JP2006098135A - バッテリの劣化度推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バッテリの開放電圧の変動の影響を考慮して内部抵抗測定の精度を向上し、バッテリの劣化度を正確に把握する。
【解決手段】内部抵抗演算部3bにおいて、充放電中のバッテリ2の電流I,端子電圧V,温度Tのデータから直線回帰により内部抵抗を算出し、予め記憶してある初期値に対する内部抵抗の増加率を求め、この内部抵抗増加率を統計処理してバッテリの劣化度を推定する。内部抵抗の測定に際しては、残存容量演算部3aで算出した残存容量SOC,SOCv間の偏差とヒステリシス関数Qhとの少なくとも一方を用いてデータ取得のトリガーとし、電流−電圧データの直線性を損なうデータを排除することにより、精度を確保する。これにより、バッテリの開放電圧の変動の影響を考慮して内部抵抗測定の精度を向上し、バッテリの劣化度を正確に把握することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、バッテリの内部抵抗の増加率に基づいてバッテリの劣化度を推定するバッテリの劣化度推定装置に関する。
バッテリの劣化は、バッテリの内部抵抗の初期値からの増加率によって推定することができ、バッテリの内部抵抗は、端子電圧と電流との関係において算出することができる。電気自動車やハイブリッド自動車等への用途においては、バッテリが劣化すると、走行性能や燃費に及ぼす影響が大きいことから、内部抵抗の測定精度を高め、バッテリの劣化の程度を正確に把握することが求められている。
バッテリの内部抵抗を測定する技術としては、電流−電圧のデータを直線回帰によって求める技術が一般的である。このような技術は、例えば特許文献1に開示されており、サンプリングした電流−電圧データを回帰分析することにより、関係式の傾きからバッテリの内部抵抗値を求めることができ、関係式の切片からバッテリの開放電圧を求めることができる。
特開平8−336202号公報
しかしながら、電気自動車やハイブリッド自動車に搭載されるバッテリでは、走行中に充放電が繰返され、充放電直後に開放電圧が変動する。特許文献1に開示されているような従来の技術では、この開放電圧の変動を考慮しておらず、一義的に電流−電圧データをサンプリングしても、高精度に直線回帰が可能な程の直線性が得られず、内部抵抗値の精度が低下してバッテリの劣化度を正確に把握できない虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、バッテリの開放電圧の変動の影響を考慮して内部抵抗測定の精度を向上し、バッテリの劣化度を正確に把握することのできるバッテリの劣化度推定装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明によるバッテリの劣化度推定装置は、バッテリの充放電電流の積算値に基づく第1の残存容量と上記バッテリの開放電圧に基づく第2の残存容量とを重み付け合成して上記バッテリの最終的な残存容量を算出する残存容量算出手段と、上記バッテリの開放電圧の変動の程度を表す関数を、上記バッテリの温度と充放電電流とに基づいて表現されるヒステリシス関数として算出するヒステリシス関数算出手段と、上記残存容量算出手段で算出した最終的な残存容量と上記第2の残存容量との残存容量の偏差を算出する残存容量偏差算出手段と、上記ヒステリシス関数と上記残存容量の偏差との少なくとも一方を用いて、上記バッテリの電圧及び電流データを取得するタイミングを判定し、取得した電圧及び電流データから上記バッテリの内部抵抗値を算出する内部抵抗値算出手段と、上記内部抵抗値算出手段で算出した内部抵抗値を初期値と比較して上記バッテリの内部抵抗増加率を算出し、上記バッテリの劣化度を推定する指標とする内部抵抗増加率算出手段とを備えたことを特徴とする。
その際、内部抵抗値は、バッテリの残存容量と温度と電流とで区切られたメモリ配列に平均電圧とデータ数とを格納し、このメモリ配列中の平均電圧データと電流データとをデータ数で重み付けして残存容量及び温度毎に算出することが望ましい。
また、内部抵抗増加率は、バッテリの残存容量及び温度毎に算出された内部抵抗値の中から残存容量の上下両端でのデータを切り捨て、残りのデータを用いて算出することが望ましく、算出した内部抵抗増加率を基準温度相当の値に換算し、一定期間毎に移動平均し、移動平均した内部抵抗増加率が予め設定した閾値を越えたとき、バッテリの制御パラメータを更新することが望ましい。内部抵抗増加率を移動平均するときには、内部抵抗の測定精度に応じて設定されるウェイトにより重み付けすることが望ましい。
本発明のバッテリの劣化度推定装置は、バッテリの開放電圧の変動の影響を考慮して内部抵抗測定の精度を向上することができ、バッテリの劣化度を正確に把握することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1〜図19は本発明の実施の一形態に係わり、図1はハイブリッド車への適用例を示すシステム構成図、図2は残存容量及び内部抵抗演算機能を示すブロック図、図3はバッテリ残存容量の推定アルゴリズムを示すブロック図、図4は等価回路モデルを示す回路図、図5は開放電圧ヒステリシスの例を示す説明図、図6はヒステリシス関数の算出アルゴリズムを示すブロック図、図7(a),(b)はウェイトテーブル,ウェイト補正係数テーブルの一例をそれぞれ示す説明図、図8は直線回帰による内部抵抗測定を示す説明図、図9は開放電圧のバッテリ温度に対する依存性を示す説明図、図10は走行中の充放電時における各残存容量範囲の電流−電圧データを示す説明図、図11は内部抵抗増加率によるバッテリ制御パラメータ切換タイミングの誤判定を示す説明図、図12はヒステリシス関数によるデータ取得タイミングを示す説明図、図13は開放電圧ヒステリシス発現時の合成残存容量と開放電圧に基づく残存容量の挙動を示す説明図、図14は内部抵抗演算用データを格納するメモリ配列を示す説明図、図15は温度−残存容量毎の内部抵抗増加率と総データ数と決定係数とを格納するメモリ配列を示す説明図、図16は内部抵抗増加率の温度依存性及び基準温度への変換係数を示す説明図、図17は基準温度に換算した内部抵抗増加率と総データ数と決定係数と算出時間を時系列的に格納するメモリ配列を示す説明図、図18は内部抵抗値と温度とウェイト係数との関係を示す説明図、図19は内部抵抗算出処理のフローチャートである。
