以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
図1および図2を参照して、この発明の一実施形態の写真処理装置10は、プリント材料の一例である銀塩印画紙(以下、単に「印画紙」という)S(図1参照)に画像を形成することによってプリントSc(図2参照)を作製するために、ラボ(現像所)等に設置される。写真処理装置10は、スキャナ部12およびプリント部14を備える。
スキャナ部12は、たとえば240フィルム(APS(Advanced Photo System)フィルム)等の写真用のフィルムFに向けて光を発する光源16を含む。複数のコマ画像が形成されたフィルムFは、図示しない駆動モータによって回転駆動される搬送用ローラ18によって搬送され、ネガマスク20によってフィルムFのコマ画像が位置決めされる。搬送用ローラ18およびネガマスク20は搬送ユニットであるネガキャリア22内に一体的に組み込まれる。また、ネガキャリア22内にはさらに、フィルムFに形成された撮影年月日、撮影時刻、コマナンバー等のフィルム情報を読み取るための読取ヘッド24が設けられる。
光源16とフィルムFとの間には、光源16から発せられた光をフィルムFに導くためのミラートンネル26が配置される。光源16から発せられフィルムFを透過した光の光路上には、CCDセンサ等である画像センサ28が配置される。また、フィルムFと画像センサ28との間には、フィルムFを透過した光を画像センサ28に結像させるためのレンズ30が配置される。
画像センサ28に結像された光は、デジタルデータとして出力され、スキャナ部12およびプリント部14を統括的に制御するコントローラ32に入力される。また、コントローラ32には、読取ヘッド24によって読み取られたフィルム情報も入力される。
コントローラ32は、CPUバスで相互に接続されたCPU32a、ROM32b、RAM32cおよびハードディスクドライブ(HDD:ハードディスクを含む)32dを含む。また、コントローラ32には、オペレータが種々の指示や設定を行うためのキーボードやマウス等の入力部34、画像データ等をメディアに対して書き込みまた読み出すメディアリーダライタ36、および写真処理装置10の操作を容易にするGUI(Graphical User Interface)等を表示する表示部38が接続される。
CPU32aは、ROM32bやHDD32dに格納された各種のプログラムを実行し、データを処理し、写真処理装置10の各構成要素に指示を与え、写真処理装置10の動作を制御する。
ROM32bは、起動用プログラム等を格納している。起動用プログラムは、写真処理装置10の電源投入時にCPU32aによって実行される。これによって、HDD32dに格納されているオペレーティングシステム(OS)等のプログラムがRAM32cにロードされ、各種の処理や制御が実行可能となる。
RAM32cには、写真処理装置10を制御するプログラム等が展開され、プログラムによる処理結果、処理のための一時データ、表示部38の画面上に情報を表示するための表示用データ(テキストデータ、画像データ等)等を保持し、CPU32aの作業領域として使用される。
HDD32dは、CPU32aの指示に従って、プログラム、制御用データ、テキストデータ、画像データ等を、ハードディスクに対して書き込みまたは読み出す。この実施形態では、HDD32d内のハードディスクに、スキャナ部12からコントローラ32に入力されたデジタルデータが入力画像データとして格納される。また、この実施形態では、HDD32d内のハードディスクに、図6および図10に示す動作を実行するためのプログラムが格納される。
コントローラ32に接続されるメディアリーダライタ36は、メディアに記録された画像データ等を読み出し、コントローラ32に入力する。メディアリーダライタ36によってメディアから読み出された画像データは、たとえばHDD32dに入力画像データとして格納される。また、メディアリーダライタ36は、たとえばHDD32dに格納されている入力画像データをメディアに書き込むことも可能である。メディアとしては、たとえばデジタルカメラ用のスマートメディア、メモリスティックやCD−R(CD−R/W)、MO等が用いられる。
なお、写真処理装置10で取り扱い可能な画像データのファイル形式は、特定のファイル形式に限定されるものではない。たとえば、JPEG、GIF、ビットマップ等の任意のファイル形式の画像データを写真処理装置10で取り扱うことができる。
