JP4874826B2 - 計器照明構造 - Google Patents

Description

本発明は、例えば自動車のインストルメントパネルに配置される計器類の照明用として、大径のメータから小径のメータに至るまで立体的に照明させるための計器照明構造に関する。

一般に、計器照明構造は知られている。
図１０は、従来の計器照明構造を適用された自動車用メータを示す断面図である。

図１０を参照すると、自動車用メータ１００において、文字板１０１上には、数字１０１ａ及び目盛１０１ｂが、透過層印刷により形成されるとともに、数字１０１ａ及び目盛１０１ｂ以外の部位１０１ｃが、遮光層印刷により形成される。文字板１０１上の数字１０１ａ及び目盛１０１ｂは、配線板１０２上に設けられた文字板照明用光源１０３により、文字板照明用導光板１０４を介して又はケース１０５反射で照明され、発光表示される。また、指針１０６は、配線板１０２上に設けられた指針照明用光源１０７により、指針照明用導光板１０８を介して裏側から照明され、発光表示される。

しかし、上述した自動車用メータ１００では、平板的な表示しか得られず、使用する視覚的なインパクトを与えるような立体的な表示を得ることができないという問題があった。

そこで、従来、十分に立体感を強調することができる計器照明構造として、特許文献１には、文字板及びこれを用いたメータ装置が記載されている。
図１１は、特許文献１で開示されているメータ装置を示す断面図である。

図１１を参照すると、メータ装置１１０において、文字板１１１上には、表示意匠１１２及び傾斜部１１３が設けられる。表示意匠１１２は、指針１１４により所定値を指示される。傾斜部１１３は、中央凸部１１５の周囲を最低部位として、表示意匠１１２に向けて徐々に開口するように傾斜されている。

中央凸部１１５は、文字板１１１の中央に中空に形成されており、軸孔を有する。中央凸部１１５の側面には、漏光部１１６が、帯状に形成される。漏光部１１６は、光源１１７の光を、中央凸部１１５内から傾斜部１１３に向けて出射させる。
特開２００６―７８１８３号公報（第５〜７頁、第３図）

上述した図１１に示す従来のメータ装置１１０では、光源１１７から漏光部１１６に導光させるための導光部材１１８が必要であり、かつ、導光部材１１８の周囲に設けられた漏光部１１６が、乗員から直接視認されないための隠蔽部１１９が必要である。隠蔽部１１９の径は、漏光部１１６の径よりも大きくする必要があるため、燃料計等の小径の表示部には、適用が困難であるという問題があった。また、隠蔽部１１９を設けることで、指針１１４の周囲に警告灯等のインジケータを設けることができず、メータ周りのデザイン上の制約が大きいという問題もあった。

本発明は、視覚的に十分なインパクトを与えることができる立体的な表示を、コンパクトかつ低コストに実現させることができ、小径の計器類にも好適に用いることができる計器照明構造を提供することを目的としている。

本発明の上記目的は、下記構成により達成される。

（１） 計測量に応じて回転駆動される指針と、
指針により指し示される指標部を有する文字板と、
文字板の裏面に設けられた文字板用導光部材を介して、文字板を照明する文字板照明用光源と、
指針の回転軸周囲に設けられ、インジケータを有する表示板とを備え、
前記文字板における指標部より内周側には、傾斜面が、計器の表面側から見て表示板の周囲に、計器の表面側から奥側に向けて傾斜するように形成されるとともに、漏光部が、傾斜面の内周側に形成され、更に表示板の裏面側における傾斜面と対向する位置には、反射面が形成されており、
前記指針は、前記表示板及び前記反射面よりも視認者側に配置され、
前記漏光部は、表示板の裏側に隠れて計器の表面側から視認できない位置に配置され、文字板照明用光源からの光を文字板の表面側に透過させるとともに、当該透過光を前記表示板の前記反射面で反射させた光により、傾斜面の表面側を照明することを特徴とする計器照明構造。

（２） 前記表示板は、表示板の裏面に設けられた表示板用導光部材を介して、表示板照明用光源により照明されることを特徴とする前記（１）記載の計器照明構造。

（３） 前記漏光部が、透過印刷層からなることを特徴とする前記（１）又は（２）記載の計器照明構造。

前記（１）記載の計器照明構造では、文字板の指標部が、文字板用導光部材を介して文字板照明用光源により照明される。この際、文字板の傾斜部が、表示板の裏側に隠れて計器の表面側から視認できない位置に配置された漏光部を介して文字板の表面側に透過されるとともに、反射面で反射された文字板照明用光源からの光を受け、表面側を照明される。

