JP2006100845A - バンプ電極付き電子部品の製造方法 - Google Patents

バンプ電極付き電子部品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】充分な膜厚の表面保護用絶縁膜および充分な高さのバンプ部を具備する電子部品を、オープン不良の発生を抑制しつつ製造するのに適した方法を提供する。
【解決手段】本発明の電子部品製造方法は、電極パッド12と、当該電極パッド12に対応する開口部を有する絶縁膜とが設けられている基材における当該電極パッド12の上に、開口部内において導電連絡部を形成する工程と、導電連絡部の上に、当該導電連絡部に直接接触して開口部から突出するようにバンプ部15を形成する工程とを含む。バンプ部15を形成する工程は、絶縁膜の上に樹脂膜30を積層形成する工程と、樹脂膜30に対して、導電連絡部が露出するように開口部30aを形成する工程と、樹脂膜30の開口部30aに溶融ハンダ36を供給する工程(a)と、溶融ハンダ36を冷却してバンプ部15を形成する工程(b)と、樹脂膜30を絶縁膜から剥離する工程(c)とを含む。
【選択図】図7

Description

本発明は、バンプ電極付き電子部品の技術に関する。より具体的には、ボールグリッドアレイ(BGA)などのバンプ電極を有する半導体チップやプリント配線基板などの電子部品の技術に関する。
近年、プリント配線板やセラミック基板などへの電子部品の実装に関しては、高密度化の要求が高まっており、かかる要求を満たす方式としてベアチップ実装方式が注目されている。ベアチップ実装方式においては、半導体チップと基板配線との電気的接続をワイヤボンディングを介して達成する従来のフェイスアップ実装に代わり、半導体チップおよび配線基板の電極パッド間にバンプを介在させることによって達成するフェイスダウン実装すなわちフリップチップ接合が採用される傾向にある。フェイスダウン実装において半導体チップおよび配線基板の電極パッド間にバンプを介在させるべく、実装前の半導体チップや配線基板の実装面には、予めバンプ電極が形成される。このようなバンプ電極に関する技術については、例えば下記の特許文献1に記載されている。
特開平4−112537号公報
図12は、従来のバンプ電極付き半導体チップの製造方法の一例を表す。従来の方法においては、まず、図12(a)に示すように、半導体チップ40に対して所定のメタルマスク44を用意する。半導体チップ40における基材41の表面には、電極パッド42を含む配線パターン(電極パッド42以外は図示略)が形成されている。基材41上には、配線パターンを保護すべく、当該配線パターンの上方から絶縁膜43が更に積層形成されている。この絶縁膜43は、電極パッド42の各々に対応する位置に開口部43aを有する。メタルマスク44は、電極パッド42および開口部43aに対応した位置に予め形成された開口部44aを有する。
次に、図12(b)に示すように、開口部44aと電極パッド42とを位置合わせして、メタルマスク44を半導体チップ40の上に載置する。次に、図12(c)に示すように、メタルマスク44の開口部44aおよび絶縁膜43の開口部43aに対して、所定のハンダ粉末を含んだハンダペースト45を印刷法により供給する。次に、図12(d)に示すように、ハンダペースト45を残して半導体チップ40からメタルマスク44を取り外す。次に、図12(e)に示すように、ハンダペースト45中のハンダ粉末を一旦溶融させるための加熱処理を経て、電極パッド42上にバンプ部46を形成する。
このようにしてバンプ電極が形成された半導体チップ40は、図13(a)に示すように、配線基板50に対してフリップチップ接合される。具体的には、半導体チップ40の電極パッド42と、配線基板50の電極パッド52とが、バンプ部46を介して電気的かつ機械的に接続される。そして、このようなフリップチップ接合においては、一般に、図13(b)に示すように、半導体チップ40と配線基板50との間に、接着剤ないしアンダーフィル剤60が充填される。アンダーフィル剤60は、電極パッド間を接続するバンプ部46を保護するとともに、半導体チップ40および配線基板50の実装面を保護する。このようなアンダーフィル剤60によって、当該フリップチップ接合における長期間に渡る接続信頼性が確保される。
しかしながら、図12を参照して上述した従来のバンプ電極付き電子部品の製造方法では、バンプ電極構造において、いわゆるオープン(非接触)不良が生じる場合が多い。オープン不良とは、図12(e)を参照して上述した加熱処理を経る際にバンプ形成材料が主に絶縁膜43上で球状化して、例えば図14に示すように、電極パッド42とバンプ部46との間に空隙が形成される不具合をいう。オープン不良が生じると、電極パッド42とバンプ部46との間の電気的接続が適切に達成されない。図14(a)に示すオープン不良は、全てのバンプ形成材料が絶縁膜43上にて球状化した形態をとり、バンプ形成材料として上述のようにハンダペーストを用いる場合に生じ易い。図14(b)に示すオープン不良は、一部を電極パッド42上に残して他のバンプ形成材料が絶縁膜43上にて球状化した形態をとり、バンプ形成材料として溶融ハンダやハンダめっきを用いる場合に生じ易い。
半導体チップ40における基材41に形成される電極パッド42は、基材41表面にパターン形成される配線の一部として、他の配線部位と同一の所定の厚みを有する。この配線を被覆保護する絶縁膜43については、当該配線の厚みに応じて一定以上の膜厚が要求される。配線の保護をより確実にすべく絶縁膜43の膜厚を大きくするほど、電極パッド42は、絶縁膜43の開口部43aにおいて、より深部に位置することとなる。電極パッド42が開口部43aの深部に位置するほど、図14に示すようなオープン不良は発生し易い。これに対し、オープン不良を抑制するために絶縁膜43を薄くするほど、絶縁膜43に発生するピンホールに起因して絶縁不良が生じ易くなる。すなわち、配線に対する絶縁膜43の被覆性が低下してしまう。また、絶縁膜43の開口部43aの径を大きくすると、微細なピッチに対応できなくなる場合がある。
一方、バンプ部46については、電極ピッチの制約内において、より高いことが望まれる。接続部の信頼性を維持するためのアンダーフィル剤60を、図13(b)に示すように充分に充填するためには、半導体チップ40および配線基板50の間の隙間を広くする必要があるからである。より高いバンプ部46すなわちより大きな体積を有するバンプ部46の表面曲率は、より小さい傾向にあり、従って、より高いバンプ部46では、開口部43aに対する進入の程度はより小さい傾向にある。開口部43aに対するバンプ部46の進入の程度が小さいほど、図14に示すようなオープン不良は発生し易い。