図1は、本発明をエンジンとモータとを併用して走行するハイブリッド車両(HEV)に適用した例を示し、同図において、符号1は、HEVの電源ユニットである。この電源ユニット1には、例えば複数のセルを封止した電池パックを複数個直列に接続して構成されるバッテリ2と、バッテリ2の残存容量の演算、劣化度の推定、バッテリ2の冷却や充電の制御、異常検出及び異常検出時の保護動作等のエネルギーマネージメントを行う演算ユニット(演算ECU)3とが1つの筐体内にパッケージされている。演算ECU3は、マイクロコンピュータ等から構成され、演算・処理途中のワークデータを記憶する一時メモリ4、長期的なデータを記録・保存する不揮発性メモリ5、バッテリ制御における各種演算定数を記録・保存する演算定数記録装置6等を外部或いは内部に有している。
演算ECU3は、以下に説明するように、本発明における残存容量算出手段、ヒステリシス関数算出手段、残存容量偏差算出手段、内部抵抗値算出手段、内部抵抗増加率算出手段、制御パラメータ更新手段としての機能を有するものであり、電流センサ7で測定したバッテリ2の充放電電流I、電圧センサ8で測定したバッテリ2の端子電圧V、温度センサ9で測定したバッテリ2の温度(セル温度)Tに基づいて、所定時間毎にバッテリの充電状態(State of charge;SOC)で示される残存容量SOCを演算し、また、一定期間毎にバッテリ2の内部抵抗を測定し、その測定結果に基づいてバッテリ2の劣化度を推定し、劣化度に応じてバッテリの制御パラメータを更新する。
演算ECU3からのバッテリ情報は、例えばCAN(Controller Area Network)通信等を介してHEV制御用電子制御ユニット(HEV制御用ECU)10に出力され、車両制御用の基本データ、バッテリ残量や警告用の表示用データ等として使用される。
HEV制御用ECU10は、同様にマイクロコンピュータ等から構成され、運転者からの指令に基づいて、HEVの運転、その他、必要な制御を行う。すなわち、HEV制御用ECU10は、電源ユニット1からの信号や図示しないセンサ・スイッチ類からの信号により、車両の状態を検出し、バッテリ2の直流電力を交流電力に変換してモータ15を駆動するインバータ20を初めとして、図示しないエンジンや自動変速機等を、専用の制御ユニットを介して或いは直接的に制御する。
演算ECU3における残存容量SOCの演算処理、バッテリ劣化度の推定処理は、図2に示すように、それぞれ、SOC演算部3a、内部抵抗演算部3bによって実行される。SOC演算部3aは、バッテリ2の電流I,端子電圧V,温度Tに基づいて、電流積算に基づく残存容量SOCcと、バッテリ開放電圧の推定値Vocに基づく残存容量SOCvとを算出し、これらの残存容量SOCc,SOCvを重み付け合成してバッテリ2の最終的な残存容量SOCを算出する。残存容量SOCc,SOCvを合成する際の重み付けは、バッテリ2の使用状況に応じて随時変化させるウェイトw(重み係数;w=0〜1)を設定し、更に、このウェイトwを、後述する開放電圧ヒステリシスの影響による残存容量SOCvの精度低下を補償するためのヒステリシス関数Qhに基づいて設定したウェイト補正係数KQwにより補正し、補正後のウェイト(1−w)・KQwを用いて重み付けを行う。
また、内部抵抗演算部3bは、充放電中のバッテリ2の電流I,端子電圧V,温度Tのデータから直線回帰により内部抵抗を算出し、予め記憶してある初期値に対する内部抵抗の増加率を求め、この内部抵抗増加率を統計処理してバッテリの劣化度を推定する。内部抵抗の測定に際しては、残存容量演算部3aで算出した残存容量SOC,SOCv間の偏差とヒステリシス関数Qhとの少なくとも一方を用いてデータ取得のトリガーとし、電流−電圧データの直線性を損なうデータを排除することにより、精度を確保するようにしている。
以下、バッテリの内部抵抗測定による劣化度の推定処理についての説明に先立ち、開放電圧ヒステリシスの影響に対処するためのヒステリシス関数Qhを含む残存容量SOCの演算について説明する。
SOC演算部3aにおける残存容量SOCの演算は、本形態においては、図3に示すSOC推定アルゴリズムに従って実行される。このSOC推定アルゴリズムは、入力パラメータとして、バッテリ2で測定可能なパラメータ、すなわち、端子電圧V、電流I、温度Tを用い、残存容量算出手段としての機能により、電流積算に基づく第1の残存容量としての残存容量SOCcと、バッテリ開放電圧の推定値Vocに基づく第2の残存容量としての残存容量SOCvとを並行して算出し、これらの残存容量SOCc,SOCvを重み付けして合成してバッテリ2の最終的な残存容量SOCとして算出する。
