JP2006096899A - オキシメチレン共重合体の製造方法 - Google Patents

オキシメチレン共重合体の製造方法 Download PDF

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Akira Okamura
顕 岡村
Daisuke Sunaga
大輔 須長
Kazuyoshi Yaguchi
和義 矢口
Masanori Furukawa
昌典 古川
Daigo Nakatani
大吾 中谷
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Abstract

【課題】 熱安定性に優れるオキシメチレン共重合体を高重合度、且つ高収率で連続的に製造する。
【解決手段】 反応混合物を相互に掻き取る機構を有するセルフクリーニング型の反応機を直列に1台以上連結して用い、コモノマーをトリオキサン100重量部に対して4〜50重量部を共重合させてオキシメチレン共重合体を連続的に製造するに際し、1台目の反応機の攪拌軸の回転速度がパドル先端の回転周速度として35m/min以上とするオキシメチレン共重合体の製造方法。
【選択図】 なし

Description

オキシメチレン共重合体は、機械的及び熱的性能に優れており、代表的なエンジニアリングプラスチックとして、機械関連、電気・電子関連、自動車関連などの広範囲な分野で利用されている。近年、利用範囲の拡大に伴って該プラスチックに対する要求性能も高度化する一方で、低コスト化の要求も強く、オキシメチレン共重合体を高収率で得る製造方法が求められている。
本発明は、熱安定性に優れるオキシメチレン共重合体を高重合度で、且つ高収率で連続的に製造する方法に関する。
コモノマーを増量したオキシメチレン共重合体は、ヒンジ特性や耐衝撃性が向上するなどの特長がある。しかしながら、コモノマーを増量した共重合体の場合には、重合反応速度が低下するために、反応混合物が重合反応により固化するまでの時間が長くなると同時に、重合収率の低下が著しい。また、反応混合物が重合反応に伴い固化する段階で、残存するモノマーによって膨潤して粘稠な状態となるために粉砕されにくくなる。そして、重合収率が下がると生産性を損なうばかりでなく、モノマーの回収コストが発生し、経済的に不利になってしまう。
これに対して、触媒の増量により重合反応速度の改善、重合収率の向上は可能であるが、得られたオキシメチレン共重合体は分子末端に熱的に不安定な構造を多く有することになる。また、重合度の低下が著しく実質的な製造が不可能になるという問題があり、その改善が切望されている。
更に、重合直後のオキシメチレン共重合体(粗共重合体と略記することがある。)は、重合反応と解重合反応(分解反応)が競合して生じる為、重合収率、重合度に限界がある。更には、水素引き抜き反応の如く、重合度を低下させたり、粗共重合体に不安定な構造を生成させる副反応が併発する為、粗共重合体は分子末端に熱的に不安定な構造を多く有することになる。従って、重合反応時における解重合反応や水素引き抜き反応といった副反応を制御することができる方法を見出すことが必要となる。
一方、粗共重合体を実用に供するためには前記の不安定な構造を除去して安定化しなければならない。この為、複雑で且つ多量のエネルギーを消費する安定化処理の工程を必要とするが、経済的に有利とは言いがたい。重合反応によって得られた粗共重合体に含まれる不安定な構造が少ないほど、最終製品としても熱安定性に優れたものとなり、また安定化処理工程を簡略化できるなどの利点が期待されるため、粗共重合体中の不安定な構造を低減するための方法も併せて望まれている。
トリオキサンの塊状重合では、重合反応物の急激な固化や発熱が生じるため、反応温度を制御しつつ粉砕された製品として粗共重合体を得るためには特別な方法や装置が必要とされ、これまでに連続的に粗共重合体を製造するための装置として種々の提案がなされている。その多くは単軸又は2軸以上の攪拌軸を有する混合機で、重合反応中、重合混合物に剪断を与え、反応生成物を粉砕された粉粒体として取り出すものである。例えば、完全なセルフクリーニング性を有する反応機として、重合反応機が一対の攪拌軸の外部境界に実質的に沿った長いケースより成り、上記シャフトが、多重の互いにかみ合う楕円形板を持ち、その楕円形板が、その板の長軸端で、相手の表面をなでる様、かみ合う扁平端を持つ重合反応機が提案されている(特許文献1)。更には、鋭利な先端を有する凸レンズ形状のパドル又は擬多角形の板状パドルを組み込んだ反応機について、反応混合物の送りが次第に小さくなるようにパドルを配列する方法が提案されている(特許文献2)。
