JP2006095704A - 液体噴射装置および液体噴射装置の液体払拭装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノズル面に接触する先端部が平らでない非平坦部分を有する払拭部材に付着する液体を確実に除去することができる液体噴射装置および液体噴射装置の液体払拭装置を提供すること。
【解決手段】液体を噴射するノズル面61に付着した液体を払拭する液体払拭装置130を備える液体噴射装置10であって、液体払拭装置130は、ノズル面61に接触する部分は非平坦部分163を有する払拭部材131であり、非平坦部分163をノズル面61に対して相対的に移動することでノズル面61を払拭する払拭部材131と、複数の切り込み部分180ないし185を有し、切り込み部分180ないし185を払拭部材131の非平坦部分163に倣うように当てることで非平坦部分163に付着した液体を拭き取るための液体拭き取り部140と、液体拭き取り部140により拭き取られた非平坦部分163における拭き残しの液体を吸収する液体吸収部141とを備える。
【選択図】図7
【解決手段】液体を噴射するノズル面61に付着した液体を払拭する液体払拭装置130を備える液体噴射装置10であって、液体払拭装置130は、ノズル面61に接触する部分は非平坦部分163を有する払拭部材131であり、非平坦部分163をノズル面61に対して相対的に移動することでノズル面61を払拭する払拭部材131と、複数の切り込み部分180ないし185を有し、切り込み部分180ないし185を払拭部材131の非平坦部分163に倣うように当てることで非平坦部分163に付着した液体を拭き取るための液体拭き取り部140と、液体拭き取り部140により拭き取られた非平坦部分163における拭き残しの液体を吸収する液体吸収部141とを備える。
【選択図】図7
Description
本発明は、液体噴射ヘッドのノズル面から液体を噴射するようになっている液体噴射装置および液体噴射装置の液体払拭装置に関する。
ターゲットに対して液体を噴射させる液体噴射装置として、記録ヘッドから記録媒体に対してインク滴を噴射させて印刷を行うインクジェット式記録装置は、記録ヘッドのノズルから記録媒体に対して微小なインク滴を吐出させて、所望の文字や図形等の画像を記録する。
このインクジェット式記録装置は、記録動作時において、記録ヘッドが記録媒体と近接するために、インク滴が記録媒体と衝突した際に発生するインクの飛び散りが記録ヘッドのノズル面に跳ね返りノズル面を汚染することがある。
このインクジェット式記録装置は、記録動作時において、記録ヘッドが記録媒体と近接するために、インク滴が記録媒体と衝突した際に発生するインクの飛び散りが記録ヘッドのノズル面に跳ね返りノズル面を汚染することがある。
特にオンデマンド型のインクジェット式記録装置の記録ヘッドにおいては、インク滴の吐出がノズル近傍のインクへの微弱な加圧力によるために、インク滴の吐出エネルギーが小さく、記録媒体と数mm程度の間隔でしか配置されておらず、インクの飛び散りの跳ね返りがノズル面に付着し易い。しかしながら加圧力が小さいため一旦ノズル内の目詰まりが発生すると、この目詰まりを容易に自己復帰させることはできない。
このため、記録ヘッドのノズルの目詰まりを予防あるいは回復するために、非印字動作中にノズル開口よりインクを吸引して目詰まりをしたインクを排出させるために、吸引作業が行われる。
この吸引を行った後にノズル面にインクが残留することがあり、ノズル面を汚染することがある。このような記録ヘッドのノズル面の汚染は、記録媒体の繊維や塵埃の付着を招き、記録ヘッドの長時間の使用においてノズルの目詰まりの原因となったり、インクの吐出不良や吐出時のインク滴の飛行曲がり等の悪影響を及ぼすことがあった。
このようなノズル面のインクを除去するために、ワイパーブレードが用いられ、このワイパーブレードは、ノズル面のインクを拭き取って除去する。このワイパーブレードがノズル面のインクを除去すると、ワイパーブレードにはインクが付着して残る。このワイパーブレードに付着したインクを掻き落としてそして残りのインクを回収する装置が提案されている(たとえば特許文献1)。
特開平11−254707号公報(第9頁、図4)
この吸引を行った後にノズル面にインクが残留することがあり、ノズル面を汚染することがある。このような記録ヘッドのノズル面の汚染は、記録媒体の繊維や塵埃の付着を招き、記録ヘッドの長時間の使用においてノズルの目詰まりの原因となったり、インクの吐出不良や吐出時のインク滴の飛行曲がり等の悪影響を及ぼすことがあった。
このようなノズル面のインクを除去するために、ワイパーブレードが用いられ、このワイパーブレードは、ノズル面のインクを拭き取って除去する。このワイパーブレードがノズル面のインクを除去すると、ワイパーブレードにはインクが付着して残る。このワイパーブレードに付着したインクを掻き落としてそして残りのインクを回収する装置が提案されている(たとえば特許文献1)。
特許文献1では、ワイピング面に付着したインクを除去するために、第1のブレードクリーナーと第2のブレードクリーナーを有している。第1のブレードクリーナーは、回転して移動するワイパーブレードに接触させて大部分の付着インクを掻き落とす。第2のブレードクリーナーは、回転して移動するワイパーブレードに残ったインクを接触して吸収する。つまり、第1ブレードクリーナーと第2ブレードクリーナーは、回転するワイパーブレードに付着しているインクを除去するものであり、ワイパーブレードは、ワイパー回転軸を中心として回転する形式のものである。
ワイパーブレードのノズル面に接触する先端部が平らな場合には、第1ブレードクリーナーと第2ブレードクリーナーは付着インクを掻き落として残ったインクを吸収することができる。
しかし、ワイパーブレードのノズル面に接触する先端部が平坦でない、たとえば図10のようなくさび状のワイパーブレードを用いる場合には、このような第1ブレードクリーナーと第2ブレードクリーナーを用いても、第1ブレードクリーナーと第2ブレードクリーナーは、くさび状のワイパーブレードの拭き取る面に付着したインクを掻き取れず、しかも残ったインクを十分に吸い取ることが難しくなる。仮に第2ブレードクリーナーが残ったインクを十分に吸い取れるにしても、第2ブレードクリーナーのインク吸収性が劣化してしまう。このために、くさび状のワイパーブレードには付着したインクの量が多くなり、くさび状のワイパーブレードのノズル面におけるインクの払拭の精度が低下してしまう。
そこで本発明は上記課題を解消し、ノズル面に接触する先端部が平らでない非平坦部分を有する払拭部材に付着する液体を確実に除去することができる液体噴射装置および液体噴射装置の液体払拭装置を提供することを目的としている。
しかし、ワイパーブレードのノズル面に接触する先端部が平坦でない、たとえば図10のようなくさび状のワイパーブレードを用いる場合には、このような第1ブレードクリーナーと第2ブレードクリーナーを用いても、第1ブレードクリーナーと第2ブレードクリーナーは、くさび状のワイパーブレードの拭き取る面に付着したインクを掻き取れず、しかも残ったインクを十分に吸い取ることが難しくなる。仮に第2ブレードクリーナーが残ったインクを十分に吸い取れるにしても、第2ブレードクリーナーのインク吸収性が劣化してしまう。このために、くさび状のワイパーブレードには付着したインクの量が多くなり、くさび状のワイパーブレードのノズル面におけるインクの払拭の精度が低下してしまう。
そこで本発明は上記課題を解消し、ノズル面に接触する先端部が平らでない非平坦部分を有する払拭部材に付着する液体を確実に除去することができる液体噴射装置および液体噴射装置の液体払拭装置を提供することを目的としている。
上記目的は、本発明にあっては、液体を噴射するためのノズル面に付着した前記液体を払拭する液体払拭装置を備える液体噴射装置であって、前記液体払拭装置は、前記ノズル面に接触する部分は非平坦部分を有する払拭部材であり、前記非平坦部分を前記ノズル面に対して相対的に移動することで前記ノズル面を払拭する前記払拭部材と、複数の切り込み部分を有し、前記切り込み部分を前記払拭部材の前記非平坦部分に倣うように当てることで前記非平坦部分に付着した前記液体を拭き取るための液体拭き取り部と、前記液体拭き取り部により拭き取られた前記非平坦部分における拭き残しの前記液体を吸収する液体吸収部と、を備えることを特徴とする液体噴射装置により、達成される。
本発明の構成によれば、液体払拭装置の払拭部材は、ノズル面に接触する部分が非平坦部分を有する。この払拭部材は、非平坦部分をノズル面に対して相対的に移動することでノズル面を払拭する。