一般に、バッテリの残存容量を算出する技術としては、バッテリ電流の積算値に基づいて残存容量を求める技術と、バッテリの開放電圧に基づいて残存容量を求める技術とがあり、それぞれに一長一短がある。前者は、突入電流等の負荷変動に強く、安定した残存容量が得られる反面、電流誤差が累積し易い(特に、高負荷継続時には誤差が大きくなる)という欠点がある。また、後者は、電流が安定している領域では、正確な値を求めることができる反面、短時間で負荷が大きく変動した場合には、演算値が振動し易いという欠点がある。
従って、本SOC推定アルゴリズムでは、電流Iを積算して求めた残存容量SOCcとバッテリ開放電圧の推定値Vocから求めた残存容量SOCvとを重み付けして合成することにより、残存容量SOCc,SOCv双方の欠点を打消して互いの利点を最大限に引き出すようにしている。残存容量SOCc,SOCvの合成は、バッテリ2の使用状況に応じて随時変化させるウェイトw(重み係数;w=0〜1)を設定し、このウェイトwを、ヒステリシス関数Qhに基づいて設定したウェイト補正係数KQwにより補正して、この補正後のウェイト(1−w)・KQwを用いて行う。
具体的には、バッテリ開放電圧の推定値に基づく残存容量SOCvに対する重みとして補正後のウェイト(1−w)・KQwを直接用いると共に、電流積算に基づく残存容量SOCcに対する重みとして値[1−(1−w)・KQw]を用い、ぞれぞれを残存容量SOCc,SOCvに乗算器(X)を介して乗算した値を加算器(+)で合成することにより、以下の(1)式に示すように、最終的な残存容量SOCとして出力する。
SOC=[1−(1−w)・KQw]・SOCc+(1−w)・KQw・SOCv…(1)
バッテリ2の使用状況に応じたウェイトwは、現在のバッテリの使用状況を的確に表すことのできるパラメータを用いて決定する必要があり、そのパラメータとしては、単位時間当たりの電流の変化率や残存容量SOCc,SOCvの間の偏差等を用いることが可能である。単位時間当たりの電流変化率は、バッテリの負荷変動を直接的に反映しているが、単なる電流変化率では、スパイク的に発生する電流の急激な変化の影響を受けてしまう。
従って、本形態においては、スパイク的な電流の変化の影響を防止するため、所定のサンプリング数の単純平均、移動平均、加重平均等の処理を施した電流変化率を用いるようにしており、特に、電流の遅れを考慮した場合、バッテリの充放電状態の変化に対して、過去の履歴を過剰となることなく適切に反映することのできる移動平均を用いてウェイトwを決定するようにしている。
この電流Iの移動平均値に基づいてウェイトwを決定することにより、電流Iの移動平均値が大きいときには、電流積算に基づく残存容量SOCcのウェイトを高くして開放電圧の推定値に基づく残存容量SOCvのウェイトを下げ、負荷変動の影響を電流積算によって正確に反映すると共に、開放電圧推定時の振動を防止することができる。逆に、電流Iの移動平均値が小さいときには、電流積算に基づく残存容量SOCcのウェイトを下げ、開放電圧の推定値に基づく残存容量SOCvのウェイトを高くすることにより、電流積算時の誤差の累積による影響を回避し、開放電圧の推定により正確な残存容量を算出することができる。
すなわち、電流Iの移動平均は、電流の高周波成分に対するローパスフィルタとなり、この移動平均のフィルタリングにより、走行中の負荷変動で発生する電流のスパイク成分を、遅れ成分を助長することなく除去することができる。これにより、バッテリ状態をより的確に把握することができ、残存容量SOCc,SOCv双方の欠点を打消して互いの利点を最大限に引き出し、残存容量の推定精度を大幅に向上することができる。
具体的には、ウェイトwは、バッテリ温度Tと電流変化率ΔI/Δt(詳細には、低温になる程、バッテリの内部抵抗が増加して電流変化率が小さくなるため、温度補正した補正後電流変化率kΔI/Δtを用いる)とをパラメータとするテーブルを作成しておき、このテーブルを参照してウェイトwを決定する。ウェイトwのテーブルは、概略的には、補正後電流変化率kΔI/Δtが小さくなる程、すなわち、バッテリ負荷変動が小さい程、ウェイトwの値を小さくして電流積算による残存容量SOCcの重みを小さくする特性に設定する。
更に、本SOC推定アルゴリズムの特徴として、電池理論に基づいてバッテリ内部状況を電気化学的に把握し、バッテリ開放電圧に基づく残存容量SOCvの演算精度の向上を図っている。次に、本推定アルゴリズムによる残存容量SOCc,SOCvの演算について詳述する。
先ず、電流積算による残存容量SOCcは、以下の(2)式に示すように、ウェイトwを用いて合成した残存容量SOCをベース値として、所定時間毎tに電流Iを積算して求められる。
SOCc=SOC(t-1)−∫[(100ηI/Ah)+SD]dt/3600…(2)
但し、η :電流効率
Ah:電流容量(温度による変数)
SD :自己放電率
(2)式における電流効率η及び自己放電率SDは、それぞれ定数と見なすことができるが(例えば、η=1、SD=0)、電流容量Ahは、温度に依存して変化する。従って、この電流積算による残存容量SOCcの算出に際しては、温度によるセル容量の変動を関数化して算出した電流容量Ahを用いている。
また、(2)式による残存容量SOCcの演算は、具体的には演算ECU3における離散時間処理によって実行され、1演算周期前の合成残存容量SOC(t-1)を、電流積算のベース値(初期値)として入力している。従って、誤差が累積したり、発散することがなく、万一、初期値が真値と大きく異なっていても、所定の時間経過後(例えば、数分後)には、真値に収束させることができる。