前記（２）記載の計器照明構造では、文字板の指標部が、文字板用導光部材を介して文字板照明用光源により照明されるとともに、表示板が、表示板用導光部材を介して表示板照明用光源により照明される。

この際、文字板の傾斜部は、表示板の裏側に隠れて計器の表面側から視認できない位置に配置された漏光部を介して、文字板照明用光源からの透過光を受け、又は漏光部を介して透過されるとともに、反射面で反射された光を受け、表面側を照明される。これにより、表示板の周囲が、指針の回転中心を距離を置いて囲むように、リング状の照明で浮き上がる。

前記（３）記載の計器照明構造では、文字板の指標部が、文字板用導光部材を介して文字板照明用光源により照明される。この際、透過印刷層からなる漏光部は、文字板照明用光源からの光を文字板の表面側に透過させ、傾斜面の表面側を照明させる。
ここで、透過印刷層は、透明であってもよく、又はクリア印刷等の拡散処理を施したものであってもよい。

本発明の計器照明構造によれば、視覚的に十分なインパクトを与えることができる立体的な表示を、コンパクトかつ低コストに実現させることができ、小径の計器類にも好適に用いることができる。

本発明により得られる計器照明構造は、例えば自動車のインストルメントパネルに配置される計器類の照明用として、大径のメータから小径のメータに至るまで、視覚的にインパクトある立体的な照明を要求される場合に好適に用いられる。

以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明するが、実施形態の説明に先立ち、本発明の参考例を説明する。
図１は、本発明の第１参考例である計器照明構造を適用された自動車用メータを示す断面図である。

図１を参照すると、自動車用メータ１０において、指針１１は、文字板１２上に配置されており、文字板１２は、表示板１３、配線板１４、見返し１５及び裏カバー１６とともにケース１７に組み付けられる。

指針１１は、回転軸１１ａを内機１８を介して駆動ユニット（図示しない）で回転駆動されることにより、計測量に応じて所定の位置まで回転され、文字板１２の指標部２２を指し示す。駆動ユニットは、配線板１４上のＣＰＵ等の電子部品１９により制御され、指針１１の回転軸１１ａを計測量に応じて回転させる。指針１１は、裏面に設けられた指針用導光部材２０を介して、指針照明用光源２１により照明される。

文字板１２は、指針１１で指し示されることにより、計測量を表示する文字２２ａ及び目盛２２ｂを備えた指標部２２を有する。文字板１２における指標部２２より内周側には、傾斜面２３が、自動車用メータ１０の表面側から見て表示板１３の周囲に、自動車用メータ１０の表面側から奥側に向けて傾斜するように形成される。傾斜面２３の表面側には、遮光層２３ａが設けられる。

文字板１２は、裏面に設けられた文字板用導光部材２４を介して、指標部２２を文字板照明用光源２５により照明される。この際、文字板１２の傾斜面２３は、表面側の遮光層２３ａにより、文字板用導光部材２４からの光を遮られる。

また、文字板１２における傾斜面２３の内周側には、漏光部２６が、傾斜面２３と連続して形成される。漏光部２６は、透過印刷層からなる。漏光部２６は、表示板１３の裏側に隠れて自動車用メータ１０の表面側から視認できない位置に配置され、文字板照明用光源２５からの光を文字板１２の表面側に透過させ、当該透過光で傾斜面２３の表面側を照明する。

なお、漏光部２６を構成する透過印刷層は、透明であってもよく、又はクリア印刷等の拡散処理を施したものであってもよい。

表示板１３は、指針１１の回転軸１１ａ周囲に、文字板１２の指標部２２と略平行に設けられる。表示板１３は、裏面に設けられた表示板用導光部材２７を介して、表示板照明用光源２８により照明される。

配線板１４には、内周側から順に、指針照明用光源２１、表示板照明用光源２８及び文字板照明用光源２５がそれぞれ設けられる。

本参考例の作用を説明する。
このような自動車用メータ１０では、指針１１が、指針用導光部材２０を介して指針照明用光源２１により照明されるとともに、文字板１２の指標部２２が、文字板用導光部材２４を介して文字板照明用光源２５により照明され、更に表示板１３が、表示板用導光部材２７を介して表示板照明用光源２８により照明される。

この際、文字板１２の傾斜面２３は、表示板１３の裏側に隠れて自動車用メータ１０の表面側から視認できない位置に配置された漏光部２６を介して、文字板照明用光源２５からの透過光を受け、表面側を照明される。これにより、表示板１３の周囲が、指針１１の回転中心を距離を置いて囲むように、リング状の照明で浮き上がる。

