JP2006111502A - 水素製造システム - Google Patents
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Abstract
【課題】高効率で水素を製造することができ、また改質触媒の劣化によるシステムの耐久性の低下も少ない水素製造システムを提供する。
【解決手段】水蒸気改質型改質器を具備する水素製造システムであって、硫黄分が0.5質量ppm以下、リード蒸気圧が70kPa以下、初留点が25℃以上45℃以下、50容量%留出温度が65℃以上95℃以下、90容量%留出温度が100℃以上150℃以下および芳香族分が10容量%以下である炭化水素油を、周期律表第VIII族元素を活性金属として含む改質触媒の存在下、反応温度400〜1000℃、水と炭化水素油の混合比率(S/C)が1〜5モル/モルの条件下で反応させることにより水素を主成分とする生成物を得ることを特徴とする水素製造システム。
【選択図】図1
【解決手段】水蒸気改質型改質器を具備する水素製造システムであって、硫黄分が0.5質量ppm以下、リード蒸気圧が70kPa以下、初留点が25℃以上45℃以下、50容量%留出温度が65℃以上95℃以下、90容量%留出温度が100℃以上150℃以下および芳香族分が10容量%以下である炭化水素油を、周期律表第VIII族元素を活性金属として含む改質触媒の存在下、反応温度400〜1000℃、水と炭化水素油の混合比率(S/C)が1〜5モル/モルの条件下で反応させることにより水素を主成分とする生成物を得ることを特徴とする水素製造システム。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池システムに係る水素製造システムに関する。
近年、将来の地球環境に対する危機感の高まりから、地球にやさしいエネルギー供給システムの開発が求められ、エネルギー効率が高いこと及び排出ガスがクリーンである点から、燃料電池、水素エンジン等の水素を燃料とするシステムが脚光を浴びている。なかでも、燃料電池への水素の供給方法としては、圧縮あるいは液化といった形で直接水素を供給する方法の他、メタノール等の含酸素燃料、及びナフサ等の炭化水素系燃料の改質による供給方法が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。このうち、直接水素を供給する方法は、そのまま燃料として利用できる利点はあるが、常温で気体のため貯蔵性および車両等に用いた場合の搭載性に問題がある。また、メタノールはシステム内での改質による水素の製造が比較的容易であるが、重量当たりのエネルギー効率が低く、有毒かつ腐食性を持つために、取り扱い性、貯蔵性にも難点がある。一方、ナフサ等の炭化水素系燃料の改質による水素の製造は、既存の燃料供給インフラが使用できること、トータルでのエネルギー効率が高いこと等により注目を集めている。こうした炭化水素燃料は水素発生のために改質工程が必要であるが、改質システムの耐久性に問題があり、高い水素発生効率が得られない場合があった。
池松正樹,「エンジンテクノロジー」,山海堂社,2001年1月,第3巻,第1号,p.35
池松正樹,「エンジンテクノロジー」,山海堂社,2001年1月,第3巻,第1号,p.35
本発明は、このような状況に鑑み、改質システムの耐久性に優れた水素製造システムを提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意研究した結果、特定性状を有する炭化水素油を特定改質条件下に改質処理することにより前記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、水蒸気改質型改質器を具備する水素製造システムであって、硫黄分が0.5質量ppm以下、リード蒸気圧が70kPa以下、初留点が25℃以上45℃以下、50容量%留出温度が65℃以上95℃以下、90容量%留出温度が100℃以上150℃以下および芳香族分が10容量%以下である炭化水素油を、周期律表第VIII族元素を活性金属として含む改質触媒の存在下、反応温度400〜1000℃、水と炭化水素油の混合比率(S/C)が1〜5モル/モルの条件下で反応させることにより水素を主成分とする生成物を得ることを特徴とする水素製造システムに関する。
