JP2006105700A - 魚群情報、魚群の体積及び単体魚の後方散乱強度を算出可能な水中探知装置、並びにそれらの方法 - Google Patents

魚群情報、魚群の体積及び単体魚の後方散乱強度を算出可能な水中探知装置、並びにそれらの方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 魚群の魚量情報、魚群の概ねの体積または単体魚の後方散乱強度について、漁業者の経験に依ることなく定量的に算出可能な水中探知装置を提供する。
【解決手段】 船体7から水中の所定方向に超音波ビームを送信し、魚群FS内からの反射エコーを受信ビームにより受信するトランスデューサ2と、受信ビームを処理する信号処理部とを備える。トランスデューサ2は、鉛直平面H2に略沿う方向と、xy平面及び鉛直平面H2のいずれにも交差し且つ船体7の周りに形成される傘型面H1に略沿う方向とに受信ビームを形成可能である。信号処理部5が、受信ビームから得られるデータに基づいて擬似的な三次元データを構築し、魚群FS内の魚量情報を算出する。また、受信ビームから得られるデータを二値化処理し、これに基づいて擬似的な三次元データを構築して魚群FSの概ねの体積を算出する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、超音波信号を送信し、受波ビームを形成して魚群を探知する水中探知装置に関し、とくに、魚群情報、魚群の体積及び単体魚の後方散乱強度を算出する水中探知装置に関する。
水中に存在する魚群を探知する手段として、魚群探知機やスキャニングソナー等の音響機器が用いられている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。魚群探知機は船体に設けられ、船体の鉛直下方に向けて超音波のビームを送信することによって船体の下方を走査し、船体の下方に存在する魚群を探知する。スキャニングソナーも同様に船体に設けられるが、船体周囲の水中に向けて超音波のビームを送信することによって船体の周囲を走査し、船体の周囲の水中に存在する魚群を探知する。これらの音響機器による走査で魚群を探知した場合、探知した魚群の所定断面が走査画像として表示される。
ところが、漁業者の立場からみると、魚群の所定断面の走査画面のみでなく魚群をなす単体魚の尾量または魚群の体積等を把握することが操業効率向上の観点から好ましい。そこで、所定のティルト角で全周囲方向に走査を行う水平モードと、略垂直方向の扇形の断面を走査する垂直モードとを備えるスキャニングソナーが提案されている(例えば、特許文献2参照)。このスキャニングソナーによれば、水平モードの走査画像及び垂直モードの走査画像をそれぞれ表示する。漁業者は、これらの走査画像に基づいて魚群全体の形状を把握し、魚群をなす単体魚の尾量または魚群の体積等を推定している。なお、魚群探知機は、船体の鉛直下方に向けて超音波のビームを送信するので魚群全体の形状を把握することができない。
特公昭48−26299号公報 特開2003−202370号公報
しかしながら、水平モードの走査画像及び垂直モードの走査画像に基づいて魚群全体の形状等を把握する場合、両画像の対応関係を把握することは容易ではなく、漁業者の経験に依るところが大きい。また、これらの両画像に基づいて魚群情報を推測しても、推測する者が異なれば異なった判断をする可能性が高いため、推測されたデータのバラツキも大きい。さらに、かかる魚群情報等の推測値は定性的な結果しか得られない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、漁業者の経験に依らず且つばらつきが少ない魚群情報を定量的に算出可能な水中探知装置及びその方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段及び効果
本発明において、以下の特徴は単独で、若しくは、適宜組合わされて備えられている。前記課題を解決するための本発明に係る水中探知装置は、船体から水中に向けて超音波信号を送信することによって三次元方向に送信可能な送信部と、前記三次元方向に送信された超音波信号に起因する魚群内からの反射エコーを三次元方向の受信ビームにより受信する受信部と、前記受信ビームの信号を処理する信号処理部と、を備え、前記信号処理部が、前記受信ビームにより得られるデータを前記三次元方向に積分することによって前記魚群の魚量情報を算出することを特徴とする。
本発明に係る魚群の魚量情報の算出方法は、船体から水中の三次元方向に向けて超音波ビームを送信するステップと、前記三次元方向に送信された超音波信号に起因する魚群内からの反射エコーを受信ビームにより受信するステップと、前記受信した受信ビームにより得られるデータを前記三次元方向に積分することによって前記魚群の魚量情報を算出するステップと、を有することを特徴とする。
これらによると、水平モードの走査画像及び垂直モードの走査画像の対応関係を把握することなく魚群の魚量情報を定量的且つ容易に算出することができる。また、漁業者の経験に依ることなく魚群の魚量情報を算出できるので、算出された魚量情報のバラツキも小さい。
本発明に係る水中探知装置は、船体から水中の所定の方向に超音波信号を送信する送信部と、前記送信された超音波信号に起因する魚群内からの反射エコーを受信ビームにより受信する受信部と、前記受信ビームの信号を処理する信号処理部と、を備え、前記受信部が、船体の前方水平方向に延びる第1軸と前記船体から前記第1軸に対して水平方向に直交する方向に延びる第2軸とを含む水平面に対して直交する鉛直面に略沿う方向と、前記水平面及び前記鉛直面のいずれに対しても交差し且つ前記船体の周りに形成される傘型面に略沿う方向と、に受信ビームを形成可能であり、前記信号処理部が、前記鉛直面に略沿う方向に形成された受信ビームから得られるデータと、前記傘型面に略沿う方向に形成された受信ビームから得られるデータとに基づいて擬似的な三次元データを構築することによって前記魚群の魚量情報を算出することを特徴とする。
本発明に係る魚群の魚量情報の算出方法は、船体から水中の所定の方向に超音波信号を送信するステップと、前記船体の前方水平方向に延びる第1軸と前記船体から前記第1軸に対して水平方向に直交する方向に延びる第2軸とを含む水平面に対して直交する鉛直面に略沿う方向と、前記水平面及び前記鉛直面のいずれに対しても交差し且つ前記船体の周りに形成される傘型面に略沿う方向と、に受信ビームを形成するステップと、前記鉛直面に略沿う方向に形成された受信ビームから得られるデータと、前記傘型面に略沿う方向に形成された受信ビームから得られるデータと、に基づいて擬似的な三次元データを構築することによって前記魚群の魚量情報を算出するステップと、を有することを特徴とする。
これらによると、水平モードと垂直モードとを有する仮想の鉛直面に略沿う二次元方向及び仮想の傘型面に略沿う二次元方向に受信ビームが形成され、かかる受信ビームから得られるデータに基づいて魚群の魚量情報を定量的且つ容易に算出する。従って、水平モードの走査画像及び垂直モードの走査画像の対応関係を把握することなく定量的な魚群の魚量情報を容易に算出することができる。また、漁業者の経験に依ることなく魚群の魚量情報を算出できるので、算出された魚量情報のバラツキも小さい。