これらの発明は、重合反応機内部での重合混合物の充填状態を好ましいものとし、且つ、胴内面に付着するスケールの掻き取りと、反応混合物の粉砕を効率的に行うことを目的としており、特に高収率で生成する粗共重合体の熱安定性を高めるための解決策としては十分でなく、特にコモノマーを増量した共重合体の製造に関して満足する結果が得られていないのが現状である。
特開昭51−84890号公報 特公昭62−13973号公報
本発明が解決しようとする課題は、ヒンジ特性や耐衝撃性が向上し、熱安定性に優れるオキシメチレン共重合体を高重合度で、かつ高収率で連続的に製造することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、反応混合物を相互に掻き取る機構を有するセルフクリーニング型の反応機を直列に1台以上連結して用い、コモノマーをトリオキサン100重量部に対して4〜50重量部共重合させてオキシメチレン共重合体を連続的に製造するに際し、1台目の反応機の攪拌軸の回転速度がパドル先端の回転周速度として35m/min以上とすることで上記目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明のオキシメチレン共重合体の製造方法は、熱安定性に優れるオキシメチレン共重合体を高重合度、且つ高収率で連続的に製造することを可能とする。
本発明における好ましい重合方法としては、実質上溶媒を用いない塊状重合法が挙げられ、これは、溶融状態にあるモノマーを用いて重合し、重合の進行と共にモノマー混合液中に重合物が晶析し、やがて系全体が塊状化を経て粉状化され固体状のポリマーを得る方法である。
本発明において用いられる反応機としては、重合反応時の急激な固化、発熱に対処可能な強力な攪拌能力、緻密な温度制御、さらにはスケ−ルの付着を防止するセルフクリ−ニング機能を備えたニ−ダ−が使用される。具体的には、離れた位置に原料供給口と反応生成物の吐出口とを備えた中空胴を持ち、この胴は2個の異心同径の円が重なり合った形状の断面を有し、この胴の内部には上記のそれぞれの円の中心部に胴の長手方向に平行に位置する攪拌軸を備え、該攪拌軸はそれぞれ相互に接するように攪拌軸に固定された1種以上の複数個の板状パドルを有しており、1つのパドルは他の攪拌軸に固定された他のパドルの1つと相対し、該1つのパドルはその先端でそれが属する胴の内側及び該他のパドルと僅少なクリアランスを保って該軸を同時に同方向に回転し、反応混合物を相互に掻き取る構造を有し、この胴の外周に温度制御用のジャケットを備えた反応機である。用いられる板状パドルは、攪拌軸方向に垂直方向の断面が凸レンズ形が好ましく用いられるが、同様に、攪拌軸方向に垂直方向の断面が楕円形又は各頂点で仮想円に内接する擬多角形、更には該断面の該頂角部に対称面を有さない鋭利なスクレーパーを備えているものも使用することができる。またこれらのパドルと併せて一部に送りスクリューや、ヘリカル型パドル及び/又は逆ヘリカル型パドルを用いてもよい。これらのパドル先端と胴内面との間のクリアランスはパドルの外接円の直径の2%以下、特に好ましくは1%以下であること、且つ一方の軸のパドル先端と他方の軸のパドル側面とのクリアランスが上記クリアランスの5倍以下、特に好ましくは2倍以下であることが好ましい。これ以上のクリアランスがある場合には、細かく粉砕された重合反応物が得られず、また胴内面に付着した厚いスケールによってジャケットとの伝熱が妨害され、重合反応物の温度の制御がしばしば困難となることがあるので好ましくない。反応機の胴長さLと異心同径円の重なり合った胴断面の該円の内径Dとの比、即ちL/Dは5〜30であることが好ましく、更に好ましくは6〜15である。
