JP5833213B2 - 衝撃吸収材 - Google Patents

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Description

本発明は、優れた衝撃吸収性を示す衝撃吸収材に関する。
従来、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ等の画像表示装置に固定された画像表示部材や、いわゆる「携帯電話」や「携帯情報端末」等に固定されたカメラやレンズなどの光学部材を、所定の部位(固定部など)に固定する際に、発泡材が使用されている。このような発泡材としては、低発泡で且つ独立気泡構造を有する微細セルウレタン系発泡体や高発泡ウレタンを圧縮成形したものの他、独立気泡を有する発泡倍率30倍程度のポリエチレン系発泡体などが使用されていた。具体的には、例えば、密度0.3〜0.5g/cm3のポリウレタン系発泡体からなるガスケット(特許文献1参照)や、平均気泡径が1〜500μmの発泡構造体からなる電気・電子機器用シール材(特許文献2参照)などが使用されている。
また、従来、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ等の画像表示装置に装着された画像表示部材や、いわゆる「携帯電話」や「携帯情報端末」等に装着されたカメラやレンズなどの光学部材において、発泡材が使用される部分のクリアランス(clearance;すきま、間隔)は、十分に大きく、そのため、発泡材をあまり圧縮しなくても使用することが可能であった。従って、発泡材の持つ圧縮反発力について特に気にする必要がなかった。
しかしながら、近年、光学部材(画像表示装置、カメラ、レンズなど)が装着(セット)される製品が薄型化されていくにつれ、発泡材が使われる部分のクリアランスが減少していく傾向にある。また、最近になって、従来使用されていた発泡材がその反発力の大きさゆえに使用できない状況が発生しつつある。例えば、従来の発泡材を、このような薄型光学部材に使用した場合、少しの衝撃で光学部材が破損する場合があった。
また、クリアランス減少に伴い、該発泡部材の厚さを薄くする必要がある。しかしながら、発泡体の厚さを薄くすることで緩衝性が低下してしまうため、厚さが薄くても優れた衝撃吸収性を示す発泡材が求められている。
さらに、エレクトロルミネッセンス(EL)モジュールでは、液晶モジュールとは異なりパネル自体の薄型化に加え、バックライトユニットを有していないため、薄くて衝撃吸収性に優れた緩衝材が求められている。
例えば、上記ガスケット(すなわち、密度0.3〜0.5g/cm3のポリウレタン系発泡体からなるガスケット、特許文献1参照)では、発泡倍率を抑えることで液晶表示画面のガタツキを防止するとしているが、柔軟性や緩衝性が十分ではない。
また、上記電気・電子機器用シール材(すなわち、平均気泡径が1〜500μmの発泡構造体からなる電気・電子機器用シール材、特許文献2参照)では、発泡材としての圧縮反発力については言及されていないが、平均気泡径が大きいため薄層化するとピンホールが発生しガスケットとして機能しない。
さらに、優れた防塵性を有しているとともに、微小なクリアランスに対しても追従可能な優れた柔軟性を有している発泡防塵材について示されているが(特許文献3参照)、その厚さについては言及されていない。従来の発泡材では、厚さを薄くすると、十分満足のいく衝撃吸収性を得ることは困難であった。
特開2001−100216号公報 特開2002−309198号公報 特開2005−97566号公報
そのため、優れた衝撃吸収性を発揮できるとともに、厚さが薄くとも、微小なクリアランスに対して追従可能な優れた柔軟性を有している発泡材が求められている。
従って、本発明の目的は、厚さが薄くても、優れた柔軟性及び優れた衝撃吸収性を有し、微小なクリアランスに対しても追従可能な衝撃吸収材を提供することにある。
本発明者らは、上記の問題を解決するために鋭意検討した結果、平均セル径が10〜65μmであり、密度が0.01〜0.20g/cm3である発泡体により構成され、衝撃吸収性を特定の範囲内に制御すると、厚さが薄くても、優れた柔軟性及び優れた衝撃吸収性を発揮でき、さらには微小なクリアランスに対して良好に追従することが可能な衝撃吸収材を得ることできることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、平均セル径が10〜65μmであり、密度が0.01〜0.20g/cm3である発泡体により構成され、下記式(1)で定義される衝撃吸収性が40〜90%であり、厚さが0.10〜0.5mmであることを特徴とする衝撃吸収材を提供する。
衝撃吸収性(%)=(F0−F1)/F0×100 (1)
(式(1)において、F0は「支持板のみに衝撃子を衝突させた時の衝撃力」のことであり、F1は「支持板と衝撃吸収材とからなる構造体の支持板上に衝撃子を衝突させた時の衝撃力」のことである。)
さらに、本発明は、引張強度が、3.0〜11.0MPaである前記の衝撃吸収材を提供する。
さらに、本発明は、発泡体が、樹脂組成物に、高圧の不活性ガスを含浸させた後、減圧する工程を経て形成されている前記の衝撃吸収材を提供する。
さらに、本発明は、発泡体が、樹脂組成物からなる未発泡成形物に、高圧の不活性ガスを含浸させた後、減圧する工程を経て形成されている前記の衝撃吸収材を提供する。
さらに、本発明は、発泡体が、溶融している樹脂組成物に、不活性ガスを加圧下で含浸させた後、減圧とともに成形に付して形成されている前記の衝撃吸収材を提供する。
さらに、本発明は、減圧する工程の後、あるいは減圧とともに、加熱されている前記の衝撃吸収材を提供する。
さらに、本発明は、不活性ガスが、二酸化炭素である前記の衝撃吸収材を提供する。
さらに、本発明は、不活性ガスが、超臨界状態である前記の衝撃吸収材を提供する。
さらに、本発明は、発泡体の片面又は両面に、粘着層を有する前記の衝撃吸収材を提供する。
さらに、本発明は、粘着層の厚さが2〜100μmである前記の衝撃吸収材を提供する。
本発明の衝撃吸収材によれば、前記構成を有しているので、厚さが薄くても、優れた柔軟性及び優れた衝撃吸収性を有し、微小なクリアランスに対して追従することができる。
衝撃試験装置の概略構成図である。 衝撃試験装置の保持部材の概略構成を示す図である。 落球試験のモジュールの略構成図である。
本発明の衝撃吸収材は、厚さが0.1〜1.0mmであり、平均セル径が10〜65μmであり、密度が0.01〜0.20g/cm3である発泡体により構成され、下記式(1)で定義される衝撃吸収性が40〜90%である構成を有している。
衝撃吸収性(%)=(F0−F1)/F0×100 (1)
(式(1)において、F0は「支持板のみに衝撃子を衝突させた時の衝撃力」のことであり、F1は「支持板と衝撃吸収材とからなる構造体の支持板上に衝撃子を衝突させた時の衝撃力」のことである。)
[発泡体]
本発明の衝撃吸収材に含まれる発泡体は、厚さが0.1〜1.0mmであり、平均セル径が10〜65μmであり、密度が0.01〜0.20g/cm3である。通常、該発泡体は、樹脂組成物を発泡・成形することにより作製される。本発明の衝撃吸収材では、このような発泡体を含むことから、所望の衝撃吸収性を有する。
