JP2006107797A - 多光軸光電センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】対象となる危険領域の幅や最小検出物体の直径などに応じて、投受光用柱体の長さや光軸数や光軸ピッチなどを柔軟に選択して製造可能とした多光軸光電センサを提供する。
【解決手段】投光器列及び/又は受光器列が、1光軸分の光学系と、1光軸分の電気回路と、シフトレジスタの1ステージ分に相当するフリップフロップとを一体化し、底部にはフラットケーブルの各芯線に接続可能な圧接式端子ピンが突出する光学モジュールを、所要光軸数に対応する個数だけ用意してなる光学モジュール群と、個々のコの字状保持部のそれぞれに光学モジュール群を保持させて光学モジュール列組立体を構成する支持フレームと、一端に位置する光学モジュールから他端に位置する光学モジュールまで接続される共通導電線と、隣り合う投光用モジュール間のみを接続する隣接モジュール間導電線とが、それぞれの導電線の絶縁を保った状態で一体化されたフラットケーブルとを含む。
【選択図】図5

Description

本発明は、危険領域への人体侵入などの監視に用いられる多光軸光電センサに係り、特に、対象となる危険領域の幅や最小検出物体の直径などに応じて、投受光用柱体の長さや光軸数や光軸ピッチなどを柔軟に変更可能とした多光軸光電センサに関する。
この種の多光軸光電センサは、よく知られているように、柱状ケース内に投光器列を収容してなる投光用柱体と、柱状ケース内に受光器列を収容してなる受光用柱体とを有し、それらの投受光用柱体を適当な間隔をあけて投受光面が対向するように配置することにより、投受光用柱体間に物体検出用光カーテンが生成される。
従来、柱状ケース内に収容される投受光器列は、一般的に、単位光軸数(例えば、4光軸、8光軸、16光軸など)を有する多軸光学モジュールの組み合わせにより構成されていた。この多軸光学モジュールは、単位光軸数分の光学要素(投光器であれば発光素子と投光レンズ、受光器であれば受光素子と受光レンズ)を、光軸ピッチが固定された樹脂製ホルダにより一体的に保持したものである。
しかし、このような従来の多光軸光電センサにあっては、光軸数や光軸ピッチの固定された多軸光学モジュールの組み合わせにより、投受光用柱体の長さや光軸数や光軸ピッチなどを決定するものであるため、対象となる危険領域の幅や最小検出物体の直径などに応じて、投受光用柱体の長さや光軸数や光軸ピッチなどを柔軟に変更することがなかなか困難であった。
そこで、本出願人は、先に、柱状ケース内に収容される投光器列および受光器列が、1軸光学モジュールの集合体で構成された新規な多光軸光電センサを提案している(特許文献1参照)。
このような新規な多光軸光電センサによれば、柱状ケース内に収容される投光器列および受光器列は、1軸光学モジュールの集合体で構成されるため、1光軸単位で投受光用柱体の長さを選択して製造できるため、対象となる危険領域幅にぴったりと適合する光カーテンを生成できるという利点があった。
特開2002−124170号公報
しかしながら、このような先の本出願人の提案に係る多光軸光電センサにあっては、投光用光学系または受光用光学系を構成する光学部品については個々のモジュール内に収容されているものの、個々のモジュールに対応する投光回路や受光回路といった電気部品については、個々に分断が不可能な回路基板上に一体的に搭載されていたため、実際には、必要とされる投受光用柱体の長さや光軸数や光軸ピッチなどに合わせて、回路基板上のプリントパターンを変更せねばならず、その分だけ完成に遅れを生じ、かつコストアップに繋がるといった問題点が指摘されている。
この発明は、上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、対象となる危険領域の幅や最小検出物体の直径などに応じて、投受光用柱体の長さや光軸数や光軸ピッチなどを柔軟に選択して製造可能とした多光軸光電センサを提供することにある。
この発明のさらに他の目的ならびに作用効果については、以下の明細書の記載を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
この発明の多光軸光電センサは、柱状ケース内に投光器列を収容してなる投光用柱体と、柱状ケース内に受光ケースを収容してなる受光用柱体とを有し、それらの投受光用柱体を適当な間隔をあけて投受光面が対向するように配置することにより、投受光用柱体間に物体検出用光カーテンが生成されるようにしたものである。
このような多光軸光電センサにおいて、投光器列および/または受光器列は、所定の構成を有する光学モジュール群と、所定の構成を有する支持フレームと、所定の構成を有するフラットケーブルとを含む。
光学モジュール群は、1光軸分の光学系と、1光軸分の電気回路と、シフトレジスタの1ステージ分に相当するフリップフロップとを一体化してなると共に、それぞれの底部にはフラットケーブルの各芯線に接続可能な圧接式端子ピンが突出する光学モジュールを、所要光軸数に対応する個数だけ用意してなるものである。
支持フレームは、所定ピッチでコの字状保持部を1列に配列してなる剛性体であって、個々のコの字状保持部のそれぞれに光学モジュール群を構成する各光学モジュールを保持させることにより、光学モジュール列組立体を構成する。
フラットケーブルは、光学モジュール列組立体の一端に位置する光学モジュールから他端に位置する光学モジュールまで共通に接続される共通導電線と、隣り合う投光用モジュール間のみを互いに接続する隣接モジュール間導電線とが、それぞれの導電線の絶縁を保った状態で一体化されている。
さらに、本発明の多光軸光電センサにあっては、光学モジュール列組立体を構成する各光学モジュールのそれぞれは、圧接式端子ピンを介してフラットケーブルと電気的に接続されており、隣接する光学モジュール内のフリップフロップ同士を隣接モジュール間導電線で従属接続することでシフトレジスタが構成され、それによりシフトレジスタにより順送りされるデータによって、光学モジュール列組立体を構成する各光学モジュールが順次に作動するようになっている。
このような構成によれば、支持フレーム上には、所定ピッチでコの字状保持部が1列に配列され、個々のコの字状保持部のそれぞれに光学モジュール群を構成する各光学モジュールが保持される一方、この支持フレームは剛性体で構成されるため、この支持フレームによって光学モジュール群は規定ピッチで1列に配列された状態で整列位置決めされ、光学モジュール列組立体が構成される。
つまり、フラットケーブル上に個々の光学モジュール群を任意の位置に電気的に接続できることに加え、あらかじめ接続位置は支持フレーム上のコの字状保持部の位置によって規定されるため、支持フレーム上のコの字状保持部の個数およびピッチを適切に設定しておきさえすれば、これに併せて所望のピッチ、光軸数、長さを有する光学モジュール列組立体を取得し、これに基づき多光軸光電センサを完成することができる。
このとき、支持フレームの素材としては剛性を有する金属としてもよい。このように支持フレームの素材として金属を利用すれば、支持フレームそのものがシールド部材としても機能することとなって、ノイズに対する耐性が向上する。