CRTモニタ等からなる表示部38は、RAM32c上に展開された表示用データ(テキストデータ、画像データなど)に基づく表示内容(テキスト、画像等)を画面上に表示する。この実施形態では、表示部38が表示手段に相当し、報知手段としても機能する。
ここで、図3〜図5を参照して、表示部38の画面上に表示されるプレジャッジ画面100について説明する。
図3〜図5に示すように、プレジャッジ画面100には複数(ここでは6つ)の画像表示欄101が設けられ、各画像表示欄101にはプレビュー画像データに基づくプレビュー画像102が表示される。つまり、プレジャッジ画面100には6つのプレビュー画像102が一覧表示される。各プレビュー画像102は、四角形状のプリント画像104と作製するプリントScのサイズに対応する四角形状の枠画像106とによって構成される。各プレビュー画像102において、枠画像106内のプリント画像104がプリントScに形成される画像に相当する。
なお、説明の便宜上、図3および図4では、上段左端のプレビュー画像102において、プリント画像104に斜線が付され、枠画像106が太線で示されている。また、説明の便宜上、図5では、上段左端のプレビュー画像102と下段右端のプレビュー画像102とにおいて、それぞれ、プリント画像104に斜線が付され、枠画像106が太線で示されている。
各画像表示欄101の下部中央には、プリントチャンネルを表示するチャンネル表示欄108が設けられる。チャンネル表示欄108に表示されるプリントチャンネルは図示しない設定画面で設定され、プリントチャンネルが設定されることによって作製するプリントScのサイズが決まる。プリントチャンネルは、たとえば、標準(C)チャンネル、ハイビジョン(H)チャンネル、パノラマ(P)チャンネル等から選択される。Cチャンネルでは作製するプリントScのサイズが縦89mm×横127mmとなり、Hチャンネルでは作製するプリントScのサイズが縦89mm×横152mmとなり、Pチャンネルでは作製するプリントScのサイズが縦89mm×横254mmとなる。図3〜図5においては、各チャンネル表示欄108に「C」が表示され、Cチャンネルに設定されていることがわかる。
また、各画像表示欄101の下方には、プリント画像104の画像特性を補正するための補正ボタン110が複数(ここでは4つ)設けられる。入力部34を介して各補正ボタン110が操作されることによって、対応するプレビュー画像102のプリント画像104のイエロー、マゼンタ、シアンの色合いやシャープネス等の画像特性が補正される。
さらに、プレジャッジ画面100には、各画像表示欄101に対応して枚数設定欄112が設けられる。入力部34を介して枚数設定欄112内の枚数が設定されることによって、対応するプレビュー画像102のプリント画像104が形成されるプリントScを作製する枚数が決まる。
このようなプレジャッジ画面100は、複数のプレビュー画像102を一覧表示することによって、複数のプリントScにおけるプリント画像104の形成態様をオペレータに確認させかつ各プリント画像104の画像特性をオペレータに確認させるために用いられる。
プリントScは所定のプリントモードに対応して作製され、この実施形態ではプリントモードとして切り出しモード、全体モードおよび等倍モードが採用される。
切り出しモードおよび全体モードでは、入力画像103(図7〜図9参照)の画素サイズを拡大あるいは縮小するための画像処理を入力画像103に対応する入力画像データに施す。そして、この処理によって得られるプリント画像データに基づくプリント画像104が印画紙Sに形成される。
切り出しモードでは、基本的に、プリント画像104の一辺の画素寸法とプリントSc(カット済み印画紙S)のプリント画像104を形成すべき解像度に基づく一辺の画素寸法とが一致し、かつプリント画像104の画素サイズが印画紙Sのプリント画像104を形成すべき解像度に基づく画素サイズ以上になる。したがって、切り出しモードでは、基本的にプリント画像104が切り出されるように印画紙Sに形成される。
全体モードでは、基本的に、プリント画像104の一辺の画素寸法と印画紙Sのプリント画像104を形成すべき解像度に基づく一辺の画素寸法とが一致し、かつプリント画像104の画素サイズが印画紙Sのプリント画像104を形成すべき解像度に基づく画素サイズ以下になる。したがって、全体モードでは、基本的にプリント画像104全体が印画紙Sに形成される。