発泡体の厚さは、0.1〜1.0mmであり、好ましくは0.15〜0.5mmである。厚さが0.1mm未満であると防塵性が低下する場合があり、一方厚さが1.0mmを超えると、0.1mmの厚さまで圧縮したときの対反発荷重が高くなる場合や微小クリアランス(例えば0.10〜0.30mmのクリアランス)に対して追従できない場合がある。
発泡体の平均セル径は、10〜65μmである。発泡体の平均セル径の上限を65μm以下(好ましくは60μm以下、さらに好ましくは55μm以下)とすることにより、防塵性を高めることができるとともに、遮光性を良好とすることができる。一方、発泡体の平均セル径の下限を10μm以上(好ましくは15μm以上、さらに好ましくは20μm以上)とすることによりクッション性(衝撃吸収性)を良好とすることができる。
発泡体の密度は、0.01〜0.20g/cm3である。発泡体の密度の上限を0.20g/cm3以下(好ましくは0.15g/cm3以下、さらに好ましくは0.12g/cm3以下)とすることにより、柔軟性を高めることができる。一方、発泡体の密度の下限を0.01g/cm3以上(好ましくは0.02g/cm3以上)とすることにより、優れた防塵性を確保することができる。
このような発泡体としては、前記特性を有していれば、その組成や、気泡構造などは特に制限されないが、例えば、気泡構造としては、独立気泡構造、半連続半独立気泡構造(独立気泡構造と連続気泡構造とが混在している気泡構造であり、その割合は特に制限されない)が好ましく、特に、発泡体中に独立気泡構造部が80%以上(なかでも90%以上)となっている気泡構造が好適である。
発泡体は、厚さが薄く、微細セル構造を有し、柔軟性及び衝撃吸収性を兼ね備え、高発泡且つ軽量である。さらに、防塵性も優れている。さらにまた、微細なセル構造を有することから、形状加工性も兼ね備える。このため、衝撃吸収材を好適に構成することができる。
特に、発泡体は、厚さを0.10〜0.30mmとしても、優れた衝撃吸収性を有している。
発泡体は、上記特性を有することから、厚さが薄くても、微小なクリアランス(例えば0.10〜0.30mmのクリアランス)に対しても良好な追従性を発揮することができる。
また、発泡体は、厚さが0.1mmを超える場合、0.1mmの厚さまで圧縮したときの対反発荷重(0.1mm圧縮時反発応力)が、0.005〜0.100MPaであることが好ましく、より好ましくは0.008〜0.070MPaであり、さらにより好ましくは0.010〜0.0.040MPaである。衝撃吸収材に用いられた際に衝撃吸収材全体として好適な0.1mm圧縮時反発応力を得るため、及び、良好なクリアランス追従性、衝撃吸収性、防塵性を得るためである。
さらに、発泡体は、衝撃吸収材に用いられた際に衝撃吸収材全体として好適な引張強度を得る点、及び前記発泡体を組み付ける際、もしくは加工する際に前記発泡体の破壊を生じさせないなどの作業性の点から、引張強度が3.0〜11.0MPaであることが好ましく、より好ましくは3.5〜10.5MPaであり、さらにより好ましくは3.8〜10.0MPaである。
(樹脂組成物)
樹脂組成物は、発泡体を形成する組成物であり、発泡体(樹脂発泡体)の素材である熱可塑性ポリマーを少なくとも含んでいる。このような熱可塑性ポリマーとしては、熱可塑性を示すポリマーであって、高圧ガスを含浸可能なものであれば特に制限されない。このような熱可塑性ポリマーとして、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンとの共重合体、エチレン又はプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体、エチレンと他のエチレン性不飽和単量体(例えば、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ビニルアルコール等)との共重合体などのオレフィン系重合体;ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)などのスチレン系重合体;6−ナイロン、66−ナイロン、12−ナイロンなどのポリアミド;ポリアミドイミド;ポリウレタン;ポリイミド;ポリエーテルイミド;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリ塩化ビニル;ポリフッ化ビニル;アルケニル芳香族樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;ビスフェノールA系ポリカーボネートなどのポリカーボネート;ポリアセタール;ポリフェニレンスルフィドなどが挙げられる。
また、前記熱可塑性ポリマーには、常温ではゴムとしての性質を示し、高温では熱可塑性を示す熱可塑性エラストマーも含まれる。このような熱可塑性エラストマーとして、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブテン、ポリイソブチレン、塩素化ポリエチレンなどのオレフィン系エラストマー;スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン共重合体、それらの水素添加物ポリマーなどのスチレン系エラストマー;熱可塑性ポリエステル系エラストマー;熱可塑性ポリウレタン系エラストマー;熱可塑性アクリル系エラストマーなどが挙げられる。これらの熱可塑性エラストマーは、例えば、ガラス転移温度が室温以下(例えば20℃以下)であるため、衝撃吸収材に適用したときに、柔軟性及び形状追随性に著しく優れる。
熱可塑性ポリマーは単独で又は2種以上混合して使用できる。また、発泡体の素材(熱可塑性ポリマー)として、熱可塑性エラストマー、熱可塑性以外の熱可塑性ポリマー、熱可塑性エラストマーと熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性ポリマーとの混合物の何れを用いることもできる。
前記熱可塑性エラストマーと熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性ポリマーとの混合物として、例えば、エチレン−プロピレン共重合体等のオレフィン系エラストマーとポリプロピレン等のオレフィン系重合体との混合物などが挙げられる。熱可塑性エラストマーと熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性ポリマーとの混合物を用いる場合、その混合比率は、例えば、前者/後者=1/99〜99/1程度(好ましくは10/90〜90/10程度、さらに好ましくは20/80〜80/20程度)である。
