JP2005171975A - ガスエンジンにおける燃焼制御方法及び燃焼制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 主燃料ガス通路を通して供給される主燃料ガスと空気とを混合し、この混合ガスからなる給気を給気通路を通してエンジンの主燃焼室に導入するとともに、副室内に生成された着火火炎を前記主燃焼室内に噴出して前記主燃料ガスを着火燃焼するように構成されたガスエンジンにおいて、前記副室内に前記主燃料ガスよりも発熱量の大きい補助燃料ガスを連続的に供給して前記着火火炎を生成せしめることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
かかるガスエンジンのうち、燃料の発熱量(カロリー)が低く、かつ該発熱量の変動があるガスを主燃料ガスとするエンジンにおいては、かかる低発熱量の主燃料ガスを起動時から高負荷運転時の全運転域において安定的に着火燃焼させるとともに、失火、消炎、ノッキング等の異常燃焼を回避した安定運転をすることが要求される。
かかる技術においては、着火性が良好でないメタンを主成分とする主燃料ガスを用い、副室を備えたトーチ点火式希薄燃焼ガスエンジンにおいて、該エンジンの起動時に、副室に接続される補助燃料ガス通路から、プロパン、ブタン等の着火性の良好な補助燃料ガスを前記副室に供給して、該副室において該補助燃料ガスによる着火火炎を生成し、該着火火炎を主燃焼室内に噴出せしめて、着火性が良好でないメタンを主成分とする主燃料ガスを、特に着火条件の悪い起動時においても良好な着火性能を保持するように構成されている。
しかるに、主燃料ガスとして消化ガス、廃棄物ガス等のように低発熱量のガスを用いる場合や該主燃料ガスの燃料性状が時間によって変化する場合には、前記各々の燃料によって副室内における燃焼状態が変化して、安定したトーチ着火火炎が得られず、このため主燃焼室内における燃焼状態が不安定になり易い。
しかしながら、前記主燃料ガスとして消化ガス、廃棄物ガス等のように低発熱量のガスを用いる場合や、該主燃料ガスの燃料性状が時間によって変化する場合には、前記特許文献1のように、起動時に高発熱量のガスを副室内に供給するのみでは、エンジンの全運転域で安定的な着火燃焼は得られ難い。
一方、前記主燃料ガスの発熱量が大きくなった場合には、該発熱量の増大に追従して前記補助燃料ガスの供給量を減少しあるいはこれの供給圧力を低下せしめることにより、前記補助燃料ガスのガス供給量を必要最小限に抑えることができる。
かかる発明において好ましくは、前記筒内圧力の検出値に基づき筒内最高圧力を検出するとともに、失火の有無、消炎の有無、及びノッキングの有無を検知し、前記筒内最高圧力の低下、または失火の発生、または消炎の発生のいずれかを検知したときは前記補助燃料ガスの供給量を増加し、前記筒内最高圧力の過昇、またはノッキングの発生のいずれかを検知したときは前記補助燃料ガスの供給量を減少する。
これにより、主燃料ガスの発熱量が小さくあるいは該主燃料ガスの組成変化等によりこれの発熱量が変動しても、これらに影響されることなく、安定的な着火燃焼を実現することができる。
一方、前記主燃料ガスの発熱量が大きくなった場合には、該発熱量の増大に追従して前記補助燃料ガスの供給量を減少しあるいはこれの供給圧力を低下せしめることにより、前記補助燃料ガスのガス供給量を必要最小限に抑えることができる。
2はガス分析装置で、前記主燃料ガス管20を流れる主燃料ガスを抽出してガス分析を行い該主燃料ガスの発熱量を検出するもので、熱量計、比重計等が用いられる。
3はコントローラで、前記流量計6からの補助燃料ガスの流量計測値、ガス圧力センサ7からの補助燃料ガスのガス圧力検出値、及び前記ガス分析装置2からの主燃料ガスの発熱量検出値は該コントローラ3に入力され、該コントローラ3はこれらの検出値に基づき、後述するような制御操作を行う。
