JP2007111889A - 印刷機およびその色調管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 カラーストリップを用いた色調管理を行うと共に、印刷用紙代を節約することができる印刷機およびその色調管理方法を提供する。
【解決手段】 外周面に刷版14が巻回された版胴13と、刷版14に対して接触配置されて刷版14上のインキを印刷用紙に転写するブランケット胴15と、を備え、刷版14は、印刷画像の色調管理に用いられる濃度調整用印刷部を印刷用紙に形成する濃度調整用インキ転写部14bを有し、版胴13は、ブランケット胴15とは異なる回転速度で回転することが可能とされた版胴独立駆動機構を有する印刷機において、版胴独立駆動機構が版胴13とブランケット胴15との相対位相を制御することにより、濃度調整用インキ転写部14b上のインキの印刷用紙への転写を制御することを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、枚葉印刷機等の印刷機およびその色調管理方法に関する。
従来、印刷機の分野では、印刷用紙に印刷された画像(印刷画像)の天地方向および左右方向の位置合わせを行うさまざまな技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平10−297074号公報
上述の特許文献1においては、印刷用紙に対して、版胴を天地方向および左右方向に移動させることにより、印刷用紙に対する印刷画像の印刷位置を天地方向および左右方向に位置合わせする印刷装置の構成が開示されている。この印刷装置によれば、多色印刷時において各色の印刷画像における相互のずれを修正することで、印刷画像の色調を正しく調整(色合わせ)することができた。
ところで、上述のような印刷画像の色調の調整は、一般的に、印刷用紙の天地方向側の端部に色調管理用のパターン(以後、カラーストリップと表記する。)を印刷し、このカラーストリップにおける印刷濃度を色調管理装置などで計測した結果に基づいて行われていた。カラーストリップは印刷濃度の計測後は不要となるため、印刷物から裁断されている。
カラーストリップは印刷画像と一体に版に形成されているため、印刷画像の色調検査を行わない場合にも、常に印刷用紙に印刷されている。そのため、印刷用紙からカラーストリップを裁断する必要があり、カラーストリップ分の印刷用紙が無駄になるという問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、カラーストリップを用いた色調管理を行うと共に、印刷用紙代を節約することができる印刷機およびその色調管理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の印刷機は、外周面に刷版が巻回された版胴と、前記刷版に対して接触配置されて該刷版上のインキを印刷用紙に転写するブランケット胴と、を備え、前記刷版は、印刷画像の色調管理に用いられる濃度調整用印刷部を前記印刷用紙に形成する濃度調整用インキ転写部を有し、前記版胴は、前記ブランケット胴とは異なる回転速度で回転することが可能とされた版胴独立駆動機構を有する印刷機において、前記版胴独立駆動機構が前記版胴と前記ブランケット胴との相対位相を制御することにより、前記濃度調整用インキ転写部上のインキの前記印刷用紙への転写を制御することを特徴とする。
本発明によれば、版胴独立駆動機構により版胴とブランケット胴との相対位相を変更制御できるため、濃度調整用インキ転写部上のインキがブランケット胴に移転される位置を変更して当該インキの印刷用紙への転写を制御できる。つまり、濃度調整用印刷部(カラーストリップ)が不要な場合においては、濃度調整用印刷部が印刷用紙に印刷されない。そのため、上述のように印刷用紙における濃度調整用印刷部が印刷された部分を裁断する必要がなく、印刷用紙の無駄を防止することができる。
また、印刷用紙への濃度調整用印刷部の印刷有無を制御できるため、予め濃度調整用印刷部を印刷する領域を確保した大きな印刷用紙を用いる必要がなく、印刷用紙を節約することができる。
濃度調整用印刷部が必要な場合には、版胴独立駆動機構により版胴とブランケット胴との相対位相を変更制御することで、濃度調整用印刷部を印刷用紙に印刷できる。つまり、所定のタイミングで濃度調整用印刷部を印刷用紙に印刷できることから、所定のタイミングで印刷された画像の色調管理を行うことができる。
上記発明においては、前記ブランケット胴には、半径方向内側に凹み前記刷版と接触しないブランケット胴切欠部が設けられ、前記版胴独立駆動機構が前記版胴と前記ブランケット胴との相対位相を制御することにより、前記濃度調整用インキ転写部上のインキの前記ブランケット胴への転移を制御することが望ましい。
本発明によれば、版胴独立駆動機構により版胴とブランケット胴との相対位相を変更制御することで、濃度調整用インキ転写部とブランケット胴切欠部との相対位置関係を制御し、濃度調整用インキ転写部上のインキのブランケット胴へ転移を制御することができる。そのため、印刷用紙への濃度調整用印刷部の印刷を制御できる。
つまり、濃度調整用インキ転写部とブランケット胴切欠部とを対向配置させることで、刷版における濃度調整用インキ転写部(切欠部と対向する領域)以外のインキ転写部上のインキのみをブランケット胴に転移させることができる。そのため、印刷用紙には濃度調整用印刷部が印刷されない。一方、濃度調整用インキ転写部とブランケット胴切欠部とを対向配置からずらすことで、濃度調整用インキ転写部上のインキをブランケット胴に転移させ、印刷用紙に濃度調整用印刷部が印刷される。
上記発明においては、前記版胴と前記ブランケット胴切欠部とが対向している間に、前記版胴独立駆動機構が前記版胴と前記ブランケット胴との相対位相を変更させることが望ましい。