樹脂組成物には、必要に応じて、添加剤が添加されていてもよい。添加剤の種類は特に限定されず、発泡成形に通常使用される各種添加剤を用いることができる。このような添加剤として、例えば、気泡核剤、結晶核剤、可塑剤、滑剤、着色剤(顔料、染料等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、充填剤、補強剤、難燃剤、帯電防止剤、界面活性剤、加硫剤、表面処理剤などが挙げられる。添加剤の添加量は、気泡の形成等を損なわない範囲で適宜選択でき、通常の熱可塑性エラストマー等の熱可塑性ポリマーを素材とする発泡体の発泡・成形に用いられる添加量を採用できる。なお、添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
前記滑剤は熱可塑性ポリマーの流動性を向上させるとともに、ポリマーの熱劣化を抑制する作用を有する。本発明において用いられる滑剤としては、熱可塑性ポリマーの流動性の向上に効果を示すものであれば特に制限されず、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックスなどの炭化水素系滑剤;ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などの脂肪酸系滑剤;ステアリン酸ブチル、ステアリン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、硬化ヒマシ油、ステアリン酸ステアリルなどのエステル系滑剤などが挙げられる。なお、このような滑剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
滑剤の添加量としては、例えば、熱可塑性ポリマー100重量部に対して、0.5〜10重量部(好ましくは0.8〜8重量部、より好ましくは1〜6重量部)である。添加量が10重量部を超えると、流動性が高くなりすぎて発泡倍率が低下するおそれがある。また、0.5重量部未満であると、流動性の向上が図れず、発泡時の延伸性が低下して発泡倍率が低下するおそれがある。
また前記収縮防止剤は、発泡体の気泡膜の表面に分子膜を形成して発泡剤ガスの透過を効果的に抑制する作用を有する。本発明において用いられる収縮防止剤としては、発泡剤ガスの透過を抑制する効果を示すものであれば特に限定されず、例えば、脂肪酸金属塩(例えば、ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などの脂肪酸のアルミニウム、カルシウム、マグネシウム、リチウム、バリウム、亜鉛、鉛の塩など);脂肪酸アミド[脂肪酸の炭素数12〜38程度(好ましくは12〜22程度)の脂肪酸アミド(モノアミド、ビスアミドのいずれであってもよいが、微細セル構造を得るためにはビスアミドが好適に用いられる。)、例えば、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ラウリン酸ビスアミドなど]等が挙げられる。なお、このような収縮防止剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
収縮防止剤の添加量としては、例えば、熱可塑性ポリマー100重量部に対して、0.5〜10重量部(好ましくは0.7〜8重量部、さらに好ましくは1〜6重量部)である。添加量が10重量部を超えると、セル成長過程においてガス効率を低下させてしまうため、セル径は小さいものが得られるものの未発泡部分も多くなり、発泡倍率が低下するおそれがある。また、0.5重量部未満であると、被膜の形成が十分ではなく、発泡時にガス抜けが発生して、収縮がおこり、発泡倍率が低下するおそれがある。
なお、添加剤としては、特に制限されないが、例えば前記滑剤と前記収縮防止剤を組み合わせて用いてもよい。例えば、ステアリン酸モノグリセリドなどの滑剤と、エルカ酸アミド、ラウリン酸ビスアミドなどの収縮防止剤を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物は、気泡核剤を含有することが好ましい。気泡核剤としては、例えば、タルク、シリカ、アルミナ、マイカ、チタニア、酸化亜鉛、ゼオライト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の酸化物、複合酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属水酸化物等が挙げられる。これらの気泡核剤を含有させることにより、セル径を容易に調整することができ、適度な柔軟性を有するとともに、衝撃吸収性に優れた発泡体を容易に得ることができる。なお、気泡核剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
気泡核剤の添加量としては、例えば、熱可塑性ポリマー100質量部に対して、0.5〜150質量部、好ましくは2〜140質量部、更に好ましくは3〜130質量部である。気泡核剤の使用量が少なすぎると、気泡核剤の効果が得られにくく、逆に多すぎると、発泡が阻害されやすい。
樹脂組成物は、公知・慣用の方法により得られる。例えば、樹脂組成物は、発泡体の原料となる樹脂に、必要に応じて添加剤を添加して、混錬することにより得られる。なお、混錬の際には、加熱されてもよい。
本発明の発泡体の形成に用いられる樹脂組成物の具体的態様の一例しては、例えば、前記熱可塑性エラストマーと熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性ポリマーとの混合物、気泡核剤、滑剤、収縮防止剤を少なくとも含み、前記熱可塑性エラストマーと熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性ポリマーとの混合物100重量部に対して、気泡核剤(特に金属酸化物)の含有量が0.5〜150重量部であり、滑剤(特にエステル系滑剤)の含有量が0.5〜10重量部であり、収縮防止剤(特に脂肪酸アミド)の含有量が0.5〜10重量部である樹脂組成物が挙げられる。
(発泡体の製造方法)
本発明の衝撃吸収材に含まれる発泡体において、発泡体を製造する方法としては、物理的方法、化学的方法等、発泡成形に通常用いられる方法が採用できる。一般的な物理的方法は、クロロフルオロカーボン類または炭化水素類などの低沸点液体(発泡剤)をポリマーに分散させ、次に加熱し発泡剤を揮発させることにより気泡を形成させるものである。また化学的方法は、ポリマーベースに添加された化合物(発泡剤)の熱分解により生じたガスによりセルを形成し、発泡体を得る方法である。最近の環境問題などに鑑みると、物理的手法が好ましい。
なお、このような発泡体の製造には、熱可塑性ポリマーや添加剤など樹脂組成物の構成成分を、バンバリーミキサーや加圧ニーダなどの混練り機で混練して樹脂組成物(混練組成物)を得たのち、カレンダ、押し出し機、コンベアベルトキャスティングなどにより連続的に混練しつつ、シーツ状、ロッド状に成型し、これを加熱して加硫、発泡させ、さらに必要によりこの加硫発泡体を所定形状に裁断加工する方法や、熱可塑性ポリマーや添加剤など樹脂組成物の構成成分を、ミキシングロールで混練し、この樹脂組成物(混練組成物)をバッチ式により、型で加硫、発泡ならびに成形する方法などを使用することができる。
