JPH01188405A - 分散型燃料電池用水素製造方法 - Google Patents

分散型燃料電池用水素製造方法

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JPH01188405A
JPH01188405A JP63012243A JP1224388A JPH01188405A JP H01188405 A JPH01188405 A JP H01188405A JP 63012243 A JP63012243 A JP 63012243A JP 1224388 A JP1224388 A JP 1224388A JP H01188405 A JPH01188405 A JP H01188405A
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藤宗 篤雄
Masayuki Hayashi
誠之 林
Soichi Nomura
宗市 野村
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  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はニッケル系収着剤を用いてJ 131号灯油中
に含まれる硫黄分を除去せしめ、このように処理した灯
油に水を加えてニッケル系触媒を用いて改質反応を行わ
せて、分散型燃料電池用の水素源を製造する方法に関す
る。
従来の技術及び 発明が解決しようとする問題点− 燃料電池はエネルギー変換効率が高く、環境を悪化させ
ることが少ない、などの理由から民生用あるいは産業用
の発電装置として実証プラントの試験が行われつつあり
、各方面からその技術の完成が期待されている。燃料電
池の燃料として各種の物質が用いられているが水素を燃
料とするもの、なかでもリン酸を電解質として用いる燃
料電池の実用化が最も近いと考えられている。
燃料電池用に用いられる水素は主に技術的な容易さから
メタンを主体とする液化天然ガス(LNG)やそれを主
成分とする都市ガスをスチームで改質して製造するか、
メタノールを改質あるいは分解して製造する方法が研究
されている。例えば出力100〜数百KWの燃料電池を
避地を含めて各地に分散して設置しようとする場合(分
散型燃料電池)、LNGあるいは都市ガスを用いた燃料
電池は配管のある供給地域内にしか設置できず、その利
用は地域的に極めて限定される。また地震などの大規模
災害の場合は都市ガス配管の破断のためガス供給の停止
の可能性はかなり高い。またメタノールを改質あるいは
分解して水素を得る方法は現在のところ水素当たりの原
単位としてはLNGに比べてかなり高価となる欠点を有
する。
一方、全国的な供給網によって、一般に市販されている
灯油を燃料電池用の水素を得るための原料として用いる
ことが可能になれば、全国各地に分散配置されている給
油所やローリ−やタンク車の持ち届けによりどの地域へ
も供給することが可能であり、また地震の場合でも、そ
の装置が運転可能な場合にはその地域にある在庫灯油を
利用すれば発電を続行することが可能であり、また灯油
の供給の再開は比較的容易であるので、そのような非常
事態が起こっても連続して運転が可能となる。
また灯油はLNGに比べ水素製造の原単価が安くしたが
って発電コストが低いというメリットもある。
従来、石油類を原料とするスチーム改質法による水素の
製造プラントにおいてはオフガス、LNGなどの軽質炭
化水素からLPG、ナフサまでが原料として使用可能と
されており、それ以上重質である灯油を原料として用い
ることは困難とされていた。その主な理由としては、灯
油を用いるとこれまで用いられた改質触媒では分解率が
低く炭素分が付着するからである。さらに、灯油はLP
Gあるいはナフサなどの軽質炭化水素に比べ脱硫が困難
で、そのためより厳密な脱硫が行われず、硫黄分が残存
し、その結果触媒の活性点を被毒し、触媒が長持ちしな
い欠点があった。
しかしながら、最近の技術の進歩により、灯油を用いて
も十分な分解率を有し炭素分の付着の少ないニッケル触
媒が明らかにされつつある。
しかし、この触媒でも硫黄に対しては鋭敏で、改質原料