液体払拭装置の液体拭き取り部は、複数の切り込み部分を有し、切り込み部分を払拭部材の非平坦部分に倣うように当てることで、非平坦部分に付着した液体を拭き取る。
液体吸収部は、液体拭き取り部により拭き取られた非平坦部分における拭き残しの液体を吸収する。
これにより、払拭部材のノズル面に接触する部分が非平坦部分であっても、液体拭き取り部の複数の切り込み部分を払拭部材の非平坦部分に倣うように当てることで非平坦部分に付着した液体を確実に掻き取ることができる。
液体吸収部は、液体拭き取り部の複数の切り込み部分により拭き取られた後に、仮に複数の切り込み部分の間から非平坦部分において液体の拭き残しがあったとしても、確実に拭き残しの液体を吸収して除去することができる。
このように、払拭部材のノズル面に接触する部分が非平坦部分であっても、この非平坦部分には液体が付着して残ることがなく、これによってノズル面に対する払拭部材の払拭能力を確保することができる。
本発明の構成によれば、液体払拭装置の払拭部材は、ノズル面に接触する部分が非平坦部分を有する。この払拭部材は、非平坦部分をノズル面に対して相対的に移動することでノズル面を払拭する。
液体払拭装置の液体拭き取り部は、複数の切り込み部分を有し、切り込み部分を払拭部材の非平坦部分に倣うように当てることで、非平坦部分に付着した液体を拭き取る。
液体吸収部は、液体拭き取り部により拭き取られた非平坦部分における拭き残しの液体を吸収する。
これにより、払拭部材のノズル面に接触する部分が非平坦部分であっても、液体拭き取り部の複数の切り込み部分を払拭部材の非平坦部分に倣うように当てることで非平坦部分に付着した液体を確実に掻き取ることができる。
液体吸収部は、液体拭き取り部の複数の切り込み部分により拭き取られた後に、仮に複数の切り込み部分の間から非平坦部分において液体の拭き残しがあったとしても、確実に拭き残しの液体を吸収して除去することができる。
このように、払拭部材のノズル面に接触する部分が非平坦部分であっても、この非平坦部分には液体が付着して残ることがなく、これによってノズル面に対する払拭部材の払拭能力を確保することができる。
本発明では、前記複数の各切り込み部分は、前記非平坦部分の前記液体が付着している部分に対面するように格子状に形成された弾性変形可能な切り込み片であることが望ましい。
本発明の構成によれば、複数の各切り込み部分は、格子状に形成された弾性変形可能な切り込み片である。この切り込み片は非平坦部分の液体が付着している部分に対面する。
これにより、払拭部材は弾性変形しながら非平坦部分に付着している液体を確実に拭き取ることができる。
本発明の構成によれば、複数の各切り込み部分は、格子状に形成された弾性変形可能な切り込み片である。この切り込み片は非平坦部分の液体が付着している部分に対面する。
これにより、払拭部材は弾性変形しながら非平坦部分に付着している液体を確実に拭き取ることができる。
本発明では、前記液体吸収部は、前記液体拭き取り部とともに前記払拭部材の前記液体の付着した部分に対して相対的に移動することが望ましい。
本発明の構成によれば、液体吸収部は、液体拭き取り部とともに、払拭部材の液体の付着した部分に対して相対的に移動する。
これにより、払拭部材における付着した液体は、液体拭き取り部により拭き取った後に液体の拭き残しがあっても、液体吸収部により拭き残しの液体を確実に吸収することができる。
本発明の構成によれば、液体吸収部は、液体拭き取り部とともに、払拭部材の液体の付着した部分に対して相対的に移動する。
これにより、払拭部材における付着した液体は、液体拭き取り部により拭き取った後に液体の拭き残しがあっても、液体吸収部により拭き残しの液体を確実に吸収することができる。
本発明では、前記液体拭き取り部と前記液体吸収部は、位置が固定されており、前記払拭部材を前記液体拭き取り部と前記液体吸収部に対して移動することで前記液体の拭き取りと前記液体の吸収を行うための払拭部材の移動操作部を有することが望ましい。
本発明の構成によれば、液体拭き取り部と液体吸収部は位置が固定されている。払拭部材の移動操作部は、払拭部材を液体拭き取り部と液体吸収部に対して移動することで液体の拭き取りと液体の吸収を行う。
これにより、払拭部材を移動するだけで、払拭部材に付着した液体の拭き取りと拭き残しの吸収を行うことができる。
本発明の構成によれば、液体拭き取り部と液体吸収部は位置が固定されている。払拭部材の移動操作部は、払拭部材を液体拭き取り部と液体吸収部に対して移動することで液体の拭き取りと液体の吸収を行う。
これにより、払拭部材を移動するだけで、払拭部材に付着した液体の拭き取りと拭き残しの吸収を行うことができる。
本発明では、前記払拭部材は、前記ノズル面を払拭するための払拭動作位置と、前記払拭動作位置から前記払拭部材を退避させる退避位置との間で移動されることが望ましい。
本発明の構成によれば、払拭部材は、ノズル面の払拭のための払拭動作位置と、払拭動作位置から払拭部材を退避させる退避位置との間で移動される。
これにより、払拭部材は払拭動作位置から退避位置に移動させる間に、払拭部材に付着した液体の拭き取りと拭き残しの液体の吸収を行うことができる。
本発明の構成によれば、払拭部材は、ノズル面の払拭のための払拭動作位置と、払拭動作位置から払拭部材を退避させる退避位置との間で移動される。
これにより、払拭部材は払拭動作位置から退避位置に移動させる間に、払拭部材に付着した液体の拭き取りと拭き残しの液体の吸収を行うことができる。
本発明では、前記払拭部材の前記非平坦部分は、くさび状の断面形状を有しており、前記非平坦部分の一方の曲面側に付着した前記液体が前記液体拭き取り部により拭き取られ、拭き残しの前記液体は前記液体吸収部により吸収されることが望ましい。
本発明の構成によれば、払拭部材の非平坦部分は、くさび状の断面形状を有している。非平坦部分の一方の曲面側に付着した液体が、液体拭き取り部により拭き取られ、拭き残しの液体は液体吸収部により吸収される。
これにより、払拭部材の非平坦部分がくさび状の断面形状であっても、液体拭き取り部は非平坦部分に倣うようにして付着した液体を拭き取って、液体吸収部は拭き残った液体があってもその液体を吸収することができる。
本発明の構成によれば、払拭部材の非平坦部分は、くさび状の断面形状を有している。非平坦部分の一方の曲面側に付着した液体が、液体拭き取り部により拭き取られ、拭き残しの液体は液体吸収部により吸収される。
これにより、払拭部材の非平坦部分がくさび状の断面形状であっても、液体拭き取り部は非平坦部分に倣うようにして付着した液体を拭き取って、液体吸収部は拭き残った液体があってもその液体を吸収することができる。
本発明では、上記目的は、本発明にあっては、液体噴射装置に設けられて、液体を噴射するためのノズル面に付着した前記液体を払拭する液体噴射装置の液体払拭装置であって、前記ノズル面に接触する部分は非平坦部分を有する払拭部材であり、前記非平坦部分を前記ノズル面に対して相対的に移動することで前記ノズル面を払拭する前記払拭部材と、複数の切り込み部分を有し、前記切り込み部分を前記払拭部材の前記非平坦部分に倣うように当てることで前記非平坦部分に付着した前記液体を拭き取るための液体拭き取り部と、前記液体拭き取り部材により拭き取られた前記非平坦部分における拭き残しの前記液体を吸収する液体吸収部と、を備えることを特徴とする液体噴射装置の液体払拭装置により、達成される。
これにより、液体払拭装置が液体噴射装置に設けられれば、払拭部材のノズル面に接触する部分が非平坦部分であっても、液体拭き取り部の複数の切り込み部分を払拭部材の非平坦部分に倣うように当てることで非平坦部分に付着した液体を確実に掻き取ることができる。
液体吸収部は、液体拭き取り部の複数の切り込み部分により拭き取られた後に、仮に複数の切り込み部分の間から非平坦部分において液体の拭き残しがあったとしても、確実に拭き残しの液体を吸収して除去することができる。
このように、払拭部材のノズル面に接触する部分が非平坦部分であっても、この非平坦部分には液体が付着して残ることがなく、これによってノズル面に対する払拭部材の払拭能力を確保することができる。
これにより、液体払拭装置が液体噴射装置に設けられれば、払拭部材のノズル面に接触する部分が非平坦部分であっても、液体拭き取り部の複数の切り込み部分を払拭部材の非平坦部分に倣うように当てることで非平坦部分に付着した液体を確実に掻き取ることができる。
液体吸収部は、液体拭き取り部の複数の切り込み部分により拭き取られた後に、仮に複数の切り込み部分の間から非平坦部分において液体の拭き残しがあったとしても、確実に拭き残しの液体を吸収して除去することができる。
このように、払拭部材のノズル面に接触する部分が非平坦部分であっても、この非平坦部分には液体が付着して残ることがなく、これによってノズル面に対する払拭部材の払拭能力を確保することができる。