特に本発明では、セル径が小さく且つセル密度の高い発泡体が得られることから、高圧の不活性ガスを発泡剤として用いる方法、例えば、樹脂組成物に、高圧の不活性ガスを含浸させた後、減圧する工程を経て、発泡体を形成する方法が好ましい。特に、発泡剤として二酸化炭素を用いると、不純物の少ないクリーンな発泡体を得ることができ、好ましい。前述のような物理的方法による発泡方法では、発泡剤として用いられる物質の可燃性や毒性、及びオゾン層破壊などの環境への影響が懸念される。また、化学的方法による発泡方法では、発泡ガスの残渣が発泡体中に残存するため、特に低汚染性の要求が高い電子機器用途においては、腐食性ガスやガス中の不純物による汚染が問題となる。なお、これらの物理的発泡方法及び化学的発泡方法では、いずれにおいても微細な気泡構造を形成することは難しく、特に300μm以下の微細気泡を形成することは極めて困難であるといわれている。
このように、本発明では、発泡体の製造方法としては、高圧の不活性ガスを発泡剤として用いる方法を利用した製造方法が好適であり、前述のように、樹脂組成物に、高圧の不活性ガスを含浸させた後、減圧する工程を経て、発泡体を形成する方法を好適に採用することができる。なお、不活性ガスを含浸させる際には、予め成形した未発泡成形物に不活性ガスを含浸させてもよく、また、溶融した樹脂組成物に不活性ガスを加圧状態下で含浸させてもよい。従って、具体的には、発泡体の製造方法としては、例えば、樹脂組成物に高圧の不活性ガスを含浸させた後、減圧する工程を経て形成される方法、樹脂組成物からなる未発泡成形物に高圧の不活性ガスを含浸させた後、減圧する工程を経て形成される方法、または溶融した樹脂組成物に不活性ガスを加圧状態下で含浸させた後、減圧とともに成形に付して形成される方法などが好適である。
樹脂組成物に、高圧の不活性ガスを含浸させることにより、発泡体を製造する方法としては、具体的には、樹脂組成物に、不活性ガスを高圧下で含浸させるガス含浸工程、該工程後に圧力を低下させて発泡させる減圧工程、及び必要に応じて加熱により気泡を成長させる加熱工程を経て形成する方法などが挙げられる。この場合、前述のように、予め樹脂組成物から成形した未発泡成形物を不活性ガスに含浸させてもよく、また、溶融した樹脂組成物に不活性ガスを加圧状態下で含浸させた後、減圧の際に成形に付してもよい。これらの工程は、バッチ方式、連続方式の何れの方式で行ってもよい。
不活性ガスとしては、上記熱可塑性ポリマーに対して不活性で且つ含浸可能なものであれば特に制限されず、例えば、二酸化炭素、窒素ガス、空気等が挙げられる。これらのガスは混合して用いてもよい。これらのうち、発泡体の素材として用いる熱可塑性ポリマーへの含浸量が多く、含浸速度の速い二酸化炭素が好適である。
不活性ガスは超臨界状態であるのが好ましい。超臨界状態では、熱可塑性ポリマーへのガスの溶解度が増大し、高濃度の混入が可能である。また、含浸後の急激な圧力降下時には、前記のように高濃度であるため、気泡核の発生が多くなり、その気泡核が成長してできる気泡の密度が気孔率が同じであっても大きくなるため、微細な気泡を得ることができる。なお、二酸化炭素の臨界温度は31℃、臨界圧力は7.4MPaである。
バッチ方式によれば、例えば以下のようにして発泡体を形成できる。すなわち、まず、単軸押出機、二軸押出機等の押出機を使用して、樹脂組成物を押し出すことにより、未発泡成形物(発泡体成形用樹脂シート等)を形成する。或いは、ローラ、カム、ニーダ、バンバリ型の羽根を設けた混練機を使用して、樹脂組成物を均一に混練しておき、これを熱板のプレス機を用いてプレス成形し、熱可塑性ポリマーを基材樹脂として含む未発泡成形物(発泡体成形用樹脂シート等)を形成する。そして、得られた未発泡成形物を耐圧容器中に入れ、高圧の不活性ガスを導入し、該不活性ガスを未発泡成形物中に含浸させる。この場合、未発泡成形物の形状は特に限定されず、ロール状、板状等の何れであってもよい。また、高圧の不活性ガスの導入は連続的に行ってもよく不連続的に行ってもよい。十分に高圧の不活性ガスを含浸させた時点で圧力を解放し(通常、大気圧まで)、基材樹脂中に気泡核を発生させる。気泡核はそのまま室温で成長させてもよく、また、必要に応じて加熱することによって成長させてもよい。加熱の方法としては、ウォーターバス、オイルバス、熱ロール、熱風オーブン、遠赤外線、近赤外線、マイクロ波などの公知乃至慣用の方法を採用できる。このようにして気泡を成長させた後、冷水などにより急激に冷却し、形状を固定化する。
一方、連続方式によれば、例えば以下のようにして発泡体を形成できる。すなわち、樹脂組成物を単軸押出機、二軸押出機等の押出機を使用して混練しながら高圧の不活性ガスを注入し、十分にガスを熱可塑性ポリマー中に含浸させた後、押し出して圧力を解放し(通常、大気圧まで)、発泡と成形とを同時に行い、場合によっては加熱することにより気泡を成長させる。気泡を成長させた後、冷水などにより急激に冷却し、形状を固定化する。
前記ガス含浸工程における圧力は、例えば6MPa以上(例えば6〜100MPa程度)、好ましくは8MPa以上(例えば8〜100MPa程度)である。圧力が6MPaより低い場合には、発泡時の気泡成長が著しく、気泡径が大きくなりすぎて、前記範囲の小さな平均セル径(平均気泡径)を得ることができず、防塵性が低下する。これは、圧力が低いとガスの含浸量が高圧時に比べて相対的に少なく、気泡核形成速度が低下して形成される気泡核数が少なくなるため、1気泡あたりのガス量が逆に増えて気泡径が極端に大きくなるからである。また、6MPaより低い圧力領域では、含浸圧力を少し変化させるだけで気泡径、気泡密度が大きく変わるため、気泡径及び気泡密度の制御が困難になりやすい。
ガス含浸工程における温度は、用いる不活性ガスや熱可塑性ポリマーの種類等によって異なり、広い範囲で選択できるが、操作性等を考慮した場合、例えば、10〜350℃程度である。例えば、シート状などの未発泡成形物に不活性ガスを含浸させる場合の含浸温度は、バッチ式では10〜200℃程度、好ましくは40〜200℃程度である。また、ガスを含浸させた溶融した樹脂組成物を押し出して発泡と成形とを同時に行う場合の含浸温度は、連続式では60〜350℃程度が一般的である。なお、不活性ガスとして二酸化炭素を用いる場合には、超臨界状態を保持するため、含浸時の温度は32℃以上、特に40℃以上であるのが好ましい。
前記減圧工程において、減圧速度は、特に限定されないが、均一な微細気泡を得るため、好ましくは5〜300MPa/秒程度である。また、前記加熱工程における加熱温度は、例えば、40〜250℃程度、好ましくは60〜250℃程度である。
平均セル径(平均気泡径)、及び密度は、用いる不活性ガス及び熱可塑性ポリマーや熱可塑性エラストマーの種類、用いる添加剤などに応じて、例えば、ガス含浸工程における温度、圧力、時間などの操作条件、減圧工程における減圧速度、温度、圧力などの操作条件、減圧後の加熱温度などを適宜選択、設定することにより調整することができる。
また、厚さ、0.1mmの厚さまで圧縮したときの対反発荷重、引張強度も、用いる不活性ガス及び熱可塑性ポリマーや熱可塑性エラストマーの種類、用いる添加剤などに応じて、例えば、ガス含浸工程における温度、圧力、時間などの操作条件、減圧工程における減圧速度、温度、圧力などの操作条件、減圧後の加熱温度などを適宜選択、設定することにより調整することができる。