また、本発明は、炭化水素油のリード蒸気圧が67kPa以下、初留点が30℃以上40℃以下、50容量%留出温度が70℃以上90℃以下、90容量%留出温度が110℃以上140℃以下、芳香族分が8容量%以下、オレフィン分が5容量%以下であることを特徴とする前記記載の水素製造システムに関する。
また、本発明は、炭化水素油の90容量%留出温度が120℃以上135℃以下、芳香族分が5容量%以下、オレフィン分が2容量%以下であることを特徴とする前記記載の水素製造システムに関する。
以下、本発明について詳述する。
本発明の水素製造システムに用いられる炭化水素油(以下、本発明の炭化水素油という。)の硫黄含有量は脱硫率、脱硫触媒の耐久性、改質触媒の耐久性、改質反応性の低下、二酸化炭素発生量当りの水素発生量の観点から0.5質量ppm以下であることが必要であり、0.3質量ppm以下が好ましく、0.2質量ppm以下がより好ましい。
ここで、硫黄含有量とは、ASTM D4045−96「Standard Test Method for Sulfur in Petroleum Products by Hydrogenolysis and Rateometric Colorimetry」により測定される値である。
本発明の水素製造システムに用いられる炭化水素油(以下、本発明の炭化水素油という。)の硫黄含有量は脱硫率、脱硫触媒の耐久性、改質触媒の耐久性、改質反応性の低下、二酸化炭素発生量当りの水素発生量の観点から0.5質量ppm以下であることが必要であり、0.3質量ppm以下が好ましく、0.2質量ppm以下がより好ましい。
ここで、硫黄含有量とは、ASTM D4045−96「Standard Test Method for Sulfur in Petroleum Products by Hydrogenolysis and Rateometric Colorimetry」により測定される値である。
本発明の炭化水素油の37.8℃におけるリード蒸気圧(RVP)は、70kPa以下であることが必要であり、67kPa以下が好ましい。RVPが70kPaより高いと、燃料をポンプで送る際、一部が気化することにより正常に送れなくなり、システムが不安定になる可能性がある。
ここで、37.8℃におけるリード蒸気圧(RVP)とは、JIS K 2258「原油及び燃料油蒸気圧試験方法(リード法)」により測定される蒸気圧を意味する。
ここで、37.8℃におけるリード蒸気圧(RVP)とは、JIS K 2258「原油及び燃料油蒸気圧試験方法(リード法)」により測定される蒸気圧を意味する。
本発明の炭化水素油の初留点(IBP)の下限は25℃以上であることが必要であり、30℃以上が好ましい。一方、上限は45℃以下であることが必要であり、40℃以下が好ましい。IBPが25℃より低いと引火性、蒸発ガス(THC)の増加、取り扱い性の観点から好ましくなく、45℃を超えると水素製造システムの始動時間悪化の理由で好ましくない。
本発明の炭化水素油の50容量%留出温度(T50)の下限は、65℃以上であることが必要であり、70℃以上が好ましい。一方、上限は95℃以下であることが必要であり、90℃以下が好ましい。T50が65℃より低いと重量あたりの水素発生量、二酸化炭素発生量あたりの水素発生量が減少するため好ましくなく、95℃を超えると水素製造システムの始動時間悪化の理由で好ましくない。
本発明の炭化水素油の90容量%留出温度(T90)の下限は、100℃以上であることが必要であり、110℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましい。一方、上限は150℃以下であることが必要であり、140℃以下が好ましく、135℃以下がより好ましい。T90が100℃より低いと重量あたりの水素発生量、二酸化炭素発生量あたりの水素発生量が減少するため好ましくなく、150℃を超えると排出ガス中のTHCが増加するため好ましくない。
