JP4570991B2 - バッテリ管理システム - Google Patents

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Description

本発明は、車両搭載のバッテリの状態をデータベースに蓄積してバッテリの劣化状態を推定し、バッテリ管理に反映させるバッテリ管理システムに関する。
近年、自動車等の車両においては、ガソリン等を燃料とするエンジンを動力源とするものに対し、低公害、省資源の促進を目的として、バッテリからの電力によって駆動力を発生するモータをエンジンに加えて搭載し、エンジンとモータとを併用するハイブリッド車が開発されている。このようなハイブリッド車では、バッテリ状態を正確に把握して管理することが重要であり、バッテリの電圧、電流、温度といった基本的なパラメータに加えて、残存容量等を算出するようにしているが、残存容量はバッテリの劣化によって変化するため、長期間に渡って精度を維持することは困難である。
これに対処するに、例えば、特許文献1には、電気自動車の車両停止時の電池電圧から求めた開放電圧により停止時残存容量を求めると共に、電池の放電電流の積算値に基づいて放電電気容量を検出し、この放電電気容量と停止時残存容量とから満充電容量を算出し、この満充電容量と公称の満充電容量とから劣化度を算出し、この劣化度を考慮した残存容量を検出する技術が開示されている。
特開平6−242193号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、車両停止時の電池電圧から求めた開放電圧と放電電流の積算値を利用して劣化度を求めているが、電流の積算値は誤差が大きく的確な劣化度を算出できない。また、バッテリの劣化時には内部インピーダンスが増大して開放電圧が変化する点が考慮されておらず、さらに、電気自動車においては、モータが停止していてもインバータ等の負荷には電流が流れていることから、必ずしも正確な開放電圧を検出できるとは限らない。すなわち、特許文献1に開示の技術では、適用範囲が限定されてしまい、ハイブリッド車や電気自動車に搭載されているバッテリの状態を的確に管理するには、不十分である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、車両搭載のバッテリの劣化状態を正確に把握し、バッテリ管理に反映させることのできるバッテリ管理システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明によるバッテリ管理システムは、車両搭載のバッテリの情報をデータベースに格納し、バッテリ管理に反映させるバッテリ管理システムであって、上記データベースに格納されたバッテリ情報から算出される電流変化量及び温度が設定範囲内にあるとき、電流変化量のパラメータと、電圧変化量及びインピーダンス変化量に基づくパラメータとを直線近似し、近似した直線の傾きを上記バッテリのインピーダンスとして算出するインピーダンス算出手段と、上記インピーダンス算出手段で算出したインピーダンスの初期値に対する増加割合に基づいて上記バッテリの劣化状態を表すバッテリ劣化係数を算出する劣化状態算出手段とを備えたことを特徴とする。
その際、インピーダンス変化量は、バッテリの電流変化量と温度とをパラメータとしてテーブルに格納したインピーダンス初期値と前回算出したインピーダンス増加割合とに基づいて算出することができる。また、バッテリの劣化状態を表すバッテリ劣化係数は、バッテリの電流変化量と温度とに基づいて設定した領域毎に算出し、各領域のバッテリ劣化係数を平均化して全体のバッテリ劣化係数としても良い。更に、バッテリ劣化係数からは、バッテリの寿命予測を行うことが望ましい。
バッテリ管理システムは、車両システムと、この車両システムに無線通信を介して接続される管理サーバとによって構成することができる。その場合には、管理サーバのデータベースに各車両システムから送信されたバッテリ情報を蓄積し、蓄積されたバッテリ情報を用いて管理サーバでバッテリ劣化係数を算出し、車両システムに送信することが望ましい。
管理サーバから送信されたバッテリ劣化係数は、車両システムでバッテリの残存容量を算出する際に用いることができる。車両システムは、予め保有するテーブルから読出した電流容量やインピーダンスをバッテリ劣化係数に基づいて補正し、補正後の電流容量、補正後のインピーダンスから推定した開放電圧に基づいて、高精度にバッテリの残存容量を算出することができる。
このとき、補正後の電流容量とバッテリの充放電電流の積算値とに基づく第1の残存容量と、補正後のインピーダンスを用いて推定した開放電圧に基づく第2の残存容量とを、バッテリの使用状況に応じて設定したウェイトを用いて重み付け合成して最終的な残存容量を算出することにより、電流積算による残存容量と開放電圧に基づく残存容量との双方の利点を生かした均一な精度の残量容量を得ることができる。