1台目の反応機の攪拌軸の回転速度は、パドル先端の回転周速度を35m/min以上とすることが必要であり、好ましくは50m/minである。その上限としては特に限定されるものではないが反応機の機械強度や電動機の大きさとして一般的な範囲であることは言うまでもなく、通常200m/min以下の範囲で設定される。コモノマーの添加量が低い場合には、モノマー混合液が重合反応に伴って固化する際に粉砕されやすい性状となるが、コモノマーを増量した共重合体の場合には、モノマー混合液が重合反応に伴って固化する段階で、残存するモノマーによって固体が膨潤して粘稠な状態となるために粉砕されにくくなる。一般的には、粘稠物に大きな剪断を連続して与えるほど発熱が生じてしまうために、攪拌軸の回転速度を上げることは困難となり、このような重合反応の場合には重合温度の制御上不利となる。しかしながら、驚くべきことにコモノマーを増量した共重合体の製造においては、寧ろ、パドル先端の回転周速度を上記のように上げた場合に重合度を向上させる効果が高いことがわかった。
反応機内における原料及び重合生成物の充填状態は、特に連続的もしくは段階的に配列を変えて組み込まれるパドルの構成、更には回転数によって制御されるが、本発明に使用されるような攪拌軸が同時に同方向に回転する反応機の場合には、片側軸のみに重合反応物が充填されやすい。反応機の有効容積に対して50容量%以上の充填率で重合反応物が存在する状態では、重合反応物は両側に充填されるが、そのような充填率では、粉粒体が充填される領域において剪断発熱、つまりは粉体圧縮による発熱が発生するため、重合温度の制御上、好ましくない。従って、本発明における反応機内部の充填率としては70容量%未満が好ましく、さらに好ましくは50容量%未満とする。
本発明の実施において、1台目の反応機での滞留時間は、上記の充填率を満たす範囲内で、且つ、晶析開始時間(液状の原料混合液が触媒との接触による反応開始から、相分離もしくは相変化するまでに要する時間)に、60秒を加えた時間、更には晶析開始時間に、90秒を加えた時間とするのが好ましい。滞留時間がこれより短い場合は、1)重合収率の低下が生じ、2)反応混合物が該滞留時間内に十分固化されないために、本来粉粒体が充填されるべき領域にモノマーが進入し、混合されることで反応機内部で過充填の状態となり、動力が上昇する為に安定な連続運転が困難となる、3)更には反応機内部に充填されずにスラリーとして流れ出し、製造不可能となってしまうなどの不具合を生じる。また、反応温度は0〜130℃、好ましくは10〜90℃であり、反応時間は3〜120分、好ましくは5〜100分である。
原料モノマーはホルムアルデヒドの環状三量体であるトリオキサンであり、コモノマーとしては環状ホルマール及び/又は環状エーテルが用いられる。コモノマーとしては、例えば、1,3−ジオキソラン、2−エチル−1,3−ジオキソラン、2−プロピル−1,3−ジオキソラン、2−ブチル−1,3−ジオキソラン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2−フェニル−2−メチル−1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、2,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2−エチル−4−メチル−1,3−ジオキソラン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2,2,4−トリメチル−1,3−ジオキソラン、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン、4−ブチルオキシメチル−1,3−ジオキソラン、4−フェノキシメチル−1,3−ジオキソラン、4−クロルメチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキカビシクロ[3,4,0]ノナン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン、スチレンオキシド、オキシタン、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、テトラヒドロフラン、及びオキセパン等が挙げられる。これらの中でも1,3−ジオキソランが特に好ましい。
コモノマーの添加量は、トリオキサン100重量部に対して、4〜50重量部が好ましく、より好ましくは5〜40重量部であり、最も好ましくは8.5〜20重量部である。コモノマーの使用量がこれより多い場合には重合収率が著しく低下し、実質的に製造不可能となり、少ない場合には、前記のようにモノマー混合液が重合反応に伴って固化する段階で、残存するモノマーによって膨潤した粘稠な状態とならず、粉砕されやすいものとなるため、本発明の効果は非常に小さいか、もしくは認められなくなる。またこの時に、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等の多官能エポキシ化合物を架橋・分岐剤として0.001〜0.2重量部添加してもよい。