また、本発明の炭化水素油のIBP、T50、T90以外の蒸留性状は特に制限はないが、10容量%留出温度(T10)は40℃以上65℃以下であることが好ましい。引火性が高くなり、蒸発ガス(THC)が発生しやすくなるため、45℃以上がより好ましい。一方、水素製造システムの始動時間悪化の理由から60℃以下がより好ましい。
終点(EP)は140℃以上180℃以下が好ましい。重量あたりの水素発生量、二酸化炭素発生量あたりの水素発生量が減少するため、145℃以上がより好ましく、150℃以上がさらに好ましい。一方、排出ガス中のTHCが増加するため、175℃以下がより好ましく、170℃以下がさらに好ましい。
なお、ここでいうIBP、T10、T50、T90及びEPは、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法−常圧法」によって測定される値である。
終点(EP)は140℃以上180℃以下が好ましい。重量あたりの水素発生量、二酸化炭素発生量あたりの水素発生量が減少するため、145℃以上がより好ましく、150℃以上がさらに好ましい。一方、排出ガス中のTHCが増加するため、175℃以下がより好ましく、170℃以下がさらに好ましい。
なお、ここでいうIBP、T10、T50、T90及びEPは、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法−常圧法」によって測定される値である。
本発明の炭化水素油の芳香族含有量は、重量当りの水素発生量が多いこと、二酸化炭素発生量当りの水素発生量が多いこと、排出ガス中のTHCが少ないこと、システム起動時間が短いこと、改質触媒の劣化が小さく初期性能が長時間持続できることなどの点から、10容量%以下であることが必要であり、8容量%以下が好ましく、5容量%以下がさらに好ましい。
本発明の炭化水素油のオレフィン含有量は、重量当りの水素発生量が多いこと、二酸化炭素発生量当りの水素発生量が多いこと、排出ガス中のTHCが少ないこと、システム起動時間が短いこと、改質触媒の劣化が小さく初期性能が長時間持続できること、貯蔵安定性が良いことなどの点から、5容量%以下であることが好ましく、2容量%以下がより好ましく、1.5容量%以下がさらに好ましい。
本発明の炭化水素油の飽和炭化水素含有量(パラフィン分とナフテン分の和)については何ら制限はないが、重量当りの水素発生量が多いこと、二酸化炭素発生量当りの水素発生量が多いこと、排出ガス中のTHCが少ないこと、システム起動時間が短いことなどの点から、85容量%以上であることが好ましく、90容量%以上がより好ましく、95容量%以上が最も好ましい。
なお、上述の芳香族含有量、オレフィン含有量、飽和炭化水素含有量は、JIS K2536「石油製品−炭化水素タイプ試験方法」の蛍光指示薬吸着法により測定される値である。
なお、上述の芳香族含有量、オレフィン含有量、飽和炭化水素含有量は、JIS K2536「石油製品−炭化水素タイプ試験方法」の蛍光指示薬吸着法により測定される値である。
本発明の炭化水素油は、水蒸気改質型改質器を用いた燃料電池システムの水素製造システム用の原料として使用されることが必要である。本発明の炭化水素油を用いることで、改質器の耐久性をより高めることができ、ひいては水素製造システムの耐久性向上につながるものである。改質器を配置した主な水素製造システムとしては、例えば、(1)脱硫器、改質器、一酸化炭素浄化装置からなるシステム、(2)脱硫器、改質器、脱硫器(再脱硫)、一酸化炭素浄化器からなるシステム、及び(3)改質器、脱硫器、一酸化炭素浄化器からなるシステムを挙げることができる。
すなわち、本発明の水素製造システムは、本発明の炭化水素油と水蒸気との混合ガスを、周期律表第VIII族元素を活性金属として含む改質触媒の存在下、反応温度400〜1000℃、水と炭化水素油の混合比率(S/C)が1〜5モル/モルで反応させることにより、水素を主成分とする生成物を得る水蒸気改質型改質器を具備する水素製造システムである。
