JP2006095876A - 静電アクチュエータ型インクジェット記録装置 - Google Patents

静電アクチュエータ型インクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 低消費電力型である静電アクチュエータ型インクジェット記録装置において、気泡排出性及びインク吐出性をさらに高める。
【解決手段】 キャリッジに搭載された静電型インクジェットヘッドからインク滴を飛翔させて画像を形成するインクジェット記録装置であって、
前記静電型インクジェットヘッドとインクを貯留するメインインクタンクとの間のインク流路にインクを一時的に貯留するサブインクタンクを備え、
前記サブインクタンクは、前記サブインクタンク内部のインクを加熱する加熱部材と、前記サブインクタンク内部のインクの温度を検出する温度検出部材を備え、
前記インクの粘度が25℃において1.5〜9mPa・sであるインクジェット記録装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、静電アクチュエータ型のインクジェットヘッドを搭載した静電アクチュエータ型インクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置は、用紙上にインク適を吐出して画像を形成する記録装置である。インクを吐出する機構としては、圧電型、サーマル型等複数の種類のものが実用化されているが、その一つとして静電アクチュエータ型インクジェット記録装置がある。
静電アクチュエータ型インクジェット記録装置は、圧電型やサーマル型と比べて、インク吐出に必要な駆動電力が低い低消費電力型のインクジェット記録装置である。静電アクチュエータ型インクジェット記録装置は、静電気力によりインクを吐出する静電アクチュエータ型インクジェットヘッドを有している。この静電アクチュエータ型インクジェットヘッドは、インクが貯留されている圧力室の一壁を為す振動板を静電気力によって変位・振動させることにより、圧力室内のインクを圧力室に連通したインクノズルから吐出させるものである。振動板は、電極板に対して狭いギャップを介して対向しており、振動板と電極板との間に駆動電圧を印加することにより変位・振動するように構成されている(例えば特許文献1参照)。
ところで、一般にインクジェットプリンタにおいては、インクタンクからインクノズルに至るインク流路内に気泡が発生する場合がある。この気泡はインクの吐出性を低下させてドット抜け等の印刷不具合が発生する一因となる。したがって、印刷品質を高めるためには予めクリーニング処理によってこの気泡を外部に排出する必要がある。
この気泡排出性及びインク吐出性を高めるために、インクジェットプリンタにおいては、インク供給源となるメインインクタンクとインクジェットヘッドとの間にサブインクタンクを設けたものもある。例えば、特許文献2に開示のインクジェットプリンタは、メインインクタンクから供給される高粘性インクを一時的に貯留するサブタンクを備えており、このサブタンクに貯留された高粘性インクをヒータ線により加熱し、高粘性インクを低粘性化させてインクジェットヘッドから気泡の排出性を高めるように構成されている。
また、特許文献3に開示のインクジェットプリンタは、静電型、圧電型、サーマル型の各種インクジェットヘッドにおいて、共通液室の容積を適切にすることにより、気泡排出性と吐出とを両立させている。
特開2001−300421 特開2003−341027 特開2003−326714
静電アクチュエータ型インクジェット記録装置においても、高品位な印刷を実行するためには、その他のインクジェットプリンタと同様に、気泡排出性を高めてインク吐出性を高める必要がある。しかしながら、低消費電力型である静電アクチュエータ型インクジェット記録装置において、気泡排出性及びインク吐出性を高めるためには、さらなる改良が必要とされている。
本発明は、以上を鑑み、気泡排出性及び吐出性を高めることが可能な低消費電力型である静電アクチュエータ型インクジェット記録装置を提供することを目的とする。
(1) キャリッジに搭載された静電型インクジェットヘッドからインク滴を飛翔させて画像を形成するインクジェット記録装置であって、
前記静電型インクジェットヘッドとインクを貯留するメインインクタンクとの間のインク流路にインクを一時的に貯留するサブインクタンクを備え、
前記サブインクタンクは、前記サブインクタンク内部のインクを加熱する加熱部材と、前記サブインクタンク内部のインクの温度を検出する温度検出部材を備え、
前記インクの粘度が25℃において1.5〜9mPa・sであるインクジェット記録装置。
(2) 前記加熱部材は、前記インクの温度が25℃以上となるようにインクを加熱することを特徴とする(1)記載のインクジェット記録装置。