等倍モードでは、基本的に、入力画像103(図7〜図9参照)の画素サイズを拡大あるいは縮小するための画像処理を入力画像103に対応する入力画像データに施さない。したがって、等倍モードでは、基本的に入力画像103の画素サイズと印画紙Sに形成されるプリント画像104の画素サイズとが等しくなる。
ついで、図6〜図9を参照して、プレビュー画像データの生成動作について説明する。ここでは、プリントチャンネルがCチャンネルに設定され、縦89mm×横127mmのプリントScを作製するものとし、Cチャンネルのチャンネル倍率が1倍に設定されているものとする。また、画素サイズが縦600ピクセル×横1000ピクセルの入力画像103に基づくプリント画像104を解像度300dpi(dot per inch)で印画紙Sに形成するものとする。
なお、「チャンネル倍率」とは、入力画像103の画素サイズを変更するために、プリントチャンネル毎にオペレータによって設定される任意の倍率である。この実施形態では、チャンネル倍率が入力画像103の拡大率に対応する。
図6に示すように、まず、プリントチャンネルに対応するプリントSc(カット済み印画紙S)のサイズとプリント画像104を形成すべき解像度(1インチあたりの画素数)とに基づいて、枠画像106に対応する枠画像データが生成される(ステップS1)。
ステップS1では、CPU32aによって、印画紙Sの横方向の寸法Lx(mm)(図7〜図9参照)とミリメートルからインチへの変換係数と解像度(dpi)とを用いて(寸法Lx)÷(変換係数)×(解像度)という演算が行われ、画素寸法Px(pixel)(図7〜図9参照)が算出される。また、CPU32aによって、印画紙Sの縦方向の寸法Ly(mm)(図7〜図9参照)と変換係数と解像度(dpi)とを用いて(寸法Ly)÷(変換係数)×(解像度)という演算が行われ、画素寸法Py(pixel)(図7〜図9参照)が算出される。その後、CPU32aによって、画素サイズが縦Py×横Pxの枠画像106に対応する枠画像データが生成され、RAM32cに保持される。
ここでは、寸法Lxが127mmであり、寸法Lyが89mmであり、変換係数が25.4であり、解像度が300dpiであるので、画素寸法Pxは1500ピクセルになり、画素寸法Pyは約1051.18ピクセルになる(以下、画素寸法(画素数)の小数部分は四捨五入する)。したがって、画素サイズが縦1051ピクセル×横1500ピクセルの枠画像106に対応する枠画像データが生成される。
つづいて、入力画像データに基づく入力画像103を拡大あるいは縮小すべき変更倍率がプリントモードに対応して設定される(ステップS3)。
ステップS3では、CPU32aによって、枠画像106の横方向の画素寸法Pxと入力画像103の横方向の画素寸法Px1(pixel)(図7〜図9参照)とを用いて(画素寸法Px)÷(画素寸法Px1)という演算が行われ、横方向の倍率が算出される。また、CPU32aによって、枠画像106の縦方向の画素寸法Pyと入力画像103の縦方向の画素寸法Py1(pixel)(図7〜図9参照)とを用いて(画素寸法Py)÷(画素寸法Py1)という演算が行われ、縦方向の倍率が算出される。その後、CPU32aによって横方向の倍率と縦方向の倍率とが比較され、切り出しモードの場合は大きい倍率が変更倍率に設定され、全体モードの場合は小さい倍率が変更倍率に設定される。また、等倍モードの場合は、横方向の倍率および縦方向の倍率に拘らず1倍が変更倍率に設定される。
ここでは、画素寸法PxとPx1とがそれぞれ1500ピクセルと1000ピクセルとであるので、横方向の倍率は1.5倍となる。また、画素寸法PyとPy1とがそれぞれ1051ピクセルと600ピクセルとであるので、縦方向の倍率は約1.752倍となる。したがって、切り出しモードの場合は縦方向の倍率(1.752倍)が変更倍率に設定され、全体モードの場合は横方向の倍率(1.5倍)が変更倍率に設定される。
つづいて、入力画像103の画素サイズを変更するための画像処理が入力画像データに施される(ステップS5)。