本発明に係る水中探知装置において、前記信号処理部による擬似的な三次元データの構築が、前記鉛直面に略沿う方向に形成された受信ビームから得られるデータを前記傘型面に沿って拡大又は縮小することによって行われることが好ましい。
本発明に係る水中探知装置において、前記信号処理部による擬似的な三次元データの構築が、前記傘型面に略沿う方向に形成された受信ビームから得られるデータを前記鉛直面に沿って拡大又は縮小することによって行われることが好ましい。
これらによると、魚群の魚量情報及び魚群の概ねの体積を算出するための具体的な構成を実現することができる。
本発明に係る水中探知装置は、船体から水中の所定の方向に超音波信号を送信する送信部と、前記送信された超音波信号に起因する魚群内からの反射エコーを受信ビームにより受信する受信部と、前記受信ビームの信号を処理する信号処理部と、を備え、前記受信部が、船体の前方水平方向に延びる第1軸と前記船体から前記第1軸に対して水平方向に直交する方向に延びる第2軸とを含む水平面に対して直交する鉛直面に略沿う方向と、前記水平面及び前記鉛直面のいずれに対しても交差し且つ前記船体の周りに形成される傘型面に略沿う方向と、に受信ビームを形成可能であり、前記信号処理部が、前記鉛直面に略沿う方向に形成された受信ビームから得られるデータ及び前記傘型面に略沿う方向に形成された受信ビームから得られるデータのそれぞれを二値化処理し、前記二値化処理されたそれぞれのデータに基づいて擬似的な三次元データを構築することによって前記魚群の概ねの体積を算出することを特徴とする。
本発明に係る魚群の概ねの体積の算出方法は、船体から水中の所定の方向に超音波信号を送信するステップと、船体の前方水平方向に延びる第1軸と前記船体から前記第1軸に対して水平方向に直交する方向に延びる第2軸とを含む水平面に対して直交する鉛直面に略沿う方向と、前記水平面及び前記鉛直面のいずれに対しても交差し且つ前記船体の周りに形成される傘型面に略沿う方向と、に受信ビームを形成するステップと、前記鉛直面に略沿う方向に形成された受信ビームから得られるデータ及び前記傘型面に略沿う方向に形成された受信ビームから得られるデータとのそれぞれを二値化処理するステップと、前記二値化処理されたそれぞれのデータに基づいて擬似的な三次元データを構築することによって前記魚群の概ねの体積を算出するステップと、を有することを特徴とする。
これらによると、水平モードと垂直モードとを有する仮想の鉛直面に略沿う二次元方向及び仮想の傘型面に略沿う二次元方向に受信ビームが形成され、かかる受信ビームから得られるデータに基づいて魚群の概ねの体積を算出する。従って、水平モードの走査画像及び垂直モードの走査画像の対応関係を把握することなく魚群の概ねの体積を容易に算出することができる。また、漁業者の経験に依ることなく魚群の概ねの体積を算出できるので、算出された魚群の概ねの体積のバラツキも小さい。
本発明に係る水中探知装置において、前記信号処理部による擬似的な三次元データの構築が、前記鉛直面に略沿う方向に形成された受信ビームから得られるデータを前記傘型面に沿って拡大又は縮小することによって行われることを特徴とするが好ましい。
本発明に係る水中探知装置において、前記信号処理部による擬似的な三次元データの構築が、前記傘型面に略沿う方向に形成された受信ビームから得られるデータを前記鉛直面に沿って拡大又は縮小することによって行われることが好ましい。
これらによると、魚群の魚量情報及び魚群の概ねの体積を算出するための具体的な構成を実現することができる。
本発明に係る水中探知装置において、前記構築された擬似的な三次元データを三次元の直交メッシュデータメモリを構成する各ボクセルに充当して三次元直交モデルを形成し、この直交メッシュモデルに対して所望の位置から眺めた際に視認できる像を二次元平面に投影して表示する表示手段をさらに備えていることが好ましい。
これによると、魚群からの反射エコーを受信ビームにより受信した場合に得られるデータに基づいて、魚群の擬似的な三次元データを表示部で視認することができる。従って、水平モードの走査画像及び垂直モードの両走査画像からイメージすることなく、容易に魚群全体の形状を把握することが可能となる。
本発明に係る水中探知装置は、船体から水中の所定の方向に超音波信号を送信する送信部と、前記送信された超音波信号に起因する単体魚からの反射エコーを受信ビームにより受信する受信部と、前記受信ビームの信号を処理する信号処理部と、を備え、前記信号処理部が、前記受信ビームにより得られるデータを前記三次元方向に積分することによって前記単体魚の概ねの後方散乱強度を算出することを特徴とする。
本発明に係る単体魚の概ねの後方散乱強度の算出方法は、船体から水中の所定の方向に超音波信号を送信するステップと、前記送信された超音波信号に起因する単体魚からの反射エコーを受信ビームにより受信するステップと、前記受信ビームにより得られるデータを前記三次元方向に積分することによって前記単体魚の後方散乱強度を算出するステップと、を有することを特徴とする。
これらによると、水平モードの走査画像及び垂直モードの走査画像の対応関係を把握することなく定量的な単体魚の後方散乱強度を容易に算出することができる。また、漁業者の経験に依ることなく単体魚の後方散乱強度を算出できるので、算出された単体魚の後方散乱強度のバラツキも少ない。さらに、魚群の魚量情報を算出するためには、かかる魚群をなす単体魚の後方散乱強度を予め知っておく必要がある。しかしながら、魚群をなす単体魚の後方散乱強度が不明な場合もあり、かかる場合には魚群の魚量情報を算出することができない。このような場合であっても、魚群をなす単体魚の後方散乱強度を容易に算出することができるので有効である。
なお、上記発明に係る全ての水中探知装置において、「送信部」及び「受信部」は、それぞれが送信又は受信の機能を有する別体の装置のみでなく、送信及び受信のいずれの機能も有する一体の装置をも含むものである。
本発明では、魚群情報を推定するためのアルゴリズムが構築された水中探知装置を提案する。本発明における水中探知装置は、球座標系を用いた算出原理に基づいて魚群情報を推定することができる。とくに、魚群FSをなす単体魚の後方散乱強度Tsが分かれば、魚群FS内の魚量Nをも推定することができる。
なお、「単体魚の後方散乱強度Ts」とは、単体魚に向けて超音波信号を送信したとき、この単体魚からの反射エコーから得られる指標であり、魚体長のおおよそ2乗に比例することが明らかとなっている。
また、本発明における「魚群FSの魚量情報」とは、ターゲットである魚群FS内の尾量Nの概数及びこの尾量Nとこの魚群FSをなす単体魚の後方散乱強度Tsとを乗じた値(N×Ts)を意味し、これらのうちいずれか一方及び両方を含む概念である。即ち、本発明に係る水中探知装置は、魚群FS内の尾量Nのみを算出可能なもの、魚群FS内の(N×Ts)のみを算出可能なもの並びにN及び(N×Ts)のいずれも算出可能なもののうちいずれであっても良い。
以下、第1実施形態において球座標系を用いた魚量算出原理及びこの原理を用いた魚群FS内の魚量情報の算出方法を、第2実施形態において魚群FSの体積の算出方法を、第3実施形態において単体魚の後方散乱強度Tsの算出方法を、それぞれ、説明する。
