JP2006102973A - 液体噴射装置及び液体噴射装置のクリーニング方法 - Google Patents

液体噴射装置及び液体噴射装置のクリーニング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体噴射装置がクリーニング能力を把握し、その結果に基づいて、クリーニング条件を設定することによってクリーニングの成功率を高め、その結果として、液体消費量を低減することができる液体噴射装置等を提供すること。
【解決手段】クリーニング結果記録手段72が記録した、クリーニングの回数、クリーニングが成功した回数、及び、クリーニングが失敗した回数のうち、少なくとも2つに基づいて、クリーニング成功率又はクリーニング失敗率を算出するクリーニング評価手段74と、クリーニング成功率又はクリーニング失敗率に基づいて、クリーニングにおける液体の吸引量、及び/又は、クリーニングにおける液体を吸引した後に負圧となっているクリーニング手段内部の気圧が大気圧になると推測されるまでの時間である負圧解除時間を含むクリーニング条件を設定するクリーニング条件設定手段74等を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、液体を噴射する液体噴射装置および液体噴射装置のクリー−ニング方法に関する。
記録媒体に対して液体を噴射させる液体噴射装置として、記録ヘッドから記録媒体に対してインク滴を噴射させて印刷を行うインクジェット式記録装置がある。このインクジェット式記録装置は、記録ヘッドのノズルから記録媒体に対して微小なインク滴を吐出させて、所望の文字や図形等の画像を記録する。
ところが、インクの粘度が増加したり、インクに気泡が混入する等の原因によって上述のノズルからインク滴が適切に吐出されず、画像が正しく記録されない部分(以後、ドット抜けと呼ぶ)が発生する等の吐出不良を生じる場合がある。
そこで、インクジェット式記録装置は例えば、ノズルからインクを吸引して吐出不良を解消するためのクリーニングを実施するためのクリーニング機構を備えている。
そして、上述のクリーニングにおけるインクの使用効率を改善するために、インクタンク内のインクの残量に応じてインクの吸引量を変更する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開平9−300645号公報(図11等)
ところが、上述の従来技術においては、インクタンク内のインクの残量に応じてインクの吸引量を変更するだけであるから、インクの吸引量を変更した後のクリーニングが成功するとは限らない。このため、失敗するクリーニングによって、インクを無駄に消費する場合があるという問題がある。
そこで本発明は上記課題を解消し、液体噴射装置がクリーニング能力を把握し、その結果に基づいて、クリーニング条件を設定することによってクリーニングの成功率を高め、その結果として、液体消費量を低減することができる液体噴射装置および液体噴射装置のクリーニング方法を提供することを目的としている。
上述の目的は、液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドのノズル開口から前記液体が正常に噴射されない状態である噴射不良を検出する噴射不良検出手段と、前記ノズル開口から前記液体を吸引して前記噴射不良を回復するクリーニングを行うクリーニング手段と、を有する液体噴射装置であって、前記クリーニング手段による前記クリーニングの回数、前記クリーニング手段による前記クリーニングが成功した回数、及び、前記クリーニング手段による前記クリーニングが失敗した回数のうち、少なくとも2つを記録するクリーニング結果記録手段と、前記クリーニング結果記録手段が記録した、前記クリーニングの回数、前記クリーニングが成功した回数、及び、前記クリーニングが失敗した回数のうち、少なくとも2つに基づいて、クリーニング成功率又はクリーニング失敗率を算出するクリーニング評価手段と、前記クリーニング成功率又は前記クリーニング失敗率に基づいて、前記クリーニングにおける前記液体の吸引量、及び/又は、前記クリーニングにおける前記液体を吸引した後に負圧となっている前記クリーニング手段内部の気圧が大気圧になると推測されるまで時間である負圧解除時間を含むクリーニング条件を設定するクリーニング条件設定手段と、を有することを特徴とする液体噴射装置により、達成される。
このような構成によって、前記クリーニング成功率又は前記クリーニング失敗率を算出
し、前記液体噴射装置のクリーニング能力を把握することができるから、例えば、前記クリーニング成功率が低い場合には、前記液体噴射装置が前記クリーニング条件を変更し、例えば、前記液体の吸引量を増加するなどの制御をすることができる。前記液体の吸引量を増加することで例えば、前記液体の吸引量が少ないために除去できなかった前記液体噴射ヘッドの中の気泡等を除去することができる。
また、例えば、前記クリーニング成功率が低い場合には、前記液体噴射装置が前記クリーニング条件を変更し、例えば、前記負圧解除時間を延長するなどの制御をすることができる。前記負圧解除時間を延長することで例えば、前記負圧解除時間が不足しているために前記ノズルにおける前記液体のメニスカスが破壊されるという問題を解消することができる。
これにより、液体噴射装置がクリーニング能力を把握し、その結果に基づいて、クリーニング条件を変更することによってクリーニングの成功率を高め、その結果として、液体消費量を低減することができる。
本発明では、前記クリーニング条件の変更前の前記クリーニング成功率と、前記クリーニング条件の変更後の前記クリーニング成功率を比較するクリーニング成功率比較手段を有し、前記クリーニング条件設定手段は、前記クリーニング成功率比較手段の比較結果に基づいて、前記クリーニング条件の変更後の前記クリーニング条件を維持する、又は、前記クリーニング条件を再度変更する構成となっていることが望ましい。
このように構成することで、前記クリーニング条件の変更の妥当性を検証し、前記クリーニングの成功率が低下した場合には、前記クリーニング条件を再度変更することができる。
本発明では、前記クリーニング条件の変更前の前記クリーニング失敗率と、前記クリーニング条件の変更後の前記クリーニング失敗率を比較するクリーニング失敗率比較手段を有し、前記クリーニング条件設定手段は、前記クリーニング失敗率比較手段の比較結果に基づいて、前記クリーニング条件の変更後の前記クリーニング条件を維持する、又は、前記クリーニング条件を再度変更する構成となっていることが望ましい。
このように構成することで、前記クリーニング条件の変更の妥当性を検証し、前記クリーニングの失敗率が上昇した場合には、前記クリーニング条件を再度変更することができる。
