JP2006112339A - ガスエンジンの点火装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ガス燃料供給通路に接続されるガス噴射装置からガス燃料を吸気通路中に噴射することにより形成された混合ガスを燃焼室に供給し、該燃焼室中央部位に設けられたメイン点火栓により該混合ガス中に火花放電して該混合ガスを着火燃焼せしめるように構成されたガスエンジンにおいて、前記燃焼室の外周部位の前記メイン点火栓による火炎伝播の遅れる位置に第2の点火栓(サブ点火栓)を設けるとともに、該第2の点火栓の点火時期を前記メイン点火栓の点火時期よりも遅らせるように前記2つの点火栓の点火タイミングを制御する点火装置コントローラを設ける。
【選択図】 図2
Description
10は前記シリンダヘッド9の燃焼室1中央部位に固定されて前記燃焼室1内中央部近傍の希薄混合ガスに点火するメイン点火栓であり、該メイン点火栓10により火花放電し、燃焼室1中央部近傍の希薄混合気に点火して着火火炎を生成する。
然るに特許文献1(特開2002−266739号公報)の技術にあっては、吸気側に設けた第2の点火栓により温度の低い吸気側から先に点火し、燃焼初期の燃焼を緩慢にしているが、第2の点火栓の反対側の温度が相対的に低下するため第2の点火栓の反対側の火炎伝播が遅れ、該燃焼室内でのノッキングをかえって発生しやすくする場合がある。
また、かかる技術にあっては、シリンダ中心に設けた第1の点火栓により追い点火しているため、燃焼室の中央部位からの点火時期が遅れ、等容度と燃焼効率の低下をまねく。
また副室式ガスエンジンにおいては、副室に設けられたメイン点火栓により副室内のガス燃料に点火して燃焼室内に噴出せしめられた着火火炎が燃焼室内を火炎伝播している過程で、前記メイン点火栓の点火時期から一定期間遅れて、燃焼室の外周部位の前記メイン点火栓による火炎伝播の遅れる位置に設けられた第2の点火栓(サブ点火栓)によって、燃焼室の外周部近傍の火炎伝播が遅れる位置の混合ガスに点火する。
これにより、火炎伝播が局所的に遅れることによるノッキングの発生を回避して、高い等容度と燃焼効率による燃料消費率の改善を実現できる。
これにより、ノッキングを回避しつつ高い等容度と燃焼効率による燃料消費率の改善を実現できる。
10はメイン点火栓、11はサブ点火栓(第2の点火栓)である。図2(B)に示すように、前記メイン点火栓10は前記シリンダヘッド9の燃焼室1中央部に固定されて前記燃焼室1内の中央部近傍の希薄混合ガスに点火する。前記サブ点火栓11は、図2(B)に示すように、前記シリンダヘッド9の燃焼室1における吸気弁3間の位置に固定されて
吸気弁3間の位置近傍の希薄混合ガスに点火する。また、図2(B)において、3Aは排気弁である。
17は前記メイン点火栓10の点火時期を制御するメイン点火装置、18は前記サブ点火栓11の点火時期を制御するサブ点火装置で、これらメイン点火装置17及びサブ点火装置18は公知の点火回路である。
前記メイン点火装置17とサブ点火装置18とは、後述する点火装置コントローラ12により、サブ点火栓11の点火時期をメイン点火栓10の点火時期から一定期間遅れるように設定するようになっている。
5は吸気通路、3は該吸気通路5を開閉する吸気弁、7は燃料ガス供給管、4は前記燃料ガス供給管7からの燃料ガスを空気と混合して希薄混合気を生成するガス混合装置、8は前記燃料ガス供給管7の通路面積を調整する(燃料ガス量を調整する)ガス量調整弁である。
14は前記エンジン100におけるノッキングを検知するノッキングセンサで、該エンジン100の筒内圧力を検出してノッキングの強度を検知するように構成するのが好適である。
12は後述する制御操作を行う点火装置コントローラである。前記エンジン回転数検出器15からのエンジン回転数の検出値、前記負荷検出器16からのエンジン負荷の検出値、前記クランク角センサ13からのクランク角の検出値、前記ガス量調整弁8からの燃料ガス流量の検出値、及び前記ノッキングセンサ14からのノッキングの検出値は前記点火装置コントローラ12に入力され、該点火装置コントローラ12はこれらの検出値に基づき後述するような制御操作を行って、その結果を前記メイン点火装置17及びサブ点火装置18に出力するようになっている。
そして、シリンダヘッド9の燃焼室中央部位に固定されたメイン点火栓10により燃焼室中央部近傍の希薄混合気中に火花放電し、該部の希薄混合気に点火して着火火炎を生成する。この着火火炎が燃焼室1内を火炎伝播している過程で、シリンダヘッド9の燃焼室外周部吸気弁3間位置に固定されたサブ点火栓11により、前記メイン点火栓10の点火時期から一定期間遅れて、前記メイン点火栓10による火炎伝播が遅れる燃焼室1の外周部吸気弁3間近傍の混合ガスに点火する。
