JP2004027083A - 水素製造用燃料 - Google Patents

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Kenichiro Saito
斎藤 健一郎
Osamu Sadakane
定兼 修
Manabu Watanabe
渡邊 学
Koji Oyama
尾山 宏次
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Abstract

【課題】脱硫の際に副生するベンゼン量を極力抑えることができ、かつ改質の際に水素を効率良く、そして長期間安定に発生させることができる、エネルギー効率の高い水素製造用燃料を提供する。
【解決手段】蒸留終点が220℃以下であり、芳香族分が40容量%以下、ベンゼン分が1容量%以下、式(1)で示されるベンゼン生成指数Xが4以下であり、硫黄分が50質量ppm以下であることを特徴とする炭化水素を主成分とする水素製造用燃料。
X=1/8×A+1/20×B+1/15×C   (1)
式(1)において、Aは、トルエン分の容量%、Bは、ベンゼン及びトルエン以外の芳香族分の容量%、そしてCは、ナフテン分の容量%をそれぞれ表す。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素製造用燃料及び該燃料から水素を製造する方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、水素を燃料とする動力システムにおいてエネルギー効率及び耐久性の向上や脱硫反応の際に副生する有害なベンゼンの生成の抑制が可能な水素製造用燃料及び該燃料から水素を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、将来の地球環境に対する危機感の高まりから、地球にやさしいエネルギー供給システムの開発が求められ、エネルギー効率が高いこと及び排出ガスがクリーンである点から、燃料電池、水素エンジン等の水素を燃料とするシステムが脚光を浴びている。なかでも、燃料電池への水素の供給方法としては、圧縮あるいは液化といった形で直接水素を供給する方法の他、メタノール等の含酸素燃料、及びナフサ等の炭化水素系燃料の改質による供給方法が知られている。このうち、直接水素を供給する方法は、そのまま燃料として利用できる利点はあるが、常温で気体のため貯蔵性並びに車両等に用いた場合の搭載性に問題がある。また、メタノールはシステム内での改質による水素の製造が比較的容易であるが、重量当たりのエネルギー効率が低く、有毒かつ腐食性を持つために、取り扱い性、貯蔵性にも難点がある。一方、ナフサ等の炭化水素系燃料の改質による水素の製造は、既存の燃料供給インフラが使用できること、トータルでのエネルギー効率が高いこと等により注目を集めている。こうした炭化水素燃料は水素発生のために動力システム内での改質工程が必要であると共に、システム各部の劣化を防ぐためにシステム内あるいは外にて脱硫工程が必要となる。しかしながら、炭化水素系燃料によっては、必ずしも改質工程において高い水素発生効率は得られず、更に改質触媒の耐久性にも問題が生じる場合がある。また、システム内又は外での脱硫工程において、人体に有毒なベンゼンを生成することがあり、問題となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況にあって、脱硫工程でのベンゼンの生成を極力抑えることができ、かつ改質工程での水素を効率良く、そして長期間安定に発生させることができる、エネルギー効率の高い水素製造用燃料及び該燃料を用いた水素製造方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、蒸留終点が220℃以下であり、芳香族分が40容量%以下、ベンゼン分が1容量%以下、式(1)で示されるベンゼン生成指数Xが4以下であり、硫黄分が50質量ppm以下であることを特徴とする炭化水素を主成分とする水素製造用燃料にある。
X=1/8×A+1/20×B+1/15×C   (1)
式(1)において、Aは、トルエン分の容量%、Bは、ベンゼン及びトルエン以外の芳香族分の容量%、そしてCは、ナフテン分の容量%をそれぞれ表す。
【0005】
本発明は、上記の水素製造用燃料を脱硫した後、改質して水素を得ることを特徴とする水素の製造方法にある。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の水素製造用燃料(以下、本発明の燃料)は、その蒸留終点が220℃以下である。この温度よりも高くなると、水素発生量の減少、改質触媒の耐久性の低下、及び改質反応性の低下という問題が生じるので好ましくない。蒸留終点は水素発生量、改質触媒の耐久性、改質反応性の点から200℃以下が好ましく、180℃以下がより好ましく、150℃以下が更に好ましく、100℃以下が更に好ましく、85℃以下が最も好ましい。一方、蒸留終点は、60℃以上であることが好ましく、より好ましくは70℃以上である。
【0007】