上述の目的は、本発明にあっては、液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドのノズル開口から前記液体が正常に噴射されない状態である噴射不良を検出する噴射不良検出手段と、前記ノズル開口から前記液体を吸引して前記噴射不良を回復するクリーニングを行うクリーニング手段と、を有する液体噴射装置が、前記クリーニング手段による前記クリーニングの回数、前記クリーニング手段による前記クリーニングが成功した回数、及び、前記クリーニング手段による前記クリーニングが失敗した回数のうち、少なくとも2つを記録するクリーニング結果記録ステップと、前記液体噴射装置が、前記クリーニング結果記録ステップにおいて記録した、前記クリーニングの回数、前記クリーニングが成功した回数、及び、前記クリーニングが失敗した回数のうち、少なくとも2つに基づいて、クリーニング成功率又はクリーニング失敗率を算出するクリーニング評価ステップと、前記液体噴射装置が、前記クリーニング成功率又は前記クリーニング失敗率に基づいて、前記クリーニングにおける前記液体の吸引量、及び/又は、前記クリーニングにおける前記液体を吸引した後に負圧となっている前記クリーニング手段内部の気圧が大気圧になると推測されるまで時間である負圧解除時間を含むクリーニング条件を設定するクリーニング条件設定ステップと、を有することを特徴とする液体噴射装置のクリーニング方法によって達成される。
このような構成によれば、液体噴射装置がクリーニング能力を把握し、その結果に基づいて、クリーニング条件を設定することによってクリーニングの成功率を高め、その結果として、液体消費量を低減することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の液体噴射装置の第1の実施の形態であるインクジェット式記録装置10等を示す図である。
図2は、記録ヘッド30等の一例を示す概略図である。
図1に示すインクジェット式記録装置10は、インクジェットプリンタとも呼んでいる。インクジェット式記録装置10は、本体部1を有している。この本体部1は、ガイドレール17、プラテン12、キャリッジ14、インク吸引装置20、記録ヘッド30を備えている。記録ヘッド30は、液体を噴射する液体噴射ヘッドの一例であり、印刷ヘッドとも言う。
図1に示すインクジェット式記録装置10は、いわゆるオンキャリッジ型の記録装置であり、キャリッジ14の上部には、複数のインクカートリッジ2,3,4及び5が着脱可能に装着されている。インクカートリッジ2等には、液体の一例であるインクが格納されている。キャリッジ14の下部には、記録ヘッド30が設けられている。記録ヘッド30が、用紙29に対面するノズルプレート面30aには、インクを噴射(以後、吐出とも呼ぶ)するためのノズル開口31(図2参照)が設けられている。
キャリッジ14は、ベルト15を介してモータ16に接続されている。モータ16が作動することによって、キャリッジ14はガイドレール17に沿ってプラテン12の軸方向である主走査方向Tに往復走行する。記録ヘッド30からインクを吐出しつつ、キャリッジ14が主走査方向Tに往復走行することで、記録媒体の一例である用紙29上に画像が記録される。
ガイドレール17の一方の端部には、ホームポジション18が位置している。このホームポジション18は、キャリッジの走行経路の末端にある非印刷領域である。このホームポジション18には、本体部1の上にインク吸引装置20が配置されている。このインク吸引装置20は、キャッピングシステムもしくはキャッピング手段とも呼んでいる。図1のキャリッジ14に配置された記録ヘッド30は、T1方向に沿ってホームポジション18に移動することで、図2(a)に示すように、インク吸引装置20のキャップ本体21に対面する。そして、図2(b)に示すように、キャップ本体21は、記録ヘッド30のノズルプレート面30aに密着する。
インク吸引装置20は、図2(b)に示すように、記録ヘッド30に密着した状態で、記録ヘッド30のノズル開口31のインクの乾燥を防止する機能と、吸引ポンプ19からの負圧をノズル開口31に作用させてノズル開口31からインクを強制的に吸引して排出させ、チューブ22を通して、廃インクタンク32に収容する機能を備える。このように、インク吸引装置20は、記録ヘッド30のノズル開口31からインクを吸引することによって記録ヘッド30のノズル開口31からインクが正常に噴射されない状態である噴射不良を回復するクリーニングを行う。すなわち、インク吸引装置20は、クリーニング手段の一例である。吸引ポンプ19は、インク吸引装置20を構成する一構成要素である。
インク吸引装置20によるインクの吸引が完了すると、キャップ本体21は図2(b)に示す記録ヘッド30への密着状態(以後、キャップ閉鎖状態と呼ぶ)から、図2(a)に示す記録ヘッド30からの乖離状態(以後、キャップ開放状態と呼ぶ)へ移行する。このとき、インクの吸引完了直後は、キャップ本体21内が、吸引ポンプ19による吸引によって負圧になっているため、インクの吸引完了直後にキャップ閉鎖状態からキャップ状態に移行すると、急激な気圧の変化によって、ノズル開口31のインクのメニスカスを破壊する場合があるという問題がある。
そこで、インクジェット式記録装置10は、インクの吸引が完了すると、負圧になっているキャップ本体21内の気圧が大気圧に戻ると推測されるまでの時間(以後、負圧解除時間と呼ぶ)である例えば、3秒(s)の経過を待ってから、キャップ開放状態に移行するように構成されている。
この他に、インク吸引装置20の横には、ワイピング部材23が設けられている。このワイピング部材23は、インク吸引装置20によるインクの吸引が完了し、キャップ開放状態に移行した後に、記録ヘッド30のノズルプレート面30aのインクを払拭する。
なお、本実施の形態とは異なり、上述の吸引ポンプ19によるインクの吸引ではなく、ノズル開口31からインクを吐出して、その後にワイピング部材23によってノズルプレート面30aを払拭するようにしてもよい。この場合、インクの吐出動作を行う記録ヘッド30も、クリーニング手段の一例を構成する。
図1に示すように、キャリッジ14には吐出不良検出装置8が配置されている。この吐出不良検出装置8は、記録ヘッド30からのインクの噴射不良を検出する噴射不良検出手段の一例である。
図3は、吐出不良検出装置8の構成の一例を示す概略断面図である。
図4は、テストパターン等の一例を示す図である。図4(a)は、テストパターンを示し、図4(b)及び図4(c)は用紙29に印刷された記録パターン像を示している。
