JP2006102646A - 脱臭装置および脱臭方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 担体充填層の最も過剰に微生物が付着する部分における微生物の剥離効果が向上し、それ以外の部分における微生物へのダメージが軽減される脱臭装置を提供する。
【解決手段】 第1の脱臭塔Bに充填式生物脱臭塔を用い、第2の脱臭塔Cに酸・アルカリ洗浄塔を用い、第1の脱臭塔Bにおいて微生物が増殖し担体充填層10に過剰に付着した場合、第2の脱臭塔Cで脱臭処理された臭気ガスを返送経路48から第1の脱臭塔Bの担体充填層10の臭気ガス流入経路の上流側にある第1の供給経路41へ返送する。これにより、返送された臭気ガス中に含まれる次亜塩素酸ソーダが第1の脱臭塔Bの担体充填層10を上流側から下流側へ流れるため、担体充填層10に過剰に付着した微生物が、次亜塩素酸ソーダによりダメージを受け、担体充填層10から剥離し易くなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、汚泥再処理センターや家畜糞尿処理施設等の有機性廃棄物処理施設に用いられる脱臭装置および脱臭方法に関する。
従来、この種の脱臭装置としては、充填式生物脱臭塔や酸・アルカリ洗浄塔等がある。上記充填式生物脱臭塔は、塔内に充填された充填担体に微生物を担持し、臭気を充填担体に通気して微生物と接触させることにより脱臭を行っている。
しかしながら充填式生物脱臭塔では、微生物が増殖して充填担体に過剰に付着し、充填担体が閉塞し易いといった問題がある。上記過剰な微生物を剥離除去する方法として、過酸化水素水等の特別な薬液を充填担体に散水する方法がある(下記特許文献1参照)。
すなわち、図4に示すように、充填担体81の上方に、循環水82を散水する散水部83が設けられ、充填担体81の下方に、循環水82を貯留する貯留部84が設けられている。また、循環水82を貯留部84から散水部83へ送る循環ポンプ85と、タンク86内の過酸化水素水87を貯留部84へ供給する過酸化水素水供給経路88とが設けられている。
これによると、臭気ガスは、流入口89から充填式生物脱臭塔90の内部に供給され、充填担体81を下方から上方へ通気して脱臭され、排出口91より排出される。また、微生物が充填担体81に過剰に付着した場合、過酸化水素水87を貯留部84へ供給して散水部83から散水する。これにより、過酸化水素水87が充填担体81の上部から下部へ流下しながら微生物と接触し、微生物が充填担体81から剥離除去される。
通常、充填担体81で最も過剰に微生物が付着するのは、流入口89から流入した臭気ガスに最初に接触する上流側の部分(すなわち充填担体81の下部81a)である。しかしながら、図4に示すものでは、過酸化水素水87を充填担体81の上方(すなわち充填担体81の下流側)から散水しており、散水部83から散水された過酸化水素水87は、充填担体81の上部から流下し、最後に、最も過剰に微生物が付着している充填担体81の下部81aに到達するため、充填担体81の下部81aにおける剥離効果が弱められてしまうといった問題がある。
また、過酸化水素水87の濃度を高くして上記充填担体81の下部81aにおける剥離効果を向上させた場合、高濃度の過酸化水素水87が充填担体81の上部や中間部における微生物に与えるダメージが大きくなり過ぎて、洗浄後の充填式生物脱臭塔90の脱臭性能が大幅に低下するといった問題がある。また、脱臭装置が大掛かりになったり、洗浄操作が面倒になる恐れもあった。さらに、微生物に与えるダメージを調節して充填式生物脱臭塔90の脱臭性能を調整することは困難であるといった問題がある。