(3) 前記サブインクタンクは、前記キャリッジの外部に設置されていることを特徴とする(1)又は(2)記載のインクジェット記録装置。
(4) 前記サブインクタンクの内壁面の下方側は濡れ性が高く、前記内壁面の上方側は撥水性が高いことを特徴とする(1)〜(3)の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
(5) 前記加熱部材は、インクカートリッジ交換時及びヘッドクリーニング時にのみ、インク温度検出結果に基づきインクの加熱を行うことを特徴とする(1)〜(4)の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
(6) 前記加熱部材は、インクの種類毎に異なる時間加熱を行うことを特徴とする(1)〜(5)の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
本発明の静電型インクジェット記録装置は、静電型インクジェットヘッドとインクを貯留するメインインクタンクとの間のインク流路にインクを一時的に貯留するサブインクタンクを備えており、このサブインクタンクは、サブインクタンク内部のインクを加熱する加熱部材と、サブインクタンク内部のインクの温度を検出する温度検出部材を備え、インクの粘度が25℃において1.5〜9mPa・sである。したがって、本発明によれば、サブインクタンクによってインクが加熱されることによって、インクの粘度を低下させることが可能となり、インク残量によらずインク流路を流れるインクの流動性を高めることができる。よって、インク流路内に気泡が滞留しているような場合であっても、クリーニング処理を行うことにより素早く気泡を装置外に排出することが可能であり、ドット抜けが生じにくい高品位なインクジェット記録装置を提供することが可能である。
具体的には、加熱部材は、インクの温度が25℃以上となるようにインクを加熱するため、インクの粘度は1.5〜9mPa・sと十分に低下する。よって、インク流路を流れるインクの流動性を高めることが可能となり、インク流路内に気泡が滞留しているような場合であっても、クリーニング処理を行うことにより素早く気泡を装置外に排出することが可能であり、ドット抜けが生じにくい高品位なインクジェット記録装置を提供することが可能である。
また、サブインクタンクは、キャリッジの外部に設置されているので、加熱部材や温度検出部材用の配線がキャリッジとともに可動することが無く、固定した状態とすることができる。したがって、故障や誤動作が少なくなり信頼性の高いインクジェット記録装置を提供することができる。また、加熱部材がサブインクタンクとともにインクを加熱しても、インクジェットヘッド自体は加熱部材により直接加熱されないため、インクジェットヘッドが熱の影響により誤動作が生じるといった懸念無くインクジェット記録装置を稼働させることができる。
また、サブインクタンクの内壁面の下方側は濡れ性が高く、前記内壁面の上方側は撥水性が高くなるように構成されているので、サブインクタンク内においてインクがなるべく上方から下方に滑り落ちるようにするとともに、インクと内壁面との間に気泡が滞留せず、気泡がサブインクタンク内のインク上面の大気側に素早く移動するようにして、サブインクタンクからインクジェットヘッド内部に気泡が搬送されることを防いでいる。これにより、サブインクタンクに起因するインクジェットヘッドへの気泡の混入量を減少させ、インクジェットヘッドのインク吐出性を向上させることができる。
また、加熱部材は、インクカートリッジ交換時及びヘッドクリーニング時にのみ、インク温度検出結果に基づきインクの加熱を行うように構成されているので、気泡がインク流路に混入していると考えられる状況でのみ、加熱部材を駆動することができる。したがって、むやみに加熱部材を駆動することにより電力消費量の増加を抑制することができ、本来省電力型である静電型インクジェット記録装置の消費電力をなるべく増加させないで、印刷品位の向上を図ることが可能となる。
また、加熱部材は、インクの種類毎に異なる時間加熱を行うように構成されているので、インク毎に最適な加熱時間の間だけインクを加熱して、気泡の排出性を向上させるとともに、消費電力の増大を抑制することができる。
以下、本発明にかかる静電アクチュエータ型インクジェット記録装置について説明する。
本発明にかかる静電アクチュエータ型インクジェット記録装置は、静電気力によりインクを吐出する静電アクチュエータ型インクジェットヘッドを有するインクジェット記録装置である。この静電アクチュエータ型インクジェット記録装置に用いられるインクのインク粘度は、インク流路内の気泡排出性を高め、インク吐出性を高めるために、25℃において、1.5〜9mPa・sであり、好ましくは1.5〜5mPa・sであり、より好ましくは2〜3mPa・sである。ここで、インク粘度が1.5mPa・sより大きいと、記録媒体へのインクの着弾時にインクがにじみが生じることなく高い印刷品位を保つことができる。また、インク粘度が9mPa・sより小さいとインクの流速が速く、気泡の排出性が高い。