以下、本発明の好適な実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の液体噴射装置の実施形態であるインクジェット式記録装置10を示している。
図1に示すインクジェット式記録装置10は、インクジェットプリンタとも呼んでいる。インクジェット式記録装置10は、本体部1を有している。この本体部1は、ガイドレール17、プラテン12、キャリッジ14、インク吸引装置20、記録ヘッド30、インク払拭装置130を備えている。記録ヘッド30は、印刷ヘッドとも言う。このインク吸引装置20は廃液システムの一部である。
図1は、本発明の液体噴射装置の実施形態であるインクジェット式記録装置10を示している。
図1に示すインクジェット式記録装置10は、インクジェットプリンタとも呼んでいる。インクジェット式記録装置10は、本体部1を有している。この本体部1は、ガイドレール17、プラテン12、キャリッジ14、インク吸引装置20、記録ヘッド30、インク払拭装置130を備えている。記録ヘッド30は、印刷ヘッドとも言う。このインク吸引装置20は廃液システムの一部である。
このインクジェット式記録装置10は、いわゆるオンキャリッジ形の記録装置であり、キャリッジ14の上部には、複数のインクカートリッジ2,3,4,5が着脱可能に装着できる。キャリッジ14の下部には、記録ヘッド30が設けられている。キャリッジ14は、ベルト15を介してモータ16に接続されている。ベルト15はプーリ16A,16Bに掛けてある。モータ16が作動することによって、キャリッジ14はガイドレール17に沿ってプラテン12の軸方向である主走査方向T(T1,T2)に往復走行して位置決め可能である。
図1の本体部1の右側には、ワイピング兼吸引動作ポジション18Aと待機ポジション18が設けられている。ワイピング兼吸引動作ポジション18Aは、ホームポジションとも呼ぶことができる。
ワイピング兼吸引動作ポジション18Aでは、記録ヘッド30のノズルプレート面61が、インク吸引装置20により吸引されたり、あるいはインク払拭装置130によりノズルプレート面61に付着しているインクの払拭を行う。
待機ポジション18は、記録ヘッド30からのインク払拭あるいはインクの吸引を行わない場合の待機位置である。
図1に示すインク吸引装置20は、液体吸引装置の一例であり、キャッピングシステムもしくはキャッピング手段とも呼ぶことができる。
ワイピング兼吸引動作ポジション18Aでは、記録ヘッド30のノズルプレート面61が、インク吸引装置20により吸引されたり、あるいはインク払拭装置130によりノズルプレート面61に付着しているインクの払拭を行う。
待機ポジション18は、記録ヘッド30からのインク払拭あるいはインクの吸引を行わない場合の待機位置である。
図1に示すインク吸引装置20は、液体吸引装置の一例であり、キャッピングシステムもしくはキャッピング手段とも呼ぶことができる。
インク吸引装置20は、以下の2つの機能を有する。すなわち、インク吸引装置20は、長時間放置された時に記録ヘッド30のノズル開口のインクの乾燥を防止する保湿機能と、吸引ポンプ19からの負圧をノズル開口に作用させてノズル開口からインクを強制的に吸引して排出させる吸引機能を備える。
各インクカートリッジ2,3,4,5の各インクは液体の一例である。図1に示すインク払拭装置130は、液体払拭装置の一例であり、インク吸引装置20とほぼ同じ位置にある。
各インクカートリッジ2,3,4,5の各インクは液体の一例である。図1に示すインク払拭装置130は、液体払拭装置の一例であり、インク吸引装置20とほぼ同じ位置にある。
図2は、図1に示すインクジェット式記録装置10の電気的な接続例を示している。インクジェット式記録装置10の制御装置7は、ローカルプリンタケーブルまたは通信ネットワークを介してホストコンピュータ40のプリンタドライバ41に接続されている。プリンタドライバ41は、インクジェット式記録装置10の各構成要素に対して印刷やノズルプレート面61のインク払拭動作あるいはインク吸引動作を実行させるためのコマンドを送るソフトウェアを搭載している。
図2に示すインクジェット式記録装置10は、制御装置7の他に、センサー8、インク吸引装置20、インクカートリッジ2,3,4,5、記録ヘッド30、キャリッジ14、用紙搬送機構15A、インク払拭装置130を含んでいる。
図1の実施形態では、複数のインクカートリッジ2ないし5が、キャリッジ14の上に直接搭載されているが、本発明の実施形態は、これに限らずインクカートリッジ2ないし5をキャリッジとは別の位置に搭載している、いわゆるオフキャリッジ形のインクジェット式記録装置を採用しても勿論構わない。
図2の用紙搬送機構15Aは、図1の用紙29をプラテン12上を搬送するようになっている。用紙29は記録媒体の一種である。
図1の実施形態では、複数のインクカートリッジ2ないし5が、キャリッジ14の上に直接搭載されているが、本発明の実施形態は、これに限らずインクカートリッジ2ないし5をキャリッジとは別の位置に搭載している、いわゆるオフキャリッジ形のインクジェット式記録装置を採用しても勿論構わない。
図2の用紙搬送機構15Aは、図1の用紙29をプラテン12上を搬送するようになっている。用紙29は記録媒体の一種である。
図3と図4は、図1に示す記録ヘッド30とインク吸引装置20の構造例を示す断面図である。
インクジェット式記録装置10は、特にカラープリンタとして用いられる場合には、この記録ヘッド30は、互いに種類の異なる複数種類のインクを吐出するために、インクの種類ごとに独立したインク経路50を有している。
各インクカートリッジ2ないし5からのインクは、インク供給針50Aを介してインク経路50に流入する。インクの種類ごとに独立したインク経路50は、それぞれ複数の圧力室51に接続されている。各圧力室51には、各ノズル開口列54A,54B,54C,54Dが接続されている。
ノズルプレート62はノズルプレート面61を有していて、このノズルプレート面61には複数のノズル開口列54Aないし54Dが設けられている。圧力室51から押し出されたインク滴が、ノズル開口列54Aないし54Dのノズル開口55Aないし55Dから吐出される。
インクジェット式記録装置10は、特にカラープリンタとして用いられる場合には、この記録ヘッド30は、互いに種類の異なる複数種類のインクを吐出するために、インクの種類ごとに独立したインク経路50を有している。
各インクカートリッジ2ないし5からのインクは、インク供給針50Aを介してインク経路50に流入する。インクの種類ごとに独立したインク経路50は、それぞれ複数の圧力室51に接続されている。各圧力室51には、各ノズル開口列54A,54B,54C,54Dが接続されている。
ノズルプレート62はノズルプレート面61を有していて、このノズルプレート面61には複数のノズル開口列54Aないし54Dが設けられている。圧力室51から押し出されたインク滴が、ノズル開口列54Aないし54Dのノズル開口55Aないし55Dから吐出される。
図3と図4に示すインク吸引装置20は、ノズルプレート面61に封止してノズル開口を吸引するためのものである。インク吸引装置20は、キャップ本体80と複数の吸収材90を有している。キャップ本体80は箱状であり、上部開口91を有している。キャップ本体80の底部92からは、隔壁81が突出して設けられている。キャップ本体80の4辺の側面部80Aと隔壁81の間には、吸収材90が収容されている。各吸収材90は、各ノズル開口列54Aないし54Dを含むノズルプレート面61の領域に対応している。
吸収材90は、インクを吸収可能な材料により作られていて、例えばポリビニルアルコール(PVA)のスポンジにより作ることができる。吸収材90は、好ましくは親水性に優れて、微細な連続した気孔構造を有しており、インクの吸収能力を有している。
この吸収材90は、図示しない押さえ部材により吸収材90を押さえて保持する構造を採用できる。
キャップ本体80の底部92は、吸引ポンプ19に接続されている。吸引ポンプ19は廃インクタンク100に接続されている。この廃インクタンク100は吸引ポンプ19によりキャップ本体80側から吸引されてくるインクを廃棄するためのタンクである。
この吸収材90は、図示しない押さえ部材により吸収材90を押さえて保持する構造を採用できる。
キャップ本体80の底部92は、吸引ポンプ19に接続されている。吸引ポンプ19は廃インクタンク100に接続されている。この廃インクタンク100は吸引ポンプ19によりキャップ本体80側から吸引されてくるインクを廃棄するためのタンクである。