本発明によれば、版胴独立駆動機構が、版胴とブランケット胴切欠部とが対向している間に、版胴とブランケット胴との相対位相を変更させるため、容易に相対位相を変更できる。つまり、版胴とブランケット胴切欠部とが対向している間は、版胴とブランケット胴とは接触していないため、版胴とブランケット胴とが互いに擦られ、傷つけあうことなくその相対位相を変更することができる。
上記発明においては、前記版胴には、半径方向内側に凹み前記ブランケット胴と接触しない版胴切欠部が設けられ、前記版胴切欠部と前記ブランケット胴とが対向している間に、前記版胴独立駆動機構が前記版胴と前記ブランケット胴との相対位相を変更させることが望ましい。
本発明によれば、版胴独立駆動機構が、版胴切欠部とブランケット胴とが対向している間に、版胴とブランケット胴との相対位相を変更させるため、容易に相対位相を変更できる。つまり、版胴切欠部とブランケット胴とが対向している間は、版胴とブランケット胴とは接触していないため、版胴とブランケット胴とが互いに擦られ、傷つけあうことなくその相対位相を変更することができる。
上記発明においては、前記濃度調整用インキ転写部が、前記刷版における前記版胴の回転方向側または反回転方向側の端部領域に形成されていることが望ましい。
本発明によれば、濃度調整用インキ転写部が刷版における版胴の回転方向の端部領域に形成されているため、濃度調整用印刷部の印刷有無を制御する際における、版胴とブランケット胴との相対位相の変更量を最小限にすることができる。
上記発明においては、前記濃度調整用印刷部が印刷された前記印刷用紙に、識別標識を設ける標識付与部が設けられていることが望ましい。
本発明によれば、識別付与部により、濃度調整用印刷部が印刷された印刷用紙に識別標識が設けられるため、濃度調整用印刷部が印刷された印刷用紙を容易に選別することができる。
上記発明においては、前記濃度調整用印刷部が印刷された前記印刷用紙を選別する選別部が設けられていることが望ましい。
本発明によれば、選別部が、濃度調整用印刷部が印刷された印刷用紙を選別するため、濃度調整用印刷部が印刷された印刷用紙を容易に得ることができる。
上記発明においては、前記濃度調整用印刷部が前記印刷用紙に印刷されていることを表示する表示部が設けられていることが望ましい。
本発明によれば、表示部に濃度調整用印刷部が印刷中であることが表示されるため、印刷機の動作状況を容易に知ることができる。
上記発明においては、前記ブランケット胴との間で前記印刷用紙を挟む圧胴と、前記圧胴に移転されたインキを除去する洗浄部と、が備えられていることが望ましい。
本発明によれば、洗浄部により圧胴に移転されたインキが除去されるため、圧胴から印刷用紙にインキが転写されることを防止できる。
つまり、版胴とブランケット胴との相対位相が変更されることにより、ブランケット胴上に移転されるインキの移転位置が変更されるため、当該インキの一部が印刷用紙からはみ出して圧胴に移転される。この圧胴に移転されたインキを洗浄部により除去することで、印刷用紙の汚損を防止することができる。
本発明の印刷機の色調管理方法は、色調管理に用いられる濃度調整用印刷部を印刷用紙に印刷する指示が入力される入力過程と、入力された指示に基づいて、外周面に刷版が巻回された版胴と、前記刷版に対して接触配置されて該刷版上のインキを印刷用紙に転写するブランケット胴との相対位相を、印刷画像の色調管理に用いられる濃度調整用印刷部が前記印刷用紙に印刷される所定相対位相に変更する位相変更過程と、前記濃度調整用印刷部を所定枚数の前記印刷用紙に印刷する印刷過程と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、印刷機は所定のタイミングで入力される入力指示に基づいて、所定枚数の印刷用紙に濃度調整用印刷部を印刷することができる。そのため、例えば、印刷を開始する前に濃度調節用印刷部を印刷して、印刷画像の色調検査を行うことができる。また、印刷中の所定タイミングで濃度調節用印刷部を印刷して、印刷画像の色調検査を行うこともできる。
入力指示に基づいて版胴とブランケット胴との相対位相を変更して、濃度調整用印刷部を印刷用紙に印刷するため、不要な濃度調整用印刷部が印刷された印刷用紙を裁断する必要がなく、印刷用紙段を節約することができる。
上記発明においては、前記色合わせ印刷過程の終了後または本印刷終了後に、前記版胴と前記ブランケット胴との相対位相を、前記刷版における前記濃度調整用印刷部を前記印刷用紙に形成する濃度調整用インキ転写部以外のインキ転写部上のインキが前記印刷用紙に転写される相対位相に変更する位相復帰過程を具備することが望ましい。
本発明によれば、濃度調節用印刷部の印刷終了後または本印刷終了後に、版胴とブランケット胴との相対位相が濃度調整用インキ転写部上のインキが印刷用紙に転写される相対位相から、濃度調整用インキ転写部以外のインキ転写部上のインキが印刷用紙に転写される相対位相に変更されるため、印刷を継続して行うことができる。
上記発明においては、前記色合わせ印刷過程の終了後に、前記ブランケット胴との間で前記印刷用紙を挟む圧胴を洗浄する洗浄過程を具備することが望ましい。
本発明によれば、濃度調節用印刷部の印刷終了後に圧胴を洗浄するため、濃度調節用印刷部の印刷時に圧胴に転写されたインキを除去することができ、印刷用紙の汚損を防止できる。
つまり、版胴とブランケット胴とが所定の相対位相に変更されることにより、ブランケット胴上に移転されるインキの移転位置が変更されるため、当該インキの一部が印刷用紙からはみ出して圧胴に移転される。この圧胴に移転されたインキをブランケット胴から除去することで、印刷用紙の汚損を防止することができる。
上記発明においては、前記色合わせ印刷過程の終了後に、前記印刷用紙への印刷を停止する停止過程を具備することが望ましい。