特開平9−85037
本発明は、充填担体の最も過剰に微生物が付着する部分における微生物の剥離効果が向上し、且つ、最も過剰に微生物が付着する部分以外の部分における微生物へのダメージが軽減され、さらに、脱臭性能を容易に調整することが可能な脱臭装置および脱臭方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本第1発明における脱臭装置は、充填式生物脱臭塔である第1の脱臭塔と、次亜塩素酸ソーダ又はオゾンを用いる第2の脱臭塔とが設けられ、上記第1の脱臭塔内に、微生物を担持した担体充填層が設けられ、上記第2の脱臭塔で脱臭処理された臭気ガスを第1の脱臭塔の担体充填層の臭気ガス流入経路の上流側に返送する返送経路が設けられているものである。
これによると、第2の脱臭塔において次亜塩素酸ソーダを用いる場合、臭気ガスは、第1の脱臭塔に供給されて、担体充填層を上流側から下流側へ通気し、この際、微生物に接触して生物脱臭され、その後、第1の脱臭塔から第2の脱臭塔に供給され、第2の脱臭塔において次亜塩素酸ソーダにより洗浄されて脱臭され、第2の脱臭塔から排出される。
第1の脱臭塔において微生物が増殖して担体充填層に過剰に付着した場合、第2の脱臭塔で脱臭処理された臭気ガスを返送経路から第1の脱臭塔の担体充填層の臭気ガス流入経路の上流側に返送する。これにより、上記返送された臭気ガス中に含まれる次亜塩素酸ソーダの気体又はミストが第1の脱臭塔の担体充填層を上流側から下流側へ流れるため、担体充填層に付着した微生物が、次亜塩素酸ソーダの気体又はミストによってダメージを受け、担体充填層から剥離し易くなる。
この際、返送経路からの臭気ガスは、最も過剰に微生物が付着する部分である担体充填層の臭気ガス流入経路の上流側に返送されるため、臭気ガス中の次亜塩素酸ソーダの気体又はミストが最初に担体充填層の上流部に到達する。これにより、最も過剰に微生物が付着している担体充填層の上流部における剥離効果が向上するとともに、担体充填層の上流部以外の部分における微生物へのダメージが大きくなり過ぎることはなく、洗浄後の第1の脱臭塔の脱臭性能が大幅に低下するのを防止することができる。
また、第2の脱臭塔においてオゾンを用いる場合も上記と同様である。
本第2発明における脱臭装置は、返送経路を流れる臭気ガスの流量を調節する流量調節器が設けられているものである。
これによると、第2の脱臭塔において次亜塩素酸ソーダを用いる場合、返送経路から第1の脱臭塔に返送される臭気ガスの量を増やせば、返送経路から第1の脱臭塔に流入する次亜塩素酸ソーダの気体又はミストの量も増加するため、担体充填層の微生物に与えるダメージが増大する。反対に、第1の脱臭塔に返送される臭気ガスの量を減らせば、第1の脱臭塔に流入する次亜塩素酸ソーダの気体又はミストの量も減少するため、担体充填層の微生物に与えるダメージが低下する。このように、上記微生物に与えるダメージを調節することができるため、第1の脱臭塔の脱臭性能を容易に調整することができる。
また、第2の脱臭塔においてオゾンを用いる場合も上記と同様である。
本第3発明における脱臭装置は、臭気ガスを第1の脱臭塔へ供給する第1の供給経路と、第1の脱臭塔で脱臭処理された臭気ガスを第2の脱臭塔へ供給する第2の供給経路と、第2の脱臭塔で脱臭処理された臭気ガスを外部へ排出する排出経路と、臭気ガスを上記第1の供給経路から第1の脱臭塔をバイパスして第2の脱臭塔へ供給する第1のバイパス経路と、臭気ガスを上記第2の供給経路から第2の脱臭塔をバイパスして外部へ排出する第2のバイパス経路とが設けられており、返送経路は上記排出経路から第1の供給経路に連通しているものである。