なお、本発明でいう「水と炭化水素油の混合比率(S/C)」において、Sは水(分子)のモル数、Cは炭化水素油(分子)中の炭素のモル数を意味する。従って、「水と炭化水素油の混合比率(S/C)」の求め方に関し例を挙げて説明すると、水(分子):6モルと、炭化水素油にエタン(C2H6):1モルを用いた場合、水と炭化水素油の混合比率(S/C)は、炭化水素油であるエタン:1モル中の炭素のモル数は2モルであるので、「S/C=6モル/2モル=3」となる。
水蒸気改質型改質器に用いる触媒の活性金属は、炭化水素化合物より水素を得るための改質反応性の点で、ルテニウム、ロジウム、白金等が好ましく、中でもルテニウム、ロジウムが特に好ましい。また、反応温度は、改質反応性の点で400℃以上が好ましく、500℃以上がさらに好ましく、触媒上のコーキング発生量抑制の点で1000℃以下が好ましく、800℃以下がさらに好ましい。水と炭化水素油の混合比率(S/C)は触媒上のコーキング発生量抑制の点で1モル/モル以上が好ましく、2モル/モル以上がさらに好ましく、改質器効率の点から5モル/モル以下が好ましく、4モル/モル以下がさらに好ましい。
改質器を配置した水素製造システム内の改質器と組み合わされる他の機器については、特に限定されるものではないが、例えば、次のような脱硫器、一酸化炭素浄化器が挙げられる。
本発明の水素製造システムに用いる脱硫器は、炭化水素油中の硫黄分を除去する装置であり、具体的には、触媒として銅−亜鉛系、あるいはニッケル系等を用い、反応条件として反応温度20〜300℃、LHSV0.1〜10h−1、反応圧力1MPa未満で脱硫処理を行う脱硫器などが挙げられる。
本発明の水素製造システムに用いる一酸化炭素浄化器は、改質器で生成したガスに含まれ、燃料電池の触媒毒となる一酸化炭素の除去を行うものである。
一酸化炭素浄化器としては次のような例が挙げられる。
(1)改質器より得られた改質ガスと加熱気化した水蒸気を混合し、触媒として銅、亜鉛、白金、ルテニウム、あるいはロジウム等を用い、反応温度200〜500℃、ガス空間速度1000〜10000h−1、反応圧力1MPa未満、水と改質ガス中の一酸化炭素の比0.5〜3.0モル/モルの反応条件により、一酸化炭素と水蒸気とから二酸化炭素と水素を生成物として得る水性ガスシフト反応器。
(2)改質器より得られた改質ガスと圧縮空気とを混合し、触媒として銅、ニッケル、白金、ルテニウム、あるいはロジウム等を用い、反応温度100〜300℃、ガス空間速度1000〜10000h−1、反応圧力1MPa未満、空気と改質ガス中の一酸化炭素の比0.5〜3.0モル/モルの反応条件により、一酸化炭素と空気とから一酸化炭素を二酸化炭素に変換する選択酸化反応器。
一酸化炭素浄化器としては次のような例が挙げられる。
(1)改質器より得られた改質ガスと加熱気化した水蒸気を混合し、触媒として銅、亜鉛、白金、ルテニウム、あるいはロジウム等を用い、反応温度200〜500℃、ガス空間速度1000〜10000h−1、反応圧力1MPa未満、水と改質ガス中の一酸化炭素の比0.5〜3.0モル/モルの反応条件により、一酸化炭素と水蒸気とから二酸化炭素と水素を生成物として得る水性ガスシフト反応器。
(2)改質器より得られた改質ガスと圧縮空気とを混合し、触媒として銅、ニッケル、白金、ルテニウム、あるいはロジウム等を用い、反応温度100〜300℃、ガス空間速度1000〜10000h−1、反応圧力1MPa未満、空気と改質ガス中の一酸化炭素の比0.5〜3.0モル/モルの反応条件により、一酸化炭素と空気とから一酸化炭素を二酸化炭素に変換する選択酸化反応器。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
[実施例1〜2及び比較例1〜2]
以下の方法により炭化水素油A〜Cを製造した。
