JP2006108446A - 剥離剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】アッシング後に発生する部材由来のデポを効果的に除去でき、部材材料に対して安定した低腐食性を有し、低残留性および廃水処理の観点から適し、さらには水での希釈が可能な剥離剤組成物、該組成物を用いる半導体基板または半導体素子の剥離洗浄方法、ならびに該組成物を用いて剥離洗浄する工程を有する半導体基板または半導体素子の製造方法を提供すること。
【解決手段】分子性酸の共役塩基、分子性塩基の共役酸および水を含有する剥離剤組成物であって、以下(1)、(2)および(3)の特性を有する剥離剤組成物:(1)該共役塩基が2種以上の分子性酸の共役塩基である、(2)該2種以上の分子性酸の標準試験によるアルミナ溶解量が、それぞれ単独の分子性酸のアルミナ溶解量の最大値よりも大きい、(3)水の含有量が剥離剤組成物中50重量%以上である;ならびに該剥離剤組成物を用いて半導体基板または半導体素子を洗浄する工程を有する半導体基板または半導体素子の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、シリコンウェハなどの半導体用基板上に半導体素子を形成する工程において使用したレジストをアッシングにより除去した後に残存するデポ(金属材料由来の酸化生成物など)の剥離に用いられる剥離剤組成物、該剥離剤組成物の製造方法、該剥離剤組成物に用いられる溶解剤、該剥離剤組成物を用いる半導体用基板および半導体素子の剥離洗浄方法、ならびに該剥離剤組成物を用いて剥離洗浄する工程を有する半導体基板または半導体素子の製造方法に関する。
半導体素子の製造において、スパッタリングなどの方法で薄膜を形成し、リソグラフィーにより薄膜上に所定のパターンをレジストで形成する。これをエッチングレジストとして下層部の薄膜を選択的にエッチングで除去した後、アッシングにてレジストを除去する工程が取られる。その後、残存するデポを剥離剤を用いて除去する工程が必要とされる。
従来の金属配線を用いた半導体素子の剥離剤として様々な剥離剤組成物が提案されており、ヒドロキシルアミンに代表されるアミンを用いた剥離剤、含フッ素化合物を用いた剥離剤などが主に使用されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特開平6−266119号公報 特開平11−67632号公報
本発明の目的は、アッシング後に発生する部材由来のデポを効果的に除去でき、部材材料に対して安定した低腐食性を有し、低残留性および廃水処理の観点から適し、さらには水での希釈が可能な剥離剤組成物、該組成物を用いる半導体基板または半導体素子の剥離洗浄方法、ならびに該組成物を用いて剥離洗浄する工程を有する半導体基板または半導体素子の製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明の要旨は
〔1〕分子性酸の共役塩基、分子性塩基の共役酸および水を含有する剥離剤組成物であって、以下(1)、(2)および(3)の特性を有する剥離剤組成物:
(1)該共役塩基が2種以上の分子性酸の共役塩基である
(2)該2種以上の分子性酸の標準試験によるアルミナ溶解量が、それぞれ単独の分子性酸のアルミナ溶解量の最大値よりも大きい
(3)水の含有量が剥離剤組成物中50重量%以上である;
〔2〕分子性塩基、分子性塩基の塩および分子性酸の塩からなる群より選ばれる1種以上と2種以上の分子性酸と水を混合して得られる剥離剤組成物であって、該2種以上の分子性酸の標準試験によるアルミナ溶解量が、それぞれ単独の分子性酸のアルミナ溶解量の最大値よりも大きい、剥離剤組成物;
〔3〕分子性塩基、分子性塩基の塩および分子性酸の塩からなる群より選ばれる1種以上と2種以上の分子性酸と水とを混合する工程を有する、前記〔1〕または〔2〕記載の剥離剤組成物の製造方法;
〔4〕前記〔1〕または〔2〕記載の剥離剤組成物を用いて半導体基板または半導体素子を洗浄する工程を有する半導体基板または半導体素子の製造方法;