なお、本発明の水中探知装置として、スキャニングソナー(マルチビームソナー)が用いられ、スキャニングソナーは、図1の制御ブロック図に図示される構成を備えている。
図1において、スキャニングソナー1は、トランスデューサ2と送信部3と受信部4と信号処理部5と表示部6とを有している。トランスデューサ2は、後述する船体7の底部に設けられる送受波器である。送信部3は、トランスデューサ2から超音波信号をビーム状に送信させる(以下、この超音波信号を「超音波ビーム」と称する)。受信部4は、所定の方向に受信ビームを形成し、魚群FSまたは単体魚などの物標から反射した反射エコーを受信ビームにより受信する。信号処理部5は、受信ビームの信号を処理し、魚群の魚量情報、魚群の概ねの体積及び魚群をなす単体魚の後方散乱強度を算出する。信号処理部5における処理については、第1実施形態〜第3実施形態において詳しく説明する。信号処理部5で処理される信号としては、入力換算音響信号などが該当する。表示部6は、通常のソナーのエコー画像を表示すると共に受信ビームの入力換算音響強度PM 2、及び信号処理部5で算出された魚群情報、魚群の概ねの体積及び魚群の立体画像、並びに単体魚の後方散乱強度Tsなどを表示する。
なお、各実施形態について説明する前提として、後述する船体7の底部に設けられたトランスデューサ2の位置を各座標系の原点O、船体7の前方水平方向(即ち、走行中の船体7であれば船体7の進行方向)に延びる仮想軸をx軸(第1軸)、船体7からx軸に対して水平方向に直交する仮想軸をy軸(第2軸)、原点Oから鉛直下方に向けて延びる仮想の鉛直軸をz軸(第3軸)とする。
さらに、x軸とy軸とを含む仮想の平面をxy平面(水平面)、x軸とy軸とを含む仮想の平面をxy平面、及びx軸とz軸とを含む平面をxz平面と称する。ここで、また、超音波ビームの送信方向をr方向とする。ここで、r方向は、xy平面に対して角度θを成すと共にxy平面への正射影がx軸に対して時計回りに角度φを成す方向である。
(第1実施形態)
本発明において、魚群FS内の魚量情報は、球座標系を用いた魚量情報の算出原理に基づいて推定することができる。以下に、球座標系を用いた魚量情報の算出原理と、この原理を利用した第1実施例及び第2実施例とについて、各図を参照しつつ説明する。
球座標系を用いた魚量情報の算出原理
先ず、球座標系を用いた魚量情報の算出原理について、図2を参照しつつ説明する。ここで、図2は球座標系のモデル図である。なお、トランスデューサ2の形状は球形とする。即ち、これは、送信信号強度P0 2及び等価ビーム幅Ψについて、r方向がxy平面に対して成す角度θの依存性を考慮しないことを意味する。
図2において、トランスデューサ2(原点O)から海水中に向けて送信された超音波のビームが魚群FS内から反射し、この反射エコーを受信ビームにより受信した場合について考える。このとき、超音波のビームは、xy平面に対する海水中の深さ方向の角度θとxz平面に対する時計回りの角度φとを有する方向に向けて送信されることとなる。ここで、角度θの範囲は、0≦θ≦π/2〔rad〕であり、角度φの範囲は、0≦φ≦2π〔rad〕である。ここで、魚群FSの密度をn(r,θ,φ)とすると、魚群FS内の総尾量Nは、以下の数1で表すことができる。
〔数1〕N=∫n(r,θ,φ)・r2cosθ・drdθdφ
トランスデューサ2から(r,θ,φ)方向に向けて送信された送信ビームが魚群FSから反射した場合、この反射エコーを受信ビームより受信した場合に得られる入力換算音響強度PM 2は、信号処理部5で演算処理される。以下に、信号処理部5における一連の処理について説明する。
入力換算音響強度PM 2(r,θ,φ)は、xy平面に対するビーム角度θ,x軸に対するビーム角度φ、時刻の換算距離をrとして、以下の数2で表すことができる。
Figure 2006105700
なお、ここで、P0 2は送信信号強度、αは吸収減衰係数、hは点広がり関数である。
ここで、点広がり関数について、図3(a)及び図3(b)を参照しつつ説明する。ここで、図3(a)は、(θ,φ)方向に超音波ビームを2次元連続走査した場合の座標系を、図3(b)は、点ターゲットを2次元連続スキャンした場合のイメージング結果を表している。一つの超音波ビームの送受積指向性関数をb(θ,φ;θ'',φ'')と表現する。これは、(θ,φ)方向に送受信された超音波ビームの(θ'',φ'')方向の規格化された感度を表している。また、超音波ビームにより2次元連続スキャンを行うことは、超音波ビームの送受信方向(θ,φ)が異なる多数の超音波ビームで3次元空間を探知することと等価である。
図3(a)において、パルス幅τの超音波ビームを用いて点ターゲット(位置;(r',θ',φ')、反射率1)を探知し、(θ,φ)方向の超音波ビームで得られた規格化受波強度データ時系列P2(r,θ,φ)を点(r,θ,φ)にプロットし、3次元画像化する。その結果、超音波ビームは、図3(b)に図示されるようにビーム幅とパルス幅に応じた広がり(残響体積)を持つ。この広がりを点広がり関数と呼び、h(r',θ',φ';r,θ,φ)と表現する。なお、規格化受波強度とは、受波強度信号にTVG及び送信音圧を補正する(r40 2(e2αr2を乗ずる)ことによって、ターゲットの反射強度に変換された量である。また、最大値を1で規格化した点ターゲットからの3次元レスポンスと考えることもできる。
点広がり関数h(r',θ',φ';r,θ,φ)は、送受積指向性関数b(θ,φ;θ'',φ'')と送信エンベロープ関数R(r)とを用いて以下の数3のように表せる。なお、エンベロープ関数R(r)は以下の数4である。
Figure 2006105700
Figure 2006105700
即ち、(r',θ',φ')に存在する点ターゲットの広がりは、距離r方向にはパルス幅で広がり、r及び仮想の鉛直面の方向には、b(θ,φ;θ',φ')で広がる。
点広がり関数を体積積分すると、cτ/2×r2×Ψとなる。Ψは等価ビーム幅とよばれ、b(θ,φ;θ',φ')の二次元関数で定義される。円筒座標系を用いた場合の点広がり関数の体積積分値も同じ値となると考えて良い。
そして、マルチビームソナーで、体積要素毎に求めた入力換算音響強度PM 2をr,θ,φ方向に連続的に取得して積分する。ここで、数2にr4(e2αr2及び体積要素(r2cosθdrdθdφ)を乗じてr,θ,φ方向に積分すると以下の数5が導かれる。
Figure 2006105700
ここで、数5中の[]内の積分は、以下の数6のように展開できる。
Figure 2006105700
なお、数6の3行目において、hの有限性(r方向にはcτ/2の広がり)を考慮し、hの実行積分範囲においてrは一定値r’とみなし積分の外に出した。また、rがcτ/2よりも十分に大きいと仮定する。なお、cは音速、τはパルス幅、Ψは等価ビーム幅を示している。数5に、数1及び数6を代入すると、以下の数7が導かれる。
Figure 2006105700
数7を変形すると、以下の数8が導かれる。
Figure 2006105700
数8より、球座標系を用いた魚量情報の算出原理に基づいて、魚群FSをなす単体魚の後方散乱強度Tsとかかる魚群FS内の尾量Nとの積が導かれる。また、魚群FSをなす単体魚の後方散乱強度Tsが分かれば、魚群FS内の尾量Nが導かれる。このようにして、魚群FS内の尾量Nの概数が把握できる。
