JP2006104016A - 二元細孔シリカビーズの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】二元細孔シリカビーズの製造法として、従来の油中成形造粒法をそのまま適用すると、油中成形造粒法においてはゾル液を加熱した油中に滴下し、シリカゾルを急速にゲル化させているため、ゲル化と相分離のタイミングにずれが生じて相分離による構造の凍結がうまくいかず、球状の二元細孔シリカが得られないという課題を解決した、二元細孔シリカビーズの製造方法を提供する。
【解決手段】珪素源、水溶性高分子、及び酸からなるゾル液を原料とする油中成形造粒法による二元細孔シリカビーズの製造法であって、油中成形造粒法で使用する分散媒の比重がゾル液の比重に対して0.7倍以上1倍未満、且つ、粘度が500cP〜5000cPであって、さらに、分散媒の液温が10℃〜60℃である二元細孔シリカビーズの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、二元細孔シリカビーズの製造方法に関する。詳しくは、マイクロメートル領域の細孔径を有するマクロ細孔と、ナノメートル領域の細孔径を有するメソ細孔との二種類のタイプの細孔を有する二元細孔シリカの球状粒子を製造する方法に関する。
従来、工業的に触媒担体や吸着剤として使用されるシリカゲルには、ナノメートル領域の細孔径を有するメソ細孔が存在しているが、液相反応系においては、シリカゲルに存在するメソ細孔−シリカ表面間の拡散が律速となり、反応の活性や反応の収率という点で該メソ細孔の存在を十分生かすことができておらず、ナノメートル領域の細孔径を有するメソ細孔が存在するシリカゲルを触媒の担体や吸着剤として使用する場合においては、より一層の性能の向上が望まれていた。
反応の活性や反応の収率を向上させる手段として、特許文献1に記載のマイクロメートル領域の細孔径を有するマクロ細孔及びナノメートル領域の細孔径を有するメソ細孔との二種類のタイプの細孔を有する二元細孔シリカを触媒担体や吸着剤として利用する方法がある。特許文献1に記載のように、テトラエトキシシランの如きケイ素アルコキシドを用いてゾルゲル法によりシリカを製造する際に有機高分子を添加することにより、マイクロメートル領域の細孔径を有するマクロ細孔を形成させたシリカを得ることが可能である。該シリカのマクロ細孔の構造は、珪素源の重合体の成長によって、珪素源重合体と溶媒間の相溶性が減少し、相分離が誘起されることによって形成される。つまり、相分離が誘起されてから、相分離が終了し、二相に分離されるまでの過渡構造が、珪素源の重縮合反応によるゲル化で凍結されることによりマクロ細孔の構造が決定される。よって、ゲル化するまでが短時間であれば、相分離が誘起される以前に構造が凍結されるので、マクロ細孔が存在しないゲルとなる。逆に、ゲル化するまでが長時間であれば、相分離後期の構造である海島構造を凍結することとなるので、マイクロメートル領域の連続したマクロ細孔を持つシリカを作製することは出来ない。
さらに該シリカは、ナノメートル領域の平均細孔径のナノ細孔も有する。この二元細孔シリカを触媒の担体や吸着剤として使用した場合は、二元細孔シリカに存在するマイクロメートル領域のマクロ細孔が、反応物質の移動の場として利用されることにより、メソ細孔からの拡散を速やかにする効果がある。さらに、触媒担体や吸着剤として使用する場合、ビーズ形状のシリカゲルが広く利用されているため、二元細孔シリカもビーズ形状であることが望まれている。
球状シリカゲルの製造方法は、一般に、ゾル液を油中に滴下し、ゲル化させて球状のシリカゲルを製造する油中成形造粒法が知られている。従来の油中成形造粒法は、非特許文献1や非特許文献2に記載のように珪酸アルカリの水溶液と硫酸のような鉱酸とでシリカゾルを調製し、そのシリカゾル液を油中に滴下し、油中での溶液の界面張力を利用して、球状の粒子としてゲル化させる製造方法である。具体的には、珪素源の重縮合反応を抑制するために室温以下に保存したゾル液を、70度前後に加熱された油中に滴下し、球状に成形した後に、数分でゲル化させることで球状シリカゲルを作成する方法である。
造粒ハンドブック 日本粉体工業技術協会編 662頁 加賀美敏郎、林瑛 監修、「高純度シリカの製造と応用」、株式会社シーエムシー、1999年9月13日発行、229頁 特開平3−8729号公報