一方、開放電圧の推定に基づく残存容量SOCvを求めるには、図4に示す等価回路モデルを用いてバッテリの内部抵抗Rを求め、この内部抵抗Rから開放電圧Vocを求める。図4に示す等価回路モデルは、抵抗分R1〜R3、容量分C1,CPE1,CPE2(但し、CPE1,CPE2は二重層容量分)の各パラメータを、直列及び並列に組合わせたモデルであり、交流インピーダンス法における周知のCole-Coleプロットをカーブフィッティングすることにより、各パラメータを決定する。
これらのパラメータから求められる内部抵抗Rは、バッテリの温度や電気化学的な反応速度、充放電電流の周波数成分によって大きく変化する。従って、内部抵抗Rを決定するパラメータとして、前述の単位時間当たりの電流Iの移動平均値を周波数成分の置き換えとして採用し、電流Iの移動平均値と温度Tとを条件とするインピーダンス測定を行ってデータを蓄積した後、温度Tと単位時間当たりの電流Iの移動平均値とに基づいて内部抵抗Rのテーブルを作成しておく。そして、このテーブルを利用して内部抵抗Rを求め、この内部抵抗Rと、実測した端子電圧Vと電流Iとから、以下の(3)式を用いて開放電圧Vocの推定値を求める。
V=Voc−I×R…(3)
以上の内部抵抗Rは、バッテリ2が初期状態(劣化していない状態)であることを前提として作成したテーブルから求めた値であり、長期間の使用を考慮した場合、等価回路のパラメータや、内部抵抗のテーブル値等をバッテリ2の劣化度合いに応じて書き換える必要がある。この書換えは、後述する実使用状態での内部抵抗測定によるバッテリ劣化度の推定結果に応じて実行され、バッテリ2が劣化しても残存容量SOCの推定精度を高精度に維持することができる。
開放電圧Vocの推定後は、バッテリ内の電気化学的な関係に基づいて残存容量SOCvを演算する。具体的には、平衡状態での電極電位とイオンの活量との関係を記述した周知のネルンストの式を適用し、開放電圧Vocと残存容量SOCvとの関係を表すと、以下の(4)式を得ることができる。
Voc=E+[(Rg・T/Ne・F)×lnSOCv/(100−SOCv)]+Y…(4)
但し、E :標準電極電位(本形態のリチウムイオン電池では、E=3.745)
Rg:気体定数(8.314J/mol−K)
T :温度(絶対温度K)
Ne:イオン価数(本形態のリチウムイオン電池では、Ne=1)
F :ファラデー定数(96485C/mol)
尚、(4)式におけるYは補正項であり、常温における電圧−SOC特性をSOCの関数で表現したものである。SOCv=Xとすると、以下の(5)式に示すように、SOCの三次関数で表すことができる。
Y=−10-63+9・10-52+0.013X−0.7311…(5)
以上の(4)式により、残存容量SOCvには、開放電圧Vocのみならず温度Tとの間にも強い相関性があることがわかる。この場合、開放電圧Vocと温度Tとをパラメータとして、直接、(4)式を用いて残存容量SOCvを算出することも可能であるが、実際には、使用する電池特有の充放電特性や使用条件等に対する考慮が必要となる。
従って、以上の(4)式の関係から実際の電池の状態を把握する場合には、常温でのSOC−Voc特性を基準として、各温度域での充放電試験或いはシミュレーションを行い、実測データを蓄積する。そして、蓄積した実測データから開放電圧Vocと温度Tとをパラメータとする残存容量SOCvのテーブルを作成しておき、この残存容量のテーブルを利用して残存容量SOCvを求める。残存容量SOCvのテーブルは、概略的には、温度T及び開放電圧Vocが低くなる程、残存容量SOCvが小さくなり、温度T及び開放電圧Vocが高くなる程、残存容量SOCvが大きくなる特性に設定される。
この場合、テーブルから求められる残存容量SOCvは、開放電圧Vocが十分に安定している場合には、高精度に値を求めることができる。しかしながら、バッテリの充放電直後では、電極表面の活物質の濃度に分極が発生し、同一の残存容量SOCv及び温度Tにおいても、開放電圧Vocの値が異なってしまう。リチウム二次電池に代表される二次電池の開放電圧Vocは、充放電後、十分に時間が経過した時点では、安定しているが、充放電直後では、経過時間により変動する。
この開放電圧Vocの変動は、特に、低温時に連続的な充放電を行ったときに顕著となり、例えば、図5に示すようなパルス状の充放電を行った場合、パルス状の電流に対して図中のA,B部に示すように閉回路電圧の変化に遅れが生じ、前述の(3)式から算出される開放電圧Vocが変動する。このような充放電の履歴により開放電圧Vocが変動することを、以下、「開放電圧ヒステリシス(Vocヒステリシス)」と定義する。
上述の残存容量のテーブルは、十分に静止した状態での温度T及び開放電圧Vocを用いている。従って、このテーブルを参照して残存容量SOCvを推定すると、Vocヒステリシスの程度が大きい場合には、精度低下が顕著になる。例えば、低温下において車両走行時の充放電パターン(ドライブサイクル充放電)での充放電を繰返した場合、残存容量のテーブルから求めた残存容量SOCvにはVocヒステリシスの誤差が含まれることから、放電時には残存容量SOCの推定値が真値より小さくなり、また、充電時には残存容量SOCの推定値が真値よりも大きくなってしまう。この残存容量SOCの真値とのずれは、低温になる程、拡大する。
このため、SOC演算部3aは、Vocヒステリシスの程度を推定し、電流変化率に基づいて設定されたウェイトwを、Vocヒステリシスの程度に応じて補正している。すなわち、Vocヒステリシスの程度が大きいときには、電流積算に基づく残存容量SOCcの重みを大きくする方向に、電流変化率に基づくウェイトwを補正することにより、低温時に顕著となるVocヒステリシスによる誤差を軽減するようにしている。