図3は、インク吸引装置20がノズルプレート面61から離れた待機状態を示している。図4では、インク吸引装置20はノズルプレート面61に密着もしくは圧着されて、ノズルプレート面61を封止している状態(吸引状態もしくは保湿状態)を示している。
記録ヘッド30内のインク中に気泡が混入したり、インク経路50や圧力室51内に増粘したインクが存在すると、インクの正常な流れが阻害されて、正常なインクの吐出が行えないことがある。この場合には、図2に示すインク吸引装置20が用いられ、このインク吸引装置20によるインクの強制排出が必要となる。
記録ヘッド30内のインク中に気泡が混入したり、インク経路50や圧力室51内に増粘したインクが存在すると、インクの正常な流れが阻害されて、正常なインクの吐出が行えないことがある。この場合には、図2に示すインク吸引装置20が用いられ、このインク吸引装置20によるインクの強制排出が必要となる。
また、インクジェット式記録装置10を最初に使用する際の開始時や、インクカートリッジを別の種類のインクカートリッジに交換した場合では、図3の記録ヘッド30内のインク経路50の中にインクを充填する必要がある。このような初期のインクの充填に際しても、インク吸引装置20が使用され、このインク吸引装置20を用いることで、図3の記録ヘッド30のノズル開口55Aないし55Dから空気およびインクが、強制的に吸引されてノズル開口55Aないし55Dから排出される。
図5は、ノズルプレート面61におけるノズル開口列54Aないし54Dの配列例を示している。異なるインクの種類とは、見かけ上の色の違いにとどまらず、インクの構成成分の種類や比率が異なることを意味する。各ノズル開口列54Aないし54Dは、例えば数10から数1000のノズル開口55Aないし55Dから構成されている。
図6は、本発明のインクジェット式記録装置の記録ヘッド30の内部構造例を示している。上述したインクカートリッジから供給されるインクは、インク経路50を通って圧力室51へ供給される。印刷の際には、圧力発生素子としての圧電振動子39が伸縮動作することによって、圧力室51の容積を変化させて、圧力室51内のインクに圧力変動を生じさせる。これによって、ノズル開口55Aないし55Dからインク滴が吐出できる。圧電振動子39は各ノズル開口55Aないし55Dに対応して設けられている。
図1に示すキャリッジ14は、記録ヘッド30とともに、ガイドレール17に沿って主走査方向Tに沿って往復移動可能である。キャリッジ14とともに記録ヘッド30は、ヘッド移動方向T1に移動することにより、図1に示すワイピング兼吸引動作ポジション18Aと待機ポジション18に位置決めすることができる。
図1の記録ヘッド30は、液体噴射ヘッドの一種であるが、この記録ヘッド30はキャリッジ14の下面側に設けられている。記録ヘッド30の下面は、ノズルプレート面61である。このノズルプレート面61は、ノズル面の一例であり、図5にはノズルプレート面61の形状例を示している。ノズルプレート面61は、ノズルプレート62の下面である。
ノズルプレート62は、上述したような複数のノズル開口列、図5の図示例では4列のノズル開口列54Aないし54Dを有している。各ノズル開口列54Aないし54Dは、図5に示すT方向とは直交するU方向に沿っており、T方向に沿って同じ間隔で平行に形成されている。
図1の記録ヘッド30は、液体噴射ヘッドの一種であるが、この記録ヘッド30はキャリッジ14の下面側に設けられている。記録ヘッド30の下面は、ノズルプレート面61である。このノズルプレート面61は、ノズル面の一例であり、図5にはノズルプレート面61の形状例を示している。ノズルプレート面61は、ノズルプレート62の下面である。
ノズルプレート62は、上述したような複数のノズル開口列、図5の図示例では4列のノズル開口列54Aないし54Dを有している。各ノズル開口列54Aないし54Dは、図5に示すT方向とは直交するU方向に沿っており、T方向に沿って同じ間隔で平行に形成されている。
図7は、図1に示すインクジェット式記録装置10のワイピング兼吸引動作ポジション18Aの付近を拡大して示す斜視図である。
図7を参照すると、図7にはインク払拭装置130と、インク吸引装置20のキャップ本体80などが図示されている。図7においては、記録ヘッド30はキャリッジとともにワイピング兼吸引動作ポジション18Aに位置された状態を二点鎖線で示している。インク吸引装置20のキャップ本体80は、やはり一点鎖線で示している。
図7を参照すると、図7にはインク払拭装置130と、インク吸引装置20のキャップ本体80などが図示されている。図7においては、記録ヘッド30はキャリッジとともにワイピング兼吸引動作ポジション18Aに位置された状態を二点鎖線で示している。インク吸引装置20のキャップ本体80は、やはり一点鎖線で示している。
インク払拭装置130は、本体部1の基板1Bの上に設けられている。インク払拭装置130は、払拭部材131、液体拭き取り部140、液体吸収部141、そして払拭部材の移動操作部270を有している。払拭部材131は、ワイパーブレードとも呼んでおり、弾性変形可能な、たとえばゴムなどにより作られている。払拭部材131は、保持部材132により着脱可能に保持されている。
この保持部材132は、払拭部材131とは別のもう1つのワイパーブレード133を払拭部材131とともに着脱可能に保持している。このワイパーブレード133は、払拭部材131とは異なり、ノズルプレート面61に接触する先端部が平坦部分134となっているブレードである。このワイパーブレード133は、薄い平板状の部材である。この平坦部分134は、払拭部材131が記録ヘッド30のノズルプレート面61を払拭(ワイピング)した後に、さらにノズルプレート面61を払拭して拭き取っていく部分である。
この保持部材132は、払拭部材131とは別のもう1つのワイパーブレード133を払拭部材131とともに着脱可能に保持している。このワイパーブレード133は、払拭部材131とは異なり、ノズルプレート面61に接触する先端部が平坦部分134となっているブレードである。このワイパーブレード133は、薄い平板状の部材である。この平坦部分134は、払拭部材131が記録ヘッド30のノズルプレート面61を払拭(ワイピング)した後に、さらにノズルプレート面61を払拭して拭き取っていく部分である。
保持部材132は、払拭部材131とワイパーブレード133を、リセット方向RSとセット方向Sに沿って移動させることができる。この保持部材132のリセット方向RSとセット方向Sの移動は、払拭部材の移動操作部270が行う。
払拭部材の移動操作部270は、吸引ポンプ19の動作により保持部材132をリセット方向RSとセット方向Sに沿って直線移動して位置決めさせるための機構部である。
図7に示すように、保持部材132とともに払拭部材131とワイパーブレード133が、払拭動作位置WPに位置決めされている。
払拭部材の移動操作部270は、吸引ポンプ19の動作により保持部材132をリセット方向RSとセット方向Sに沿って直線移動して位置決めさせるための機構部である。
図7に示すように、保持部材132とともに払拭部材131とワイパーブレード133が、払拭動作位置WPに位置決めされている。
図7のクリーニング開始前の状態と、図8と図9の払拭部材131のクリーニング途中の状態で示すように、保持部材132がリセット方向RSに沿って直線移動されると、保持部材132と払拭部材131およびワイパーブレード133は、退避位置SPに移動して位置決めされる。逆に退避位置SPに位置決めされた保持部材132および払拭部材131、ワイパーブレード133は、セット方向Sに移動されることにより、退避位置SPから払拭動作位置WPに移動して位置決めすることができる。
保持部材132が払拭動作位置WPに位置決めされていると、記録ヘッド30はキャリッジとともにT2方向に沿って直線移動させることにより、ノズルプレート面61は払拭部材131とワイパーブレード133により順次ノズルプレート面61のインクをワイピングすることができる。保持部材132が退避位置SPに退避された状態では、払拭部材131とワイパーブレード133はノズルプレート面61をワイピングすることはできない。
次に、図7に示すインク払拭装置130の液体拭き取り部140と液体吸収部141について説明する。
液体拭き取り部140はインク拭き取り部とも呼ばれ、液体吸収部141はインク吸収部である。図8は、この液体拭き取り部140と液体吸収部141が、図7のクリーニング開始状態から、払拭部材131に付着したインクを拭き取って吸収し始めたクリーニングの途中状態を示している。図9はさらにその払拭部材131に付着したインクを拭き取って吸収する動作を進めたクリーニングの途中状態を示している。