本発明の燃料の90容量%留出温度は、改質反応性、改質触媒の耐久性及び水素発生量の点から180℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、130℃以下が更に好ましく、90℃以下がさらに好ましく、70℃以下が最も好ましい。一方、90容量%留出温度は、50℃以上であることが好ましく、より好ましくは60℃以上である。90容量%留出温度及び蒸留終点は、JIS K2254「石油製品−蒸留試験方法」によって測定された値である。
【0008】
本発明の燃料中の芳香族分は、水素発生量、改質触媒の耐久性、改質反応性の点から、40容量%以下であり、30容量%以下が好ましく、20容量%以下がより好ましく、10容量%以下が更に好ましく、5容量%以下が最も好ましい。
【0009】
本発明の燃料中のオレフィン分は、水素発生量、改質触媒の耐久性、改質反応性の点から、35容量%以下が好ましく、25容量%以下がより好ましく、15容量%以下が更に好ましく、10容量%以下がさらに好ましく、5容量%以下が最も好ましい。ここで、上記芳香族分及びオレフィン分は、JIS K2536「石油製品−炭化水素タイプ試験方法」の蛍光指示薬吸着法により測定される値である。
【0010】
本発明の燃料中の飽和分は、水素発生量、改質触媒の耐久性、改質反応性の点から、30容量%以上が好ましく、50容量%以上がより好ましく、70容量%以上が更に好ましく、90容量%以上が最も好ましい。また飽和分中のパラフィン分は、同様な理由から、60容量%以上が好ましく、70容量%以上がより好ましく、90容量%以上であることがさらに好ましく、95容量%以上であることが最も好ましい。さらにパラフィン分中の分岐パラフィン分は30容量%以上がより好ましく、40容量%以上がさらに好ましく、60容量%以上がさらに好ましく、80容量%以上が最も好ましい。ここで、飽和分およびパラフィン分はJIS K2536「燃料油炭化水素成分試験方法」に準拠してガスクロマトグラフを利用して測定した値である。
【0011】
本発明の燃料において、ベンゼンの含有量は、改質反応性や健康への悪影響を低下させるために1容量%以下が好ましく、0.5容量%以下がより好ましく、0.1容量%以下が最も好ましい。
【0012】
本発明の燃料は、下記式(1)で示されるベンゼン生成指数Xが4以下を示すものである。
X=1/8×A+1/20×B+1/15×C   (1)
ここで、Aは、トルエン分の容量%、Bは、ベンゼン及びトルエン以外の芳香族分の容量%、そしてCは、ナフテン分の容量%をそれぞれ表す。
【0013】
ベンゼン生成指数Xが4より大きくなると、脱硫反応の際にベンゼンが生成しやすくなり好ましくない。またベンゼン生成指数Xは、ベンゼンの生成をより抑える点から、3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1以下であることがより好ましく、0.5以下であることが最も好ましい。ここで、Aで表されるトルエン分の容量%、及びCで表されるナフテン分の容量%は、それぞれJIS K2536「燃料油炭化水素成分試験方法」に準拠してガスクロマトグラフを用いて測定した値である。またBで表されるベンゼン及びトルエン以外の芳香族分の容量%は、JIS K2536「燃料油炭化水素成分試験方法」の蛍光指示薬法により求めた芳香族分容量%から、ガスクロマトグラフで求めたベンゼン分及びトルエン分を差し引いた値である。
【0014】
本発明の燃料の硫黄分は、50質量ppm以下である。50質量ppmを越えた場合、システム内の脱硫工程において充分な低硫黄化が図れずに結果として改質触媒の耐久性が低下する、あるいは充分な低硫黄化のために脱硫システムの負荷が増大するまたは耐久性が低下するといった問題が生じるため好ましくない。硫黄分は、改質触媒の耐久性、脱硫システムの負荷及び耐久性の点から30質量ppm以下が好ましく、10質量ppm以下がより好ましく、1質量ppm以下がさらに好ましく、0.1質量ppm以下が最も好ましい。ここで、硫黄分は、1質量ppm以上の場合、JIS K2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」により測定される硫黄分を、1質量ppm未満の場合、ASTM D4045−96「Standard Test Method for Sulfur in Petroleum Products by Hydrogenolysis and Rateometric Colorimetry」により測定される硫黄分である。
【0015】
本発明の燃料は主成分である炭化水素のほかに、エーテル、アルコール、ケトン、エステル、及びグリコールなどの含酸素化合物を含有していてもよい。含酸素化合物としては例えば、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、メチルターシャリーブチルエーテル(MTBE)、エチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)、ターシャリーアミルメチルエーテル(TAME)、及びターシャリーアミルエチルエーテル等が挙げられる。含酸素化合物の含有量は、システムの起動時間や水素発生量の点から、50容量%以下であることが好ましく、燃料全量基準で酸素元素換算(酸素含有量)で20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、3質量%以下が最も好ましい。