としては硫黄が0 、 5 wtppa+以下、場合に
よっては0 、 2 wtppi以下にと、きわめて高
度に脱硫する必要がある。ところが、灯油の一般用途で
ある暖房機用に供する目的では、灯油中の硫黄分をこの
レベルのように高度にする必要はない。
J Is (K2203)1号灯油は硫黄分の上限を1
50 wtppmまで認めており、一般的には10wt
ppa+ 〜150 wtppm 、通常は20〜60
 wtppm程度の灯油が市販されているのが現状であ
る。
しかし、前述したように、分散型燃料電池に使用するH
2の製造を目的とした原料灯油では、全国的な灯油の供
給体制を考慮すればJISI号灯油を使用することが最
も好都合である。
したがってJISI号灯油を本目的に用いるためには、
本改質装置にかける前段において、一般的に10〜15
0wtppa+の硫黄分を含むJISI号灯油の脱硫を
目的とした前処理を行い、灯油中の硫黄分を0 、 5
 wtppm以下に低減させなければならない。
このような比較的高硫黄分含有の灯油を直接水素化脱硫
して硫黄分を0 、 5 wtppmにすることは不可
能ではない。しかしながら、この場合は水素存在下20
〜100Kg/cm2・G、温度300℃以上という高
温・高圧の条件が必要となる。
比較的大きな工場などに設置することが予想される発電
能力1000KW以上の大規模装置ではこのような高圧
・高温の苛酷条件も本来大規模工場が具備すべき安全・
環境条件を考慮すると困難ではない。
ところが、前記したような500KW以下の発電能力し
か持たない分散型燃料電池では予想される設置場所がビ
ルや建屋の近接地や地下室等であり、近隣地域への安全
・環境上の配慮、関連法規、特に高圧ガス取締法の関係
からも反応の条件として圧力が10Kg/cIII−G
未満で行われることが要求される。
本発明者らは先に特願昭61−175322号で市販の
1号灯油を10Kg1d”G未満の圧力で、温度150
〜250℃の条件下でNi系の硫黄収着剤を用いて、精
製油中の硫黄分を0.5wtppI11以下まで脱流す
る方法を提案した。その後本発明者らはさらに灯油留分
中の硫黄分を除去する技術の検討を続けた結果、理由は
必ずしもさだかではないが、市販の灯油留分中には特願
昭61−175322号で提案した温度では収着剤の能
力を十分に発揮させることができないものが存在するこ
とが明らかになった。これらの灯油留分中には明らかに
Ni収着剤と反応しにくい硫黄化合物が含まれているも
のと推察された。本発明者らはこれらの硫黄を除去しに
くい灯油より水蒸気改質に適した原料灯油を製造する方
法を検討した結果、反−広温度を250℃を越え300
’C以下の範囲に上昇させれば処理可能なことを見い出
し、本発明に至ったものである。但し温度を300℃を
越えて上昇させるとコークの析出量が著しく増え、かえ
って寿命が短くなった。
すなわちこれまで硫黄分10〜150wtppmを含む
JISI号灯油を10Kg/cl−0未満の圧力、25
0℃を越える温度の下で残留硫黄分が0゜5wtppm
以下まで脱硫し、脱硫された灯油をニッケル系触媒を用
いるスチーム改質反応を行わせ、分散型燃料電池に供す
る水素源を製造するという分散型燃料電池用水素製造方
法は全く知られていなかった。
さらに本発明者らは、比較的脱流が困難な硫黄分を10
〜150wtppa+含有するJ 131号灯油を、1
0Kg/clI−0未満の圧力、250 ’Cを越え3
00℃以下の温度下で処理して含有硫黄を0゜5 wt
ppI11以下とし、それをニッケル系触媒のもとて水
蒸気改質し分散型燃料電池用水素源を製造する方法につ
いて鋭意検討した結果、本発明に到達したものである。
従来、石油類、特にLNG、LPGおよびナフサなどの
軽質の炭化水素類中の硫黄化合物を除去する方法として
石油学会誌2巻2号261頁によるとコバルト−モリブ
デン、ニッケルーモリブデンあるいはニッケルータング
ステンなどの触媒を用いて高温・高圧で処理して炭化水
素中の硫黄分を硫化水素にして処理する方法、あるいは
アルカリ処理、ソルビタイザー処理、酸化スィートニン
グ処理および酸処理などが知られていた。さらに、酸化
亜鉛、酸化銅、酸化マンガンおよび酸化鉄などの金属酸