液体拭き取り部140はインク拭き取り部とも呼ばれ、液体吸収部141はインク吸収部である。図8は、この液体拭き取り部140と液体吸収部141が、図7のクリーニング開始状態から、払拭部材131に付着したインクを拭き取って吸収し始めたクリーニングの途中状態を示している。図9はさらにその払拭部材131に付着したインクを拭き取って吸収する動作を進めたクリーニングの途中状態を示している。
図10と図11は、図7に示すインク払拭装置130の払拭部材131と液体拭き取り部140および液体吸収部141の構造例を示している。
図7と図10を参照して、ワイパーブレードである払拭部材131の形状例について説明する。
払拭部材131は、平板状の基部160と拭き取り用の先端部161を有している。先端部161はたとえば断面くさび状に形成されている。つまり先端部161は、上方向に向けて湾曲してほぼ先細りになっている。先端部161は、図7に示すノズルプレート面61に対して接触する非平坦部分163である。先端部161の非平坦部分163が、U方向(横方向)に連続して形成されている。基部160はZ方向およびU方向に沿って平坦である。この非平坦部分163は、図示例では断面くさび状であり、非平坦部分163は、平たい部分を有していないという意味であり、断面くさび形以外の形状を採用することもできる。
図7と図10を参照して、ワイパーブレードである払拭部材131の形状例について説明する。
払拭部材131は、平板状の基部160と拭き取り用の先端部161を有している。先端部161はたとえば断面くさび状に形成されている。つまり先端部161は、上方向に向けて湾曲してほぼ先細りになっている。先端部161は、図7に示すノズルプレート面61に対して接触する非平坦部分163である。先端部161の非平坦部分163が、U方向(横方向)に連続して形成されている。基部160はZ方向およびU方向に沿って平坦である。この非平坦部分163は、図示例では断面くさび状であり、非平坦部分163は、平たい部分を有していないという意味であり、断面くさび形以外の形状を採用することもできる。
図16は、払拭部材131とノズルプレート面61の位置関係例を示している。図16(A)では、払拭部材131の非平坦部分163が、ノズルプレート面61には接触していない状態であり、ノズルプレート面61のワイピングの前の状態を示している。
図16(B)は、払拭部材131の非平坦部分163が、ノズルプレート面61に接触しながらノズルプレート面61の液体であるインク1000を払拭している状態を示している。この場合には、記録ヘッド30がT2方向に移動することにより、記録ヘッド30のノズルプレート面61と非平坦部分163は、相対的に移動できるので、払拭部材131の非平坦部分163がノズルプレート面61をワイピングすることができる。
図16(B)は、払拭部材131の非平坦部分163が、ノズルプレート面61に接触しながらノズルプレート面61の液体であるインク1000を払拭している状態を示している。この場合には、記録ヘッド30がT2方向に移動することにより、記録ヘッド30のノズルプレート面61と非平坦部分163は、相対的に移動できるので、払拭部材131の非平坦部分163がノズルプレート面61をワイピングすることができる。
このように、払拭部材131には所謂くさび状の非平坦部分163を採用するのは、たとえば図17に示すような理由からである。払拭部材131の非平坦部分163は、湾曲した内面166と湾曲した外面167を有している。内面166と外面167の交差する位置が先端部161である。内面166は、払拭部材131がノズルプレート面61に対して相対的に進行する前面側に位置している。
図17(A)の状態では、先端部161とノズルプレート面61との間の干渉量G1が比較的大きく、図17(B)の状態では、先端部161とノズルプレート面61との間の干渉量G2が干渉量G1に比べて小さい。
図17(A)の状態では、先端部161がノズルプレート面61をワイピングしていくのであるが、この場合には内面166は大きく反対に反るように弾性変形して屈曲する。これに対して、図17(B)では、内面166はそれほど大きくは弾性変形して屈曲してはいない。
図17(A)の状態では、先端部161がノズルプレート面61をワイピングしていくのであるが、この場合には内面166は大きく反対に反るように弾性変形して屈曲する。これに対して、図17(B)では、内面166はそれほど大きくは弾性変形して屈曲してはいない。
このようなくさび型の払拭部材131を採用することにより、図17(A)に示すように先端部161がノズルプレート面61に対して干渉する干渉量ギャップG1が大きくても、図17(B)に示すように干渉量G1が比較的小さくても、先端部161がノズルプレート面61に対して与える負荷がそれほど変化しないのが特徴的である、このようなくさび型断面形状を有する払拭部材131を採用することができる。払拭部材131のくさび型断面形状部分は、かま首型断面形状とも呼ぶことができる。この干渉量が変化するのは、ノズルプレート面61と先端部161のギャップが変化することがあるからである。ノズルプレート面61が印刷時に記録媒体に対して設けるギャップを、記録媒体の厚みに応じて変える必要がある。このため、ノズルプレート面61の上下方向に関する位置が変わる。
たとえば図16(A)と図16(B)に示すように払拭部材131が、ノズルプレート面61のインク1000をワイピングしていく場合には、内面166側にインクが付着する。特に反応系のインクが付着する場合には、内面166から拭き取って除去する必要がある。
そこで、図10と図11に示すような液体拭き取り部140と液体吸収部141が、この払拭部材131の内面166側に付着するインクの除去を相対的に横方向に移動することで確実に行う構造になっている。
そこで、図10と図11に示すような液体拭き取り部140と液体吸収部141が、この払拭部材131の内面166側に付着するインクの除去を相対的に横方向に移動することで確実に行う構造になっている。
液体拭き取り部140と液体吸収部141の具体的な形状例について説明する。
図10に示すように液体拭き取り部140と液体吸収部141は、ホルダー176に対してたとえば重ねるようにして固定されている。ホルダー176は、図7に示すように本体部1の固定部材1Cに対してねじ1Dを用いて着脱可能に固定することができる。
このために、液体拭き取り部140と液体吸収部141を交換する場合には、このねじ1Dを外せば、ホルダー176ごと新たな液体拭き取り部140と液体吸収部141の交換が簡単にできる。
図10に示すように液体拭き取り部140と液体吸収部141は、ホルダー176に対してたとえば重ねるようにして固定されている。ホルダー176は、図7に示すように本体部1の固定部材1Cに対してねじ1Dを用いて着脱可能に固定することができる。
このために、液体拭き取り部140と液体吸収部141を交換する場合には、このねじ1Dを外せば、ホルダー176ごと新たな液体拭き取り部140と液体吸収部141の交換が簡単にできる。
図11に示すように、液体拭き取り部140と液体吸収部141は、ともにほぼ板状の部材である。
液体拭き取り部140は、払拭部材131の内面166側に付着するインクを、接触しながら非平坦部分163の内面166に倣うようにしてU方向に相対的に移動することで付着インクを拭き取るための部材である。つまり、払拭部材131がU1方向(横方向)に移動することで、液体拭き取り部140は内面166の形状に沿って倣うようにして当てることができる。
この液体拭き取り部140は、インクの付着を拭き取るために、弾性変形可能な材料たとえばプラスチックやゴムなどにより作ることができる。
液体吸収部141は、液体拭き取り部140が内面166に付着したインクを拭き取った後に、拭き残したインクをさらに吸収するための部材である。このために、液体吸収部141は、弾性変形可能な材料たとえばインクを吸収できるスポンジ用の材質や、上述したキャップ本体80内の吸収材90の材質などを用いることができる。
液体拭き取り部140は、払拭部材131の内面166側に付着するインクを、接触しながら非平坦部分163の内面166に倣うようにしてU方向に相対的に移動することで付着インクを拭き取るための部材である。つまり、払拭部材131がU1方向(横方向)に移動することで、液体拭き取り部140は内面166の形状に沿って倣うようにして当てることができる。
この液体拭き取り部140は、インクの付着を拭き取るために、弾性変形可能な材料たとえばプラスチックやゴムなどにより作ることができる。