このように、バンプ電極付き電子部品では、一定の電極ピッチにおいて、絶縁膜を一定以上に厚くするとともにバンプ部を一定以上に高くする必要がある。そのため、従来のバンプ電極構造では、電極ピッチの微細化が進む昨今の電子部品において、図14に示すようなオープン不良が生じる場合が多かった。
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、充分な膜厚の表面保護用絶縁膜および充分な高さのバンプ部を具備しつつ、製造過程においてオープン不良の発生が適切に低減されるバンプ電極付き電子部品、および、その製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の側面によるとバンプ電極付き電子部品が提供される。この電子部品は、基材と、基材上に設けられている電極パッドと、電極パッドに対応する開口部を有して基材上に積層形成されている絶縁膜と、開口部内において、電極パッド上に設けられている導電連絡部と、導電連絡部に直接接触して開口部から突出しているバンプ部とを備えることを特徴とする。
このような構成のバンプ電極付き電子部品は、充分な膜厚の表面保護用絶縁膜および充分な高さのバンプ部を具備しつつ、その製造過程においてオープン不良の発生が適切に低減される。第1の側面に係る電子部品では、電極パッドとバンプ部との間に導電連絡部が介在している。この導電連絡部は、絶縁膜の開口部内において、電極パッド上に設けられ且つバンプ部と直接接触している。適切な厚みないし高さを有する導電連絡部を備えることによって、電極パッドとバンプ部との間のオープン不良の発生を抑制しつつ、電子部品における基材表面の配線パターンを保護するための充分な膜厚を有する絶縁膜を形成することが可能となり、且つ、開口部における電極パッド位置の深さに依存せずに、充分な高さを有するバンプ部を形成することが可能となるのである。
上記の特許文献1には、オープン不良の低減を目的とする技術が開示されているが、当該技術は、バンプ部の形成に際して電気めっき法を採用するものである。そのため、当該技術によると、表面保護用絶縁膜上において、電気めっきを行うための通電層の形成、および、そのエッチング除去などを行う必要があり、バンプ電極付き電子部品を歩留りよく製造するのが困難である。これに対して本発明では、バンプ部は、導電連絡部に対して直接接触して形成されている。すなわち、バンプ部は電気めっき法により形成されるものではない。また、特許文献1に開示の技術おいては、基材表面の電極パッドとバンプ部との間は、無電解めっき層により電気的に連絡される。良好な電気めっきバンプ部を形成するためには、当該無電解めっき層は、絶縁膜と面一状となるまで形成する必要があり、そのような無電解めっき層の形成には長時間を要する。したがって、当該公報に開示の技術では、バンプ電極付き電子部品を歩留りよく製造するのは困難である。
好ましい実施の形態においては、導電連絡部は、バンプ部と接する引込突部を有する。導電連絡部における最上表面の高さを一様とせずに、当該最上表面の一部のみについて充分な高さを確保することによっても、導電連絡部よる上述の効果は奏される。
好ましくは、基材からの導電連絡部の高さHと、バンプ部と同一の体積を有する真球の開口部に対する理論進入深さhと、絶縁膜の膜厚Lとは、H+h≧Lの関係を有する。このような構成によると、オープン不良を適切に低減することが可能である。
好ましくは、導電連絡部は、複数の層からなる積層構造を有する。好ましくは、導電連絡部、または、導電連絡部におけるバンプ部と接する層は、AuまたはSnにより構成されている。好ましくは、導電連絡部、または、導電連絡部におけるバンプ部と接する層は、バンプ部の溶融温度以下で溶融可能な材料により構成されている。これらの構成により、導電連絡部について、多様な態様が可能となり、導電連絡部が良好な電気的接続を達成するうえで好ましい構成とすることができる。
好ましくは、バンプ部は、スズ、インジウム、鉛、ビスマス、銀、銅、亜鉛、アンチモンからなる群より選択される金属材料により構成されている。このような金属材料から所望の組成のバンプが形成されるのが好ましい。
本発明の第2の側面によるとバンプ電極付き電子部品の製造方法が提供される。この製造方法は、電極パッドと、当該電極パッドに対応する開口部を有する絶縁膜とが設けられている基材における、当該電極パッドの上に、開口部内において導電連絡部を形成する工程と、導電連絡部の上に、当該導電連絡部に直接接触して開口部から突出するようにバンプ部を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の第2の側面によると、第1の側面に係る電子部品を製造することができる。したがって、第2の側面に係る方法によると、製造過程においてオープン不良を低減しつつ、充分な膜厚の表面保護用絶縁膜および充分な高さのバンプ部を具備するバンプ電極付き電子部品を製造することができる。
好ましくは、導電連絡部を形成する工程は、無電解めっき法および/または電気めっき法により行う。好ましくは、導電連絡部を形成する工程では、複数のめっき材料が順次堆積される。好ましくは、導電連絡部を形成する工程は、バンプ部形成位置方向へ突出する引込突部を形成する工程を含んでいる。これらのような構成により、良好な導電連絡部を形成することができる。
好ましい実施の形態では、バンプ部を形成する工程は、絶縁膜の上に樹脂膜を積層形成する工程と、樹脂膜に対して、導電連絡部が露出するように開口部を形成する工程と、樹脂膜の開口部にハンダペーストを供給する工程と、加熱処理を経ることによってハンダペーストからバンプ部を形成する工程と、樹脂膜を絶縁膜から剥離する工程とを含んでいる。これに代えて、バンプ部を形成する工程は、絶縁膜の上に樹脂膜を積層形成する工程と、樹脂膜に対して、導電連絡部が露出するように開口部を形成する工程と、樹脂膜の開口部に溶融ハンダを供給する工程と、溶融ハンダを冷却してバンプ部を形成する工程と、樹脂膜を絶縁膜から剥離する工程とを含んでもよい。これに代えて、バンプ部を形成する工程は、絶縁膜の上に樹脂膜を積層形成する工程と、樹脂膜に対して、導電連絡部が露出するように開口部を形成する工程と、めっき法により、樹脂膜の開口部にハンダ材料を堆積させる工程と、加熱処理を経ることによってハンダ材料からバンプ部を形成する工程と、樹脂膜を絶縁膜から剥離する工程とを含んでもよい。これに代えて、バンプ部を形成する工程は、絶縁膜の開口部ごとにハンダボールを載置する工程と、加熱処理を経ることによってハンダボールからバンプ部を形成する工程とを含んでもよい。バンプ部の形成に際して樹脂膜を利用する場合、当該樹脂膜は感光性樹脂膜であるのが好ましい。