本発明にかかる静電アクチュエータ型インクジェット記録装置は、インクを貯留するメインインクタンクとインクを吐出するインクジェットヘッドとの間のインク流路にサブインクタンクを備えている。このサブインクタンクは、メインインクタンクから供給されるインクを加熱することによりインクを低粘度化するものである。インクを低粘度化することにより、インク流路内でのインクの流動性が向上し、インク流路内に滞留している気泡を効率よくインクジェットヘッドのインクノズルから排出することができる。
以下、具体的な図面を参照しながら、この静電アクチュエータ型インクジェット記録装置の実施形態としてインクジェットプリンタを挙げ説明を行う。
図1は、本実施形態の静電アクチュエータ型インクジェットプリンタの部分外観斜視図である。図2は、インクジェットヘッドの要部断面図である。図3は、本実施形態の静電アクチュエータ型インクジェットプリンタにおけるインク供給流路を模式的に示したブロック図である。図4は、サブインクタンクの概要を示す模式的断面図であり、図5は、サブインクタンクの部分断面斜視図である。図6は、本実施形態の静電アクチュエータ型インクジェットプリンタのサブタンクを介したインク供給制御に関するブロック図である。
図7は、本実施形態の条件を満たすインクの粘度の温度依存性を示すグラフ例である。図8は、加熱時間とインク温度の関係を示すグラフ例である。図9は、本実施形態の静電アクチュエータ型インクジェット記録装置における動作フローを説明するフローチャートである。
本実施形態の静電アクチュエータ型インクジェットプリンタ1は、インクジェット方式の画像記録装置であって、図1に示すように、用紙等の記録媒体Sを搬送ローラ12を介して筐体11の後方から前方に向かう記録媒体搬送方向に搬送しつつ、記録媒体S上にインクを着弾させることにより画像を形成する装置である。
筐体11の両側壁11a,11bには、棒状のガイドレール13の両端がそれぞれ固定されている。このガイドレール13は、その長手方向が記録媒体搬送方向と直交する方向(記録媒体幅方向)に配置されている。このガイドレール13は、キャリッジ14の移動方向を規制するガイド部材である。
キャリッジ14は、ガイドレール13に沿ってスライド可能に取り付けられるとともに、モータ16によって駆動される駆動ベルト15に固定されている。キャリッジ14は、モータ16の回転に応じて、駆動ベルト15とともにガイドレール長手方向に沿って往復移動する。
また、キャリッジ14の下面側には、インク供給チューブ19を介してキャリッジ14の外部から供給されるインクを記録媒体Sに向かって吐出するインクジェットヘッド20が取り付けられている。インクジェットヘッド20は、例えばCMYKの4色のインクを吐出可能なヘッドであり、キャリッジ14を記録媒体幅方向に往復移動させつつ、搬送ローラ12を介して記録媒体搬送方向に記録媒体を搬送することによって、記録媒体の所定領域または全面にわたってインクを吐出しながら記録媒体上に画像を記録する。このインクジェットヘッド20は、右側側壁11b近傍に設けられたキャップ装置18によって電源オフ等の待機時にはキャップされ外部から封止された状態で保管される。
インクジェットヘッド20は、静電アクチュエータ型のインクジェットヘッドであって、図2に示すように、ガラス基板21の上にキャビティプレート22,ノズルプレート23が順に積層配置された積層構造体である。
ガラス基板21上には、凹部21aが形成されており、この凹部21a上には電極板24が配置されている。ガラス基板21上にキャビティプレート22が配置された状態では、電極板24とキャビティプレート22との間にギャップ25が形成されている。キャビティプレート22において電極板24と対向する部位は薄肉の板状部材である変位板(振動板)26とされている。
キャビティプレート22とノズルプレート23との間には、共通インク室27,圧力室28,及び共通インク室27と圧力室28を連通する圧力室連通孔29が形成されている。
共通インク室27は、ガラス基板21及びキャビティプレート22を貫通するインク供給孔30が連通している。この共通インク室27には、インク供給孔30を介して外部のインク供給チューブ19からインクが色毎に供給され、そして圧力室連通孔29を介して圧力室28内にインクが供給される。圧力室28はノズルプレート23に形成されたインクノズル31に連通しており、このインクノズル31からインクが吐出されて記録媒体上にインクが着弾する。