Vocヒステリシスの程度を推定するには、電流Iの対数の累積値で表現されるヒステリシス関数Qhを導入する。このヒステリシス関数Qhは、充電時を+、放電時を−とする符号付きの関数であり、Vocヒステリシスが電極表面の活物質濃度の拡散により解消されることから、或る時定数を持つ一次緩和により、充放電中及び休止中ともに、関数値が常に0に向かっていく挙動を取る。
具体的には、以下の(6)式に示すように、ヒステリシス関数Qhは、充放電のヒステリシスへの影響度を表す充放電係数a、温度による電流値のヒステリシスへの寄与度を示す電流係数KI、関数Qhの大きさに対する累積係数(ヒステリシス累積方向及び解消方向への係数も含む)KQhを用いて算出される。これらの係数a,KI,KQhは、ドライブサイクル充放電で充放電した際の電流I、温度T、電圧V、残存容量SOC(推定値及び真値)のデータに基づいて最適化され、演算定数記録装置6等に記憶されている。
Qh=Σ(a×KQh×ln(KI×I))…(6)
SOC演算部3aにおけるヒステリシス関数Qhの算出アルゴリズムは、図6に示される。この算出アルゴリズムでは、電流I、温度Tを入力パラメータとして、乗算器(X)、対数関数器(Ln)、加算器(+)、遅延器(Z-1)、各係数a,KI,KQhを用いてヒステリシス関数Qhを算出している。すなわち、先ず、温度Tに基づいて電流係数KIを求め、この電流係数KIと入力電流値Iとを乗算器(X)に入力し、電流Iを温度Tによって補正した乗算値KI×Iを得る。電流係数KIは、Vocヒステリシスが顕著となる低温になる程、ヒステリシス関数Qhの値(電流の累積値)を大きくするように作用する係数であり、例えば、温度Tをパラメータとするテーブルを参照する等して求められる。
電流を温度補正した乗算値KI×Iは、次に、対数関数器(Ln)に入力され、対数値データに変換される。この電流の対数値は、Vocヒステリシスの程度を示す充放電の電圧変化量に対する関係を、略線形関係で扱うことを可能にすると共に、データ処理におけるフィッティングを容易にする効果を有している。尚、対数関数器(Ln)による電流の変換を経ることなく、電流を温度補正した乗算値KI×Iをテーブルを用いて同様のデータに変換するようにしても良い。
電流の対数値ln(KI×I)は、乗算器(X)を介して充電・放電のヒステリシスへの影響度を表す充放電係数aと乗算され、更に、遅延器(Z-1)を介してフィードバックされる関数Qhの大きさに対する累積係数KQhと乗算器(X)を介して乗算される。そして、電流の対数値ln(KI×I)と充放電係数aと累積係数KQhとの乗算値a×KQh×ln(KI×I)が加算器(+)及び遅延器(Z-1)を介して累積され、ヒステリシス関数Qhとして出力される。
充放電係数aは、充電時と放電時との電極反応の差に起因してVocヒステリシスの程度が異なることから、充電時と放電時とで異なる係数値を用いる。この充放電係数aは、簡易的には、充電時、放電時で一定の係数値を適用することも可能であるが、充電、放電の程度に応じてテーブルを用いて係数値を変化させることが望ましい。
また、累積係数KQhは、充電が続いて関数Qhが+方向に増加しているときに放電されると大きくなり、関数Qhの値を0に近づかせるように作用する係数であり、関数Qhの累積値をパラメータとするテーブルを参照する等して求められる。この累積係数Qhのテーブルは、例えば、関数値Qh(絶対値)が小さくなる程、累積係数KQhの値を小さくして、関数値Qhが短時間で増加したときに振動を抑止するダンパ機能を持たせると共に、関数値Qh(絶対値)が設定値以上に大きくなったときには、累積係数KQhの値を小さくし、充放電が連続した際に、関数値Qhの発散を抑えるように設定される。
尚、累積係数KQhによるダンパ機能は、残存容量SOCの適用対象に応じて、適宜調整可能である。例えば、残存容量SOCを表示データとして用いる場合には、表示データが比較的緩やかに変化するように累積係数KQhの値を設定し、残存容量SOCをHEV(ハイブリッド車)制御用データとして使用する場合には、制御上の要求に合わせて累積係数KQhの値を設定する。
以上により算出されたヒステリシス関数Qhは、前述のSOC推定アルゴリズムにおいて、電流変化率に基づいて設定されたウェイトwを補正するためのウェイト補正係数KQwを算出する際に用いられる。ウェイト補正係数KQwは、電流変化率に基づくウェイトwに対する補正係数であり、例えば、Qh=0のとき、すなわちVocヒステリシスの影響が無いとき、補正無しに対応するKQw=1に設定され、充放電が繰返されて温度補正した電流の累積値(絶対値)が増加する程(Vocヒステリシスの程度が大きくなる程)、ウェイト補正係数KQwの値が小さくなるように設定される。このウェイト補正係数KQwは、ヒステリシス関数Qhをパラメータとするテーブル参照等によって算出される。尚、図7(a),(b)にウェイトテーブル,ウェイト補正係数テーブルの一例をそれぞれ示す。そして、電流変化率に基づいて設定されたウェイトwを、このウェイト補正係数KQwにより補正し、Vocヒステリシスの程度に応じて補正した補正後のウェイト(1−w)・KQwを得る。
これにより、前述の(1)式により、電流積算に基づく残存容量SOCcと開放電圧Vocの推定値に基づく残存容量SOCvとを補正後のウェイト(1−w)・KQwを用いて重み付け合成して最終的な残存容量SOCを算出する際に、Vocヒステリシスの程度が大きくなる程、補正後のウェイト(1−w)・KQwの値が小さくされ、開放電圧Vocの推定値に基づく残存容量SOCvの重みが小さくされて電流積算に基づく残存容量SOCcの重みが大きくされる。これにより、Vocヒステリシスによる残存容量SOCvの精度低下を補償し、最終的な残存容量SOCの精度を向上することができる。
