JP2006103331A - 印刷機の印刷ユニット及び印刷ユニットの版胴において印刷版交換を実施するための方法 - Google Patents

Abstract

【課題】印刷ユニットの版胴において印刷版交換を実施するための印刷機の新式の印刷ユニット及び新式の方法を提供する。
【解決手段】調整装置若しくは制御装置２３に、各版胴１５，１６の周見当値が入力値２９，３０として供給可能であり、調整装置若しくは制御装置２３が、駆動装置１７のための及びひいては版胴１５；１６を印刷版交換に適した位置若しくは角度位置に回動させるための調節信号２４を、周見当値に依存して求めるようになっている。
【選択図】図１

Description

本発明は、独立装置クレームの上位概念部に記載した形式の、印刷機の印刷ユニットに関する。本発明は、さらに、独立方法クレームの上位概念部に記載した形式の、印刷ユニットの版胴において印刷版交換を実施するための方法に関する。

ウェブ輪転印刷機、特に新聞印刷機の印刷ユニットは、複数の印刷機構を有しており、この場合、各印刷機構は、転写胴、版胴及びインキ機構（着肉機構）並びに場合によっては湿し機構から成っている。湿し機構なしのオイルレスの印刷機構も公知である。このような印刷機構は、さらに、対向圧胴（Gegendruckzylinder）を有していてよく、この場合、対向圧胴は、種々異なる印刷機構の１つ又は複数の転写胴と協働することができる。このような対向圧胴を有している印刷ユニットのほかに、対向圧胴を有していない印刷機構も公知であり、対向圧胴なしのこのような印刷機構では、２つの印刷機構の転写胴同士が互いに転動し合うようになっている。通常、転写胴にはゴムブランケットが張設され、版胴には印刷版が張設される。このために、転写胴はゴム胴とも呼ばれ、版胴は版シリンダとも呼ばれる。

印刷ユニットの版胴において印刷版交換を実施するために、各版胴は、印刷ユニットの駆動装置によって、印刷版交換の実施に適した位置若しくは角度位置に回動可能であり、この位置において、交換すべき若しくは取り替えるべき印刷版の後行縁部若しくは先行縁部が把持され得る。印刷版交換の実施若しくは交換すべき印刷版の把持又は捕捉に適した位置若しくは角度位置への厳密な若しくは正確な到達は、印刷版交換の実施にとって決定的に重要である。なぜならば、印刷版の後行端部若しくは先行端部は、版胴の、狭小に規定された角度範囲若しくは位置範囲においてしか把持され得ないからである。

さらに、各版胴の位置に対して及びひいては各版胴の、印刷版交換の実施に適した位置への到達に対して影響を有しているのが、いわゆる見当値（Registerwerte）若しくは見当ずれ値（Registerversatzwerte）である。しかも、このような見当値若しくは見当ずれ値を介して、印刷材料（被印刷物）における色版の、印刷材料の外側縁部に関する位置精度が、保証される。版胴の、印刷版交換に適した位置若しくは角度位置への到達のために、とりわけ、いわゆる周見当値（Umfangsregisterwert）若しくは周見当ずれ量（Umfangsregisterversatz）が、決定的な役割を果たす。

版胴における印刷版交換に際して該版胴の周見当ずれ量を補償するために、従来技術によれば、本来の印刷版交換前に周見当値がゼロに設定され、印刷ユニットは、版胴に関する周見当ずれ量がゼロの値を占めるまで駆動されるか若しくは調節させられる。これに引き続いて、初めて、印刷ユニットの駆動によって版胴が、印刷版交換に適した位置若しくは角度位置に回動させられる。次いで、印刷版交換の実施後、従来技術によれば、元の周見当ずれ量若しくは周見当値が再び調節され、印刷ユニットは、版胴に関する周見当ずれ量が再び達成されるまで調節させられる。本来の印刷版交換の前及び後の、周見当値若しくは周見当ずれ量の前記ゼロ化及び戻し調節（リセット）は、時間がかかるものである。例えば、周見当ゼロ化及び周見当戻し調節は、２分まで要することがあり得る。このことは、生産性の理由から、不利である。

前記のことから出発して、本発明の課題は、印刷ユニットの版胴において印刷版交換を実施するための、印刷機の新式の印刷ユニット及び新式の方法を提供することである。

前記課題は、独立装置クレームに記載の印刷機の印刷ユニットによって解決される。本発明によれば、調整装置若しくは制御装置に、各版胴の周見当値が入力値として供給可能であり、調整装置若しくは制御装置は、駆動装置のための及びひいては版胴を印刷版交換に適した位置若しくは角度位置に回動させるための調節信号を、周見当値に依存して求めるようになっている。