本発明の第2の側面において、好ましくは、基材からの導電連絡部の高さHと、バンプ部と同一の体積を有する真球の開口部に対する理論進入深さhと、絶縁膜の膜厚LとがH+h≧Lの関係を満たすように、導電連絡部およびバンプ部が形成される。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るバンプ電極付き電子部品X1の部分断面図である。電子部品X1は、半導体チップやプリント配線基板などに相当するものであって、基材11と、電極パッド12と、絶縁膜13と、導電連絡部14と、バンプ部15とを備える。基材11の表面には、電極パッド12を含む配線がパターン形成されている。絶縁膜13は、配線を被覆保護するために基材11上に設けられており、電極パッド12に対応する箇所に開口部13aを有する。導電連絡部14は、開口部13aにおいて電極パッド12の上に設けられている。バンプ部15は、導電連絡部14の上面に対して直接接触して設けられており、開口部13aから外部に突き出ている。
基材11からの導電連絡部14の高さをH[μm]とし、バンプ部15の理論進入深さをh[μm]とし、絶縁膜13の膜厚をL[μm]とすると、本実施形態においては、高さH、理論進入深さh、および膜厚Lは、下記式(1)の関係を満たす。ここで、バンプ部15について理論進入深さhとは、バンプ部15と同一の体積を有する真球を仮定して、空洞と仮定する開口部13aを閉塞するように当該真球を載置した場合に、真球が、開口部13aに対して理論上入り込み得る最大長さをいう。
Figure 2006100845
絶縁膜13の開口部13aの直径をD[μm]とし、開口部13aを閉塞するように球状化しているバンプ部15と同一の体積を有する真球を仮定して当該真球の直径をR[μm]とすると、理論進入深さh[μm]は、下記式(2)で表される。式(2)において、右辺第1項は真球バンプ部の半径であり、右辺第2項は、真球バンプ部の中心から開口部13aまでの距離であって三平方の定理により導かれるものである。
Figure 2006100845
また、絶縁膜13の上表面から導電連絡部14の最上表面までの深さをt[μm]とすると、tは下記式(3)で表される。
Figure 2006100845
電極パッド12とバンプ部15との間において電気的なオープン不良が生じないためには、電極パッド12に接続する導電連絡部14と、バンプ部15とが物理的に接触する必要がある。hおよびtが下記式(4)を満たす場合には、導電連絡部14とバンプ部15とは確実に接触する傾向にある。
Figure 2006100845
したがって、オープン不良が充分に抑制される条件について、式(4)に式(2)および式(3)を代入して下記式(5)が導かれる。
Figure 2006100845
絶縁膜13の厚さLが30[μm]であって真球バンプ部の直径Rが120[μm]である場合、導電連絡部14の高さHを縦軸にとり、開口部13aの直径Dを横軸にとると、図2に示す関係図が得られる。図2において、○プロットは式(5)を満たすことを意味し、×プロットは式(5)を満たさないことを意味する。これらのプロットに基づいて、オープン不良を有意に抑制可能な条件領域とそうでない条件領域とを区分する境界線グラフBを得ることができる。
BGAなどを有する半導体チップにおける従来のバンプ電極構造にあっては、導電連絡部がないのでH=0である。基材からの電極パッドの高さも0と仮定して、式(5)にH=0を代入して変形し、両辺を等号のみで連結すると、下記式(6)が得られる。また、式(6)を変形すると下記式(7)が得られる。
Figure 2006100845
Figure 2006100845
従来の半導体チップなどが備えるバンプ電極構造についての式(6)において、右辺のRすなわちバンプ部サイズを一定とすると、電極ピッチの狭小化に伴って開口部径Dが小さくなるほど右辺の値は小さくなり、膜厚Lの値は0に収束していく。これは、従来のバンプ電極構造においては、開口部径Dが小さくなるほど、基材表面の配線に対する絶縁膜の被覆性が低下するという問題が直接的に誘発される傾向にあることを意味する。
一方、従来の半導体チップなどが備えるバンプ電極構造についての式(7)において、右辺のLすなわち絶縁膜の膜厚を一定とすると、電極ピッチの狭小化に伴って開口部径Dが小さくなるほど右辺の値は小さくなり、バンプ部径Rの値は膜厚Lの値に収束していく。バンプ部径Rの値が膜厚Lの値に収束していくことは、絶縁膜表面からのバンプ突出高さが0に収束することに相当する。これは、従来のバンプ電極構造においては、開口部径Dが小さくなるほど、バンプ部の高さが低下してアンダーフィル剤の充填が困難化するという問題が直接的に誘発される傾向にあることを意味する。
これに対し、本発明では、基材11からの導電連絡部14の高さHが、式(6)および式(7)を参照して上述した従来の傾向を緩和する作用を有するのである。このような本発明の利点については、電極パッドの高さを考慮しても同様である。
図3〜図5は、電子部品X1の製造方法を表す。電子部品X1の製造においては、まず、図3(a)に示すように、表面に電極パッド12が設けられている基材11に対して、電極パッド12を覆うように絶縁膜13を積層形成する。このとき、図1に示す膜厚Lについて、最終的に得られる電子部品X1において上掲の式(1)を満たすように、絶縁膜13を形成する。絶縁膜13の形成においては、スピンコーティングにより又はスクリーンマスクを用いた印刷法により、絶縁膜形成用の液状の樹脂組成物を基材11に塗布し、これを乾燥する。或は、絶縁膜13の形成においては、ラミネータなどを使用して、フィルム状の樹脂組成物を基材11の上に載置した後、50〜140℃で加熱圧着してもよい。絶縁膜形成用の樹脂組成物としては、エポキシアクリレートやポリイミドなどを含む樹脂材料を用いることができる。
次に、図3(b)に示すように、絶縁膜13に対して、各電極パッド12に対応する箇所にて開口部13aを形成する。開口部13aの形成には、UV−YAGレーザ、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザなどを用いることができる。感光性を有する絶縁膜13を形成した場合には、開口部13aの形成にはフォトリソグラフィを採用することができる。
