JP2006098148A - 指針式計器 - Google Patents

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Abstract

【課題】押圧移動手段(付勢手段)84によって支持部材8bに付勢機能を持たせる場合であっても、移動部材2や支持部材8bにかかる負荷を軽減しながら、各ギヤ21,54どうしの適正な連結状態を確保できる指針式計器を提供する。
【解決手段】指針3と、この指針3に対応する指標部12を有する指標板1と、指針3を支持すると共に周囲に第1のギヤ列21を有する移動部材2と、第1のギヤ列21に噛み合う第2のギヤ列54を有する回転部材52と、この回転部材52を駆動軸51を通じて回転させることにより指針3を指標部12に沿って回動させる駆動装置5とを備えており、回転部材52移動部材2の自重Gによって第1,第2のギヤ列21,54どうしの噛み合い深さが深くなる方向Dに力が働く位置に設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば自動車を代表とする車両に搭載される指針式計器に関し、特に移動部材を通じて指針を移動させることにより、指針の移動範囲の内側を他の情報を表示可能な表示エリアとして活用できる、いわゆるセンターレスタイプの指針式計器に関するものである。
従来、この種の指針式計器として、例えば下記特許文献1に記載のものが知られている。この指針式計器は、リング状移動部材に指針を設け、この移動リングをピニオン(回転部材)で回転駆動するもので、リング状移動部材とピニオンのそれぞれにギヤ列が形成され、これらギヤ列を介してリング状移動部材とピニオンとを連結し、ピニオンが回転するとリング状移動部材が回転移動して指針による計測値の指示を可能にするものである。
特開2000−131099号公報
ところで、前記特許文献1記載の指針式計器には、リング状移動部材の円周方向に複数個(3個)の支持部材を分配し、これら複数の支持部材を通じてリング状移動部材を支持するようにしているが、複数の支持部材でリング状移動部材を支持するに過ぎない構成であるため、熱影響による膨張や収縮等に伴ってリング状移動部材が変形すると、リング状移動部材とピニオンとの適正な噛み合い状態を維持するのが難しい場合がある。またこの点に対処する手段として、例えば複数の支持部材の一つ(ピニオンと直径方向に対向する位置に配置される支持部材)またはこれら支持部材とは異なる専用部材にリング状移動部材をピニオン側に付勢する機能を持たせて、リング状移動部材の変形に追従させることも考えられるが、リング状移動部材や支持部材にかかる負荷が増加するという問題がある。
そこで本発明は、支持部材に付勢機能を持たせたり、専用の付勢部材を設けることなく、適正な連結状態を確保することが可能な指針式計器、または支持部材に付勢機能を持たせたり、専用の付勢部材を採用する場合でも、リング状移動部材や支持部材にかかる負荷を軽減しながら、適正な連結状態を確保することが可能な指針式計器の提供を主な目的とするものである。
本発明は、前記目的を達成するため、指針と、この指針に対応する指標部を有する指標板と、前記指針を支持すると共に周囲に第1のギヤ列を有する移動部材と、前記第1のギヤ列に噛み合う第2のギヤ列を有する回転部材と、この回転部材を駆動軸を通じて回転させることにより前記指針を前記指標部に沿って回動させる駆動装置とを備え、前記回転部材を前記移動部材の自重によって前記第1,第2のギヤ列どうしの噛み合い深さが深くなる方向に力が働く位置に設けたことを特徴とする。
また本発明は、前記移動部材が円形もしくは円環形であり、その直径方向に延びる仮想線上に前記回転部材を配置したことを特徴とする。
また本発明は、前記移動部材が内周部に第1のギヤ列を有する円環形であって、前記回転部材が前記移動部材の内周部に配置されていることを特徴とする。
また本発明は、前記第2のギヤ列に対する前記第1のギヤ列の噛み合い深さが深くなる方向に前記移動部材を前記回転部材側に付勢する押圧する付勢手段を有することを特徴とする。
また本発明は、前記回転部材または前記回転部材を回転させる前記駆動装置の回転軸に第1のギヤ列と前記第2のギヤ列との噛み合い深さを規制する規制手段を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、初期の目的を達成でき、支持部材に付勢機能を持たせたり、付勢用の専用部材を設けることなく、安定的な連結状態を確保できる指針式計器、または支持部材に押圧機能を持たせたり、専用の押圧部材を採用する場合でも、移動部材や支持部材にかかる負荷を軽減しながら、安定的な連結状態を確保できる指針式計器を提供することができる。