なお、図2では、圧力室28は、一つしか図示されていないが、紙面手前方向又は奥行き方向に複数の圧力室が形成されており各圧力室に対して、共通インク室27からインクが供給されるように構成されている。
インクジェットヘッド20では、ヘッドドライバ35が作り出すパルス電圧が電極板24とキャビティプレート22間に印加される。ヘッドドライバ35からパルス電圧が印加されると、電極板24に対向するキャビディプレート22の変位板26が静電気力によって変位・振動し、圧力室28の容積が変化する。圧力室28内のインクは、この変位板26の変位・振動によりインクノズル31から押し出され、インク適として外部に吐出される。このような、インクジェットヘッド20は、一般に静電アクチュエータ型と呼ばれ、駆動電力が小さいため、省電力型のインクジェットプリンタに最適である。
本実施形態では、図1及び図3に示すように、インクは、インクを貯留保存するメインタンク40(図1には不図示)から一方の側壁11b近傍に配置されたサブインクタンク50を経てインクジェットヘッド20に供給される。本実施形態では、サブインクタンク50は、キャリッジ14の外部に設置されたいわゆるオフキャリッジタイプである。メインインクタンク40としては、例えば交換可能なインクカートリッジ式のものが例示される。
図4に示すように、サブインクタンク50には、上面に大気解放孔52aが形成されたインクハウジング52が内部に色の数に応じて形成されており、メインインクタンク40に連通するサブインクタンク供給口51からインクがインクハウジング52内部に供給されて、一時的に貯留される。内部に貯留されたインクは、インク送出口53から送出され、図1に示す供給チューブ19を介してインクジェットヘッド20にインクが供給される。
インクハウジング52の壁部52bの内部には、電熱線等からなるヒータ55がインクハウジング52の側面及び底面を覆うように埋設されている。このヒータ55は、インクハウジング52内部のインクを加熱するための加熱部材であり、インクを加熱することによりインクの粘性を低下させ、インクの流動性を向上させる。
また、サブインクタンク50内部には、温度検出手段として温度センサ56とインク残量検出手段として、インク残量センサ57が設けられている。
温度センサ56は、サブインクタンク50内部のインクの温度を検出するセンサであり、サブインクタンク50内部のインクの温度に応じた信号を温度検出回路81に出力する。温度検出回路81は、温度センサ56から出力された信号を元にデジタル信号を生成して、後述する制御部70に出力する。
一方、インク残量センサ57は、サブインクタンク50内部のインクの残量を検出するセンサであり、例えば、サブインクタンク50内部のインクがある一定量以下となった場合に、残量低下信号をインク残量検出回路82に出力する。インク残量検出回路82は、インク残量センサ57から出力された信号を元にデジタル信号を生成して、後述する制御部70に出力する。
本実施形態では、サブインクタンク50には、インク残量センサ57の検出状況に応じてインクが供給され、そして温度センサ56が検出したインク温度に応じてヒータ55によるインク加熱が行われるように構成されている。この詳細については、後述する。
次に、図6を参照しながら、本実施形態の静電アクチュエータ型インクジェットプリンタのサブタンクを介したインク供給制御について説明する。
本実施形態の静電アクチュエータ型インクジェットプリンタ1は、インク供給制御用の構成機構として、先に説明した温度センサ56と温度検出回路81からなる温度検出部及びインク残量センサ57とインク残量検出回路82からなるインク残量検出部からそれぞれ検出信号が制御部70に出力される。そして、この制御部70からの指示に応じて、ヒータ55とヒータ駆動回路83からなるヒータ部、インク弁91と弁駆動回路84からなるインク弁部、ポンプ92とポンプ駆動回路85からなるポンプ部が動作制御されて、サブインクタンク50へのインクの供給及びサブインクタンク50内のインクの加熱が行われる。
制御部70は、ROM71,CPU72,RAM73等から構成され、例えばROM71内に記憶されたファームウェアをCPU72が実行することにより、静電アクチュエータ型インクジェットプリンタ1の各種動作制御が為される。RAM73は、CPU72の記憶領域として用いられ、ホストコンピュータから送信される各種コマンドが一時的にバッファされたり、印刷コマンドがビットマップ展開されて一時的にバッファされたりする領域として用いられる。
ヒータ55は、ヒータ駆動回路83により制御されてサブインクタンク50内部のインクを加熱する。ヒータ駆動回路83は、制御部70からの指示に応じて、ヒータ55にサブインクタンク50内部のインクを所定時間加熱させることにより、サブインクタンク50内の温度を一定温度以上に保つようにする。