【0016】
本発明の燃料の密度(15℃)は、重量当たりの発電量が多く、燃料電池システム全体として燃費が良いこと、改質触媒の劣化が小さく初期性能が長時間持続できるなどの点から、0.78g/cm以下であることが好ましく、より好ましくは0.77g/cm以下であり、さらに好ましくは0.76g/cm以下であり、一方、その密度は、0.60g/cm以上であることが好ましく、より好ましくは0.62g/cm以上であり、更に好ましくは、0.64g/cm以上である。ここで密度は、JIS K2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される密度である。
【0017】
本発明の燃料は、具体的には例えば、原油蒸留装置、ナフサ改質装置、アルキレーション装置等から得られるプロパンを中心とした直留系プロパン留分、ブタンを中心とした直留系ブタン留分、それらを脱硫した直留系脱硫プロパン留分、直留系脱硫ブタン留分、接触分解装置等から得られるプロパン・プロピレンを中心とした分解系プロパン留分、ブタン・ブテンを中心とした分解系ブタン留分、原油を常圧蒸留して得られるナフサ留分(フルレンジナフサ)、ナフサの軽質留分(軽質ナフサ)、ナフサの重質留分(重質ナフサ)、フルレンジナフサを脱硫した脱硫フルレンジナフサ、軽質ナフサを脱硫した脱硫軽質ナフサ、重質ナフサを脱硫した脱硫重質ナフサ、軽質ナフサを異性化装置でイソパラフィンに転化して得られる異性化ガソリン、イソブタン等の炭化水素に低級オレフィンを付加(アルキル化)することによって得られるアルキレート、接触改質法で得られる改質ガソリン、改質ガソリンより芳香族分を抽出した残分であるラフィネート、改質ガソリンの軽質留分、改質ガソリンの中重質留分、改質ガソリンの重質留分、接触分解法、水素化分解法等で得られる分解ガソリン、分解ガソリンの軽質留分、分解ガソリンの重質留分、及び天然ガス等を一酸化炭素と水素に分解した後にF−T(Fischer−Tropsch)合成で得られるGTL(Gas to Liquids)の軽質留分等の基材を1種又は2種以上を混合することで製造することができる。本発明の燃料の調製には、軽質ナフサ、脱硫軽質ナフサ、脱硫フルレンジナフサ、アルキレート、スルフォランラフィネート、異性化ガソリン、改質ガソリン、又はGTLの軽質留分等を単独であるいは組み合わせて用いることが好ましい。
【0018】
本発明の燃料は、これを脱硫、改質することで水素を製造することができる。特に本発明の燃料は、改質により水素を効率よく且つ長期間安定に製造することができると共に、脱硫反応の際に副生するベンゼンの量を極力抑えることができる。
【0019】
本発明の燃料を用いて水素を製造するには、一般に燃料電池システムに使用されている水素製造(発生)システム、例えば、脱硫器、改質器、及び一酸化炭素浄化装置等を組み合わせたシステムが用いられる。これらを配置した主なシステムとしては、例えば、(1)脱硫器、改質器、及び一酸化炭素浄化装置からなるシステム、(2)脱硫器、改質器、脱硫器(再脱硫)、及び一酸化炭素浄化装置からなるシステム、及び(3)改質器、脱硫器、及び一酸化炭素浄化装置からなるシステムを挙げることができる。
【0020】
本発明の水素製造用燃料は、例えば、上記のような水素製造システムと更に燃料電池を組み合わせた燃料電池システム用の燃料として使用することができる。燃料電池としては、例えば、固体高分子型燃料電池(PEFC)、リン酸型燃料電池(PAFC)、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)、及び固体酸化物型燃料電池(SOFC)を挙げることができる。
【0021】
次に、水素製造システムについて詳述する。
脱硫器は、燃料を接触脱硫する装置であり、脱硫方法としては、例えば、金属触媒の存在下で水素化脱硫する方法、及び酸化亜鉛等により吸着脱硫する方法を挙げることができる。特に本発明の燃料は、水素化脱硫あるいは加圧・加熱下での吸着脱硫に好適である。
【0022】
改質器は、燃料を改質して水素を得るための装置であり、具体的に例えば、下記の改質器を挙げることができる。
(1)加熱気化した燃料と水蒸気とを混合し、銅、ニッケル、白金、ルテニウム等の触媒中で加熱反応させることにより、水素を主成分とする生成物を得る水蒸気改質型改質器
(2)加熱気化した燃料を空気と混合し、銅、ニッケル、白金、ルテニウム等の触媒中又は無触媒で加熱反応させることにより、水素を主成分とする生成物を得る部分酸化型改質器
(3)加熱気化した燃料を水蒸気及び空気と混合し、銅、ニッケル、白金、ルテニウム等の触媒層前段にて、(2)の部分酸化型改質を行い、後段にて部分酸化反応により発生した熱を利用して、(1)の水蒸気改質型改質を行うことにより、水素を主成分とする生成物を得る部分酸化・水蒸気改質型(オートサーマル型)改質器