これによると、通常運転時、臭気ガスは、先ず、第1の供給経路から第1の脱臭塔へ供給されて生物脱臭され、次に、第1の脱臭塔から第2の供給経路を通り第2の脱臭塔へ供給されて脱臭され、その後、第2の脱臭塔から排出経路に排出される。
上記通常運転時においては、臭気ガスを第1の脱臭塔から第2の脱臭塔の順序に流して脱臭処理しているが、逆の順序に流して、脱臭処理すると共に第1の脱臭塔の担体充填層を洗浄することも可能である。
すなわち、臭気ガスは、第1の供給経路から第1のバイパス経路へ流れ、第1の脱臭塔をバイパスして、先ず、第2の脱臭塔へ供給されて脱臭され、その後、第2の脱臭塔から排出経路に排出され、排出経路から返送経路を流れて第1の供給経路へ返送され、次に、第1の供給経路から第1の脱臭塔へ供給されて生物脱臭され、その後、第1の脱臭塔から第2の供給経路に排出され、第2の供給経路から第2のバイパス経路を流れ、第2の脱臭塔をバイパスして外部へ排出される。
これにより、臭気ガスは、先ず、第2の脱臭塔で脱臭され、次に、第1の脱臭塔で生物脱臭される。このように、臭気ガスの脱臭順序を通常運転時とは逆にすることで、第2の脱臭塔から排出され返送経路を通って第1の脱臭塔へ供給される臭気ガス中に含まれる次亜塩素酸ソーダの気体又はミスト(或いは排オゾン)によって、第1の脱臭塔の担体充填層に過剰に付着した微生物が担体充填層から剥離し易くなる。
本第4発明は、第1の脱臭塔である充填式生物脱臭塔と、次亜塩素酸ソーダ又はオゾンを用いる第2の脱臭塔とが設けられた脱臭装置を用いた脱臭方法であって、上記第2の脱臭塔で脱臭処理された臭気ガスを第1の脱臭塔内の担体充填層の臭気ガス流入経路の上流側に返送し、上記返送された臭気ガス中に含まれる次亜塩素酸ソーダの気体又はミスト或いは排オゾンによって、上記担体充填層に過剰に付着した微生物の剥離効果を向上させるものである。
以上のように、本発明によると、最も過剰に微生物が付着する担体充填層の上流部における剥離効果が向上するとともに、担体充填層の上流部以外の部分における微生物へのダメージが大きくなり過ぎることはなく、洗浄後の第1の脱臭塔の脱臭性能が大幅に低下するのを防止することができる。
また、微生物に与えるダメージを調節することができるため、第1の脱臭塔の脱臭性能を容易に調整することができる。
以下、本発明における第1の実施の形態を図1に基づいて説明する。
Aは脱臭装置であり、充填式生物脱臭塔である第1の脱臭塔Bと、酸・アルカリ洗浄塔である第2の脱臭塔Cとが設けられている。
上記第1の脱臭塔Bの内部には、微生物を担持した担体充填層10と、担体充填層10の上方から散布水11を散水する散水器12と、担体充填層10を通って流れ落ちた散布水11を貯留する貯留部13とが設けられている。また、第1の脱臭塔Bには、流入口14と、排出口15と、散布水11を貯留部13から散水器12へ供給する散布水供給ライン16とが設けられている。
尚、散布水供給ライン16には循環ポンプ17が設けられている。また、流入口14は担体充填層10と貯留部13との上下間に位置し、排出口15は第1の脱臭塔Bの上部に位置している。さらに、流入口14と排出口15との間の圧力損失を測定する差圧計(図示せず)が設けられている。