吐出不良検出の指令を受けたインクジェット式記録装置10は、記録ヘッド30からインクを吐出して、用紙29上に、図4(a)に示す、あらかじめ定められたテストパターンPT1に基づいて印刷を行う。
次に、吐出不良検出装置8で、用紙29上に実際に印刷されたテストパターン像を読み取る。具体的には、図3に示す光源8aからの照明光をレンズ8bで略平行光にして用紙29を照明し、印刷されたテストパターン像PT11の像はレンズ8cによってCCD素子8dに投影される。
CCD素子8dに投影されたテストパターン像を図示しないテストパターン像解析部で解析し、図4(b)のPT2のように、図4(a)のテストパターンPT1と同じであれば、吐出不良はないと判断する。テストパターン解析部は、図4(c)のPT3のように、図4(a)のテストパターンと比較して、欠落部116があれば、その欠落部116に対応するノズル開口31においてドット抜け等の吐出不良があると判断する。
なお、本実施の形態とは異なり、吐出不良検出装置として、記録ヘッド30の各ノズル開口31から吐出されるインクにそれぞれ、直接に赤外線等の光を照射し、インクがその光をさえぎるか否かを検出することによって、吐出不良を検出する構成としてもよい。すなわち、光がさえぎられれば、検出対象のノズル開口31からインクが正常に吐出されていると判断し、光がさえぎられなければ、検出対象のノズル開口31からインクが正常に吐出されておらず、ドット抜け等の吐出不良があると判断する構成としてもよい。
なお、図1の実施の形態では、複数のインクカートリッジ2,3,4及び5が、キャリッジ14の上に直接搭載されているが、これに限らずインクカートリッジ2等がキャリッジ14とは別の位置に搭載されている、いわゆるオフキャリッジ型のインクジェット式記録装置を採用しても勿論構わない。
図5は、インクジェット式記録装置10の電気的な接続例を示す図である。
インクジェット式記録装置10の制御装置7は、ローカルプリンタケーブルまたは通信ネットワークを介してホストコンピュータ80のプリンタドライバ81に接続されている。プリンタドライバ81は、インクジェット式記録装置10に対して印刷やクリーニング動作あるいはインク吸引動作を実行させるためのコマンドを送るソフトウェアを搭載している。
図5に示すインクジェット式記録装置10は、制御装置7の他に、吐出不良検出装置8、インク吸引装置20、インクカートリッジ2等、記録ヘッド30、キャリッジ駆動装置25を含んでいる。キャリッジ駆動装置25は、図1のモータ16である。
図5に示すように、制御装置7は、各種情報を記憶する記憶部72、各種演算を実施する計算部74及び、クリーニングを制御するCL制御部76を含む。
図6は、インクジェット式記録装置10がインク吸引装置20によって実施するクリーニングの条件を示すクリーニングテーブルの一例を示す概略図である。
図6に示すように、クリーニングの基本的な種類として例えば、CL1,CL2及びCL3の3種類のクリーングモードが規定されており、インクジェット式記録装置10は、これらのクリーニングモードから一つのクリーニングモードを選択して実施する。
CL1は、図6に示すように、インク吸引量が0.5グラム(g)であり、吸引速度は例えば、毎秒0.4グラム(g/s)である。吸引速度は、吸引ポンプ19の回転速度で規定される。そして、インク吸引量は吸引ポンプ19の回転速度及び回転数によって規定される。なお、吸引ポンプ19がステップモータで駆動される場合には、上述の回転数の替わりに、ステップモータのステップ数を使用する。また、インク吸引量を規定する回転数は回転時間に置き換えてもよい。
このCL1は、記録ヘッド30のノズル開口31近傍で発生した、インクの粘度増加、用紙29から発生した紙粉のインクへの混入、メニスカスの破壊等によって生じる吐出不良を解消するためのクリーニングである。
CL2は、図6に示すように、インク吸引量が1.0グラム(g)であり、CL1に比べてインク吸引量が多い。また、図1の吸引ポンプ19の回転速度がCL1よりも早く、吸引速度が例えば、毎秒0.8グラム(g/s)である。CL2は、CL1でも解消できなかった図1の記録ヘッド30内の気泡等によって生じる吐出不良を解消するためのクリーニングである。
CL3は、図6に示すように、インク吸引量が1.5グラム(g)であり、CL2よりも吸引量が多い。また、CL2と、図1の吸引ポンプ19の回転速度は同じであるため吸引速度が同じであるが、回転数がCL2よりも多い(又は、回転時間がCL2よりも長い)。CL3は、CL2でも除去できない記録ヘッド30内の気泡等によって生じる吐出不良を解消するためのクリーニングである。
上述のインクの吸引量及び吸引速度は、クリーニング条件の一例であり、パラメータとも呼ぶ。
後述するように、CL1等のインク吸引量を変更する場合には例えば、5パーセント(%)の幅で変更する。これは、インク吸引量の変更が、クリーニング成功率に有効に反映し得る最小幅以内で設定されているためである。このため、インクジェット式記録装置10は、クリーニング成功率に有効に反映し得る最小幅以内において設定された変更量によって、後述するように、クリーニング成功率に応じて、最適なインク吸引量を設定することができる。
次に、インクジェット式記録装置10の動作例について説明する。
図7、図8、図9、図10、図11及び図12は、インクジェット式記録装置10の動作例を示す概略フローチャートである。
記録ヘッド30のクリーニングに際して、インクジェット式記録装置10は、まず、クリーニング前設定を行う(図7のステップST1)。
このステップST1の詳細を図8を使用して説明する。クリーニング前設定として、インクジェット式記録装置10は、まず、クリーニングの種類を選択する(ステップST101)。このステップST101の詳細を図9を使用して説明する。
インクジェット式記録装置10は、前回のクリーニングからの累積印字時間が2時間以下か否かを判断する(図9のステップST201)。
インクジェット式記録装置10は、上述の累積印字時間が2時間以下ではないと判断すると、CL1を選択し(ステップST202)、CL1のパラメータをセットする(ステップST203)。CL1のパラメータは例えば、インク吸引量(以後、単に吸引量とも呼ぶ)と吸引速度である。図6に示すように、吸引量は0.5グラム(g)であり、吸引速度は毎秒0.4グラム(g/s)である。
図6を使用して上述したように、CL1は、CL2及びCL3に比べてインク吸引量が少ないクリーニングである。累積印字時間が例えば、2時間を超えていれば、前回のクリーニングは成功したとみなすことができ、また、印字中に記録ヘッド30の内部に気泡が混入している等の現象はないと推測され、CL2又はCL3を使用する必要はないから、インクジェット式記録装置10は、CL1を選択するのである。