化物を用いて軽質炭化水素油中の硫黄化合物を除去する
方法が知られている。
これら従来の技術を本発明の目的とする燃料電池用水素
製造システムのなかの、硫黄分を10〜150νtpp
11含有したJIS1号灯油の脱硫方法として応用した
場合、まず最も一般的な水素化脱硫法は反応条件として
10Kg/cm’−G以上の高圧を要するため採用する
ことはできない。またアルカリ処理およびソルビタイザ
ー処理さらに酸化スィートニング処理は除去される硫黄
化合物のタイプが限定され、灯油中に本質的に含有され
ているチオフェン類は全く除去されないか、されてもそ
の割合が少なく精製された灯油中の硫黄分を0゜5 w
tpp111以下とするのは難しいため採用できない。
さらに処理工程も長く、操作が繁雑で本発明の目的には
適さない。
次に酸化亜鉛、酸化銅、酸化マンガンおよび酸化鉄など
の金属酸化物を用いる方法については、もし灯油中の硫
黄分が十分除去されるならば操作性などの点から好まし
いと考え、本発明者らはそれらの酸化物を用いてその可
能性を実験により検討した。しかしこれらの4種の金属
酸化物を用いた場合にはある程度の脱硫活性は得られた
ものの本発明の目標とする硫黄含有ffi O、5wt
ppm以下の灯油は得られなかった。すなわち、ナフサ
より軽質の炭化水素に関して一般的に知られているそれ
ら炭化水素中の硫黄化合物を除去する金属酸化物は、灯
油に関してはそのままあてはまらないということが明ら
かとなった。
そこで本発明者らは、先に述べた4種の金属酸化物以外
の各種の金属酸化物あるいはこれらを還元した金属につ
いて、そのままかあるいは各種の担体に担持させて硫黄
分を10〜150 wtppm含有するJISI号灯油
の脱硫法について検討し本発明に到達した。
本発明は、硫黄分10〜150 wtppmを含有する
JISI号灯油を、灯油1モルに対して水素の非存在下
、または0.2モル以下の水素の存在下で、大気圧以上
で10Kg/d−0未満の圧力ならびに250℃を越え
300℃以下の温度下で、担体上に金属成分としてニッ
ケルを40νt%を越える量担持させた表面積が50 
rn2/ g以上のニッケル系収着剤の充填された反応
器に通し、灯油中の残留硫黄分を0 、 5 wtpp
m以下にせしめ、かつ該反応器を出る全流体に必要量の
水を加え、ニッケル含有ff15νt%以上の改質触媒
を充填した水蒸気改質反応器にそれらの全量を直接張込
み、改質反応を行なわせしめ、分散型燃料電池に供する
水素源を製造する分散型燃料電池用水素製造方法である
元来、ニッケルを用いる硫黄分の収着剤は、ガソリンや
芳香族炭化水素を製造するナフサリフォーミング装置用
の原料の前処理段階において、水素化精製によっても残
ってしまう微量の硫黄分を除去するため、あるいはニッ
ケル触媒を用いる芳香族水素の核水素化用の原料中の微
量の硫黄を除去する方法としては公知のものである。
しかしながら、LNG、LPGあるいはナフサなどの軽
質炭化水素をスチームで改質する水素製造装置において
、原料から硫黄を除去する方法としては水素化精製で原
料中の硫黄化合物を分解し、生成した硫化水素を酸化亜
鉛を主体とする収着剤で処理する方法が一般に行われて
おり、金属ニッケルあるいは酸化ニッケル、あるいはこ
れらの複合物を収着剤として用いる方法は行われていな
い。
しかも重質炭化水素油である灯油中の硫黄分を水素化精
製処理を行うことなく、ニッケル系の収着剤のみを用い
てほぼ完全に除去しそれをニッケル系水蒸気改質触媒を
充填した水蒸気改質反応器に張込み水素を製造する技術
はこれまで知られていない。
米国特許第4,446.005号では水素化精製により
脱硫されたナフサ中に残存する微量の硫黄分を除去する
方法としてニッケル系収着剤を充填したサルファートラ
ップを通した後、さらに銅、亜鉛、クロム、モリブデン
あるいはコバルトなどを充填した反応塔を通す方法を開
示している。しかしこの方法は白金系触媒を用いたナフ
サリフォーミング反応でガソリンあるいは芳香族炭化水
素を製造するための原料の前処理のみ示したもので本発
明の目的とする水素製造用の原料として用いる灯油の脱
硫法については全く触れられていない。