本発明によるバッテリ管理システムは、車両搭載のバッテリの劣化状態を正確に把握することができ、バッテリの残存容量や寿命推定等のバッテリ管理に反映させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1〜図12は本発明の実施の一形態に係り、図1はバッテリ管理システムの構成図、図2は車両システムの構成図、図3はバッテリ残存容量の推定アルゴリズムを示すブロック図、図4はバッテリ温度をパラメータとする電流容量テーブルの説明図、図5はバッテリ劣化係数をパラメータとする電流容量補正係数テーブルの説明図、図6はバッテリ温度とバッテリ劣化係数とをパラメータとする電流容量テーブルの説明図、図7は等価回路モデルを示す回路図、図8はインピーダンステーブルの説明図、図9は残存容量テーブルの説明図、図10はウェイトテーブルの説明図、図11はバッテリ劣化係数算出処理を示すフローチャート、図12はインピーダンス算出の説明図である。
図1に示すように、本形態におけるバッテリ管理システムは、ユーザの車両に搭載された車両システム10と、予め登録された個々のユーザの車両に備えられたバッテリの情報をデータベースに蓄積して一括管理する管理サーバ100とを主として構成され、更に、ユーザへバッテリ情報を提供するための通信端末50を備えて構成されている。本形態においては、車両システム10の外部に管理サーバ100を設置する例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、車両システム10内に管理サーバ100を備えるようにしても良い。
本形態のバッテリ管理システムにおいては、車両システム10から管理サーバ100に無線通信網を介して車両搭載のバッテリの情報が送信され、管理サーバ100のデータベースに蓄積される。管理サーバ100は、データベースに蓄積されたバッテリ情報に基づいて個々の車両のバッテリ劣化状態を推定し、更には、バッテリの寿命予測を行う。
また、管理サーバ100には、無線通信網を介してユーザの通信端末50を接続することが可能であり、ユーザからの要求に応じて管理サーバ100から通信端末50にバッテリ状態を送信し、各ユーザに自車両のバッテリの劣化状態や寿命予測等のバッテリ状態に関する情報を提供する。通信端末50としては、ユーザが所有する携帯型の情報端末(Personal Digital Assistant;PDA)、ノート型のコンピュータ(ノートパソコン)、携帯電話機等を用いることができる。
また、通信端末50として、ユーザの車両の車両システム10内に備えられた表示装置や音声装置であっても良く、更には、通信端末50として、ユーザの自宅等に設置するデスクトップ型のコンピュータを用いることも可能である。車両システム10内の表示装置や音声装置を用いる場合には、車両システム10をシステム専用の無線通信網を介して管理サーバ100に接続することが望ましく、管理サーバ100からの情報を表示或いは音声によって自動的に確認することができる。また、デスクトップ型のコンピュータを用いる場合には、インターネット等のネットワークを経由して管理サーバ100に接続することにより、管理サーバ100からの情報をディスプレイに表示させて確認することができる。
車両システム10は、本形態においては、図2に例示するように、エンジンとモータとを併用するハイブリッド車(HEV)を制御する車両システムであり、電源ユニット20、電源ユニット20からの直流電力を交流電力に変換してモータ30を駆動するインバータ35、インバータ35を介してモータ30を制御すると共に、図示しないエンジンを制御し、HEV全体を統括的に制御するHEV制御用電子制御ユニット(HEV制御用ECU)40等を備えて構成されている。
電源ユニット20は、例えば複数のセルを封止した電池パックを複数個直列に接続して構成されるバッテリ21と、バッテリ21の残存容量の演算、バッテリ21の冷却や充電の制御、異常検出及び異常検出時の保護動作等のエネルギーマネージメントを行う演算ユニット(演算ECU)22とを1つの筐体内にパッケージして構成されている。
尚、以下では、バッテリ21として、リチウムイオン二次電池を例に取り、複数のセルを封止した電池パックを複数個直列に接続して構成されるものとするが、その他の二次電池やキャパシタ等にも適用可能である。
演算ECU22は、マイクロコンピュータ等から構成され、電圧センサ23で測定したバッテリ21の端子電圧V、電流センサ24で測定したバッテリ21の充放電電流I、温度センサ25で測定したバッテリ21の温度(セル温度)Tに基いて、所定時間t毎にバッテリ21の充電状態(State of charge;SOC)で示される残存容量SOCを演算・推定する。この残存容量SOC(t)は、演算ユニット22から、例えばCAN(Controller Area Network)通信等を介してHEV制御用ECU40に出力され、車両制御用の基本データ、バッテリ残量や警告用の表示用データ等として使用される。
尚、後述するように、残存容量SOC(t)は、周期的な演算における1演算周期前のデータ(後述する電流積算による残存容量演算の際のベース値)SOC(t-1)としても使用される。
HEV制御用ECU40は、同様にマイクロコンピュータ等から構成され、運転者からの指令に基づいて、HEVの運転、その他、必要な制御を行う。すなわち、HEV制御用ECU40は、電源ユニット20からの信号や図示しないセンサ・スイッチ類からの信号により、車両の状態を検出し、モータ30を駆動するインバータ35を初めとして図示しないエンジンや自動変速機等を専用の制御ユニットを介して或いは直接的に制御する。