これに対して、インクジェット式記録装置10は、上述の累積印字時間が2時間以下であると判断すると、続いて、現在設定されているクリーニングの種類を判断する(ステップST211)。
インクジェット式記録装置10は、現在設定されているクリーニングがCL3であると判断すると、CL1を選択し(ステップST202)、CL1のパラメータをセットする(ステップST203)。現在設定されているクリーニングがCL3であれば、2時間以内に実施された前回のクリーニングはCL3であったということを意味する。
CL3は、図6を使用して上述したように、CL1及びCL2よりもインク吸引量が多いクリーニングであるが、吸引量が多すぎてクリーニングが失敗することもあるから、インクジェット式記録装置10は、吸引量の少ないCL1を選択するのである。
上述のステップST211において、インクジェット式記録装置10は、現在設定されているクリーニングがCL1であると判断すると、CL2を選択し(ステップST212)、CL2のパラメータをセットする(ステップST213)。
また、インクジェット式記録装置10は、現在設定されているクリーニングがCL2であると判断すると、CL3を選択し(ステップST214)、CL3のパラメータをセットする(ステップST215)。
図6に示すように、CL2はCL1よりインク吸引量が多く、より強力なクリーニングである。そして、CL3はCL2よりインク吸引量が多く、より強力なクリーニングである。
現在設定されているクリーニングがCL1であれば、2時間以内に実施された前回のクリーニングはCL1であり、それでもクリーニングが失敗したということは、インク吸引量が不十分であった、あるいは、吸引速度が不十分であったということが考えられる。
そこで、インクジェット式記録装置10は、より吸引量が多く、吸引速度が速いCL2を選択するのである。
また、現在設定されているクリーニングがCL2であれば、2時間以内に実施された前回のクリーニングはCL2であり、それでもクリーニングが失敗したということは、インク吸引量が不十分であったということが考えられる。
そこで、インクジェット式記録装置10は、より吸引量が多いCL3を選択するのである。
上述の方法によって、クリーニングの種類を選択すると(図8のステップST101)、インクジェット式記録装置10は、クリーニング成功率を計算する(ステップST102)。このステップST102の詳細を図10を使用して説明する。
インクジェット式記録装置10は、まず、新たに設定されたクリーニングの種類を判断する(図10のステップST301)。ここで、クリーニングの種類は例えば、CL1であるとする。
続いて、インクジェット式記録装置10は、クリーニング回数Nclnが5回以上か否かを判断する(ステップST302)。クリーニングの種類はCL1であるから、Ncl1が例えば、5回以上か否かを判断する。なお、Nclnのnには、CL1であれば1が適用され、CL2であれば2が適用され、CL3であれば3が適用される。後述の、FCln及びRclnについても同様である。
CL1,CL2及びCL3の各クリーニング回数Nclnは、記憶部72に記憶されている。
クリーニング回数Nclnが5回以上であれば、算出するクリーニング成功率の信頼性が十分あるが、5回未満であれば、基礎データの数としては不足であり、クリーニング成功率の信頼性は不十分であるから、インクジェット式記録装置10は、クリーニング成功率を計算しない。すなわち、5回というクリーニング回数Nclnは、信頼性が十分なクリーニング成功率Rclnを算出するための必要回数の一例である。
なお、この5回という回数は、インクジェット式記録装置の性能によって変更可能であり例えば、ほとんどクリーニングを失敗しないインクジェット式記録装置においては、1回失敗したらクリーニング条件を変更してもよいので、クリーニング回数が1回であっても、クリーニング成功率を算出するようにしてもよい。
続いて、インクジェット式記録装置10は、クリーニング成功率Rclnを計算する(ステップST303)。ステップST303は、クリーニング評価ステップの一例である。
なお、クリーニング成功回数Fclnは、クリーニング終了後に吐出不良検出装置8によって、CL1,CL2及びCL3ごとにクリーニングが成功したと判断された場合に、記憶部72に記憶されている。
上述のように、記憶部72は、インク吸引装置20によるクリーニングの回数を記録し、また、インク吸引装置20によるクリーニングが成功した回数を記録する。すなわち、記憶部72は、クリーニング結果記録手段の一例である。
計算部74は、記憶部72に記憶されている例えば、CL1のクリーニング回数Ncl1とCL1のクリーニング成功回数Fcl1に基づいて、CL1のクリーニング成功率Rcl1を算出する。すなわち、計算部74は、クリーニング評価手段の一例である。
具体的には、計算部74は例えば、クリーニング成功回数Fcl1をクリーニング回数Ncl1で除する計算(割り算)によって、クリーニング成功率Rcl1を算出する。
計算部74が算出したCL1のクリーニング成功率Rcl1は、記憶部72に記憶される。
インクジェット式記録装置10は、上述のようにしてクリーニング成功率Rclnを計算すると(図8のステップST102)、吸引量の変更が必要か否かを判断する。具体的には、計算部74は、CL1のクリーニング成功率Rcl1が80パーセント(%)未満であるか否かを判断する(ステップST103)。
クリーニング成功率Rclnが、80パーセント(%)以上であれば、現在設定されている例えば、CL1のクリーニング成功率は十分高く、インクの吸引量を減少させたとしても、次回も成功すると考えられる許容範囲であるから、インクジェット式記録装置10の計算部74は、吸引量を現在の設定から5パーセント(%)減少する(ステップST104)。
なお、インクジェット式記録装置10は、本実施の形態の各ステップST1等を継続的に実施するから例えば、クリーニング成功率Rclnが80パーセント(%)以上である限り、継続的にインクの吸引量を減少することができる。
クリーニング成功率Rclnが、80パーセント(%)未満であれば、現在設定されている例えば、CL1のクリーニング成功率は不十分であり、次回も成功するとは考えられない範囲、すなわち、許容範囲外であるから、インクジェット式記録装置10の計算部74は、CL1の吸引量を増加する必要があると判断し、吸引量を5パーセント(%)増加する(ステップST144)。
