JP2006109283A - デジタル放送信号再送信装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 複数の放送局から複数セグメントにより構成されたデジタル放送信号を受信し、受信した各信号に基づいて、ISDB−T信号を送信する装置10において、デジタル放送信号をチャンネル別に受信する複数の受信部200と、受信したデジタル放送信号の少なくとも1つのセグメントを、予め設定されたセグメント番号に基づいてチャンネル別に選択するキャリア選択回路203と、選択されたセグメントの同期を行うセグメント遅延制御回路301と、同期が行われたセグメントを構成するキャリアをチャンネル別に位相変換し、位相変換された複数のキャリアを連結するキャリアシンボル合成回路303と、連結された信号を前記チャンネルと異なる所定チャンネルから送信する送信変換回路305を備える。
【選択図】 図1
Description
地上デジタルテレビジョン放送では、送信データを13のセグメント(合計帯域幅5.6MHz)に分割して放送する。
家庭などに固定されたテレビは、この13セグメントを一括受信している。一方、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末装置は、この13セグメントのうちの1セグメントのみを受信する部分受信を行っている。
また、地上デジタル放送の携帯・移動受信向けの放送は、伝送路妨害耐性の強い伝送パラメータを用いたセグメントを用いる必要がある。例えば、地上デジタルテレビジョン放送では、携帯・移動受信向けの放送のセグメントである部分受信部は、受信側でのチューニングの容易さから送信時に図7に示すように中央のセグメント(セグメント番号0)に配置される。図7は、地上デジタル放送信号のセグメント構成を示す図である。
地上デジタル放送の再送信の方法としては、複数の送信所又は中継所から同一の周波数を用いて同一内容の信号を送信する単一周波数ネットワーク(SFN;Single Frequency Networks)を組む方法(例えば特許文献1〜特許文献4参照)と、中継局で受信した受信信号に対して周波数変換を行って受信した周波数とは別の周波数で送信する二周波ネットワーク(DFN;Double-Frequency Network)によって組む方法(例えば非特許文献1参照)が知られている。
そして、デジタル放送信号再送信装置は、チャンネル同期手段によって、チャンネル別に選択されたセグメントの同期を行う。そして、位相変換手段によって、同期が行われたセグメントを構成するキャリアをチャンネル別に位相変換し、信号連結手段によって、チャンネル別に位相変換された複数のキャリアを連結する。さらに、送信手段によって、信号連結手段により連結されたキャリアを周波数変換して前記チャンネルと異なる所定のチャンネルから送信する。
図1に示すように、デジタル放送信号再送信装置10は、ISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting for Terrestrial)方式の地上デジタルテレビジョン放送信号を受信し、変換した後に再送信するものである。
受信アンテナ100は、複数の地上デジタル放送信号を受信するものである。
送信アンテナ401及び送信用ケーブル402は地上デジタル放送信号を再送信するためのものであり、送信用ケーブル402は、例えば漏洩同軸ケーブルから構成される。なお、デジタル放送信号再送信装置10は、送信アンテナ401と送信用ケーブル402のいずれか一方のみを有するものとしてもよい。
受信部200は、入力された複数の地上デジタル放送信号から、所望の地上デジタル放送信号を選択して受信するものである。例えば、受信部2001はデジタル放送チャンネル#1、受信部2002はデジタル放送チャンネル#2、受信部200Nはデジタル放送チャンネル#Nを選択する。
この受信部200は、受信変換回路201と、受信同期処理回路204と、フーリエ変換/等化回路202と、キャリア選択回路203とを備えている。
この受信変換回路201は、図2に示すように、ダウンコンバータ211と、A/D変換部212と、直交復調部213とを備えている。図2は、受信部の詳細な構成を示した図である。
A/D変換部212は、IF信号をA/D変換して、複素デジタルIF信号として直交復調部213に出力するものである。
直交復調部213は、複素デジタルIF信号を直交復調してベースバンドI,Q信号に変換して、フーリエ変換/等化回路202に出力するものである。