なお、上記算出原理の説明において、トランスデューサ2の形状が球形の場合について説明したが、これに限られず、円筒形であっても良い。この場合、送信信号強度P0 2及び等価ビーム幅Ψについて、r方向がxy平面に対して成す角度θの依存性を考慮する必要がある。この場合、送信信号強度をP0 2(θ)、等価ビーム幅をΨ(θ)とし、マルチビームソナーで、各体積要素毎に求めた入力換算音響強度PM 2をr,θ,φ方向に連続的に取得して積分すると、以下の数9が導かれる。
Figure 2006105700
ここで、数9にr4(e2αr2・cosθ/(P0 2(θ)Ψ(θ))を乗じて積分すると、以下の数10が導かれる。
Figure 2006105700
なお、数10において、積分の中の1/r2及びΨ(θ)の項をそれぞれ、1/r2=1/r'2、Ψ(θ)=Ψ(θ’)と近似し、r,θ,φの積分外に出している。数10を変形すると数11が導かれる。
Figure 2006105700
実際のマルチビームソナーから送信した超音波ビームが魚群FS内から反射し、この反射エコーを受信ビームにより受信した場合におけるデータは、(θ,φ)方向のビーム方向rに沿って得られる。ここで、θ方向のビームピッチをΔθ、φ方向のビームピッチをΔφとし、θ方向i番目φ方向j番目の超音波ビームの出力をPMi,j(r)とすると、数11は、以下の数12となる。
Figure 2006105700
ここで、数12の右辺はエコー積分を表している。数12より、r4(e2αr2及び角度θを補正した後の積分値を求めることができ、さらにTsが既知の場合は、エコー積分値より総尾量Nを求めることができる。また、距離r方向の離散化を導入すると、数12は、以下の数13で表せる。
Figure 2006105700
数13より、球座標系を用いた魚量情報の算出原理に基づいて、魚群FSをなす単体魚の後方散乱強度Tsとかかる魚群FS内の尾量Nとの積が導かれる。また、魚群Fsをなす単体魚の後方散乱強度Tsが分かれば、魚群FS内の尾量が導かれる。このようにして、魚群FS内の尾量Nの概数が把握できる。
第1実施例
球座標系を用いた魚量情報の算出原理を用いた第1の実施例について、図4を参照しつつ説明する。ここで、図4は、超音波ビームを1回送受信した場合における三次元走査のイメージ図である。なお、第1の実施例におけるスキャニングソナー1は、1回の送受信により三次元走査できるものである。
超音波のビームが1回送受信されることによって三次元走査し、これによって三次元方向の反射ビームの入力換算音響強度PM 2が得られた場合、球座標系を用いた尾量算出原理に基づいて魚群FS内の尾量の概数を算出することができる。以下に、魚群の魚量情報を算出するアルゴリズムについて説明する。
先ず、マルチビームソナーによる測定領域、即ち、超音波ビームの受信方向を設定する。ここで、受信方向を、θ(i),φ(j),r(k)で表すこととする。なお、θ方向の測定範囲は0≦θ≦π/2〔rad〕、φ方向の測定範囲は0≦φ≦2π〔rad〕、r方向の測定範囲は0≦r≦超音波ビームの探知距離〔m〕である。
次に、三次元方向に向けて送信された超音波ビームに起因する魚群FS内からの反射エコーを受信ビームにより受信した場合、受信ビームの方向(θ,φ)毎及びr方向(深度方向)毎の入力換算音響強度(即ち、各体積要素毎の入力換算音響強度)PMi,j,k 2を体積積分する。このとき、送信信号強度をP0 2とすると、数13が導かれる。従って、トランスデューサ2の形状が円筒形の場合であっても、魚体の後方散乱強度Tsが分かれば魚群FS内の尾量Nの概数を算出することができる。なお、このようにして算出された魚群FS内の尾量Nの概数は、表示部6に表示される。
以上のように、第1実施例におけるスキャニングソナー1は、船体7から水中の三次元方向に向けて超音波ビームを1回送信し、送信された超音波ビームに起因する魚群FS内からの反射エコーを三次元方向の受信ビームにより受信するトランスデューサ2と、受信ビームの信号を処理する信号処理部5とを備える。そして、この信号処理部5が、受信ビームにより得られる入力音響換算信号を三次元方向に積分することによって魚群内の尾量の概数を算出している。従って、水平モードの走査画像及び垂直モードの走査画像の対応関係を把握することなく、定量的な魚群FS内の尾量Nの概数を容易に算出することができる。しかも、漁業者の経験に依ることもないので、算出された魚群FS内の尾量Nの概数のバラツキも小さい。
第2実施例
次に、第2の実施例について、図5、図6及び図7を参照しつつ説明する。ここで、図5は、超音波のビームが船体7の周囲に形成される二次元の仮想傘型面H1上とxy平面に対して直交する仮想の鉛直平面H2上とを走査した場合のモデル図、図6は、超音波のビームが二次元の仮想傘型面H1上を走査した場合における受信ビームのデータ図、図7は、超音波のビームがxy平面に対して直交する仮想の鉛直平面H2上を走査した場合における受信ビームのデータ図である。図6及び図7に図示されるデータは、受信ビームの入力換算音響強度PM 2を示しており、受信ビームの入力換算音響強度PM 2が大きいほど、図6及び図7に図示される濃度が大きくなる。トランスデューサ2の形状は球形とする。
図5に図示されるように、超音波のビームは、トランスデューサ2から海水中の2方向に向けて送信される。即ち、船体7の周囲に形成される二次元の仮想傘型面H1上を走査しつつxz平面に対する角度φを変化させる方向、及びxy平面に対して直交する仮想の鉛直平面H2上を走査しつつxy平面に対する角度θを変化させる方向である。なお、上述のとおり、xz平面に対する角度φの範囲は、0≦φ≦2π〔rad〕であり、xy平面に対する角度θの範囲は、0≦θ≦π/2〔rad〕である。
超音波のビームが二次元の仮想傘型面H1及び仮想の鉛直平面H2上を走査して受信ビームの入力換算音響強度PM 2が得られた場合、尾量算出原理及び疑似積層法に基づいて魚群内の尾量の概数を算出することができる。ここで、疑似積層法について、図8(a)及び図8(b)を参照しつつ説明する。
図8(a)は、船体7の周囲に形成される二次元の仮想傘型面H1上とxy平面に対して直交する仮想の鉛直平面H2上とにおける魚群FSの断面を示した図である。超音波ビームは、この傘型面H1及びxy平面に対して直交する鉛直平面H2に沿う方向に送受信される。また、図8(b)は、疑似積層法を示す概念図である。
図8(a)に図示されるように、仮想傘型面H1及び仮想鉛直平面H2の両方における魚群FSの断面をトレースし、各面における非楕円モデルSH,SVを作成する。次に、仮想鉛直平面H2における非楕円モデルSVを、仮想傘型面H1に沿って拡大/縮小コピーすることによって、非楕円モデルSV1,SV2・・・を作成し、擬似的な三次元データを構築する。コピーする際の尺度は、非楕円モデルであるSHとSVとが交差する線Lに沿った入力音響強度PM 2の積分値と、この線Lを傘型面H1上において原点O(図5参照)を中心として角度φの大小方向(即ち、j方向)に移動させた非楕円モデルSH上の線L1(L2・・・)に沿った入力換算音響強度PM 2の積分値との比によって決められる(図8(b)参照)。即ち、図8(b)において、非楕円モデルSV1は、非楕円モデルSVを非楕円モデルSHに沿って原点Oを中心としてに移動させ、非楕円モデルSHと移動させた非楕円モデルSVとが交差する線に沿った入力換算音響強度PM 2の積分値がL1に沿った入力換算音響強度PM 2の積分値となるように、非楕円モデルSVが縮小されたモデルである。同様にして、非楕円モデルSV2が作成される。