次に、図3(c)に示すように、開口部13aにおいて電極パッド12の上に導電連絡部14を形成する。このとき、図1に示す高さHについて、最終的に得られる電子部品X1において上掲の式(1)を満たすように、導電連絡部14を形成する。
導電連絡部14は、電気めっき法や無電解めっき法により形成することができる。導電連絡部14の形成において無電解めっき法を採用する場合には、例えば、まず、図3(b)に示す状態において、開口部13a内の少なくとも電極パッド12の表面に、所定の触媒を付着させる。次に、無電解めっき法により、当該触媒を核として電極パッド12上に導電連絡部14を堆積成長させる。導電連絡部14の形成において電気めっき法を採用する場合には、例えば、まず、図3(b)に示す状態において、TiやNiなどのスパッタリングなどにより、絶縁膜13および電極パッド12を被覆するように通電層を形成する。通電層の形成においては、スパッタリングに代えて、絶縁膜13および電極パッド12を被覆するように全面無電解めっきを施す手法を採用してもよい。次に、通電層の上に、めっきレジストをパターン形成する。このめっきレジストパターンは、開口部13aに対応して開口している。次に、電気めっき法により、開口部13a内に導電連絡部14を堆積成長させる。次に、めっきレジストパターンをエッチング除去するとともに、絶縁膜13上の通電層をエッチング除去する。
導電連絡部14を形成するための材料としては、Al,Au,In,Sn,Cu,Ag,Pdなどの単体金属や、Sn,Pb,Ag,Cu,In,Bi,Zn,Sb,Al,Auなどから選択される複数の単体金属からなる合金を用いることができる。例えば、InやSn―Bi合金などの低融点金属により導電連絡部14を形成することができる。低融点金属により導電連絡部14を形成すると、後述する工程において、比較的低温にてバンプ部15との電気的接続を図ることができる場合がある。その場合、最終的に得られる電子部品X1において、加熱によって生じる不具合、例えば基材11の反りなどを抑制することが可能となる。
また、異なる組成の金属を順次積層することによって、図4に示すような多層構造の導電連絡部14を形成してもよい。例えば、図3(c)に示す工程において、低抵抗のCuを電極パッド12上に厚く堆積させて下層14’を形成し、この後、Cuよりも低融点で低硬度のSnを下層14’の表面に薄く堆積させて上層14’’を形成してもよい。このような積層構造を有する導電連絡部14では、後述する工程においてバンプ部15と直接接触するのは、上層14’’であるSnめっきである。電気抵抗の小さい金属材料を主体としつつ、バンプ部15と接触する箇所には比較的低融点または低硬度の金属材料を用いると、導電連絡部14とバンプ部15との間の接続において低抵抗の電気的接続を良好に達成することが可能となる。
導電連絡部14を形成した後、図3(d)に示すように、樹脂膜30を積層形成する。樹脂膜30の形成においては、フィルム状の樹脂組成物を、積層面側に載置した後、50〜140℃で加熱しつつ圧着する。或は、スピンコートにより又はスクリーンマスクを用いた印刷法により、液状樹脂組成物を積層面に塗布し、これを乾燥してもよい。
樹脂膜30を形成するための樹脂組成物としては、感光性を有するアクリレート樹脂や非感光性の樹脂を用いることができる。感光性アクリレート樹脂を用いる場合、後述の開口部30aの形成の際にフォトリソグラフィを採用することができる。樹脂膜30を形成するための樹脂組成物は、液状であってもよいし、フィルム状であってもよい。好ましくは、樹脂膜30を形成するための樹脂組成物は、感光性を有するドライフィルムである。感光性ドライフィルムを用いることにより、樹脂膜30の形成は簡易化される。樹脂膜30は、絶縁膜13とは基本組成の異なる樹脂組成物により形成される。これは、アルカリ剥離液を用いて樹脂膜30を剥離する後述の工程において、絶縁膜13へのダメージを抑制するためである。また、微細なピッチで設けられた電極パッド12の上に高いバンプを形成するという観点からは、樹脂膜30の膜厚は30〜150μmとするのが好ましい。
樹脂膜30の形成の後、図3(e)に示すように、樹脂膜30に対して、各導電連絡部14に対応する箇所に開口部30aを形成する。開口部30aの形成には、UV−YAGレーザ、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザなどを用いることができる。感光性を有する樹脂膜30を形成した場合には、開口部30aの形成にはフォトリソグラフィを採用することができる。導電連絡部14へのダメージを抑制するという観点からは、フォトリソグラフィを採用するのが好ましい。フォトリソグラフィを採用する場合には、樹脂膜30に対して、所定のフォトマスク(図示せず)を介しての露光処理およびその後の現像処理を施すことにより、各導電連絡部14が露出するように開口部30aを形成する。
次に、図5(a)に示すように、開口部30aにハンダペースト31を充填する。ハンダペースト31の充填は、スキージ(図示略)を用いた印刷法により行う。スキージとしては、樹脂膜30に損傷を与えることを回避ないし軽減するためにウレタンゴムスキージを用いる。開口部30aに対して所定量のハンダペースト31を確実に充填するためには、スキージによるスキージングは2回以上行うのが望ましい。
ハンダペースト31は、ハンダ粉末とフラックスビヒクルとからなる。ハンダ粉末は、Sn,Pb,Ag,Cu,In,Bi,Zn,Sbなどから選択される単体金属、または、これらから選択される複数の単体金属からなる合金を粉末化したものである。ハンダペースト31におけるハンダ粉末の含有量については、上掲の式(1)を満たす量とする。具体的には、後述の加熱処理において過渡的に溶融状態とされるバンプ部を真球と仮定した場合に、当該真球の理論進入深さhが、最終的に得られる電子部品X1において上掲の式(1)を満たすように、ハンダペースト31におけるハンダ粉末の含有量を決定する。
