JP2006093447A - 積層型電子部品の製造方法 - Google Patents

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直美 吉池
Ryuji Hosogaya
隆二 細萱
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Abstract

【課題】 本発明は、短絡不良の発生を抑制でき、さらにデラミネーションの発生も抑制できる積層型電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 まず、第1のセラミック層3と第2のセラミック層6との間に内部電極4を位置させた単位積層体10を支持体2上に形成する。ここで、第1のセラミック層3の内部電極4に対応する領域での厚みは、第2のセラミック層6の内部電極4に対応する領域での厚みよりも厚くなるようにする。次に、既に積層された単位積層体10Aの第1のセラミック層3が、新たに積層する単位積層体10Bの第2のセラミック層6と接するように順次に積層して積層体を形成する。その後、積層体を焼成して、積層型電子部品を製造する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、積層型電子部品の製造方法に関するものである。
コンデンサ、圧電素子等の積層型電子部品を製造する方法の1つとして、セラミック粉、有機バインダ、可塑剤、溶剤等からなるセラミック層上に電極ペーストを印刷、乾燥して内部電極を形成して単位積層体を得て、これを積層する方法が知られている。しかしながら、このようにセラミック層に電極ペーストを印刷した場合、電極ペーストに含まれている溶剤により、セラミック層に含まれるバインダが溶解してしまうシートアタックの問題が発生する。シートアタックが発生した単位積層体を積層して得られる積層型電子部品では、内部電極が導通する短絡不良が発生する。
そこで、特許文献1では、電極パターンが形成された多孔度の低い第1のセラミック層上に、多孔度の高い第2のセラミック層を積層して単位積層体とし、これを積層する方法が開示されている。この方法によると、第1のセラミック層の多孔度が低いため、第1のセラミック層内への溶剤の侵入が減少し、シートアタックによる短絡不良の発生が抑制される。
特開平11−260665号公報
しかし、上記の方法では、乾燥させた状態で第1のセラミック層と第2のセラミック層とを積層している。電極とセラミック層とは密着性が悪いため、この方法では内部電極が形成された第1のセラミック層と第2のセラミック層との間でデラミネーションが発生してしまう。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、短絡不良の発生を抑制でき、さらにデラミネーションの発生も抑制できる積層型電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明による積層型電子部品の製造方法は、第1のセラミック層と第2のセラミック層との間に内部電極を位置させた単位積層体を支持体上に形成する工程と、単位積層体を複数用意し、用意された単位積層体のうち一の単位積層体の第1のセラミック層が、用意された前記単位積層体のうち他の単位積層体の第2のセラミック層と接するように順次に積層して積層体を形成する工程と、積層体を焼成する工程と、を備えており、単位積層体を形成する工程は、支持体上に第1のセラミックペーストを塗布し、これを乾燥させて第1のセラミック層を形成する工程と、第1のセラミック層表面の所定領域上に電極ペーストを印刷し、これを乾燥させて内部電極を形成する工程と、内部電極が形成された第1のセラミック層上に第2のセラミックペーストを塗布し、これを乾燥させて第2のセラミック層を形成する工程と、を有し、第1のセラミック層の内部電極に対応する領域での厚みが、第2のセラミック層の内部電極に対応する領域での厚みよりも厚いことを特徴とする。
この製造方法による積層型電子部品は、内部電極が形成された第1のセラミック層上に第2のセラミック層を形成した単位積層体を、一の単位積層体の第1のセラミック層とそれとは異なる他の単位積層体の第2のセラミック層とが接するように、順次積層して製造される。そのため、第1のセラミック層に電極ペーストが印刷され溶剤が侵入することによって、第1のセラミック層内にシートアタックが発生しても、その第1のセラミック層に接するようにして積層された単位積層体の第2のセラミック層によって、内部電極の導通による短絡不良は発生しにくい。また、第1のセラミック層の内部電極に対応する領域での厚みが、第2のセラミック層の内部電極に対応する領域での厚みよりも厚い。そのため、第1のセラミック層内でシートアタックが発生してもそれに対応できるだけの厚みが確保でき、短絡不良の発生を十分に抑制できる。