かかる第1実施例においては、前記メイン点火栓10による燃焼室1中央部近傍の点火と、該メイン点火栓10による点火時期より一定期間遅れたサブ点火栓11による燃焼室1の外周部吸気弁間近傍の点火の、一定時間差をおいた2段階点火によって、燃焼室1中央部を中心として全域均等に広がる火炎伝播燃焼を行うことが可能となる。
前記点火装置コントローラ12においては、前記エンジン回転数検出器15からのエンジン回転数の検出値、前記負荷検出器16からのエンジン負荷の検出値、前記吸気温度センサ19からの吸気温度の検出値、前記クランク角センサ13からのクランク角の検出値、前記ガス量調整弁8からの燃料ガス流量の検出値、及び前記ノッキングセンサ14からのノッキングの検出値に基づき次のような制御動作を行う。
先ず、該点火装置コントローラ12においては、サブ点火栓11の点火時期をメイン点火栓10の点火時期より一定期間遅れるように設定するとともに、該メイン点火栓10の点火時期及びサブ点火栓11の点火時期をエンジン負荷の低下またはエンジン回転数の増加または吸気温度の低下に従い進角するように設定されている。
次に前記ノッキングセンサ14からのノッキングの検出値に基づきノッキングの強度を算出し、(ステップ(2))、また前記ガス量調整弁8からの燃料ガス流量の検出値及びエンジン回転数の検出値とエンジン負荷の検出値とに基づき燃料消費率を算出する(ステップ(3))。
そして、前記ノッキングの強度検出値と予め設定された許容ノッキング強度とを比較するとともに、燃料消費率の算出値と予め設定された最小燃料消費率とを比較し(ステップ(4))、
前記ノッキング強度検出値が許容ノッキング強度内で、かつ燃料消費率の算出値が最小燃料消費率になるようなメイン点火栓10の点火時期を算出して、前記メイン点火装置17に入力しメイン点火栓10の点火時期を前記算出点火時期に設定する(ステップ(5))。
次に前記ノッキングセンサ14からのノッキングの検出値に基づきノッキングの強度を算出し、(ステップ(7))、また前記ガス量調整弁8からの燃料ガス流量の検出値及びエンジン回転数の検出値とエンジン負荷の検出値とに基づき燃料消費率を算出する(ステップ(8))。
そして、前記ノッキングの強度検出値と予め設定された許容ノッキング強度とを比較するとともに、燃料消費率の算出値と予め設定された最小燃料消費率とを比較し(ステップ(9))、
前記ノッキング強度検出値が許容ノッキング強度内で、かつ燃料消費率の算出値が最小燃料消費率になるようなサブ点火栓11の点火時期を算出して、前記サブ点火装置18に入力しサブ点火栓11の点火時期を前記算出点火時期に設定する(ステップ(10))。
このように構成すれば、エンジン運転条件や環境状態の変化に応じて、サブ点火栓11の点火時期を、ノッキングを回避しかつ燃料消費率が最小になるよう設定できる。
このように構成すれば、エンジン運転条件や環境状態の変化に応じて、メイン点火栓10の点火時期及びサブ点火栓11の点火時期を、ノッキングを回避しかつ燃料消費率が最小になるよう設定できる。
図6において、22はシリンダヘッドに設けられた副室、24は副室口金、25は該副室22と前記燃焼室1とを連通する副室噴口であり、この実施例においては、前記メイン点火栓10を該副室22に臨んで設け、前記サブ点火栓11を前記第1実施例と同様に、燃焼室1の外周部吸気弁間に設けている。23は前記副室22への燃料ガスの供給を制御する副室弁である。
かかる第2実施例においては、前記第1実施例と同様に、前記メイン点火装置17とサブ点火装置18とは、前記点火装置コントローラ12により、サブ点火栓11の点火時期をメイン点火栓10の点火時期から一定期間遅れるように設定されている。
この着火火炎によって燃焼室1内を火炎伝播している過程で、該燃焼室1の外周部吸気弁間に設けられたサブ点火栓11から前記メイン点火栓10の点火時期から一定期間遅れて、前記火炎伝播が遅れる燃焼室1の吸気弁間近傍の混合ガスに点火する。
その他の構成、及び作用効果は、図1ないし図5の示される第1実施例と同様であり、これらと同様な部材あるいは要素は同一の符号で示す。
2 ピストン
3 吸気弁
4 ガス混合装置
5 吸気通路
7 燃料ガス供給管
8 ガス量調整弁
9 シリンダヘッド
10 メイン点火栓
11 サブ点火栓(第2の点火栓)
12 点火装置コントローラ
13 クランク角センサ
14 ノッキングセンサ