なお、コピーする際の尺度は、上記に限られるものではなく、非楕円モデルであるSHとSVとが交差する線Lに沿った長さと、この線Lを傘型面H1上において原点O(図5参照)を中心として角度φの大小方向(即ち、j方向)に移動させた非楕円モデルSH上の線L1(L2・・・)に沿った長さとの比によって決められても良い。
また、擬似的な三次元データの構築は、仮想鉛直平面H2における非楕円モデルSVを,仮想傘型面H1に沿って拡大/縮小コピーすることによって非楕円モデルSV1,SV2・・・を作成するものに限られず、仮想傘型面H1における非楕円モデルSHを、仮想鉛直平面H2に沿って拡大/縮小コピーすることによって非楕円モデルSH1,SH2・・・を作成するものであっても良い。
以下、この疑似積層法を用いて魚群内の尾量の概数を算出するアルゴリズムについて説明する。
先ず、マルチビームソナーによる測定領域、即ち、超音波ビームの送受信方向の範囲を設定する。ここで、送受信方向は、θ(i),φ(j),r(k)で表される。なお、θ方向の測定範囲は0≦θ≦π/2〔rad〕、φ方向の測定範囲は0≦φ≦2π〔rad〕、r方向の測定範囲は0≦r≦超音波ビームの探知距離〔m〕である。
ここで、二次元の仮想傘型面H1上及び仮想鉛直平面H2に沿って形成された受信ビームの入力換算音響強度PM 2は、それぞれ、図6及び図7に図示されるように濃淡で表されたデータとして表示部6に表示される。
次に、傘型面H1に沿う方向に形成された受信ビームについて、ビーム毎に深度方向に入力換算音響強度PM 2を一次元エコー積分する。ここで、トランスデューサ2が円筒形なので、この積分値は以下の数14で表される。また、鉛直平面H2に沿う方向に形成された受信ビームについての入力換算音響強度PM 2を二次元エコー積分し、単位要素を乗算する。この積分値は以下の数15で表される。
Figure 2006105700
Figure 2006105700
なお、PMi,j,k 2は各体積要素(θ,φ,r)毎の入力換算音響強度、P0 2は送信信号強度を示している。
そして、疑似積層法により、これらの積分値を用いて擬似的な三次元データを構築する。このとき、構築された擬似的な三次元データは、以下の数16で表される。また、尾量算出原理を応用することによって数17が導かれる。
Figure 2006105700
Figure 2006105700
従って、魚体のTsが分かれば、魚群内の尾量の概数Nを算出することができる。なお、第1実施例同様、算出された魚群FS内の尾量Nの概数は、第1実施例と同様、表示部6に表示される。
以上、魚群の魚量情報を算出するための好適な実施の形態について説明したが、本発明は第1実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更を行うことが可能なものである。例えば、トランスデューサ2から送受信される超音波が1回の送受信によって各面H1,H2を走査するものに限られず、連続して複数回送受信される超音波によって各面H1,H2を走査するものであってもよい。
また、上述の第1実施形態では、魚群FSの魚量情報として魚群FS内の尾量Nを算出しているが、これに限られず、「N×Ts」を算出するものであっても良い。
また、上述の第1実施形態では、一つの受信ビームを各面H1,H2の多方位に向けて順次形成させているが、これに限られず、一次元的に絞った多数の受信ビームを各面H1、H2上の多方位に向けて同時に形成させても良い。
また、超音波ビームの送受信方向を、xy平面に対する角度θが0≦θ≦π/2の範囲内、xz平面に対する角度φが0≦φ≦2πの範囲内としているがこれに限られず、それぞれ、0≦θ≦π/2〔rad〕、0≦φ≦2π〔rad〕の範囲内において任意の範囲(例えば、π/4≦θ≦3π/4〔rad〕、0≦φ≦π〔rad〕など)で変化させるものであってもよい。
また、本実施例において、トランスデューサ2が円筒形の場合について説明したが、これに限られず、球形であっても良い。この場合、送信信号強度P0 2及び等価ビーム幅Ψについて、r方向がxy平面に対して成す角度θの依存性を考慮する必要がある。従って、数14はこれに代えて数18で、数15はこれに代えて数19で、数16はこれに代えて数20で、それぞれ、表される。ただし、数送信信号強度をP0 2、等価ビーム幅をΨとする。
Figure 2006105700
Figure 2006105700
Figure 2006105700
以上のように、第2実施例におけるスキャニングソナー1は、船体7から水中の所定の方向に超音波ビームを送信し、送信された超音波ビームに起因する魚群FS内からの反射エコーを受信ビームにより受信するトランスデューサ2と、受信ビームの信号を処理する信号処理部5とを備える。ここで、このトランスデューサ2は、xy平面に対して直交する仮想の鉛直平面H2に沿う方向と、xy平面及び仮想の鉛直平面H2のいずれに対しても交差し且つ船体7の周りに形成される仮想の傘型面H1に沿う方向とに受信ビームの形成が可能である。そして、信号処理部5が、仮想の鉛直平面H2に沿う方向に形成された受信ビームから得られる入力換算音響強度PM 2と、仮想の傘型面H1に沿う方向に形成された受信ビームから得られる入力換算音響強度PM 2と、に基づいて擬似的な三次元データを構築し、魚群FS内の尾量Nの概数を算出している。従って、水平モードの走査画像及び垂直モードの走査画像の対応関係を把握することなく、魚群FS内の尾量Nの概数を定量的且つ容易に算出することができる。しかも、漁業者の経験に依ることもないので、算出された魚群FS内の尾量Nの概数がばらつくことも少ない。
(第2実施形態)
本発明において、魚群の概ねの体積は、第1実施形態で説明した疑似積層法を用いて推定することができる。以下、第2実施形態について、図5、図9及び図10を参照しつつ説明する。ここで、図9は、超音波のビームが図5に図示される傘型面H1上を走査した場合における受信ビームのデータ図、図10は、超音波のビームが図5に図示される鉛直平面H2上を走査した場合における受信ビームのデータ図である。なお、図9及び図10に図示されるデータは、受信ビームの入力換算音響強度PM 2を示している。
本発明において、図5に図示される傘型面H1及び鉛直平面H2は、φ(0)とθ(0)とで交差する。このとき、魚群FSが、境界が明瞭な体積散乱体であって且つ残響体積よりも十分に広がりが大きいと仮定すると、以下の魚群体積推定アルゴリズムによって、魚群FSの体積を近似できる。
先ず、r,θ,φの各方向について、超音波ビームの送受信方向の範囲を設定する。ここで、送受信方向は、θ(i),φ(j),r(k)で表される。なお、θ方向の測定範囲は0≦θ≦π/2〔rad〕、φ方向の測定範囲は0≦φ≦2π〔rad〕、r方向の測定範囲は0≦r≦超音波ビームの探知距離〔m〕である。
