試験片2に衝撃力を負荷する衝撃負荷部材4は、一端22が支柱20に対して回動可能に軸支され、他端側に衝撃子24を有する支持棒23(シャフト23)と、衝撃子24を所定角度に持ち上げて保持するアーム21とで構成されている。ここで衝撃子24として鋼球を使用しているので、アームの一端に電磁石25を設けることによって衝撃子24を一体に所定角度持ち上げることが可能となっている。さらにまた、衝撃負荷部材4による試験片2に作用する衝撃力を検出する圧力センサー5は、固定治具11の試験片が接する面の反対面側に設けられている。衝撃子24は、鋼球である。また、衝撃子24がアーム21により持ち上げられる角度(図1中の振り上げ角度a)は、40°(度)である。図2に示すように、試験片2(衝撃吸収材2)は、固定治具11と押さえ治具12間に樹脂性板材や金属製板材等の高弾性な板材で構成される支持板28を介して挟持される。なお、衝撃試験装置は、特開2006−47277号公報の実施例1と同様の装置である。
衝撃吸収材は、変形することで衝撃を吸収している。つまり、衝撃吸収材が衝撃を吸収するということは、衝撃吸収材が変形することで力を吸収することによる。衝撃吸収材が衝撃によって変形する際に、衝撃吸収材は変形する為に必要な力を衝撃から奪う。このことにより、衝撃吸収材は、他の材料への衝撃を減らすことができる。そのため、衝撃吸収材は、下記の(i)及び(ii)の特性を同時に満たすことが好ましい。
(i):低圧縮の段階から、圧縮にある程度の力を必要とすること
(ii):高圧縮状態において、応力が高くなり過ぎないこと(高圧縮状態において、硬くなりすぎないこと)
実施例1及び実施例2は、所定の衝撃に対し40%以上の力を発泡体の変形に使用しているので、衝撃吸収性が高く、衝撃吸収材料として好ましい。一方、比較例1及び比較例2は、所定の衝撃に対し35%の力を発泡体の変形に使用している。すなわち、比較例1及び比較例2は、衝撃に対して35%の力で変形してしまい、衝撃吸収できず、衝撃が伝わってしまう。ゆえに、比較例1及び比較例2は、衝撃吸収材として好ましくない。
図4は、実施例1の樹脂発泡体の断面を示す電子顕微鏡写真である。
図5は、実施例2の樹脂発泡体の断面を示す電子顕微鏡写真である。
図6は、比較例1の樹脂発泡体の断面を示す電子顕微鏡写真である。
図7は、比較例2の樹脂発泡体の断面を示す電子顕微鏡写真である。
図4〜7において、倍率は、いずれも、200倍である。
1 衝撃試験装置(振り子試験機)
2 試験片(衝撃吸収材)
3 保持部材
4 衝撃負荷部材
5 圧力センサー
11 固定治具
12 押さえ治具
16 圧力調整手段
20 支持柱
21 アーム
22 支持棒(シャフト)の一端
23 支持棒(シャフト)
24 衝撃子
25 電磁石
28 支持板
a 振り上げ角度

Claims (18)

  1. 樹脂を含む樹脂組成物を発泡させることにより得られる樹脂発泡体であり、厚みが0.01〜0.30mmであり、50%圧縮時の圧縮応力が6〜20N/cm2であり、見掛け密度が0.05〜0.45g/cm3であることを特徴とする樹脂発泡体。
  2. さらに、平均セル径が、20〜130μmである請求項1記載の樹脂発泡体。
  3. 前記樹脂が、ポリオレフィン系樹脂である請求項1又は2記載の樹脂発泡体。
  4. 前記樹脂組成物を、高圧の不活性ガスを含浸させた後、減圧する工程を経て発泡させている請求項1〜3の何れか1項に記載の樹脂発泡体。
  5. 前記樹脂組成物からなる未発泡成形物に、高圧の不活性ガスを含浸させた後、減圧する工程を経て発泡させている請求項4記載の樹脂発泡体。
  6. 溶融した前記樹脂組成物に、高圧の不活性ガスを含浸させた後、減圧する工程を経て発泡させている請求項4記載の樹脂発泡体。
  7. 減圧する工程の後、あるいは減圧とともに、加熱する請求項4〜6の何れか1項に記載の樹脂発泡体。
  8. 前記不活性ガスが、二酸化炭素である請求項4〜7の何れか1項に記載の樹脂発泡体。
  9. 前記不活性ガスが、超臨界状態である請求項4〜8の何れか1項に記載の樹脂発泡体。
  10. 前記樹脂組成物を発泡させてから、さらに、加温圧縮する請求項1〜9の何れか1項に記載の樹脂発泡体。
  11. 前記加温圧縮の際の温度が、50℃以上である請求項10記載の樹脂発泡体。
  12. 請求項1〜11の何れか1項に記載の樹脂発泡体から構成されることを特徴とする発泡部材。
  13. さらに、粘着剤層を有する請求項12記載の発泡部材。
  14. 前記粘着剤層が、アクリル系粘着剤層である請求項13記載の発泡部材。
  15. 衝撃吸収材として用いられる請求項10〜14の何れか1項に記載の発泡部材。
  16. 電気又は電子機器用として用いられる請求項10〜15の何れか1項に記載の発泡部材。
  17. 請求項10〜16の何れか1項に記載の発泡部材が、キャリアテープによって保持されていることを特徴とする発泡部材積層体。
  18. 請求項16記載の発泡部材を有することを特徴とする電気又は電子機器。
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