また、電源ユニット20には、無線通信網を介して外部の管理サーバ100と通信するための通信モジュール26が備えられ、この通信モジュール26が演算ECU22によって制御される。演算ECU22は、通信モジュール26を介してバッテリ21の端子電圧V、電流I、温度T、残存容量SOC等のバッテリ情報を定期的に管理サーバ100に送信すると共に、通信モジュール26を介して管理サーバ100からバッテリの劣化状態を受信し、バッテリ管理に反映させる。
管理サーバ100は、データベースに蓄積されたバッテリ情報を解析し、バッテリの劣化状態を推定する。バッテリの劣化状態は、バッテリのインピーダンス(内部インピーダンス)の変化(増加)を把握することにより推定することができ、管理サーバ100では、バッテリの劣化状態を、インピーダンスの増加割合を示すバッテリ劣化係数KREとして算出し、車両システム10に送信すると共に、バッテリ劣化係数KREに基づいてバッテリの寿命予測を行い、メーカ、ユーザ等に配信する。
バッテリ21のインピーダンスZは、基本的に、以下の(1)式に示すように、バッテリ21の端子電圧V、開放電圧Vo、バッテリ電流Iの関係で表現することができる。但し、バッテリ電流Iは放電側を+とする。
V=Vo−I×Z…(1)
(1)式を時間微分すると、以下の(2)式が得られることから、この(2)式から導かれる(3)式に示すように、開放電圧Voの時間微分値、端子電圧Vの時間微分値、電流Iの時間微分値、インピーダンスZの時間微分値からインピーダンスZを算出することができる。
dV/dt=dVo/dt−(dI/dt×Z+dZ/dt×I)…(2)
Z=(dVo/dt−dV/dt−dZ/dt×I)/dI/dt…(3)
従って、(3)式における(dVo/dt−dV/dt−dZ/dt×I)の項をインピーダンス算出パラメータDPZとし、電流Iの時間微分値dI/dtを、時間差分によって求めた電流時間変化量DIBHとすると、インピーダンス算出パラメータDPZと電流時間変化量DIBHとを周期的に求めて統計処理することにより、インピーダンスZを求めることができる。
本形態においては、周期的に求めた電流時間変化量DIBH及びインピーダンス算出パラメータDPZのデータを、DIBH=0且つDPZ=0の条件が成立するように最小二乗法を利用して直線近似を行い、直線の傾きをバッテリのインピーダンスZNとして算出する。そして、以下の(4)式に示すように、算出したインピーダンスZNと、予め管理サーバ100側に設定してある補正計算用のインピーダンスZRとの比を、バッテリ劣化によるンピーダンス増加を表すバッテリ劣化係数KREとして算出する。
KRE=ZN/ZR…(4)
但し、KRE≧1
具体的には、管理サーバ100は、予め開放電圧Voと残存容量SOCとの関係を記述したテーブルと、電流時間変化量DIBHとバッテリ温度TとをパラメータとしてインピーダンスZi(劣化のない状態での初期値)を格納したテーブルとを保有しており、これらのテーブルを利用して、インピーダンス算出パラメータDPZを求める。すなわち、(3)式における開放電圧Voの時間微分値dVo/dt、インピーダンスZの時間微分値dZ/dtを、それぞれテーブルを用いた時間差分値としての開放電圧時間変化量DVOC、インピーダンス時間変化量DZとして求めると共に、端子電圧Vの時間微分値dV/dtを、データベースに蓄積した電圧データの時間差分による電圧時間変化量DVBとして求め、以下の(5)式によりインピーダンス算出パラメータDPZを求める。
DPZ=DVOC−DVB−DZ×I…(5)
尚、管理サーバ100が保有する上述のテーブルは、車両システム10側で残存容量SOCを演算する際に用いるテーブルと同等のものであり、個々の車両システム10のバッテリ21に対して一般化したものである。詳細は車両システム10における残存容量SOCの演算に関して説明するが、車両システム10側では、開放電圧Voと温度Tとをパラメータとして開放電圧Voに基づく残存容量SOCvを格納したテーブル、補正後電流変化率KΔI/Δtとバッテリ温度TとをパラメータとしてインピーダンスZicを格納したテーブルを保有しているのに対し、管理サーバ100側では、以下の(6),(7)式に示す条件を満足する範囲で、開放電圧Voと温度Tとをパラメータとして残存容量SOCを格納したテーブル、電流時間変化量DIBHとバッテリ温度TとをパラメータとするインピーダンスZiのテーブルを保有している。
インピーダンス算出パラメータDPZは、具体的には、バッテリ劣化推定周期(バッテリ劣化係数KREの算出周期)毎に算出される。このバッテリ劣化推定周期は、例えば、1ヶ月といった絶対的な時間、バッテリの実使用時間、或いは、データベースに蓄積されるデータの個数によって設定され、管理サーバ100は、バッテリ劣化推定周期に達したとき、電流Iの時間微分値としての電流時間変化量DIBHを求め、バッテリ温度Tが以下の(6)式に示す下限設定値TBCL(例えば、TBCL=30°C)と上限設定値TBCH(例えば、TBCH=40°C)との範囲内にあり、且つ電流時間変化量DIBHの絶対値ADIBHが以下の(7)式に示す下限設定値ADIL(例えば、ADIL=40A/s)と上限設定値(例えば、ADIH=60A/s)との範囲内にある条件が成立するデータ履歴をデータベースから検索する。