ここで、二次元の仮想傘型面H1上及び仮想鉛直平面H2に形成された受信ビームについての入力換算音響強度PM 2は、それぞれ、図9及び図10に図示されるように濃淡で表されたデータとして表示部6に表示される。なお、入力換算音響強度PM 2は、トランスデューサ2の形状が球形であれば数2によって、トランスデューサ2の形状が円筒形であれば数9によって、それぞれ、求められる。
次に、信号処理部5は、傘型面H1に沿う方向に形成された受信ビームについて、r,φ方向の体積要素毎の入力換算音響強度PM 2を所定の閾値と対比することによって二値化処理を行う。具体的には、入力換算音響強度PM 2が所定の閾値以上である場合をDi0,j,k=1、所定の値よりも小さい場合をDi0,j,k=0を各体積要素毎に設定する。
また、同様にして、鉛直平面H2に沿う方向に形成された受信ビームについて、r,θ方向の体積要素毎の入力換算音響強度PM 2を所定の閾値と対比することによって二値化処理を行う。このとき、入力換算音響強度PM 2が所定の閾値以上である場合をDi,j0,k=1、所定の値よりも小さい場合をDi,j0,k=0を各体積要素毎に設定する。
図9において、φ方向の各超音波ビーム毎について深度方向にDi0,j,k=1に設定された領域を一次元積分する。なお、この積分値Rj'は以下の数21で表される。
Figure 2006105700
図10において、仮想鉛直平面H2内でDi,j0,k=1に設定された領域を二次元積分し、体積要素の数を乗ずる。なお、この積分値V0は、以下の数22で表される。
Figure 2006105700
このようにして求めたRj'及びV0を用いて、疑似積層法により擬似的な三次元データを構築し、魚群FSの概ねの体積Vを算出する。以下の数23に、魚群FSの概ねの体積Vを算出する式を示す。
Figure 2006105700
従って、魚群FSから反射した反射エコーを受信ビームにより受信した場合に得られる入力換算音響強度PM 2から魚群FSの概ねの体積Vを算出することができる。
次に、このようにして構成された疑似三次元データに対して、ボリュームレンダリングの手法を用いることにより、抽出した魚群エコーの疑似三次元表示を表示部6で行う。
ここで、ボリュームレンダリング表示とは、不透明度の採用により魚群の表面のみならず内部までも表示するものであり、図11及び図12を参照しつつ説明する。図11は、二次元の投影面に三次元の直交メッシュモデル8を投影する状況を示した図であり、図12は、視点9からの視線10上に位置する各ボクセルB1〜Bnを示した図である。なお、二次元画像の各画素の呼び名「ピクセル」に対して三次元の各メッシュを「ボクセル」と呼ぶ。
図11に図示されるように、視点9から投影面11を通じて魚群データを含有する直交メッシュモデル8を眺めたとき、図12に図示されるように、その視線が交差するボクセルB1〜Bnに対して色データCvを積算する。この色データCvの積算値をピクセル12に与えられる色データ(投影色データCと呼ぶ)としている。そのために、走査のスタート点として、視点9から投影面11上の上端のピクセル12を通る視線10が指定され、その視線10の方位が演算される。その視線10上にて読出しポイント(視点よりの直線距離)が更新される。そして、その読出しポイントに該当するボクセルのボリュームレンダリングデータが読み出される。
投影色データCの計算は、次のようにして色データCvが積算されて行われる。今、その視線にボクセルB1(色データCv(1)、不透明度α(1))のみがあったとき、この場合に視点9から見える投影色データCは、数24で表される。
〔数24〕C=Cv(1)・α(1)
また、視線上にボクセルB1とB2(色データCv(2)、不透明度α(2))のみが位置した場合における投影色データCは、数25で表される。
〔数25〕C←C+Cv(2)・α(2)・(1−α(1))
上記数25の右辺において、Cは、数24で得たボクセルB1の投影色データであり、Cv(2)・(1−α(1))は、透明度が(1−α(1))のボクセルB1を通して色データCCv(2)のボクセルB2を見た時の投影色データである。これより、ボクセルB1からボクセルBnまでの投影色データCは、数26の漸化式で与えられる。
〔数26〕C←C+(1−α(t−1))・Cv(t)・α(t)
このようにして、投影色データの積算に並行して不透明度α(n)の積算をも行い、不透明度が1に達するまで色データCvの積算が継続される。また、不透明度が1に達したか(不透明度が1を越えればそれより背後のボクセルは見えなくなるため)、視線上の全ボクセルの色データの積算が終了すれば、以後の色データCvの積算を中止して、その積算された投影色データCを当該ピクセルに対するデータとして格納する。そして、次のピクセルを通る視線に更新(走査)され、その視線の方位が演算されて同様の処理が行われる。
このようにして、投影面11の各ピクセル12に投影色データCが充当されることで、魚群に対するボリュームレンダリング表示のためのデータが完成する。
なお、ボリュームレンダリング表示するための処理は、CPU、ROM及びRAMを備える図示しない制御部で行われる。この制御部は、スキャニングソナー1全体を制御するものであってもよく、表示部6のみを制御するものであっても良い。
以上、魚群の概ねの体積を算出するための好適な実施の形態について説明したが、本発明は本実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更を行うことが可能なものである。例えば、超音波ビームの送受信方向を、xy平面に対する角度θが0≦θ≦π/2の範囲内、xz平面に対する角度φが0≦φ≦2πの範囲内としているがこれに限られず、それぞれ、0≦θ≦π/2〔rad〕、0≦φ≦2π〔rad〕の範囲内において任意の範囲(例えば、π/4≦θ≦π/2〔rad〕、0≦φ≦π〔rad〕など)で変化させるものであってもよい。
以上のように、本実施形態におけるスキャニングソナー1は、船体7から水中に所定の方向に超音波ビームを送信し、送信された超音波ビームに起因する魚群FS内からの反射エコーを受信ビームにより受信するトランスデューサ2と、受信ビームの信号を処理する信号処理部5とを備える。ここで、このトランスデューサ2は、xy平面に対して直交する仮想の鉛直平面H2に沿う方向と、xy平面及び仮想の鉛直平面H2のいずれに対しても交差し且つ船体7の周りに形成される仮想の傘型面H1に沿う方向とに受信ビームの形成が可能である。そして、信号処理部5が、仮想の鉛直平面H2に形成された受信ビームから得られる入力換算音響強度PM 2及び仮想の傘型面H1に沿う方向に形成された受信ビームから得られる入力換算音響強度PM 2のそれぞれを、所定値を基準として二値化処理し、擬似的な三次元データを構築している。これによって魚群FSの概ねの体積Vを算出している。従って、水平モードの走査画像及び垂直モードの走査画像の対応関係を把握することなく魚群の概ねの体積を容易に把握することができる。また、漁業者の経験に依ることなく魚群の概ねの体積を算出できるので、算出された魚群FSの概ねの体積Vのバラツキも小さい。それに加え、魚群FSの三次元データが画像として表示部6に表示されるので、魚群FSの形状を容易に把握することが可能となる。
なお、上述の第1実施形態及び第2実施形態における説明では、超音波ビームが二次元の仮想傘型面H1及びxy平面に対して直交する仮想の鉛直平面H2に添って送信されることを前提としているが、実際には各面H1,H2に略沿った方向を走査することとなる。
