JP2006110566A - 板部材の巻締め方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (a)で、位置決めした3枚の板部材40の第1かしめ部15の第1傾斜部41を斜面ダイ31の傾斜面35に位置決めし、巻パンチ32を矢印Dの如く下降させると、第1かしめ部15の第1直線部42が矢印Eの如く巻パンチ32の円弧部36に沿って曲がろうとする。(b)で、第1かしめ部15の第1直線部42が、巻パンチ32の円弧部36に沿って円弧曲げ部43を形成し、第2かしめ部16の第2直線部44を覆う。第1かしめ部15の第1直線部42を巻パンチ32で円弧状に曲げる第1曲げ工程では、巻パンチ32を下降させると、巻パンチ32の円弧部36に沿って第1かしめ部15の第1直線部42が曲がり円弧曲げ部43を形成し、この円弧曲げ部43が容易に第2かしめ部16の第2直線部44を覆うことができる。
【選択図】 図3
Description
図6は従来の技術の基本構成を説明する図であり、板部材の巻締めによる締結構造100は、第1板部材101、第2板部材102及び第3板部材103のそれぞれに巻締めのための第1かしめ部104、第2かしめ部105及び第3かしめ部106を備え、第1かしめ部104、第2かしめ部105、第3かしめ部106の端面107、108、109を内側に包込むように巻締めしたものである。
なお、110はタンク部、111はシール剤である。
ST101:準備工程として、一端に第1かしめ部104(符号は図6参照。以下同じ。)を備えた第1板部材101を用意し、一端に第2かしめ部105を備えた第2板部材102を用意し、一端に第3かしめ部106を備えた第3板部材103を用意する。
ST102:第1板部材101の第1かしめ部104をL字曲げする。
ST104:第2かしめ部105に第1かしめ部104の先端部を巻締めし、かしめ結合する。
ST105:第1板部材101の巻締めした先端部を内側にして、根本部及び第2かしめ部105の略中央から略垂直に曲げることで、第1板部材101の先端部、根本部及び第2かしめ部105で構成する垂直部を形成する。
ST107:第3板部材103の第3かしめ部106に、第1板部材101の先端部、根本部及び第2かしめ部105で構成する垂直部を巻締め、かしめ結合する。
図8は従来の別の基本原理を説明する図である。
(a)において、直角凹部121を有するダイ122と、直角凹部121に侵入するパンチ123とを準備する。
また、第1板部材124は先端を、先端下部125a及び先端上部125bでく字状を呈するように予め曲げたものを準備する。第2板部材126は先端127を直角に立ち上げたものを準備し、第3板部材128は先端129を水平に延ばしたものを準備する。
(a)で、第1板部材124の先端下部125aの下コーナー部130は、曲げ加工の後に広がり気味になる。一方、燃料タンクは容器であって、第1板部材124と第2板部材126との間に抑え治具を入れることはできない。抑え治具を入れることができないことと、下コーナー部130が広がって鈍角(90°超)になることと、からダイ122と第1板部材124との間に隙間t1が発生すると共に、下コーナー部130とダイ122との間に隙間t2が発生する。
(c)は(b)のC部拡大図であり、第1板部材124の上コーナー部131は、タンク外から見ると窪んで見え外観性が悪化する。上コーナー部131が所定の位置よりずれたこと及び第1板部材124の先端下部125aがくの字に曲がったままであること、により、先端上部125bが図左へ移動し、巻き代が不十分になり、所望の巻締め性能が得られない。
この巻締めを実施するために、往復移動するパンチと、このパンチの移動線に直交する直交面に対して傾斜させた傾斜面を有するダイとを準備し、
第1〜第2かしめ部は、傾斜面の載せることができるように傾斜させておき、
少なくとも第1かしめ部には、傾斜面に載る第1傾斜部と、この第1傾斜部の先端からパンチの移動線に平行に延ばすとともに第1傾斜部とで鋭角をなす第1直線部とを設けておき、
第1直線部にパンチが当たった後は、第1傾斜部が傾斜面を滑り落ちる方向の分力が、第1板部材に作用するようにして巻締めを行うことを特徴とする。