上記第2の脱臭塔Cは、酸洗浄部19と、アルカリ洗浄部20と、これら酸洗浄部19とアルカリ洗浄部20とを接続させる接続経路21とで構成されている。酸洗浄部19は、酸性液22(硫酸溶液、塩酸溶液等)を上部の散布器23より散布し、充填物24の間を臭気ガスが通過する際に、臭気成分(アンモニア、トリメチルアミン等)を中和除去するものである。上記散布器23より散布された酸性液22は、酸洗浄部19の底部に形成された貯留部25に貯留され、貯留部25から酸性液供給ライン26を通って散布器23へ供給されることにより、循環再利用されている。尚、酸性液供給ライン26には循環ポンプ27が設けられている。
また、アルカリ洗浄部20は、苛性ソーダ溶液と次亜塩素酸ソーダ溶液との薬液30を上部の散布器31より散布し、充填物32の間を臭気ガスが通過する際に、臭気成分(アンモニア、トリメチルアミン、硫化水素、メチルメルカプタン、硫化メチル、アセトアルデヒド等)を中和除去するものである。上記散布器31より散布された上記薬液30は、アルカリ洗浄部20の底部に形成された貯留部33に貯留され、貯留部33から薬液供給ライン34を通って散布器31へ供給されることにより、循環再利用されている。尚、薬液供給ライン34には循環ポンプ35が設けられている。
尚、上記接続経路21は酸洗浄部19の出口とアルカリ洗浄部20の入口とに連通している。
上記第1の脱臭塔Bの流入口14には、臭気ガスを第1の脱臭塔B内へ供給する第1の供給経路41が接続されている。第1の脱臭塔Bの排出口15と第2の脱臭塔Cの酸洗浄部19の流入口42との間には、第1の脱臭塔Bで脱臭処理された臭気ガスを第2の脱臭塔Cへ供給する第2の供給経路43が接続されている。第2の脱臭塔Cのアルカリ洗浄部20の排出口44には、第2の脱臭塔Cで脱臭処理された臭気ガスを外部へ排出する排出経路45が接続されている。上記第1の供給経路41と第2の脱臭塔Cの酸洗浄部19の流入口42との間には、臭気ガスを上記第1の供給経路41から第1の脱臭塔Bをバイパスして第2の脱臭塔Cへ供給する第1のバイパス経路46が接続されている。上記第2の供給経路43には、臭気ガスを上記第2の供給経路43から第2の脱臭塔Cをバイパスして外部へ排出する第2のバイパス経路47が分岐している。上記第1の供給経路41と排出経路45との間には、第2の脱臭塔Cで脱臭処理された臭気ガスを排出経路45から第1の脱臭塔Bの担体充填層10の臭気ガス流入経路の上流側に相当する第1の供給経路41へ返送する返送経路48が設けられている。
また、上記各経路41,43,45,46,47,48にはそれぞれバルブ41a,43a,45a,46a,47a,48aが設けられている。このうち、バルブ48aは返送経路48を流れる臭気ガスの流量を調節する流量調節器の一例である。
以下、上記構成における作用を説明する。
通常運転時、各バルブ41a,43a,45aを開いて、実線で示す第1および第2の供給経路41,43と排出経路45とを開通し、各バルブ46a,47a,48aを閉じて、点線で示す第1および第2のバイパス経路46,47と返送経路48とを閉鎖する。
これにより、原臭気ガスは、第1の供給経路41から第1の脱臭塔B内に供給され、担体充填層10を上流側(下方)から下流側(上方)へ通気し、この際、微生物に接触して生物脱臭され、その後、第1の脱臭塔Bから排出され、第2の供給経路43を通って第2の脱臭塔Cの酸洗浄部19へ供給され、酸性液22で洗浄されて臭気成分が中和除去され、次に、酸洗浄部19から接続経路21を通ってアルカリ洗浄部20へ供給され、苛性ソーダと次亜塩素酸ソーダとの薬液30で洗浄されて臭気成分が中和除去され、処理後臭気ガスとしてアルカリ洗浄部20から排出経路45へ排出される。