以下、図面に基づいて本発明による指針式計器の実施形態について説明する。図1〜図7は、本発明の一実施形態を示すもので、図1は本実施形態による指針式計器の正面図、図2は図1中、指標板を取り外した際の正面図、図3は図2中、移動部材と支持部材を除いた際の正面図、図4は支持部材の背面図、図5は図2のA−A断面図、図6は図2のB−B断面図、図7は図2のC−C断面図である。なお図5〜図7のうち、図7のみ本実施形態による指針式計器を車両に取り付けた状態の断面図である。
本実施形態による指針式計器は、図1及び図2に示すように、指標板1と、この指標板1の背後に配置される移動部材2と、この移動部材2に装着される指針3と、移動部材3の背後に配置されて移動部材2を直接及び間接的に支持するベース部材4と、移動部材2を回転移動させる駆動装置5と、観察者に所定情報を表示する表示装置6と、この表示装置6の背後に配置される回路基板7とを備えている。
指標板1は、略中央領域に貫通孔からなる透視部11を有し、この透視部11の外周には、指針3の移動経路に沿って円弧状に配列された文字や目盛等の指標部12を備えている。これら指標部12は、指標板1を構成する合成樹脂板からなる基材上にスクリーン印刷等の手段により形成されている。
移動部材2は、閉じられたリング形状(円環形)に形成された合成樹脂体からなり、その内周には駆動装置5を通じて駆動される後述する回転部材に噛み合うギヤ列(第1のギヤ列)21と、駆動装置5の後述する規制手段及び支持部材と接触する接触部22がそれぞれ形成されており、本例の場合、ギヤ列21は接触部22よりも背後側で内側に突出するように設けられている。なお移動部材2は必ずしも閉じられたリング形状でなくともよく、例えば「C」字状や直線状等、形状は任意である。
指針3は、線状の合成樹脂体からなり、その先端が中心側を向くように移動部材2に装着固定され、移動部材2と共に回動して指標部11を指示する。なお指針3と指標部11は、光透過性を有し、図示しない光源からの光を受けて発光するものである。
ベース部材4は、金属と合成樹脂との複合体からなり、図示しないスペーサ等を通じて回路基板7上に設置されている。このベース部材4は、金属製円板からなる母材部(金属部)41と、この母材部42の一部(複数箇所)を部分的に被覆するようにアウトサート成形(母材部41となる金属材を金型内にセットした後、金属材の必要箇所に樹脂を射出成形し、合成樹脂部を形成する)により形成された合成樹脂部42とを備える。
母材部41は、図3,図4にも示すように、指標板1の透視部11及び表示装置6に対応する貫通部43と、移動部材2と駆動部材5との連結を可能にするために駆動装置5を露出させる露出部44とを有すると共に、外周部が略90度背後側に折り曲げられることにより補強部45が形成されている。なお孔状の貫通部43及び露出部44と折曲部状の補強部45は、プレス成形により形成されている。
合成樹脂部42は、移動部材2を接触支持する支持箇所及び当該支持箇所を支承する支承箇所となるもので、移動部材2と直接接触し、これを支持する支持部42aを形成すると共に、移動部材2と直接接触してこれを支持するための支持部材8a,8bを支承する支承部42bと、支持部42aや支承部42bを繋ぐ連結部42c(図4参照)と形成している。
すなわち支持部42aは、図5に詳しく示すように、移動部材2の底面に点接触するスラスト方向支持部を構成する。
また支承部42bは、図5に詳しく示すように、柔軟性合成ゴムまたは合成樹脂からなり、移動部材2の接触部22に接触して移動部材2のラジアル方向支持部を構成するガイドローラ81と、このガイドローラ81を回転可能に軸支する例えば金属製の軸部82とで構成される支持部材8aのうち、軸部82を直接固定支持し、ガイドローラ81を間接的に支持することにより、支持部材8aを支承する。
さらに支承部42bは、図6に詳しく示すように、ガイドローラ81と同一部品である他のガイドローラ83と、このガイドローラ83を常時、図2中、下側に押圧することにより、移動部材2の第1のギヤ列21と後述する回転部のギヤ列どうしの噛み合い深さが深くなる方向に付勢する押圧移動手段(付勢手段)84とで構成される支持部材8bのうち、押圧移動手段84の一部を直接支持固定し、ガイドローラ83を間接的に支持することにより、支持部材8bを支承する。