このフーリエ変換/等化回路202は、図2に示すように、FFT回路221と等化回路222とを備えている。
FFT回路221は、ベースバンドI,Q信号中から有効シンボル期間信号を取り出して高速フーリエ変換(FFT;Fast Fourier Transform)により、周波数領域のキャリアデータに変換して等化回路222に出力するものである。
等化回路222は、FFT回路221が出力するOFDM信号の全キャリアの複素デジタルデータに基づいて、キャリア毎に等化を行い、キャリア毎の複素デジタル信号をキャリア選択回路203に出力するものである。
なお、受信変換回路201及びフーリエ変換/等化回路202とを併せてここでは受信手段として構成している。
送信部300は、各受信部200(2001,2002,…,200N)で得られたセグメントデータをそれぞれ入力し、入力された各セグメントデータに基づいたデジタル放送信号を生成し、送信アンテナ401及び送信用ケーブル402(図1参照)に出力するものである。
この送信部300は、セグメント遅延制御回路301と、キャリアシンボル硬判定回路302と、キャリアシンボル合成回路303と、逆フーリエ変換回路304と、送信変換回路305とを備えている。
放送局の送信装置においては、キャリアデータの信号点は、16個の白抜きの丸のいずれか(「0000」〜「1111」)にマッピングされる。キャリアシンボル硬判定回路302に入力されるキャリアデータは、マルチパスや雑音を含む受信信号から得られているため、送信信号点(「0000」〜「1111」)と異なる位置の複素デジタル信号となっていることがある。例えば図4に示す黒丸Pの位置の複素デジタル信号となっているとする。この場合のキャリアシンボルの硬判定とは、I=±2、Q=±2の判定境界線により、図4に示す黒丸Pから最も近い信号点(白抜きの丸「0011」)が送信信号であると判断し、図4に示す黒丸Pを、白抜きの丸「0011」の複素デジタル信号に変更することである。すなわち、キャリアシンボル硬判定回路302に入力されるキャリアデータのシンボルが、I=2の判定境界線と、Q=2の判定境界線と、I軸と、Q軸とで囲まれた領域にある場合には、送信信号は「0011」で示される信号点であると推定される。同様に、I−Q平面上において、判定境界線及びI軸、Q軸で仕切られる各領域においても、受信キャリアシンボルから送信信号点が推定される。これによれば、受信OFDM信号にマルチパスや雑音の影響が含まれていてもこれらを除去することができる。
このキャリアシンボル合成回路303は、位相変換部331と、信号連結部332とを備えている。
信号連結部(信号連結手段)332は、位相変換部331が出力する複素デジタル信号に基づいて、各チャンネル別に選択されたセグメントを連結し、逆フーリエ変換回路304に出力するものである。
キャリアデータの複素デジタル信号の位相回転量は、ISDB−T方式の「ガード比」と、(再)送信信号及び受信信号の「全帯域における対象セグメントの周波数配置位置」によって決定される。なお、ガード比は、ガードインターバル期間Tgと有効シンボル長Tuとの比のことであり、ISDB−T方式では、1/4,1/8,1/16もしくは、1/32である。
本実施形態においては、この受信信号における対象セグメント(キャリア選択回路203がチャンネル別に選択するセグメント)の周波数配置と、この対象セグメントに基づいてデジタル放送信号再送信装置10が送信する(再)送信信号に合成されたときの対象セグメントの周波数配置との関係が重要なので、図5に示す「セグメント周波数位置番号」を導入する。図5は、セグメント周波数位置番号を説明するための説明図である。セグメント周波数位置番号は、図5に示すように、低い周波数のセグメントから順に割り付けられている。例えば、セグメント周波数位置番号「0」は、図7に示すセグメント番号「11」に対応し、セグメント周波数位置番号「6」は、図7に示すセグメント番号「0」に対応する。
キャリアシンボル合成回路303は、位相変換部331によって、このRp(k)で表されるセグメントデータを後記のように位相回転し、信号連結部332によって、各チャンネルのセグメントデータを連結する。このとき、連結されたセグメントデータのうち、Rp(k)に対応していてセグメント周波数位置番号がq(q=0,1,2,…,Q−1,ただしQの最大値=13)となった複素デジタル信号Sq(k)がチャンネル別に連結されて、連結されたセグメントデータとして出力される。