また、第2のセラミック層の厚みは内部電極の凹凸に影響されてしまうため、確実に厚みの制御ができる第1のセラミック層の厚みを厚くしておいた方が、単位積層体自体の厚みの制御が容易となり、耐電圧不良の発生を抑制することが可能となる。
さらに、一の単位積層体の第1のセラミック層と他の単位積層体の第2のセラミック層とが接するように単位積層体を積層するため、単位積層体間でのデラミネーションの発生が抑制される。加えて、第1のセラミック層に乾燥させた第2のセラミック層を積層するのではなく、第1のセラミック層上にセラミックペーストを塗布することによって第2のセラミック層を形成する。そのため、内部電極と第2のセラミック層との間でのデラミネーションの発生が抑制される。
また、積層体を形成する工程において、新たに積層する単位積層体を、既に積層された単位積層体の第1のセラミック層に新たに積層する単位積層体の第2のセラミック層が接するようにして積層した後に、新たに積層した単位積層体から支持体を剥離することが好ましい。あるいは、積層体を形成する工程において、支持体を剥離した後に単位積層体を順次に積層してもよい。
このように各単位積層体を積層し支持体を剥離することで、一の単位積層体の第1のセラミック層と、それとは異なる他の単位積層体の第2のセラミック層とが接するように順次積層することが可能となる。
また、第1のセラミックペースト及び第2のセラミックペーストの双方又はいずれか一方はバインダを含み、積層体を焼成する工程の前に、第1のセラミック層及び第2のセラミック層の双方又はいずれか一方からバインダを除去する工程をさらに備えることが好ましい。バインダによって、セラミック粉末等が結着され、セラミック成形体を所望の形状に形成することが可能となる。
また、第1のセラミックペーストと第2のセラミックペーストとが同じ材料からなることが好ましい。この場合、積層体の焼成条件の設定が容易となる。
また、内部電極を形成する工程において、電極ペーストが印刷される所定領域が、第1のセラミック層表面の一部であって、単位積層体を形成する工程は、第1のセラミック層上において内部電極が形成されていない余白部に第3のセラミックペーストを印刷し乾燥させて、補助層を形成する工程をさらに備え、補助層の厚みが、内部電極の厚みと同じであることが好ましい。
第1のセラミック層上の余白部に、厚みが内部電極の厚みと等しい補助層を形成することにより、内部電極と補助層とが凹凸の少ないほぼ平坦な平面を構成する。そのため、内部電極及び補助層の上に形成される第2のセラミック層の表面を容易に平坦化できる。また、こうして第2のセラミック層表面が平坦かされることから、単位積層体間でのデラミネーションの発生がさらに抑制される。
本発明によれば、短絡不良の発生を抑制でき、さらにデラミネーションの発生も抑制できる積層型電子部品の製造方法を提供することができる。
以下、図面とともに、本発明による積層型電子部品の製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。なお、見易さのため、図1、図3、図4、図6、図7及び図8では、電極パターンに斜線を付している。
(第1実施形態)
まず、図1〜図5に基づいて、第1実施形態に係る積層型コンデンサの製造方法について説明する。本実施形態に係る積層型コンデンサの製造方法は、単位積層体を形成する工程、積層体を形成する工程、バインダを除去する工程及び積層体を焼成する工程を含んでいる。
まず、単位積層体を形成する工程を説明する。図1は、単位積層体を形成する工程を説明するために模式的に表した工程断面図である。単位積層体を形成する工程は、第1のセラミック層を形成する工程、内部電極を形成する工程、補助層を形成する工程、及び第2のセラミック層を形成する工程を含む。
第1のセラミック層を形成する工程では、図1の工程(a)に示すように、支持体2上に第1のセラミックペーストを塗布し、これを乾燥させて第1のセラミック層3を形成する。第1のセラミックペーストは、例えばチタン酸バリウムを主成分とする誘電体材料にバインダ樹脂(例えば有機バインダ樹脂等)と溶剤とを加えて混合分散することにより得られる。また、支持体2としては、例えばロール状に形成された、可撓性のあるPETフィルムを用いる。
続いて、内部電極を形成する工程では、図1の工程(b)に示すように、第1のセラミック層3表面の、所定領域3a上に電極ペーストを印刷し、これを乾燥させて内部電極4を形成する。電極ペーストは、例えばNi、Ag、Pdなどの金属粉末にバインダ樹脂、溶剤を混練することにより得られる。また、印刷手段として、例えばスクリーン印刷などを用いる。
ここで、内部電極4は、第1のセラミック層3上で2次元配列に形成される。具体的には、図2に示すように、ロール状である支持体2の長手方向と垂直な方向に、一定の配列間隔dで配列された1次元配列が複数形成される。これらの1次元配列は、d/2だけこの1次元配列方向へずれながら、この1次元配列と垂直な方向に、一定の配列間隔dで配列されて、2次元配列の内部電極4を構成する。