しかし、二元細孔シリカビーズの製造法として、油中成形造粒法をそのまま適用すると、油中成形造粒法においては、室温以下に保存しておいたゾル液を加熱した油中に滴下し、シリカゾル液を急速に加熱しゲル化させているため、ゲル化と相分離のタイミングにずれが生じて相分離による構造の凍結がうまくいかず、マイクロメートル領域のマクロ細孔の構造を形成することが出来ないので、二元細孔シリカとはならず、マクロ細孔が形成されていない球状のシリカゲルとなる。
すなわち、従来の油中成形造粒法では、マイクロメートル領域のマクロ細孔を持たない球状のシリカゲルの製造はできるものの、工業的に二元細孔シリカビーズを製造することは出来ないという課題があった。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、油中成形造粒法において、比重、及び、粘度が特定の範囲である分散媒を用い、さらに分散媒の液温を特定の範囲とすることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、珪素源、水溶性高分子、及び酸からなるゾル液を原料とする油中成形造粒法による二元細孔シリカビーズの製造法であって、油中成形造粒法で使用する分散媒の比重がゾル液の比重に対して0.7倍以上1倍未満、且つ、粘度が500〜5000cPであって、さらに、分散媒の液温が10〜60℃であることを特徴とする二元細孔シリカビーズの製造方法である。
本発明によれば、油中成形造粒法において、分散媒の粘度、比重及び温度を調整することにより、マクロ細孔及びメソ細孔の両者が存在し、且つ、両者の細孔径分布のピークが狭い二元細孔シリカの球状粒子を工業的に容易に製造する方法を提供できる。さらに、本発明によれば、二元細孔シリカビーズを製造する装置を、経済的に優れた小型の装置とすることが出来る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、二元細孔シリカビーズを、珪素源、水溶性高分子、及び酸からなるゾル液を原料として油中成形造粒法により製造する。
珪素源としては、メトキシシラン、エトキシシラン等のケイ素アルコキシドや、水ガラスが特に制限なく用いられる。
水ガラスは、ケイ酸アルカリ塩の濃厚水溶液であり、その種類や濃度は特に限定されないが、JIS規格の水ガラスである珪酸ナトリウムJIS3号またはそれと同等のものが珪素源として取扱いやすい。
相分離とゲル化を同時に起こして湿潤状態のゲルを作製するためには、シリカ源を含む溶液にポリマーおよび酸を存在させてゲル化を進める手段が有効に利用される。
水溶性高分子としては、有機高分子であって、珪素源を含有する溶液中において均一に溶解することができるものが好適である。具体的には、高分子金属塩であるポリスチレンスルホン酸のナトリウム塩またはカリウム塩、高分子酸であって解離してポリアニオンとなるポリアクリル酸、高分子塩基であってポリカチオンを生ずるポリアクリルアミンまたはポリエチレンイミン、中性高分子であって主鎖にエーテル結合を持つポリエチレンオキシド、側鎖にヒドロキシル基を有するポリビニルアルコール、もしくはカルボニル基を有するポリビニルピロリドン等である。
これらのうち、ポリアクリル酸およびポリビニルアルコールが、取扱いが容易であり好ましい。ポリアクリル酸は分子量15,000〜300,000、好ましくは20,000〜150,000のものが好適である。
加水分解反応の触媒として働きゲル化を促進するために添加される酸として、通常硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸または有機酸が使用される。最終的な酸の濃度は、最終溶液1リットルあたり、0.1〜5モル、好ましくは1〜4モルの範囲が好ましい。
上記記載の水溶性高分子をイオン交換水に溶解させ、酸を添加し、溶液を酸性とした後、撹拌しながら水ガラスを添加することで、均一なゾル液を得る。
本発明の製造方法により得られる二元細孔シリカビーズとは、個々の粒子がマイクロメートルの領域の細孔径を有するマクロ細孔とナノメートル領域の細孔径を有するメソ細孔とを併せ持つシリカの球状粒子である。さらに、マイクロメートルの領域の細孔径を有するマクロ細孔は連続した貫通孔となっており、物質移動の空間として、最適な構造となっている。