重合触媒としては、一般のカチオン活性触媒が用いられる。このようなカチオン活性触媒としては、ルイス酸、殊にホウ素、スズ、チタン、リン、ヒ素およびアンチモン等のハロゲン化物、例えば三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五塩化リン、五フッ化リン、五フッ化ヒ素および五フッ化アンチモン、およびその錯化合物または塩の如き化合物、プロトン酸、例えばトリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸、プロトン酸のエステル、殊にパークロル酸と低級脂肪族アルコールとのエステル、プロトン酸の無水物、特にパークロル酸と低級脂肪族カルボン酸との混合無水物、あるいは、トリエチルオキソニウムヘキサフルオロホスファート、トリフェニルメチルヘキサフルオロアルゼナート、アセチルヘキサフルオロボラート、ヘテロポリ酸またはその酸性塩、イソポリ酸またはその酸性塩などが挙げられる。特に三フッ化ホウ素を含む化合物、あるいは三フッ化ホウ素水和物および配位錯体化合物が好適であり、エ−テル類との配位錯体である三フッ化ホウ素ジエチルエ−テラ−ト、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラートは特に好ましく、その一般的な添加量は、主モノマーのトリオキサンに対して、三フッ化ホウ素換算で、3.0×10−4〜2.0×10−2wt%であり、好ましくは8.0×10−4〜8.0×10−3wt%の範囲で使用される。
重合触媒の添加に際しては、モノマー及び/又はコモノマーとの混合接触後、配管における、閉塞、或いは供給不良を起こすことなく、長期的に安定な連続運転を可能とする必要がある。その方法として、例えば、重合触媒を反応機に導入する前に、予め全量もしくは一部の環状エーテルと合流させ、その後トリオキサンと接触する様に反応機に供給する方法や、トリオキサンと1,3−ジオキソランを混合した原料液に重合触媒を混合し、反応機に供給する方法が挙げられる。その中で、トリオキサンと1,3−ジオキソランを混合した原料液に重合触媒を混合し、反応機に供給してオキシメチレン共重合体を連続的に製造するに際し、重合触媒を混合する時の該原料液の線速度が0.1m/s以上であり、且つ該原料液と触媒を接触、混合させてから反応機に導入されるまでの時間を0.1〜30秒とする方法が好ましく用いられる。
本発明の重合法においても、粗共重合体の重合度調整のために、必要ならば適当な重合度調整剤を用いても良い。この重合度調節剤を添加する目的は重合度を下げて所望の重合度のオキシメチレン共重合体を得ることにある。重合度調整剤としては、カルボン酸、カルボン酸無水物、エステル、アミド、イミド、フェノ−ル類、アセタール化合物などが挙げられる。特にフェノール、2,6−ジメチルフェノール、メチラール、ポリオキシメチレンジメトキシドは好適に用いられ、最も好ましいのはメチラールである。これら重合度調整剤は単独あるいは溶液の形で使用される。溶液で使用する場合、溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチレンジクロライド、エチレンジクロライド等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。その添加量としては、主モノマーのトリオキサンに対し、メチラールとして2×10−1wt%未満の範囲で通常使用される。
重合を完了し、反応機から排出されるオキシメチレン共重合体(粗共重合体)は、次いで直ちに失活剤と混合接触させて重合触媒の失活を行い重合反応を停止することが必要である。本発明では、重合収率が90%以上、好ましくは95%以上に達した時点で触媒を失活させ重合を停止することが好ましい。これよりも低い重合収率で失活を行う場合には、残留モノマーを洗浄により除去して粗共重合体と分離し、これを乾燥し、或いは洗浄液からモノマーを回収するなど、極めて煩雑な工程が必要となり経済的に不利である。