インク弁91は、メインインクタンク40からサブインクタンク50に至るインク流路を開閉する弁である。このインク弁91は、弁駆動回路84からの駆動信号に基づき開閉する。制御部70は、インク残量センサ57及びインク残量検出回路82から出力されるインク残量信号に基づき、インク弁91を閉から開に切り替え、メインインクタンク40からサブインクタンク50にインクを供給させる。
ポンプ92は、メインインクタンク40からサブインクタンク50にインク圧送するためのポンプである。このポンプ92は、ポンプ駆動回路85からの駆動信号に基づきポンプ92を駆動させる。
次に、本実施形態ではヒータ55を用いてインクハウジング52内部のインクを加熱し、インクの粘性を低下させてインクの流動性を向上させるとしたがこの理由について説明する。
本実施形態の静電アクチュエータ型インクジェット記録装置1に用いられるインクのインク粘度は、インク流路内の気泡排出性を高め、インク吐出性を高めるために、25℃において、1.5〜9mPa・sであり、好ましくは1.5〜5mPa・sであり、より好ましくは2〜3mPa・sである。
図7に示すように、本実施形態のインクは、一例を挙げると、25℃で粘度が2.65mPa・s程度となっている。一般に、インクは温度が低下するとともに粘度が高くなっており、図6のインクにおいても、温度の低下につれて粘度が高くなっているのがわかる。このようにインクの粘度が高くなると、一般にはインクの流動性が低下しインクの流れ(流速)が低下する。
また、インクジェットプリンタでは、一般的にメインインクタンク40からインクジェットヘッド20のインクノズル31に至るインク流路中に気泡等が発生し、インクの吐出性を低下させるという問題がある。この気泡をインク流路から排出してインクの吐出性向上を図るために、キャップ装置18を用いたインク吸引やフラッシング動作が為されるが、インク流路内におけるインクの流れが悪い、すなわちインクの流速が低いと気泡の排出性が低下し、気泡が十分に排出されないまま印刷が行われてドット抜けが生じるという問題もある。
そこで、本実施形態では、サブインクタンク50にてインクの温度を加熱することにより、インクの粘度を低下させ、インクの流れをよくして気泡の排出性を向上させるように構成させている。ここでは、インクの温度が25℃以上となるように加熱してやることにより、インクの粘度が1.5〜9mPa・s、好ましくは1.5〜5mPa・s、より好ましくは2〜3mPa・sとなるようにする。このサブインクタンク50は、常時インクの温度を上昇させる用に構成させることは可能であるが、気泡排出性を考慮すると、少なくともインクジェットヘッドのクリーニング時やインクカートリッジの交換時にインクの温度を加熱するように構成しても良い。
特に、インクの加熱には相応の電力が必要となるため、省電力型のインクジェットプリンタとする場合には、インクジェットヘッドのクリーニング時やインクカートリッジの交換時等のみにインクの温度を加熱するようにすることが好ましい。
また、本実施形態では、制御部70は、ヒータ駆動回路83及びヒータ55を介してサブインクタンク50内のインク温度が所定温度以上になるまで加熱するために、温度センサ56及び温度検出回路81が検出したインク温度に基づき、ヒータ55の加熱時間を設定するように構成されている。
例えば、図8に示すように、インクの加熱前の温度が5℃,10℃,15℃のインクは、同じヒータを用いて加熱をしても温度上昇度合いが異なり、所定温度(図8では、25℃)まで加熱するために必要なヒータの駆動時間が異なる。本実施形態では、制御部70は、所定温度まで加熱するために必要なヒータの駆動時間が初期温度毎にテーブル化してROM71内に保存されており、温度センサ56により検出される初期温度とこのテーブルとに応じてヒータ55の駆動時間が決定され、ヒータ55が駆動される。すなわち、本実施形態では、制御部70は、内部のインクの特性と加熱前温度とに応じて、ヒータ55による加熱時間を決定するようにプログラミングされている。
例えば、初期温度が5℃の場合には、制御部70は、テーブルを参照してヒータ加熱時間をΔt3に設定する。ヒータ55がΔt3時間の間駆動されると、サブインクタンク55内のインクの温度は22.5℃程度まで上昇し、その後ヒータ55及び周囲の壁部52bの予熱により加熱されて25℃に達するように構成されている。このように、構成することにより、インクの粘性が低下し、インクの流動性が向上して、気泡の抜けが良くなる。