続いて、補助層を形成する工程を説明する。第1のセラミック層3表面で電極ペーストが印刷され内部電極4が形成される領域3aは、図1の工程(b)に示すように、第1のセラミック層3の表面すべてではなく一部である。そこで、図1の工程(c)に示すように、第1のセラミック層3上において内部電極4が形成されていない余白部3bに第3のセラミックペーストを印刷し乾燥させて、補助層5を形成する。この際、補助層5の厚みと内部電極4の厚みとが同じになるようにする。印刷手段として、例えばスクリーン印刷などを用いる。
続いて、第2のセラミック層を形成する工程では、図1の工程(d)に示すように、内部電極4が形成された第1のセラミック層3上に第2のセラミックペーストを塗布し、これを乾燥させて第2のセラミック層6を形成する。第2のセラミックペーストとして、第1のセラミックペーストと同じ材料からなるものを用いる。
ここで、第1のセラミック層3の内部電極4に対応する領域での厚みDは、第2のセラミック層6の内部電極4に対応する領域での厚みDよりも厚い。すなわち、D>Dの関係を満たす。
次に、図2に示すように、ロール状である支持体2の長手方向において分割する。具体的には、矩形である一定領域S毎に、支持体2及び支持体2上に形成された第1及び第2のセラミック層3、6を切断する。これにより、第1のセラミック層3と第2のセラミック層6との間に内部電極4を位置させ、支持体2上に形成された矩形シート状の単位積層体10を得る。
次に、積層体を形成する工程を説明する。図3は、積層体を形成する工程を説明するために模式的に表した工程断面図である。まず、矩形シート状の単位積層体10を複数用意する。用意された単位積層体10のうち一の単位積層体10の第1のセラミック層3が、用意された単位積層体10のうち他の単位積層体10の第2のセラミック層6と接するように順次に積層して圧着し、積層体を形成する。具体的には、既に積層された単位積層体10Aの第1のセラミック層3に、新たに積層する単位積層体10Bの第2のセラミック層6が接するようにして、この単位積層体10Bを積層、圧着する。こうして単位積層体10Bを積層、圧着した後、単位積層体10Bから支持体2を剥離する。なお、図3に示すように、新たに積層する単位積層体10Bと直前に積層された単位積層体10Aとで内部電極4の位置がd/2だけずれるように、単位積層体10Bを積層する。
以上説明したように単位積層体10を順次に積層することにより、図4に示すように、積層体20が形成される。積層体20の形成後、積層体20を挟むようにして、保護層22を積層体20の積層方向の両端に積層し、圧着する。保護層22は、複数のセラミックグリーンシートを積層し、圧着して形成される。
図4は、保護層22が積層された積層体20の積層分解断面を模式的に表す図である。このように保護層22が積層された積層体20を、切断予定位置Cで切断して積層チップ30を得る。その後、第1及び第2のセラミック層3、6に含まれているバインダを除去する。バインダを除去する工程の実行後、積層チップ30を焼成する。
図5に、焼成された積層チップ30を用いて製造した積層型コンデンサの断面図を示す。積層チップ30の表面に外部電極52を形成することにより、積層型コンデンサ50を得ることができる。外部電極52は、内部電極4の端部に電気的に接続される。
以上のように、第1実施形態に係る積層型コンデンサの製造方法によれば、各単位積層体10は、第2のセラミック層6を有している。さらに、複数の単位積層体10の積層に際しては、一の単位積層体10Aの第1のセラミック層3と、それとは異なる他の単位積層体10Bの第2のセラミック層6とが接するように単位積層体10を積層する。そのため、一の単位積層体10Aにおいて、電極ペーストの印刷によって溶剤が第1のセラミック層3内に侵入し、シートアタックが発生しても、単位積層体10Bは、第2のセラミック層6を有し、その第2のセラミック層6が単位積層体10Aの第1のセラミック層3に接するように積層される。これにより、単位積層体10Aと単位積層体10Bとの間での内部電極4の導通を防ぐことができる。その結果、内部電極4の導通による短絡不良の発生を抑制することが可能となる。
また、第1のセラミック層3の内部電極4に対応する領域での厚みDが、第2のセラミック層6の内部電極4に対応する領域での厚みDよりも厚い。そのため、第1のセラミック層3内でシートアタックが発生してもそれに対応できるだけの厚みを確保でき、短絡不良の発生を十分に抑制することができる。
また、第2のセラミック層6の厚みは、内部電極4の凹凸に影響されてしまうところ、単位積層体10では確実に厚みの管理ができる第1のセラミック層3の厚みが厚い。そのため、単位積層体10自体の厚みの制御が容易となり、積層型電子部品の耐電圧不良の発生を抑制することができる。