また、上記通常運転時、第1の脱臭塔Bにおいて微生物が増殖して担体充填層10に過剰に付着した場合、これに応じて、第1の脱臭塔Bの流入口14と排出口15との間の圧力損失が増大し、この圧力損失が所定値まで上昇すると、バルブ48aを開いて返送経路48を開通する。これにより、第2の脱臭塔Cのアルカリ洗浄部20で脱臭処理されて排出経路45へ排出された臭気ガスの一部が、返送経路48を通って、第1の脱臭塔Bの担体充填層10の臭気ガス流入経路の上流側に相当する第1の供給経路41へ返送される。
これにより、上記返送された臭気ガス中に含まれる次亜塩素酸ソーダの気体又はミストが第1の脱臭塔Bの担体充填層10を上流側(下方)から下流側(上方)へ流れるため、担体充填層10に付着した微生物は、次亜塩素酸ソーダの気体又はミストによってダメージを受け、担体充填層10から剥離し易くなり、散水器12から散水される散布水11によって容易に剥離する。
この際、返送経路48からの臭気ガスは、最も過剰に微生物が付着する部分である担体充填層10の上流側に返送されるため、臭気ガス中の次亜塩素酸ソーダの気体又はミストが最初に担体充填層10の上流部10a(=下部)に到達する。これにより、最も過剰に微生物が付着している担体充填層10の上流部10aにおける剥離効果が向上するとともに、担体充填層10の上流部10a以外の部分(=上部+中間部)における微生物へのダメージが大きくなり過ぎることはなく、洗浄後の第1の脱臭塔Bの脱臭性能が大幅に低下するのを防止することができる。
また、上記バルブ48aの開度を大きくすることにより、返送経路48から第1の脱臭塔Bに返送される臭気ガスの量が増加し、返送経路48から第1の脱臭塔Bに流入する次亜塩素酸ソーダの気体又はミストの量も増加するため、担体充填層10の微生物に与えるダメージが増大する。反対に、上記バルブ48aの開度を小さくすることにより、第1の脱臭塔Bに返送される臭気ガスの量が減少し、第1の脱臭塔Bに流入する次亜塩素酸ソーダの気体又はミストの量も減少するため、担体充填層10の微生物に与えるダメージが低下する。このように、上記バルブ48aの開度に応じて微生物に与えるダメージを調節することができるため、第1の脱臭塔Bの脱臭性能を維持することが可能である。
例えば、上記バルブ48aの開度を調節することによって、微生物に与えるダメージと微生物の増殖速度とをほぼ同等にすることで、長期間にわたってメンテナンスを必要としない運転を行うことも可能となる。この際、上記返送経路48を流れる臭気ガスの流量に基づいて、第1および第2の脱臭塔B,Cに供給される臭気ガスの流量が所定流量に保たれるように、各バルブ41a,43a,45a〜47aにより臭気ガスの流量が調整される。例えば、図1の()内に示すように、第1の供給経路41の上流側から流量Qの原臭気ガスが供給され、流量0.3Qの臭気ガスが返送経路48を流れる場合、バルブ41a,46aの開度を調節して流量0.3Qの臭気ガスを第1のバイパス経路46へ流す。これにより、流入部14から第1の脱臭塔Bへ供給される臭気ガスの流量が所定流量Qに保たれる。また、バルブ43a,47aの開度を調節して、第2の供給経路43から第2のバイパス経路47へ流量0.3Qの臭気ガスを流すと共に、第2の供給経路43から第2の脱臭塔Cの流入口42へ流量0.7Q(=Q−0.3Q)の臭気ガスを流す。これにより、上記流入口42から第2の脱臭塔Cに供給される臭気ガスの流量は、第2の供給経路43からの流量0.7Qと第1のバイパス経路46からの0.3Qとを加算した所定流量Q(=0.7Q+0.3Q)に保たれる。