本発明によれば、濃度調節用印刷部の印刷終了後に印刷用紙への印刷を停止するため、濃度調節用印刷部の印刷時に圧胴に転写されたインキによる印刷用紙の汚損を防止できる。
本発明の印刷機によれば、版胴独立駆動機構により版胴とブランケット胴との相対位相を変更制御することにより、濃度調整用印刷部の印刷用紙への転写を制御できる。そのため、濃度調整用印刷部を用いた色調管理を行うと共に、濃度調整用印刷部が印刷された部分を裁断する必要がなく印刷用紙代を節約することができるという効果を奏する。
また、印刷用紙への濃度調整用印刷部の印刷有無を制御できるため、予め濃度調整用印刷部を印刷する領域を確保した大きな印刷用紙を用いる必要がなく、印刷用紙を節約することができるという効果を奏する。
本発明の印刷機の色調管理方法によれば、入力指示に基づいて版胴とブランケット胴との相対位相を変更して、濃度調整用印刷部を印刷用紙に印刷するため、不要な濃度調整用印刷部が印刷された印刷用紙を裁断する必要がなく、印刷用紙段を節約することができるという効果を奏する。
この発明の一実施形態に係る印刷装置について、図1から図12を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る枚葉両面印刷機の構成を説明する断面図である。
枚葉両面印刷機(以下、単に「印刷機」という。)1は、被印刷物である枚葉紙(印刷用紙)Pが供給される上流側から下流側に向けて、給紙装置3と、複数の印刷ユニット5と、排紙装置7とを備えている。
給紙装置3は、積層されたシート状の被印刷物を一枚ずつ供給する装置である。
排紙装置7は、印刷後の被印刷物を回収して積層する装置である。排紙装置7には、印刷物の印刷状態を把握するための撮像装置(図示せず)が設けられている。
排紙装置7には、積層後の排紙が正常な印刷物か否かを識別することができる排紙識別装置(図示せず)が設けられている。排紙識別装置としては、例えば、正常な印刷物から正常でない印刷物に変化するタイミングの排紙に対して付箋を付すテープインサータや、正常でない印刷物を正常な印刷物から分けて積層する二連デリベリ等が用いられる。
印刷ユニット5は複数設けられており、一般には、印刷する色ごとに設けられている。本実施形態では、C(シアン),M(マゼンダ),Y(イエロー)及びBL(ブラック)からなる4色の色によって印刷する4色機が示されており、被印刷物の表裏両面に印刷するので合計で8つの印刷ユニット5が設けられている。
各印刷ユニット5は、インキを供給するインキ装置9と、インキ装置9に対向配置される版胴13と、この版胴13に対向配置されたゴム胴(ブランケット胴)15と、このゴム胴15に対向配置された圧胴17と、各印刷ユニット5の圧胴17間に配置される中間胴18とを備えている。
インキ装置9は、複数のインキローラを備えており、インキが貯留されたインキ壺から順次インキを版胴13側へと供給するようになっている。インキ装置9は、印刷時に版胴15に対して接触する4本のインキ着けローラ(図示せず)を備えている。
インキ壷には、インキ供給量を調整する複数のブロック(図示せず)がインキローラの回転軸線方向に等分割されるように並んで配置されている。これらブロックを個別に制御することで、印刷画像14Aにおける左右方向の濃度調整を行うことができる。
図2は、図1の版胴およびゴム胴の概略構成を説明する図である。
版胴13は、図2に示すように、印刷用画像が形成された刷版14が外周に巻回された円筒状とされている。刷版は、印刷すべき画像毎に作成され、交換される。版胴13は、図2に示すように、外周の一部の角度範囲が軸線方向に切り欠かれた状態となっており、このギャップ(版胴切欠部)19に、刷版の上流端である版頭および刷版の下流端である版尻を掴んで固定する版締め装置(図示せず)が設けられる。
刷版14には、上記印刷画像14Aに対応する画像用インキ転写部14aと、カラーストリップ(濃度調整用印刷部)14Bに対応するカラーストリップ用インキ転写部(濃度調整用インキ転写部)14bとが形成されている。カラーストリップ用インキ転写部14bは刷版14の版頭側端部(図2において、反時計回り方向側の端部)の近傍に形成され、画像用インキ転写部14aはカラーストリップ用インキ転写部14bの版尻側(図2において、時計回り方向側)に形成されている。
なお、上述のようにカラーストリップ用インキ転写部14bが刷版14の版頭側端部の近傍に形成されてもよいし、カラーストリップ用インキ転写部14bが刷版14の版尻側端部の近傍に形成されてもよく、特に限定するものではない。
ゴム胴15の外周には、ブランケットとしてゴムが巻回されている。ゴム胴15は、図2に示すように、外周の一部の角度範囲が軸線方向に切り欠かれた状態となっており、このギャップ(ブランケット胴切欠部)21に、ゴムの上流端および下流端を掴んで固定するゴム締め装置(図示せず)が設けられている。
ゴム胴15は、印刷を行わない非印刷時等には、版胴13から離間させる(胴抜き)ことができるようになっている。
圧胴17は、ゴム胴15に対向配置され、円筒状とされている。圧胴17は、印刷時にゴム胴15に接触し、ゴム胴15との間に供給される被印刷物を所望の圧力で押圧する。
中間胴18は、各印刷ユニット5の圧胴17間に設けられ、円筒状とされている。中間胴18によって、上流側の圧胴17から下流側の圧胴17へと被印刷物が送られる。
上述の版胴13、ゴム胴15及び圧胴17,中間胴18は、印刷機1に設けられた一つのメインモータ(図示せず)によって回転させられる。つまり、メインモータからの回転力がギアを介して版胴13、ゴム胴15及び圧胴17,中間胴18に伝達されるようになっている。
版胴13には、さらに、図3に示すように、独立に回転速度および位相を調整することができる版胴独立駆動機構23を備えている。