フラックスビヒクルは、ロジン、活性剤、チクソ剤、溶剤を含む。ロジンとしては、例えば、ロジン酸、ロジン酸エステル、ロジン無水物、脂肪酸、アビエチン酸、ピマール酸、イソピマール酸、ネオアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸などを用いることができる。活性剤としては、例えば、セバシン酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリブチルアミン、エチレンジアミンなどから選択された1または2以上の有機酸および/または有機アミンを使用することができる。チクソ剤としては、硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸などを用いることができる。溶剤としては、2−メチル−2,4ペンタンジオールやジエチレングリコールモノブチルエーテルなどを用いることができる。
ハンダペースト31の充填の後、図5(b)に示すように、加熱処理を経てバンプ部15を形成する。具体的には、まず、加熱により開口部30aに充填されているハンダペースト31を溶融させる。これにより、ハンダペースト31に含まれているフラックスビヒクルが揮発消失するとともに、ハンダ粉末が溶融して寄り集まる。その後の冷却によって、パンプ部15が形成される。
次に、図5(c)に示すように、アルカリ剥離液を作用させることによって、樹脂膜30を除去する。アルカリ剥離液としては、水酸化ナトリウム水溶液などのような強アルカリ剥離液、モノエタノールアミン水溶液や水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液などの有機アルカリ剥離液、および、これらに所定の添加剤を加えたものを用いることができる。添加剤としては、剥離される樹脂膜30を細片に破壊することによって剥離残りを防止する作用を示すものが好ましい。このとき、絶縁膜13に対するダメージを適切に回避するためには、pH11.5以下のアルカリ剥離液を使用するのが望ましい。このようなアルカリ除去を適切に行うべく、本実施形態では、当該アルカリ剥離液に対する耐性について有意な差を有する絶縁膜13および樹脂膜30の組み合わせを採用する。
以上の一連の工程において、電子部品X1は、基材11からの導電連絡部14の高さHと、バンプ部15の理論進入深さhと、絶縁膜13の膜厚Lとが、上掲の式(1)を満たすように製造されている。したがって、電子部品X1は、充分な膜厚の絶縁膜13および充分な高さのバンプ部15を具備しつつ、電極パッド12とバンプ部15との間においてオープン不良を生じていない。
このようにして製造されたバンプ電極付き電子部品X1は、電子部品X1が例えば半導体チップである場合には、図5(d)に示すように、配線基板32に対してフリップチップ接合される。具体的には、まず、バンプ部15と配線基板32の電極パッド33とが対向するように位置合わせをして、電子部品X1を配線基板32に搭載する。次に、リフロー加熱を行うことによって、バンプ部15と電極パッド33を機械的に接合するとともに電気的に接続する。加熱処理における最高加熱温度は、当該ハンダの融点よりも例えば10〜50℃高い温度とする。その後、図5(e)に示すように、電子部品X1と配線基板32との間にアンダーフィル剤34を充填し硬化させる。
図6は、電子部品X1の製造における図3に続く別の工程を表す。電子部品X1のバンプ部15を形成するためのハンダ供給材料としては、図5(a)に示すハンダペースト31に代えて、図6に示すようにハンダボール35を使用することもできる。
具体的には、まず、図6(a)に示すように、樹脂膜30の開口部30a内にハンダボール35を載置する。ハンダボール35は、Sn,Pb,Ag,Cu,In,Bi,Zn,Sbなどから選択される単体金属、または、これらから選択される複数の単体金属からなる合金を球形化したものである。次に、図6(b)に示すように、加熱処理を経てバンプ部15を形成する。具体的には、ハンダボール35を、加熱により一旦溶融させることによって、電極パッド12に対して機械的かつ電気的に接続させる。次に、図6(c)に示すように、図5(c)を参照して上述したのと同様に、アルカリ剥離液を作用させることによって、樹脂膜30を除去する。以上の手法によっても、バンプ部15を形成して電子部品X1を製造することができる。
図7は、電子部品X1の製造における図3に続く別の工程を表す。電子部品X1のバンプ部15を形成するためのハンダ供給材料としては、ハンダペースト31やハンダボール35に代えて、図7に示すように溶融ハンダ36を使用することもできる。
具体的には、まず、図7(a)に示すように、加熱下において、樹脂膜30の開口部30a内に溶融ハンダ36を充填する。溶融ハンダ36は、Sn,Pb,Ag,Cu,In,Bi,Zn,Sbなどから選択される単体金属、または、これらから選択される複数の単体金属からなる合金を加熱溶融したものである。溶融ハンダ36の供給は、図3(e)の状態の電子部品を溶融ハンダ浴に浸漬するか、或は、印刷法により達成することができる。次に、図7(b)に示すように、冷却によって、電極パッド12上にバンプ部15を形成する。次に、図7(c)に示すように、図5(c)を参照して上述したのと同様に、アルカリ剥離液を作用させることによって、樹脂膜30を除去する。以上の手法によっても、電子部品X1のバンプ部15を形成することができる。また、バンプ部15は、以上の手法に代えて、樹脂膜30の開口部30aを利用した無電解めっき法により形成してもよい。
図8は、本発明の第2の実施形態に係るバンプ電極付き電子部品X2の部分断面図である。電子部品X2は、半導体チップやプリント配線基板などに相当するものであって、基材21と、電極パッド22と、絶縁膜23と、導電連絡部24と、バンプ部25とを備える。基材21の表面には、電極パッド22を含む配線がパターン形成されている。絶縁膜23は、配線を被覆保護するために基材21上に設けられており、電極パッド22に対応する箇所に開口部23aを有する。導電連絡部24は、開口部23aにおいて電極パッド22の上に設けられており、基底部24aと引込突部24bとからなる。バンプ部25は、導電連絡部24における基底部24aの上面および引込突部24bに対して直接接触して設けられており、開口部23aから外部に突き出ている。
電子部品X2の導電連絡部24は、バンプ部25と接する引込突部24bを有する。この引込突部24bの作用によって、電子部品X2の製造過程において、バンプ電極構造におけるオープン不良の発生が適切に抑制されている。具体的には、電子部品X1と同様に、基材21からの導電連絡部24の高さHと、バンプ部25の理論進入深さhと、絶縁膜23の膜厚Lとは、上掲の式(1)を満たす。