以上の構成によりなる多光軸光電センサにあっては、正面側には光学モジュール列組立体を構成する個々の光学モジュールが装着される一対の対向支持突起が長手方向へ沿って複数対だけ配列され、かつ背面側には制御回路を構成するCPUを搭載したCPU基板が保持された基板ホルダを有するようにしてもよい。このような構成によれば、光学モジュール列組立体の裏面側にCPU基板を保持させ、装置全体のコンパクト化を容易に実現することができる。
また、CPU基板上には表示用の発光素子が実装されており、かつ基板ホルダには発光素子からの光を光学モジュール列の表側に導くための導光部が設けられていてもよい。このような構成を採用すれば、CPU基板上に実装された発光素子からの光を多光軸光電センサの前面側に効率よく導き、各種の表示灯やバーグラフなどを実現することができる。
また、支持フレーム上に配列されるコの字状保持部のピッチは光学モジュールの幅よりも大きく設定され、隣接する光学モジュール間に生ずる一連の空所には、その正面側から金属板製の上面シールド部材が一括して被せられて塞がれるようにしてもよい。このような構成によれば、光軸ピッチを増大させたことによって、光学モジュール間に空所が生じ、ここから電磁波が侵入してフラットケーブルにノイズを混入させるような場合にも、この上面シールド部材によってそのような電磁波ノイズは遮断され、フラットケーブルに対するノイズ成分の混入を防ぐことができる。
また、支持フレーム上に配列されるコの字状保持部のピッチは光学モジュールの幅よりも大きく設定され、隣接する光学モジュール間に生ずる一連の空所のそれぞれには導電性シールド片が装着されて塞がれるようにしてもよい。このような構成によれば、導電性シールド片そのものは構造が極めて簡単であるから安価に製作できることに加え、個々の空所のそれぞれに装着されるものであるから、あらかじめ導電性シールド片を複数用意しておけば、光軸ピッチが同一である限り、光学モジュール列の長さに拘わらず、個々の空所を適切にシールドすることができる。
また、支持フレーム上に配列されるコの字状保持部のピッチは光学モジュールの幅よりも大きく設定され、隣接する光学モジュール間に生ずる一連の空所には、樹脂製本体の表面を金属コーティングしてなるシールド用のダミーモジュールがその正面側から装着されて塞がれるようにしてもよい。このような構成によれば、安価な樹脂成形品の外表面を単に金属コーティングして導電性を帯びさせたのみに過ぎないから、低コストに製作できることに加え、比較的剛性も高いことから、耐久性に優れる利点もある。
また、支持フレーム上に配列されるコの字状保持部のピッチは光学モジュールの幅よりも大きく設定され、隣接する光学モジュール間に生ずる一連の空所には、樹脂製部材と金属製部材とを組み合わせてなるシールド用のダミーモジュールがその正面側から装着されて塞がれるようにしてもよい。このような構成によれば、樹脂製部材に剛性をもたせる一方、金属製部材には弾性をもたせることによって、装着した際の密着導通性を長期間にわたり確保することができる。
さらに、光学モジュール列組立体が正面が透過性前面板で塞がれた柱状ケースに収容されており、かつ透過性前面板には導電性を有する透明フィルムが重ねて被着されているようにしてもよい。このような構成によれば、光素子(投光用素子または受光用素子)それ自体の前面から電磁波が侵入してノイズを発生させる虞れを導電性を有する透明フィルムのシールド効果によって軽減することができる。
本発明によれば、支持フレーム上には、所定ピッチでコの字状保持部が1列に配列され、個々のコの字状保持部のそれぞれに光学モジュール群を構成する各光学モジュールが保持される一方、この支持フレームは合成体で構成されるため、この支持フレームによって光学モジュール群は規定ピッチで1列に配列された状態で整列位置決めされ、光学モジュール列組立体が構成される。つまり、フラットケーブル上に個々の光学モジュール群を任意の位置に電気的に接続できることに加え、あらかじめ接続位置は支持フレーム上のコの字状保持部の位置によって規定されるため、支持フレーム上のコの字状保持部の個数およびピッチを適切に設定しておきさえすれば、これに併せて所望のピッチ、光軸数、長さを有する光学モジュール列組立体を取得し、これに基づき多光軸光電センサを完成することができる。
以下に、この発明の好適な実施の一形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。本発明に係る投光用(または受光用)柱体の外観斜視図が図1に示されている。同図に示されるように、本発明に係る多光軸光電センサは、使用時にあっては互いに対向配置される投光用及び受光用の柱体10を有する。
この柱体10のケースは、柱状ケース本体101と、この柱状ケース本体の一端部開口を塞ぐエンドキャップ102と、他端部開口を塞ぐエンドキャップ103と、前面側を塞ぐ前面板104とを有する。後に詳細に説明するように、柱状ケース本体101、エンドキャップ102,103は金属製であって断面略U字状を有する。前面板104は使用される光線に対して透明なプラスチック板が採用される。この柱体10の内部にはセンサ組立体10Aが収容される。
センサ組立体を表面側から見た斜視図が図2に、裏面側から見た斜視図が図3にそれぞれ示されている。それらの図から明らかなように、センサ組立体10Aは、多光軸組立体200Aと、この多光軸組立体の裏面側にビス止めされる回路部品組立体300を主体として構成される。後に詳細に説明するように、多光軸組立体200Aは、1列に整列一体化された多数の1軸光学モジュールを中心として構成されている。一方、回路部品組立体300は、CPU等を搭載した回路基板を主体として構成される。なお、それらの図において400はコネクタ部品組立体である。
センサ組立体の分解斜視図が図4に示されている。なお、図には先ほど説明したケース本体101、エンドキャップ102,103、前面板104についても同時に描かれている。
先に説明したように、センサ組立体10Aを収容するケースは、断面略U字状の柱状ケース本体101と、その両端開口を塞ぐ同様な断面略U字状のエンドキャップ102,103と、前面側開口を塞ぐ前面板104とを含んでいる。
より詳細には、柱状ケース本体101の一端部は、シール部材105を介在させてエンドキャップ102で塞がれ、ビス110で固定される。同様にして、柱状ケース本体101の他端部はシール部材106を介在させてエンドキャップ103で塞がれ、ビス112で固定される。エンドキャップ102にはプラグ109が差し込まれ、ビス止め固定される。このプラグ109から引き出された電気コード107の先端にはコード間コネクタ108が取り付けられる。この電気コード107は、投光用(または受光用)柱体10を1台もしくは2台以上連接する場合に利用される。
一方、他端部であるエンドキャップ103には、プラグ109に対応するソケット111がビス113を介して固定される。こうして構成される断面略U字状の柱状ケースの前面側開口には、ゴムパッキング120、粘着シート121、シール部材116,117,118,119、及び絶縁シート114,115を介在させて、前面板104が接着固定される。
一方、多光軸組立体200Aは、光軸数に対応する個数の1軸光学モジュール200と、フラットケーブル220と、光軸数に対応する個数のケーブルホルダ230と、支持フレーム250とを含んで構成される。