版胴独立駆動機構23は、駆動モータ25と、変速機27とを備える。具体的にはおり、本実施形態では変速機27の中にはいわゆるハーモニックドライブ (登録商標)を備えている。ここで、版胴独立駆動機構23は変速機とモータから構成されており、この変速機の中にハーモニックドライブを使っている。ただし、必ずしもハーモニックドライブである必要はなく、差動減速機であれば良い。
駆動モータ25は、図示しない制御装置によって回転速度および位相が制御されるサーボモータとされている。駆動モータ25は、版胴13及びゴム胴15を支持するフレーム40に対して固定されたサブフレーム42に固定されている。
変速機27は、印刷機1のメインモータからゴム胴15を回転駆動するゴム胴ギア15aを介して伝達された回転を増減速して版胴13に伝達する。変速機27は、ハーモニックドライブを備えており、その構成部品として、ウェーブジェネレータ30と、フレクスプライン32と、サーキュラスプライン34とを備えている。
ウェーブジェネレータ30は、楕円形状を有する(図4参照)カム30aの外周に、薄肉のボールベアリング30bが嵌合されたものとなっている。このボールベアリング30bの内輪はカム30aの外周に固定されており、外輪はボールを介して弾性変形するようになっている。ウェーブジェネレータ30は、駆動モータ25の出力軸25aに固定され、駆動モータ25によって回転されるようになっている。駆動モータ25の回転速度に応じて、第1サーキュラスプライン34aから第2サーキュラスプライン34bへと伝達する回転速度が変更される。すなわち、駆動モータ25の角速度をゴム胴ギア15aの角速度と同等とすると第1サーキュラスプライン34aと第2サーキュラスプライン34bは同じ角速度で回転し、駆動モータ25の角速度をゴム胴ギア15aの角速度と異ならせると、第1サーキュラスプライン34aと第2サーキュラスプライン34bとの間の位相が異なり、異なる角速度で回転させることができる。
フレクスプライン32は、ウェーブジェネレータ30とサーキュラスプライン34との間に設けられている。フレクスプライン32は、金属製の円環形状とされ、薄肉とされている。したがって、フレクスプライン32は、ウェーブジェネレータ30の楕円形状に応じて半径方向に変形自在とされた弾性体となっている。フレクスプライン32の外周には、サーキュラスプライン34の内歯に対して歯合する外歯が形成されている(図4参照)。フレクスプライン32の軸線方向(図3において左右方向)の寸法は、第1サーキュラスプライン34a及び第2サーキュラスプライン34bの両者に対して噛合可能な寸法とされている。
サーキュラスプライン34は、駆動モータ25側に位置する第1サーキュラスプライン34aと、版胴13側に位置する第2サーキュラスプライン34bとを有している。これら第1サーキュラスプライン34a及び第2サーキュラスプライン34bは、それぞれ独立して異なる回転速度および位相で回転できるようになっている。サーキュラスプライン34は、金属製の円環状とされた剛体となっている。サーキュラスプライン34の内周面には、フレクスクライン32の外歯に対して歯合する内歯が形成されている(図4参照)。第1サーキュラスプライン34aの内歯の数は、フレクスプライン32の外歯の数と同等とされている。第2サーキュラスプライン34bの内歯の数は、第1サーキュラスプライン34aの内歯の数よりも2つ多くなっている。これにより、第1サーキュラスプライン34aと第2サーキュラスプライン34bとの位相および回転速度を変更できるようになっている。
第1サーキュラスプライン34aは、この第1サーキュラスプライン34a及び第2サーキュラスプライン34bを包囲するように設けられたカップ状のカップ連結体36の内周に固定されている。このカップ連結体36の一端(図3において右方)は、軸受37を介して駆動モータ25の出力軸25aに対して回転自在に接続されている。カップ連結体36の他端(図3において左方)は、ゴム胴ギア15aに歯合する版胴駆動伝達ギア38と共に一体で回転するように、版胴駆動伝達ギア38の端面に対してボルト36aによって固定されている。版胴駆動伝達ギア38は、円錐ころ軸受39を介して、版胴回転軸13aに固定されたブッシュ44に対して回転自在に接続されている。ブッシュ44の一端面側(図3において右方)には、接続円板45を介して第2サーキュラスプライン34bが一体に固定されている。
以上の構成から、版胴駆動伝達ギア38、カップ連結体36及び第1サーキュラスプライン34aは一体で回転し、駆動モータ25の回転軸25a及びウェーブジェネレータ30のカム30aは一体で回転し、第2サーキュラスプライン34b、接続円板45、ブッシュ44及び版胴回転軸13a及び版胴13は一体で回転する。
図4には、上述した変速機27の動作が示されている。
同図において、(a)はウェーブジェネレータ30が0°の位置にある状態、(b)はウェーブジェネレータ30が90°の位置にある状態、(c)はウェーブジェネレータ30が180°の位置にある状態、(d)はウェーブジェネレータ30が360°の位置にある状態を示す。
図4(a)に示すように、弾性を有するフレクスプライン32は、楕円形のウェーブジェネレータ30によって楕円形状に変形されている。これにより、フレクスプライン32の外歯は、長軸に位置する部分で第2サーキュラスプライン34bの内歯と噛み合う。この噛み合いの開始位置に、フレクスプライン32及び第2サーキュラスプライン34bに対して矢印が付されている。すなわち、図4(a)に示す場合では、0°の位置でフレクスプライン32に付した矢印Aとサーキュラスプラインに付した矢印Bとが一致している。なお、矢印Cは、ウェーブジェネレータ30の回転角度位置を示す。
ウェーブジェネレータ30の長軸に相当する位置とは異なる位置では、フレクスプライン32の外歯と第2サーキュラスプライン34bの内歯とは噛み合わない。