また、第2の脱臭塔Cの排出口44から排出されて排出経路45を流れる流量Qの処理後臭気ガスのうち、流量0.3Qの臭気ガスが返送経路48へ流れ込み、残りの流量0.7Qの臭気ガスがバルブ45aを通過して下流側へ流れる。このように、第1および第2の脱臭塔B,Cへ供給される臭気ガスの流量を各々所定流量Qに保つことができるため、安定した運転を行うことができ、上記各脱臭塔B,Cへ供給される臭気ガスが所定流量Qよりも増減して脱臭効率が低下したり各脱臭塔B,Cが損傷するといった不具合を防止することが可能となる。尚、上記の流量の数値(0.3Qや0.7Q等)は一例であり、これらの値に限定されるものではない。
また、上記通常運転時においては、臭気ガスを第1の脱臭塔Bから第2の脱臭塔Cの順序に流して脱臭処理しているが、逆の順序に流して、脱臭処理すると共に第1の脱臭塔Bの担体充填層10を洗浄することも可能である。
すなわち、各バルブ41a,43a,45aを閉じて、実線で示す第1および第2の供給経路41,43と排出経路45とを閉鎖し、各バルブ46a,47a,48aを開いて、点線で示す第1および第2のバイパス経路46,47と返送経路48とを開通する。
これにより、原臭気ガスは、バルブ41aの上流側における第1の供給経路41から第1のバイパス経路46を流れ、第1の脱臭塔Bをバイパスして先ず第2の脱臭塔Cへ供給され、酸洗浄部19において酸性液22で洗浄されて臭気成分が中和除去され、次に、アルカリ洗浄部20において苛性ソーダ溶液と次亜塩素酸ソーダ溶液との薬液30で洗浄されて臭気成分が中和除去され、アルカリ洗浄部20から排出経路45へ排出され、排出経路45から返送経路48を流れてバルブ41aの下流側における第1の供給経路41へ返送され、第1の供給経路41から第1の脱臭塔B内に供給され、担体充填層10を上流側から下流側へ通気することによって生物脱臭され、その後、第1の脱臭塔Bから排出され、第2の供給経路43から第2のバイパス経路47を流れ、第2の脱臭塔Cをバイパスして外部へ排出される。これにより、臭気ガスは、先ず第2の脱臭塔Cで脱臭処理され、次に第1の脱臭塔Bで脱臭処理される。
このように、臭気ガスの脱臭順序を通常運転時とは逆にすることで、第2の脱臭塔Cのアルカリ洗浄部20から排出され返送経路48を通って第1の脱臭塔Bへ供給される臭気ガス中に含まれる次亜塩素酸ソーダの気体又はミストによって、第1の脱臭塔Bの担体充填層10に過剰に付着した微生物が担体充填層10から剥離し易くなり、散水器12から散水される散布水11によって容易に剥離する。
上記第1の実施の形態では、第2の脱臭塔Cとして、酸・アルカリ洗浄塔を用いたが、酸・アルカリ洗浄塔に限定されるものではなく、例えば、多孔質セラミック材から成る充填物32を有し、且つ、臭気ガスを苛性ソーダ溶液と次亜塩素酸ソーダ溶液との薬液30で洗浄するアルカリ次亜洗浄塔を用いてもよい。
上記第1の実施の形態では、第2の脱臭塔Cとして、酸・アルカリ洗浄塔を用いたが、以下に説明する第2の実施の形態では、図2に示すように、第2の脱臭塔Cとして、オゾン酸化式脱臭塔を用いている。
すなわち、第2の脱臭塔Cには、底部の貯留部55と、この貯留部55に溜まった貯留水56を上部から散水する散水器57と、貯留水56を貯留部55から散水器57へ供給する貯留水供給ライン58と、接触材59とが設けれている。尚、上記貯留水供給ライン58には循環ポンプ60が設けられている。また、第2の脱臭塔Cには、オゾンをオゾン供給装置61から脱臭塔C内へ供給するオゾン供給経路62が接続されている。第2の供給経路43が第1の脱臭塔Bの排出口15と第2の脱臭塔Cの流入口42との間に接続されている。また、排出経路45が第2の脱臭塔Cの排出口44に接続されている。