(第3実施形態)
次に、魚群FSをなす魚体のTsを算出する原理について、図3を参照しつつ説明する。第1実施形態では、魚群FSをなす魚体のTsが既知であることを前提として説明している。しかしながら、魚群FSをなす単体魚のTsが不明な場合もある。本実施形態は、このような場合であっても、魚群FSをなす魚体のTsを算出できる点において有効である。なお、トランスデューサ2の形状は球形とする。
後方散乱強度Tsは、送信された超音波ビームに起因する単体魚からの反射エコーを受信ビームにより受信することによって求めることができる。ただし、ビーム内のターゲットと音軸との位置関係から、ターゲット位置の感度h(r',θ',φ';r,θ,φ)を知る必要がある。なお、垂直魚群探知機では、船体7の鉛直下方のビーム信号しか受信できないので、θ,φ方向のターゲット位置の感度を知ることができない。一方、スキャニングソナーであれば、船体7の鉛直下方へのビーム以外に(θ,φ)方向に十分な数のマルチビームを用意することができるので、ターゲットが存在するビームの体積積分を求めることによってTsを算出することができる。
図3(a)において、点ターゲットを(θ,φ)方向に連続スキャンを行うと、図3(b)のように体積を持った受信データが出力される。この場合において、(r',θ',φ')に存在する単体魚を探知した場合の入力換算音響強度PM 2は、以下の数27で表される。
Figure 2006105700
ここで、数27にr4(e2αr2を乗じて積分を行うと、以下の数28が導かれる。
Figure 2006105700
従って、単体魚からの反射ビームの入力換算音響強度PM 2から後方散乱強度Tsを算出することができる。このような処理は信号処理部5で行われ、算出された後方散乱強度Tsは表示部6に表示される。
以上、魚群FSをなす魚体のTsを算出する原理の実施形態について説明したが、本発明は第3実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更を行うことが可能なものである。例えば、本実施形態において、トランスデューサ2が球形の場合について説明したが、これに限られず、円筒形であっても良い。この場合、送信信号強度P0 2及び等価ビーム幅Ψについて、r方向がxy平面に対して成す角度θの依存性を考慮する必要がある。従って、数27はこれに代えて数29で、数28はこれに代えて数30で、それぞれ、表される。ただし、数送信信号強度をP0 2(θ)、等価ビーム幅をΨ(θ)とする。
Figure 2006105700
Figure 2006105700
以上のように、本実施形態におけるスキャニングソナー1は、船体7から水中の所定の方向に向けて超音波ビームを送信し、送信された超音波ビームに起因する単体魚からの反射エコーを受信ビームにより受信するトランスデューサ2と、受信ビームの信号を処理する信号処理部6とを備える。ここで、信号処理部6は、上述のTs算出原理を用いることによって、受信ビームより得られる力換算音響強度PM 2を三次元方向に積分し、魚群をなす単体魚の概ねの後方散乱強度を算出している。従って、魚群FSをなす単体魚のTsを容易に把握することができる。さらに、魚群FSをなす単体魚の後方散乱強度Tsが不明な場合であってもこれを算出することができるので、これに基づいて、魚群FS内の尾量Nの概数を算出することが可能となる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の各実施形態及び実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更を行うことが可能なものである。例えば、水中探知装置はスキャニングソナーに限られるものではなく、セクタースキャニングソナーやサーチライトソナーであっても良い。セクタースキャニングソナーを用いた場合、送信信号強度P0 2及び等価ビーム幅Ψについて、角度θではなく角度φへの依存性を考慮する必要がある。セクタースキャニングソナーでは、送受波器の周囲に所定の中心角および俯角を有する扇形の送信ビームが形成される。そして、扇形の送信ビーム内をペンシル状の受信ビームで走査することにより、送信ビーム内の各方位の水中情報の探知が行われる。尚、1回の超音波の送信で探知できるのは扇形の範囲だけであるので、送受波器を機械的に回転させることで全周の探知が行われる。また、送信ビームの俯角の制御も機械的に行われる。サーチライトソナーを用いた場合、送信信号強度P0 2及び等価ビーム幅Ψのいずれも、角度θ及び角度φへの依存性を考慮する必要はない。サーチライトソナーでは、送受波器の振動子から1つの方位へ所定の俯角でペンシル状の超音波が送信される。そして、振動子で受信された受信信号に基づいて当該方位の水中情報の探知が行われる。尚、1回の超音波の送信で探知できるのはペンシル状の狭い範囲だけであるので、送受波器を機械的に回転させることで全周の探知が行われる。また、超音波が送信される俯角の制御も機械的に行われる。
また、本発明に適用される水中探知装置は、上記の第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態の全てを実施できる水中探知装置であることが好ましいが、それだけに限られず、いずれか一つの実施形態のみを実施可能な水中探知装置またはいずれかニつの実施形態を実施可能な水中探知装置であっても良い。また、第1の実施形態については、第1実施例及び第2実施例のいずれをも実施可能であっても、いずれか一の実施例のみを実施可能であっても良い。
また、本発明に適用される水中探知装置は、トランスデューサ2から送受信される超音波が1回の送受信によって各面H1及びH2を走査するものであってもよく、連続して複数回送受信される超音波によって各面H1及びH2を走査するものであってもよい。
尚、本発明は、上記の好ましい実施形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が可能である。
スキャニングソナーの制御ブロック図である。 球座標系のモデル図である。 (a)が(θ,φ)方向に超音波ビームを2次元連続走査した場合の座標系、(b)が点ターゲットを2次元連続スキャンした場合のイメージング結果を示す図である。 超音波ビームを1回送受信した場合における三次元走査のイメージ図である。 超音波のビームが船体の周囲に形成される二次元の仮想傘型面上とxy平面に対して直交する仮想の鉛直平面上とを走査した場合のモデル図である。 超音波のビームが二次元の仮想傘型面上を走査した場合における反射ビームのデータ図である。 超音波のビームがxy平面に対して直交する仮想の鉛直平面上を走査した場合における反射ビームのデータ図である。 (a)が船体の周囲に形成される二次元の仮想傘型面上とxy平面に対して直交する仮想の鉛直平面上とを示した図、(b)が疑似積層法を示す概念図である。 超音波のビームが二次元の仮想傘型面上を走査した場合における反射ビームのデータ図である。 超音波のビームがxy平面に対して直交する仮想の鉛直平面上を走査した場合における反射ビームのデータ図である。 二次元の投影面に三次元の直交メッシュモデルを投影する状況を示した図である。 視点からの視線上に位置する各ボクセルを示した図である。