第2サーキュラスプライン34bを固定したままでウェーブジェネレータ30を時計方向に90°回転させると図4(b)のようになる。このように、ウェーブジェネレータ30を回転させるにつれて、フレクスプライン32と第2サーキュラスプライン34bとの噛合位置が順次移動する。矢印A及び矢印Bの位置からわかるように、第2サーキュラスプライン34bの歯数よりもフレクスプライン32の歯数が少ないので、フレクスプライン32が第2サーキュラスプライン34bに対して位相が遅れている(反時計方向の位置)ことがわかる。
さらに、ウェーブジェネレータ30を時計方向に90°回すと、図4(c)のようになる。第2サーキュラスプライン34bの歯数はフレクスプライン32の歯数よりも2つ多いので、図4(c)に示した180°の回転位置では、フレクスプライン32は歯数1枚分だけ反時計方向にずれた位置となる。
さらに、ウェーブジェネレータ30を時計方向に180°回すと、図4(d)のようになる。第2サーキュラスプライン34bの歯数はフレクスプライン32の歯数よりも2つ多いので、図4(d)に示した360°の回転位置では、フレクスプライン32は歯数2枚分だけ反時計方向にずれた位置となる。
このように、ウェーブジェネレータ30を一回転させる毎にフレクスプライン32は第2サーキュラスプライン34bに対して歯数2枚分だけ位相がずれることになる。この動きを利用して、版胴13の回転数や位相をゴム胴15等の他のシリンダから独立して制御できるようになっている。
図5は、図1の印刷機の概略構成を説明するブロック図である。
印刷機1には、各種情報を処理する処理部41が設けられている。処理部41は、外部から情報が入力される入力部43と、印刷された印刷用紙枚数をカウントするマシンカウンタ45と、版胴13の回転位相を検出する版胴エンコーダ47と、駆動モータ25の回転位相を検出するマシンエンコーダ49とに、それぞれから出力された信号が入力されるように接続されている。また、処理部41は、版胴13、ゴム胴15及び圧胴17を駆動する駆動モータ25と、印刷された印刷用紙を選別する排紙識別装置(選別部、識別付与部)53と、印刷機1の動作状況を表示するモニタ(表示部)55と、圧胴17を洗浄する洗浄部57とに、それぞれに対して信号を出力できるように接続されている。さらに、処理部41は、情報を記憶する記憶部59と、情報を入出力できるように接続されている。
以上の通り説明した版胴独立駆動機構23を備えた印刷機1は、以下のように動作する。
まず、図1に示すように、給紙装置3から枚葉紙Pが1枚ずつ送り出される。枚葉紙Pは、最初の4つの印刷ユニット5を通過する際に、裏面に4色の印刷が施される。その後、裏面に印刷が施された枚葉紙Pは、下流側に位置する4つの印刷ユニット5を通過する際に、表面に4色の印刷が施される。このように両面印刷が施された枚葉紙Pは、排紙装置7へと送られる。
図6は、図1の印刷機における印刷画像の印刷を説明する図である。図7は、図1の印刷機において印刷した印刷画像を示す図である。
枚葉紙Pに印刷画像14Aを印刷する場合、版胴13とゴム胴15とは、図2に示すように、カラーストリップ用インキ転写部14bがギャップ21に、画像用インキ転写部14aがゴム胴15の円筒面に対向する相対位相とされている。
刷版14の上には、図6(a)に示すように、画像用インキ転写部14aとカラーストリップ用インキ転写部14bとが形成されている。版胴13とゴム胴15とが接触しながら回転すると、図6(b)に示すように、画像用インキ転写部14aはゴム胴15の円筒面に接触して、画像用インキ転写部上のインキはゴム胴15に移転される。カラーストリップ用インキ転写部14bはギャップ21と対向するため、カラーストリップ用インキ転写部14b上のインキはゴム胴15に移転されない。
ゴム胴15に移転されたインキは、図6(c)に示すように、枚葉紙Pの上に転写され、印刷画像14Aのみの印刷がおこなわれる(図7参照)。
図8は、図1の印刷機においてカラーストリップを印刷する場合の、版胴とゴム胴との相対位相を説明する図である。図9は、図5の印刷機におけるカラーストリップの印刷を説明する図である。
枚葉紙Pに印刷画像14Aを印刷する場合、版胴13とゴム胴15とは、図8に示すように、カラーストリップ用インキ転写部14bおよび画像用インキ転写部14aがゴム胴15の円筒面に対向する相対位相とされている。
刷版14の上には、図9(a)に示すように、画像用インキ転写部14aとカラーストリップ用インキ転写部14bとが形成されている。版胴13とゴム胴15とが接触しながら回転すると、図9(b)に示すように、カラーストリップ用インキ転写部14bおよび画像用インキ転写部14aはゴム胴15の円筒面に接触して、画像用インキ転写部上のインキはゴム胴15に移転される
ゴム胴15に移転されたインキは、図9(c)に示すように、枚葉紙Pの上に転写され、カラーストリップ14Bと印刷画像14Aの一部の印刷がおこなわれる(図10参照)。印刷画像14Aの残りは圧胴に移転される。
図11は、図5の印刷機1におけるカラーストリップを印刷する際に行われる制御を説明するフローチャートである。
印刷画像14Aを印刷している間に、または、印刷を開始する前に、枚葉紙P上の印刷画像の色調を測定する場合、図11に示すような動作を行う。
まず、刷版14を版胴13に取り付けた際に、取り付けた刷版14におけるカラーストリップ14Bの天地方向の長さ、配置位置などのデータ、および、カラーストリップ14Bの印刷枚数をリモコンデスクに設けられた入力部43に入力する。入力されたカラーストリップ14Bに係るデータ等は、処理部41を介して記憶部59に記憶される(ステップS1)。また、処理部41は、各版胴エンコーダ47、各マシンエンコーダ49の0点位置を取得し、それぞれ各版胴13におけるカラーストリップ用インキ転写部14bの位置、各版胴13におけるギャップ19の位置、各ゴム胴15におけるギャップ21の位置と関連付けて記憶部59に記憶する。