以下、上記構成における作用を説明する。
通常運転時、各バルブ41a,43a,45aを開いて、実線で示す第1および第2の供給経路41,43と排出経路45とを開通し、各バルブ46a,47a,48aを閉じて、点線で示す第1および第2のバイパス経路46,47と返送経路48とを閉鎖する。
これにより、原臭気ガスは、第1の脱臭塔B内に供給されて生物脱臭され、その後、第2の供給経路43を通って第2の脱臭塔Cへ供給され、オゾンの酸化力によって臭気成分が酸化除去され、処理後臭気ガスとして排出経路45へ排出される。
また、上記通常運転時、第1の脱臭塔Bにおいて微生物が増殖して担体充填層10に過剰に付着し、第1の脱臭塔Bの流入口14と排出口15との間の圧力損失が所定値まで上昇した場合、バルブ48aを開いて返送経路48を開通する。これにより、第2の脱臭塔Cで脱臭処理されて排出経路45へ排出された臭気ガスの一部が、返送経路48を通って、第1の脱臭塔Bの担体充填層10の臭気ガス流入経路の上流側に相当する第1の供給経路41へ返送される。
これにより、上記返送された臭気ガス中に含まれる排オゾンが第1の脱臭塔Bの担体充填層10を上流側(下方)から下流側(上方)へ流れるため、担体充填層10に付着した微生物は、排オゾンによってダメージを受け、担体充填層10から剥離し易くなり、散水器12から散水される散布水11によって容易に剥離する。
この際、臭気ガス中の排オゾンが最初に担体充填層10の上流部10a(=下部)に到達するため、最も過剰に微生物が付着している担体充填層10の上流部10aにおける剥離効果が向上するとともに、担体充填層10の上流部10a以外の部分(=上部+中間部)における微生物へのダメージが大きくなり過ぎることはなく、これにより、洗浄後の第1の脱臭塔Bの脱臭性能が大幅に低下するのを防止することができる。
また、上記バルブ48aの開度に応じて微生物に与えるダメージを調節することができるため、第1の脱臭塔Bの脱臭性能を容易に調整することができる。
上記通常運転時においては、臭気ガスを第1の脱臭塔Bから第2の脱臭塔Cの順序に流して脱臭処理しているが、各バルブ41a,43a,45aを閉じて、実線で示す第1および第2の供給経路41,43と排出経路45とを閉鎖し、各バルブ46a,47a,48aを開いて、点線で示す第1および第2のバイパス経路46,47と返送経路48とを開通することによって、臭気ガスを第2の脱臭塔Cから第1の脱臭塔Bの逆順序に流して、脱臭処理すると共に第1の脱臭塔Bの担体充填層10を洗浄することも可能である。これによると、第2の脱臭塔Cから排出され返送経路48を通って第1の脱臭塔Bへ供給される臭気ガス中に含まれる排オゾンによって、第1の脱臭塔Bの担体充填層10に過剰に付着した微生物が担体充填層10から剥離し易くなり、散水器12から散水される散布水11によって容易に剥離する。
また、第3の実施の形態として、図3に示すように、充填式生物脱臭塔である第1の脱臭塔B1,B2,B3を複数設置し、第2の脱臭塔Cとして酸・アルカリ洗浄塔、アルカリ次亜洗浄塔、オゾン酸化式脱臭塔のいずれかを用いている。これら第1の脱臭塔B1,B2,B3と第2の脱臭塔Cとは複数の配管(図示省略)で接続され、配管に設けられたバルブ(図示省略)の操作によって、臭気ガスの流れる順序が切り換えられるように構成されている。
これによると、通常運転時においては、臭気ガスを第1の脱臭塔B1→B2→B3→第2の脱臭塔Cの順に流して脱臭処理し、第2の脱臭塔Cから処理後臭気ガスとして排出する。