多光軸組立体の拡大された分解斜視図が図5に示されている。図では、4光軸分の部分だけが拡大して示されている。図から明らかなように、1軸光学モジュール200はレンズ部材201を含む幾つかの光学部品を樹脂製の光学部品ホルダ203によって結合一体化してなるものであり、後に詳細に説明するように、その下面側には圧接式端子ピン205aが突き出た状態とされている。
フラットケーブル220は、樹脂製帯状被覆の内部に互いに平行な複数本の芯線を収容し、ハサミやカッタ等でその長さを任意に切断調整可能なケーブルである。この例にあっては、第1芯線220−1、第2芯線220−2、第3芯線220−3、第4芯線220−4、第5芯線220−5、第6芯線220−6、第7芯線220−7、第8芯線220−8からなる8本の芯線が含まれている。中でも、D型フリップフロップのD入力とQ出力とに兼用される第5芯線220−5については、等間隔で開けられたパンチ孔220−5aによって分断されている。これは、他の芯線については複数の1軸光学モジュール220に対して共通線として割り当てることができるのに対し、第5芯線220−5についてだけは各1軸光学モジュール200内のD型フリップフロップのD入力とQ出力とに兼用せねばならないからである。
ケーブルホルダ230は樹脂一体成形品であって、中央に位置し表面に波状溝を有する裏当て部230aと、この裏当て部230aの四隅から直立される4本の起立部230c,230c,230c,230cとを含んでいる。これらの起立部230cのそれぞれには、突部230dが形成されている。この突部230dは、後に詳細に説明するように、支持フレーム250側の起立部250aの左右両側縁部に形成された凹部250cに嵌合して係止される。
支持フレーム250は金属製品(例えば、リン青銅)であって、その長手方向に沿って多数の断面コの字状部分を連接したような形状となっている。コの字状部分を構成する互いに対向する一対の起立部250a,250aの左右両側縁部には凹部250bが形成され、この凹部250bがケーブルホルダ230の各起立部250cに形成された突部230dと嵌合係止される。また、支持フレーム250の各起立部250aの基部には孔250cが形成され、この孔250cはケーブルホルダ230の下面に形成された突部230bと嵌合して両者の位置決めがなされる。
以上から明らかなように、支持フレーム250に形成された相対向する起立部250a,250bの部分にケーブルホルダ230が装着されることによってケーブルホルダ230は等ピッチで位置決め固定される。また、ケーブルホルダ230の裏当て部230aの上にフラットケーブル220が置かれ、その上から1軸光学モジュール200が重ねられて、上から押圧されることによって、1軸光学モジュール200とフラットケーブル220との電気的導通がとられる。
このとき重要な点は、後に詳細に説明するように、光部品(発光素子または受光素子)、その駆動回路、シフトレジスタの1ステージ分に相当するD型フリップフロップ等の電気回路要素は全て光学部品ホルダ203の側に収容されているため、各1軸光学モジュール200のフラットケーブル220の長手方向に沿う取付位置は、何ら制約を受けないという点である。そのため、支持フレーム250上に形成される相対向する一対の起立部250a,250aの隣接個数及び隣接ピッチは自由に設定することができると共に、この隣接個数並びに隣接ピッチはそのまま多光軸光電センサの光軸数及び光軸ピッチに対応するため、本発明によれば、光軸数及び光軸ピッチの設計自由度を著しく向上させることができるという点である。
次に、1軸光学モジュール200の幾つかの具体的な構成について説明する。1軸光学モジュールの分解斜視図(その1)が図6に示されている。この例にあっては、1軸光学モジュール200は、レンズ部材201と、トラップ202と、光学部品ホルダ203と、シールド板204と、パッケージ光IC205とを含んで構成される。なお、図において201aはレンズ部材位置決め用の突起、204aはビーム断面整形孔、205aは圧接式端子ピン、205bはデュアルインラインパッケージ(DIP)である。
レンズ部材201はいわゆるプラスチックレンズであって、その一側部には位置決め用の突起201aが形成される。トラップ202は、光学系の鏡胴に相当するもので、レンズ部材201と軸心を整合されている。光学部品ホルダ203はプラスチック一体成形品であって、その内部には同軸整合されたレンズ部材201とトラップ202とが収容される。一方、光学部品ホルダ203の底面側には、シールド板204とパッケージ光IC205とが重ねて装着される。なお具体的な装着構造については後に詳細に説明する。シールド板204はパッケージ光IC205に対するシールド作用をなすものであって、例えばリン青銅等の金属部品で構成される。シールド板204のほぼ中央部にはビーム断面整形孔204aが形成される。
パッケージ光IC205は、透明樹脂を用いてなるデュアルインラインパッケージ(DIP)205bを有する。このデュアルインラインパッケージ205bの両側縁部からは、圧接式端子ピン205aが下向きに突き出た状態で支持されている。このように、デュアルインラインパッケージ205bの各端子ピンを圧接式端子ピン205aとする発想は本発明者等の独自のものであって、それ自体極めて斬新なものである。勿論、圧接式端子ピン205aそのものについては、パッケージICの脚以外としては、例えば基板間の導通をとるなどのコネクタの用途で使用されてはいるが、このようにパッケージ光IC205の端子ピンとして圧接式端子ピン205aを用い、これをフラットケーブル220に差し込むことによって、フラットケーブル220の長手方向の任意の位置にパッケージ光IC205を装着可能とする構成によれば、多光軸光電センサに限らず様々な光学装置において光素子(発光素子または受光素子)の配置自由度を著しく向上させることができる。
パッケージ光IC205の内部には、後に図24を参照して説明するように、光素子(発光素子または受光素子)と、光素子の駆動回路と、駆動回路を順次作動させるためのD型フリップフロップなどが収容される。
このような内部回路の一具体例が図24に示されている。図から明らかなように、投光用柱体の場合には回路20が収容され、受光用柱体の場合には回路30が収容される。回路20は、シフトレジスタの1ステージ分を構成するD型フリップフロップ(D型FFと記す)21と、このD型フリップフロップ21のQ出力が入力される駆動回路22と、駆動回路22の出力で駆動される発光素子23とを含んでいる。D型フリップフロップ21が多数連接されることによってシフトレジスタが構成され、その結果、各回路20は順次1つずつ作動状態(能動状態)とされる。
一方、回路30にあっては、受光素子31と、受光素子31の出力を増幅する増幅回路32と、シフトレジスタの1ステージ分を構成するD型フリップフロップ(D型FFと記す)34と、増幅回路32の出力側に介在されて、D型フリップフロップ34のQ出力によって開閉制御されるアナログスイッチ33とを含んでいる。この場合にも、D型フリップフロップ34が連接されることによってシフトレジスタが構成され、個々のD型フリップフロップ34は順次1つずつ作動する。