液体吸収部141は、液体拭き取り部140が内面166に付着したインクを拭き取った後に、拭き残したインクをさらに吸収するための部材である。このために、液体吸収部141は、弾性変形可能な材料たとえばインクを吸収できるスポンジ用の材質や、上述したキャップ本体80内の吸収材90の材質などを用いることができる。
液体吸収部141は、インクを吸収できる薄い板状の部材である。これに対して液体拭き取り部140は、薄い板状の部材ではあるが、複数の切り込み部分180ないし185を有している。
この複数の切り込み部分180ないし185は、格子状に形成された弾性変形可能な切り込み片である。図11に示すように、上端部分の切り込み部分180,181の切り込み長さE1は、その下の切り込み部分182の切り込み長さE2に比べて小さく設定されている。この切り込み長さE2は、その下の切り込み部分183の切り込みの長さE3に比べて小さく設定されている。この切り込み長さE3は、さらにその下の切り込み部分184,185の切り込み長さE4に比べて小さく設定されている。
このようにして、上側に位置する切り込み部分180,181から下側に位置する切り込み部分184,185に行くに従って徐々に切り込みの長さが大きくなっており、切り込み部分180ないし185の先端部分は、払拭部材131の内面166に当てられてほぼ弾性変形できる。
この複数の切り込み部分180ないし185は、格子状に形成された弾性変形可能な切り込み片である。図11に示すように、上端部分の切り込み部分180,181の切り込み長さE1は、その下の切り込み部分182の切り込み長さE2に比べて小さく設定されている。この切り込み長さE2は、その下の切り込み部分183の切り込みの長さE3に比べて小さく設定されている。この切り込み長さE3は、さらにその下の切り込み部分184,185の切り込み長さE4に比べて小さく設定されている。
このようにして、上側に位置する切り込み部分180,181から下側に位置する切り込み部分184,185に行くに従って徐々に切り込みの長さが大きくなっており、切り込み部分180ないし185の先端部分は、払拭部材131の内面166に当てられてほぼ弾性変形できる。
図12(A)は、払拭部材131の内面166の形状と、切り込み部分180ないし185の形状例の対応関係を示している。図12(A)は、払拭部材131の内面166に対してまだ切り込み部分180ないし185が接触していないクリーニング開始前の状態を示している。
図7に戻ると、インク吸引装置20のキャップ本体80は、たとえば図7の例に示すようにインク払拭装置130の付近に配置されている。
図7に戻ると、インク吸引装置20のキャップ本体80は、たとえば図7の例に示すようにインク払拭装置130の付近に配置されている。
次に、図面を参照しながら、本発明のインクジェット式記録装置10におけるノズルプレート面61のインク吸引動作およびノズルプレート面61のインクのワイピング動作を説明し、その後に、払拭部材131に付着したインクのクリーニング動作について説明する。
まず、図18のステップST1において、図1に示す記録ヘッド30がキャリッジ14とともにT1方向に移動されることにより、待機ポジション18からワイピング兼吸引動作ポジション18Aに移動して位置決めされる。記録ヘッド30がワイピング兼吸引動作ポジション18Aに位置決めされると、図7に示す状態になる。すなわち、記録ヘッド30のノズルプレート面61が、キャップ本体80に対面した状態になる。このようなノズルプレート面61とキャップ本体80の対面した状態は図3に示している。
そして図18のステップST2では、図4に示すように、昇降手段250が作動すると、キャップ本体80はZ2方向に上昇されることにより、ノズルプレート面61を封止する。そして吸引ポンプ19が作動することにより、ノズルプレート面61に付着しているインクが吸収材90側に吸引されて、そして廃インクタンク100側に廃棄されることになる。
まず、図18のステップST1において、図1に示す記録ヘッド30がキャリッジ14とともにT1方向に移動されることにより、待機ポジション18からワイピング兼吸引動作ポジション18Aに移動して位置決めされる。記録ヘッド30がワイピング兼吸引動作ポジション18Aに位置決めされると、図7に示す状態になる。すなわち、記録ヘッド30のノズルプレート面61が、キャップ本体80に対面した状態になる。このようなノズルプレート面61とキャップ本体80の対面した状態は図3に示している。
そして図18のステップST2では、図4に示すように、昇降手段250が作動すると、キャップ本体80はZ2方向に上昇されることにより、ノズルプレート面61を封止する。そして吸引ポンプ19が作動することにより、ノズルプレート面61に付着しているインクが吸収材90側に吸引されて、そして廃インクタンク100側に廃棄されることになる。
その後、キャップ本体80は昇降手段250によりZ1方向に下げられることにより、キャップ本体80はノズルプレート面61から離れる。以上が図18のステップST2の動作であり、キャップ本体80はノズルプレート面61を封止してノズルプレート面61のインクを吸引動作することができる。
次に、図18のステップST3のように、ノズルプレート面61に付着して残っているインクは、さらに図7の払拭部材131とワイパーブレード133を用いてワイピング(払拭)する。
この場合には、図7に示すように保持部材132とともに払拭部材131とワイパーブレード133は払拭動作位置WPに位置決めされている。そして記録ヘッド30はキャリッジとともにT2方向に直線移動することにより、払拭部材131とワイパーブレード133はノズルプレート面61の拭き残したインクを、接触することで確実に除去する。
このように、払拭部材131がノズルプレート面61のインクを払拭すると、払拭部材131の内面166側にはインクが付着して残ってしまう。
そこで、この払拭部材131の内面166に付着したインクは、液体拭き取り部140と液体吸収部141を用いることにより、定期的にもしくは不定期的に確実に拭き取って吸収するようになっている。
この場合には、図7に示すように保持部材132とともに払拭部材131とワイパーブレード133は払拭動作位置WPに位置決めされている。そして記録ヘッド30はキャリッジとともにT2方向に直線移動することにより、払拭部材131とワイパーブレード133はノズルプレート面61の拭き残したインクを、接触することで確実に除去する。
このように、払拭部材131がノズルプレート面61のインクを払拭すると、払拭部材131の内面166側にはインクが付着して残ってしまう。
そこで、この払拭部材131の内面166に付着したインクは、液体拭き取り部140と液体吸収部141を用いることにより、定期的にもしくは不定期的に確実に拭き取って吸収するようになっている。
図18のステップST4では、この払拭部材131の内面166に付着したインクをクリーニングする。
図7に示す液体拭き取り部140と液体吸収部141の位置は、払拭部材131の内面には全く接触していないクリーニング開始前の状態である。図7のクリーニング開始前の状態は、図12(A)と図13にも示している。
図13は、図7のZ1方向から見た払拭部材131と液体拭き取り部140および液体吸収部141の位置関係例を示している。図12(A)と図13に示すように、液体拭き取り部140と液体吸収部141は、払拭部材131の内面166の一端部166Aから離れた状態にある。図13(A)に示すように内面166には、そのU方向に沿って既にインク1000が付着して残っている。
図7に示す液体拭き取り部140と液体吸収部141の位置は、払拭部材131の内面には全く接触していないクリーニング開始前の状態である。図7のクリーニング開始前の状態は、図12(A)と図13にも示している。
図13は、図7のZ1方向から見た払拭部材131と液体拭き取り部140および液体吸収部141の位置関係例を示している。図12(A)と図13に示すように、液体拭き取り部140と液体吸収部141は、払拭部材131の内面166の一端部166Aから離れた状態にある。図13(A)に示すように内面166には、そのU方向に沿って既にインク1000が付着して残っている。
図8は、図7のクリーニング開始前の状態から、クリーニング開始をして途中の状態を示している。図8に示すクリーニング途中の状態は、図12(B)と図14に対応している。
図9は、図8のクリーニング途中の状態からさらに進んだクリーニング途中の状態を示している。図9のクリーニング途中の状態は、図12(C)と図15に対応して示している。
図9は、図8のクリーニング途中の状態からさらに進んだクリーニング途中の状態を示している。図9のクリーニング途中の状態は、図12(C)と図15に対応して示している。
クリーニング開始前の状態