図9〜図11は、電子部品X2の製造方法を表す。電子部品X2の製造においては、まず、電子部品X1の製造に関して図3(a)および図3(b)を参照して上述した工程と同一の工程を経て図9(a)の状態の電子部品を用意する。具体的には、図9(a)に示す状態においては、基材21の表面に電極パッド22が設けられている。更に、基材21に対しては、電極パッド22に対応する箇所にて開口部23aを有する絶縁膜23が積層形成されている。絶縁膜23は、図8に示す膜厚Lについて、最終的に得られる電子部品X2において上掲の式(1)を満たすように、形成されている。
このような状態の電子部品に対して、図9(b)に示すように、開口部23aにおいて電極パッド22の上に導電連絡部24の基底部24aを形成する。基底部24aは、電子部品X1の導電連絡部14の形成に関して図3(c)を参照して上述したのと同様に、無電解めっき法や電気めっき法により形成することができる。
基底部24aを形成した後、図9(c)に示すように、樹脂膜37を積層形成する。樹脂膜37の形成においては、フィルム状の樹脂組成物を、積層面側に載置した後、50〜240℃で加熱しつつ圧着する。或は、液状樹脂組成物を、スピンコートにより積層面に塗布し、それを乾燥してもよい。樹脂膜37の形成においては、第1の実施形態における樹脂膜30と同様の樹脂組成物を用いることができる。
樹脂膜37の形成の後、図9(d)に示すように、樹脂膜37に対して、各基底部24aに対応する箇所にて、引込突部24bを形成するための開口部37aを形成する。開口部37aの形成には、UV−YAGレーザ、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザなどを用いることができる。感光性を有する樹脂膜37を形成した場合には、開口部37aの形成にはフォトリソグラフィを採用することができる。フォトリソグラフィを採用する場合には、樹脂膜37に対して、所定のフォトマスク(図示せず)を介しての露光処理およびその後の現像処理を施すことにより、各基底部24aが露出するように開口部37aを形成する。
次に、図10(a)に示すように、開口部37aにおいて基底部24aの上に引込突部24bを形成する。引込突部24bは、電子部品X1の導電連絡部14の形成に関して図3(c)を参照して上述したのと同様に、無電解めっき法や電気めっき法により形成することができる。導電連絡部24の形成においては、図8に示す高さHについて、最終的に得られる電子部品X2において上掲の式(1)を満たすように、基底部24aおよび引込突部24bを形成する。次に、図10(b)に示すように、図5(c)を参照して上述したのと同様に、アルカリ剥離液を作用させることによって、樹脂膜37を除去する。
次に、図10(c)に示すように、樹脂膜38を積層形成する。樹脂膜38の形成においては、フィルム状の樹脂組成物を、積層面側に載置した後、50〜140℃で加熱しつつ圧着する。或は、液状樹脂組成物を、スピンコートにより積層面に塗布し、それを乾燥してもよい。樹脂膜38の形成においては、第1の実施形態における樹脂膜30と同様の樹脂組成物を用いることができる。
次に、図10(d)に示すように、樹脂膜38に対して、各導電連絡部24に対応する箇所にて、開口部38aを形成する。開口部38aの形成には、UV−YAGレーザ、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザなどを用いることができる。感光性を有する樹脂膜38を形成した場合には、開口部38aの形成にはフォトリソグラフィを採用することができる。フォトリソグラフィを採用する場合には、樹脂膜38に対して、所定のフォトマスク(図示せず)を介しての露光処理およびその後の現像処理を施すことにより、各導電連絡部24が露出するように開口部38aを形成する。
次に、図11(a)に示すように、開口部38aにハンダペースト31を充填する。ハンダペースト31の充填は、スキージ(図示略)を用いた印刷法により行う。本工程におけるハンダペースト31の構成材料、スキージの材質、およびスキージングについては、第1の実施形態において図5(a)を参照して上述したのと同様である。
次に、図11(b)に示すように、加熱処理を経てバンプ部25を形成する。具体的には、まず、加熱により開口部38aに充填されているハンダペースト31を溶融させる。これにより、ハンダペースト31に含まれているフラックスビヒクルが揮発消失するとともに、ハンダ粉末が溶融して寄り集まる。その後の冷却によって、パンプ部25が形成される。
次に、図11(c)に示すように、アルカリ剥離液を作用させることによって、樹脂膜38を除去する。このとき、絶縁膜23に対するダメージを適切に回避するためには、pH11.5以下のアルカリ剥離液を使用するのが望ましい。このようなアルカリ除去を適切に行うべく、本実施形態では、当該アルカリ剥離液に対する耐性について有意な差を有する絶縁膜23および樹脂膜38の組み合わせを採用する。
以上の一連の工程において、電子部品X2は、基材21からの導電連絡部24の高さHと、バンプ部25の理論進入深さhと、絶縁膜23の膜厚Lとが、上掲の式(1)を満たすように製造されている。したがって、電子部品X2は、充分な膜厚の絶縁膜23および充分な高さのバンプ部25を具備しつつ、電極パッド22とバンプ部25との間においてオープン不良を生じていない。また、このようにして製造されたバンプ電極付き電子部品X2は、電子部品X2が例えば半導体チップである場合には、電子部品X1と同様に配線基板に対してフリップチップ接合することができる。
以上、本発明の第1および第2の実施形態について、部分断面図を参照して説明した。本発明のバンプ電極付き電子部品X1,X2は、工業的生産ラインにおいて、ウエハなどの大型基板からでも製造することができる。
Cu電極パッドを有する配線基板(電極径110μm、電極ピッチ220μm、電極数3000個)の表面に対して、電極パッドを覆うように、スクリーン印刷法により、感光性を有する絶縁膜としてのエポキシアクリレート樹脂膜を形成した。膜厚は30μmとした。次に、当該絶縁膜に対し、露光処理およびそれに続く現像処理を施して、各電極パッドが露出するように直径90μmの複数の開口部を形成した。現像処理には、現像液として1.0%の炭酸ナトリウム(Na2CO3)水溶液を使用した。次に、無電解めっき法により、開口部の電極パッド上に厚さ15μmのNiめっき層を形成した。次に、無電解めっき法により、当該Niめっき層の上に厚さ0.1μmのAuめっき層を形成した。これにより、電極パッド上にNiめっき層およびAuめっき層からなる導電連絡部が形成された。