上記データは、刷版14による印刷結果を直接測定して得たものでもよいし、刷版14を設計する際に用いた設計データから得られたものであってもよく、特に限定しない。
その後、版胴13とゴム胴15とを図6に示す相対位相に配置し、印刷画像14Aの印刷を行う(ステップS2)。
なお、画像印刷の前に、カラーストリップ14Bの印刷を行う場合には、このステップは省略される。
リモコンデスクの入力部43に設けられた「色合わせモード」ボタンが押されると、入力部43からカラーストリップ14Bの印刷を開始する信号が処理部41に出力される(ステップS3(入力過程))。
処理部41は、記憶部59からカラーストリップ14Bに係る情報と、版胴13におけるカラーストリップ用インキ転写部14b位置に係る情報と、版胴13におけるギャップ19の位置情報またはゴム胴15におけるギャップ21位置に係る情報と、を読み込む。処理部41は、読み込んだ情報に基づいて、版胴13とゴム胴15との相対位相の変更量を算出する。具体的には、版胴13とゴム胴15とが、図8に示すように、カラーストリップ用インキ転写部14bおよび画像用インキ転写部14aがゴム胴15の円筒面に対向する相対位相となる変更量を算出する。
相対位相の変更量が算出されると、処理部41は、版胴独立駆動機構23に備えられた駆動モータ13に出力する制御信号を相対位相の変更量に基づいて生成する(ステップS4(位相変更過程))。
その後、処理部41は、マシンエンコーダ49の出力を検出することにより、ゴム胴15のゴム締め装置が版胴13のギャップ19の位置にあるタイミング、または、版胴13の版締め装置がゴム胴15のギャップ21の位置にあるタイミングを検出する。そして、処理部41は、検出したタイミングで版胴独立駆動機構23に備えられた駆動モータ25に上記制御信号を出力して、版胴13とゴム胴15との相対位相を変更する(ステップS5(位相変更過程))。
版胴13とゴム胴15との相対位相が変更されると、処理部41は、マシンカウンタ45の出力を検出することで、カラーストリップ14Bが印刷された枚葉紙Pの枚数が所定枚数になるまでカウントする(ステップS6(色合わせ印刷過程))。
カラーストリップ14Bの印刷された枚葉紙Pの枚数が所定枚数に到達すると、処理部41は、版胴独立駆動機構23に備えられた駆動モータ25に対して、版胴13とゴム胴15とを図6に示す相対位相に戻す制御信号を算出する。その後、処理部41は、マシンエンコーダ49の出力を検出することにより、ゴム胴15のギャップ21が版胴13に対向するタイミングを検出する。そして、処理部41は、検出したタイミングで版胴独立駆動機構23に備えられた駆動モータ25に上記制御信号を出力して、版胴13とゴム胴15との相対位相を変更する(ステップS7(位相復帰過程))。
そして、再び枚葉紙Pに印刷画像14Aの印刷が行われる(ステップS8)。
印刷画像14Aの印刷が終了すると、処理部41は、洗浄部57に対して制御信号を出力して、圧胴17の洗浄を行う(ステップS9(洗浄過程))。
なお、次に印刷する枚葉紙Pが、現在印刷している枚葉紙Pより小さい場合には、上述した圧胴17の洗浄を行ってもよいし、省略しても構わない。
なお、上述のように、圧胴17の洗浄を行う制御(ステップS9)を設けてもよいし、圧胴17の洗浄の代わりに印刷機1を停止する制御(停止過程)を設けてもよく、特に限定するものではない。印刷機1を停止することにより、圧胴17に移転したインキにより枚葉紙Pが汚損されることを防止できる。
一方、処理部41は、版胴13とゴム胴15とを図8に示す相対位相に変更する(ステップS6)と同時に、カラーストリップ14Bの印刷が開始された枚葉紙Pの位置を記憶する(ステップS10)。そして、上記枚葉紙Pが排紙装置7に到達したら、処理部41は、排紙識別装置53に対して上記枚葉紙P以降のカラーストリップ14Bが印刷された枚葉紙Pにマーキングをする(識別標識を付する)ように制御信号を出力する(ステップS11)。
なお、上述のマーキングとして、排紙識別装置53によりカラーストリップ14Bの印刷された枚葉紙Pに付箋を付してもよいし、カラーストリップ14Bの印刷された枚葉紙Pを分離排出してもよく、特に限定するものではない。
作業者は、排紙装置7からマーキングされた枚葉紙Pを取り出し、カラーストリップ14Bに色調管理装置(図示せず)をかける。そこで得られた結果に基づいて、作業者はインキ装置9のインキ供給量を調整するブロックを調節することにより、色調を調節する。
さらに、処理部41は、版胴13とゴム胴15とを図8に示す相対位相に変更する(ステップS5)と同時に、モニタ55に印刷機1がカラーストリップ14Bを印刷中である旨の警告および印刷枚数を表示する(ステップS12)。
また、処理部41は、圧胴17を洗浄している間(ステップS9)、モニタ55に印刷ができない旨の警告を表示する(ステップS13)。
なお、上述のように、これら警告等をモニタ55に表示してもよいし、表示しなくてもよく、特に限定するものではない、
図12は、図5の印刷機1におけるカラーストリップを印刷する際に行われる別の制御を説明するフローチャートである。
印刷画像14Aを所定枚数印刷した後に枚葉紙P上の印刷画像の色調を測定する場合、図12に示すような動作を行う。
なお、図11に示した制御と同一の制御については、同じ符号を付してその説明を省略する。
まず、刷版14におけるカラーストリップ14Bの天地方向の長さ、配置位置などのデータ、印刷画像14Aの印刷枚数、および、カラーストリップ14Bの印刷枚数をリモコンデスクに設けられた入力部43に入力する。入力されたカラーストリップ14Bに係るデータ等は、処理部41を介して記憶部59に記憶される(ステップS21)。
そして、印刷画像14Aの印刷が行われる(ステップS2)。