上述のように、計算部74は、吸引量を設定する。すなわち、計算部74は、クリーニング条件設定手段の一例である。そして、ステップST104及びステップST144は、クリーニング条件設定ステップの一例である。
続いて、インクジェット式記録装置10の記憶部72は、吸引量変更前の吸引量、及び、吸引量変更前のクリにーニング成功率Rclnを記憶する(ステップST105)。
続いて、インクジェット式記録装置10のCL制御部76は、クリーニング回数Ncl1を0、クリーニング成功回数Fcl1を0に設定する(ステップST106)。
ステップST106は、新たな吸引量におけるCL1のクリーニングを開始するための初期設定をするステップである。
インクジェット式記録装置10は、上述のようにしてクリーニング前設定を行うと(図7のステップST1)、新たに設定した例えばCL1の吸引量においてクリーニングを実施する(ステップST2)。
このステップST2の詳細を図11を使用して、説明する。
まず、インクジェット式記録装置10のCL制御部76は、図1の記録ヘッド30にキャップ本体21を密接させ、キャップ本体21を閉鎖する(図11のステップST401)。
続いて、CL制御部76は、図1の吸引ポンプ19を駆動し、記録ヘッド30のノズル開口31からインクを吸引し、本吸引を実施する(ステップST402)。
続いて、CL制御部76は、吸引ポンプ19の駆動を停止し(ステップST403)、負圧解除時間である例えば、3秒(s)の経過を待つ(ステップST404)。この負圧解除時間は、上述のように、吸引ポンプ19の駆動停止直後は負圧になっているキャップ本体21内の気圧が、大気圧とほぼ等しくなると推測される時間である。
続いて、CL制御部76は、キャップ本体21を開放し(ステップST405)、吸引ポンプ19を駆動してキャップ本体21のインクを排出する(ステップST406)。続いて、CL制御部76は、ワイピング部材23によってワイピングを行い、記録ヘッド30のノズルプレート面30aを払拭する(ステップST407)。
続いて、CL制御部76は、上述のステップST401乃至ステップST407とほぼ同様の処理を実施する(ステップST408乃至ステップST414)。ただし、ステップST409においては、上述のステップST402よりも、インクの吸引量が少ない。ステップST402における吸引(本吸引と呼ぶ)においては例えば、0.5グラム(g)吸引するが、ステップST409における吸引(微量吸引と呼ぶ)においては例えば、本吸引の30パーセット(%)の吸引量である0.15グラム(g)だけの吸引を実施する。ステップST409の微量吸引は、ステップST401乃至ステップST407において、ノズル開口31から微量のインクや気泡が逆流する場合があるので、それらのインクや気泡を排出するために実施される。
CL制御部76は、ステップST408乃至ステップST414を完了すると、キャップ本体21を閉鎖する(ステップST415)。これにより、ノズルプレート面30aの乾燥を防止する。
インクジェット式記録装置10は、上述のようにしてクリーニングを実施すると(図7のステップST2)、クリーニング回数Nclnをクリーニングの種類ごとに加算する(ステップST3)。例えば、CL1のクリーニングを一度実施した場合には、CL1のクリーニング回数Ncl1を1回加算し、加算後のクリーニング回数Ncl1を記憶部72に記憶する。
なお、記憶部72が記憶しているクリーニング回数Nclnは、CL1,CL2及びCL3によって区別されている。そして、例えば、CL1の現在の設定の吸引量におけるクリーニング回数だけが記憶されている。
続いて、インクジェット式記録装置10は、記録ヘッド30のノズル開口31からの吐出不良を検出する(ステップST4)。
続いて、インクジェット式記録装置10は、吐出不良があるか否かを判断し(ステップST5)、吐出不良がなければ、クリーニング成功回数Fclnをクリーニングの種類ごとに加算する(ステップST6)。例えば、CL1のクリーニングを一度実施してそのクリーニングが成功した場合には、CL1のクリーニング成功回数Fcl1を1回加算し、加算後のクリーニング成功回数Fcl1を記憶部72に記憶する。このステップST6及び上述のステップST3は、クリーニング結果記録ステップの一例である。
なお、ステップST5において、吐出不良があると判断した場合には、ステップST1乃至ステップST4を再度実施する。
続いて、インクジェット式記録装置10は、上述のステップST2におけるクリーニングを実施する前に吸引量を変更したか否かを判断し(ステップST7)、吸引量を変更したと判断した場合には、ステップST71に進む。ステップST71においては、インクジェット式記録装置10は、吸引量変更前のクリーニング成功率と、吸引量変更後のクリーニング成功率とを比較して、吸引量を維持又は変更する。
このステップST71の詳細を図12を使用して説明する。
インクジェット式記録装置10の計算部74は、まず、記憶部72に記憶されている、吸引量変更後の例えば、CL1のクリーニング回数Ncl1が、5回以上であるか否かを判断する(図12のステップST501)。
計算部74は、CL1のクリーニング回数Ncl1が5回以上であると判断すると、吸引量変更後のクリーニング成功率Rcl1を計算する(ステップST502)。計算部74が算出した吸引量変更後のクリーニング成功率Rcl1は、記憶部72に記憶される。
続いて、計算部74は、記憶部72に記憶されている吸引量変更後のクリーニング成功率Rcl1が、吸引量変更前のクリーニング成功率Rcl1以上か否かを判断する(ステップST503)。すなわち、計算部74は、クリーニング成功率比較手段の一例である。
計算部74は、記憶部72に記憶されている吸引量変更後のクリーニング成功率Rcl1が、吸引量変更前のクリーニング成功率Rcl1以上であると判断した場合には、吸引量変更後の吸引量を維持する。
これに対して、計算部74は、記憶部72に記憶されている吸引量変更後のクリーニング成功率Rcl1が、吸引量変更前のクリーニング成功率Rcl1以上ではないと判断した場合には、吸引量変更前の吸引量に変更する。すなわち、吸引量変更前の吸引量に戻す(ステップST504)。
そして、計算部74は、記憶部72に記憶されているNcl1を0、Fcl1を0に設定する(ステップST505)。このステップST505は、新たな吸引量における、今後のNcl1及びFcl1を算出するための初期設定である。
インクジェット式記録装置10は、上述の各ステップST1等を継続的に実施する。
上述のような構成によって、インクジェット式記録装置10は、前回の吐出不良検出結果だけとの比較ではなくて、複数回のクリーニングによる吐出不良検出結果に基づいて、クリーニング成功率Rclnを算出することができる。このためインクジェット式記録装置10はその装置のクリーニング能力の状況を把握することができる。そして、例えば、クリーニング成功率Rclnが低い場合には、成功率が高い吸引量に変更することができる。