また、英国特許第1.232.393号は沸点範囲50
〜150℃の含芳香族留分中の1〜50wtppmの硫
黄分を除去する方法としてニッケル系収着剤が用いうろ
ことを示している。しかしこの方法は1号灯油を処理し
て残留する硫黄分を0゜5vLppffl以下まで低減
し、この処理した灯油を水素製造用原料とする方法につ
いては全く触れておらず、水素製造用の原料灯油に適す
るようにニッケル系収着剤を用いて1号灯油を脱硫する
本発明の方法とは異なる。
問題点を解決するための手段 本発明で用いる原料は、硫黄分10〜150wtppm
を含有するJ 131号灯油である。
通常このJISI号灯油は、原油を常圧蒸留して得た所
定の留分(粗灯油)を脱硫して得るか、または粗灯油に
各種分解系灯油留分を混合して脱流するか、あるいは粗
灯油の脱流後各種分解灯油留分を混合して得る。
近年は重油の雪要が減り、白油の需要が増える傾向があ
り、重質油の各種分解設備が多く建設され、それらから
生成する軽質の分解油を直留系の相当留分と混合して使
用する傾向が強まっている。
これら分解系の灯油留分が含まれている灯油はニッケル
系収着剤では処理温度を上げる必要性が高くなる傾向が
見られた。これはおそらくそれら分解系の灯油留分中に
含まれる硫黄化合物が直留系のものに比べ安定で、Ni
系収着剤を用いた場合、より高温で反応速度かが大きく
なるものと考えられる。
通常、粗灯油あるいは分解系灯油留分を混合した粗灯油
は硫黄分が多くそのままではJISI号灯油とはならず
、硫黄分を低減する必要がある。
この脱硫の方法としては一般に工業的に実施されている
水素化精製法で行うことが好ましく、この場合、触媒と
してニッケル、コバルト、モリブデンあるいはタングス
テンなどの遷移金属を適当の割合で混合したものを金属
、酸化物もしくは硫化物の状態でアルミナを主成分とす
る担体に担持させたものが用いられる。反応条件は反応
温度250〜400℃、圧力20〜100Kg/Cll
l−G1水素/油モル比2〜10、液空間速度(LH8
V)1〜5などの条件が用いられる。このような水素化
精製条件で処理された灯油は通常硫黄分が10〜150
 wtppa+ 、より一般的には20〜60 wtp
pm含有される。
この精製された灯油はJISに規定された1号灯油とし
て製油所から出荷され給油所あるいは灯油販売店から容
易に入手することができ、本発明に使用することができ
る。
本発明はこの灯油を以下詳記するニッケル系収着剤によ
り所定の条件で処理する。
本発明のニッケル系収着剤はニッケル全量として40w
t%を越える量、好ましくは52〜70wt%含んでい
るものである。ニッケル量が40wt%以下の収着剤を
用いた場合は硫黄分を10〜150 vLppm含んだ
原料灯油を所定条件で通油した場合、通油初期は出口硫
黄分は0 、 5 wtppm以下に脱硫されるが、こ
の場合、原因ははっきりしないがニッケル量から推定さ
れる時間より極めて短い時間のうちに出口硫黄濃度が0
.5wtppmを越える欠点があり実際的でないことが
明らかとなった。
−力木発明のニッケル含を量が40wt%を越えるニッ
ケル系収着剤を用いた場合は同一条件下において使用可
能時間がニッケル含有量から予想される時間に近くなり
、収着剤に含まれるニッケル分が灯油中の硫黄分除去に
有効に利用されることが明らかになった。
本発明の目的である分散型燃料型−池は長時間人手を掛
けずにメンテナンスフリーで運転する必要があることか
ら、原料となる灯油の脱硫方法としては短期間で硫黄の
収着剤の交換を必要としない本発明の方法が適している
本発明のニッケル系収着剤は還元ニッケルを含んでいる
ものが好ましい。収着剤中に還元ニッケルを含んでいれ
ば、ニッケル酸化物あるいはニッケルと他の物質との化
合物が共存しても本発明の目的に適うものである。また
銅、クロム、ジルコニウム、マグネシウムその他の金属
成分を少量含んでいるものでも使用することができる。
ニッケル収着剤には通常担体が用いられる。担体として
はシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、チタニア、ジ
ルコニア、酸化亜鉛、白土、粘土類、珪藻土、およびそ