このように、本発明にあっては、パッケージ光IC205内にこれらの回路20または30を収容し、1軸光学モジュール200として一体化しているのである。換言すれば、従前の装置にあっては、1軸光学モジュールとは称するものの、そのモジュール内には光学部品は収容するものの、回路部品についてはそれとは別体の回路基板上に配置しているものに対し、本発明の1軸光学モジュールにあっては、光学部品のみならず回路部品についても1軸光学モジュール側に収容しているため、1軸光学モジュールの個数や配置の変更に際して、回路基板上の回路パターンによる制約を全く受けることがなくなり、この種の多光軸光電センサにおける光軸個数並びに光軸ピッチの設計自由度が向上するのである。
なお、このような設計自由度が向上するという作用効果は、図24に示される回路20または30が1軸光学モジュール側に収容されていることに基づくものであるから、その収容された回路20または30がパッケージ光ICとして集積化されたものであるかどうかは必ずしも要件ではないことは理解されるであろう。
すなわち、本発明にあっては、図24に示される回路20または30については、専用の回路基板小片上に搭載して、1軸光学モジュール200内に収容するようにしても良いであろう。また、フラットケーブルそれ自体の機能は、要するに互いに平行な導電パターンを有すれば足りるのであるから、適当な長さのものが存在するのであれば、フレキシブル回路基板等に代替することもできる。この場合には、フレキシブル基板上の導体パターンの任意の位置に1軸光学モジュールを装着並びに導通させるためには、スルーホール接続などの自在接続構造を任意に採用すれば良いであろう。
1軸光学モジュールの分解斜視図(その2)が図7に示されている。この例にあっては、デュアルインラインパッケージ205bの上面側には窓孔205dを有するマスク印刷205cが設けられている。このように、マスク印刷205cと窓孔205dによっても、ビーム整形機能を持たせることができる。またマスク印刷205cによって、パッケージ材料として透明樹脂を使用しつつも、内蔵する光素子に対するノイズ成分の混入を回避することができる。
1軸光学モジュール(一体型)の断面図が図8に示されている。この例にあっては、図6及び図7のように個々の別部品を光学部品ホルダ203内に収容するのではなく、あらかじめインサート成形によって、それらの部品を結合一体化したものである。図において、205aは圧接式端子ピン、205eはリードフレーム、206はレンズ付きパッケージ、206aはレンズ構造、207はマスク部材、208はスリット、209は光素子である。
図から明らかなように、この例にあっては、レンズ付きパッケージ206内にインサートされたリードフレーム205c上に光素子209その他回路部品を搭載し、これを樹脂一体成形することによって、レンズ構造206aと共に成形したものである。
次に、図6及び図7の構造にて使用されるパッケージ光ICの内部構造を示す断面図が図9に示されている。同図(a)はリードフレーム実装型、同図(b)は基板実装型である。
先に説明したように、いずれのものにあっても、このような圧接式端子ピン205aを有するパッケージ光ICというものは極めて斬新な構造であって、本発明者等の独自の創作である。
図9(a)に示されるリードフレーム実装型のパッケージ光IC205にあっては、圧接式端子ピン205aと一体化されたリードフレーム205i上に光素子205jや回路部品205kを直接搭載している。特にこの例にあっては、リードフレーム205i上にプレス加工ですり鉢状凹部であるリフレクタ構造205hを形成し、その底部中心に光素子205jを配置することによって、投光または受光効率を上げるように工夫がなされている。なお、符号205gは透明な封止樹脂である。また、圧接式端子ピン205aの先端形状そのものについては公知のものであって、すなわち先端は二股状に分岐すると共に各左右の分岐部先端は先鋭になされ、両分岐部間のスリットにフラットケーブルの芯線が圧入されて両者の電気的導通がとられる。さらにこの例にあっては、リードフレーム205iを平面形状において適宜帯状に導電経路を打ち抜くことによって、個々の回路部品や光素子に対する導通路が確保される。
図9(b)に示される基板実装型にあっては、リードフレーム205iとは別に両面型の回路基板205lを設け、これに光素子205jや回路部品205kを搭載する一方、回路基板205lの下面側には圧接式端子ピン205aのそれぞれに導通する導体パターンを形成し、これと各リードフレーム205iとをはんだ接合することによって、個々の圧接式端子ピン205aと光素子205j並びに回路部品205kとの導通をなすようにしたものである。
この例にあっては、リードフレーム205iとは別体に基板205lを有するため、剛性が高まり、圧接式端子ピン205aの接続時の押圧力によっても、回路基板205lの剛性により、光素子205jの位置ずれが生じないといった利点がある。
すなわち、同図(a)に示されるリードフレーム実装型にあっては、リードフレーム205iそれ自体の上に光素子205jが搭載されているため、圧接式端子ピン205aに加わる圧力によって、内部リードフレームが撓み、光素子205jの微妙な位置ずれが問題とされる虞れがあるが、同図(b)に示される基板実装型にあっては、基板205lの剛性によって、圧接式端子ピン205aが撓んでも、光素子205jの位置にずれを生じにくいという利点がある。
次に、光学部品ホルダとパッケージ光ICとの位置決め構造について説明する。図9(a)に示されるように、リードフレーム205i上に光素子205j並びに回路部品205kを搭載し、これを封止樹脂205gを用いてインサート成形し、かつリードフレーム205iから突出する端子ピンを圧接式端子ピン205aとしたようなパッケージ光IC205を使用し、かつこれを図6及び図7に示されるように、光学部品ホルダ203の下面側に装着する構成を採用する場合、パッケージ光IC205内の光素子205jの位置を、光学部品ホルダ203内に置かれるレンズ201の光軸と正確に整合させねばならない。
そのための方法としては、例えばパッケージ光IC205のデュアルインラインパッケージ205bに位置決め突部を設け、これを光学部品ホルダ203側に設けた位置決め凹部と嵌合させるなどの方法が考えられる。しかしこのような位置決め構造を採用すれば、デュアルインラインパッケージ205bの成形誤差のために、必ずしも光素子205fの位置をレンズ201の光軸と正確に整合させることができない。
そこで、この発明にあっては、パッケージ光IC205のパッケージ205bではなくて、パッケージ205bから突出するリードフレームの何れかの部分と光学部品ホルダ203との間において位置決めを行うことにより、パッケージ205b内の光素子205fとレンズ部材201の光軸との間の正確な位置決めを可能としている。
光学部品ホルダとパッケージ光ICとの位置決め構造の説明図(その1〜その3)が図10〜図12に示されている。図10に示されたパッケージ光IC205と光学部品ホルダ203とが僅かに上下に離脱した状態から明らかなように、光学部品ホルダ203の左右両側の下面側縁部には、複数個の係合突部203bが下向きに突出形成されている。
一方、パッケージ光IC205から下向きに突き出た圧接式端子ピン205aの基部(屈曲コーナー部)には、パッケージ光IC205側の複数の係合突部203bに対応して、係合孔205fが形成されている。そして、図11に示されるように、パッケージIC205が光学部品ホルダ203へと完全に装着されると、パッケージ205b側の複数の係合突部203bのそれぞれが、圧接式端子ピン205aの基部に位置する係合孔205fのそれぞれにはまり込むことによって、パッケージ205bと圧接式端子ピン205aの基部とが正確に位置決めされる。