式(1)において、ガード比と(q−p)との積が整数であれば、位相回転量φ(p,q)は2πの整数倍(ラジアン)となる。したがって、このときには位相回転を施してもシンボルの位置が変化しないので位相変換部331は位相回転を施さない。一方、式(1)において、ガード比と(q−p)との積が整数ではないときには、位相変換部331はシンボルごとに位相回転を施す。
逆フーリエ変換回路304は、キャリアシンボル合成回路303が出力するキャリアデータをシンボルごとに逆フーリエ変換することにより、時間領域に変換したOFDM信号を生成し、送信変換回路305に出力するものである。
この逆フーリエ変換回路304は、IFFT回路341と、信号複製挿入部342とを備えている。
信号複製挿入部342は、各シンボル毎に、IFFT回路342が生成した有効シンボル期間信号の後部を複製したガードインターバル信号を、この有効シンボル期間信号の前に挿入することにより、ベースバンドのOFDM信号を生成するものであるが、さらに、ISDB−T方式の送信に適合するようにISDB−T方式で定義したパイロットや制御データ等を改めて挿入する機能を有する。なお、パイロットは、受信側で等化処理に利用するために送信信号に挿入されるものであり、受信側では、どのシンボルのどのキャリアに対して、どの変調レベルで挿入されているかが既知となっている。
直交変調部351は、逆フーリエ変換回路304が出力するOFDM信号を直交変調してD/A変換部352に出力するものである。
D/A変換部352は、直交変調部351が直交変調したOFDMデジタル信号をD/A変換し、アップコンバータ353に出力するものである。
アップコンバータ353は、D/A変換部352が出力するOFDMアナログ信号を送信周波数に周波数変換して、送信アンテナ401及び送信用ケーブル402に出力するものである。
なお、逆フーリエ変換回路304及び送信変換回路305とを併せてここでは送信手段として構成している。
[チャンネル毎の受信部の動作]
デジタル放送信号再送信装置10は、複数の放送局からISDB−T方式の地上デジタル放送信号を受信する。受信部200において受信したISDB−T方式の地上デジタル放送信号(OFDM信号)は、受信変換回路201のダウンコンバータ211に入力され、ダウンコンバータ211において、IF信号に周波数変換される。さらに、A/D変換部212において、A/D変換され、直交復調部213において、直交復調されて複素ベースバンド信号としてI,Q信号が出力される。このI,Q信号は、FFT回路221においてフーリエ変換(FFT処理)され、さらに、等化回路222により等化が行われOFDM信号のキャリア毎の複素デジタル信号として出力される。この等化が行われたOFDM信号のキャリア毎の複素デジタル信号から、キャリア選択回路203によって、予め設定されたセグメント番号(例えば「0」)のセグメントに所属するセグメントデータが抽出される。ここで抽出されたセグメントデータは送信部300に供給される。
送信部300に入力されたチャンネル別のセグメントデータは、セグメント遅延制御回路301によって、受信部2001が受信するデジタル放送チャンネル♯1の信号を基準として、各チャンネルの遅延調整が行われる。これにより、各受信部200(2001,2002,…,200N)の同期がなされる。同期が行われた各セグメントデータのキャリアデータすべては並列に一斉にキャリアシンボル硬判定回路302に出力する。キャリアデータは、キャリアシンボル硬判定回路302によって、硬判定が行われて、マルチパス及び雑音の影響が除去される。マルチパス及び雑音の影響が除去されたキャリアデータは、チャンネル毎に、送信(再送信)されるセグメントデータの周波数配置に応じて、位相変換部331によって、式(1)の回転量の位相回転が施される。そして、信号連結部332によって、各チャンネル別に選択されたセグメントが連結される。セグメントが連結されたキャリアデータは、IFFT回路341によって、1シンボル分のキャリアデータが逆フーリエ変換され、有効シンボル期間信号が生成される。この有効シンボル期間信号は信号複製挿入部342によって、各シンボル毎に、ガードインターバル信号が複製されて挿入される。さらに、パイロットや制御データ等が挿入され、ベースバンドのOFDM信号が生成される。このOFDM信号は、直交変調部351によって直交変調され、D/A変換部352によってD/A変換され、アップコンバータ353によって送信周波数に周波数変換される。これにより、ISDB−T方式のデジタル放送信号が送信アンテナ401及び送信用ケーブル402から出力される。