本発明の趣旨では、版胴を印刷版交換に適した位置若しくは角度位置に回動させるための駆動装置に対する調節信号を、各版胴の周見当値に依存して決定することが提案される。これに応じて、本発明は、版胴を回動させるための、従来技術によれば見当調整装置とは完全に無関係に作業する駆動装置を、版胴の周見当値若しくは周見当ずれ量が読み取られかつ駆動装置の調整装置若しくは制御装置に供給されるように、見当調整装置に連結することを念頭に置いている。したがって、駆動装置のための調節信号は、本発明の趣旨では、周見当値若しくは周見当ずれ量だけ修正され、これにより、先行技術によれば必要とされる、時間のかかる見当ゼロ化及び見当戻し調節は、省略され得る。このことによって、印刷版交換の時間が著しく節約される。

印刷ユニットの版胴において印刷版交換を実施するための、本発明による方法は、独立方法クレームに規定されている。版胴は駆動装置によって、印刷版交換の実施、特に交換すべき印刷版の把持若しくは捕捉に適した位置若しくは角度位置に回動させられ、この場合、駆動装置に、版胴を印刷版交換に適した位置若しくは角度位置に回動させるための調節信号が予め設定され、かつ駆動装置のための及びひいては版胴を印刷版交換に適した位置若しくは角度位置に回動させるための前記調節信号が、周見当値に依存して求められる。

本発明の有利な実施態様は、従属請求項及び以下の説明から得られる。本発明の実施例は、当該実施例に限定されるものではないが、図面に基づき詳しく説明される。

以下に、本発明を図１に基づきより詳しく説明する。

図１には、２つの印刷機構１１，１２を有している、ウェブ輪転印刷機の印刷ユニット１０の概略部分図を示してある。各印刷機構１１，１２はゴム胴若しくは転写胴１３，１４及び版シリンダ若しくは版胴１５，１６を有している。両転写胴１３，１４間で、ウェブ状の印刷材料が、該印刷材料の表面及び裏面に印刷するために貫通案内される。さらに、両印刷機構１１，１２の版胴１５，１６には、インキ機構及び有利には湿し機構が配設されており、すなわち割り当てられており、これにより、一方では、印刷インキ及び場合によっては湿し手段が版胴１５，１６へ、つまり版胴１５，１６において張設された印刷版へ供給される。これに応じて、両版胴１５，１６のそれぞれに、少なくとも１つの印刷版が張設されている。

印刷ユニット１０の転写胴１３，１５及び版胴１５，１６を回転駆動するために、図示の実施例では、印刷ユニット１０には駆動装置１７が配設若しくは対応配置されている。この駆動装置１７は、複数の歯車１９，２０，２１，２２から成る伝動装置１８を介して、両転写胴１３，１４と両版胴１５，１６とを駆動する。駆動装置１７には、該駆動装置１７のための調節信号２４を提供する調整装置若しくは制御装置２３が配設されている。

図１によれば、各版胴１５，１６には駆動装置２５，２６が配設されており、各転写胴１３，１４には駆動装置２７，２８が配設されている。駆動装置２５，２６，２７，２８はリニア駆動装置（Linearantriebe）として形成されている。これらの駆動装置によって転写胴１３，１４及び版胴１５，１６は、版胴１５；１６のために見当値若しくは見当ずれ値を調節するために、軸方向で調節させられ得る。リニア駆動装置２５，２６によって、版胴１５，１６は軸方向にシフト可能であり、しかもこのことによって、版胴１５，１６に関する側方見当値若しくは側方見当ずれ量が調節され得る。リニア駆動装置２７，２８を介して転写胴１３，１４は軸方向に調節可能であり、しかもこのことによって、歯車２１，２２の斜歯歯列と協働して、版胴１５，１６に関する周見当値若しくは周見当ずれ量が調節され得る。これに応じて、駆動装置２５，２６，２７，２８は、各版胴１５；１６に関する周見当値及び側方見当値を調節若しくは提供するために働くものであって、したがって、見当調整装置の一部である。

本発明による印刷ユニット１０の版胴１５；１６のうちの１つにおける印刷版交換を実施するために、各版胴１５；１６は駆動装置１７によって、印刷版交換に適した位置若しくは角度位置（該位置において、交換すべき印刷版の先行端部若しくは後行端部が把持若しくは捕捉され得る）に回動させられる。このために、前記調整装置若しくは制御装置２３が調節信号２４を駆動装置１７に出力する。

本発明の趣旨では、調整装置若しくは制御装置２３が、各版胴１５；１６を印刷版交換に適した位置に回動させるための、駆動装置１７に対する調節信号２４を、各版胴１５；１６の各周見当値に依存して求めるようになっていることが提案される。このために、図示の実施例では駆動装置２７，２８を介して調節される版胴１５，１６の周見当値が、調整装置若しくは制御装置２３に入力値として提供される。版胴１６が、印刷版交換に適した位置に回動させられる場合には、駆動装置１７のための調節信号は、駆動装置２８の、入力値３０として提供された周見当値に依存して、形成される。これに反して、版胴１５が、印刷版交換に適した位置に回動させられる場合には、駆動装置１７の調節信号２４は、駆動装置２７の、入力値２９として提供された周見当値に依存して、形成される。これに応じて、本発明の趣旨では、印刷版交換が実施される予定の各版胴の周見当値が読み取られ、駆動装置１７のための調節信号２４（該調節信号に基づいて、対応する版胴１５；１６が、印刷版交換に適した位置若しくは角度位置に回動させられる）の提供に際して考慮に入れられる。このことによって、印刷版交換は顕著に加速され得る。