図２は、本発明の第２参考例である計器照明構造を適用された自動車用メータを示す断面図である。

図２を参照すると、自動車用メータ３０において、指針３１の回転軸３１ａ周囲には、文字板３２を固定する文字板押さえ部材３３が設けられる。文字板押さえ部材３３の裏面側における傾斜面３４と対向する位置には、反射面３５が形成される。表示板１３（図１参照）は設けられない。また、文字板３２の傾斜面３４は、自動車用メータ３０の表面側から見て文字板押さえ部材３３の周囲に、自動車用メータ３０の表面側から奥側に向けて傾斜するように形成される。

更に、漏光部３６は、文字板押さえ部材３３の裏側に隠れて自動車用メータ３０の表面側から視認できない位置に配置される。漏光部３６は、文字板照明用光源３７からの光を文字板３２の表面側に透過させるとともに、当該透過光を反射面３５に反射させることにより、傾斜面３４の表面側を照明する。

本第２参考例の作用を説明する。
このような自動車用メータ３０では、文字板３２の傾斜面３４が、文字板押さえ部材３３の裏側に隠れて自動車用メータ３０の表面側から視認できない位置に配置された漏光部３６を介して文字板３２の表面側に透過されるとともに、文字板押さえ部材３３の反射面３５で反射された文字板照明用光源３７からの光を受け、表面側を照明される。これにより、指針３１の指針キャップ３１ａの周囲が、リング状の照明で浮き上がる。
その他の構成及び作用については、上記第１参考例と同様である。

図３は、本発明の実施形態である計器照明構造を適用された自動車用メータを示す正面図であり、図４は、図３の自動車用メータの点灯状態を示す正面図である。また、図５は、図３の自動車用メータの主メータを示す断面図であり、図６は、図５の主メータの要部断面図、図７は、図３の自動車用メータの副メータを示す断面図、図８は、図７の副メータの要部断面図である。図９は、図３の自動車用メータの大径メータの文字板用導光部材を示す一部切り欠いた斜視図である。

図３〜図９を参照すると、自動車用メータ４０は、大径メータ（速度計）５０及び小径メータ（燃料系）７０を有する。

大径メータ５０において、指針５１は、指針用導光部材５２を介して指針照明用光源５３により照明される。また、文字板５４の指標部５５は、光量均一化構造５６ａ（図９参照）を有する文字板用導光部材５６を介して、文字板照明用光源５７により照明される。更に、表示板５８の裏面側には、内ケース５９により形成されたインジケータ６０が設けられる。

文字板５４における指標部５５より内周側には、傾斜面６１が、自動車用メータ４０の表面側から見て表示板５８の周囲に、自動車用メータ４０の表面側から奥側に向けて傾斜するように形成される。また、傾斜面６１の内周側には、漏光部６２が形成される。更に、表示板５８の裏面側の内ケース５９における傾斜面６１と対向する位置には、反射面６３が形成される。

漏光部６２は、表示板５８の裏側に隠れて自動車用メータ４０の表面側から視認できない位置に配置され、文字板照明用光源５７からの光を文字板５４の表面側に透過させるとともに、当該透過光を内ケース５９の反射面６３に反射させることにより、傾斜面６１の表面側を照明する（図６中、矢印で示す光路参照）。

小径メータ７０において、指針７１は、指針・文字板兼用導光部材７２を介して指針・文字板照明用兼用光源７３により照明される。指針７１の回転軸７１ａ周囲には、文字板７４を固定する文字板押さえ部材７５が設けられる。また、文字板７４の傾斜面７６は、自動車用メータ４０の表面側から見て文字板押さえ部材７５の周囲に、自動車用メータ４０の表面側から奥側に向けて傾斜するように形成される。文字板押さえ部材７５の裏面側における傾斜面７６と対向する位置には、反射面７７が形成される。

更に、漏光部７８は、文字板押さえ部材７５の裏側に隠れて自動車用メータ４０の表面側から視認できない位置に配置される。漏光部７８は、指針・文字板照明用兼用光源７３から指針・文字板兼用導光部材７２を介して伝達される光を、文字板７４の表面側に透過させるとともに、当該透過光を文字板押さえ部材７５の反射面７７に反射させることにより、傾斜面７６の表面側を照明する（図８中、矢印で示す光路参照）。

以上のように上記第１参考例の自動車用メータ１０によれば、文字板１２の傾斜面２３が、表示板１３の裏側に隠れて自動車用メータ１０の表面側から視認できない位置に配置された漏光部２６を介して、文字板照明用光源２５からの透過光を受け、表面側を照明される。