ステップS5では、CPU32aによって、入力画像103の横方向の画素寸法Px1と変更倍率とチャンネル倍率とを用いて(画素寸法Px1)×(変更倍率)×(チャンネル倍率)という演算が行われ、画素寸法Px2(pixel)(図7〜図9参照)が算出される。また、CPU32aによって、入力画像103の縦方向の画素寸法Py1と変更倍率とチャンネル倍率とを用いて(画素寸法Py1)×(変更倍率)×(チャンネル倍率)という演算が行われ、画素寸法Py2(pixel)(図7〜図9参照)が算出される。その後、CPU32aによって、プリント画像104の画素サイズが縦Py2×横Px2になるように、ニアレストネイバー法、バイリニア法、バイキュービック法等の公知の方法で入力画像データにサイズ変更のための画像処理が施される。この処理によって得られた画像データがプリント画像データとしてRAM32cに保持される。
切り出しモードの場合、ここでは変更倍率とチャンネル倍率とがそれぞれ1.752倍と1倍とであるので、プリント画像データに基づくプリント画像104の画素サイズは縦1051ピクセル×横1752ピクセルになる。また、全体モードの場合、ここでは変更倍率とチャンネル倍率とがそれぞれ1.5倍と1倍とであるので、プリント画像104の画素サイズは縦900ピクセル×横1500ピクセルになる。また、等倍モードの場合、ここでは変更倍率およびチャンネル倍率がいずれも1倍であるので、入力画像データにサイズ変更のための画像処理が施されず、プリント画像104の画素サイズは入力画像103の画素サイズと等しくなる。
その後、CPU32aによって、プリント画像104の中心と枠画像106の中心とが一致するように、RAM32cに保持されるプリント画像データと枠画像データとが合成され(ステップS7)、プレビュー画像データが生成される。
ここでは、ステップS7で生成されたプレビュー画像データに基づくプレビュー画像102が図7〜図9に示す態様になる。
切り出しモードの場合、図7に示すように、プレビュー画像102において、枠画像106の画素寸法Pyとプリント画像104の画素寸法Py2とが一致し、枠画像106の画素寸法Pxよりもプリント画像104の画素寸法Px2が大きくなる。このために、プリント画像104の左右の(画素寸法Py2)×{(画素寸法Px2)−(画素寸法Px)}÷2の範囲(縦1051ピクセル×横126ピクセルの範囲)がそれぞれ枠画像106からはみ出ることとなる。
全体モードの場合、図8に示すように、プレビュー画像102において、枠画像106の画素寸法Pxとプリント画像104の画素寸法Px2とが一致し、プリント画像104の画素寸法Py2よりも枠画像106の画素寸法Pyが大きくなる。このために、枠画像106内の上下の{(画素寸法Py)−(画素寸法Py2)}÷2×(画素寸法Px)の範囲(縦76ピクセル×横1500ピクセルの範囲)にはそれぞれ余白ができる。
等倍モードの場合、図9に示すように、プレビュー画像102において、プリント画像104の画素寸法Px2,Py2よりも枠画像106の画素寸法Px,Pyが大きくなる。このために、枠画像106内の左右の(画素寸法Py)×{(画素寸法Px)−(画素寸法Px2)}÷2の範囲(縦1051ピクセル×横250ピクセルの範囲)にはそれぞれ余白ができる。また、枠画像106内の上下の{(画素寸法Py)−(画素寸法Py2)}÷2×(画素寸法Px)の範囲(縦226ピクセル×横1500ピクセルの範囲)にはそれぞれ余白ができる。
なお、切り出しモードおよび全体モードにおいて、プリント画像104のアスペクト比と枠画像106のアスペクト比とが一致する場合、ステップS3で算出される縦方向の倍率と横方向の倍率とが等しくなる。この場合、いずれを変更倍率に設定してもよく、チャンネル倍率が1倍であれば、プリント画像104の画素サイズと枠画像106の画素サイズとが一致する。したがって、プレビュー画像102は、プリント画像104全体が余白のない状態で枠画像106内に収まる態様になる。また、等倍モードにおいて、プリント画像104の画素サイズおよびアスペクト比と枠画像106の画素サイズおよびアスペクト比とが一致しかつチャンネル倍率が1倍である場合もプリント画像104全体が余白のない状態で枠画像106収まる態様になる。さらに、等倍モードにおいて、プリント画像104のアスペクト比と枠画像106のアスペクト比とが一致しかつチャンネル倍率がプリント画像104の画素サイズを枠画像106の画素サイズに拡大あるいは縮小させる倍率である場合もプリント画像104全体が余白のない状態で枠画像106内に収まる態様になる。