主燃料ガス管20から供給される消化ガス、廃棄物ガス等の低発熱量の主燃料ガスは、前記主燃料ガス供給制御弁1から前記給気ポート104内を流れる空気中に噴射され、該空気と混合して希薄混合比の混合ガスからなる給気となって、給気弁105の開弁とともに前記主燃焼室103内に供給される。
一方、前記主燃料ガスよりも発熱量の大きい補助燃料ガスは、補助燃料ガス管21を通り、補助燃料ガス供給制御弁4において流量を調整された後、逆止弁5を通り、副室108内に供給される。該副室108内においては、圧縮行程中に主燃焼室103から連絡孔108aを通って流入したガス及び前記補助燃料ガス管21中に、前記パイロット燃料噴射弁109によりパイロット液体燃料が噴射されてトーチ着火火炎が生成される。そして、このトーチ着火火炎が前記連絡孔108aを通して前記主燃焼室103内の希薄混合ガス中に噴出せしめられて、該希薄混合ガスが燃焼せしめられる。
然るにかかる実施例によれば、低発熱量の主燃料ガスよりも発熱量の大きい高発熱量の補助燃料ガスを、起動時から負荷運転までの全運転域において、補助燃料ガス管21を通して副室108内に連続的に供給し、パイロット燃料噴射弁109によって該補助燃料ガスに着火せしめるように構成したので、主燃料ガスに低発熱量のガスを用いる場合でも、起動時を含む全運転域において、副室108内に高発熱量の補助燃料ガスを常時供給して該補助燃料ガスを安定着火せしめて強い着火火炎を生成して主燃焼室103内の主燃料ガスを着火燃焼せしめることができる。これにより、全運転域において安定的な着火燃焼を実現できる。
一方、前記コントローラ3には、前記流量計6からの補助燃料ガスの流量計測値、及び前記ガス圧力センサ7からの補助燃料ガスのガス圧力検出値が入力されている。そして、該コントローラ3はこれらの検出値に基づき、次のような制御操作を行う。
前記主燃料ガスの発熱量と補助燃料ガスの供給量との関係は、図3に示されるように、該主燃料ガスの発熱量が大きくなるに従い補助燃料ガスの供給量を減少し該主燃料ガスの発熱量が小さくなるに従い補助燃料ガスの供給量を増加するように設定されている。
また、前記主燃料ガスの発熱量と補助燃料ガスの供給圧力との関係は、図4に示されるように、該主燃料ガスの発熱量が大きくなるに従い該補助燃料ガスの供給圧力が低下し該主燃料ガスの発熱量が小さくなるに従い補助燃料ガスの供給圧力が上昇するように設定されている。
また、前記コントローラ3においては、前記ガス分析装置2にて検出された主燃料ガスの発熱量に対応する補助燃料ガス圧力(補助燃料ガス流量)のガス圧力目標値を図4の設定線図から求め、前記ガス圧力センサ7からの補助燃料ガス圧力検出値が前記目標値になるように前記補助燃料ガス供給制御弁4の開度を調整する。これにより、前記副室108への補助燃料ガス圧力は前記ガス圧力目標値に制御される。
一方、前記主燃料ガスの発熱量が大きくなった場合には、該発熱量の増大に追従して前記補助燃料ガスの供給量を減少しあるいはこれの供給圧力を低下せしめることにより、前記補助燃料ガスのガス供給量を必要最小限に抑えることが可能となる。
該燃焼診断装置11においては、前記筒内圧力の検出値に基づき筒内最高圧力Pmaxを検出するとともに、失火の有無、消炎の有無、及びノッキングの有無等の燃焼状態を診断する。そして、該燃焼診断装置11における前記筒最高圧力Pmaxの検出値、失火の有無、消炎の有無、及びノッキングの有無等の燃焼状態の診断結果は、前記コントローラ3に入力される。
また、該コントローラ3においては、図7に示されるように、前記燃焼診断装置11から失火発生の診断結果が入力されたとき、あるいは消炎発生の診断結果が入力されたときは、前記補助燃料ガス制御弁4の開度を大きくし、補助燃料ガスの供給量を増加せしめて着火燃焼性を上昇せしめる。
さらに、該コントローラ3においては、図8に示されるように、前記燃焼診断装置11からノッキング発生の診断結果が入力されたときは、前記補助燃料ガス制御弁4の開度を小さくし、補助燃料ガスの供給量を減少せしめて着火燃焼性を抑制する。