しかも、インクジェット式記録装置10は、クリーニング成功率に反映し得る最小幅の範囲内において吸引量を変更するから、きめ細かく最適な吸引量に設定することができる。この結果、クリーニング成功率を向上させつつ、インク消費量を無駄に消費することを防止することができる。
これにより、インクジェット式記録装置10は、無駄なクリーニングを回避し、最適な吸引量を選択することができる。
また、成功率が高い吸引量を選択するから、その結果として、クリーニング回数を最小限度に低減させることができ、インク消費量を低減させることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、液体噴射装置がクリーニング能力を把握し、その結果に基づいて、クリーニング条件を設定することによってクリーニングの成功率を高め、その結果として、液体消費量を低減することができる。
さらに、インクジェット式記録装置10は、吸引量変更後のクリーニング成功率Rclnと吸引量変更前のクリーニング成功率Rclnを比較することによって、吸引量の変更が適切であったか否かを検証することができ、吸引量変更後のクリーニング成功率Rclnが、吸引量変更前のクリーニング成功率Rcln以上ではないと判断した場合には、再度、吸引量を変更することができる。
しかも、インクジェット式記録装置10は、インクの吸引量の変更を継続的に実施するから、継続的にクリーニング成功率Rclnを許容範囲内である例えば、80パーセント(%)以上に維持することができる。インクの吸引量には誤差の原因が多いので、吸引量が多すぎる場合には、何回も吸引量を変更することによって、インクの消費量に低減に有効である。インクの吸引量の誤差の原因は、例えば、吸引ポンプ19がチューブポンプの場合にはチューブ内径及び外形で規定されるチューブの肉厚や、チューブの硬度、ポンプの回転スピード、インク粘度、ノズル径や流路断面の寸法等の記録ヘッド30の流路抵抗に関する寸法誤差などである。
特に、クリーニングの失敗を避けるために、インクの吸引量が、その最低量であっても、80パーセント(%)以上のクリーニング成功率Rclnとなるように設計されている場合には、本実施の形態のインクジェット式記録装置10は、インクの吸引量を減少させる効果が大きい。そして、インクの吸引量を低減することによって、廃インク量を減らせるので、廃インクタンク32が一杯になって使用できなくなる不具合が発生する可能性を低減することができる。
また、インクジェット式記録装置10の電源スイッチ(図示せず)を使用せずに、コンセントを抜いて電源を切断したり、記録ヘッド30をキャップ本体21で覆う動作をせずに電源を切断したりなど、想定された使用方法以外の使い方をされると、クリーニング成功率が80パーセント(%)未満になる可能性が高くなるが、本実施の形態のインクジェット式記録装置10によれば、インクの吸引量を変更することによって、クリーニング成功率を80パーセント(%)以上に改善することができる。
なお、本実施の形態と異なり、記憶部72は、クリーニング回数Nclnとクリーニング成功回数Fcln及び、クリーニングの失敗回数のうちいずれか少なくとも2つの情報を記録し、計算部74は、これらの情報のうち少なくとも2つの情報を使用して、クリーニング成功率Rcln又はクリーニングの失敗率を算出するようにしてもよい。そして、インクの吸引量の変更は、クリーニング成功率Rcln又はクリーニングの失敗率に基づいて実施してもよい。また、吸引量変更前後のクリーニングの失敗率を比較して、吸引量を維持又は再度変更するようにしてもよい。
また、本実施の形態とは異なり、インクジェット式記録装置10は、クリーニング条件を変更しない一定の満足範囲を設けてもよい。例えば、満足範囲のクリーニング成功率Rclnの範囲として、80パーセント(%)以上90パーセント(%)未満という範囲を設定し、クリーニング成功率Rclnがその満足範囲であれば、クリーニング条件を変更しない。すなわち、クリーニング成功率が80パーセント(%)未満の場合に吸引量を増加し、クリーニング成功率が90パーセント(%)以上であれば吸引量を減少し、クリーニング成功率が80パーセント(%)以上90パーセント(%)未満であれば吸引量を現在の設定に維持するのである。
これにより、クリーニング成功率Rclnが上述の満足範囲である限り、クリーニングに使用するインク消費量を適正に維持しつつ、クリーニング成功率Rclnを許容範囲に維持することができる。
また、本実施の形態とは異なり、インクジェット式記録装置10は、本吸引(図11のステップST402)ではなくて、微量吸引(図11のステップST409)におけるインクの吸引量を、クリーニング成功率又はクリーニング失敗率に基づいて、設定するようにしてもよい。これにより、微量吸引の吸引量が不適切なためにクリーニングが失敗するという問題を解消できる。
また、本実施の形態とは異なり、インクジェット式記録装置10は、本吸引(図11のステップST402)と微量吸引(図11のステップST409)の双方におけるインクの吸引量を、クリーニング成功率又はクリーニング失敗率に基づいて、設定するようにしてもよい。これにより、微量吸引と本吸引の双方の吸引量が不適切なためにクリーニングが失敗するという問題を解消できる。
また、本実施の形態とは異なり、インクジェット式記録装置10は、本吸引におけるインクの吸引量を変化させた場合のクリーニング成功率Rclnの変化と、微量吸引を変化させた場合のクリーニング成功率Rclnの変化と、本吸引及び微量吸引の双方におけるインクの吸引量を変化させた場合のクリーニング成功率Rclnの変化のすべてを記憶し、クリーニング成功率Rclnが許容範囲外である例えば、80パーセント(%)未満の場合には、もっとも改善効果の高い方法を選択するようにしてもよい。
これにより、インク吸引量の増加に対する、クリーニング成功率Rclnの改善効率を上げることができる。