なお、図8では、ある色のインクについて示したが、色が異なればインクの成分も異なり、所定温度まで加熱するために必要なヒータの駆動時間も異なっている。したがって、複数の色を印刷する場合には、各色毎に、所定温度まで加熱するために必要なヒータの駆動時間を初期温度毎にテーブル化してROM71内に保存しておく。
また、本実施形態のサブインクタンク50は、インクを貯留する内壁面52c上に二種類の加工が施されている。具体的には、図5に示すように、内壁面52cの下方側Xにはインクに対する濡れ性の高いコーティング加工が施されており、一方内壁面52cの上方側Yにはインクをはじく撥水性の高いコーティング加工が施されている。このように構成することにより、サブインクタンク50内においてインクがなるべく上方から下方に滑り落ちるようにするとともに、インクと内壁面52cとの間に気泡が滞留せず、気泡がサブインクタンク50内のインク上面の大気側に素早く移動するようにして、サブインクタンク50からインク送出口53に気泡が流入するのを防ぎ、供給チューブ19を介してインクとともにインクジェットヘッド20内部に気泡が搬送されることを防いでいる。これにより、サブインクタンク50に起因するインクジェットヘッド20への気泡の混入量を減少させ、インクジェットヘッド20のインク吐出性を向上させている。
次に、図9を参照しながら、本実施形態の静電アクチュエータ型インクジェット記録装置1における具体的な動作のフローを説明する。以下の説明では、インク充填時、ヘッドクリーニング時におけるクリーニング実行のフローを説明する。
まず、静電アクチュエータ型インクジェット記録装置1は、クリーニングを実行する前処理として、サブインクタンク50内のインクの温度を温度センサ56を介して検出する(ステップS1)。そして、制御部70が、検出された温度値が所定値以下であるかを判断する(ステップS2)。制御部70は、この検出された温度値を所定値と比較することにより、サブインクタンク50内のインクの粘度が所定値以上となっているかを判断する。
ステップS2において、インクの温度が所定値よりも高ければ、ステップS7に移行し、所定のクリーニング動作を行う。所定のクリーニング動作が行われることにより、インク流路内の気泡が排出され、静電アクチュエータ型インクジェット記録装置1のインク吐出性を向上させることができる。
一方、ステップS2において、インクの温度が所定値以下であれば、ステップS3〜ステップS6に移行し、インクの温度を上昇させてインクの粘度を低下させる処理を行う。具体的には、制御部70は、ROM71内に記憶されたテーブルを参照して、インクの温度を所定値以上とするまでに必要な加熱時間を求め(ステップS3)、そしてヒータ駆動回路83にヒータ55を駆動するように指示する。これにより、ヒータ55に電流が流れ、インクの加熱が開始される(ステップS4)。
制御部70は、ステップS3で求めた加熱時間が経過したかどうかを監視し(ステップS5)、加熱時間が経過するとステップS6に移行してヒータ駆動回路83にヒータ55の駆動を停止するように指示する。ヒータ55は、その後予熱により、インクの加熱を継続し最終的にインクの温度は所定値以上となる。
インクの温度が所定値以上となると、ステップS7に移行し、所定のクリーニング動作を行う。所定のクリーニング動作が行われることにより、インク流路内の気泡が排出され、静電アクチュエータ型インクジェット記録装置1のインク吐出性を向上させることができる。
なお、上記説明では、インクの加熱前温度に応じてヒータ55の駆動時間を決定するとして説明を行ったが、これに限られることはなく、温度センサ56によりリアルタイムで温度値を検出し、この検出された温度値に応じてヒータ55のON/OFFをフィードバック制御するように構成しても良い。
以下、本発明にかかる静電アクチュエータ型インクジェット記録装置に用いられるインクについて、実施例及び比較例を挙げて説明する。
(1.インク)
実施例及び比較例に使用したインクと、そのインクの粘度の温度特性を表1に示す。本実施例及び比較例では、TM−C100(セイコーエプソン製)搭載のインク組成において、グリセリン量とイオン交換水量を調整してインクを作成した。なお、以下の表1において、各温度あたりの粘度の単位は、(mPa・s)である。
Figure 2006095876
表1より、実施例1〜3及び比較例1〜2のインク全てについて、温度が上昇すると粘度が低下していることがわかる。
なお、実施例1、2、3、及び比較例1、2のインク組成物は、表2に示す割合で各成分を混合し、室温で1時間攪拌して調製した。表2に示す添加量は全て重量%濃度として表されており、顔料分散液は固形分濃度で表されている。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100部となるようにイオン交換水を加えることを意味する。顔料分散液は、マイクロジェットCW−1(商品名;オリエント化学工業(株)製)を使用した。