の他の耐火性の無機酸化物を用いることができるが、本
発明の目的には珪藻土が最も好ましい。 収着剤の表面
積は50 m’ / g以上、好ましくは100tn2
/g以上である。
ニッケル系収着剤の調製法としては種々の方法が用いら
れる。例えば次の方法などが好ましく用いられる。
1)硝酸ニッケル、硫酸ニッケルなどのニッケル塩水溶
液に炭酸ソーダなどのアルカリ水溶液を加えて、塩基性
炭酸ニッケルなどの形で担体上に沈澱させ、洗浄乾燥後
、熱分解して酸化ニッケルとする方法。2)担体に硝酸
ニッケルなどの分解し易いニッケル塩水溶液を含浸させ
、それを乾燥後熱分解して酸化ニッケルとする方法がな
どがある。しかし本願発明に使用するニッケル系収着剤
の調製法はこれらの方法に限る必要はなく、担体上に金
属成分としてニッケルを40wt%越える量担持させた
表面積が50m’/g以上のニッケル系収着剤が得られ
れば、これ以外の製造法で調製したものでも効力を発揮
できる。
これらニッケル系の収着剤は使用前に150〜400℃
の温度で水素を用いて還元処理をされても良く、この操
作は灯油の脱硫を行うための収着塔内に充填した後でも
、あるいは充填する前に別の装置を用いても行いうる。
この場合、発火などの危険性を避けるため金属ニッケル
の一部を酸化処理したり、炭酸ガスを吸着させたりして
表面を安定化処理しても良い。さらにこれらの処理を行
ったニッケル系硫黄収着剤は収着基に充填した後そのま
ま原料灯油を通油しても良いし、あるいは表面の酸化ニ
ッケル層を水素を用いて還元することも好ましい。さら
に炭酸ガスを吸着した収着剤は水素あるいは窒素などの
不活性ガスで炭酸ガスを除去した後使用することも好ま
しく行われる。
収着剤の形状はタブレット、押し出し成型品、球状品あ
るいは破砕品などいずれの形状でも良い。
分解しにくい硫黄化合物を含むJISI号灯油は液相で
収着塔中を上向き、あるいは下向きの流れで通過し、圧
力常圧以上10Kg/CII−G未満、温度250〜3
00℃、LH3V10以下の条件で処理される。この場
合灯油は本質的に液相に保持されることが好ましく、そ
のため処理する灯油の性状が軽質である場合や、硫黄分
0゜5νtppIIl以下の灯油を得るために比較的高
い温度が必要な場合には圧力を高める必要がある。また
本発明の硫黄収着剤は灯油だけを通油しても十分満足し
うる能力が得られるが、収着剤条件下で灯油1モルに対
して0.2モル以下の水素を共存させる方法も用いつる
。しかし気液分離装置などスペースを有する装置がない
こと、装置の簡便性などから水素を用いない方法がより
好ましい。
このような方法および条件で処理された灯油は硫黄含有
量が0 、 5 wtppm以下に低減され、次の段階
のニッケル触媒を用いたスチームによる改質装置の原料
灯油として十分適した性状を有するものである。
本発明の方法で処理した灯油は次いでニッケル触媒を充
填したスチーム改質装置に送られる。灯油のスチーム改
質に用いられるニッケル触媒はニッケルを5wt%以上
たとえば5〜50wt%、好ましくは10〜35νt%
含んでいるものである。なお、ここで言う、ニッケル触
媒はニッケルを金属状、酸化物その他の化合物として含
有しているものが用いられ、通常改質反応条件下におい
ては大部分が還元状態のニッケルとして存在しているも
のが用いられる。担体としてはアルミナ、マグネシア、
シリカ、カルシア、マグネシア−アルミナスピネルをそ
れぞれ単独にあるいは混合したものが用いられ、あるい
はこれらに5wt%以下の酸化カリウムを添加した触媒
が用いられる。反応条件は反応温度500〜1,000
℃、反応圧力3Kg/c′l′・G以上で10Kg/c
m2・G未満、スチーム/炭素(モル比)が2〜6、L
H8V0.2〜4が好ましく用いられる。
スチーム改質用のニッケル触媒に対して原料の炭化水素
中に含まれる硫黄化合物は活性被毒物質として知られて
おり、硫黄化合物がニッケル触媒に接触して生成する硫
化水素はニッケルと化学量論的に反応し硫化ニッケルと
なって活性を失う。
したかって改質反応に供する原料中の硫黄含有量は可及
的に少ないほうが望ましいが、経済的な見地から工業的
には原料中の硫黄として0 、 5 wtppm以下1