また、第1の脱臭塔B1の微生物が担体充填層10に過剰に付着し、担体充填層10が閉塞した場合、臭気ガスを第1の脱臭塔B2→B3→第2の脱臭塔Cの順に流して脱臭処理し、第2の脱臭塔Cから排出される臭気ガスの一部を第1の脱臭塔B1に返送し、過剰な微生物を第1の脱臭塔B1の担体充填層10から剥離させる。
また、第1の脱臭塔B2の担体充填層10が閉塞した場合、臭気ガスを第1の脱臭塔B3→B1→第2の脱臭塔Cの順に流して脱臭処理し、第2の脱臭塔Cから排出される臭気ガスの一部を第1の脱臭塔B2に返送し、過剰な微生物を第1の脱臭塔B2の担体充填層10から剥離させる。
また、第1の脱臭塔B3の担体充填層10が閉塞した場合、臭気ガスを第1の脱臭塔B1→B2→第2の脱臭塔Cの順に流して脱臭処理し、第2の脱臭塔Cから排出される臭気ガスの一部を第1の脱臭塔B3に返送し、過剰な微生物を第1の脱臭塔B3の担体充填層10から剥離させる。
上記のように、複数の第1の脱臭塔B1,B2,B3を用いて、いずれか1塔の第1の脱臭塔に対して過剰な微生物を剥離させる洗浄を行い、残り2塔の第1の脱臭塔の生物脱臭能力を維持しておくことができる。
尚、上記第3の実施の形態では、第1の脱臭塔B1,B2,B3を3塔設置しているが、3塔以外の複数塔であってもよい。
本発明の第1の実施の形態における脱臭装置の構成図である。 本発明の第2の実施の形態における脱臭装置の構成図である。 本発明の第3の実施の形態における脱臭装置の概念を示す図である。 従来の脱臭装置の構成図である。
符号の説明
A 脱臭装置
B 第1の脱臭塔
C 第2の脱臭塔
10 担体充填層
41 第1の供給経路
43 第2の供給経路
45 排出経路
46 第1のバイパス経路
47 第2のバイパス経路
48 返送経路
48a バルブ(流量調節器)

Claims (4)

  1. 充填式生物脱臭塔である第1の脱臭塔と、次亜塩素酸ソーダ又はオゾンを用いる第2の脱臭塔とが設けられ、上記第1の脱臭塔内に、微生物を担持した担体充填層が設けられ、上記第2の脱臭塔で脱臭処理された臭気ガスを第1の脱臭塔の担体充填層の臭気ガス流入経路の上流側に返送する返送経路が設けられていることを特徴とする脱臭装置。
  2. 返送経路を流れる臭気ガスの流量を調節する流量調節器が設けられていることを特徴とする請求項1記載の脱臭装置。
  3. 臭気ガスを第1の脱臭塔へ供給する第1の供給経路と、第1の脱臭塔で脱臭処理された臭気ガスを第2の脱臭塔へ供給する第2の供給経路と、第2の脱臭塔で脱臭処理された臭気ガスを外部へ排出する排出経路と、臭気ガスを上記第1の供給経路から第1の脱臭塔をバイパスして第2の脱臭塔へ供給する第1のバイパス経路と、臭気ガスを上記第2の供給経路から第2の脱臭塔をバイパスして外部へ排出する第2のバイパス経路とが設けられており、返送経路は上記排出経路から第1の供給経路に連通していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の脱臭装置。
  4. 第1の脱臭塔である充填式生物脱臭塔と、次亜塩素酸ソーダ又はオゾンを用いる第2の脱臭塔とが設けられた脱臭装置を用いた脱臭方法であって、上記第2の脱臭塔で脱臭処理された臭気ガスを第1の脱臭塔内の担体充填層の臭気ガス流入経路の上流側に返送し、上記返送された臭気ガス中に含まれる次亜塩素酸ソーダの気体又はミスト或いは排オゾンによって、上記担体充填層に過剰に付着した微生物の剥離効果を向上させることを特徴とする脱臭方法。
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