重合反応後の失活方法としては、公知の失活剤の添加を採用することができる。具体的には三価の有機リン化合物、アミン化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物などが使用できる。アミン化合物としては、一級、二級、三級の脂肪族アミンや芳香族アミン、ヘテロ環アミン、ヒンダードアミン類が使用できる。例えば、トリフェニルホスフィン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ−n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、アニリン、ジフェニルアミン、ピリジン、ピペリジン、モルホリンなどが使用できる。これらの中で特に三価の有機リン化合物および三級アミンが好ましく、トリフェニルホスフィンが最も好適である。これらの失活剤を溶液、懸濁液の形態で使用する場合、使用される溶剤は特に限定されるものではないが、水、アルコール類の他、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチレンジクロライド、エチレンジクロライド等の各種の脂肪族及び芳香族の有機溶媒が使用可能である。失活剤の添加量としては、触媒が失活され反応停止が行われる限りにおいて特に制限はないが、通常、触媒の0.5〜30倍モル、特に1〜10倍モルが好ましい。
重合及び失活操作の後、必要に応じて、粗共重合体の洗浄、未反応モノマーの分離回収、乾燥等を行っても良いが、本発明では、高収率で熱安定性に優れる粗共重合体が得られるため、この工程を省略することもできる。更に粗共重合体を実用に供するため、必要に応じて、不安定な構造の分解除去又は安定化物質による不安定な末端構造の封止を目的として、公知の方法にて安定化処理を行うことができる。
安定化処理としては、上記で得られた粗共重合体を加熱溶融して、熱的に不安定な部分を分解除去する方法、及び塩基性水溶液中に導入して加熱し、塩基的に不安定な構造を加水分解により分解除去した後、更に加熱溶融して熱的に不安定な部分を除去する方法が挙げられる。加熱溶融時には、ヒンダードフェノール系化合物、窒素含有化合物、アルカリ或いはアルカリ土類金属の水酸化物、無機塩、カルボン酸塩などの何れか1種又は2種以上を添加してもよい。更に必要に応じて、熱可塑性樹脂に対する一般的な添加剤、例えば、染料、顔料などの着色剤、滑剤、核剤、離型剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、界面活性剤、或いは、有機高分子材料、無機又は有機の繊維状、粉体状、板状の充填剤などを1種又は2種以上添加することができる。
以下に本発明の実施例および比較例を示すが、本発明はこれらに限定されるものでないことは言うまでもない。なお、実施例、比較例中の用語および測定方法を以下に示す。
連続反応機:二つの円が一部重なった内断面を有し、内断面の長径が20cm、L/Dが7.2であり、周囲にジャケットを有する長いケース内に1対のシャフトを備え、それぞれのシャフトには互いにかみ合う擬三角形板が多数はめ込まれ、擬三角形板の先端でケース内面および相手の擬三角形板の表面をクリーニングできる連続混合機。
停止剤混合機:二つの円が一部重なった内断面を有し、内断面の長径が12cm、L/Dが7.2であり、周囲にジャケットを有する長いケース内に1対のシャフトを備え、それぞれのシャフトにはスクリュー様の羽根が多数はめ込まれた構造を有し、供給口部分より停止剤溶液を注入し、連続的に重合生成物と混合せしめる連続反応機。
重合収率:停止処理を施した、粗共重合体20gを20mlのアセトンに浸した後、濾過し、アセトンで3回洗浄した後、60℃で恒量となるまで真空乾燥を施した。しかる後、精秤し、以下の式により重合収率を決定した。
重合収率=M/M×100
;アセトン処理前の重量
;アセトン処理、乾燥後の重量
M値(加熱重量減少率):粗共重合体を10−2Torr減圧下で60℃、24時間乾燥した後、60メッシュの篩を通過した粗共重合体粉末2gに安定剤(トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(チバガイギー社製、商品名イルガノックス245)4.0wt%を加え、よく混合してから試験管に入れ、窒素置換後10Torr減圧下で222℃、2時間加熱した場合の重量減少率を示す。このM値は、その値が低いほど、粗共重合体の熱安定性が高いことを示す。