原油を常圧蒸留し、蒸留温度30〜70℃の留分を基材L、70〜160℃の留分を基材Hとした。 次いで、基材Lと基材Hを55:45(容量比)の割合で混合し、炭化水素油Aを調製、基材Lと基材Hを35:65(容量比)の割合で混合し、炭化水素油Bを調製した。炭化水素油Cとして市販レギュラーガソリンを使用した。
各炭化水素油の性状を表1に示す。
以下の方法により炭化水素油A〜Cを製造した。
原油を常圧蒸留し、蒸留温度30〜70℃の留分を基材L、70〜160℃の留分を基材Hとした。 次いで、基材Lと基材Hを55:45(容量比)の割合で混合し、炭化水素油Aを調製、基材Lと基材Hを35:65(容量比)の割合で混合し、炭化水素油Bを調製した。炭化水素油Cとして市販レギュラーガソリンを使用した。
各炭化水素油の性状を表1に示す。
なお、表1の諸性状は以下の分析法により測定した。
密度(@15℃)は、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定した。
リード蒸気圧(@37.8℃)は、JIS K 2258「原油及び燃料油蒸気圧試験方法(リード法)」により測定した。
蒸留性状(IBP、T10、T50、T90、EP)は、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法−常圧法」によって測定した。
硫黄分は、ASTM D4045−96「Standard Test Method for Sulfur in Petroleum Products by Hydrogenolysis and Rateometric Colorimetry」により測定した。
芳香族分、オレフィン分、飽和分は、JIS K2536「石油製品−炭化水素タイプ試験方法」の蛍光指示薬吸着法により測定した。
密度(@15℃)は、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定した。
リード蒸気圧(@37.8℃)は、JIS K 2258「原油及び燃料油蒸気圧試験方法(リード法)」により測定した。
蒸留性状(IBP、T10、T50、T90、EP)は、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法−常圧法」によって測定した。
硫黄分は、ASTM D4045−96「Standard Test Method for Sulfur in Petroleum Products by Hydrogenolysis and Rateometric Colorimetry」により測定した。
芳香族分、オレフィン分、飽和分は、JIS K2536「石油製品−炭化水素タイプ試験方法」の蛍光指示薬吸着法により測定した。
次に、これらの炭化水素油を図1に示した改質器を用いて評価した。
なお、燃料余熱器及び水蒸気発生器の温度は、それぞれ250℃とした。
なお、燃料余熱器及び水蒸気発生器の温度は、それぞれ250℃とした。
(水蒸気改質評価)
炭化水素油と水を電気加熱によりそれぞれ気化させ、改質触媒(ルテニウム系、φ2mm、充填量5mL)を充填し、電気ヒーターで所定の温度に維持した改質反応管に導き、水素分に富む改質ガスを発生させた。水蒸気改質評価のフローチャートを図1に示す。
初めに、以下の反応条件<S1>にて改質反応を行った。
反応条件<S1> LHSV:0.5h−1、S/C:3モル/モル、
触媒層出口温度:600℃
反応条件<S1>にて転化率を求めたのち、以下の反応条件<A1>にて100時間通油を行った。
反応条件<A1> LHSV:5h−1、S/C:3モル/モル、
触媒層出口温度:600℃
反応条件<A1>での運転後、反応条件を<S1>へ戻し、転化率を測定し、運転初期との転化率変化を算出した。
炭化水素油と水を電気加熱によりそれぞれ気化させ、改質触媒(ルテニウム系、φ2mm、充填量5mL)を充填し、電気ヒーターで所定の温度に維持した改質反応管に導き、水素分に富む改質ガスを発生させた。水蒸気改質評価のフローチャートを図1に示す。
初めに、以下の反応条件<S1>にて改質反応を行った。