第1板部材でタンクの底板を構成し、分力がタンク外へ向くように設定すれば、第1かしめ部がタンク内へ移動することはない。したがって、仮にタンクであれば、外観性が良好になり、巻き代を充分に確保することができる。
この結果、請求項1によれば、形状不良や巻締め不良の発生を防止しつつ巻締め工数を低減することのできる技術を提供することができる。
15°未満であれば、分力が小さくなり、第1かしめ部がタンク内へ移動する可能性が生じる。また、45°を超えると、後工程でかしめ部を直交面に平行に直すときに、加工が難しくなる。
したがって、傾斜面は、直交面に対して15°〜45°の範囲で傾斜させることが望ましい。
図1は本発明に係る板部材の巻締めによる締結構造の正面断面図であり、板部材の巻締めによる締結構造10の巻締め部11は、第1板部材12、第2板部材13及び第3板部材14の各々に巻締めのための第1かしめ部15、第2かしめ部16及び第3かしめ部17を備え、これらの第1かしめ部15、第2かしめ部16及び第3かしめ部17同士を締結してなるものであり、第1かしめ部15、第2かしめ部16及び第3かしめ部17の端面21、22、23を内側に包込むように巻締めしたものである。
なお、24はタンク部、25は溶着部である。
また、第3板部材14にも塗装鋼板を使用することで、巻締め部11を含め例えば図示しない燃料タンクの表面全体を塗装鋼板の表面で覆うことができ、図示しない燃料タンクの外観の向上及び耐食性の向上を図ることができる。
巻締めを実施するためには、固定する斜面ダイ31は、往復移動する巻パンチ32の移動線33に直交する直交面34に対して角度θだけ傾斜させた傾斜面35を有することが必要である。
なお、36は円弧部である。
さらに、傾斜面35は、直交面34に対して角度θ、すなわち、15°〜45°の範囲で傾斜させた。15°未満であれば、分力が小さくなり、第1かしめ部がタンク内へ移動する可能性が生じる。また、45°を超えると、後工程でかしめ部を直交面に平行に直すときに、加工が難しくなる。
(a)で、位置決めした3枚の板部材40の第1かしめ部15の第1傾斜部41を斜面ダイ31の傾斜面35に位置決めし、巻パンチ32を矢印Dの如く下降させると、第1かしめ部15の第1直線部42が矢印Eの如く巻パンチ32の円弧部36に沿って曲がろうとする。
(a)で、第1曲げした板部材45を斜面ダイ41にセットし、巻パンチ32(図示せず。)を斜面パンチ46に変えて、この斜面パンチ46を矢印Fの如く下げることで、円弧曲げ部43が矢印Gの如く押し潰される。
(a)で、第2曲げした板部材50における第1かしめ部15の第1傾斜部41の一部51を、平面ダイ52の上面部53に置き、平面パンチ54を矢印Hの如く下降させることで、密着状の曲げ部48が矢印Jの如く下がり、第1傾斜部41が矢印Kの如く平面ダイ52の上面部53に密着する。
この結果、形状不良や巻締め不良の発生を防止しつつ巻締め工数を低減することのできる技術を提供することができる。
また、板部材の巻締め方法を、燃料タンク以外に適用することは差し支えない。
Claims (2)
- 第1板部材の端部の第1かしめ部に、第2板部材の端部の第2かしめ部を重ね、第1〜第2かしめ部を包み込むように巻締めする板部材の巻締め方法において、
この巻締めを実施するために、往復移動するパンチと、このパンチの移動線に直交する直交面に対して傾斜させた傾斜面を有するダイとを準備し、
前記第1〜第2かしめ部は、前記傾斜面の載せることができるように傾斜させておき、
少なくとも第1かしめ部には、前記傾斜面に載る第1傾斜部と、この第1傾斜部の先端から前記パンチの移動線に平行に延ばすとともに第1傾斜部とで鋭角をなす第1直線部とを設けておき、
第1直線部にパンチが当たった後は、第1傾斜部が前記傾斜面を滑り落ちる方向の分力が、第1板部材に作用するようにして巻締めを行うことを特徴とする板部材の巻締め方法。 - 前記傾斜面は、直交面に対して15°〜45°の範囲で傾斜させたことを特徴とする請求項1記載の板部材の巻締め方法。
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