前提としては、デジタル放送信号再送信装置10が受信する地上デジタルテレビジョン放送を放送する放送事業者には、5.6MHzの帯域幅を有するチャンネルが割り当てられており、放送事業者は、割り当てられたチャンネルで、ISDB−T方式のOFDM信号の13セグメントを放送するものとする。また、複数の放送事業者が存在し、例えば5つのチャンネルが、図6に示すようにch13、ch14、ch15、ch17、ch18のように割り当てられて放送されているとする。それに対応するように、このデジタル放送信号再送信装置10は、受信部200(2001,2002,2003,2004,2005)が前記5チャンネルを受信できるように構成されている。
このとき、ch13のセグメントは連結後のセグメント周波数位置番号q1が「4」、ch14のセグメントは連結後のセグメント周波数位置番号q2が「5」、ch15のセグメントは連結後のセグメント周波数位置番号q3が「6」、ch17のセグメントは連結後のセグメント周波数位置番号q4が「7」、ch18のセグメントは連結後のセグメント周波数位置番号q5が「8」となるようにそれぞれ連結される。なお、この例では、連結されて再送信される信号は、5つのセグメントから構成されているが、最大13チャンネル分のセグメントを連結することが可能である。この例のようにセグメント数が少ない(例えば5個)場合、送信データのなるべく中央のセグメントを使用することにより良好なフィルタ構成とすることができる。
また、本実施形態において、セグメント遅延制御回路301は、各セグメントデータのキャリアデータすべてを同期して並列に一斉に出力するものとしたが、受信部200から入力される各セグメントデータの全キャリアデータを、送信すべきキャリア番号順に直列に並べて出力するように遅延制御を行うものとしてもよい。
また、OFDM信号の変調は、16QAMとして説明したが、これに限られるものではなく、例えば、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、64QAMなど任意の変調に適用可能であることはもちろんである。
200 受信部
201 受信変換回路(受信手段)
202 フーリエ変換/等化回路
203 キャリア選択回路(セグメント選択手段)
204 受信同期処理回路
300 送信部
301 セグメント遅延制御回路(チャンネル)
302 キャリアシンボル硬判定回路(キャリアシンボル硬判定手段)
303 キャリア合成回路
304 逆フーリエ変換回路
305 送信変換回路(送信手段)
331 位相変換部(位相変換手段)
332 信号連結部(信号連結手段)
401 送信アンテナ
402 送信用ケーブル
Claims (3)
- 複数の放送局からISDB−T方式の複数のセグメントにより構成されたデジタル放送信号を受信し、受信した各信号に基づいて、ISDB−T方式のデジタル放送信号を送信するデジタル放送信号再送信装置において、
前記デジタル放送信号をチャンネル別に受信する複数の受信手段と、
この受信手段により受信したデジタル放送信号から少なくとも1つのセグメントを、予め設定されたセグメント番号に基づいてチャンネル別に選択するセグメント選択手段と、
このセグメント選択手段によりチャンネル別に選択されたセグメントの同期を行うチャンネル同期手段と、
このチャンネル同期手段により同期が行われたセグメントを構成するキャリアをチャンネル別に位相変換する位相変換手段と、
この位相変換手段によりチャンネル別に位相変換された複数のキャリアを連結する信号連結手段と、
この信号連結手段により連結されたキャリアを周波数変換して前記チャンネルと異なる所定のチャンネルから送信する送信手段と、
を備えることを特徴とするデジタル放送信号再送信装置。 - 前記セグメント選択手段は、地上デジタルテレビジョン放送の携帯・移動受信向け放送のセグメントである部分受信部のセグメントを選択することを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送信号再送信装置。
- 前記受信手段が受信したデジタル放送信号のキャリアシンボルを硬判定することにより送信側で送信したと思われる送信信号点を推定するキャリアシンボル硬判定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のデジタル放送信号再送信装置。
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