次に、絶縁膜上に、当該絶縁膜の開口部を覆うように、感光性を有するアクリレート樹脂膜を積層形成した。膜厚は50μmとした。次に、当該樹脂膜に対し、露光処理およびそれに続く現像処理を施して、各導電連絡部が露出するように直径200μmの複数の開口部を形成した。現像処理には、現像液として1.0%Na2CO3水溶液を使用した。次に、この開口部に対して、ウレタンゴムスキージの2回のスキージングによりハンダペーストを充填した。本実施例のハンダペーストは、ロジン、活性剤、溶剤、チクソ剤からなる樹脂分10重量部と、粒径25μm以下のハンダ粉末(Sn―3.5%Agハンダ)90重量部とからなり、ハンダ粉末の体積比率は約54vol%である。次に、最高温度240℃の加熱処理を経ることによって、各開口部においてハンダペーストからバンプ部を形成した。次に、アルカリ剥離液としての5%のモノエタノールアミン水溶液を用いて、アクリレート樹脂膜を除去した。以上の工程を経た結果、絶縁膜からの高さが100μmであって高さのばらつきが3μmのバンプ部によるバンプ電極を有する配線基板を得ることができた。ここで、高さのばらつきとは、平均高さに対して±3μmのばらつきがあることをいう。
Cu電極パッドを有する半導体チップ(電極径90μm、電極ピッチ220μm、電極数3000個)の表面に対して、電極パッドを覆うように、スクリーン印刷法により、感光性を有する絶縁膜としてのエポキシアクリレート樹脂膜を形成した。膜厚は10μmとした。次に、当該絶縁膜に対し、露光処理およびそれに続く現像処理を施して、各電極パッドが露出するように直径70μmの複数の開口部を形成した。現像処理には、現像液として1%の水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液を使用した。次に、無電解めっき法により、開口部の電極パッド上に厚さ3μmのNiめっき層を形成した。次に、無電解めっき法により、当該Niめっき層の上に厚さ0.1μmのAuめっき層を形成した。これにより、電極パッド上にNiめっき層およびAuめっき層からなる導電連絡部が形成された。
次に、絶縁膜上に、当該絶縁膜の開口部を覆うように、感光性を有するアクリレート樹脂膜を積層形成した。膜厚は150μmとした。次に、当該樹脂膜に対し、露光処理およびそれに続く現像処理を施して、各導電連絡部が露出するように直径200μmの複数の開口部を形成した。現像処理には、現像液として1.0%Na2CO3水溶液を使用した。次に、この開口部に対して、粒径25μm以下のハンダ粉末(Sn―3.5%Agハンダ)を含むハンダペーストを、ウレタンゴムスキージの2回のスキージングにより充填した。次に、最高温度240℃の加熱処理を経ることによって、各開口部においてハンダペーストからバンプ部を形成した。次に、アルカリ剥離液としての5%のモノエタノールアミン水溶液を用いて、アクリレート樹脂膜を除去した。以上の工程を経た結果、絶縁膜からの高さが160μmであって高さのばらつきが5μmのバンプ部によるバンプ電極を有する半導体チップを得ることができた。
感光性アクリレート樹脂膜に対して直径200μmの開口部を形成するまでは実施例1と同様の工程を経た実施例1と同一の配線基板を用意し、当該配線基板における樹脂膜の開口部にて露出する電極パッドに対して、フラックスを塗布した。次に、フラックスが塗布された各電極パッド上に直径130μmのハンダボール(Sn―3.5%Agハンダ)を載置した。次に、最高温度240℃の加熱処理を経ることによって、各開口部においてハンダボールからバンプ部を形成した。次に、アルカリ剥離液としての5%のモノエタノールアミン水溶液を用いて、アクリレート樹脂膜を除去した。以上の工程を経た結果、絶縁膜からの高さが110μmであって高さのばらつきが2μmのバンプ部によるバンプ電極を有する配線基板を得ることができた。
感光性アクリレート樹脂膜に対して直径200μmの開口部を形成するまでは実施例2と同様の工程を経た実施例2と同一の半導体チップを用意し、当該半導体チップにおける樹脂膜の開口部にて露出する電極パッドに対して、フラックスを塗布した。次に、フラックスが塗布された各電極パッド上に直径160μmのハンダボール(Sn―3.5%Agハンダ)を載置した。次に、最高温度240℃の加熱処理を経ることによって、各開口部においてハンダボールからバンプ部を形成した。次に、アルカリ剥離液としての5%のモノエタノールアミン水溶液を用いて、感光性のアクリレート樹脂膜を除去した。以上の工程を経た結果、絶縁膜からの高さが150μmであって高さのばらつきが4μmのバンプ部によるバンプ電極を有する半導体チップを得ることができた。
無電解めっき法による導電連絡部の形成において、厚さ15μmのNiめっき層およびその上の厚さ0.1μmのAuめっき層に代えて、厚さ15μmのCuめっき層およびその上の厚さ0.1μmのSnめっき層を形成した以外は実施例1と同様にして、絶縁膜の形成からバンプ部の形成までの工程を行った。その結果、絶縁膜からの高さが102μmであって高さのばらつきが4μmのバンプ部によるバンプ電極を有する配線基板を得ることができた。
無電解めっき法による導電連絡部の形成において、厚さ15μmのNiめっき層およびその上の厚さ0.1μmのAuめっき層に代えて、厚さ15μmのCuめっき層およびその上の厚さ0.1μmのSnめっき層を形成した以外は実施例3と同様にして、絶縁膜の形成からバンプ部の形成までの工程を行った。その結果、絶縁膜からの高さが112μmであって高さのばらつきが2μmのバンプ部によるバンプ電極を有する配線基板を得ることができた。
Al電極パッドを有する半導体チップ(電極径90μm、電極ピッチ220μm、電極数3000個)の表面に対して、電極パッドを覆うように、スクリーン印刷法により、感光性を有する絶縁膜としてのエポキシアクリレート樹脂膜を形成した。膜厚は10μmとした。次に、当該絶縁膜に対し、露光処理およびそれに続く現像処理を施して、各電極パッドが露出するように直径70μmの複数の開口部を形成した。現像処理には、現像液として1%のTMAH水溶液を使用した。次に、無電解めっき法により、開口部の電極パッド上に厚さ3μmのNiめっき層を形成した。次に、無電解めっき法により、当該Niめっき層の上に厚さ0.1μmのAuめっき層を形成した。これにより、電極パッド上にNiめっき層およびAuめっき層からなる導電連絡部が形成された。