ところで、このように両者が位置決めされると、圧接式端子ピン205aはリードフレーム205iと一体であって、しかもこのリードフレーム205i上に光素子205jが搭載され、しかもマウンタの精度によりリードフレーム205iに対する光素子205jの搭載位置は正確に維持されているため、光学部品ホルダ203とレンズ201との位置決め精度ならびに光学部品ホルダ203に対する係合突部203bの成形精度をしっかりと管理すれば、パッケージIC205内の光素子205jとレンズ部材201の光軸との正確な位置合わせが可能となるのである。
なお、圧接式端子ピン205aの基部に設けられた係合孔205fの位置については、図12にもより詳細に示されている。すなわち、係合孔205fは、リードフレーム205iと圧接式端子ピン205aとの屈曲部のコーナー位置に正確に形成されている。そのため、図11に示されるように、パッケージIC205が光学部品ホルダ203の下面側に正確に装着されると、係合突部203bは圧接式端子ピン205aの垂直延在部205mの上端部に当接することとなる。そのため、圧接式端子ピン205aの先端部をフラットケーブルの上に突き立ててその被覆を破るべく押圧すると、各係合突部203bのそれぞれは、係合孔205fの内周下面をその真上から押圧することとなり、光学部品ホルダ203に与えられた下方への押圧力は、無駄なく端子ピン205aの垂直延在部205mへと伝えられ、圧接式端子ピン205aが撓みにくいという利点がある。
すなわち、垂直延在部205mが撓むと、これに引きづられるようにして、パッケージIC205内のリードフレーム205iも撓み、その上に搭載された光素子205jも位置ずれを生ずる虞れがあるが、このような係合突部203bと係合孔205fとの位置関係によれば、圧接式端子ピン205aが撓みにくいことによって、このような光素子の位置ずれも生じにくいという利点がある。
次に、1軸光学モジュールの変形例を示す説明図が図13に示されている。なお、同図(a)は圧接式端子ピン受入ソケットを使用する例、同図(b)はスプリング端子片受入ソケットの使用例である。先に図24の回路図を参照して説明したように、本発明1軸光学モジュールの主たる特徴とするところは、光学部品のみならず電気回路部品についても収容した点にあり、加えてこの1軸光学モジュールをフラットケーブルないしフレキシブル回路基板の長手方向任意の位置に簡単に装着できるようにした点にある。
このことからすると、特に後者の点からは、1軸光学モジュールの底面側から圧接式端子ピンや自在接触子が突出していさえすればよく、光学部品収容体ないしは回路部品集合体については、どのような形態で収容されていても構わない筈である。してみれば、1軸光学モジュールを上下に2分し。下側をソケット上側を部品収容部とすれば、故障時の取り替えやメンテナンスの容易性を図ることもできる。
このような観点からの設計例が図13(a),(b)に示されている。同図(a)の例にあっては、1軸光学モジュール200それ自体は先に説明したものと同様であるが、これとフラットケーブル220との間にソケット200Aを介在させている。このソケット200Aの上面側には、1軸光学モジュール200の圧接式端子ピン205aを受け入れる端子ピン受入孔205A−1が設けられ、底面側からはフラットケーブルの各芯線に突きささる圧接式端子ピン205A−2が突出している。
一方、図13(b)の例にあっては、1軸光学モジュール200はその底面側からスプリング接触子(図示せず)が突出している。一方、1軸光学モジュール200とフラットケーブル220との間にはソケット200Aが設けられる。このソケット200Aの上面側には1軸光学モジュール200の底面側より突出する図示しないスプリング接触子と当接する導体パターン205A−3が形成されている。これらの導体パターン205A−3のそれぞれは、底面側に突出する圧着端子ピン205A−2へと導通しており、このソケット200Aから突出する圧着式端子ピン205A−2がフラットケーブル220の各芯線に突きささって導通がとられる。このように1軸光学モジュールとしては様々な構造を採用することができる。
次に、フラットケーブルと圧接式端子ピンとの接続状態を示す断面図が図14に示されている。図において、201はレンズ部材、202はトラップ、205はパッケージ光IC、220はフラットケーブル、220aはフラットケーブルの屈曲部、205aは圧接式端子ピン、230はケーブルホルダである。図から明らかなように、圧接式端子ピン205aはフラットケーブル220に突きささりこれを貫通して下面側へ突き抜ける。その際に、各端子ピン205aの先端スリットに、フラットケーブル220の該当する芯線が圧入されることによって、両者の電気的導通がとられる。フラットケーブル220は、1列に並べられた1軸光学モジュールの最端部において屈曲部220aを介して折り曲げられ、ケーブルホルダ230の底部に沿って折り畳まれる。
フラットケーブル保持構造の説明図が図15に示されている。図において201はレンズ部材、203は光学部品ホルダ、230はケーブルホルダ、203dは光学部品ホルダの係止爪、230eはケーブルホルダの係止用段部、220aはフラットケーブルの屈曲部、220bはケーブルコネクタ、220−1〜220−8はフラットケーブルの第1芯線〜第8芯線である。
図から明らかなように、フラットケーブル220は光学部品ホルダ203の底部とケーブルホルダ230の裏当て部230aとの間に上下に挟まれた状態で保持され、光学部品ホルダ203とケーブルホルダ230とは係止爪203dと段部230eとの係合によりしっかりと抜け止め固定される。
次に、生産現場の劣悪なノイズ環境下にあっても、多光軸光電センサのノイズによる影響を回避するための、シールド部材の構成について説明する。シールド部材組付前の状態を示す分解斜視図が図16に、シールド部材と支持フレームとの導通構造の説明図が図17に、シールド部材組付後の状態を示す分解斜視図が図18にそれぞれ示されている。
図16に示されるように、本発明多光軸光電センサの特徴は、フラットケーブルなどのような、平行導体部材の上に、その長手方向の任意の位置に1軸光学モジュールを特別に複雑な加工を要することなく配置できるという点である。逆に、このことは1つの欠点を生ずる原因となる。すなわち、相隣接する1軸光学モジュールと1軸光学モジュールとの隙間には空所250eが生じ、この空所250eには平行導体パターンが露出することとなるため、ケースの前面側より電磁ノイズ等が生ずれば、これが直接導体パターンに影響を与え、ノイズ混入の原因を生ずることとなる。
そこで、図16に示される例にあっては、上面シールド部材260を設け、これによりモジュール間の隙間を遮蔽することによって、平行導体パターン(例えば、フラットケーブルの各芯線など)へのノイズ混入を防止している。