また、前記筒内最高圧力Pmaxの過昇、ノッキングの発生等の過大な筒内圧力となる過剰燃焼が検知されたときは、前記コントローラ3により、前記補助燃料ガスの供給量を減少せしめるように補助燃料ガス供給弁4の開度を制御操作するので、筒内最高圧力Pmaxの過昇、ノッキングの発生等の過剰燃焼発生時には即座に補助燃料ガスの供給量を減少することにより、燃焼状態をかかる過剰燃焼から回復することができる。
2 ガス分析装置
3 コントローラ
4 補助燃料ガス供給制御弁
6 流量計
7 ガス圧力センサ
10 筒内圧力検出器
11 燃焼診断装置
20 主燃料ガス管
21 補助燃料ガス管
100 エンジン(ガスエンジン)
103 主燃焼室、
104 給気ポート
105 給気弁
108 副室
109 パイロット燃料噴射弁
Claims (10)
- 主燃料ガス通路を通して供給される主燃料ガスと空気とを混合し、この混合ガスからなる給気を給気通路を通してエンジンの主燃焼室に導入するとともに、副室内に生成された着火火炎を前記主燃焼室内に噴出して前記主燃料ガスを着火燃焼するように構成されたガスエンジンにおける燃焼制御方法において、前記副室内に前記主燃料ガスよりも発熱量の大きい補助燃料ガスを連続的に供給して前記着火火炎を生成せしめることを特徴とするガスエンジンにおける燃焼制御方法。
- 主燃料ガス通路を通して供給される主燃料ガスと空気とを混合し、この混合ガスからなる給気を給気通路を通してエンジンの主燃焼室に導入するとともに、副室内に生成された着火火炎を前記主燃焼室内に噴出して前記主燃料ガスを着火燃焼するように構成されたガスエンジンにおける燃焼制御方法において、前記主燃料ガスのガス分析を行ってこれの発熱量を求め、前記主燃料ガスよりも発熱量の大きい補助燃料ガスを、該補助燃料ガスの供給量を前記主燃料ガスの発熱量が大きくなるに従い減少し該主燃料ガスの発熱量が小さくなるに従い増加して前記副室内に供給し、前記着火火炎を生成せしめることを特徴とするガスエンジンにおける燃焼制御方法。
- 主燃料ガス通路を通して供給される主燃料ガスと空気とを混合し、この混合ガスからなる給気を給気通路を通してエンジンの主燃焼室に導入するとともに、副室内に生成された着火火炎を前記主燃焼室内に噴出して前記主燃料ガスを着火燃焼するように構成されたガスエンジンにおける燃焼制御方法において、前記主燃料ガスのガス分析を行ってこれの発熱量を求め、前記主燃料ガスよりも発熱量の大きい補助燃料ガスを、該補助燃料ガスの供給圧力を前記主燃料ガスの発熱量が大きくなるに従い低下させ該主燃料ガスの発熱量が小さくなるに従い上昇させて前記副室内に供給し、前記着火火炎を生成せしめることを特徴とするガスエンジンにおける燃焼制御方法。
- 前記補助燃料ガスを前記副室内に連続的に供給することを特徴とする請求項2または3のいずれかの項に記載のガスエンジンにおける燃焼制御方法。
- 主燃料ガス通路を通して供給される主燃料ガスと空気とを混合し、この混合ガスからなる給気を給気通路を通してエンジンの主燃焼室に導入するとともに、副室内に生成された着火火炎を前記主燃焼室内に噴出して前記主燃料ガスを着火燃焼するように構成されたガスエンジンにおける燃焼制御方法において、前記副室内に前記主燃料ガスよりも発熱量の大きい補助燃料ガスを供給するとともに、前記エンジンの筒内圧力を検出して該筒内圧力の検出値に基づき燃焼異常の有無を判断し、該燃焼異常の判断結果に従い前記補助燃料ガスの供給量を調整することを特徴とするガスエンジンにおける燃焼制御方法。
- 前記筒内圧力の検出値に基づき筒内最高圧力を検出するとともに、失火の有無、消炎の有無、及びノッキングの有無を検知し、前記筒内最高圧力の低下、または失火の発生、または消炎の発生のいずれかを検知したときは前記補助燃料ガスの供給量を増加し、前記筒内最高圧力の過昇、またはノッキングの発生のいずれかを検知したときは前記補助燃料ガスの供給量を減少することを特徴とする請求項5記載のガスエンジンにおける燃焼制御方法。