次に、絶縁膜上に、当該絶縁膜の開口部を覆うように、感光性を有するアクリレート樹脂膜を積層形成した。膜厚は150μmとした。次に、当該樹脂膜に対し、露光処理およびそれに続く現像処理を施して、各導電連絡部が露出するように直径200μmの複数の開口部を形成した。現像処理には、現像液として1.0%Na2CO3水溶液を使用した。次に、樹脂膜の開口部にて露出する電極パッドに対して、フラックスを塗布した。次に、フラックスが塗布された各電極パッド上に直径180μmのハンダボール(Sn―3.5%Agハンダ)を載置した。次に、最高温度240℃の加熱処理を経ることによって、各開口部においてハンダボールからバンプ部を形成した。次に、アルカリ剥離液としての5%のモノエタノールアミン水溶液を用いて、アクリレート樹脂膜を除去した。以上の工程を経た結果、絶縁膜からの高さが172μmであって高さのばらつきが4μmのバンプ部によるバンプ電極を有する半導体チップを得ることができた。
バンプ部の形成において、直径180μmのハンダボール(Sn―3.5%Agハンダ)に代えて直径160μmのハンダボール(Sn―3.5%Agハンダ)を樹脂膜の開口部における電極パッド上に載置した以外は実施例7と同様にして、絶縁膜の形成からバンプ部の形成までの工程を行った。その結果、絶縁膜からの高さが151μmであって高さのばらつきが2μmのバンプ部によるバンプ電極を有する半導体チップを得ることができた。
比較例1
Cu電極パッドを有する配線基板(電極径110μm、電極ピッチ220μm、電極数3000個)の表面に対して、電極パッドを覆うように、スクリーン印刷法により、感光性を有する絶縁膜としてのエポキシアクリレート樹脂膜を形成した。膜厚は30μmとした。次に、当該絶縁膜に対し、露光処理およびそれに続く現像処理を施して、各電極パッドが露出するように直径90μmの複数の開口部を形成した。次に、絶縁膜上に、当該絶縁膜の開口部を覆うように、感光性を有するアクリレート樹脂膜を積層形成した。膜厚は50μmとした。次に、当該樹脂膜に対し、露光処理およびそれに続く現像処理を施して、各導電連絡部が露出するように直径200μmの複数の開口部を形成した。現像処理には、現像液として1.0%Na2CO3水溶液を使用した。次に、この開口部に対して、粒径25μm以下のハンダ粉末(Sn―3.5%Agハンダ)を含むハンダペーストを、ウレタンゴムスキージの2回のスキージングにより充填した。次に、最高温度240℃の加熱処理を経ることによって、各開口部においてハンダペーストからバンプ部を形成した。次に、アルカリ剥離液としての5%のモノエタノールアミン水溶液を用いて、アクリレート樹脂膜を除去した。以上の工程を経た結果、樹脂膜の開口部を充填せずに球状化したバンプ部が複数形成されて複数箇所にてオープン不良が生じ、良好なバンプ電極付き配線基板を得ることができなかった。
比較例2
Cu電極パッドを有する半導体チップ(電極径90μm、電極ピッチ220μm、電極数3000個)の表面に対して、電極パッドを覆うように、スクリーン印刷法により、感光性を有する絶縁膜としてのエポキシアクリレート樹脂膜を形成した。膜厚は10μmとした。次に、当該絶縁膜に対し、露光処理およびそれに続く現像処理を施して、各電極パッドが露出するように直径70μmの複数の開口部を形成した。次に、絶縁膜上に、当該絶縁膜の開口部を覆うように、感光性を有するアクリレート樹脂膜を積層形成した。膜厚は50μmとした。次に、当該樹脂膜に対し、露光処理およびそれに続く現像処理を施して、各導電連絡部が露出するように直径200μmの複数の開口部を形成した。現像処理には、現像液として1.0%Na2CO3水溶液を使用した。次に、この開口部に対して、粒径25μm以下のハンダ粉末(Sn―3.5%Agハンダ)を含むハンダペーストを、ウレタンゴムスキージの2回のスキージングにより充填した。次に、最高温度240℃の加熱処理を経ることによって、各開口部においてハンダペーストからバンプ部を形成した。次に、アルカリ剥離液としての5%のモノエタノールアミン水溶液を用いて、アクリレート樹脂膜を除去した。以上の工程を経た結果、樹脂膜の開口部を充填せずに球状化したバンプ部が複数形成されて複数箇所にてオープン不良が生じ、良好なバンプ電極付き半導体チップを得ることができなかった。
本発明の第1の実施形態に係るバンプ電極付き電子部品の部分断面図である。 図1に示す電子部品に関する各条件の関係図である。 図1に示すバンプ電極付き電子部品の製造方法における一部の工程を表す。 多層構造を有する導電連絡部を表す。 図3に続く工程を表す。 図3に続く別の工程を表す。 図3に続く別の工程を表す。 本発明の第2の実施形態に係るバンプ電極付き電子部品の部分断面図である。 図8に示すバンプ電極付き電子部品の製造方法における一部の工程を表す。 図9に続く工程を表す。 図10に続く工程を表す。 従来のバンプ電極付き電子部品の製造方法の一部の工程を表す。 従来の電子部品の実装工程を表す。 従来のバンプ電極付き電子部品に生じていたオープン不良を表す。
符号の説明
X1,X2 電子部品
11,21 基材
12,22 電極パッド
13,23 絶縁膜
13a,23a 開口部
14,24 導電連絡部
24a 基底部
24b 引込突部
15,25 バンプ部
30,37,38 樹脂膜
30a,37a,38a 開口部
31 ハンダペースト
35 ハンダボール
36 溶融ハンダ

Claims (3)

  1. 電極パッドと、当該電極パッドに対応する開口部を有する絶縁膜とが設けられている基材における当該電極パッドの上に、前記開口部内において導電連絡部を形成する工程と、
    前記導電連絡部の上に、当該導電連絡部に直接接触して前記開口部から突出するようにバンプ部を形成する工程と、を含み、
    前記バンプ部を形成する工程は、
    前記絶縁膜の上に樹脂膜を積層形成する工程と、
    前記樹脂膜に対して、前記導電連絡部が露出するように開口部を形成する工程と、
    前記樹脂膜の開口部に溶融ハンダを供給する工程と、
    前記溶融ハンダを冷却してバンプ部を形成する工程と、
    前記樹脂膜を前記絶縁膜から剥離する工程と、を含む、バンプ電極付き電子部品の製造方法。
  2. 前記導電連絡部を形成する工程は、バンプ部形成位置方向へ突出する引込突部を形成する工程を含む、請求項1に記載のバンプ電極付き電子部品の製造方法。
  3. 前記基材からの前記導電連絡部の高さHと、前記バンプ部と同一の体積を有する真球の前記開口部に対する理論進入深さhと、前記絶縁膜の膜厚LとがH+h≧Lの関係を満たすように、前記導電連絡部および前記バンプ部は形成される、請求項1または2に記載のバンプ電極付き電子部品の製造方法。
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