TBCL≦T≦TBCH…(6)
ADIL≦ADIBH≦ADIH…(7)
データベースから検索した(6),(7)式の条件を満足するデータ群は、インピーダンスZiのテーブルを参照するパラメータとして用いられ、電流Iの微分値(差分値)を演算する制御周期DT毎に、インピーダンスZi(k)が算出される。そして、インピーダンスZi(k)と1周期前のインピーダンスZi(k-1)との差分、及び前回算出したバッテリ劣化係数KRE(初期値=1)を用い、以下の(8)式に従ってインピーダンス時間変化量DZを算出する。
DZ=KRE×(Zi(k)−Zi(k-1))/DT…(8)
更に、(8)式により算出したインピーダンス時間変化量と、残存容量SOCとバッテリ電流Iとに基づいて予め記憶してあるDVOC=f(SOC,I)の関数或いはテーブルから求めた開放電圧時間変化量DVOCとを用い、前述の(5)式に従って、インピーダンス算出パラメータDPZを求めた後、このインピーダンス算出パラメータDPZと電流時間変化量DIBHとに最小二乗法等を適用してインピーダンスZNを求め、前述の(4)式に従って、バッテリ劣化係数KREを算出する。
この場合、バッテリ劣化推定周期内に、インピーダンス算出パラメータDPZと電流時間変化量DIBHとのデータの個数が、設定値以下の場合には、インピーダンスZNの算出を実施せず、次の周期に繰り越すようにしても良い。
また、バッテリ劣化係数KREの算出は、前述の(6),(7)式の条件を満足する電流時間変化量DIBH、バッテリ温度Tを細分化した複数の領域毎に実施するようにしても良い。この領域毎のバッテリ劣化係数算出は、補正の機会を増やしてバッテリの劣化状態をより精度高く把握するものであり、領域j毎のバッテリ劣化係数KREjを算出した後、単純平均や加重平均等の平均化処理を行って最終的なバッテリ劣化係数KREを算出する。但し、バッテリ劣化係数KREの算出周期内でデータの個数が設定値以下の領域は、平均化処理には加えない。
更に、車両システム10側で上述の(6),(7)の条件成立を判断することにより、バッテリ劣化係数KREを算出するに必要なデータを車両システム10側で選別するようにしても良い。すなわち、電流時間変化量DIBHの算出は、車両システム10の演算ECU22が行い、バッテリ温度T及び電流時間変化量DIBHが(6),(7)式を満足する条件が成立したとき、条件成立の2周期前までのバッテリデータを記録し、記録終了後、管理サーバ100へ送信する。これにより、バッテリ劣化推定に必要なデータのみを送信することになり、通信量を低減することができる。
以上の処理で算出されたバッテリ劣化係数KREは、管理サーバ100から車両システム10の演算ECU22に送信される。演算ECU22では、バッテリ劣化係数KREに基づいてバッテリ劣化度合いを反映・補正したインピーダンスと、バッテリ21の基本パラメータである端子電圧Vと電流Iと温度Tとを用いて、残存容量SOCを高精度に推定する。
周知のように、バッテリの残存容量SOCは、充放電電流の積算値や、インピーダンスから求めた開放電圧Voに基づいて算出することができるが、バッテリが劣化するとインピーダンスが増大することや電流容量が減少するため、バッテリの劣化時には残存容量の推定精度が悪化する。従って、バッテリ劣化係数KREによってインピーダンスの変化と電流容量の変化を残存容量の推定に反映させることにより、バッテリの劣化時にも残存容量の算出精度を高精度に維持することができる。
本形態における残存容量は、図3に示す推定アルゴリズムに従って算出される。この推定アルゴリズムでは、バッテリ21で測定可能なパラメータ、すなわち、端子電圧V、電流I、温度Tを用い、所定時間t毎に、第1の残存容量算出手段としての機能により、電流積算に基づく第1の残存容量としての残存容量SOCc(t)を算出すると共に、第2の残存容量算出手段としての機能により、バッテリ開放電圧Voの推定値に基づく第2の残存容量としての残存容量SOCv(t)を並行して算出し、第3の残存容量算出手段としての機能により、それぞれを重み付けして合成した残存容量SOC(t)を、バッテリ21の最終的な残存容量としている。
電流Iの積算による残存容量SOCcと、開放電圧Voの推定による残存容量SOCvとは、それぞれに一長一短があり、電流積算による残存容量SOCcは、誤差が累積し易く、特に高負荷継続時の誤差が大きい反面、突入電流等の負荷変動に強い。一方、開放電圧推定による残存容量SOCvは、通常の使用時において、略正確な値を求めることが可能であるが、負荷が短時間で大きく変動したときに値が振動する可能性がある。
従って、本SOC推定アルゴリズムでは、電流Iを積算して求めた残存容量SOCc(t)と、バッテリ開放電圧Voの推定値から求めた残存容量SOCv(t)とを、バッテリ21の使用状況に応じて随時変化させるウェイト(重み係数)wにより重み付けして合成することにより、残存容量SOCc(t),SOCv(t)双方の欠点を打消して互いの利点を最大限に引き出すようにしている。ウェイトwは、w=0〜1の間で変化させ、合成後の最終的な残存容量SOC(t)は、以下の(9)式で与えられる。