クリーニング開始前の状態は、図7と図12(A)および図13に示している。クリーニング開始前の状態では図7および図13に示すように、液体拭き取り部140と液体吸収部141は、払拭部材131の一端部166Aから離れた位置にある。払拭部材131は、保持部材132とともに、図7に示すように、払拭動作位置WPに位置決めされている。
クリーニング開始前の状態は、図7と図12(A)および図13に示している。クリーニング開始前の状態では図7および図13に示すように、液体拭き取り部140と液体吸収部141は、払拭部材131の一端部166Aから離れた位置にある。払拭部材131は、保持部材132とともに、図7に示すように、払拭動作位置WPに位置決めされている。
クリーニング途中の状態
図7の払拭部材の移動操作部270が、吸引ポンプ19の動作により保持部材132と払拭部材131をリセット方向RS(横方向)に移動し始める。これにより、図18と図14および図12(B)に示すように、払拭部材131の一端部166Aには、液体拭き取り部140が当たり始める。つまり、液体拭き取り部140は、内面166に弾性変形しながら屈曲して突き当てられることになる。図14の状態では、一端部166Aに対して液体吸収部141の先端部141Rが接触した状態である。
図7の払拭部材の移動操作部270が、吸引ポンプ19の動作により保持部材132と払拭部材131をリセット方向RS(横方向)に移動し始める。これにより、図18と図14および図12(B)に示すように、払拭部材131の一端部166Aには、液体拭き取り部140が当たり始める。つまり、液体拭き取り部140は、内面166に弾性変形しながら屈曲して突き当てられることになる。図14の状態では、一端部166Aに対して液体吸収部141の先端部141Rが接触した状態である。
このように液体拭き取り部140が払拭部材131の内面166に弾性変形しながら接触を始めると、図12(B)の状態になる。たとえば図12(B)のように、切り込み部分181ないし185は、内面166の形状に対応して弾性変形して屈曲することにより、各切り込み部分181ないし185は、内面166に倣うようにして内面166に付着したインク1000を確実に拭き取っていくことができる。
このように図7の払拭部材131がリセット方向RSに沿って横方向へ退避位置SP側に徐々に移動していくことにより、クリーニング途中の状態が図8の状態から図9の状態に変化していく。図9のクリーニング途中の状態は、図15および図12(C)に示すような状態である。
このように図7の払拭部材131がリセット方向RSに沿って横方向へ退避位置SP側に徐々に移動していくことにより、クリーニング途中の状態が図8の状態から図9の状態に変化していく。図9のクリーニング途中の状態は、図15および図12(C)に示すような状態である。
図15を参照すると、液体拭き取り部140と液体吸収部141は、内面166に対してともに弾性変形して屈曲しながら、内面166に付着したインク1000を取っていく。この場合に、液体拭き取り部140は内面166に付着したインク1000を拭き取っていくが、図14と図15に示すように、液体拭き取り部140は付着したインク1000を拭き取った後に、拭き残しのインク1000Aが生じる場合がある。
この拭き残しのインク1000Aが生じるのは、図12(B)に示す液体拭き取り部140が格子状に形成された複数の切り込み部分180ないし185を有していることから、図12(C)に示すこれらの切り込み部分の隙間199から漏れたインク1000Aが内面166にすじ状に残っている場合がある。
しかしこの場合であっても、拭き残したインク1000Aは、液体吸収部141により確実に吸収して内面166から除去することができる。
この拭き残しのインク1000Aが生じるのは、図12(B)に示す液体拭き取り部140が格子状に形成された複数の切り込み部分180ないし185を有していることから、図12(C)に示すこれらの切り込み部分の隙間199から漏れたインク1000Aが内面166にすじ状に残っている場合がある。
しかしこの場合であっても、拭き残したインク1000Aは、液体吸収部141により確実に吸収して内面166から除去することができる。
このように、本発明の実施形態においては、払拭部材131の内面166が、凹状の曲面状になっていて、通常の平坦状の拭き取り部材では付着したインクを拭き取ることが難しいのを解消することができ、液体拭き取り部140は、内面166に付着したインク1000を容易にかつスムーズにリセット方向RS、すなわち払拭部材131の長手方向に沿って拭き取っていくことができる。そして仮に液体拭き取り部140の隙間199からインクが漏れて拭き残った場合であっても、液体拭き取り部140の後に続く液体吸収部141が、内面166において拭き残したインク1000Aを確実に吸収して除去することができる。
液体拭き取り部140により拭き残した内面166のインクの量は微量であるので、液体吸収部141がその残ったインク1000Aを拭き取ったとしても、液体吸収部141が劣化するようなことはない。
液体拭き取り部140により拭き残した内面166のインクの量は微量であるので、液体吸収部141がその残ったインク1000Aを拭き取ったとしても、液体吸収部141が劣化するようなことはない。
図12(A)ないし図12(C)に示すように、液体拭き取り部140は、複数の切り込み部分180ないし185を有していることから、払拭部材131の内面166に付着したインクを拭き取るのに適切な圧力を内面166にかけることができ、内面166に付着したインク1000をU方向に沿って横拭きで確実に拭き取ることができる。
本発明の実施形態においては、液体拭き取り部140の複数の切り込み部分180ないし185の数は、これに限らず2以上の切り込み部分を有しているものなら特に限定されるものではない。
本発明の実施形態においては、液体拭き取り部140の複数の切り込み部分180ないし185の数は、これに限らず2以上の切り込み部分を有しているものなら特に限定されるものではない。
図12に示すように拭き取り部材140に対して所謂格子状に平行に切り込みを入れることにより各切り込み部分180ないし185が形成されている。しかしこれに限らず、これらの切り込み部分を作るために切り込む方法は、T方向に平行に限らず、T方向にやや傾斜した方向あるいは湾曲した形状あるいはその他の形状に切り込むことは勿論可能である。
従来用いられているワイパーブレードに対して用いられるクリーナが、本発明の実施形態のような所謂くさび状の断面を有する払拭部材131に用いられ、払拭部材131の湾曲している内面166に対して縦方向に拭いたとしても、インクを確実に掻き取ることはできず、しかもクリーナに対して付着するインクの量が多くなり、クリーナのインクの吸収性が早期に劣化してしまい、ワイパーブレードのワイピング面のインクを確実に吸収することができなくなってしまう。
従来用いられているワイパーブレードに対して用いられるクリーナが、本発明の実施形態のような所謂くさび状の断面を有する払拭部材131に用いられ、払拭部材131の湾曲している内面166に対して縦方向に拭いたとしても、インクを確実に掻き取ることはできず、しかもクリーナに対して付着するインクの量が多くなり、クリーナのインクの吸収性が早期に劣化してしまい、ワイパーブレードのワイピング面のインクを確実に吸収することができなくなってしまう。
本発明の実施形態では、払拭部材のノズルプレート面に接触する部分が非平坦部分であっても、液体拭き取り部の複数の切り込み部分を払拭部材の非平坦部分に倣うように当てることで非平坦部分に付着した液体を確実に掻き取ることができる。
液体吸収部は、液体拭き取り部の複数の切り込み部分により拭き取られた後に、仮に複数の切り込み部分の間から非平坦部分において液体の拭き残しがあったとしても、確実に拭き残しの液体を吸収して除去することができる。
このように、払拭部材のノズルプレート面に接触する部分が非平坦部分であっても、この非平坦部分には液体が付着して残ることがなく、これによってノズルプレート面に対する払拭部材の払拭能力を確保することができる。
液体吸収部は、液体拭き取り部の複数の切り込み部分により拭き取られた後に、仮に複数の切り込み部分の間から非平坦部分において液体の拭き残しがあったとしても、確実に拭き残しの液体を吸収して除去することができる。
このように、払拭部材のノズルプレート面に接触する部分が非平坦部分であっても、この非平坦部分には液体が付着して残ることがなく、これによってノズルプレート面に対する払拭部材の払拭能力を確保することができる。
本発明の実施形態では、払拭部材は非平坦部分に付着している液体を確実に拭き取ることができる。