〔5〕2種以上の分子性酸を含有する剥離剤組成物用溶解剤であって、標準試験によるアルミナ溶解量が、それぞれ単独の分子性酸のアルミナ溶解量の最大値よりも大きい剥離剤組成物用溶解剤;ならびに
〔6〕1種以上の分子性酸を含有する組成物(I)と、(I)とは異なる1種以上の分子性酸を含有する組成物(II)との組み合わせからなる剥離剤組成物用溶解剤のキット
に関する。
本発明の組成物は、アッシング後に発生する金属部材由来のデポに対して低温短時間での剥離性に優れ、かつ金属部材材料に対する防食性に優れる。さらに、本発明の組成物は、上記効果を維持したまま水での希釈が可能であり、環境への負荷を低減できるという効果を奏する。従って、本発明の組成物を用いることで、半導体素子の高速化、高集積化および大量生産が可能となり、品質の優れたLCD、メモリ、CPUなどの電子部品を製造することができるという効果が奏される。
近年、半導体素子の高速化、高集積化および大量生産性の要求が高まるにつれ、低温短時間で高度の剥離性を発現することが要求される一方で、洗浄時に剥離剤による部材(例えば、配線)の腐食(エッチング)が生じにくいこと、および洗浄後の剥離剤が残留しにくく、排水処理の負荷が軽減されることが求められている。
しかしながら、従来のアミンを用いた剥離剤では、高温で長時間の処理が必要であり、剥離機能を含フッ素化合物に依存する剥離剤組成物は、含フッ素化合物のアルミニウム含有部材に対する腐食性が大きくなるため、部材の大きさによらずに低腐食性を維持することが困難である。さらに、含フッ素化合物は、水との混合で部材の腐食を起こす恐れがあり、かかる部材腐食性を緩和するために、溶剤の併用を必要とするので、廃水処理の観点からも改善が必要である。
本発明者らは、かかる課題を解決するため、水系を基調とし、酸、塩基および/またはこれらの塩との組合せに係る組成物の剥離性および防食性を検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の組成物は、分子性酸の共役塩基、分子性塩基の共役酸および水を含有する剥離剤組成物であって、以下の特性:
(1)該共役塩基が2種以上の分子性酸の共役塩基である、
(2)該2種以上の分子性酸の標準試験によるアルミナ溶解量が、それぞれ単独の分子性酸のアルミナ溶解量の最大値よりも大きい、ならびに
(3)水の含有量が剥離剤組成物中50重量%以上である
を有する。
かかる特徴を有していることにより、本発明の組成物は、アッシング後に発生する金属部材由来のデポに対する低温短時間での剥離性、および金属部材材料に対する安定した低腐食性に優れるという効果を奏する。本発明の組成物は特に、2種以上の分子性酸の共役塩基を含有していることにより、1種の分子性酸の共役塩基を含有している組成物と比較して、金属部材由来のデポに対して非常に優れた剥離性を有する。
本発明の組成物はまた、上記効果を維持したまま水での希釈が可能であり、環境への負荷を低減することができるという効果を奏する。
一方、例えば、フッ化水素、フッ化アンモニウム、フッ酸のアミン塩などの含フッ素化合物を有効成分として含有する水系の剥離剤組成物においては、水の含有率が増加するにつれて金属の腐食がより顕著に発生するようになるという傾向がある。したがって、本発明において、水を含有し、含フッ素化合物を実質的に含有しないことが好ましい。含フッ素化合物を実質的に含有しないとは、具体的には、本発明の組成物中の含フッ素化合物の含有量が0.1重量%以下であることをいい、好ましくは0.05重量%以下、より好ましくは0.01重量%以下、さらに好ましくは0.001重量%以下であり、特に好ましくは含まないことである。また、本発明の組成物中の水の含有量は、50重量%以上であり、薬液安定性、作業性、廃液処理などの環境性の観点、ならびに剥離性の観点から、好ましくは60〜99.7重量%、より好ましくは70〜99.4重量%、さらに好ましくは90〜99.4重量%である。
本発明において標準試験とは、以下の手順によって行われる試験をいう:
1)100ml容のポリエチレン容器に、分子性酸の0.2重量%水溶液20gを入れ、40℃の恒温槽中で恒温化する。
2)次に、アルミナ粉末(フジミコーポレーション社製:商品名「WA-10000」;平均粒径0.5μm)0.1gを添加し、30分間十分撹拌する。