SOC(t)=w・SOCc(t)+(1−w)・SOCv(t)…(9)
ウェイトwは、現在のバッテリの使用状況を的確に表すことのできるパラメータを用いて決定する必要があり、そのパラメータとしては、単位時間当たりの電流の変化率や残存容量SOCc,SOCvの間の偏差等を用いることが可能である。単位時間当たりの電流変化率は、バッテリの負荷変動を直接的に反映しているが、単なる電流変化率では、スパイク的に発生する電流の急激な変化の影響を受けてしまう。
従って、本形態においては、瞬間的に発生する電流の変化の影響を防止するため、所定のサンプリング数の単純平均、移動平均、加重平均等の処理を施した電流変化率を用いるようにしており、特に、電流の遅れを考慮した場合、バッテリの充放電状態の変化に対して、過去の履歴を過剰となることなく適切に反映することのできる移動平均を用いてウェイトwを決定するようにしている。
この電流Iの移動平均値に基づいてウェイトwを決定することにより、電流Iの移動平均値が大きいときには、電流積算のウェイトを高くして開放電圧推定のウェイトを下げ、負荷変動の影響を電流積算によって正確に反映すると共に、開放電圧推定時の振動を防止することができる。逆に、電流Iの移動平均値が小さいときには、電流積算のウェイトを下げ、開放電圧推定のウェイトを高くすることにより、電流積算時の誤差の累積による影響を回避し、開放電圧の推定により正確な残存容量を算出することができる。
すなわち、電流Iの移動平均は、電流の高周波成分に対するローパスフィルタとなり、この移動平均のフィルタリングにより、走行中の負荷変動で発生する電流のスパイク成分を、遅れ成分を助長することなく除去することができる。これにより、バッテリ状態をより的確に把握することができ、残存容量SOCc,SOCv双方の欠点を打消して互いの利点を最大限に引き出し、残存容量の推定精度を大幅に向上することができる。
更に、本SOC推定アルゴリズムの特徴として、電池理論に基づいてバッテリ内部状況を電気化学的に把握し、バッテリ開放電圧Voに基づく残存容量SOCvの演算精度の向上を図っている。次に、本推定アルゴリズムによる残存容量SOCc,SOCvの演算について詳述する。
先ず、電流積算による残存容量SOCcは、以下の(10)式に示すように、ウェイトwを用いて合成した残存容量SOCをベース値として、所定時間毎に電流Iを積算して求められる。
SOCc(t)=SOC(t-1)−∫[(100ηI/Ah)+SD]dt/3600…(10)
但し、η :電流効率
Ah:電流容量(温度による変数)
SD :自己放電率
(10)式における電流効率η及び自己放電率SDは、それぞれ定数と見なすことができるが(例えば、η=1、SD=0)、電流容量Ahは、温度に依存して変化する。従って、この電流積算による残存容量SOCcの算出に際しては、温度によるセル容量の変動を関数化して算出した電流容量Ahを用いている。
図4は、バッテリ温度Tをパラメータとして、所定の基準とする定格容量(例えば、所定セル数を基準単位とした場合の定格電流容量)に対する容量比Ah’を格納した電流容量テーブルの例を示すものであり、常温(25°C)における容量比Ah’(=1.00)に対し、低温になる程、電流容量が減少するため、容量比Ah’の値が大きくなる。この電流容量テーブルから参照した容量比Ah’を用い、計測対象毎の温度Tにおける電流容量Ahを算出することができる。
この場合、厳密には、バッテリの電流容量は、劣化等によりバッテリの内部インピーダンスが増加すると、減少する。従って、インピーダンス増加割合に応じて電流容量を補正するための電流容量補正係数KAを導入し、この電流容量補正係数KAを用いて図4に示す電流容量テーブルから算出した電流容量Ahを補正することが望ましい(Ah=Ah×KA)。
電流容量補正係数KAは、管理サーバ100から送信されるインピーダンス増加割合であるバッテリ劣化係数KREを用いて決定することができ、図5に示すように、バッテリ劣化係数KREをパラメータとして電流容量補正係数KAを格納した電流容量補正係数テーブルを用いる。この電流容量補正係数テーブルは、バッテリ新品時のKRE=1を基準として(KA=1)、バッテリ劣化係数KREが大きくなる程(バッテリの内部インピーダンスが増加する程)、電流容量補正係数KAが減少する特性を有している。
更に、図4に示す電流容量テーブル及び図5に示す電流容量補正係数テーブルは、1つのテーブルに統合し、バッテリ温度Tとバッテリ劣化係数KREとをパラメータとする電流容量テーブルを用いて電流容量Ahを算出するようにしても良い。図6に示す電流容量テーブルは、図4の電流容量テーブルの特性を基準(KRE=1)として、バッテリ劣化係数KREをパラメータとする特性を追加したものであり、同じ温度では、バッテリ劣化係数KREの値が大きくなる程、容量比Ah’が大きくなり、電流容量が減少する。
以上のように、(10)式に基づいて電流積算による残存容量SOCc(t)を算出する際に、バッテリのインピーダンス増加割合に応じて電流容量を補正することにより、電流積算誤差を抑制することができ、正確な残存容量SOCcを得ることができる。