同図に示されるように、上面シールド部材260は、モジュール配列方向へ延びる中央部260aと、その両側縁部から左右方向へ延びる側方延出部260b,260bとを有する。側方延出部260bと側方延出部260bとの間には、係止爪260c,260cが形成される。そして、この上面シールド部材260を一連の1軸光学モジュール組立体の上に被せると、係止爪260cが1軸光学モジュールの光学部品ホルダ203の上面角部に係合することによって両者の位置決めがなされ、同時に側方延出部260bがモジュール間の空所250eを塞ぐことによって、必要な遮蔽作用がなされる。
このとき図17に示されるように、側方延出部260bは図中矢印に示されるように左右方向へ拡開する方向へとバネ性が付与されており、これにより側方延出部250bの先端部が支持フレーム250の起立部250dの内面と当接して、接触導通部260eが形成される。これにより、電磁ノイズの影響で生じた渦電流は、接触導通部260eの作用によって支持フレーム250の側へと逃され、遮蔽効果が助長される結果となる。図18に示されるように、シールド部材組付後にあっては、モジュール間の空所は側方延出部260b並びに中央部260aによって完全に塞がれ、もっとも窓孔260dの存在によって、投光または受光の光軸は確保される。
このように、図16〜図18の例によれば、金属製(例えば、リン青銅)の上面シールド部材260を設けたことにより、相隣接するモジュール間に生じた空所250eは完全に遮蔽され、その下の導体パターン(フラットケーブルなど)に対するノイズの混入が確実に防止される。
次に、回路部品組立体の構造を示す斜視図が図19に示されている。同図に示されるように、回路部品組立体300は、CPU基板301と、コネクタ基板302と、基板ホルダ303とを有している。基板ホルダ303は、その下面側においてCPU基板301及びコネクタ基板302を保持すると共に、その上面側においては、多光軸組立体200Aを保持している。
CPU基板301上には、図24に示される回路40または回路50が搭載されている。すなわち、投光用柱体側の回路40には、処理回路(CPU)41と、ゲート回路42と、表示回路43と、入出力回路44と、通信回路45とが搭載されている。同様にして、受光用柱体の回路50には、処理回路(CPU)51と、増幅回路52と、表示回路53と、入出力回路54と、通信回路55とが搭載されている。
表示回路43,53はそれぞれ表示用の発光素子を備えており、これらの発光素子301aは、図19に示されるように、CPU基板301の一側縁部に適当な間隔で配列されている。これら発光素子301aのそれぞれの真上に相当する位置には、垂直方向へ延びる導光部303eが基板ホルダ303と一体に形成されており、これら導光部303eの先端303fは、光学部品ホルダ203の隙間を通ってその上面側へ露出している。そのため、基板上に発光素子301aを設けてはいるものの、それから発した光を導光部303eによって上方へと導き、その先端303fから外部へ放出することで、表示の視認性を良好なものとしている。
基板ホルダ303は、左右方向に対向する一対の支持突起303a,303bを有する。隣接する支持突起303a,303aの間には溝303cが存在し、この溝303cに光学部品ホルダ203の該当する部分が差し込まれることによって、光学部品ホルダ203は基板ホルダ303の上面側に位置決め固定される。その結果、図2を参照して先に説明したように、多光軸組立体200Aの下面側に回路部品組立体300を結合してなるセンサ組立体10Aが完成する。
次に、柱状ケースの前面閉塞構造の説明図が図20に示されている。同図(a)に示されるように、ケースの前面開口を塞ぐ前面板104は、プラスチック等からなる比較的剛性を有する投光板104aとその裏面側に積層される導光性フィルム104bとからなっている。そして、同図(b)に示されるように、投光板104aと導電性フィルム104bとの積層体は、柱状ケース本体101の前面開口部にはめ込まれ、図示しない粘着テープ等によって固定される。このように導電性フィルム104bを投光板104aの背面側に有するため、これによっても内部平行導体(フラットケーブル等)に対するノイズの影響を軽減することができる。
次に、投光用(または受光用)柱体の端面図が図21に示されている。図において、101は柱状ケース本体、104は前面板、114は絶縁シート、203は光学部品ホルダ、220はフラットケーブル、230はケーブルホルダ、302はコネクタ基板、302aはコネクタ、303は基板ホルダである。先に説明したそれらの部品は、柱状ケース本体101内に図示のように収容され、両端部は先に説明したようにエンドキャップ102,103によって塞がれる。
次に、シールド構造の変形例を示す説明図(その1)が図22に、同説明図(その2)が図23にそれぞれ示されている。先に説明したように、相隣接する1軸光学モジュール200,200の間には空所250eが生じ、ここからノイズがフラットケーブルへと混入する虞れがある。そこで図16〜図18に示した先の例にあっては、ここに金属製上面シールド板260を被せることによって、遮蔽作用を発揮させた。しかし、この場合、光学モジュールの連接個数によって、上面シールド板260をその都度作り直さねばならない。これに対して、図22及び図23の例にあっては、それらの空所に個別にシールド片273または274、あるいはダミーモジュール271または272を装着することによって個々の空所を個別にシールド可能としている。このような構成によれば、モジュール間ピッチが一定である限り、モジュール連接個数に関わりなく、モジュール間空所を遮蔽することができる。
ダミーモジュール271の拡大図が図23(b)に示されている。同図に示されるように、ダミーモジュール271は、非導電性の本体と、その下面側に突出するバネ性が付与された金属製の脚部271e,271eを有する。モジュール本体は上面271aと左右の側面271bとを有する非導電性部材であって、その両端部からは4個の突部271c,271c,271d,271dが形成されている。そのうち突部271c,271cは押し下げ用の突部であって、突部271d,271dは抜け止め用の突部である。このようなダミーモジュール271をモジュール間空所250eのそれぞれに押し込めば、押し下げ用突部271c,271cが支持フレーム250の該当する部分と当接して、かつ脚部271e,271eの反発作用とも相俟って、ダミーモジュール271は脚部271e,271eを介して支持フレーム250と密着し、同時に抜け止め段部271d,271dによって抜け止め固定される。
一方、シールド片273が図23(a)に拡大して示されている。同図に示されるように、シールド片273は、金属薄板材(例えば、リン青銅)等で構成され、上面板273a,側面板273bを有する。上面板273aの両端部には左右に分岐する分岐部273c,273c及び分岐部273d,273dが形成されており、これら2つの分岐部が支持フレーム上の該当突部をその上面からくわえ込むことによって、シールド片273は空所に装着される。なお、図において屈曲された接触片273eはバネ性を有し、これが支持フレーム250の内面と当接することによって、両者間の導通がとられる。また符号273eは抜け止め突起であり、これによりシールド片の抜け止め作用がなされる。
図22に戻って、ダミーモジュール272は同様な構造を有する樹脂製本体の外表面に金属被膜を被着させたものであり、同様に押し下げ用突部272aと上下抜け止め用突部272bを有する。また、シールド片274は、最も単純なプレス加工によって断面コの字状の金属片を形成したものであり、抜け止め片274aを有する。