MI値(溶融指数):粗共重合体100重量部に、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(チバガイギー社製、商品名イルガノックス245)0.3重量部、メラミン0.1重量部、水酸化マグネシウム0.05重量部を添加、混合した後、ラボプラストミルにおいて220℃、窒素気流下で20分間溶融混錬させて安定化処理した後、ASTM−D1238(190℃、2.16kg加重下)に従って測定した。このMI値は、その値が低いほど、粗共重合体の重合度が高いことを示す。
晶析開始時間,塊状化時間:熱媒を通すことのできるジャケットと2枚のZ型攪拌羽根を有し、且つ内部が観察できる内容積1Lのニーダーを重合装置として使用し、モノマー混合液に触媒を投入してから、モノマー混合液が重合反応の進行に伴って相分離(晶析)もしくは相変化するまでの時間を測定した。これに要する時間を晶析開始時間として定義する。同様に、モノマー混合液に触媒を投入してから、相分離もしくは相変化した反応物がスクリューにより粉砕され始めるまでの時間を計測した。これに要する時間を塊状化時間として定義する。
滞留時間:1段目の反応機を連続的に重合反応に供しながら瞬間的に停止し、充填されている内容量を回収して計量し、原料フィード量とから滞留時間を算出した。
滞留時間(分)=1段目の反応機内部に充填された重合反応物(kg)/原料フィード量(kg/分)
実施例1
連続反応装置として、前述の連続反応機2台および停止剤混合機を直列に接続したものを使用し、オキシメチレン共重合体の製造を実施した。1台目の反応機の攪拌軸の回転速度がパドル先端の回転周速度として38m/minとし、該反応機の入口より90.0kg/hrのトリオキサンおよび11.7kg/hrの1,3−ジオキソランと、触媒として三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートのベンゼン溶液(調製濃度:0.3モル/kg)を連続的に供給した。1台目ジャケット温度(重合温度)を85℃、第2段目および停止剤混合機ジャケット温度を各々60℃、40℃に設定した。尚、この場合に使用した触媒の供給量および晶析開始時間と滞在時間との差を表1に示した。また、停止剤混合機の入口より、使用した触媒量の2倍モルのトリフェニルホスフィンをベンゼン溶液(調製濃度:0.6モル/kg)で連続的に供給し、重合を停止し、出口よりオキシメチレン共重合体を収得した。この時に得られたオキシメチレン共重合体の重合収率、MI値、M値を測定し、その結果を併せて表1に示した。
実施例2
1台目の反応機の攪拌軸の回転速度がパドル先端の回転速度として50m/minとし、他の条件は、実施例1と全く同様にしてオキシメチレン共重合体の製造を実施した。結果は表1に示した。
比較例1
1台目の反応機の攪拌軸の回転速度がパドル先端の回転速度として17m/minとし、他の条件は、実施例1と全く同様にしてオキシメチレン共重合体の製造を実施した。結果は表1に示した。
比較例2
表1に示すように使用する触媒量を低下させ、晶析開始時間と滞在時間との差を80秒とし、他の条件は実施例1と全く同様にしてオキシメチレン共重合体の製造を実施した。結果は表1に示した。
Figure 2006096899

Claims (4)

  1. 反応混合物を相互に掻き取る機構を有するセルフクリーニング型の反応機を直列に1台以上連結して用い、コモノマーをトリオキサン100重量部に対して4〜50重量部共重合させてオキシメチレン共重合体を連続的に製造するに際し、1台目の反応機の攪拌軸の回転速度がパドル先端の回転周速度として35m/min以上とすることを特徴とするオキシメチレン共重合体の製造方法。
  2. 反応生成物の1台目の反応機における滞留時間を、晶析開始時間に90秒を加えた時間とする請求項1記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
  3. コモノマーとして1,3−ジオキソランを用いる請求項1又は2に記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
  4. 95%以上の収率で失活処理する請求項1〜3のいずれかに記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
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