また、(10)式による残存容量SOCc(t)の演算は、具体的には離散時間処理によって実行され、1演算周期前の合成残存容量SOC(t-1)を、電流積算のベース値として入力している(図3のブロック図における遅延演算子Z-1)。従って、誤差が累積したり、発散することがなく、万一、初期値が真値と大きく異なっていても、所定の時間経過後(例えば、数分後)には、真値に収束させることができる。
一方、開放電圧Voの推定に基づく残存容量SOCvを求めるには、管理サーバ100から送信されるバッテリ劣化係数KREによって初期値Zicを補正したインピーダンス(Zic×KRE)と、実測した端子電圧Vと電流Iを上述の(1)式に適用し、以下の(1’)式により、開放電圧Voの推定値を求める。
Vo=I×(Zic×KRE)+V…(1’)
すなわち、長期間の使用を考慮した場合、バッテリ21が初期状態(劣化していない状態)で求めたインピーダンスを用いて開放電圧を推定すると、推定誤差が大きくなり、開放電圧に基づく残存容量の精度が低下する。従って、バッテリ劣化係数KREで補正したインピーダンス(Zic×KRE)を用いて開放電圧Voを求めることにより、バッテリ21が劣化しても残存容量SOCの推定精度を高精度に維持することができる。
インピーダンスの初期値Zicは、図7に示す等価回路モデルを用いて作成したインピーダンステーブルに格納されている。図7の等価回路は、抵抗分R1〜R3、容量分C1,CPE1,CPE2(但し、CPE1,CPE2は二重層容量分)の各パラメータを、直列及び並列に組合わせた等価回路モデルであり、交流インピーダンス法における周知のCole-Coleプロットをカーブフィッティングすることにより、各パラメータを決定する。
これらのパラメータから求められるインピーダンスは、バッテリの温度や電気化学的な反応速度、充放電電流の周波数成分によって大きく変化する。従って、インピーダンスを決定するパラメータとして、前述の単位時間当たりの電流Iの移動平均値を周波数成分の置き換えとして採用し、電流Iの移動平均値と温度Tとを条件とするインピーダンス測定を行ってデータを蓄積した後、温度Tと単位時間当たりの電流Iの移動平均値とに基づいてインピーダンス(初期値Zic)のテーブルを作成する。
尚、電流Iの移動平均値は、例えば、電流Iのサンプリングを0.1sec毎、電流積算の演算周期を0.5sec毎とした場合、5個のデータを移動平均して求められる。前述したように、電流Iの移動平均値は、ウェイトwを決定するパラメータとしても用いられ、ウェイトw、インピーダンスZicの演算を容易としているが、詳細には、低温になる程、バッテリの内部インピーダンスが増加して電流変化率が小さくなるため、ウェイトw、インピーダンスZicは、直接的には、電流Iの移動平均値を温度補正した補正後電流変化率KΔI/Δtを用いて決定する。
図8は、電流変化率ΔI/Δt(単位時間当たりの電流Iの移動平均値)を温度補正した補正後電流変化率KΔI/Δtとバッテリ温度Tとをパラメータとして、インピーダンスZicを格納したインピーダンステーブルの例を示すものであり、概略的には、補正後電流変化率KΔI/Δtが同じ場合には、バッテリ温度Tが低くなる程、インピーダンスZicが増加し、同じ温度では、補正後電流変化率KΔI/Δtが小さくなる程、インピーダンスZicが増加する傾向を有している。尚、図8及び後述する図9に示すテーブルにおいては、通常の条件下で使用される範囲のデータを示し、他の範囲のデータは記載を省略してある。
開放電圧Voの推定後は、バッテリ内の電気化学的な関係に基づいて残存容量SOCvを演算する。具体的には、平衡状態での電極電位とイオンの活量との関係を記述した周知のネルンストの式を適用し、開放電圧Voと残存容量SOCvとの関係を表すと、以下の(11)式を得ることができる。
Vo=E+[(Rg・T/Ne・F)×lnSOCv/(100−SOCv)]+Y…(11)
但し、E :標準電極電位(例えば、リチウムイオン電池では、E=3.745)
Rg:気体定数(8.314J/mol−K)
T :温度(絶対温度K)
Ne:イオン価数(本形態のリチウムイオン電池では、Ne=1)
F :ファラデー定数(96485C/mol)
尚、(11)式におけるYは補正項であり、常温における電圧−SOC特性をSOCの関数で表現したものである。SOCv=Xとすると、以下の(12)式に示すように、SOCの三次関数で表すことができる。
Y=−10-63+9・10-52+0.013X−0.7311…(12)
以上の(11)式により、残存容量SOCvには、開放電圧Voのみならず温度Tとの間にも強い相関性があることがわかる。この場合、開放電圧Voと温度Tとをパラメータとして、直接、(11)式を用いて残存容量SOCvを算出することも可能であるが、実際には、使用する電池特有の充放電特性や使用条件等に対する考慮が必要となる。