また、本実施の形態とは異なり、インクジェット式記録装置10は、本吸引におけるインクの吸引量を変化させた場合のクリーニング成功率Rclnの変化と、微量吸引を変化させた場合のクリーニング成功率Rclnの変化と、本吸引及び微量吸引の双方におけるインクの吸引量を変化させた場合のクリーニング成功率Rclnの変化のすべてを記憶し、クリーニング成功率Rclnが許容範囲内である例えば、80パーセント(%)以上の場合には、もっともクリーニング成功率Rclnの変化が小さい方法を選択するようにしてもよい。これにより、クリーニング成功率Rclnの低下を最小限度にしつつ、インクの消費量を低減することができる。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態のインクジェット式記録装置10A(図1参照)について説明する。第2の実施の形態のインクジェット式記録装置10Aの構成は、上記第1の実施の形態のインクジェット式記録装置10と多くの構成が共通するため共通する部分は同一の符号等とし、説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
第2の実施の形態のインクジェット式記録装置10Aは、第1の実施の形態のインクジェット式記録装置10とは異なり、クリーニング成功率に基づいて、上述の負圧解除時間を設定する。
以下、インクジェット式記録装置10Aの動作例について説明する。
図13、図14及び図15は、インクジェット式記録装置10Aの動作例を示す概略フローチャートである。
記録ヘッド30のクリーニングに際して、インクジェット式記録装置10Aは、まず、クリーニング前設定を行う(図13のステップST1A)。
このステップST1Aの詳細を図14を使用して説明する。
インクジェット式記録装置10Aは、クリーニング成功率Rclnを計算すると(図14のステップST102)、負圧解除時間の変更が必要か否かを判断する。具体的には、インクジェット式記録装置10は、クリーニング成功率Rclnが80パーセント(%)未満であるか否かを判断する(ステップST103)。
具体的には、計算部74は、CL1のクリーニング成功率Rcl1が80パーセント(%)未満であるか否かを判断する。
クリーニング成功率Rclnが、80パーセント(%)以上であれば、現在設定されている例えば、CL1のクリーニング成功率は十分高く、負圧解除時間を短縮したとしても、次回も成功すると考えられる許容範囲であるから、インクジェット式記録装置10の計算部74は、負圧解除時間を現在の設定の例えば、3秒(s)から1秒(s)短縮し、2秒(s)とする。(ステップST104A)。
クリーニング成功率Rclnが、80パーセント(%)未満であれば、現在の設定の負圧解除時間である例えば、3秒(s)におけるクリーニング成功率は不十分であり、次回も成功するとは考えられない範囲、すなわち、許容範囲外であるから、インクジェット式記録装置10Aの計算部74は、負圧解除時間を延長する必要があると判断し、負圧解除時間を現在の設定の例えば、3秒(s)から1秒(s)延長し、4秒(s)とする(ステップST144A)。
上述のステップST104A及びステップST144Aもまた、クリーニング条件設定ステップの一例である。
続いて、インクジェット式記録装置10Aの記憶部72は、負圧解除時間変更前の負圧解除時間、及び、負圧解除時間変更前のクリーニング成功率Rclnを記憶する(ステップST105A)。
続いて、インクジェット式記録装置10AのCL制御部76は、クリーニング回数Ncl1を0、クリーニング成功回数Fcl1を0に設定する(ステップST106)。
ステップST106は、新たな負圧解除時間における例えば、CL1のクリーニングを開始するための初期設定をするステップである。
インクジェット式記録装置10Aは、クリーニング前設定を完了すると(図13のステップST1A)、第1の実施の形態と同様に、ステップST2乃至ステップST6を実施する。
そして、インクジェット式記録装置10Aは、上述のステップST1Aにおいて、負圧解除時間を変更したか否かを判断する(図13のステップST7A)。
インクジェット式記録装置10Aは、負圧解除時間を変更していないと判断すれば、そのまま終了する。
これに対して、インクジェット式記録装置10Aは、負圧解除時間を変更したと判断すると、ステップST71Aへ進む。ステップST71Aにおいては、インクジェット式記録装置10Aは、負圧解除時間変更前のクリーニング成功率と、負圧解除時間変更後のクリーニング成功率とを比較して、負圧解除時間を維持又は変更する。
このステップST71Aの詳細を図15を使用して説明する。
インクジェット式記録装置10Aの計算部74は、まず、記憶部72に記憶されている、負圧解除時間変更後の例えば、CL1のクリーニング回数Ncl1が、5回以上であるか否かを判断する(図15のステップST501)。
計算部74は、CL1のクリーニング回数Ncl1が5回以上であると判断すると、負圧解除時間変更後のクリーニング成功率Rcl1を計算する(ステップST502)。計算部74が算出した負圧解除時間変更後のクリーニング成功率Rcl1は、記憶部72に記憶される。
続いて、計算部74は、記憶部72に記憶されている負圧解除時間変更後のクリーニング成功率Rcl1が、負圧解除時間変更前のクリーニング成功率Rcl1以上か否かを判断する(ステップST503A)。
計算部74は、記憶部72に記憶されている負圧解除時間変更後のクリーニング成功率Rcl1が、負圧解除時間変更前のクリーニング成功率Rcl1以上であると判断した場合には、負圧解除時間変更後の吸引量を維持する。
これに対して、計算部74は、記憶部72に記憶されている負圧解除時間変更後のクリーニング成功率Rcl1が、負圧解除時間変更前のクリーニング成功率Rcl1以上ではないと判断した場合には、負圧解除時間変更前の吸引量に変更する。すなわち、負圧解除時間変更前の負圧解除時間に戻す(ステップST504A)。
そして、計算部74は、記憶部72に記憶されているNcl1を0、Fcl1を0に設定する(ステップST505)。このステップST505は、新たな負圧解除時間における、今後の例えば、CL1のNcl1及びFcl1を記録するための初期設定である。
上述のような構成によって、インクジェット式記録装置10Aは、前回の吐出不良検出結果だけとの比較ではなくて、複数回のクリーニングによる吐出不良検出結果に基づいて、クリーニング成功率Rclnを算出することができる。このためインクジェット式記録装置10はその装置のクリーニング能力の状況を把握することができる。そして、例えば、クリーニング成功率Rclnが低い場合には、成功率が高くなるように負圧解除時間に変更することができる。
なお、本実施の形態と異なり、記憶部72は、クリーニング回数Nclnとクリーニング成功回数Fcln及び、クリーニングの失敗回数のうちいずれか少なくとも2つの情報を記録し、計算部74は、これらの情報のうち少なくとも2つの情報を使用して、クリーニング成功率Rcln又はクリーニングの失敗率を算出するようにしてもよい。そして、負圧解除時間の変更は、クリーニング成功率Rcln又はクリーニングの失敗率に基づいて実施してもよい。また、吸引量変更前後のクリーニングの失敗率を比較して、負圧解除時間を維持又は再度変更するようにしてもよい。