厚さが0.1〜1.0mmであり、平均セル径が10〜65μmであり、密度が0.01〜0.20g/cm3である発泡体の形成に用いられる製造方法の具体的態様しては、例えば、バッチ方式によれば、未発泡成形物(発泡体成形用樹脂シート等)を形成し、得られた未発泡成形物を耐圧容器中に入れ、10〜200℃程度の温度で、6MPa以上の高圧の不活性ガスを導入し、該不活性ガスを未発泡成形物中に含浸させ、十分に高圧の不活性ガスを含浸させた時点で大気圧まで圧力を解放し、未発泡成形物中(基材樹脂中)に気泡核を発生させる態様が挙げられる。一方、連続方式によれば、樹脂組成物を単軸押出機、二軸押出機等の押出機を使用して混練しながら60〜350℃程度の温度で、6MPa以上高圧の不活性ガスを注入し、十分にガスを熱可塑性ポリマー中に含浸させた後、押し出して、大気圧まで圧力を解放し、発泡と成形とを同時に行い、気泡を成長させた後、冷水などにより急激に冷却し、形状を固定化する態様が挙げられる。
[衝撃吸収材]
本発明の衝撃吸収材は、前述のような特定の特性を有している発泡体から構成されている。衝撃吸収材は、発泡体単独の形態であっても、その機能が有効に発揮された衝撃吸収材とすることができるが、発泡体の片面または両面に他の層又は基材(特に、粘着層など)が設けられている形態の衝撃吸収材であってもよい。例えば、発泡体の片面または両面に粘着層を有している形態の衝撃吸収材とすると、光学部材等の部材又は部品を被着体へ固定ないし仮止めすることができるようになる。従って、本発明の衝撃吸収材としては、衝撃吸収材を構成する発泡体の少なくとも一方の面(片面または両面)に、粘着層を有していることが好ましい。
前記粘着層を形成する粘着剤としては、特に制限されず、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤(天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤など)、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤などの公知の粘着剤を適宜選択して用いることができる。また、粘着剤は、ホットメルト型粘着剤であってもよい。粘着剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。なお、粘着剤は、エマルジョン系粘着剤、溶剤系粘着剤、オリゴマー系粘着剤、固系粘着剤などのいずれの形態の粘着剤であってもよい。
粘着剤としては、被着体への汚染防止などの観点から、アクリル系粘着剤が好適である。
粘着層は、公知乃至慣用の形成方法を利用して形成することができ、例えば、所定の部位又は面上に粘着剤を塗布する方法(塗布方法)、剥離ライナーなどの剥離フィルム上に、粘着剤を塗布して粘着層を形成した後、該粘着層を、所定の部位又は面上に転写する方法(転写方法)などが挙げられる。なお、粘着層の形成に際しては、公知乃至慣用の塗布方法(流延方法、ロールコーター方法、リバースコータ方法、ドクターブレード方法など)を適宜利用することができる。
粘着層の厚さとしては、通常、2〜100μm(好ましくは10〜100μm)程度である。粘着層は、薄層であるほど、端部のゴミや埃の付着を防止する効果が高いため、厚さは薄い方が好ましい。なお、粘着層は、単層、積層体のいずれの形態を有していてもよい。
また、粘着層は、他の層(下層)を介して、発泡体上に形成されていてもよい。このような下層としては、例えば、基材層(特に、フィルム層)や、他の粘着層の他、中間層、下塗り層などが挙げられる。
さらにまた、粘着層が発泡体の一方の面(片面)にのみ形成されている場合、発泡体の他方の面には、他の層が形成されていてもよく、例えば、他の種類の粘着層や、基材層などが挙げられる。
本発明の衝撃吸収材は、下記式(1)で定義される衝撃吸収性が40〜90%(好ましくは45〜85%)である。
衝撃吸収性(%)=(F0−F1)/F0×100 (1)
(式(1)において、F0は「支持板のみに衝撃子を衝突させた時の衝撃力」のことであり、F1は「支持板と衝撃吸収材とからなる構造体の支持板上に衝撃子を衝突させた時の衝撃力」のことである。)
本発明の衝撃吸収材において、式(1)で定義される衝撃吸収性が40%未満であると衝撃吸収材として適用することが困難となり、一方、式(1)で定義される衝撃吸収性が90%を超えると、柔らかくなりすぎて強度が低下し、作業性や加工性が低下するおそれがある。
衝撃吸収性は、衝撃試験装置(振り子試験機)を用いて求められる。衝撃吸収装置の概略構成について、図1及び図2により説明する。図1及び図2に示すように、衝撃試験装置1(振り子試験機1)は、試験片2(衝撃吸収材2)を任意の保持力で保持する保持手段としての保持部材3と、試験片2に衝撃応力を負荷する衝撃負荷部材4と、衝撃負荷部材4による試験片2に対する衝撃力を検出する衝撃力検出手段としての圧力センサー5等により構成されている。また、試験片2を任意の保持力で保持する保持部材3は、固定治具11と、固定治具11に対向して試験片2を挟み込んで保持できるようスライド可能な押さえ治具12とで構成されている。さらに、押さえ治具12には押さえ圧力調整手段16が設けられている。さらに、保持部材3によって保持された試験片2に衝撃力を負荷する衝撃負荷部材4は、一端22が支柱20に対して回動可能に軸支され、他端側に衝撃子24を有する支持棒23(シャフト23)と、衝撃子24を所定角度に持ち上げて保持するアーム21とで構成されている。ここで衝撃子24として鋼球を使用しているので、アームの一端に電磁石25を設けることによって衝撃子24を一体に所定角度持ち上げることが可能となっている。さらにまた、衝撃負荷部材4による試験片2に作用する衝撃力を検出する圧力センサー5は、固定治具11の試験片が接する面の反対面側に設けられている。
なお、本発明では、衝撃子24は、鋼球である。また、衝撃子24がアーム21により持ち上げられる角度(図1中の振り上げ角度a)は、40°程度である。
図2に示すように、試験片2(衝撃吸収材2)は、固定治具11と押さえ治具12間に樹脂性板材や金属製板材等の高弾性な板材で構成される支持板28を介して挟持される。
衝撃吸収性は、上記の衝撃試験装置を使用して、固定治具11と支持板28とを密着固定させてから衝撃子24を支持板28に衝突させることにより測定される衝撃力F0、及び固定治具11と支持板28と間に試験片2を挿入し密着固定させてから衝撃子24を支持板28に衝突させることにより測定される衝撃力F1を求めてから、式(1)により算出される。
衝撃吸収性(%)=(F0−F1)/F0×100 (1)
なお、衝撃試験装置は、特開2006−47277号公報の実施例1と同様の装置である。
衝撃吸収性は、衝撃吸収材を構成する前記発泡体の厚さ、平均セル径、密度等を選択することにより、調整することができる。