、さらに好ましくは0 、 2 wtppm以下である
。もし硫黄分が0 、 5 wtppllを越える原料
灯油を用いてニッケル触媒でスチーム改質反応を行なっ
た場合は反応塔入口付近から触媒が被毒されるため、短
時間で反応塔出口から未分解の炭化水素が検出されたり
反応管入口部にホットスポットが生成し、コーキングに
より反応管のAPが上昇したりする現象が起こり短期間
で運転を停止して触媒の交換や再生を実施しなければな
らなくなる。
実施例 次に本発明の方法について実施例を用いて具体的に説明
する。
実施例1 (1)ニッケル系収着剤の調製 硝酸ニッケル65gに水を加えて全量を250txlと
する。これに珪藻土8gを加えて湯浴上で80℃にして
攪拌する。別に炭酸ソーダ42gを水に溶かし全量を2
50a+、eとしたものを湯浴上の硝酸ニッケル溶液に
攪拌しながら約90分かけて80℃に保ちながら徐々に
加え、沈澱を生成させる。添加が終わったらそのまま1
時間攪拌を続は沈澱を熟成する。その後沈澱液を濾過し
て沈澱ケーキを得る。このケーキを温水で数回洗いアル
カリを除去した後乾燥する。乾燥したケーキは粉砕した
後、350℃で1時間空気中で焼成する。
焼成した粉末を石英管中に入れ380℃で30分間水素
中で還元を行う。還元後窒素中で冷却し、次いで炭酸ガ
スを導入してニッケルを安定化する。
取り出した粉末にグラファイトを5wt%加えて3■φ
X3m+aのタブレットに成型する。この成型品を約l
l1lfflの大きさに破砕して収着基に充填し、発熱
をしないように注意しながら水素中で昇温し200℃で
30分間処理した。収着剤中のニッケル含有量は65w
t%であり、また表面積は150m2/gであった。
(2)JISI号灯油 次の性状を有する市販のJ ISI号灯油を原料とした
硫黄分62 wtppm 、比重(15/4℃)0.7
99、沸点範囲165〜269℃、芳香族分25゜3v
o4%、煙点23III110 (3)脱硫実験 (1)で調製したニッケル系収着剤を用いて(2)の灯
油を原料として圧力9Kg/clI−G、温度275℃
、LH3V0.2の条件で処理した。
収着基には内径2C)+fflφのステンレス管を用い
、これに約1mmに破砕した収着剤を40cm充填して
用いた。通油初期から5,000時間まで出口灯油の硫
黄分はほとんど測定限界以下であったがその後徐々に増
加し、約5,500時間後に0. 2wt1)910以
上の値となった。。
(4)水蒸気改質実験 (3)の方法で脱硫されたJISI号灯油を原料として
NiOを34wt%、Al2O5を12wt%、Mg 
Oを54wt%からなる水蒸気改質触媒の約lll1f
f+の破砕品を内径15ffiIIlの耐熱鋼管に充填
した反応管を用いて反応圧力9Kg/cv−G、反応温
度反応管入ロ500℃1出口850℃、LH3V1.5
、H20/C3,5(モル1モル)の条件でスチーム改
質反応を行った。反応開始後、500時間経過した後で
も反応管の温度分布にほとんど変化がなく、出口のガス
組成はほとんど熱力学的平衡値に近く、硫黄分を0 、
 5 wtppm以下に低減すれば灯油でも十分スチー
ムにより改質されて水素が製造されることが明らかにな
った。
実施例2 (1)原料灯油の製造 アラビア系原油より常圧蒸留装置より灯油留分(硫黄分
2500wtppH)を採取しこれにコーカー灯油を1
0%混合した。これをコバルト(C。
Oとして2.5wL%)−モリブデン(Mo 03とし
て12.5wt%)アルミナ触媒が充填されている水素
化精製装置により圧力50Kg/d−G。
温度320℃5LHSV2、水素/油化30ON名/℃
で処理して、硫黄分38wtppm 、比重0゜788
、沸点範囲160〜260℃、芳香族分18vof%、
煙点25mmの精製灯油を得た。これを次の方法で調製
した硫黄収着剤で処理した。
(2)硫黄収着剤 市販のナフサ用のNi系硫黄収着剤を用いた。
この収着剤はNi含有量47%、表面積150イ/gで
あった。
(3)脱硫実験 この収着剤を収着基に空気の接触をさけて充填したまま
次の灯油の脱硫に供した。
灯油の収着条件は、圧カフKg/ciII−G、温度2
90℃、LH8V0.2、水素/油0,02モル1モル