3)上澄み10gを遠心チューブに分取し、遠心分離装置(日立製作所社製:商品名「himac CP56G」)を用い、20000r/min、15分間の条件で分離を行い、その結果生じた上澄み液をICP発光分析装置(堀場製作所社製:商品名「JY238」)を用いてアルミニウムの発光強度を測定する。
4)アルミナの溶解量は、既知の濃度のアルミニウム水溶液により作成した検量線から求める。
なお、測定をより良好に行う観点から、3)においてアルミニウムの発光強度を測定する際には、上澄み液を超純水を用いて10倍に希釈して測定を行い、検量線範囲(0〜2ppm)を超えた場合は、再度10倍希釈し測定する。また、4)においてはアルミニウム水溶液(1000ppm)をそれぞれ超純水にて10000倍希釈(0.1ppm)、500倍希釈(2.0ppm)したものを原子吸光分析して検量線(3点検量)を作成する。
本発明において分子性酸とは、ブレンステッド酸であり分子のものをいう。分子性酸としては、例えば、ホスホン酸、硫酸、硝酸、リン酸、塩酸などの無機酸、および有機硫酸、有機ホスホン酸、カルボン酸などの有機酸が挙げられる。
分子性酸の共役塩基としては、例えば、ホスホン酸の共役塩基であるホスホン酸イオン;硫酸の共役塩基である硫酸水素イオンおよび硫酸イオン;硝酸の共役塩基である硝酸イオン;リン酸の共役塩基であるリン酸水素イオンおよびリン酸イオン;塩酸の共役塩基である塩素イオン;メチル硫酸の共役塩基であるメチル硫酸イオン;1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸の共役塩基である1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸イオン;酢酸の共役塩基である酢酸イオン;シュウ酸の共役塩基であるシュウ酸イオン;スルホン酸の共役塩基であるスルホン酸イオン、メタンスルホン酸の共役塩基であるメタンスルホン酸イオン、スルホコハク酸の共役塩基であるスルホコハク酸イオンなどが挙げられる。
本発明の組成物に含有される分子性酸の共役塩基は、共役塩基が由来する分子性酸の標準試験によるアルミナ溶解量が、それぞれ単独の分子性酸の標準試験によるアルミナ溶解量の最大値よりも大きくなるように選択されることが必要である。分子性酸の共役塩基がこのように選択されることにより、本発明の組成物は、1種類の分子性酸の共役塩基を含有している剥離剤組成物と比較してアルミナに対して優れた溶解性が発現される。すなわち、良好なアルミニウム配線由来のデポ剥離性が得られる。
従って、本発明の組成物に含有される2種以上の分子性酸の共役塩基としては、低温度短時間での剥離性を確保する観点から、ホスホン酸イオン、硫酸水素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸イオン、塩素イオン、メチル硫酸イオン、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸イオン、酢酸イオン、シュウ酸イオン、スルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオンおよびスルホコハク酸イオンからなる群より選択される2種以上の分子性酸の共役塩基が好ましく、シュウ酸イオン、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸イオン、硫酸イオンおよびホスホン酸イオンからなる群より選択される2種以上の分子性酸の共役塩基がより好ましく、シュウ酸イオン、硫酸イオンおよびホスホン酸イオンからなる群より選択される2種以上の分子性酸の共役塩基がさらに好ましく、シュウ酸イオンと硫酸イオンの組み合わせがさらにより好ましい。
本発明の組成物における、2種以上の分子性酸の共役塩基の合計の含有量は、組成物中、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜3重量%、さらに好ましくは0.01〜2重量%である。