本発明の実施形態では、払拭部材における付着した液体は、液体拭き取り部により拭き取った後に液体吸収部により拭き残しの液体を確実に吸収することができる。
本発明の実施形態では、払拭部材を移動するだけで、払拭部材に付着した液体の拭き取りと拭き残しの吸収を行うことができる。
本発明の実施形態では、払拭部材における付着した液体は、液体拭き取り部により拭き取った後に液体吸収部により拭き残しの液体を確実に吸収することができる。
本発明の実施形態では、払拭部材を移動するだけで、払拭部材に付着した液体の拭き取りと拭き残しの吸収を行うことができる。
本発明の実施形態では、払拭部材は払拭動作位置から退避位置に移動させる間に、払拭部材に付着した液体の拭き取りと拭き残しの液体の吸収を行うことができる。
本発明の実施形態では、非平坦部分がくさび状の断面形状であっても、非平坦部分に倣うようにして付着した液体を拭き取って吸収することができる。
本発明の実施形態では、非平坦部分がくさび状の断面形状であっても、非平坦部分に倣うようにして付着した液体を拭き取って吸収することができる。
本発明の実施形態では、所謂くさび状の断面形状を有する払拭部材131を用いているが、このような払拭部材131を用いることにより、ノズルプレート面61と記録紙を送るプラテンとの間のギャップが可変できる場合であっても対応できる。すなわち、このギャップが、記録紙に代えて、たとえば記録紙に比べてより厚みがある記録媒体に対して印刷する場合においては、このギャップは大きくする必要がある。このように記録媒体の種類が変わりその記録媒体の厚みが変わった場合には、ノズルプレート面とプラテンとのギャップは複数種類設定できることが多い。この場合には、ノズルプレート面の高さと払拭部材131との間の干渉量(重なり量)が変わっても、既に述べたようにワイピング時に払拭部材131がノズルプレート面61に対して与える負荷の変化を少なくすることができるメリットがある。
図示した本発明の実施形態においては、例えばブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクの各インクを使用する4つのインクカートリッジが、キャリッジに装着できるようになっている。このインクカートリッジはこれに限らず、ブラックインク用のインクカートリッジだけを備えているものや、上述したように2つのインクカートリッジを備えていたり、ブラックインクを除いた3色のカラーインク用の3つのインクカートリッジを備えているものや、5つ以上のインクカートリッジがキャリッジに装着できるようなものであってもよい。
上述の各実施形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。また、本発明は、インクジェット式記録装置に限らず、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等の液体を吐出する液体噴射ヘッドを用いた液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置等にも適用できる。
本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
10・・・インクジェット式記録装置(液体噴射装置の一例)、18・・・待機ポジション、19・・・吸引ポンプ、20・・・インク吸引装置(液体吸引装置の一例)、30・・・記録ヘッド(液体噴射ヘッドの一例)、61・・・ノズルプレート面(ノズル面の一例)、130・・・インク払拭装置(液体払拭装置の一例)、131・・・払拭部材、140・・・液体拭き取り部、141・・・液体吸収部、163・・・非平坦部分、166・・・払拭部材の内面、180ないし185・・・複数の切り込み部分、270・・・払拭部材の移動操作部、T・・・主走査方向、WP・・・払拭動作位置、SP・・・退避位置
Claims (7)
- 液体を噴射するためのノズル面に付着した前記液体を払拭する液体払拭装置を備える液体噴射装置であって、
前記液体払拭装置は、
前記ノズル面に接触する部分は非平坦部分を有する払拭部材であり、前記非平坦部分を前記ノズル面に対して相対的に移動することで前記ノズル面を払拭する前記払拭部材と、
複数の切り込み部分を有し、前記切り込み部分を前記払拭部材の前記非平坦部分に倣うように当てることで前記非平坦部分に付着した前記液体を拭き取るための液体拭き取り部と、
前記液体拭き取り部により拭き取られた前記非平坦部分における拭き残しの前記液体を吸収する液体吸収部と、
を備えることを特徴とする液体噴射装置。 - 前記複数の各切り込み部分は、前記非平坦部分の前記液体が付着している部分に対面するように格子状に形成された弾性変形可能な切り込み片であることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
- 前記液体吸収部は、前記液体拭き取り部とともに前記払拭部材の前記液体の付着した部分に対して相対的に移動することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体噴射装置。
- 前記液体拭き取り部と前記液体吸収部は、位置が固定されており、前記払拭部材を前記液体拭き取り部と前記液体吸収部に対して移動することで前記液体の拭き取りと前記液体の吸収を行うための払拭部材の移動操作部を有することを特徴とする請求項3に記載の液体噴射装置。
- 前記払拭部材は、前記ノズル面を払拭するための払拭動作位置と、前記払拭動作位置から前記払拭部材を退避させる退避位置との間で移動されることを特徴とする請求項4に記載の液体噴射装置。
- 前記払拭部材の前記非平坦部分は、くさび状の断面形状を有しており、前記非平坦部分の一方の曲面側に付着した前記液体が前記液体拭き取り部により拭き取られ、拭き残しの前記液体は前記液体吸収部により吸収されることを特徴とする請求項5に記載の液体噴射装置。
- 液体噴射装置に設けられて、液体を噴射するためのノズル面に付着した前記液体を払拭する液体噴射装置の液体払拭装置であって、
前記ノズル面に接触する部分は非平坦部分を有する払拭部材であり、前記非平坦部分を前記ノズル面に対して相対的に移動することで前記ノズル面を払拭する前記払拭部材と、
複数の切り込み部分を有し、前記切り込み部分を前記払拭部材の前記非平坦部分に倣うように当てることで前記非平坦部分に付着した前記液体を拭き取るための液体拭き取り部と、
前記液体拭き取り部により拭き取られた前記非平坦部分における拭き残しの前記液体を吸収する液体吸収部と、
を備えることを特徴とする液体噴射装置の液体払拭装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004281131A JP2006095704A (ja) | 2004-09-28 | 2004-09-28 | 液体噴射装置および液体噴射装置の液体払拭装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004281131A JP2006095704A (ja) | 2004-09-28 | 2004-09-28 | 液体噴射装置および液体噴射装置の液体払拭装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2006095704A true JP2006095704A (ja) | 2006-04-13 |
Family
ID=36235997
Family Applications (1)
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JP2004281131A Withdrawn JP2006095704A (ja) | 2004-09-28 | 2004-09-28 | 液体噴射装置および液体噴射装置の液体払拭装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006095704A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10144221B2 (en) | 2016-04-28 | 2018-12-04 | Canon Finetech Nisca Inc. | Printing apparatus and method for determining service life |
-
2004
- 2004-09-28 JP JP2004281131A patent/JP2006095704A/ja not_active Withdrawn
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