である。通油初期から8,500時間は、処理灯油から
は0 、4 wtppm以下の硫黄分しか検出されず、
その後徐々に増加して約12.000時間後に0゜5 
wtppo+の値になった。
(4)水蒸気改質実験 (3)の方法で脱硫された灯油を原料として、N10を
22wL%、Af20*を26wt%およびMg Oを
11.wt%からなる水蒸気改質触媒を約11Ilal
に破砕したものを用いて実施例1と同じ方法同じ条件で
反応を行った。反応開始後500時間経過した後でみる
と反応管の最高温度がわずかに反応管出口側に移動した
程度で出口ガス組成はその温度における熱力学的平衡値
に近く、硫黄分を0゜5 wtpp11以下に低減させ
れば、灯油からでも、問題なく水素が製造されることが
明らかである。
比較例1 実施例1で用いた市販の1号灯油を原料として実施例1
と同一条件で市販のニッケル含有量3゜5wt%のニッ
ケルー珪藻土触媒を硫黄の収着剤として用いて処理した
。通油初期から出口硫黄分0゜5 wtppm以上とな
りこの収着剤では0 、 5 wtppm以下の灯油は
得られないことが分った。しばらく処理を続行し平均硫
黄含有量10wtppmの灯油を得た。次いで得られた
灯油を原料(平均硫黄分10wtppm)として用い、
実施例1と同一の触媒を用い同一条件で水蒸気改質反応
を行った。その結果、反応初期は順調に水素ガス分が得
られたが反応後20時間位してから、反応管の吸熱部が
徐々に反応管出口方向に移行しそれに伴い最高温度を示
す部分も下方に移行し、50時間後で出口ガス中に未反
応炭化水素が検出された。
発明の効果 以上の実施例および比較例で明らかなようにJISI号
灯浦を、本発明のニッケル系硫黄収着剤を用いて処理す
ることにより、10Kg/cm2・6未満の圧力下で灯
油中の硫黄がニッケル系触媒を用いる水蒸気改質反応に
適した量まで低減され、発電能力100〜500KWの
分散型燃料電池システムの運転に好ましい長時間安定し
た水素を主体とした燃料ガスの製造が可能になることが
明らかになった。
本発明の方法により、灯油を用いた安価で原料の供給安
定性に不安のない分散型電源が利用できるようになった

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 〔1〕硫黄分10〜150wtppmを含有するJIS
    1号灯油を、灯油1モルに対して水素の非存在下、また
    は0.2モル以下の水素の存在下で、大気圧以上で10
    Kg/cm^2・G未満の圧力ならびに250℃を越え
    300℃以下の温度下で、担体上に金属成分としてニッ
    ケルを40wt%を越える量担持させた表面積が50m
    ^2/g以上のニッケル系収着剤の充填された反応器に
    通し、灯油中の残留硫黄分を0.5wtppm以下にせ
    しめ、かつ該反応器を出る全流体に必要量の水を加え、
    ニッケル含有量5wt%以上の改質触媒を充填した水蒸
    気改質反応器にそれらの全量を直接張込み、改質反応を
    行なわせしめ、分散型燃料電池に供する水素源を製造す
    る分散型燃料電池用水素製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002053305A (ja) * 2000-08-08 2002-02-19 Idemitsu Kosan Co Ltd 燃料電池用灯油燃料気化方法
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JP2006111502A (ja) * 2004-10-15 2006-04-27 Nippon Oil Corp 水素製造システム
WO2008056621A1 (fr) 2006-11-07 2008-05-15 Nippon Oil Corporation Agent et procédé de désulfuration du kérosène et système de pile à combustible utilisant ledit agent

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