本発明の組成物に含有される分子性酸の共役塩基の組成比は、2種以上の分子性酸の共役塩基が含有されている限り限定されないが、低温度短時間での剥離性を確保する観点から、組成物に最も多く含有されている共役塩基(以下、最大含有共役塩基という)と組成物に最も少なく含有されている共役塩基(以下、最小含有共役塩基という)との重量比(最大含有共役塩基/最小含有共役塩基)が90/10〜50/50が好ましく、70/30〜50/50がより好ましく、50/50、すなわち、最大含有共役塩基と最小含有共役塩基とが等重量であることがさらに好ましい。
本発明において分子性塩基とは、ブレンステッド塩基であり分子のものをいう。分子性塩基としては、例えば、アンモニア、アルキルアミン類、ヒドロキシルアミン類、アルカノールアミン類、ポリアミン類、芳香族アミン類、アルキルアンモニウムヒドロキシド類、アルキルモノアミン類、環状アミン類などが挙げられる。
分子性塩基の共役酸としては、アンモニアの共役酸であるアンモニウムイオン、アルキルアミン類の共役酸であるアルキルアンモニウムイオン、ヒドロキシルアミン類の共役酸であるヒドロキシルアンモニウムイオン、アルカノールアミン類の共役酸であるアルカノールアンモニウムイオン、ポリアミン類の共役酸であるポリアンモニウムイオン、芳香族アミン類の共役酸である芳香族アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムヒドロキシド類の共役酸である第四級アンモニウムイオンおよび環状アミン類の共役酸である環状アンモニウムイオンなどが挙げられる。
本発明の組成物における、前記共役塩基および前記共役酸の組成比(共役塩基/共役酸)は、重量比で、2/1〜1/30が好ましく、1/2〜1/30がより好ましく、1/4〜1/30がさらに好ましく、1/6〜1/25がさらにより好ましい。なお、共役塩基および共役酸の組成比ならびに含有量は、イオンクロマトグラフ法で測定することができる。
本発明の組成物は、さらに、アルミニウム配線由来のデポ剥離性ならびに配線防食性を大きく低減させない範囲で、任意にその他の添加剤を含有しても良い。例えば、浸透性などを付与するために、水溶性溶剤を含有することも可能であり、その含有量は30重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましく、10重量%以下がさらに好ましい。水溶性溶剤としてはブチルジグリコールなどのグリコール系化合物が挙げられる。その他、防食剤、界面活性剤、防腐剤などを添加することができる。金属不純物の付着を低減する観点からNaOHなどの金属原子を含有する無機塩基を添加する場合、組成物中の含有量は、好ましくは100ppb以下、より好ましくは50ppb以下、さらに好ましくは20ppb以下であり、特に好ましくは含まないことである。
本発明の組成物は、前記分子性塩基の共役酸および前記異なる2種以上の分子性酸の共役塩基ならびに必要に応じて前記他の添加剤を公知の方法で混合して調製することができる。
かかる場合、分子性塩基の共役酸は、分子性塩基由来であっても、分子性塩基の塩由来であっても、分子性酸の塩由来であってもよく、分子性酸の共役塩基は分子性酸由来である。例えば、本発明の組成物において、分子性酸の共役塩基として硫酸イオン(SO4 2-)および硝酸イオン(NO3 -)、共役酸としてアンモニウムイオン(NH4 +)を使用する場合は、硫酸イオンは、分子性酸である硫酸(H2SO4)由来の硫酸イオンであり、硝酸イオンは、分子性酸である硝酸(HNO3)由来の硝酸イオンであり、アンモニウムイオンは、分子性塩基であるアンモニア(NH3)由来のアンモニウムイオンであっても、分子性塩基の塩であり分子性酸の塩でもある硫酸アンモニウム((NH4)2SO4)由来のアンモニウムイオンであってもよく、硝酸アンモニウム(NH4NO3)由来のアンモニウムイオンであってもよい。
すなわち、本発明の組成物は、分子性塩基、分子性塩基の塩および分子性酸の塩からなる群より選択される1種以上、前記(2)の特性を有するような分子性酸を2種以上、水、ならびに、必要に応じてさらに前記他の添加剤を公知の方法で混合して調製することができる。