各版胴を印刷版交換に適した位置若しくは角度位置に回動させるために、駆動装置１７に対する調節信号２４を求めるには、有利には、次の方式がとられる。すなわち、調整装置若しくは制御装置２３が、まず、各周見当値とは無関係の（すなわち、各周見当値に依存しない）中間調節信号を求め、その際、該中間調節信号は、周見当値が逆の符号を備えて当該中間調節信号に加算されるように、各周見当値を計算に入れて算出される方式である。

例えば、制御装置２３が周見当値とは無関係に、各版胴の、印刷版交換に必要とされる＋１０°の角度位置を予め設定し、かつ該版胴に関する周見当値が＋４°である場合には、駆動モータ１７には、＋６°の版胴に関する角度位置に相当する調節信号２４が提供される。

本発明の趣旨では、版胴の周見当値は、各版胴を印刷版交換に適した位置若しくは角度位置に回動させるために駆動装置に対する調節信号を求める際に、相殺される。これに応じて、印刷版交換が実施されなければならない各版胴の周見当ずれ量は、本発明の趣旨では、印刷版交換のための版胴の位置決めに際して自動的に補償される。従来技術によれば本来の印刷版交換の前に必要とされる見当ゼロ化及び印刷版交換の後に必要とされる見当戻し調節は、本発明の趣旨では省略され得る。これにより、印刷版交換の時間が著しく節約される。本発明は、付加的な機械的又は電気的構成群なしで実現され得るので、現行の印刷ユニットにおいて安価に適用され得る。

本発明による印刷機胴の概略部分図である。

符号の説明

１０ 印刷ユニット
１１ 印刷機構
１２ 印刷機構
１３ 転写胴
１４ 転写胴
１５ 版胴
１６ 版胴
１７ 駆動装置
１８ 伝動装置
１９ 歯車
２０ 歯車
２１ 歯車
２２ 歯車
２３ 制御装置
２４ 調節信号
２５ 駆動装置
２６ 駆動装置
２７ 駆動装置
２８ 駆動装置
２９ 入力信号
３０ 入力信号

Claims (6)

1. 印刷機の印刷ユニットであって、少なくとも１つの印刷機構（１１，１２）が設けられており、該印刷機構又は各印刷機構が、少なくとも１つの版胴（１５，１６）、転写胴（１３，１４）及びインキ機構を有しており、前記印刷機構又は各印刷機構（１１，１２）の版胴（１５，１６）にそれぞれ少なくとも１つの印刷版が張設可能であり、版胴において印刷版交換を実施するために各版胴（１５，１６）が、駆動装置（１７）によって印刷版交換の実施、特に印刷版の把持若しくは捕捉、に適した位置若しくは角度位置に回動可能であり、かつ駆動装置（１７）に、版胴を印刷版交換に適した位置若しくは角度位置に回動させるための調節信号が、調整装置若しくは制御装置（２３）によって予め設定可能である形式のものにおいて、
   調整装置若しくは制御装置（２３）に、各版胴（１５，１６）の周見当値が入力値（２９，３０）として供給可能であり、調整装置若しくは制御装置（２３）が、駆動装置（１７）のための及びひいては版胴（１５；１６）を印刷版交換に適した位置若しくは角度位置に回動させるための前記調節信号（２４）を、周見当値に依存して求めるようになっていることを特徴とする、印刷機の印刷ユニット。
2. 調整装置若しくは制御装置（２３）が、まず、周見当値とは無関係の中間調節信号を求め、該中間調節信号が、周見当値を計算に入れて算出されるようになっている請求項１記載の印刷ユニット。
3. 駆動装置（１７）のための調節信号を準備するために、周見当値が、逆の符号を備えて中間調節信号に加算されるようになっている請求項２記載の印刷ユニット。
4. 印刷ユニットの版胴において印刷版交換を実施するための方法であって、版胴を駆動装置によって、印刷版交換の実施、特に交換すべき印刷版の把持若しくは捕捉に適した位置若しくは角度位置に回動させ、かつ駆動装置に、版胴を印刷版交換に適した位置若しくは角度位置に回動させるための調節信号を予め設定する方式のものにおいて、
   駆動装置のための及びひいては版胴を印刷版交換に適した位置若しくは角度位置に回動させるための前記調節信号を、版胴の周見当値に依存して求めることを特徴とする、印刷ユニットの版胴において印刷版交換を実施するための方法。
5. まず、周見当値とは無関係の中間調節信号を求め、かつ該中間調節信号を、周見当値を計算に入れて算出する請求項４記載の方法。
6. 周見当値を、逆の符号を備えて中間調節信号に加算する請求項４又は５記載の方法。
   

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