この場合、押圧移動手段84は、支承部42bに直接圧入固定される金属製の軸部85と、この軸部85に固定された例えば合成樹脂からなるアーム部86と、このアーム部86に固定された金属製の軸部87と、アーム部86に支持されるガイドローラ83を常時、移動部材2の外側に付勢するコイルスプリングからなる付勢部材88とで構成されている。
また連結部42c(図4参照)は、アウトサート成形により支持部42aや支承部42bを形成する際に合成樹脂の通り道となる(なった)箇所であり、このように連結部42cを設定することにより、金型に形成するゲートの数を削減でき、金型自体の構成を簡素化できると共に、成形作業の容易化も達成できるものである。
駆動装置5は、例えばステッピングモータからなり、図2、図7に示すように、移動部材2の直径方向に延びる仮想線XL上であって、移動部材2の円周方向「12時」の角度箇所に位置して回路基板7上に接続固定されている。駆動装置5の駆動軸51は、前方に延びており、回転部材52と、規制手段53とが設けられている。なお駆動装置5は、その駆動軸51が仮想線XL上に位置しており、これにより回転部材52及び規制手段53の中心も仮想線XL上に位置し、この結果、回転部材52及び規制手段53も仮想線XL上に位置するようになっている。
回転部材52は、その外周に移動部材2のギヤ列21に噛み合うギヤ列(第2のギヤ列)54を有する合成樹脂体からなり、駆動軸51と共に回転するよう固定されている。
規制手段53は、回転部材52よりも大きな外径を有する合成樹脂体からなり、回転部材52の前方に配置されて、移動部材2の接触部22に接触して回転し、移動部材2の自重や押圧移動手段84によって、各ギヤ列21,54どうしの噛み合い深さが深くなる方向に力が働いても移動部材2の接触部22に接触することで、各ギヤ列21,54の噛み合い深さが深くなり過ぎ、駆動装置5に過大な負荷がかかったり、各ギヤ列21,54がロックすることを防止することができる。
なお本例では、回転部材52と、規制手段53とを別部品としたが、一体部品としてもよい。
表示装置6は、例えば液晶表示装置からなり、指標板1の透視部11に臨むように、回路基板7上に搭載されており、例えば走行距離データや外気温データからなる計測情報やナビゲーション情報等を表示する。
このように構成された本実施形態の指針式計器は、駆動装置5の駆動軸51が計測量に応じて回転するよう設定されており、駆動軸51の回転によって回転部材52が回転すると、回転部材52のギヤ列54に噛み合うギヤ列21を有する移動部材2が回転移動し、移動部材2に設けた指針3が、表示装置6が臨む透視部11の外周で指標部12を指示する。
ここで移動部材2と回転部材52との連結位置に着目すると、本実施形態では、移動部材2の自重Gを回転部材52が受ける構成となすことにより、移動部材2の自重Gを第1,第2のギヤ列21,54どうしの連結に活用し、第1,第2のギヤ列21,54どうしの連結が移動部材2の変形に追従できるようにしている。
すなわち、図7に示すように、回転部材52の移動部材2に対する配置位置を、移動部材2自体の自重Gによって第1,第2のギヤ列21,54どうしの噛み合い深さが深くなる方向Dに力が働く位置に設定し、例えば熱影響による膨張や収縮により移動部材2が変形しても第1,第2のギヤ列21,54どうしの噛み合い連結状態を安定的に保つことができるようにしている。なお図7において、自重Gの方向は重力方向に一致し、また方向Dは指針式計器を車両に取り付けた際の自重G方向に対する傾き方向と一致し、本例の場合、自重方向Gに対する方向Dの傾きである角度θは例えば20度に設定されている。
以上のように、本実施形態による指針式計器は、指針3と、この指針3に対応する指標部12を有する指標板1と、指針3を支持すると共に周囲に第1のギヤ列21を有する移動部材2と、第1のギヤ列21に噛み合う第2のギヤ列54を有する回転部材52と、この回転部材52を駆動軸51を通じて回転させることにより指針3を指標部12に沿って回動させる駆動装置5とを備えており、回転部材52移動部材2の自重方向Gによって第1,第2のギヤ列21,54どうしの噛み合い深さが深くなる方向Dに力が働く位置に設けたことにより、押圧移動手段(付勢手段)84によって支持部材8bに付勢機能を持たせる場合であっても、移動部材2や支持部材8bにかかる負荷を軽減しながら、移動部材2の熱膨張や収縮に追従でき、これにより各ギヤ21,54どうしの適正な連結状態を確保し、信頼性を向上させることができる。