従って、本発明はまた、分子性塩基、分子性塩基の塩および分子性酸の塩からなる群より選択される1種以上と、前記(2)の特性を有するような分子性酸の2種以上と水とを用いて剥離剤組成物を製造する方法を提供する。
分子性酸としては、低温度短時間での剥離性を確保する観点から、ホスホン酸、硫酸、硝酸、リン酸、塩酸、メチル硫酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、酢酸、シュウ酸、スルホン酸、メタンスルホン酸およびスルホコハク酸からなる群より選択される2種以上の分子性酸が好ましく、シュウ酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、硫酸およびホスホン酸イからなる群より選択される2種以上の分子性酸がより好ましく、シュウ酸、硫酸およびホスホン酸からなる群より選択される2種以上の分子性酸がさらに好ましく、シュウ酸と硫酸の組み合わせがさらにより好ましい。
分子性酸の塩としては、例えば、アンモニウム塩、アミン塩、第四級アンモニウム塩などが挙げられる。アミン塩としては、ヒドロキシルアミンやジエチルヒドロキシルアミンなどのヒドロキシルアミン類の塩、エチルアミン、ジブチルアミン、トリメチルアミンなどのアルキルアミン類の塩、モノエタノールアミン、メチルエタノールアミンなどのアルカノールアミン類の塩、アニリン、ベンジルアミンなどの芳香族アミン類の塩などが挙げられる。第四級アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、トリエチルメチルアンモニウム塩などが挙げられる。
分子性塩基としては、アンモニア、アルキルアミン類、ヒドロキシルアミン類、アルカノールアミン類、ポリアミン類、芳香族アミン類、アルキルアンモニウムヒドロキシド類、アルキルモノアミン類、環状アミン類が好ましい。
分子性塩基の塩としては、例えば、ホスホン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、塩酸塩などの無機酸塩、および有機硫酸塩、有機ホスホン酸塩、カルボン酸塩などの有機酸塩などが挙げられる。有機硫酸塩としては、メチル硫酸塩などが挙げられる。有機ホスホン酸塩としては、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸塩などが挙げられる。カルボン酸塩としては、酢酸塩、シュウ酸塩などが挙げられる。
本発明の剥離剤組成物を調製する際の、2種以上の分子性酸の合計の使用量は、組成物中、好ましくは0.01〜5重量%、さらに好ましくは0.01〜3重量%、さらに好ましくは0.01〜2重量%である。分子性酸の組成比は、低温度短時間での剥離性を確保する観点から、組成物に最も多く使用される分子性酸(以下、最大使用分子性酸という)と組成物に最も少なく使用される分子性酸(以下、最小使用分子性酸という)との重量比(最大使用分子性酸/最小使用分子性酸)が90/10〜50/50が好ましく、70/30〜50/50がより好ましく、50/50、すなわち、最大使用共役塩基と最小使用共役塩基とが等重量であることがさらに好ましい。
本発明の剥離剤組成物を調製する際の、分子性酸と、分子性塩基、分子性塩基の塩および分子性酸の塩からなる群より選択される1種以上のものの組成比(分子性酸/(分子性塩基、分子性塩基の塩および分子性酸の塩からなる群より選択される1種以上のもの))は、重量比で、2/1〜1/30が好ましく、1/2〜1/30がより好ましく、1/4〜1/30がさらに好ましく、1/6〜1/25がさらにより好ましい。
本発明はまた、前記剥離剤組成物に使用される溶解剤を提供する。本発明の溶解剤は、2種以上の分子性酸を含有し、該分子性酸は、標準試験によるアルミナ溶解量が、それぞれ単独の標準試験によるアルミナ溶解量の最大値よりも大きくなるように選択されることを特徴とする。かかる溶解剤は、アルミナに対して優れた溶解性を示す。
本発明の溶解剤に含有される分子性酸としては、前記同様の分子性酸が挙げられる。
溶解剤における分子性酸の合計の含有量は、溶解剤中、好ましくは0.01〜5重量%、さらに好ましくは0.01〜3重量%、さらに好ましくは0.01〜2重量%である。