【0023】
一酸化炭素浄化装置は、上記改質装置で生成したガスに含まれ、燃料電池の触媒毒となる一酸化炭素の除去を行うものであり、具体的には、下記の装置を挙げることができる。これらの装置は単独で又は組み合わせて使用することができる。
(1)改質ガスと加熱気化した水蒸気を混合し、銅、ニッケル、白金、ルテニウム等の触媒中で反応させることにより、一酸化炭素と水蒸気より二酸化炭素と水素を生成物として得る水性ガスシフト反応器
(2)改質ガスを圧縮空気と混合し、白金、ルテニウム等の触媒中で反応させることにより、一酸化炭素を二酸化炭素に変換する選択酸化反応器
【0024】
上記水素製造システムを用いて水素を製造する場合、その脱硫操作を、脱硫後の燃料の硫黄含有量が、好ましくは0.1質量ppm以下、より好ましくは0.05質量ppm以下となるように行うことが好ましい。
なお、脱硫後の燃料のベンゼン分は、好ましくは1容量%以下であり、0.5容量%以下が好ましく、0.1容量%以下がより好ましい。
また改質操作は、エネルギー効率、実用性の観点から、改質器入口温度で750℃以下、LHSV=3h−1以上の条件で行うことが好ましい。
【0025】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0026】
表1に示すように本発明の燃料(実施例1〜5)及び比較用の燃料(比較例1〜3)を調製した。
【0027】
得られた各燃料を下記の二つの水素製造システムに用いて評価した。
(1)水蒸気改質型改質器を含む水素製造システム(水蒸気改質型水素製造システム)を用いた水素発生のフローチャートを図1に示す。
(2)部分酸化型改質器を含む水素製造システム(部分酸化型水素製造システム)を用いた水素発生のフローチャートを図2に示す。
【0028】
(1)水蒸気改質型水素製造システム
燃料を水素化脱硫装置(脱硫器)により脱硫を行った後、脱硫した燃料と水を電気加熱によりそれぞれ気化させ、貴金属系触媒を充填し、電気ヒーターで所定の温度に維持した改質器に導き、水素分に富む改質ガスAを発生させた。改質器の温度は、試験初期段階において改質が完全に行われる最低の温度(改質ガスAにHCが含まれない最低温度)とした。
得られた改質ガスAを水蒸気と共に一酸化炭素浄化装置に導き、改質ガスA中の一酸化炭素を二酸化炭素に変換し、一酸化炭素を含まない改質ガスBを得た。
【0029】
(2)部分酸化型水素製造システム
燃料を水素化脱硫装置(脱硫器)により脱硫を行った後、脱硫後の燃料を電気加熱により気化させ、予熱した空気と共に貴金属系触媒を充填し、電気ヒーターで1100℃に維持した改質器に導き、水素分に富む改質ガスAを発生させた。得られた改質ガスAを水蒸気と共に一酸化炭素浄化装置に導き、改質ガスAの中の一酸化炭素を二酸化炭素に変換し、一酸化炭素を含まない改質ガスBを得た。
【0030】
上記の方法で最終的に得られた改質ガスB中の水素量をそれぞれ測定し、評価した。発生した水素量の測定は、試験開始直後と100時間経過後に行った。また、脱硫後の燃料の硫黄分及びベンゼン分を測定し、評価した。以上の評価結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 2004027083
【0032】
表1に示す結果から、本発明の燃料(実施例1〜5)を用いた場合には、いずれの水素製造システムにおいても比較例の燃料(比較例1〜3)に比べて、より多くの水素が得られ、しかも長時間経過後も比較的高い発生量を持続できることがわかる。また脱硫後の燃料の硫黄分をより高い割合で低減でき、ベンゼン分の生成も低く抑えられることがわかる。
【0033】
【発明の効果】
本発明の水素製造用燃料を用いることで、水素を効率良く発生させることができ、また改質触媒の劣化も少なく、長時間安定して水素を発生させることができる。また脱硫、改質工程を含む水素製造システムに用いた場合に硫黄分やベンゼン分を低減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】水蒸気改質型水素製造システムを用いた水素発生のフローチャートである。
【図2】部分酸化型水素製造システムを用いた水素発生のフローチャートである。

Claims (2)

  1. 蒸留終点が220℃以下であり、芳香族分が40容量%以下、ベンゼン分が1容量%以下、式(1)で示されるベンゼン生成指数Xが4以下であり、硫黄分が50質量ppm以下であることを特徴とする炭化水素を主成分とする水素製造用燃料。
    X=1/8×A+1/20×B+1/15×C   (1)
    (式(1)において、Aは、トルエン分の容量%、Bは、ベンゼン及びトルエン以外の芳香族分の容量%、そしてCは、ナフテン分の容量%をそれぞれ表す。)
  2. 請求項1に記載の水素製造用燃料を脱硫した後、改質して水素を得ることを特徴とする水素の製造方法。
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