このように、本発明にあっては、モジュール間の隙間ないし空所250eをダミーモジュール271,272またはシールド片273,274を装着することで塞ぎ、その空所ないし隙間からフラットケーブル内の芯線へとノイズの混入をすることを防止するのである。そしてこのような個別装着方式によれば、あらかじめ光軸ピッチに合わせて何種類かダミーモジュールまたはシールド片を用意しておきさえすれば、光軸数とは無関係にモジュール間の隙間をシールドすることができる。
最後に、図24及び図25を参照しながら、本発明に係る多光軸光電センサの全体回路図について説明する。先に説明したように、本発明に係る多光軸光電センサは、投光用柱体に内蔵される回路部と受光用柱体に内蔵される回路部とを含んでいる。投光用柱体内には、各光軸に対応する回路20とCPU基板に対応する回路40とが含まれており、同様にして発光用柱体についても、各光軸に対応する回路部30とCPU基板に対応する回路部50とを有している。
投光用柱体から説明すると、回路部20はそのまま1軸光学モジュール200に内蔵されている。内蔵ないし収容される形態としては、個別の回路基板小片に、該当する回路部品を搭載してもよいし、図6,図7,図9などに示したように、パッケージ光IC205を構成してもよい。また、各1軸光学モジュール200とその接続対象となるフラットケーブル、平行導体フレキシブル基板などとの接続構造は、導体パターン側の構造に合わせて決定すればよい。
1軸光学モジュールが接続されるべき平行導体部材側が、図5に示されるようなフラットケーブル220であれば、接続構造としては図10〜図12に示される圧接式端子ピン205aが採用される。これに対して、平行導体部材側がフレキシブル回路基板であれば、その導体パターン上の任意の位置に接続可能なスプリング式接触子やスルーホール構造などを採用すればよい。
何れにしても、好ましくは、平行導体部材上の任意の長手方向の位置に特別な煩雑な加工を要することなく1軸光学モジュールを装着するようにすべきである。このことにより、平行導体部材上の長手方向の任意の位置に1軸光学モジュールを装着できるから、光軸ピッチ並びに光軸数の設定自由度が向上するわけである。なお、図において信号a〜dのタイミング並びに波形については図25のタイムチャートを参照されたい。
一方、CPU基板上に搭載される回路40は、処理回路(CPU)41、ゲート回路42、表示回路43、入出力回路44とを含んでいる。フラットケーブルなどの平行導体を介して相隣接する一連の回路20が接続されると、一連のD型フリップフロップ21,21,・・・によってシフトレジスタが構成され、各ステージの出力であるD型フリップフロップ21のQ出力によって駆動回路6が作動し、発光素子23が順に点灯される。このとき信号dによって駆動タイミングが制御される。
次に、受光用柱体については、各回路30が1軸光学モジュールのそれぞれに収容されている。その収容形態については、先に説明したように回路基板小片に搭載したりあるいはパッケージ光ICとすればよい。
回路30は受光素子31と、増幅回路32と、アナログスイッチ33と、D型フリップフロップ34とを含んで構成される。また、1軸光学モジュールと平行導体部材との接続については、フラットケーブルでもよいし、フレキシブル回路基板であってもよい。そして、投光側と同様にして、相隣接する1軸光学モジュール同士が芋づる式に導体パターンを介して連接することによって、シフトレジスタが構成され、各段の出力に相当するD型フリップフロップのQ出力に応答してアナログゲート44が開くことで、各モジュールの発光素子の出力が処理回路51へと取り込まれる。
以上詳細に説明したように、本発明の実施形態によれば、多光軸組立体200Aを構成する1軸光学モジュール200として光学部品のみならず回路20,30の部品までも含めて収容する一方、光学モジュール200と接続されるべき平行導体部材との接続をワンタッチ接続構造としたため、平行導体部材側の長手方向任意の位置に1軸光学モジュール200を装着することが可能となり、光軸ピッチ並びに光軸数の設計自由度が著しく向上した。
また特に、1軸光学モジュール200側の端子構造として圧接式端子ピン205aを採用する一方、これと対応する平行導体部材としてフラットケーブル220を採用したため、両者間の接続が一層容易となり、任意の光軸ピッチ並びに光軸数に対する柔軟な対応が可能となった。
加えて、1軸光学モジュール200内に電気回路部品を収容するについては、これを回路基板小片やパッケージ光IC205としたため、歩留まり並びに生産性の向上が達成された。特に、回路部品をパッケージ光IC205とする例にあっては、その圧接式端子ピン205aの基部に設けられた係合孔205fと光学部品ホルダ203側の係合突部203bとの嵌合構造を採用することによって、パッケージ内光素子205fとレンズ部材201の光軸との整合位置合わせの高精度化を達成することができる。
また、平行導体部材上に任意のピッチで1軸光学モジュールを配置した際、隣接するモジュール間の空所が生ずることについては、これを上面シールド部材260で塞いだり、あるいは個別にダミーモジュール271,272あるいはシールド片273,274で塞ぐことによって、ケース前面側より到来するノイズが空所に露出した平行導体(フラットケーブルの芯線など)に混入することを確実に防止することができる。
また、特に平行導体部材としてフラットケーブルを使用する際、図5に示されるように、D型フリップフロップのD入力とQ出力とに兼用される芯線220−5にはパンチ孔220−5aを一定間隔で明けることによって、当該芯線を分断するようにしたため、同一の芯線上に異なる2本の端子ピンを装着することが可能となり、完全平行導体パターンのままでD型フリップフロップへの対応が可能となった。すなわち、分断された相隣接する芯線部分においては、前段のフリップフロップのQ出力と後段のフリップフロップのD入力とに交互に接続させることによって、同一ライン上に2本の端子ピンを位置合わせするだけで、回路構成の対応が可能となった。
本発明に係る投光用(または受光用)柱体の外観斜視図である。 センサ組立体を表面側から見た斜視図である。 センサ組立体を裏面側から見た斜視図である。 センサ組立体の分解斜視図である。 多光軸組立体の分解斜視図である。 1軸光学モジュールの分解斜視図(その1)である。 1軸光学モジュールの分解斜視図(その2)である。 1軸光学モジュール(一体型)の断面図である。 パッケージ光ICの内部構造を示す断面図である。 光学部品ホルダとパッケージ光ICとの位置決め構造の説明図(その1)である。 光学部品ホルダとパッケージ光ICとの位置決め構造の説明図(その2)である。 光学部品ホルダとパッケージ光ICとの位置決め構造の説明図(その3)である。 1軸光学モジュールの変形例を示す説明図である。 フラットケーブルと圧接式端子ピンとの接続状態を示す断面図である。 フラットケーブル保持構造の説明図である。 シールド部材組付前の状態を示す分解斜視図である。 シールド部材と支持フレームとの導通構造の説明図である。 シールド部材組付後の状態を示す分解斜視図である。 回路部品組立体の構造を示す斜視図である。 柱状ケースの前面閉塞構造の説明図である。 投光用(または受光用)柱体の断面図である。 シールド構造の変形例を示す説明図(その1)である。 シールド構造の変形例を示す説明図(その2)である。 本発明に係る多光軸光電センサの全体回路図である。 回路全体の動作を示すタイムチャートである。 シフトクロックのタイミング説明図である。