- 主燃料ガス通路を通して供給される主燃料ガスと空気とを混合し、この混合ガスからなる給気を給気通路を通してエンジンの主燃焼室に導入するとともに、副室内に生成された着火火炎を前記主燃焼室内に噴出して前記主燃料ガスを着火燃焼するように構成されたガスエンジンにおいて、前記副室に接続されて該副室内に前記主燃料ガスよりも発熱量の大きい補助燃料ガスを供給する補助燃料ガス通路と、該補助燃料ガス通路を開閉する補助燃料ガス供給弁と、前記副室内に前記補助燃料ガスを連続的に供給するように前記補助燃料ガス供給弁を開閉制御するコントローラとを備えたことを特徴とするガスエンジンの燃焼制御装置。
- 主燃料ガス通路を通して供給される主燃料ガスと空気とを混合し、この混合ガスからなる給気を給気通路を通してエンジンの主燃焼室に導入するとともに、副室内に生成された着火火炎を前記主燃焼室内に噴出して前記主燃料ガスを着火燃焼するように構成されたガスエンジンにおいて、前記副室に接続されて該副室内に前記主燃料ガスよりも発熱量の大きい補助燃料ガスを供給する補助燃料ガス通路と、該補助燃料ガス通路の通路面積を調整する補助燃料ガス供給弁と、前記主燃料ガスのガス分析を行い該主燃料ガスの発熱量を検出するガス分析装置と、該ガス分析装置から入力される主燃料ガスの発熱量に基づき前記補助燃料ガスの供給量を算出し、該主燃料ガスの発熱量が大きくなるに従い補助燃料ガスの供給量を減少し該主燃料ガスの発熱量が小さくなるに従い補助燃料ガスの供給量を増加するように前記補助燃料ガス供給弁を制御操作するコントローラとを備えたことを特徴とするガスエンジンの燃焼制御装置。
- 主燃料ガス通路を通して供給される主燃料ガスと空気とを混合し、この混合ガスからなる給気を給気通路を通してエンジンの主燃焼室に導入するとともに、副室内に生成された着火火炎を前記主燃焼室内に噴出して前記主燃料ガスを着火燃焼するように構成されたガスエンジンにおいて、前記副室に接続されて該副室内に前記主燃料ガスよりも発熱量の大きい補助燃料ガスを供給する補助燃料ガス通路と、該補助燃料ガス通路の通路面積を調整する補助燃料ガス供給弁と、前記主燃料ガスのガス分析を行い該主燃料ガスの発熱量を検出するガス分析装置と、該ガス分析装置から入力される主燃料ガスの発熱量に基づき前記補助燃料ガスの供給圧力を算出し、該主燃料ガスの発熱量が大きくなるに従い該補助燃料ガスの供給圧力が低下し該主燃料ガスの発熱量が小さくなるに従い補助燃料ガスの供給圧力が上昇するように前記補助燃料ガス供給弁を制御操作するコントローラとを備えたことを特徴とするガスエンジンの燃焼制御装置。
- 主燃料ガス通路を通して供給される主燃料ガスと空気とを混合し、この混合ガスからなる給気を給気通路を通してエンジンの主燃焼室に導入するとともに、副室内に生成された着火火炎を前記主燃焼室内に噴出して前記主燃料ガスを着火燃焼するように構成されたガスエンジンにおいて、前記副室に接続されて該副室内に前記主燃料ガスよりも発熱量の大きい補助燃料ガスを供給する補助燃料ガス通路と、該補助燃料ガス通路の通路面積を調整する補助燃料ガス供給弁と、前記エンジンの筒内圧力を検出する筒内圧力検出器と、該筒内圧力の検出値に基づき筒内最高圧力を検出するとともに、失火の有無、消炎の有無、及びノッキングの有無等の燃焼状態を診断する燃焼診断装置と、該燃焼診断装置から入力される燃焼状態診断結果に基づき前記補助燃料ガスの供給量を算出し、前記燃焼状態診断結果において前記筒内最高圧力の低下、または失火の発生、または消炎の発生のいずれかが検知されたときは前記補助燃料ガスの供給量を増加し、前記筒内最高圧力の過昇、またはノッキングの発生のいずれかが検知されたときは前記補助燃料ガスの供給量を減少するように前記補助燃料ガス供給弁を制御操作するコントローラとを備えたことを特徴とするガスエンジンの燃焼制御装置。
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