また、上記第２参考例の自動車用メータ３０によれば、文字板３２の傾斜面３４が、文字板押さえ部材３３の裏側に隠れて自動車用メータ３０の表面側から視認できない位置に配置された漏光部３６を介して文字板３２の表面側に透過されるとともに、文字板押さえ部材３３の反射面３５で反射された文字板照明用光源３７からの光を受け、表面側を照明される。

更に、上記実施形態の自動車用メータ４０の大径メータ５０によれば、文字板５４の傾斜面６１が、表示板５８の裏側に隠れて自動車用メータ４０の表面側から視認できない位置に配置された漏光部６２を介して文字板５４の表面側に透過されるとともに、内ケース５９の反射面６３で反射された文字板照明用光源５７からの光を受け、表面側を照明される。

また、小径メータ７０によれば、文字板７４の傾斜面７６が、文字板押さえ部材７５の裏側に隠れて自動車用メータ４０の表面側から視認できない位置に配置された漏光部７８を介して文字板７４の表面側に透過されるとともに、文字板押さえ部材７５の反射面７７に反射された指針・文字板照明用兼用光源７３からの光を受け、表面側を照明される。

したがって、視覚的に十分なインパクトを与えることができる立体的な表示を、コンパクトかつ低コストに実現させることができ、小径の計器類にも容易に適用させることができる。

すなわち、視覚的に十分なインパクトを与えることができるような立体的な表示を行うことができるものでありながら、コンパクト化を図ることができるとともに、新たに光源を追加する必要がなく、部品点数及び組付工数の削減を図ることができ、コストを低減させることができる。また、図１１に示す従来のメータ装置１１０のような隠蔽部１１９を必要とせず、燃料計等の小径の計器類にも好適に用いることができる。更に、指針の周囲に警告等のインジケータ６０（実施形態の大径メータ５０参照）を設けることができ、メータ周りのデザインの自由度を向上させることができる。

本発明の第１参考例である計器照明構造を適用された自動車用メータを示す断面図である。 本発明の第２参考例である計器照明構造を適用された自動車用メータを示す断面図である。 本発明の実施形態である計器照明構造を適用された自動車用メータを示す正面図である。 図３の自動車用メータの点灯状態を示す正面図である。 図３の自動車用メータの主メータを示す断面図である。 図５の主メータの要部断面図である。 図３の自動車用メータの副メータを示す断面図である。 図７の副メータの要部断面図である。 図３の自動車用メータの大径メータの文字板用導光部材を示す一部切り欠いた斜視図である。 従来の計器照明構造を適用された自動車用メータを示す断面図である。 特許文献１で開示されているメータ装置を示す断面図である。

符号の説明

１０ 自動車用メータ
１１ 指針
１１ａ 回転軸
１２ 文字板
１３ 表示板
１４ 配線板
１８ 内機
２０ 指針用導光部材
２１ 指針照明用光源
２２ 指標部
２２ａ 文字
２２ｂ 目盛
２３ 傾斜面
２４ 文字板用導光部材
２５ 文字板照明用光源
２６ 漏光部
２７ 表示板用導光部材
２８ 表示板照明用光源

Claims (3)

1. 計測量に応じて回転駆動される指針と、
   指針により指し示される指標部を有する文字板と、
   文字板の裏面に設けられた文字板用導光部材を介して、文字板を照明する文字板照明用光源と、
   指針の回転軸周囲に設けられ、インジケータを有する表示板とを備え、
   前記文字板における指標部より内周側には、傾斜面が、計器の表面側から見て表示板の周囲に、計器の表面側から奥側に向けて傾斜するように形成されるとともに、漏光部が、傾斜面の内周側に形成され、更に表示板の裏面側における傾斜面と対向する位置には、反射面が形成されており、
   前記指針は、前記表示板及び前記反射面よりも視認者側に配置され、
   前記漏光部は、表示板の裏側に隠れて計器の表面側から視認できない位置に配置され、文字板照明用光源からの光を文字板の表面側に透過させるとともに、当該透過光を前記表示板の前記反射面で反射させた光により、傾斜面の表面側を照明することを特徴とする計器照明構造。
2. 前記表示板は、表示板の裏面に設けられた表示板用導光部材を介して、表示板照明用光源により照明されることを特徴とする請求項１記載の計器照明構造。
3. 前記漏光部が、透過印刷層からなることを特徴とする請求項１又は２記載の計器照明構造。

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