Figure 2006095876
(2.インク流速)
実施例及び比較例に使用したインク流速の温度特性を表3に示す。TM−C100搭載の吸引ポンプにて、単位時間当たりの吸引インク量から、インク流速を求めた。なお、以下の表3においてインク流速の単位は、g/sである。
Figure 2006095876
(3.気泡排出試験結果)
次に、実施例及び比較例の気泡排出試験結果を表4に示す。TM−C100のインクジェットヘッドからインクカートリッジ間のインクチューブ内に、意図的に気泡を入れて、所定のクリーニング動作で気泡が排出できるか確認した。
Figure 2006095876
○:気泡が排出できた。
×:気泡がインク流路内に残っていた。
表4より、実施例1〜3のインクでは5℃から45℃の全ての領域において、気泡は排出されたが、比較例1のインクでは5℃において、そして比較例2のインクでは、5,10,15℃において気泡がインク流路に残留してしまい排出されなかった。
以上の結果から、インク流速が0.1g/s以下になると、クリーニング動作において気泡が排出できないことがあることがわかった。上記表1と表3を用いてインク流速を粘度に換算すると、9mPa・sを越えると、クリーニング動作において気泡が排出できないことがあるといえる。
しかしながら、表4から、実施例1〜3のインク及び比較例1〜2のインク全てについて、温度が20℃より高くなると、最も高い粘度は8.3mPa・sと、全て9mPa・s以下となり、気泡が良好に排出されたことがわかる。実際には、気泡排出性だけではなく、高印字品質を求めるのであれば、25℃におけるインク粘度が2〜3mPa・sであり、プリンタ使用環境における粘度変化が1.3〜4.0mPa・sがより望ましい。
本発明にかかる実施形態の静電アクチュエータ型インクジェットプリンタの部分外観斜視図である。 インクジェットヘッドの要部断面図である。 本実施形態の静電アクチュエータ型インクジェットプリンタにおけるインク供給流路を模式的に示したブロック図である。 サブインクタンクの概要を示す模式的断面図である。 サブインクタンクの部分断面斜視図である。 本実施形態の静電アクチュエータ型インクジェットプリンタのサブタンクを介したインク供給制御に関するブロック図である。 本実施形態の条件を満たすインクの粘度の温度依存性を示すグラフ例である。 加熱時間とインク温度の関係を示すグラフ例である。 本実施形態の静電アクチュエータ型インクジェット記録装置における動作フローを説明するフローチャートである。
符号の説明
1 静電型インクジェットプリンタ
11 筐体
11 キャリッジ
20 インクジェットヘッド
40 メインインクタンク
50 サブインクタンク
55 ヒータ
56 温度センサ
57 インク残量センサ
70 制御部
81 温度検出回路
82 インク残量検出回路
83 ヒータ駆動回路

Claims (6)

  1. キャリッジに搭載された静電型インクジェットヘッドからインク滴を飛翔させて画像を形成するインクジェット記録装置であって、
    前記静電型インクジェットヘッドとインクを貯留するメインインクタンクとの間のインク流路にインクを一時的に貯留するサブインクタンクを備え、
    前記サブインクタンクは、前記サブインクタンク内部のインクを加熱する加熱部材と、前記サブインクタンク内部のインクの温度を検出する温度検出部材を備え、
    前記インクの粘度が25℃において1.5〜9mPa・sであるインクジェット記録装置。
  2. 前記加熱部材は、前記インクの温度が25℃以上となるようにインクを加熱することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記サブインクタンクは、前記キャリッジの外部に設置されていることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記サブインクタンクの内壁面の下方側は濡れ性が高く、前記内壁面の上方側は撥水性が高いことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記加熱部材は、インクカートリッジ交換時及びヘッドクリーニング時にのみ、インク温度検出結果に基づきインクの加熱を行うことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記加熱部材は、インクの種類毎に異なる時間加熱を行うことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
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