符号の説明
10 投光用(または受光用)柱体
10A センサ組立体
20 投光用1軸光学モジュール内回路
30 受光用1軸光学モジュール内回路
40 投光用CPU基板内回路
50 受光用CPU基板内回路
101 柱状ケース本体
102,103 エンドキャップ
104 前面板
104a 投光板
104b 導光性フィルム
105,106 シールド部材
107 電気コード
108 コード間コネクタ
109 プラグ
110 ビス
111 ソケット
112,113 ビス
114 絶縁シート
114,115 絶縁シート
116,117 シールド部材
118,119 シールド部材
120 ゴムパッキング
121 粘着シート
200 1軸光学モジュール
200A 多光軸組立体
200A ソケット
201 レンズ部材
201a 位置決め突起
202 トラップ
203 光学部品ホルダ
203a 位置決め凹部
203b 係合突部
203c 抜け止め段部
203d 係止爪
204 シールド板
204a ビーム断面整形孔
205 パッケージ光IC
205a 圧接式端子ピン
205b デュアルインラインパッケージ(DIP)
205c マスク印刷
205d 窓孔
205e リードフレーム
205f 係合孔
205g 封止樹脂
205h リフレクタ構造
205i リードフレーム
205j 光素子
205k 回路部品
205l 回路基板
205a−1〜−8 第1端子ピン〜第8端子ピン
205A−1 端子ピン受入孔
205A−2 圧接式端子ピン
205A−3 導体パターン
206 レンズ付きパッケージ
206a レンズ構造
207 マスク部材
208 スリット
220 フラットケーブル
220A フラットケーブルの屈曲部
230 ケーブルホルダ
230e 段部
250 支持フレーム
250a 起立部
250e 空所
250d 起立部
260 上面シールド部材
260a 中央部
260b 側方延出部
260c 係止爪
260d 窓孔
260e 接触導通部
271,272 ダミーモジュール
271a 上面
271b 左右の側面
271c 押し下げ用突部
271d 抜け止め用突部
271e 金属製脚部
273,274 シールド片
273a 上面板
273b 側面板
273c 一対の分岐部
273d 一対の分岐部
273e 接触片
273f 抜け止め突起
300 回路部品組立体
301 CPU基板
301a 発光素子
302 コネクタ基板
302a コネクタ
303 基板ホルダ
303a,303b 相対向する支持突起
303c,303d 支持突起間の溝
303e 導光部
303f 導光部の先端
400 コネクタ部品組立体
a,a′ スタートパルス
b,b′ シフトパルス
c,c′ エンドリターン信号
d 投光幅または受光幅決定パルス

Claims (9)

  1. 柱状ケース内に投光器列を収容してなる投光用柱体と、柱状ケース内に受光器列を収容してなる受光用柱体とを有し、それらの投受光用柱体を適当な間隔を空けて投受光面が対抗するように配置することにより、投受光用柱体間に物体検出用光カーテンが生成されるようにした多光軸光電センサであって、
    投光器列及び/又は受光器列が、
    1光軸分の光学系と、1光軸分の電気回路と、シフトレジスタの1ステージ分に相当するフリップフロップとを一体化してなると共に、それぞれの底部にはフラットケーブルの各芯線に接続可能な圧接式端子ピンが突出する光学モジュールを、所要光軸数に対応する個数だけ用意してなる光学モジュール群と、
    所定ピッチでコの字状保持部を一列に配列してなる剛性体であって、個々のコの字状保持部のそれぞれに光学モジュール群を構成する各光学モジュールを保持させることにより、光学モジュール列組立体を構成する支持フレームと、
    光学モジュール列組立体の一端に位置する光学モジュールから他端に位置する光学モジュールまで共通に接続される共通導電線と、隣り合う投光用モジュール間のみを互いに接続する隣接モジュール間導電線とが、それぞれの導電線の絶縁を保った状態で一体化されたフラットケーブルと、
    を含み、
    光学モジュール列組立体を構成する各光学モジュールのそれぞれは、圧接式端子ピンを介してフラットケーブルと電気的に接続されており、
    隣接する光学モジュール内のフリップフロップ同士を隣接モジュール間導電線で従属接続することでシフトレジスタが構成され、
    それにより、シフトレジスタにより順送りされるデータによって、光学モジュール列組立体を構成する各光学モジュールが順次に作動する、ことを特徴とする多光軸光電センサ。
  2. 支持フレームの素材が金属とされている、ことを特徴とする請求項1に記載の多光軸光電センサ。
  3. 正面側には光学モジュール列組立体を構成する個々の光学モジュールが装着される一対の対向支持突起が長手方向へ沿って複数対だけ配列され、かつ背面側には制御回路を構成するCPUを搭載したCPU基板が保持された基板ホルダを有する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の多光軸光電センサ。
  4. CPU基板上には表示用の発光素子が実装されており、かつ基板ホルダには発光素子からの光を光学モジュール列の表側に導くための導光部が設けられている、ことを特徴とする請求項3に記載の多光軸光電センサ。
  5. 支持フレーム上に配列されるコの字状保持部のピッチは光学モジュールの幅よりも大きく設定され、隣接する光学モジュール間に生ずる一連の空所には、その正面側から金属板製の上面シールド部材が一括して被せられて塞がれる、ことを特徴とする請求項1に記載の多光軸光電センサ。
  6. 支持フレーム上に配列されるコの字状保持部のピッチは光学モジュールの幅よりも大きく設定され、隣接する光学モジュール間に生ずる一連の空所のそれぞれ導電性シールド片が装着されて塞がれる、ことを特徴とする請求項1に記載の多光軸光電センサ。
  7. 支持フレーム上に配列されるコの字状保持部のピッチは光学モジュールの幅よりも大きく設定され、隣接する光学モジュール間に生ずる一連の空所には、樹脂製本体の表面を金属コーティングしてなるシールド用のダミーモジュールがその正面側から装着されて塞がれる、ことを特徴とする請求項1に記載の多光軸光電センサ。
  8. 支持フレーム上に配列されるコの字状保持部のピッチは光学モジュールの幅よりも大きく設定され、隣接する光学モジュール間に生ずる一連の空所には、樹脂製部材と金属性部材とを組み合わせてなるシールド用のダミーモジュールがその正面側から装着されて塞がれる、ことを特徴とする請求項1に記載の多光軸光電センサ。
  9. 光学モジュール列組立体が正面が透過性前面板で塞がれた柱状ケースに収容されており、かつ透過性前面板には導電性を有する透明フィルムが重ねて被着されている、ことを特徴とする請求項1に記載の多光軸光電センサ。
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