本発明は、インクジェット式記録装置としての上記実施の形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。さらに、上述の各実施の形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。また、本発明は、インクジェット式記録装置に限らず、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等の液体を吐出する液体噴射ヘッドを用いた液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置等にも適用できる。
上記実施の形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
例えば、インクジェット式記録装置10又は10Aの記憶部72、計算部74及びCL制御部76の機能を、ホストコンピュータ80が有していてもよい。この場合、インクジェット式記録装置10(10A)及びホストコンピュータ80が、液体噴射装置の一例である。
第1の実施の形態であるインクジェット式記録装置を示す概略図である。 記録ヘッド等の一例を示す概略図である。 吐出不良検出装置の構成の一例を示す概略断面図である。 テストパターン等の一例を示す図である。 インクジェット式記録装置の電気的な接続例を示す図である。 クリーニングテーブルの一例を示す概略図である。 インクジェット式記録装置の動作例を示す概略フローチャートである。 インクジェット式記録装置の動作例を示す概略フローチャートである。 インクジェット式記録装置の動作例を示す概略フローチャートである。 インクジェット式記録装置の動作例を示す概略フローチャートである。 インクジェット式記録装置の動作例を示す概略フローチャートである。 インクジェット式記録装置の動作例を示す概略フローチャートである。 インクジェット式記録装置の動作例を示す概略フローチャートである。 インクジェット式記録装置の動作例を示す概略フローチャートである。 インクジェット式記録装置の動作例を示す概略フローチャートである。
符号の説明
8・・・吐出不良検出装置、10,10A・・・インクジェット式記録装置、20・・・インク吸引装置、21・・・キャップ本体、30・・・記録ヘッド、30a・・・ノズルプレート面、72・・・記憶部、74・・・計算部、76・・・CL制御部

Claims (4)

  1. 液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドのノズル開口から前記液体が正常に噴射されない状態である噴射不良を検出する噴射不良検出手段と、
    前記ノズル開口から前記液体を吸引して前記噴射不良を回復するクリーニングを行うクリーニング手段と、
    を有する液体噴射装置であって、
    前記クリーニング手段による前記クリーニングの回数、前記クリーニング手段による前記クリーニングが成功した回数、及び、前記クリーニング手段による前記クリーニングが失敗した回数のうち、少なくとも2つを記録するクリーニング結果記録手段と、
    前記クリーニング結果記録手段が記録した、前記クリーニングの回数、前記クリーニングが成功した回数、及び、前記クリーニングが失敗した回数のうち、少なくとも2つに基づいて、クリーニング成功率又はクリーニング失敗率を算出するクリーニング評価手段と、
    前記クリーニング成功率又は前記クリーニング失敗率に基づいて、前記クリーニングにおける前記液体の吸引量、及び/又は、前記クリーニングにおける前記液体を吸引した後に負圧となっている前記クリーニング手段内部の気圧が大気圧になると推測されるまでの時間である負圧解除時間を含むクリーニング条件を設定するクリーニング条件設定手段と、
    を有することを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記クリーニング条件の変更前の前記クリーニング成功率と、前記クリーニング条件の変更後の前記クリーニング成功率を比較するクリーニング成功率比較手段を有し、
    前記クリーニング条件設定手段は、前記クリーニング成功率比較手段の比較結果に基づいて、前記クリーニング条件の変更後の前記クリーニング条件を維持する、又は、前記クリーニング条件を再度変更する構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記クリーニング条件の変更前の前記クリーニング失敗率と、前記クリーニング条件の変更後の前記クリーニング失敗率を比較するクリーニング失敗率比較手段を有し、
    前記クリーニング条件設定手段は、前記クリーニング失敗率比較手段の比較結果に基づいて、前記クリーニング条件の変更後の前記クリーニング条件を維持する、又は、前記クリーニング条件を再度変更する構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  4. 液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドのノズル開口から前記液体が正常に噴射されない状態である噴射不良を検出する噴射不良検出手段と、前記ノズル開口から前記液体を吸引して前記噴射不良を回復するクリーニングを行うクリーニング手段と、 を有する液体噴射装置が、前記クリーニング手段による前記クリーニングの回数、前記クリーニング手段による前記クリーニングが成功した回数、及び、前記クリーニング手段による前記クリーニングが失敗した回数のうち、少なくとも2つを記録するクリーニング結果記録ステップと、
    前記液体噴射装置が、前記クリーニング結果記録ステップにおいて記録した、前記クリーニングの回数、前記クリーニングが成功した回数、及び、前記クリーニングが失敗した回数のうち、少なくとも2つに基づいて、クリーニング成功率又はクリーニング失敗率を算出するクリーニング評価ステップと、
    前記液体噴射装置が、前記クリーニング成功率又は前記クリーニング失敗率に基づいて、前記クリーニングにおける前記液体の吸引量、及び/又は、前記クリーニングにおける前記液体を吸引した後に負圧となっている前記クリーニング手段内部の気圧が大気圧になると推測されるまでの時間である負圧解除時間を含むクリーニング条件を設定するクリーニング条件設定ステップと、
    を有することを特徴とする液体噴射装置のクリーニング方法。
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