二元細孔シリカビーズは、触媒担体や吸着剤として使用した場合、ハンドリングの観点からその粒径が1〜5mmであることが好ましい。また、反応塔に充填する場合、流れの均一性が良いという観点から円形度が0.93以上であることが好ましい。
本発明の製造方法において二元細孔シリカビーズを製造するのに用いる油中成形造粒法とは、ゾル液と混和しない分散媒中にゾル液の液滴を形成し、ゲル化させて球状のシリカゲルを得る方法である。
ビーズの製造法としては、直管等の容器に満たした分散媒中に、上部よりゾル液を滴下する方法が挙げられる。例えば、間欠吐き出し装置を用いてゾル液を分散媒中に滴下し、ゾル液の液滴が分散媒中を沈降する間にゲル化させる。ゲル化したシリカビーズの回収は、容器の下部から分散媒と共に抜き出すことによって行う。その後、篩を使用して、二元細孔シリカビーズと分散媒とを分離する。この時、分散媒に上昇流を与えて、容器の下部から該ゾル液滴を投入して液滴を形成しゲル化させ、容器上部から回収してもよい。また、底部に球状のくぼみが存在するプレートを用い、分散媒を満たしたくぼみにゾル液を滴下しゲル化させてもよい。
分散媒の比重は、ゾル液の比重に対し、0.7倍以上1倍未満の範囲である。分散媒の比重が、ゾル液の比重に対し0.7倍未満の場合は、原料ゾル液の液滴の移動速度が速くなり、製造装置を大型化しないと、ゲル化するまでの滞在時間を分散媒中で稼ぐことが出来ず、原料ゾル液が球状でゲル化する以前に、製造装置の底部に到達し、球状が崩れるため、二元細孔シリカビーズを得ることが出来ない。また、分散媒の比重がゾル液の比重に対して1倍を越える場合は、分散媒の比重が原料ゾル液の比重より大きくなるので、原料ゾル液の液滴が分散媒の表面に浮遊し、この状態でゲル化するため、半球状のシリカゲルとなり、二元細孔シリカビーズを生産することが出来ない。また、分散媒の比重が1倍の場合は、ゾル液滴は、分散媒中を沈降しないため、二元細孔シリカビーズの回収が困難となる。
通常、ゾル液の比重は1.2なので、比重が1.0前後の分散媒を用いるのが一般的である。
分散媒の粘度は、500〜5000cPである。分散媒の粘度が500cP未満の場合には、分散媒の比重がゾル液に対して0.7倍未満の場合と同様、原料ゾル液の液滴の移動速度が速くなり、ゲル化までの滞在時間を分散媒中で稼ぐことが出来ず、二元細孔シリカビーズを得ることが出来ない。また、分散媒の粘度が5000cP超の場合、原料ゾル液のゲル化までの時間を分散媒中で稼ぐことは出来るが、分散媒の粘性が高くハンドリングが悪いので、二元細孔シリカビーズの生産効率が悪くなり、工業的な生産には不適である。
分散媒は、上記記載の条件を満たせば、特に、限定されるものではないが、具体的な例として、シリコーンオイル、1、2−塩化プロパン等が好適である。
分散媒の温度は、10〜60℃に保っておく必要がある。分散媒の温度が10℃未満の場合は、珪素源の重合反応速度が遅くなり、ゲル化するまでに1時間以上の時間が必要となる。製造装置の経済的な制約、及び生産効率の観点から、ゾル液滴を分散媒中で1時間以上滞在させることは望ましくない。さらに、相分離とゲル化のタイミングにずれが生じて、相分離が進みすぎてマクロ細孔が孤立した状態となり、マクロ細孔が連続した貫通孔となっている二元細孔シリカビーズを得ることが困難となる。また、分散媒の温度が60℃超の場合には、珪素源の重合反応速度が速くなり、ゲル化するまでの時間が20分未満となる。そのため、ゲル化と相分離のタイミングにずれが生じ、相分離が十分誘起されずマクロ細孔が存在しない状態や孤立した状態となり、マクロ細孔が連続した貫通孔となっている二元細孔シリカビーズを得ることが困難となる。
珪素源が水ガラスの場合、ゲル化と相分離のタイミングの観点から、20〜30℃が好ましい。また、珪素源が珪素アルコキシドの場合、ゲル化と相分離のタイミングの観点から40〜50℃が好ましい。
珪素源に水ガラスを用いる場合は、作製された湿潤ゲルを乾燥する前に洗浄する。これは、水ガラスをシリカ源とし得た湿潤ゲルには水ガラス由来のナトリウム等のアルカリ金属が含まれており、湿潤ゲルをそのまま乾燥させると乾燥が進むにつれてゲルの崩壊が進むからである。従って、乾燥の前に洗浄を行い、ナトリウム等のアルカリ金属をアルカリ金属塩として取り除く。
洗浄は、ゲルを水に漬け、室温で12時間以上放置することにより行う。この操作は、篩で二元細孔シリカビーズを分離した後に行う。
水洗の操作で不純物を除去後、メソ孔径の制御を行うために二元細孔シリカビーズをアンモニアに浸漬させ、熟成操作を行う。