以上のSOC演算部3aで算出された残存容量SOCv,SOC、ヒステリシス関数Qhは、内部抵抗演算部3bにおいて、内部抵抗測定の電流−電圧データを取得する際のトリガーとして用いられ、抵抗測定の精度を損なう要因を排除する。すなわち、バッテリの内部抵抗Rは、前述の(3)式に示すように、バッテリの電流Iと端子電圧Vとからオームの法則に従って求めることができ、電流−電圧データを取得して直線回帰により求める場合、図8に示すように、内部抵抗Rは、電流−電圧データのプロットにおける傾きDC_IRとして求められ、開放電圧Vocは、電流−電圧データのプロットにおける切片として求められる。
このような内部抵抗測定においては、図9に示すように、開放電圧Vovは、バッテリ温度のみならず残存容量SOCに依存することから、電流−電圧データの取得は、残存容量SOCの範囲毎に内部抵抗を求める必要がある。図9は、バッテリ温度TA,TB,TC毎の開放電圧Vocの残存容量SOCに対する依存性を示すものであり、残存容量SOCが小さくなる程、開放電圧Vocの差が拡大することが分かる。
また、走行中の充放電時の電圧・電流の挙動は、充放電直後にVocヒステリシスによって開放電圧Vocの値が一定でなく、高精度に直線回帰が可能な程の直線性は得られないことから、内部抵抗測定においては、充放電中のVocヒステリシスの影響を考慮する必要がある。例えば、図10に示すように、Vocヒステリシスを考慮せず、走行中の充放電時における残存容量SOCの範囲毎に電流−電圧データをプロットしても、電流−電圧データの直線性が低くなってしまい、良好な精度で内部抵抗を求めることは困難である。尚、図10においては、残存容量SOCの範囲を濃度分布で示しており、概略的に、電圧が高くなる程、残存容量SOCが大きくなる。
更に、バッテリの劣化程度は内部抵抗の増加率で推定することができるが、精度の低い内部抵抗測定では、内部抵抗の算出タイミング毎に増加率がばらつき、バッテリの劣化程度に応じて、等価回路のパラメータ、バッテリ充電の制限値、各種電気的特性値等のバッテリ制御パラメータを切換える際に誤判定を生じる虞がある。例えば、図11に示すように、内部抵抗の増加率によるバッテリ制御パラメータの切換範囲を、破線で示す閾値の範囲に設定した場合、精度の低い内部抵抗測定では、内部抵抗の算出タイミング毎のばらつきにより、図中のC部に示すように、内部抵抗増加率が閾値を大きく越えるデータが不規則に出現して誤判定を生じる虞があり、バッテリ制御パラメータを誤って切換えることにより制御性の悪化を招いてしまう。
以上のように、内部抵抗測定における電流−電圧データの直線性が低下する原因として、Vocヒステリシスによる開放電圧Vocの変動があり、(3)式から導かれる直線の傾きDC_IRの精度が低くなることが挙げられる。このVocヒステリシスの程度は、先に説明したヒステリシス関数Qhによって評価することができ、図12に示すように、破線で示す閾値の範囲内にヒステリシス関数Qhが存在する場合に、内部抵抗測定用の電流−電圧データを取得することで、良好な直線性を得ることができる。
また、Vocヒステリシスの程度は、合成残存容量SOCと開放電圧に基づく残存容量SOCvとの偏差│SOC−SOCv│によっても評価することができる。図13のD部に示すように、Vocヒステリシスの程度が大きい場合には、合成残存容量SOCと開放電圧に基づく残存容量SOCvとの偏差が拡大し、電流−電圧データの直線性が悪化する一方、図中のE部に示すように、Vocヒステリシスの程度が小さい状態(例えば、電流積算に基づく残存容量SOCcが大きく変動しないような状態)では、残存容量SOC,SOCv間の偏差が小さくなり、電流−電圧データの良好な直線性を期待できる。
本形態においては、内部抵抗測定のデータ取得タイミングのトリガーとして、ヒステリシス関数Qhと残存容量の偏差│SOC−SOCv│との両者或いは何れか一方を用いることにより、電流−電圧データの直線性を高めるようにしており、取得した電流−電圧データを統計処理して内部抵抗の増加率を求めている。この電流−電圧データの処理としては、一般的に最小二乗法による回帰分析を採用することができるが、取得したデータに対してそのまま最小二乗法による回帰分析を行うと、一時メモリ4の領域内の少ない点数で内部抵抗を求めることになり、精度を期待できない。
そこで、図14に示すように、電流−温度−残存容量で区切られたメモリ配列を用意し、走行中、区切られた配列毎に、平均電圧とデータ数とを対にして格納していく。配列の刻み幅は、例えば、電流は1A毎、電池温度は5°C毎、残存容量SOCは2.5%毎である。そして、キーオフ時等に、メモリ配列中の平均電圧−電流データをデータ数で重み付けして直線回帰分析を行い、温度−残存容量毎に各セルの内部抵抗値を算出する。
算出された内部抵抗値は、ヒステリシスがより大きくなる残存容量SOCの上下両端での値を切り捨て、予め演算ECU3内に記憶させてある温度−残存容量−初期内部抵抗値のテーブル値と比較することにより、温度−残存容量の区切られた配列毎に内部抵抗増加率を算出する。そして、内部抵抗増加率、総データ数、及び最小二乗法を実施した際の決定係数R2を組にして、温度−残存容量で区切られた図15に示すメモリ配列に格納する。
そして、キーオフ時に、決定係数R2及びデータ数が既定値以上である場合、決定係数R2の値を用いて重み付けした内部抵抗増加率を算出することにより、劣化推定の尺度とする。更に、内部抵抗増加率は、各温度毎に算出されることから、変換係数K1を乗じて、基準温度(例えば、25°C)相当の内部抵抗増加率に変換する。この基準温度相当の内部抵抗増加率への変換は、劣化したバッテリでは、図16に示すように、内部抵抗増加率が温度によって異なる(例えば、或る劣化したバッテリの25°Cにおける内部抵抗値が未使用の新品時の内部抵抗値に対して120%増加しても、他の温度では、120%ではない)ことから、内部抵抗増加率を基準温度に換算することで評価基準を統一する。