符号の説明
1 スキャニングソナー(マルチビームソナー)
2 トランスデューサ
3 送信部
4 受信部
5 信号処理部
6 表示部
7 船体
8 メッシュモデル
9 視点
10 視線
11 投影面
12 ピクセル
H1 船体の周囲に形成される二次元の仮想傘型面
H2 xy平面に対して直交する仮想の鉛直平面
FS 魚群

Claims (13)

  1. 船体から水中に向けて超音波信号を送信することによって三次元方向に送信可能な送信部と、
    前記三次元方向に送信された超音波信号に起因する魚群内からの反射エコーを三次元方向の受信ビームにより受信する受信部と、
    前記受信ビームの信号を処理する信号処理部と、を備え、
    前記信号処理部が、前記受信ビームにより得られるデータを前記三次元方向に積分することによって前記魚群の魚量情報を算出することを特徴とする水中探知装置。
  2. 船体から水中の所定の方向に超音波信号を送信する送信部と、
    前記送信された超音波信号に起因する魚群内からの反射エコーを受信ビームにより受信する受信部と、
    前記受信ビームの信号を処理する信号処理部と、を備え、
    前記受信部が、船体の前方水平方向に延びる第1軸と前記船体から前記第1軸に対して水平方向に直交する方向に延びる第2軸とを含む水平面に対して直交する鉛直面に略沿う方向と、前記水平面及び前記鉛直面のいずれに対しても交差し且つ前記船体の周りに形成される傘型面に略沿う方向と、に受信ビームを形成可能であり、
    前記信号処理部が、前記鉛直面に略沿う方向に形成された受信ビームから得られるデータと、前記傘型面に略沿う方向に形成された受信ビームから得られるデータとに基づいて擬似的な三次元データを構築することによって前記魚群の魚量情報を算出することを特徴とする水中探知装置。
  3. 前記信号処理部による擬似的な三次元データの構築が、前記鉛直面に略沿う方向に形成された受信ビームから得られるデータを前記傘型面に沿って拡大又は縮小することによって行われることを特徴とする請求項2に記載の水中探知装置。
  4. 前記信号処理部による擬似的な三次元データの構築が、前記傘型面に略沿う方向に形成された受信ビームから得られるデータを前記鉛直面に沿って拡大又は縮小することによって行われることを特徴とする請求項2に記載の水中探知装置。
  5. 船体から水中の所定の方向に超音波信号を送信する送信部と、
    前記送信された超音波信号に起因する魚群内からの反射エコーを受信ビームにより受信する受信部と、
    前記受信ビームの信号を処理する信号処理部と、を備え、
    前記受信部が、船体の前方水平方向に延びる第1軸と前記船体から前記第1軸に対して水平方向に直交する方向に延びる第2軸とを含む水平面に対して直交する鉛直面に略沿う方向と、前記水平面及び前記鉛直面のいずれに対しても交差し且つ前記船体の周りに形成される傘型面に略沿う方向と、に受信ビームを形成可能であり、
    前記信号処理部が、前記鉛直面に略沿う方向に形成された受信ビームから得られるデータ及び前記傘型面に略沿う方向に形成された受信ビームから得られるデータのそれぞれを二値化処理し、前記二値化処理されたそれぞれのデータに基づいて擬似的な三次元データを構築することによって前記魚群の概ねの体積を算出することを特徴とする水中探知装置。
  6. 前記信号処理部による擬似的な三次元データの構築が、前記鉛直面に略沿う方向に形成された受信ビームから得られるデータを前記傘型面に沿って拡大又は縮小することによって行われることを特徴とする請求項5に記載の水中探知装置。
  7. 前記信号処理部による擬似的な三次元データの構築が、前記傘型面に略沿う方向に形成された受信ビームから得られるデータを前記鉛直面に沿って拡大又は縮小することによって行われることを特徴とする請求項5に記載の水中探知装置。
  8. 前記構築された擬似的な三次元データを三次元の直交メッシュデータメモリを構成する各ボクセルに充当して三次元直交モデルを形成し、この直交メッシュモデルに対して所望の位置から眺めた際に視認できる像を二次元平面に投影して表示する表示手段をさらに備えていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の水中探知装置。
  9. 船体から水中の所定の方向に超音波信号を送信する送信部と、
    前記送信された超音波信号に起因する単体魚からの反射エコーを受信ビームにより受信する受信部と、
    前記受信ビームの信号を処理する信号処理部と、を備え、
    前記信号処理部が、前記受信ビームにより得られるデータを前記三次元方向に積分することによって前記単体魚の概ねの後方散乱強度を算出することを特徴とする水中探知装置。
  10. 船体から水中の三次元方向に向けて超音波ビームを送信するステップと、
    前記三次元方向に送信された超音波信号に起因する魚群内からの反射エコーを受信ビームにより受信するステップと、
    前記受信した受信ビームにより得られるデータを前記三次元方向に積分することによって前記魚群の魚量情報を算出するステップと、を有することを特徴とする魚群の魚量情報の算出方法。
  11. 船体から水中の所定の方向に超音波信号を送信するステップと、
    前記船体の前方水平方向に延びる第1軸と前記船体から前記第1軸に対して水平方向に直交する方向に延びる第2軸とを含む水平面に対して直交する鉛直面に略沿う方向と、前記水平面及び前記鉛直面のいずれに対しても交差し且つ前記船体の周りに形成される傘型面に略沿う方向と、に受信ビームを形成するステップと、
    前記鉛直面に略沿う方向に形成された受信ビームから得られるデータと、前記傘型面に略沿う方向に形成された受信ビームから得られるデータと、に基づいて擬似的な三次元データを構築することによって前記魚群の魚量情報を算出するステップと、を有することを特徴とする魚群の魚量情報の算出方法。
  12. 船体から水中の所定の方向に超音波信号を送信するステップと、
    船体の前方水平方向に延びる第1軸と前記船体から前記第1軸に対して水平方向に直交する方向に延びる第2軸とを含む水平面に対して直交する鉛直面に略沿う方向と、前記水平面及び前記鉛直面のいずれに対しても交差し且つ前記船体の周りに形成される傘型面に略沿う方向と、に受信ビームを形成するステップと、
    前記鉛直面に略沿う方向に形成された受信ビームから得られるデータ及び前記傘型面に略沿う方向に形成された受信ビームから得られるデータとのそれぞれを二値化処理するステップと、
    前記二値化処理されたそれぞれのデータに基づいて擬似的な三次元データを構築することによって前記魚群の概ねの体積を算出するステップと、を有することを特徴とする魚群の概ねの体積の算出方法。
  13. 船体から水中の所定の方向に超音波信号を送信するステップと、
    前記送信された超音波信号に起因する単体魚からの反射エコーを受信ビームにより受信するステップと、前記受信ビームにより得られるデータを前記三次元方向に積分することによって前記単体魚の後方散乱強度を算出するステップと、を有することを特徴とする単体魚の概ねの後方散乱強度の算出方法。
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