熟成は、0.01〜10規定のアルカリ溶液中で0〜80℃の温度で行うのが好ましい。これら熟成条件は、希望とするナノ細孔の平均細孔径を適宜選択することにより決定できる。
熟成後のゲルは、30〜80℃で数時間〜数十時間放置して乾燥を行う。乾燥後、有機物を除去し、なおかつマクロ細孔構造を維持するために焼成する。焼成温度は、500〜1100℃が好ましい。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
(窒素吸着法による比表面積測定)
液体窒素温度における窒素の吸着量を絶対平衡吸着圧力0.35MPa以下で、BET法により比表面積計算を行った。高速比表面積/細孔分布測定装置(マイクロメリティックス社製 ASAP2010)を用い、予め120℃で24時間乾燥し、秤量後200℃で2時間減圧処理した後の測定試料について、吸着等温線から比表面積と細孔径分布を算出した。
(マクロ、メソ細孔の細孔径の測定)
予め120℃、12時間乾燥させた測定用試料を、細孔径分布測定装置(カンタクローム社製、POREMASTER−60)を用いて、水銀圧入法によりマクロ、メソ細孔の細孔径を測定した。測定で得られた細孔径分布において、マイクロメートル領域に現れる最大ピークの孔径をマクロ細孔の細孔径とし、ナノスケール領域に現れる最大ピークの孔径をメソ細孔の細孔径とした。
(円形度の測定)
電子顕微鏡あるいは光学顕微鏡を用いて得た二元細孔シリカビーズの撮影像を画像解析し、下記式に基づいて円形度を算出した。
円形度=(4・π・S)1/2/L
S:画像処理で得られた粒子の面積(m
L:粒子の周囲長(m)
実施例1
平均分子量25,000のポリアクリル酸(以下HPAAという)共存下、水ガラス(3号珪曹)より、マクロ細孔の細孔径1μm、メソ細孔の細孔径8nm、比表面積350m/gの二元細孔シリカビーズを作製した。仕込組成は、重量比で水:濃硝酸:HPAA:水ガラス=97:37:6.5:55とし、室温で攪拌し均一なゾル液とした。この時、ゾル液の比重は1.2であった。撹拌後、直径2インチ、長さ6mの塩ビ管に満たした30℃のシリコンオイル(粘度:1000cP、比重:0.97)にゾル液を、0.03mlずつ滴下した。ゾル液滴が下部まで沈降するまでに60分かかった。ゲル化するまでの時間は30分であり、塩ビ管の下部に到達するまでにゲル化していた。ゾル液の滴下終了後、篩でシリコンオイルと二元細孔シリカビーズを分離した。ナトリウム除去のために該ゲルを水洗した後、0.1規定のアンモニア水溶液中で、50℃で三日間熟成を行った後に、50℃で乾燥した後600℃で2時間焼成を行った。
図1に試料の断面SEM写真を、図2に試料の水銀圧入法測定結果を示す。図1に示すように、焼成後の二元細孔シリカビーズは、細孔径1μmのマクロ細孔が連続した貫通孔として存在する多孔体である。また図2に示すように、水銀圧入法によりマクロ細孔とメソ細孔が共に存在することを確認した。また、窒素吸着法によりメソ細孔の細孔径が8nmであることを確認した。さらに、目視により形状を確認すると、形状は球状であった。試料の円形度を測定すると、0.93であった(表1、図3)。
実施例2
分散媒であるシリコンオイルを粘度3000cPのものに変えた他は、実施例1と同様の組成、方法で、二元細孔シリカビーズを作製した。焼成後の二元細孔シリカビーズは、実施例1と同様に、マクロ細孔が1μm、メソ細孔が8nm、円形度が0.93の二元細孔シリカビーズであった(表1)。
実施例3
平均分子量8,000のポリエチレングリコール(以下PEGという)共存下、オルトケイ酸テトラメチル(以下TMOSという)より、マクロ細孔の細孔径0.5μm、メソ細孔の細孔径8nm、比表面積350m/gの二元細孔シリカビーズを作製した。仕込組成は、重量比で0.01mol/l酢酸:PEG:TMOS=97:10:0.8:5とし、室温で攪拌し均一なゾル液とした。この時、ゾル液の比重は1.0であった。撹拌後、直径2インチ、長さ6mの塩ビ管に満たした50℃のシリコンオイル(粘度:1000cP、比重:0.97)にゾル液を、0.03mlずつ滴下した。ゾル液滴が下部まで沈降するまでに60分かかった。ゲル化するまでの時間は50分であり、塩ビ管の底面に到達するまでにゲル化していた。ゾル液の滴下終了後、篩でシリコンオイルと二元細孔シリカを分離した。ナトリウム除去のために該ゲルを水洗した後、0.1規定のアンモニア水溶液中で、50℃で三日間熟成を行った後に、50℃で乾燥した後600℃で2時間焼成を行った。