本発明の溶解剤は、2種以上の分子性酸および必要に応じて前記他の添加剤を公知の方法で混合して調製することができる。
本発明の溶解剤はまた、2種以上の分子性酸のうちの1種の分子性酸を含有しない組成物(I)および該組成物(I)が含有しない1種の分子性酸を含有する組成物(II)を混合して調製することもできる。
本発明の組成物は半導体素子や半導体基板の製造工程のいずれの工程で使用しても良い。具体的には、半導体素子製造工程、例えば、レジスト現像後、ドライエッチング後、ウェットエッチング後、アッシング後などの工程で使用することができる。特にデポ剥離性の観点から、アッシング後の剥離工程に用いることが好ましく、特にアルミナを表面に有するアルミニウム含有部材を有する半導体基板や半導体素子におけるデポ剥離性に優れている。
前記剥離剤組成物を調製する際の各成分の濃度は、調製後そのまま使用する際の好ましい濃度であるが、該剥離剤組成物の高濃度品を製造して使用前に希釈することもできる。また、2液に分けて調製したものを使用時に混合して1液にして使用してもかまわない。
本発明の半導体基板または半導体素子の洗浄方法は、前記剥離剤組成物を用いて、金属部材を含む半導体基板または半導体素子を剥離洗浄することを特徴とする。かかる剥離洗浄手段としては、特に限定されるものではなく、浸漬剥離洗浄、揺動剥離洗浄、枚葉剥離洗浄、スピナーのような回転を利用した剥離洗浄、パドル洗浄、気中または液中スプレーによる剥離洗浄、超音波を用いた剥離洗浄などが挙げられるが、中でも、浸漬剥離洗浄と揺動剥離洗浄に好適である。
洗浄温度は、デポの溶解性、デポ剥離性、金属部材材料の防食性、安全性、および操業性の観点から20〜70℃が好ましく、30〜60℃の範囲がより好ましい。なお、前記剥離洗浄手段における、他の洗浄条件については、特に限定はない。
本発明の組成物で洗浄した後のすすぎ工程においては、水すすぎが可能である。従来のフッ化アンモニウム系剥離剤やヒドロキシルアミンなどのアミン系剥離剤は、溶剤系の剥離剤であるために水ではすすぎにくく、また、水との混合で部材などの腐食が起こる恐れがあるため、一般的にイソプロパノールなどの溶剤ですすぐ方法が用いられていた。しかし、本態様の剥離剤組成物は水系である点と、前記塩の含有により部材の腐食が抑えられる点から、水過剰になっても配線の腐食に対する耐性は高い。これにより、水すすぎが可能となり、環境負荷が極めて小さく経済的な半導体基板または半導体素子の洗浄方法が得られる。
本発明の半導体基板または半導体素子の製造方法は、前記洗浄方法を用いる洗浄工程を有する方法であり、具体的には、剥離剤組成物を用いて、半導体基板または半導体素子を剥離洗浄する工程を有することを特徴とする。なお、剥離洗浄する具体的な操作としては、前記のものと同様であれば特に限定はない。前記剥離剤組成物や、前記半導体基板または半導体素子の洗浄方法を用いて得られる半導体基板または半導体素子は、デポの残留がなく金属配線材料の腐食が極めて少ないものであり、従来の剥離剤では配線腐食のために適用できなかった配線幅が180nm以下という微細な半導体基板または半導体素子の剥離洗浄にも使用できるため、より小型で高性能なLCD、メモリ、CPUなどの電子部品の製造に好適に使用できる。
なお、本発明は、アルミニウム、銅、タングステン、チタンなどの金属を含む部材を有する半導体基板および半導体素子の製造に適しており、アルミナに対する溶解性に優れるため、中でもアルミナを表面に有するアルミニウム含有部材を含む半導体基板または半導体素子の製造に好適に用いられる。
実施例1〜6および比較例1〜6
表1に示す組成(数値は重量%)の剥離剤組成物用溶解剤を調製した。なお、実施例1〜6および比較例1〜6で得られた溶解剤のアルミナ溶解量を前記標準試験に従って測定し、その結果を表1に示す。
Figure 2006108446
実施例7〜12および比較例7〜9
1.評価用ウェハの作製
エッチング工程とアッシング工程を経て、デポが付着した以下の構造を有するアルミニウム配線(配線幅:110nm)を用いたパターン付きウェハを1cm角に分割し、これを使用した。
(アルミニウム配線の構造)