また、プリント画像104のアスペクト比と枠画像106のアスペクト比とによっては、切り出しモードにおいてプリント画像104が枠画像106から上下にはみ出ることもあり、全体モードにおいて枠画像106内の左右に余白ができることもある。さらに、チャンネル倍率を考慮すれば(チャンネル倍率が1倍でなければ)、各プリントモードに対応して生成されたプレビュー画像データに基づくプレビュー画像102の態様として様々なパターンが考えられる。
さらに、入力画像103と枠画像106とで長辺の方向が異なる場合、長辺の方向が一致するように入力画像103あるいは枠画像106を90°回転させた後、ステップS3で横方向の倍率と縦方向の倍率とを算出するようにしてもよい。入力画像103と枠画像106とで長辺の方向を一致させることによって、切り出しモードではプリント画像104の枠画像106からはみ出す範囲を抑えることができ、全体モードでは枠画像106内の余白を抑えることができる。
上述のように生成されたプレビュー画像データにサムネイル化処理が施され、サムネイル化処理後のプレビュー画像データに基づくプレビュー画像102がプレジャッジ画面100に表示される。
図3〜図5に戻って、図3に示されるプレジャッジ画面100には、切り出しモードに対応して生成されたプレビュー画像データに基づくプレビュー画像102が各画像表示欄101に表示されている。図4に示されるプレジャッジ画面100には、全体モードに対応して生成されたプレビュー画像データに基づくプレビュー画像102が各画像表示欄101に表示されている。図5に示されるプレジャッジ画面100には、等倍モードに対応して生成されたプレビュー画像データに基づくプレビュー画像102が各画像表示欄101に表示されている。
図5においては、各プリント画像104(入力画像103)の画素サイズが異なり、各プレビュー画像102が様々な態様になることがわかる。
図1に戻って、プリント部14は、長尺の印画紙Sが収納されるペーパーマガジン40を含む。ペーパーマガジン40は所定の幅寸法の印画紙Sを収納し、たとえば作製するプリントScのサイズの変更(プリントチャンネルの変更)に伴って交換される。ペーパーマガジン40に収納される印画紙Sは、所定の経路に沿って引き出され、図示しないカッタによってプリントチャンネルに応じたサイズにカットされ、カット済み印画紙Sが搬送用ローラ42によって所定の搬送経路上を搬送される。搬送用ローラ42は駆動モータ44によって回転駆動され、駆動モータ44はコントローラ32によって制御される。
また、カット済み印画紙Sの搬送経路上には、デジタル露光ヘッド46が配置される。デジタル露光ヘッド46は、コントローラ32から入力されるプリント画像データに基づくプリント画像104をカット済み印画紙Sに露光形成する。デジタル露光ヘッド46には、たとえば蛍光プリンタ、PLZT式プリンタまたはCRTプリンタ等のプリンタヘッドが用いられる。
プリント部14でプリント画像104が形成されたカット済み印画紙Sは、現像処理部48で現像処理液を貯留する処理槽を通過することによって現像処理され、乾燥部50でヒータの発する熱によって乾燥される。その後、図2に示すように、乾燥部50に設けられる排出口50aからプリントScとして排出される。
ついで、図10を参照して、プリントScの作製動作について説明する。
図10に示すように、まず、表示部38に表示される設定画面でオペレータによって、プリントモード、プリントチャンネル、チャンネル倍率およびプリント画像104を形成すべき解像度等が設定される(ステップS101)。
つづいて、CPU32aの指示に従って、スキャナ部12によってフィルムFからあるいはメディアリーダライタ36によってメディアから入力画像データが取得され(ステップS103)、HDD32dに格納される。
つづいて、プリントチャンネル(印画紙Sのサイズ)、チャンネル倍率、プリントモード、解像度および入力画像103の画素サイズを用い、上述のようにプリントモードに対応して複数のプレビュー画像データが生成される(ステップS105)。
つづいて、各プレビュー画像データに基づくプレビュー画像102のプリント画像104の画素サイズ(面積)と枠画像106の画素サイズ(面積)とがCPU32aによって比較される(ステップS107)。