また、本発明の衝撃吸収材は、偏光板、LCDパネル、両面粘着テープ、衝撃吸収材(発泡材)、両面粘着テープの順に積層され、上面を偏光板による面とした積層体をモジュールとして、該モジュールの上面側にアクリル板を位置させてから、150cmの高さから0.39Nの鋼球をアクリル板上に自由落下させることを、LCDパネルの破損が生じるまで繰り返し行い、LCDパネルにおいて最初に破損が生じた際の回数を計測することにより行う落球試験が80回以上である衝撃吸収特性を有することが好ましい。
このような衝撃吸収特性を有していると、特に衝撃吸収材をLCDパネル、有機ELパネル等に組み付けを行う際、もしくは加工を行う際に、厚さが薄くても破壊を生じることはない等の作業性に優れる。
落球試験は、下記モジュールの上面側にアクリル板を位置させたものに、0.39N(40g重)の鋼球からなる衝撃子を、高さ150cmから、自由落下させることを、モジュール中のLCDパネルにおいて割れや破損等が生じるまで繰り返し行い、LCDパネルにおいて最初に割れや破損等が生じた際の回数を計測することにより行う。なお、上限は200回とする。アクリル板は、例えば、厚さが1.0mmのものが使用される。また、アクリル板は、モジュールの上面に位置しており、モジュールに固定されていない。なお、落球試験の際、モジュールは、台座に固定される。
落球試験に用いるモジュールを、図3に示す。図3において、101は偏光板であり、102はLCDパネルであり、103は両面粘着テープ(本願において、「テープ」は「テープ又はシート」の略であり、テープ及びシートの両方の概念を含む)であり、104は衝撃吸収材(発泡材)であり、105は両面粘着テープである。該モジュールにおいて、偏光板101側の面が上面である。偏光板101としては、例えば、材質がトリアセチルセルロースであり、厚さが0.25mmである偏光板が挙げられる。LCDパネル102としては、例えば材質がガラスであり、総厚が0.5mmであるLCDパネルが挙げられる。なお、該モジュールにおいて、両面粘着テープ103及び両面粘着テープ105は、落球試験において衝撃吸収特性に影響を与えないものが選択されている。このように、該モジュールは、上面から下面に、偏光板101、LCDパネル102、両面粘着テープ103、衝撃吸収材104、両面粘着テープ105の順に積層されている構成を有する。
前記の落球試験による衝撃吸収特性は、衝撃吸収材を構成する前記発泡体の厚さ、平均セル径、密度等を選択することにより、調整することができる。
さらに、本発明の衝撃吸収材は、0.1mmの厚さまで圧縮したときの対反発荷重(0.1mm圧縮時反発応力)が、0.005〜0.100MPaであることが好ましい。0.1mmの厚さまで圧縮したときの対反発荷重の上限を0.100MPa以下(好ましくは0.070MPa以下、さらに好ましくは0.040MPa以下)とすることにより、狭いクリアランスにおいても、衝撃吸収材の反発による不具合の発生を防止することができる。一方、0.1mmの厚さまで圧縮したときの対反発荷重の下限を0.005MPa以上(好ましくは0.008MPa以上、さらに好ましくは0.010MPa以上)とすることにより、衝撃吸収性に加えて、優れた防塵性を確保することができる。
さらに、本発明の衝撃吸収材は、引張強度が3.0〜11.0MPaであることが好ましい。引張強度の上限を11.0MPa以下(好ましくは10.5MPa以下、さらに好ましくは10.0MPa以下)とすることにより、衝撃吸収材において柔軟性を損なうことなく衝撃吸収性を得ることがより容易になる。一方引張強度の下限を3.0MPa以上(好ましくは3.5MPa以上、さらに好ましくは3.8MPa以上)とすることにより、作業性を損なうことなく組み付けや加工をすることがより容易となる。
衝撃吸収材の0.1mmの厚さまで圧縮したときの対反発荷重や引張強度は、衝撃吸収材を構成する前記発泡体の厚さ、平均セル径、密度等を選択することにより、調整することができる。
本発明の衝撃吸収材の形状や厚さなどとしては、特に制限されず、用途などに応じて適宜選択することができるが、0.10〜0.20mmといった更なる微小なクリアランスに対しても追従可能な優れた柔軟性を得る観点からは、例えば、衝撃吸収材の厚さとしては、0.10〜0.5mm(好ましくは0.15〜0.3mm)程度の範囲から選択することが好ましい。
また、衝撃吸収材としては、通常、用いられる装置に合わせた種々の形状に加工されて、製品化される。
本発明の衝撃吸収材は、前述の発泡体により構成されているので、非常に微細なセル構造を有し、また、柔軟性が良好であり、且つ密度が低い。さらに、0.1mmの厚さまで圧縮した時の対反発荷重(0.1mm圧縮時反発応力)が低い。すなわち、セル径(気泡径)を小さく保持させたまま、微小なクリアランスに対応可能な優れた柔軟性を発現させており、そのため、本来必要な防塵性能や衝撃吸収能を保持したまま、更なる微小なクリアランスに対しても良好に追従することができる。しかも、高発泡であり、軽量である。さらにまた、微細なセル構造を有するので、形状加工性も兼ね備える。
また、発泡体が熱可塑性エラストマー等の熱可塑性ポリマーからなるため柔軟性に優れるとともに、発泡剤として二酸化炭素等の不活性ガスを用いるので、従来の物理発泡法及び化学発泡法と異なり、有害物質が発生したり汚染物質が残存することがなくクリーンである。そのため、特に電子機器等の内部に用いる衝撃吸収材としても好適に利用できる。
従って、本発明の衝撃吸収材は、各種部材又は部品(例えば、光学部材など)を、所定の部位に取り付ける(装着する)際に用いられる衝撃吸収材として有用である。特に、本発明の衝撃吸収材は、高密度化された部品間の微小なクリアランスを埋めることが可能であることから、小型の部材又は部品(例えば、小型の光学部材など)を、薄型化の製品に装着する際であっても好適に用いることができる。
本発明の衝撃吸収材を利用して取付(装着)可能な光学部材としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ等の画像表示装置に装着される画像表示部材(特に、小型の画像表示部材)や、いわゆる「携帯電話」や「携帯情報端末」等の移動体通信の装置に装着されるカメラやレンズ(特に、小型のカメラやレンズ)などが挙げられる。
また、本発明の衝撃吸収材は、トナーカートリッジからトナーが漏れることを防ぐ際の緩衝材としても用いることができる。
さらにまた、本発明の衝撃吸収材は、エレクトロルミネッセンスディスプレイのエレクトロルミネッセンパネルの緩衝材としても用いることができる。
[光学部材を有する構造体]
光学部材を有する構造体(光学部材が所定の部位に取り付けられている構造体)では、光学部材が、前記衝撃吸収材を介して所定の部位に取り付けられている(装着されている)。このような構造体としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ等の画像表示装置(特に、小型の画像表示部材が光学部材として装着されている画像表示装置)や、カメラやレンズ(特に、小型のカメラ又はレンズ)が光学部材として装着されている、いわゆる「携帯電話」や「携帯情報端末」等の移動体通信の装置などが挙げられる。前記構造体は、従来より薄型化の製品であってもよく、その厚さや形状などは特に制限されない。
[衝撃吸収構造]