処理部41は、マシンカウンタ45の出力とステップS21で入力された印刷画像14Aの印刷枚数との比較を行い、両者が一致した時点で次のステップS4に進む。
以後の制御は、図11に示した制御と同一であるので、説明を省略する。
上記の構成によれば、版胴独立駆動機構23により版胴13とゴム胴15との相対位相を変更制御できるため、カラーストリップ用インキ転写部14b上のインキがゴム胴15に移転される位置を変更して当該インキの枚葉紙Pへの転写を制御できる。つまり、カラーストリップ14Bが不要な場合においては、カラーストリップ14Bが枚葉紙Pに印刷されない。そのため、上述のように枚葉紙Pにおけるカラーストリップ14Bが印刷された部分を裁断する必要がなく、枚葉紙Pの無駄を防止することができる。
また、枚葉紙Pへのカラーストリップ14Bの印刷有無を制御できるため、予めカラーストリップ14Bを印刷する領域を確保した大きな枚葉紙Pを用いる必要がなく、枚葉紙Pを節約することができる。
カラーストリップ14Bが必要な場合には、版胴独立駆動機構23により版胴13とゴム胴15との相対位相を変更制御することで、カラーストリップ14Bを枚葉紙Pに印刷できる。つまり、所定のタイミングでカラーストリップ14Bを枚葉紙Pに印刷できることから、所定のタイミングで印刷された画像の色調管理を行うことができる。
版胴独立駆動機構23により版胴13とゴム胴15との相対位相を変更制御することで、カラーストリップ用インキ転写部14bとブランケット胴切欠部との相対位置関係を制御し、カラーストリップ用インキ転写部14b上のインキのゴム胴15へ転移を制御することができる。そのため、枚葉紙Pへのカラーストリップ14Bの印刷を制御できる。
つまり、カラーストリップ用インキ転写部14bとギャップ21とを対向配置させることで、刷版におけるカラーストリップ用インキ転写部14b(ギャップ21と対向する領域)以外のインキ転写部上のインキのみをゴム胴15に転移させることができる。そのため、枚葉紙Pにはカラーストリップ14Bが印刷されない。一方、カラーストリップ用インキ転写部14bとギャップ21とを対向配置からずらすことで、カラーストリップ用インキ転写部14b上のインキをゴム胴15に転移させ、枚葉紙Pにカラーストリップ14Bが印刷される。
版胴独立駆動機構23が、版胴13とギャップ21とが対向している間に、版胴13とゴム胴15との相対位相を変更させるため、容易に相対位相を変更できる。つまり、版胴13とギャップ21とが対向している間は、版胴13とゴム胴15とは接触していないため、版胴13とゴム胴15とが互いに擦られ、傷つけあうことなくその相対位相を変更することができる。
版胴独立駆動機構23が、ギャップ19とゴム胴15とが対向している間に、版胴13とゴム胴15との相対位相を変更させるため、容易に相対位相を変更できる。つまり、ギャップ19とゴム胴15とが対向している間は、版胴13とゴム胴15とは接触していないため、版胴13とゴム胴15とが互いに擦られ、傷つけあうことなくその相対位相を変更することができる。
カラーストリップ用インキ転写部14bが刷版における版胴13の回転方向の端部領域に形成されているため、カラーストリップ14Bの印刷有無を制御する際における、版胴13とゴム胴15との相対位相の変更量を最小限にすることができる。
排紙識別装置53により、カラーストリップ14Bが印刷された枚葉紙Pにマーキングされるため、カラーストリップ14Bが印刷された枚葉紙Pを容易に選別することができる。あるいは、排紙識別装置53が、カラーストリップ14Bが印刷された枚葉紙Pを選別するため、カラーストリップ14Bが印刷された枚葉紙Pを容易に得ることができる。
モニタ55にカラーストリップ14Bが印刷中であることが表示されるため、印刷機1の動作状況を容易に知ることができる。
洗浄部57により圧胴17に移転されたインキが除去されるため、圧胴17から枚葉紙Pにインキが転写されることを防止できる。
つまり、版胴13とゴム胴15との相対位相が変更されることにより、ゴム胴15上に移転されるインキの移転位置が変更されるため、当該インキの一部が枚葉紙Pからはみ出して圧胴17に移転される。この圧胴17に移転されたインキを洗浄部57により除去することで、枚葉紙Pの汚損を防止することができる。
印刷機1は所定のタイミングで入力される入力指示に基づいて、所定枚数の枚葉紙Pにカラーストリップ14Bを印刷することができる。そのため、例えば、印刷を開始する前にカラーストリップ14Bを印刷して、印刷画像14Aおよびカラーストリップ14Bの色調検査を行うことができる。また、印刷中の所定タイミングでカラーストリップ14Bを印刷して、印刷画像14Aおよびカラーストリップ14Bの色調検査を行うこともできる。
カラーストリップ14Bの印刷終了後に、版胴13とゴム胴15との相対位相が、カラーストリップ用インキ転写部14bを印刷する相対位相から、画像用インキ転写部14aを印刷する相対位相に自動的に変更されるため、印刷画像14Aの印刷を継続して行うことができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、版胴13とゴム胴15、ゴム胴15と圧胴17が接触する位置関係にある中で、版胴13とゴム胴15との相対位相を変更する構成に適用して説明したが、この構成に限られることなく、版胴13とゴム胴15、ゴム胴15と圧胴17が離間しそれぞれが空転する状態で上記相対位相を変更する構成や、版胴13、ゴム胴15、圧胴17を停止させて上記相対位相を変更する構成など、さまざまな構成に適用することができるものである。
版胴13などが空転する状態で上記相対位相を変更する場合には、当該変更のタイミングに規制はなく、どのタイミングで変更を行っても構わない。