反応条件<S1> LHSV:0.5h−1、S/C:3モル/モル、
触媒層出口温度:600℃
反応条件<S1>にて転化率を求めたのち、以下の反応条件<A1>にて100時間通油を行った。
反応条件<A1> LHSV:5h−1、S/C:3モル/モル、
触媒層出口温度:600℃
反応条件<A1>での運転後、反応条件を<S1>へ戻し、転化率を測定し、運転初期との転化率変化を算出した。
また、反応条件の比較例として、以下の反応条件<S1’>にて改質反応を行った。
反応条件<S1’> LHSV:0.5h−1、S/C:0.8モル/モル、
触媒層出口温度:600℃
反応条件<S1’>にて転化率を求めたのち、以下の反応条件<A1’>にて100時間通油を行った。
反応条件<A1’> LHSV:5h−1、S/C:0.8モル/モル、
触媒層出口温度:600℃
反応条件<A1’>での運転後、反応条件を<S1’>へ戻し、転化率を測定し、運転初期との転化率変化を算出した。
反応条件<S1’> LHSV:0.5h−1、S/C:0.8モル/モル、
触媒層出口温度:600℃
反応条件<S1’>にて転化率を求めたのち、以下の反応条件<A1’>にて100時間通油を行った。
反応条件<A1’> LHSV:5h−1、S/C:0.8モル/モル、
触媒層出口温度:600℃
反応条件<A1’>での運転後、反応条件を<S1’>へ戻し、転化率を測定し、運転初期との転化率変化を算出した。
なお、転化率の測定は次のように行った。改質評価装置には、反応管出口ラインに発生した改質ガスの流量を測定できるガス流量計と発生した改質ガスの組成および未反応の炭化水素油を分析できるガスクロマトグラフィーを設置した。炭化水素油および水の供給用タンクは天秤上に設置してあり、時間あたりの反応管への供給量をこの天秤にて測定した。炭化水素油供給量および発生改質ガス流量および発生ガス組成の分析結果より、炭化水素油の転化率を計算した。転化率の定義は次の通りとした。
転化率(%)=発生ガス中の炭素数1の化合物(CO2、CO及びCH4)の炭素の量
/供給した炭化水素油中の炭素の量×100
転化率(%)=発生ガス中の炭素数1の化合物(CO2、CO及びCH4)の炭素の量
/供給した炭化水素油中の炭素の量×100
以上の評価結果を表2に示す。
表2に示す結果から、本発明の炭化水素油(実施例1〜2)を用いた場合には、比較例の炭化水素油及び装置条件に比べて、転化率が高く、かつ、その転化率を長期間安定して維持できることがわかる。
表2に示す結果から、本発明の炭化水素油(実施例1〜2)を用いた場合には、比較例の炭化水素油及び装置条件に比べて、転化率が高く、かつ、その転化率を長期間安定して維持できることがわかる。
Claims (3)
- 水蒸気改質型改質器を具備する水素製造システムであって、硫黄分が0.5質量ppm以下、リード蒸気圧が70kPa以下、初留点が25℃以上45℃以下、50容量%留出温度が65℃以上95℃以下、90容量%留出温度が100℃以上150℃以下および芳香族分が10容量%以下である炭化水素油を、周期律表第VIII族元素を活性金属として含む改質触媒の存在下、反応温度400〜1000℃、水と炭化水素油の混合比率(S/C)が1〜5モル/モルの条件下で反応させることにより水素を主成分とする生成物を得ることを特徴とする水素製造システム。
- 炭化水素油のリード蒸気圧が67kPa以下、初留点が30℃以上40℃以下、50容量%留出温度が70℃以上90℃以下、90容量%留出温度が110℃以上140℃以下、芳香族分が8容量%以下、オレフィン分が5容量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の水素製造システム。
- 炭化水素油の90容量%留出温度が120℃以上135℃以下、芳香族分が5容量%以下、オレフィン分が2容量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水素製造システム。
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