衝撃吸収構造(光学部材を所定の部位に取り付ける際の衝撃吸収構造)は、光学部材が、前記衝撃吸収材を介して取り付けられている構造を有している。衝撃吸収構造としては、光学部材を、所定の部位に取り付ける(装着する)際に、前記衝撃吸収材が用いられていれば、他の構造は特に制限されない。従って、光学部材や、該光学部材を取り付ける所定の部位などは特に制限されず、適宜選択することが可能であり、例えば、光学部材としては、前述のような光学部材などが挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。なお、発泡体の平均セル径(平均気泡径)及び密度は、以下の方法により求めた。
(平均セル径)
デジタルマイクロスコープ(商品名「VHX−500」キーエンス株式会社製)により、発泡体気泡部の拡大画像を取り込み、画像解析ソフト(商品名「Win ROOF」三谷商事株式会社製)を用いて、画像解析することにより、平均セル径(μm)を求めた。なお、取り込んだ拡大画像の気泡数は100個程度である。
(密度)
100mm×100mmの打抜き刃型にて発泡体を打抜き、打抜いた試料の寸法を測定する。また、測定端子の直径(φ)20mmである1/100ダイヤルゲージにて厚さを測定する。これらの値から発泡体の体積を算出した。
次に、発泡体の重量を最小目盛り0.01g以上の上皿天秤にて測定する。これらの値より発泡体の密度(g/cm3)を算出した。
(実施例1)
ポリプロピレン[メルトフローレート(MFR)(230℃):0.35g/10min]:45重量部、ポリオレフィン系エラストマー[メルトフローレート(MFR):6g/10min、JIS A硬度:79°]:55重量部、水酸化マグネシウム:10重量部、カーボン(商品名「旭♯35」旭カーボン株式会社製):10重量部、ステアリン酸モノグリセリド:1重量部、及び脂肪酸アミド(ラウリン酸ビスアミド):2重量部を、日本製鋼所(JSW)社製の二軸混練機にて、200℃の温度で混練した後、ストランド状に押出し、水冷後ペレット状に成形した。このペレットを、日本製鋼所社製の単軸押出機に投入し、220℃の雰囲気下、13(注入後12)MPaの圧力で、二酸化炭素ガスを注入した。二酸化炭素ガスは、ポリマー100重量部に対して6重量部の割合で注入した。二酸化炭素ガスを十分飽和させた後、発泡に適した温度まで冷却後、ダイから押出して、発泡体を得た。この発泡体において、平均セル径は50μm、密度は0.05g/cm3であった。発泡体の厚さは、0.15mmに調整した。
(実施例2)
ポリプロピレン[メルトフローレート(MFR)(230℃):0.35g/10min]:45重量部、ポリオレフィン系エラストマー[メルトフローレート(MFR):6g/10min、JIS A硬度:79°]:55重量部、水酸化マグネシウム:120重量部、カーボン(商品名「旭♯35」旭カーボン株式会社製):10重量部、及びステアリン酸モノグリセリド:1重量部を、日本製鋼所(JSW)社製の二軸混練機にて、200℃の温度で混練した後、ストランド状に押出し、水冷後ペレット状に成形した。このペレットを、日本製鋼所社製の単軸押出機に投入し、220℃の雰囲気下、13(注入後12)MPaの圧力で、二酸化炭素ガスを注入した。二酸化炭素ガスは、ポリマー100重量部に対して6重量部の割合で注入した。二酸化炭素ガスを十分飽和させた後、発泡に適した温度まで冷却後、ダイから押出して、発泡体を得た。この発泡体において、平均セル径は60μm、密度は0.12g/cm3であった。発泡体の厚さは、0.15mmに調整した。
(実施例3)
ポリプロピレン[メルトフローレート(MFR)(230℃):0.35g/10min]:45重量部、ポリオレフィン系エラストマー[メルトフローレート(MFR):6g/10min、JIS A硬度:79°]:55重量部、水酸化マグネシウム:10重量部、カーボン(商品名「旭♯35」旭カーボン株式会社製):10重量部、ステアリン酸モノグリセリド:1重量部、及び脂肪酸アミド(ラウリン酸ビスアミド):2重量部を、日本製鋼所(JSW)社製の二軸混練機にて、200℃の温度で混練した後、ストランド状に押出し、水冷後ペレット状に成形した。このペレットを、日本製鋼所社製の単軸押出機に投入し、220℃の雰囲気下、13(注入後12)MPaの圧力で、二酸化炭素ガスを注入した。二酸化炭素ガスは、ポリマー100重量部に対して6重量部の割合で注入した。二酸化炭素ガスを十分飽和させた後、発泡に適した温度まで冷却後、ダイから押出して、発泡体を得た。この発泡体において、平均セル径は50μm、密度は0.05g/cm3であった。発泡体の厚さは、0.20mmに調整した。
(実施例4)
ポリプロピレン[メルトフローレート(MFR)(230℃):0.35g/10min]:45重量部、ポリオレフィン系エラストマー[メルトフローレート(MFR):6g/10min、JIS A硬度:79°]:55重量部、水酸化マグネシウム:10重量部、カーボン(商品名「旭♯35」旭カーボン株式会社製):120重量部、及びステアリン酸モノグリセリド:1重量部を、日本製鋼所(JSW)社製の二軸混練機にて、200℃の温度で混練した後、ストランド状に押出し、水冷後ペレット状に成形した。このペレットを、日本製鋼所社製の単軸押出機に投入し、220℃の雰囲気下、13(注入後12)MPaの圧力で、二酸化炭素ガスを注入した。二酸化炭素ガスは、ポリマー100重量部に対して6重量部の割合で注入した。二酸化炭素ガスを十分飽和させた後、発泡に適した温度まで冷却後、ダイから押出して、発泡体を得た。この発泡体において、平均セル径は60μm、密度は0.12g/cm3であった。発泡体の厚さは、0.20mmに調整した。
(実施例5)
ポリプロピレン[メルトフローレート(MFR)(230℃):0.35g/10min]:45重量部、ポリオレフィン系エラストマー[メルトフローレート(MFR):6g/10min、JIS A硬度:79°]:55重量部、水酸化マグネシウム:10重量部、カーボン(商品名「旭♯35」旭カーボン株式会社製):10重量部、ステアリン酸モノグリセリド:1重量部、及び脂肪酸アミド(ラウリン酸ビスアミド):2重量部を、日本製鋼所(JSW)社製の二軸混練機にて、200℃の温度で混練した後、ストランド状に押出し、水冷後ペレット状に成形した。このペレットを、日本製鋼所社製の単軸押出機に投入し、220℃の雰囲気下、13(注入後12)MPaの圧力で、二酸化炭素ガスを注入した。二酸化炭素ガスは、ポリマー100重量部に対して6重量部の割合で注入した。二酸化炭素ガスを十分飽和させた後、発泡に適した温度まで冷却後、ダイから押出して、発泡体を得た。この発泡体において、平均セル径は50μm、密度は0.05g/cm3であった。発泡体の厚さは、0.30mmに調整した。
(比較例1)
平均セル径が45μmであり、厚さが0.15mmであり、密度が0.95g/cm3である特性を有するポリウレタンを主成分とする発泡体を用いた。
(比較例2)
平均セル径が45μmであり、厚さが0.15mmであり、密度が0.90g/cm3である特性を有するポリウレタンを主成分とする発泡体を用いた。
(比較例3)