従って、以上の(11)式の関係から実際の電池の状態を把握する場合には、常温でのSOC−Vo特性を基準として、各温度域での充放電試験或いはシミュレーションを行い、実測データを蓄積する。そして、蓄積した実測データから開放電圧Voと温度Tとをパラメータとする残存容量SOCvのテーブルを作成しておき、このテーブルを利用して残存容量SOCvを求める。図9は、残存容量テーブルの例を示すものであり、概略的には、温度T及び開放電圧Voが低くなる程、残存容量SOCvが小さくなり、温度T及び開放電圧Voが高くなる程、残存容量SOCvが大きくなる傾向を有している。
そして、残存容量SOCc,SOCvを算出した後は、前述の(9)式に示したように、残存容量SOCc,SOCvを、テーブル参照等によって決定したウェイトwを用いて重み付け合成し、残存容量SOCを算出する。図10は、ウェイトwを決定するためのウェイトテーブルの例を示し、補正後電流変化率KΔI/Δtをパラメータとする一次元テーブルである。このウェイトテーブルは、概略的には、補正後電流変化率KΔI/Δtが小さくなる程、すなわち、バッテリ負荷変動が小さい程、ウェイトwの値を小さくして電流積算による残存容量SOCcの重みを小さくする傾向を有している。
次に、管理サーバ100におけるバッテリ劣化係数KREの算出処理について、図11に示すフローチャートを用いて説明する。
このバッテリ劣化係数算出処理がスタートすると、先ず、ステップS1において、バッテリ劣化係数KREの算出周期に到達したか否かを判断する。そして、バッテリ劣化係数KREの算出周期でない場合には、ステップS1から処理を抜け、バッテリ劣化係数KREの算出周期に達した場合、ステップS1からステップS2へ進み、データベースに蓄積されたバッテリ温度Tと電流Iから求めた電流時間変化量DIBHとがバッテリ劣化係数算出条件を満足するか否かを調べ、条件を満足するデータ履歴をデータベースから検索する処理を行う。
このバッテリ劣化係数算出条件は、前述の(6),(7)式に示すように、バッテリ21の温度T及び電流時間変化量DIBHが設定範囲内内(例えば、温度T:30〜40°C、電流時間変化量DIBH:40〜60A/s)にあり、安定してインピーダンスを算出可能な状態にある条件であり、バッテリ劣化係数算出条件を満足しない場合には、ステップS2から処理を抜ける一方、バッテリ劣化係数算出条件を満足する場合、ステップS2からステップS3へ進み、条件を満足するデータ群を取得し、これらのデータ群から電流時間変化量DIBHと、前述の(5)式によるインピーダンス算出パラメータDPZとのパラメータ群を求める。
そして、ステップS4で、電流時間変化量DIBHとインピーダンス算出パラメータDPZとのパラメータ群をデータベースに格納し、ステップS5で、DIBH=0且つDPZ=0の条件が成立するように最小二乗法を利用して直線近似を行ってインピーダンスZNを算出する。図12は、電流時間変化量DIBHを横軸、インピーダンス算出パラメータDPZを縦軸として破線で示す近似直線を求めた例を示しており、この近似直線の傾きがインピーダンスZNとして算出される。
インピーダンスZNを算出した後は、ステップS6へ進み、インピーダンスZNと予め保有する補正計算用インピーダンスZRとの比を、バッテリ劣化係数KREとして算出する(上述の(4)式参照)。そして、ステップS7で車両システム10にバッテリ劣化係数KREを送信し、本処理を終了する。
以上の処理によって算出されたバッテリ劣化係数KREは、車両システム10におけるインピーダンスの補正のみならず、バッテリの寿命予測に用いることができる。すなわち、バッテリのインピーダンス増加割合は、経過年数(時間)の関数(対数或いは平方根)と比例関係で示すことができることから、予め、バッテリの新品時からの経過年数(時間)とインピーダンス増加割合との関係を管理サーバ100のデータベースに設定しておき、この関係にバッテリ劣化係数KREを適用し、バッテリ劣化係数KREを算出した時点での経過年数推定値YRLを算出する。
そして、以下の(13)式に示すように、インピーダンス増加割合に対応して予め設定された寿命判定基準である寿命判定経過年数YFNと、算出した経過年数推定値YRLとの差から、寿命到達年数YRSTを算出する。この寿命到達年数YRST或いは寿命到達年数YRSTに基づくバッテリ状態は、車両システム、ユーザ、メーカ等に配信され、バッテリ管理や車両制御のみならず、既存製品の改良や新製品の開発等にフィードバックされる。
YRST=YFN−YRL…(13)
尚、寿命到達年数YRSTは、管理サーバ100のデータベースに予め登録されているバッテリ使用開始時間とバッテリ劣化係数KREを算出した時間とから求めた実経過年数YRRを用いて算出するようにしても良い。すなわち、以下の(14)式に示すように、バッテリ劣化係数KREと実経過年数YRRの関数f(YRR)とから、インピーダンス増加割合と経過年数(時間)との比例関係における比例係数KYRを算出する。
KYR=(KRE−1)/f(YRR)…(14)
そして、以下の(15)式に示すように、この比例係数KYRを用いて寿命判定インピーダンス係数KFNに対応する関数値f((KFN-1)/KYR)を求め、この関数fの逆関数gより求めた寿命判定経過年数と、実経過年数YRRとの差から、寿命到達年数YRSTを算出する。これにより、個々のバッテリの使用状況に応じた劣化状態を把握することができる。
YRST=g((KFN-1)/KYR)−YRR…(15)