焼成後の二元細孔シリカビーズは、マクロ細孔が0.5μm、メソ細孔が8nm、円形度が0.93であった(表1)。
比較例1
分散媒であるシリコンオイルを粘度200cPのものに変えた他は、実施例1と同様の組成、方法で、二元細孔シリカビーズを作製した。
粘度が200cPの場合は、ゾル液滴の沈降速度が速いため、装置の下部まで沈降するまでにかかった時間は15分であった。そのため、ゾル液滴がゲル化する以前に、塩ビ管内の底面に到達し、不定形状となった状態でゲル化し、ビーズ形状の二元細孔シリカを得られなかった(表1)。なお、不定形状の二元細孔シリカを回収した後、実施例1と同様の操作を行った。得られた二元細孔シリカを焼成後、細孔分布測定を行い、二元細孔の構造となっていることが確認できた(表1)。
比較例2
分散媒であるシリコンオイルを比重0.5のものに変えた他は、実施例1と同様の組成、方法で、二元細孔シリカビーズを作製した。
比重が0.5の場合は、ゾル液滴の沈降速度が速いため、装置の下部まで沈降するまでにかかった時間は25分であった。そのため、ゾル液滴がゲル化する以前に、塩ビ管内の底面に到達し、不定形状となった状態でゲル化し、ビーズ形状の二元細孔シリカを得られなかった(表1)。なお、不定形状の二元細孔シリカを回収した後、実施例1と同様の操作を行った。得られた二元細孔シリカを焼成後、細孔分布測定を行い、二元細孔の構造となっていることが確認できた(表1)。
比較例3
分散媒であるシリコンオイルを比重2.0のものに変えた他は、実施例1と同様の組成、方法で、二元細孔シリカビーズを作製した。
比重が2.0の分散媒を使用した場合、ゾル液の比重より分散媒の比重が重いため、ゾル液滴は沈降せずに分散媒の表面に浮き、この状態でゲル化したため、得られたゲルは半球状の二元細孔シリカとなった。なお、半球状の二元細孔シリカを回収した後、実施例1と同様の操作を行った。得られた二元細孔シリカを焼成後、細孔分布測定を行い、二元細孔の構造となっていることが確認できた(表1)。
比較例4
分散媒であるシリコンオイルの液温を5℃とした他は、実施例1と同様の組成、方法で、二元細孔シリカビーズを作製した。
分散媒温度が5℃である場合、ゾル液滴がゲル化するまでに必要な時間は90分であった。ゾル液滴が塩ビ管の下部まで沈降するのにかかった時間は実施例1と同様に60分であったため、塩ビ管内を沈降している間には、該ゾル液滴はゲル化せず、塩ビ管の下部で不定形状となった状態でゲル化し、ビーズ形状のシリカを得られなかった。なお、実施例1と同様の操作を行った後に、細孔分布測定を行い、水銀圧入法により細孔構造を評価した。その結果、マクロ細孔のピークがブロードであった(表1、図4)。また、SEMによる観察では、マクロ細孔は連続した貫通孔ではなく孤立した状態となっており、二元細孔シリカにはなっていなかった。
Figure 2006104016
二元細孔シリカビーズの断面SEM写真 水銀圧入法による二元細孔シリカビーズの細孔分布を示す図 沈降法で作製した二元細孔シリカビーズの外観 温度10℃で作製した二元細孔シリカの細孔分布

Claims (3)

  1. 珪素源、水溶性高分子、及び酸からなるゾル液を原料とする油中成形造粒法による二元細孔シリカビーズの製造法であって、油中成形造粒法で使用する分散媒の比重がゾル液の比重に対して0.7倍以上1倍未満、且つ、粘度が500〜5000cPであって、さらに、分散媒の液温が10〜60℃であることを特徴とする二元細孔シリカビーズの製造方法。
  2. ゾル液が、水ガラス、水溶性高分子、及び酸からなるゾル液であって、分散媒の液温が10〜50℃であることを特徴とする請求項1記載の二元細孔シリカビーズの製造方法。
  3. ゾル液が、珪素アルコキシド、水溶性高分子、及び酸からなるゾル液であって、分散媒の液温が40〜60℃であることを特徴とする請求項1記載の二元細孔シリカビーズ製造方法。

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JPWO2017026425A1 (ja) * 2015-08-10 2018-07-12 国立大学法人京都大学 シリカゲル製多孔性粒子およびその製造方法
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