すなわち、移動部材2の自重Gによって、第1,第2のギヤ列21,54どうしの噛み合い深さが深くなる方向Dに力が働くため、そのぶん、押圧移動手段(付勢手段)84の付勢力を弱く設定でき、これにより支持部材8bに付勢機能を持たせる場合であっても、支持部材8bにかかる負荷や支持部材8bを通じて移動部材2にかかる負荷を軽減しながら、各ギヤ21,54どうしの適正な連結状態を確保することができる。
なお本実施形態では、支持部材8bに付勢機能を持たせたが、支持部材8bに付勢機能を持たせるか否かは、種々の設計条件を考慮して任意であり、敢えて付勢機能を持たせなくとも各ギヤ21,54どうしの適正な連結状態を確保できるのであれば、廃止してもよい。
また本実施形態では、前記移動部材2が円形もしくは円環形であり、その直径方向に延びる仮想線XL上に回転部材52を配置したことにより、移動部材2の自重Gの方向と、噛み合い深さが深くなる方向Dとを図2に記載した平面視において一致させることができるため、移動部材2の自重Gを確実に、またより有効に、第1,第2のギヤ列21,54どうしの連結に活用することができる。
また本実施形態では、移動部材2が内周部に第1のギヤ列を有する円環形であって、回転部材52を移動部材2の内周部に配置したことにより、移動部材2の外周部に第1のギヤ列を形成し、回転部材を移動部材2の外側に配置する場合に比較して装置を小型化することができる。
図8は本発明の他の実施形態を示す正面図であり、本実施形態では、移動部材2の外周部に第1のギヤ列21を形成し、回転部材を移動部材2の外側に配置して第2のギヤ列54を第1のギヤ列21に連結したものである。
そして本実施形態でも前記実施形態と同様に、回転部材52を移動部材2の自重Gによって、第1,第2のギヤ列21,54どうしの噛み合い深さが深くなる方向Dに力が働く位置に設定しており、前記実施形態と同様の効果を期待できる。
なお、図8において、ガイドローラ83は、図示しない付勢部材によって移動部材2を回転部材52側に付勢しているが、付勢部材またはガイドローラ83自体を廃止してもよい。
本発明の一実施形態による指針式計器の正面図である。 図1中、指標板を取り外した際の正面図である。 図2中、移動部材と支持部を除いた際の正面図である。 支持部材の背面図である。 図2のA−A断面図である。 図2のB−B断面図である。 図2のC−C断面図で本実施形態による指針式計器を車両に取り付けた状態の断面図ある。 本発明の他の実施形態を示す正面図である。
符号の説明
1 指標板
2 移動部材
3 指針
4 ベース部材
5 駆動装置
6 表示装置
7 回路基板
8a 支持部材
8b 支持部材
11 透視部
12 指標部
21 ギヤ列(第1のギヤ列)
22 接触部
41 母材部
42 合成樹脂部
42a 支持部
42b 支承部
42c 連結部
43 貫通部
44 露出部
45 補強部
51 駆動軸
52 回転部材
53 規制手段
54 ギヤ列(第2のギヤ列)
81 ガイドローラ
82,85,87 軸部
83 ガイドローラ
84 押圧移動手段(付勢手段)
86 アーム部
88 付勢部材
D 方向
G 自重
θ 角度

Claims (5)

  1. 指針と、この指針に対応する指標部を有する指標板と、前記指針を支持すると共に周囲に第1のギヤ列を有する移動部材と、前記第1のギヤ列に噛み合う第2のギヤ列を有する回転部材と、この回転部材を駆動軸を通じて回転させることにより前記指針を前記指標部に沿って回動させる駆動装置とを備え、前記回転部材を前記移動部材の自重によって前記第1,第2のギヤ列どうしの噛み合い深さが深くなる方向に力が働く位置に設けたことを特徴とする指針式計器。
  2. 前記移動部材が円形もしくは円環形であり、その直径方向に延びる仮想線上に前記回転部材を配置したことを特徴とする請求項1記載の指針式計器。
  3. 前記移動部材が内周部に第1のギヤ列を有する円環形であって、前記回転部材が前記移動部材の内周部に配置されていることを特徴とする請求項2記載の指針式計器。
  4. 前記第2のギヤ列に対する前記第1のギヤ列の噛み合い深さが深くなる方向に前記移動部材を押圧する付勢手段を有することを特徴とする請求項2記載の指針式計器。
  5. 前記回転部材または前記回転部材を回転させる前記駆動装置の回転軸に第1のギヤ列と前記第2のギヤ列との噛み合い深さを規制する規制手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の指針式計器。
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