また、リモコンデスクの入力部43に、カラーストリップ14Bを印刷するモードから印刷画像14Aを印刷するモードに戻す印刷モードボタンを設けて、印刷モードボタンを押すことにより、印刷画像14Aを印刷するモードに戻すように構成してもよい。
本発明の一実施形態に係る枚葉両面印刷機の構成を説明する断面図である。 図1の版胴およびゴム胴の概略構成を説明する図である。 図1の版胴13の回転速度等を調整する版胴独立駆動機構の構成を説明する断面図である。 図3の版胴独立駆動機構における変速機の動作を説明する図である。 図1の印刷機の概略構成を説明するブロック図である。 図1の印刷機における印刷画像の印刷を説明する図である。 図1の印刷機において印刷した印刷画像を示す図である。 図1の印刷機においてカラーストリップを印刷する場合の、版胴とゴム胴との相対位相を説明する図である。 図5の印刷機におけるカラーストリップの印刷を説明する図である。 図1の印刷機において印刷したカラーストリップを示す図である。 図5の印刷機1におけるカラーストリップを印刷する際に行われる制御を説明するフローチャートである。 図5の印刷機1におけるカラーストリップを印刷する際に行われる別の制御を説明するフローチャートである。
符号の説明
1 印刷機
13 版胴
14 刷版
14A 印刷画像
14B カラーストリップ(濃度調整用印刷部)
14b カラーストリップ用インキ転写部(濃度調整用インキ転写部)
15 ゴム胴(ブランケット胴)
17 圧胴
19 ギャップ(版胴切欠部)
21 ギャップ(ブランケット胴切欠部)
23 版胴独立駆動機構
53 排紙識別装置(選別部、識別付与部)
55 モニタ(表示部)
57 洗浄部
P 枚葉紙(印刷用紙)

Claims (13)

  1. 外周面に刷版が巻回された版胴と、
    前記刷版に対して接触配置されて該刷版上のインキを印刷用紙に転写するブランケット胴と、を備え、
    前記刷版は、印刷画像の色調管理に用いられる濃度調整用印刷部を前記印刷用紙に形成する濃度調整用インキ転写部を有し、
    前記版胴は、前記ブランケット胴とは異なる回転速度で回転することが可能とされた版胴独立駆動機構を有する印刷機において、
    前記版胴独立駆動機構が前記版胴と前記ブランケット胴との相対位相を制御することにより、前記濃度調整用インキ転写部上のインキの前記印刷用紙への転写を制御することを特徴とする印刷機。
  2. 前記ブランケット胴には、半径方向内側に凹み前記刷版と接触しないブランケット胴切欠部が設けられ、
    前記版胴独立駆動機構が前記版胴と前記ブランケット胴との相対位相を制御することにより、前記濃度調整用インキ転写部上のインキの前記ブランケット胴への転移を制御することを特徴とする請求項1記載の印刷機。
  3. 前記版胴と前記ブランケット胴切欠部とが対向している間に、前記版胴独立駆動機構が前記版胴と前記ブランケット胴との相対位相を変更させることを特徴とする請求項2記載の印刷機。
  4. 前記版胴には、半径方向内側に凹み前記ブランケット胴と接触しない版胴切欠部が設けられ、
    前記版胴切欠部と前記ブランケット胴とが対向している間に、前記版胴独立駆動機構が前記版胴と前記ブランケット胴との相対位相を変更させることを特徴とする請求項2記載の印刷機。
  5. 前記濃度調整用インキ転写部が、前記刷版における前記版胴の回転方向側または反回転方向側の端部領域に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の印刷機。
  6. 前記濃度調整用印刷部が印刷された前記印刷用紙に、識別標識を設ける標識付与部が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の印刷機。
  7. 前記濃度調整用印刷部が印刷された前記印刷用紙を選別する選別部が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の印刷機。
  8. 前記濃度調整用印刷部が前記印刷用紙に印刷されていることを表示する表示部が設けられていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の印刷機。
  9. 前記ブランケット胴との間で前記印刷用紙を挟む圧胴と、
    前記圧胴に移転されたインキを除去する洗浄部と、が備えられていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の印刷機。
  10. 色調管理に用いられる濃度調整用印刷部を印刷用紙に印刷する指示が入力される入力過程と、
    入力された指示に基づいて、外周面に刷版が巻回された版胴と、前記刷版に対して接触配置されて該刷版上のインキを印刷用紙に転写するブランケット胴との相対位相を、前記濃度調整用印刷部が前記印刷用紙に印刷される所定相対位相に変更する位相変更過程と、
    前記濃度調整用印刷部を所定枚数の前記印刷用紙に印刷する色合わせ印刷過程と、
    を具備することを特徴とする印刷機の色調管理方法。
  11. 前記色合わせ印刷過程の終了後に、前記版胴と前記ブランケット胴との相対位相を、前記刷版における前記濃度調整用印刷部に対応する領域外の領域上のインキが前記印刷用紙に転写される相対位相に変更する位相復帰過程を具備することを特徴とする請求項10記載の印刷機の色調管理方法。
  12. 前記色合わせ印刷過程の終了後または本印刷終了後に、前記ブランケット胴との間で前記印刷用紙を挟む圧胴を洗浄する洗浄過程を具備することを特徴とする請求項11記載の印刷機の色調管理方法。
  13. 前記色合わせ印刷過程の終了後に、前記印刷用紙への印刷を停止する停止過程を具備することを特徴とする請求項10記載の印刷機の色調管理方法。
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