TiN/Al-Cu/TiN/SiO2/下地
2.剥離剤組成物の調製
表2および4に示す組成(数値は重量%)の剥離剤組成物を調製した。
3.アルミナ溶解量の測定
前記標準試験において、分子性酸の代わりに剥離剤組成物を用いて測定を行った。
4.アルミニウム配線デポの剥離性評価
(1)剥離方法:30mlの剥離剤組成物に40℃で10分間、評価用ウェハを浸漬し、剥離した。
(2)すすぎ方法:30mlの超純水に25℃で1分間、評価用ウェハを浸漬し、これを2回繰り返してすすぎとした。
(3)評価方法:すすぎを終えた評価用ウェハの乾燥後、FE-SEM(電子走査型顕微鏡)を用いて50000倍〜100000倍の倍率下で以下のようにアルミニウム配線(Al配線)デポの剥離性および防食性の評価を下記の四段階で行った。
(Al配線デポ剥離性)
◎:デポの残存が全く確認されない
○:デポが一部残存している
△:デポが大部分残存している
×:デポ除去できず
(Al配線防食性)
◎:Al配線の腐食が全く確認されない
○:絶縁材料の腐食が一部発生している
△:絶縁材料の腐食が大部分発生している
×:絶縁材料の腐食が発生している
なお、合格品はAl配線デポ剥離性およびAl配線防食性が◎〜○であるものとする。
Figure 2006108446
実施例7〜12で使用した剥離剤組成物を別の視点から捉えると、該組成物は、表3に示すような分子性酸の共役塩基および分子性塩基の共役酸を含有する。
Figure 2006108446
Figure 2006108446
本発明品は、アルミナ溶解量が高く、低温短時間(40℃10分)でも十分なAl配線デポ剥離性を有し、かつ良好なAl配線防食性を得ることができる。一方、比較品は、低温短時間の剥離性または防食性が不十分である。
本発明の組成物は、高速化および高集積化がより進んだ、品質の優れたLCD、メモリ、CPUなどの電子部品の大量製造に適用することができる。

Claims (8)

  1. 分子性酸の共役塩基、分子性塩基の共役酸および水を含有する剥離剤組成物であって、以下(1)、(2)および(3)の特性を有する剥離剤組成物:
    (1)該共役塩基が2種以上の分子性酸の共役塩基である
    (2)該2種以上の分子性酸の標準試験によるアルミナ溶解量が、それぞれ単独の分子性酸のアルミナ溶解量の最大値よりも大きい
    (3)水の含有量が剥離剤組成物中50重量%以上である。
  2. 分子性塩基、分子性塩基の塩および分子性酸の塩からなる群より選ばれる1種以上と2種以上の分子性酸と水を混合して得られる剥離剤組成物であって、該2種以上の分子性酸の標準試験によるアルミナ溶解量が、それぞれ単独の分子性酸のアルミナ溶解量の最大値よりも大きい、剥離剤組成物。
  3. 分子性酸が硫酸、硝酸、リン酸、ホスホン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、スルホコハク酸および1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸からなる群より選ばれる、請求項1または2記載の剥離剤組成物。
  4. アルミナを表面に有するアルミニウム含有部材からなる半導体基板または半導体素子に用いる請求項1〜3いずれか記載の剥離剤組成物。
  5. 分子性塩基、分子性塩基の塩および分子性酸の塩からなる群より選ばれる1種以上と2種以上の分子性酸と水とを混合する工程を有する、請求項1〜4いずれか記載の剥離剤組成物の製造方法。
  6. 請求項1〜4いずれか記載の剥離剤組成物を用いて半導体基板または半導体素子を洗浄する工程を有する半導体基板または半導体素子の製造方法。
  7. 2種以上の分子性酸を含有する剥離剤組成物用溶解剤であって、標準試験によるアルミナ溶解量が、それぞれ単独の分子性酸のアルミナ溶解量の最大値よりも大きい剥離剤組成物用溶解剤。
  8. 1種以上の分子性酸を含有する組成物(I)と、(I)とは異なる1種以上の分子性酸を含有する組成物(II)との組み合わせからなる剥離剤組成物用溶解剤のキット。
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