ステップS107で枠画像106の画素サイズに対してプリント画像104の画素サイズが所定の割合(たとえば5割)以下になるプレビュー画像102がない場合(ステップS109でNOの場合)、つづいて表示部38にプレジャッジ画面100が表示される(ステップS111)。
一方、ステップS107で枠画像106の画素サイズに対してプリント画像104の画素サイズが所定の割合以下になるプレビュー画像102がある場合(ステップS109でYESの場合)、当該プレビュー画像102に対応するプレビュー画像データに警告画像データが合成され(ステップS113)、その後、ステップS111に移る。
ステップS113で警告画像データが合成されたプレビュー画像データに基づくプレビュー画像102には、図5のプレジャッジ画面100において上段左端、上段右端および下段中央に示されるプレビュー画像102のように、警告マーク114が表示される。
つづいて、入力部34を介してオペレータによって、プレジャッジ画面100で複数のプレビュー画像102毎にプリント画像104の画像特性の補正の設定や作製するプリントScの枚数の設定がなされた後に、プリントScの作製を開始してもよければスタートボタン116(図3〜図5参照)が押される。そして、スタートボタン116が押される(ステップS115でYESになる)ことを契機として、印画紙Sへの露光、現像、乾燥処理(ステップS117)が開始される。スタートボタン116が押されるまでは(ステップS115でYESになるまでは)、プレジャッジ画面100が表示部38に表示され続ける。
ステップS117では、プリント部14で複数のプリント画像104がそれぞれプレビュー画像102に対応するようにカット済み印画紙Sに露光形成され、現像処理部48で画像形成済み印画紙Sに現像処理が施され、現像処理済み印画紙Sが乾燥部50で乾燥される(ステップS117)。その後、排出口50aから全てのプリントScが排出されると、プリントScの作製動作が終了する。
このような写真処理装置10では、複数のプレビュー画像データのそれぞれに基づく複数のプレビュー画像102を表示部38の画面上のプレジャッジ画面100に一覧表示することによって、オペレータに、複数のプリントScにおけるプリント画像104の形成態様を一度に確認させつつ各プレビュー画像102のプリント画像104の画像特性を確認させることができる。したがって、プレビュー画像102を表示する別の画面を表示部38に表示させる必要もなく、オペレータの手間を省き、作業効率を向上できる。
さらに、写真処理装置10では、プリント画像104の画素サイズが枠画像106の画素サイズ(印画紙Sのサイズ)に対して所定の割合以下になることをプレビュー画像102の警告マーク114によって報知できる。これによって、オペレータは警告マーク114が表示されるプレビュー画像102について、枚数設定欄112内の枚数「0」に設定し、プリントScの作製をパスすることができる。または、ペーパーマガジン40を交換することによって、印画紙Sのサイズを変更し、作製するプリントScの余白を小さくするように対処できる。したがって、印画紙Sのロスを抑えることができる。
なお、図3〜図5のプレジャッジ画面100には、それぞれ切り出しモード、全体モードおよび等倍モードに対応するプレビュー画像102が一覧表示されているが、プリント画像104毎にプリントモードを設定し、1つのプレジャッジ画面100に複数のプリントモードのいずれかに対応するプレビュー画像102を一覧表示するようにしてもよい。
また、たとえばプレジャッジ画面100に切替ボタン等を設け、切替ボタンを押すことによって、プレビュー画像102と画像表示欄101のサイズに合わせたプリント画像104(従来のプレジャッジ画像)とをプレジャッジ画面100上で切り替えて表示するようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、プリント画像104の画素サイズが枠画像106の画素サイズに対して所定の割合以下になることを警告マーク114によって報知する場合について説明したが、警告マーク114に代えてテキストや音声等で報知するようにしてもよい。
また、この発明で用いられるプリント材料は、印画紙に限定されず、布やプラスチックフィルム等であってもよい。
さらに、プリント材料にプリント画像を形成する手段としては、インクジェット方式であってもよい。