以上のように、本実施の形態においては、バッテリのインピーダンスの変化を的確に捉えて劣化状態を正確に推定することができ、このインピーダンス変化を、残存容量等のバッテリ状態を表すパラメータに反映したり、バッテリの寿命予測を行うことで、常に的確なバッテリ管理を行うことができる。
バッテリ管理システムの構成図 車両システムの構成図 バッテリ残存容量の推定アルゴリズムを示すブロック図 バッテリ温度をパラメータとする電流容量テーブルの説明図 バッテリ劣化係数をパラメータとする電流容量補正係数テーブルの説明図 バッテリ温度とバッテリ劣化係数とをパラメータとする電流容量テーブルの説明図 等価回路モデルを示す回路図 インピーダンステーブルの説明図 残存容量テーブルの説明図 ウェイトテーブルの説明図 バッテリ劣化係数算出処理を示すフローチャート インピーダンス算出の説明図
符号の説明
10 車両システム
21 バッテリ
26 通信モジュール
100 管理サーバ
T バッテリ温度
DIBH 電流時間変化量
DPZ インピーダンス算出パラメータ
DVB 電圧時間変化量
DVOC 開放電圧時間変化量
DZ インピーダンス時間変化量
KRE バッテリ劣化係数(インピーダンス増加割合)
Ah 電流容量
SOCc 残存容量(第1の残存容量)
SOCv 残存容量(第2の残存容量)
w ウェイト
SOC 残存容量(合成後の残存容量)
代理人 弁理士 伊 藤 進

Claims (8)

  1. 車両搭載のバッテリの情報をデータベースに格納し、バッテリ管理に反映させるバッテリ管理システムであって、
    上記データベースに格納されたバッテリ情報から算出される電流変化量及び温度が設定範囲内にあるとき、電流変化量のパラメータと、電圧変化量及びインピーダンス変化量に基づくパラメータとを直線近似し、近似した直線の傾きを上記バッテリのインピーダンスとして算出するインピーダンス算出手段と、
    上記インピーダンス算出手段で算出したインピーダンスの初期値に対する増加割合に基づいて上記バッテリの劣化状態を表すバッテリ劣化係数を算出する劣化状態算出手段とを備えたことを特徴とするバッテリ管理システム。
  2. 上記インピーダンス算出手段は、
    上記インピーダンス変化量を、上記バッテリの電流変化量と温度とをパラメータとしてテーブルに格納したインピーダンス初期値と前回算出したインピーダンス増加割合とに基づいて算出することを特徴とする請求項1記載のバッテリ管理システム。
  3. 上記劣化状態算出手段は、
    上記バッテリの電流変化量と温度とに基づいて設定した領域毎に上記バッテリ劣化係数を算出し、各領域のバッテリ劣化係数を平均化して全体のバッテリ劣化係数を算出することを特徴とする請求項1又は2記載のバッテリ管理システム。
  4. 上記劣化状態算出手段は、
    上記バッテリ劣化係数に基づいて、上記バッテリの寿命予測を行うことを特徴とする請求項1〜3の何れか一に記載のバッテリ管理システム。
  5. 上記インピーダンス算出手段及び上記劣化状態算出手段を、上記バッテリを搭載する車両の車両システムと無線通信を介して接続される管理サーバに設け、
    上記管理サーバのデータベースに各車両システムから送信されたバッテリ情報を蓄積し、上記管理サーバから上記バッテリ劣化係数を上記車両システムに送信することを特徴とする請求項1〜4の何れか一に記載のバッテリ管理システム。
  6. 上記車両システムに、
    予め保有するテーブルから読出した電流容量を上記管理サーバから送信されたバッテリ劣化係数に基づいて補正し、補正後の電流容量に基づいて、上記バッテリの残存容量を算出する残存容量算出手段を備えたことを特徴とする請求項5記載のバッテリ管理システム。
  7. 上記車両システムに、
    予め保有するテーブルから読出したインピーダンスを、上記管理サーバから送信されたバッテリ劣化係数に基づいて補正し、補正したインピーダンスを用いて上記バッテリの開放電圧を推定し、推定した開放電圧に基づいて上記バッテリの残存容量を算出する残存容量算出手段を備えたことを特徴とする請求項5記載のバッテリ管理システム。
  8. 上記車両システムに、
    予め保有する電流容量テーブルから読出した電流容量を上記管理サーバから送信されたバッテリ劣化係数に基づいて補正し、補正後の電流容量と上記バッテリの充放電電流の積算値とに基づく第1の残存容量を算出する第1の残存容量算出手段と、
    予め保有するインピーダンステーブルから読出したインピーダンスを上記管理サーバから送信されたバッテリ劣化係数に基づいて補正し、補正後のインピーダンスを用いて推定した上記バッテリの開放電圧に基づく第2の残存容量を算出する第2の残存容量算出手段と、
    上記第1の残存容量算出手段で算出した第1の残存容量と、上記第2の残存容量算出手段で算出した第2の残存容量とを、上記バッテリの使用状況に応じて設定したウェイトを用いて重み付け合成し、上記バッテリの最終的な残存容量を算出する第3の残存容量算出手段とを備えたことを特徴とする請求項5記載のバッテリ管理システム。
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