平均セル径が50μmであり、厚さが0.20mmであり、密度が0.80g/cm3である特性を有するポリウレタンを主成分とする発泡体を用いた。
(比較例4)
平均セル径が60μmであり、厚さが0.20mmであり、密度が0.40g/cm3である特性を有するポリプロピレンを主成分とする発泡体を用いた。
(比較例5)
平均セル径が50μmであり、厚さが0.20mmであり、密度が0.23g/cm3である特性を有するポリエチレンを主成分とする発泡体を用いた。
(評価)
実施例及び比較例について、衝撃吸収性、0.1mmの厚さまで圧縮した時の対反発荷重(0.1mm圧縮時反発応力)、引張強度について測定した。また、落球試験を行うことにより、衝撃吸収特性について評価した。これらの結果を表1に示した。
(衝撃吸収性)
図1及び図2に示されている衝撃試験装置(振り子試験機)を用いて、支持板のみに鋼球を衝突させた時の衝撃力(F0)及び固定治具と支持板との間に発泡体(発泡材)を挿入した状態で支持板上に鋼球を衝突させた時の衝撃力(F1)を測定し、式(1)により衝撃吸収性を求めた。
衝撃吸収性(%)=(F0−F1)/F0×100
発泡体は、20mm角のものを用いた。また、衝撃試験装置には、直径19mm、重量0.27N(28g重)の鋼球が長さ350mmの支持棒により付属している。衝撃試験装置において、固定治具としてはアルミニウム板を使用した。
支持板としては、アクリル板(商品名「アクリライト」三菱レイヨン社製、厚さ:3mm)を使用した。
なお、衝撃力測定の際には、衝撃力測定に影響を及ぼさない範囲で、支持板への試験片の固定用に粘着剤を使用した。
衝撃力は、鋼球が付属している支持棒を40度の角度に振り上げて固定した後、固定を解除し、鋼球を支持板に衝突させて、このときの衝突した際の力を圧力センサーで感知し、MULTI−Purpose FTT Analyzer(株式会社小野測器社製)により求めた。
(0.1mmの厚さまで圧縮した時の対反発荷重)
JIS K 6767に記載されている発泡体の圧縮硬さ測定方法に準じて測定した。具体的には、直径20mmの円形状に切り出した試験片を、圧縮速度2.54mm/minで0.1mmまで圧縮したときの応力(N)を単位面積(1m2)当たりに換算して、0.1mmの厚さまで圧縮した時の対反発荷重(0.1mm圧縮時反発応力)(Pa)とした。
(引張強度)
JIS K 6767の引張強度の項に基づいて、発泡体の引張強度(MPa)を測定した。
(落球試験)
モジュール(試験片)として、偏光板(材質:トリアセチルセルロース、厚さ:0.25mm)、LCDパネル(材質:ガラス、総厚:0.5mm)、両面粘着テープ(商品名「No.5603」日東電工社製)、発泡体、両面粘着テープ(商品名「No.5603」日東電工社製)の順に積層され、上面を偏光板による面とした積層体を用いた(図3参照)。このモジュールの上面側に、アクリル板(商品名「アクリライト」三菱レイヨン社製、厚さ:1mm)をセットした。なお、アクリル板は、固定せず、フリーの状態で使用した。また、台座として、大理石製の台座を使用し、該台座上にモジュールを固定した。
試験は、0.39N(40g重)の鋼球からなる衝撃子を、高さ150cmから、前記アクリル板を上面にセットしたモジュールに自由落下させることを、LCDパネルが割れるまで繰り返し行い、LCDパネルが割れるまでの回数を計測することにより行った。ただし、衝撃子のモジュールに対する自由落下の回数の上限は200回とした。
表1で、「>200」は、衝撃子のモジュールに対する自由落下を200回行っても、LCDパネルの割れや破損が生じなかったことを示す。
Figure 0005833213
表1より、実施例は、密度が小さく柔軟性を有しているため、優れた衝撃吸収性を示す。また、その効果は、落球試験によるLCDパネルの割れるまでの回数へも反映されている。このことは、比較例との比較から、パネル割れが抑制されていることからも明らかである。
1 衝撃試験装置(振り子試験機)
2 試験片(衝撃吸収材)
3 保持部材
4 衝撃負荷部材
5 圧力センサー
11 固定治具
12 押さえ治具
16 圧力調整手段
20 支持柱
21 アーム
22 支持棒(シャフト)の一端
23 支持棒(シャフト)
24 衝撃子
25 電磁石
28 支持板
a 振り上げ角度
101 偏光板
102 LCDパネル
103 両面粘着テープ
104 衝撃吸収材
105 両面粘着テープ

Claims (4)

  1. 平均セル径が10〜65μmであり、密度が0.01〜0.20g/cm3である発泡体により構成され、
    前記発泡体が、熱可塑性エラストマーと熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性ポリマーとの混合物と、滑剤及び/又は収縮防止剤とを含む樹脂組成物より形成され、
    熱可塑性エラストマーと熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性ポリマーとの混合物において、熱可塑性エラストマーと熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性ポリマーとの混合比率が1/99〜99/1であり、
    前記滑材の添加量が、熱可塑性エラストマーと熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性ポリマーとの混合物100重量部に対して、0.5〜10重量部であり、
    前記収縮防止剤の添加量が、熱可塑性エラストマーと熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性ポリマーとの混合物100重量部に対して、0.5〜10重量部であり、
    下記式(1)で定義される衝撃吸収性が、40〜90%であり、
    0.1mmの厚さまで圧縮したときの対反発荷重が、0.005〜0.100MPaであり、
    厚さが0.15〜0.5mmであることを特徴とする衝撃吸収材。
    衝撃吸収性(%)=(F0−F1)/F0×100 (1)
    (式(1)において、F0は「支持板のみに衝撃子を衝突させた時の衝撃力」のことであり、F1は「支持板と衝撃吸収材とからなる構造体の支持板上に衝撃子を衝突させた時の衝撃力」のことである。前記衝撃子は、0.27Nの剛球である。前記衝撃力は、下記の衝撃試験装置を用いて、前記剛球が付属している支持棒を40度の角度に振り上げて固定した後、固定を解除し、前記剛球を支持板に衝突させて、このときの衝突した際の力を測定することにより求める。)
    衝撃試験装置:支持板と、剛球が長さ350mmの支持棒により付属し、剛球を振り上げて、剛球を支持板に衝突できる構造とを有する衝撃試験装置
  2. 引張強度が、3.0〜11.0MPaである請求項1記載の衝撃吸収材。
  3. 前記発泡体の片面又は両面に、粘着層を有する請求項1または2に記載の衝撃吸収材。
  4. 前記粘着層の厚さが、2〜100μmである請求項3記載の衝撃吸収材。
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