15 エンジン回転数検出器
16 負荷検出器
17 メイン点火装置
18 サブ点火装置
19 吸気温度センサ
22 副室
25 副室噴口
100 エンジン
Claims (6)
- ガス燃料供給通路に接続されるガス噴射装置からガス燃料を吸気通路中に噴射することにより形成された混合ガスを燃焼室に供給し、該燃焼室中央部位に設けられたメイン点火栓により該混合ガス中に火花放電して該混合ガスを着火燃焼せしめるように構成されたガスエンジンにおいて、前記燃焼室の外周部位の前記メイン点火栓による火炎伝播の遅れる位置に第2の点火栓(サブ点火栓)を設けるとともに、該第2の点火栓の点火時期を前記メイン点火栓の点火時期よりも遅らせるように前記2つの点火栓の点火タイミングを制御する点火装置コントローラを設けたことを特徴とするガスエンジンの点火装置。
- シリンダヘッドに設けられた副室内にガス燃料供給通路からガス燃料を導入し、該副室に臨んで設けられたメイン点火栓により該ガス燃料中に火花放電して該ガス燃料を着火燃焼せしめこの着火火炎を燃焼室内に噴出せしめて該燃焼室内の希薄混合ガスを燃焼せしめるように構成された副室式ガスエンジンにおいて、前記燃焼室の外周部位の前記メイン点火栓による火炎伝播の遅れる位置に第2の点火栓(サブ点火栓)を設けるとともに、該第2の点火栓の点火時期を前記メイン点火栓の点火時期よりも遅らせるように前記2つの点火栓の点火タイミングを制御する点火装置コントローラを設けたことを特徴とするガスエンジンの点火装置。
- 前記ガスエンジンにおけるノッキングの強度を検出するノッキングセンサを設け、前記点火装置コントローラは、前記ノッキングセンサからのノッキング強度検出値が予め設定された許容ノッキング強度を超えたとき前記メイン点火栓の点火時期及び第2の点火栓の点火時期を、該ノッキング強度検出時における点火時期よりも遅くして前記ガスエンジンを運転せしめるように構成されてなることを特徴とする請求項1または2のいずれかの項に記載のガスエンジンの点火装置。
- 前記点火装置コントローラは、前記メイン点火栓の点火時期及び前記第2の点火栓の点火時期と前記ノッキングセンサからのノッキング強度検出値とを比較し、該ノッキング強度検出値が前記許容ノッキング強度以下になってノッキング強度に裕度(余裕の度合い)を生じたとき前記メイン点火栓の点火時期及び前記第2の点火栓の点火時期を前記許容ノッキング強度の範囲内で燃料消費率が最小になる点火時期まで進角せしめるように構成されてなることを特徴とする請求項4記載のガスエンジンの点火装置。
- 前記ガスエンジンの回転数(エンジン回転数)を検出するエンジン回転数検出器、前記ガスエンジンの負荷(エンジン負荷)を検出する負荷検出器等のエンジン運転状態検出手段もしくは、前記ガスエンジンの吸気温度を検出する温度センサ等の環境状態検出手段を設け、前記点火装置コントローラは、前記ノッキングセンサからのノッキング強度検出値が前記許容ノッキング強度以下になってノッキング強度に裕度(余裕の度合い)を生じたとき、前記第2の点火栓の点火時期を前記許容ノッキング強度の範囲内で燃料消費率が最小になる点火時期まで進角せしめる第2の点火栓での点火時期調整操作を、前記エンジン運転状態検出手段からのエンジン運転状態検出値の変化もしくは前記環境状態検出手段からのエンジン周囲環境の変化に従い繰り返すように構成されてなることを特徴とする請求項4記載のガスエンジンの点火装置。
- 前記ガスエンジンの回転数(エンジン回転数)を検出するエンジン回転数検出器、前記ガスエンジンの負荷(エンジン負荷)を検出する負荷検出器等のエンジン運転状態検出手段もしくは、前記ガスエンジンの吸気温度を検出する温度センサ等の環境状態検出手段を設け、前記点火装置コントローラは、前記ノッキングセンサからのノッキング強度検出値が前記許容ノッキング強度以下になってノッキング強度に裕度(余裕の度合い)を生じたとき、前記第2の点火栓の点火時期を前記許容ノッキング強度の範囲内で燃料消費率が最小になる点火時期まで進角せしめる第2の点火栓での点火時期調整操作と、前記メイン点火栓の点火時期を前記許容ノッキング強度の範囲内で燃料消費率が最小になる点火時期まで進角せしめるメイン点火栓点火時期調整操作とを組み合わせた操作を、前記エンジン運転状態検出手段からのエンジン運転状態検出値の変化もしくは前記環境状態検出手段からのエンジン周囲環境の変化に従い繰り返すように構成されてなることを特徴とする請求項4記載のガスエンジンの点火装置。
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