そして、基準温度に換算した内部抵抗増加率は、図17に示すように、算出時間(算出日時)、内部抵抗の測定精度に応じて設定されるウェイトWtと共に、不揮発性メモリ5に用意した一次元配列に時系列的に記録する。図18に示すように、0°C以下の低温域では、Vocヒステリシスの影響が大きくなって内部抵抗の測定精度が低くなることから、ウェイトWtの値を小さくし、また、バッテリ温度が高くなって内部抵抗値が小さくなる程、内部抵抗の測定精度が低くなることから、ウェイトWtの値を小さくすることにより、内部抵抗の測定精度向上を図る。
一元配列中に記録した内部抵抗増加率を直ちにバッテリ制御パラメータの書換えに用いると、内部抵抗増加率の精度そのものが走行性能を左右する虞がある。従って、定常的に記録される内部抵抗増加率を、ウェイトWtを用いて移動平均し、比較的長期毎に劣化程度を求める。そして、移動平均した内部抵抗増加率が基準値以上の場合に、バッテリ制御パラメータを更新する。
次に、以上の残存容量SOCc,SOC、ヒステリシス関数Qhを用いた内部抵抗の算出処理について、図19のフローチャートを用いて説明する。
図19の処理がスタートすると、先ず、ステップS1において、バッテリ2の電流I、端子電圧V、温度Tを入力し、ステップS2で、残存容量の偏差│SOC−SOCv│或いはヒステリシス関数Qhが判定基準以内か否かを調べる。この判定基準は、前述したように、内部抵抗測定のデータ取得タイミングのトリガーとして、電流−電圧データの良好な直線性を期待できるか否かを判定するための判定閾値である。
その結果、ステップS2において、偏差│SOC−SOCv│及びヒステリシス関数Qhの両者共に判定基準を越える場合には処理を抜け、偏差│SOC−SOCv│或いはヒステリシス関数Qhが判定基準以内の場合、ステップS3へ進んで、残存容量SOC、電流I、温度Tのデータを取得し、以下の(7),(8)式に示すように、平均電圧Vavj及びデータ数Njを算出する。そして、これらのデータを対にして、残存容量SOC、電流I、温度T、データ数Nで区切られたメモリ配列(図14参照)に格納する。但し、式中の添え字jは、メモリ配列中のj番目の値を示す。
Vavj=((Vavj-1×Nj-1)+Vj)/Nj …(7)
Nj=Nj-1+1 …(8)
次に、ステップS4へ進み、キーオフ時に上述のメモリ配列を参照してデータ数が、内部抵抗を算出するのに十分な基準値以上になったか否かを調べる。そして、データ数が基準値未満の場合には処理を抜け、データ数が基準値以上になったとき、ステップS4からステップS5へ進み、内部抵抗値を算出する。
内部抵抗値は、各温度及び残存容量での平均電圧値をViav(T,SOC)、各温度及び残存容量での電圧データ数をNi(T,SOC)とすると、メモリ配列中の電流配列毎のデータ数の全データ数に対する比率を重み付けした最小二乗法を実施し、以下の(9)式における決定係数R2を高める処理を行う。そして、(9)式の値が最小となるR(T,SOC)の値を回帰分析により求め、各温度及び残存容量での内部抵抗値R(T,SOC)とする。
Σ((Viav(T,SOC)−R(T,SOC))2×(Ni(T,SOC)−ΣNi(T,SOC))…(9)
内部抵抗値R(T,SOC)を算出した後は、ステップS6へ進み、初期値に対する内部抵抗の増加率を算出する。この内部抵抗増加率の算出に際しては、内部抵抗R(T,SOC)のデータ配列中で、ヒステリシスがより大きくなる残存容量SOCに関しての上下両端での値をを切り捨てる。例えば、内部抵抗値データがR(T1,SOC1),R(T2,SOC2),…,R(T6,SOC6),R(T7,SOC7)である場合、上下端のデータR(T1,SOC1),R(T7,SOC7)を切り捨て、R(T2,SOC2),…,R(T6,SOC6)のデータを用いる。また、使用SOC範囲が広い場合には、端から2個ずつデータを消去する。
そして、残った内部抵抗値データを、予め演算ECU3内に記憶させてある温度−残存容量−初期内部抵抗値のテーブル値R0と比較し、内部抵抗値と初期値との比R/ROを、内部抵抗増加率ΔR(T,SOC)として算出する。算出した内部抵抗増加率ΔR(T,SOC)は、総データ数、決定係数R2と共に、温度−残存容量で区切られたメモリ配列(図15参照)に格納する。
次に、ステップS7へ進み、算出された各温度での内部抵抗増加率ΔR(T,SOC)を、以下の(10)式に示すように、内部抵抗増加率ΔR(T,SOC)毎の決定係数R2によって重み付けし、この重み付けした内部抵抗増加率R(T)を、以下の(11)式に示すように、変換係数K1を用いて基準温度(例えば、25°C)相当の内部抵抗増加率ΔR(Tr)に換算することで、温度に夜誤差因子を除く。そして、ステップS8で、基準温度に換算した内部抵抗増加率ΔR(Tr)、算出時間(算出日時)、ウェイトWtを、一次元配列(図17参照)に時系列的に記録する。
ΔR(T)=Σ(ΔRj×1/(1−Rj2))/Σ(1/(1−Rj2))…(10)
ΔR(Tr)=ΔR(T)×K1…(11)
その後、ステップS9へ進み、以下の(12)式に示すように、一次元配列中に記録されたウェイトWtを用いて一定期間毎に内部抵抗増加率ΔR(Tr)を移動平均し、移動平均後の内部抵抗増加率ΔR(Term)を得る。移動平均の期間は、例えば、バッテリ制御パラメータの書換えタイミングを4ヶ月毎とした場合、12ヶ月である。但し、式中の添え字iは、一次元配列中のi番目の値を示す。
ΔR(Term)=Σ(ΔR(Tr)i×(WTi/ΣWTi))…(12)
そして、ステップS10で、移動平均後の内部抵抗増加率ΔR(Term)が判定基準以上か否かを調べ、判定基準に達していない場合には、処理を抜け、判定基準以上の場合、ステップS11へ進み、等価回路のパラメータ、バッテリ充電の制限値、各種電気的特性値等のバッテリ制御パラメータを、劣化度に応じた値に更新する。
以上のように、本形態においては、バッテリの開放電圧の変動の程度を、バッテリの温度と充放電電流とに基づいて表現されるヒステリシス関数Qhと、合成残存容量SOCと開放電圧に基づく残存容量SOCvとの偏差│SOC−SOCv│との少なくとも一方を用いて評価し、この評価結果に基づいて、バッテリの内部抵抗値を算出するための電流−電圧データの取得タイミングを決定している。
これにより、電流−電圧データの直線性を損なうデータを排除して高精度に内部抵抗を求めることができ、この高精度の内部抵抗値によって的確にバッテリの劣化度を把握することができる。更に、このバッテリの劣化度に応じて、等価回路のパラメータ、充電の制限値、各種電気的特性値等のバッテリ制御パラメータを最適に維持することができ、制御性を向上することができる。
ハイブリッド車への適用例を示すシステム構成図 残存容量及び内部抵抗演算機能を示すブロック図 バッテリ残存容量の推定アルゴリズムを示すブロック図 等価回路モデルを示す回路図 開放電圧ヒステリシスの例を示す説明図 ヒステリシス関数の算出アルゴリズムを示すブロック図 ウェイトテーブル,ウェイト補正係数テーブルの一例をそれぞれ示す説明図 直線回帰による内部抵抗測定を示す説明図 開放電圧のバッテリ温度に対する依存性を示す説明図 走行中の充放電時における各残存容量範囲の電流−電圧データを示す説明図 内部抵抗増加率によるバッテリ制御パラメータ切換タイミングの誤判定を示す説明図 ヒステリシス関数によるデータ取得タイミングを示す説明図 開放電圧ヒステリシス発現時の合成残存容量と開放電圧に基づく残存容量の挙動を示す説明図 内部抵抗演算用データを格納するメモリ配列を示す説明図 温度−残存容量毎の内部抵抗増加率と総データ数と決定係数とを格納するメモリ配列を示す説明図 内部抵抗増加率の温度依存性及び基準温度への変換係数を示す説明図 基準温度に換算した内部抵抗増加率と総データ数と決定係数と算出時間を時系列的に格納するメモリ配列を示す説明図 内部抵抗値と温度とウェイト係数との関係を示す説明図 内部抵抗算出処理のフローチャート
符号の説明
2 バッテリ
3 演算ユニット(残存容量算出手段、ヒステリシス関数算出手段、残存容量偏差算出手段、内部抵抗値算出手段、内部抵抗増加率算出手段、制御パラメータ更新手段)
SOCc 残存容量(第1の残存容量)
SOCv 残存容量(第2の残存容量)
SOC 残存容量(最終的な残存容量)
I 充放電電流
Voc 開放電圧
Qh ヒステリシス関数
R 内部抵抗値
ΔR 内部抵抗増加率
代理人 弁理士 伊 藤 進

Claims (6)

  1. バッテリの充放電電流の積算値に基づく第1の残存容量と上記バッテリの開放電圧に基づく第2の残存容量とを重み付け合成して上記バッテリの最終的な残存容量を算出する残存容量算出手段と、
    上記バッテリの開放電圧の変動の程度を表す関数を、上記バッテリの温度と充放電電流とに基づいて表現されるヒステリシス関数として算出するヒステリシス関数算出手段と、 上記残存容量算出手段で算出した最終的な残存容量と上記第2の残存容量との残存容量の偏差を算出する残存容量偏差算出手段と、
    上記ヒステリシス関数と上記残存容量の偏差との少なくとも一方を用いて、上記バッテリの電圧及び電流データを取得するタイミングを判定し、取得した電圧及び電流データから上記バッテリの内部抵抗値を算出する内部抵抗値算出手段と、
    上記内部抵抗値算出手段で算出した内部抵抗値を初期値と比較して上記バッテリの内部抵抗増加率を算出し、上記バッテリの劣化度を推定する指標とする内部抵抗増加率算出手段とを備えたことを特徴とするバッテリの劣化度推定装置。
  2. 上記内部抵抗増加率算出手段で算出した内部抵抗増加率を一定期間毎に移動平均し、移動平均した内部抵抗増加率が予め設定した閾値を越えたとき、上記バッテリの制御パラメータを更新する制御パラメータ更新手段を更に備えたことを特徴とする請求項1記載のバッテリの劣化度推定装置。
  3. 上記内部抵抗値算出手段は、
    上記バッテリの残存容量と温度と電流とで区切られたメモリ配列に平均電圧とデータ数とを格納し、上記メモリ配列中の平均電圧データと電流データとをデータ数で重み付けして残存容量及び温度毎に内部抵抗値を算出することを特徴とする請求項1又は2記載のバッテリの劣化度推定装置。
  4. 上記内部抵抗増加率算出手段は、
    上記バッテリの残存容量及び温度毎に算出された内部抵抗値の中から残存容量の上下両端でのデータを切り捨て、残りのデータを用いて内部抵抗増加率を算出することを特徴とする請求項3記載のバッテリの劣化度推定装置。
  5. 上記内部抵抗増加率算出手段は、
    算出した内部抵抗増加率を、基準温度相当の値に換算することを特徴とする請求項1又は4記載のバッテリの劣化度推定装置。
  6. 上記制御パラメータ更新手段は、
    上記内部抵増加率算出手段で算出した内部抵抗増加率を、内部抵抗の測定精度に応じて設定されるウェイトにより重み付けして移動平均することを特徴とする1又は5記載のバッテリの劣化度推定装置。
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