このことを、本実施形態による実施例によって示す。実施例では、積層型コンデンサ50と同じ構成で、単位積層体を100層積層して製造された3種類の積層型コンデンサLC、LC、LCを製造し、製造された積層型コンデンサLC、LC、LCの耐電圧測定を行った。これらは、単位積層体の厚みを一定としたまま、第1及び第2のセラミック層の厚みD、Dを3通りに変えている。具体的には、積層型コンデンサLCとして第1のセラミック層の厚みDが1.00μm、第2のセラミック層の厚みDが0.50μmのもの(D>D)を、積層型コンデンサLCとして第1のセラミック層の厚みDが0.75μm、第2のセラミック層の厚みDが0.75μmのもの(D=D)を、積層型コンデンサLCとして第1のセラミック層の厚みDが0.50μm、第2のセラミック層の厚みDが1.00μmのもの(D<D)を用いた。なお、上記各層の厚みは、それぞれ内部電極に対応する領域での厚みである。
Figure 2006093447
この耐電圧測定結果から、第2のセラミック層の厚みDに対する第1のセラミック層の厚みDが厚くなるにしたがい耐電圧値が大きくなることがわかる。即ち、第1のセラミック層の厚みDが第2のセラミック層の厚みDより厚い積層型コンデンサLCの耐電圧値が最も大きい。以上の結果から、実施例に係る積層型コンデンサLC〜LCのうち、積層型コンデンサLCの層間距離が最も安定していると考えられる。このことから、第1のセラミック層の厚みDが第2のセラミック層の厚みDより厚いと、単位積層体10の厚みの制御が容易になり、耐電圧不良の発生が抑制できる、といえる。
なお、積層体20の層間距離を安定させるため、第2のセラミック層6の内部電極4に対応する領域での厚みDが、第1のセラミック層3の内部電極4に対応する領域での厚みDの1/2以下であることが好ましい。また、本実施形態による積層型電子部品の製造方法は、層間距離が2〜3μmで、積層数が200層以上の薄層・多層の製品の製造に特に有効である。
また、単位積層体10の積層に際しては一の単位積層体10Aの第1のセラミック層3と他の単位積層体10Bの第2のセラミック層6とが接するように、複数の単位積層体10を積層する。すなわち、第2のセラミック層を有さず内部電極が露出している単位積層体を積層する場合と異なり、内部電極とセラミック層とが接するように単位積層体が積層されることはなく、セラミック層とセラミック層とが接するように積層される。そのため、単位積層体10間でのデラミネーションの発生を抑制することが可能となる。
さらに、第1のセラミック層3に対して乾燥させた第2のセラミック層を積層するのではなく、セラミックペーストを塗布することによって第2のセラミック層6を形成する。そのため、内部電極4と第2のセラミック層6との間でのデラミネーションの発生も抑制することが可能となる。
また、既に積層され、支持体2から剥離された状態の単位積層体10Aの第1のセラミック層3に、新たに積層する、支持体2付きの単位積層体10Bの第2のセラミック層6が接するようにして単位積層体10Bを積層した後、単位積層体10Bから支持体2を剥離する。このような向きで支持体2付きの単位積層体10Bを積層し支持体2を剥離することで、一の単位積層体10Aの第1のセラミック層3と、それとは異なる他の単位積層体10Bの第2のセラミック層6とが接するように順次に積層することが可能となる。その結果、内部電極4の導通による短絡不良の発生を抑制することが可能となる。
また、第1のセラミックペースト及び第2のセラミックペーストの双方がバインダを含む。そのため、セラミックペーストを構成するセラミック粉末等が結着され、セラミックペーストを所望の形状に形成することが可能となる。また、積層チップ30を焼成する前に、第1のセラミック層及び第2のセラミック層3、6からバインダを除去する。そのため、焼成時においてガス化したバインダが第1のセラミック層及び第2のセラミック層から発生することにより、焼成雰囲気を狂わせ、積層チップ30の焼成不良を引き起こすことが防げる。
また、第1のセラミックペーストと第2のセラミックペーストとは同じ材料からなる。そのため、積層チップ30の焼成条件の設定が容易となる。
また、第1のセラミック層3上において内部電極4が形成されていない余白部3bに、厚みが内部電極4の厚みと同じである補助層5を形成する。このような補助層5と内部電極4とによって、凹凸の少ないほぼ平坦な平面を構成することができる。これにより、内部電極4及び補助層5の上に形成される第2のセラミック層6の表面を容易に平坦化することが可能となる。また、こうして第2のセラミック層6表面が平坦化されることにより、単位積層体10間でのデラミネーションの発生をさらに抑制することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、図6及び図7に基づいて、本発明の第2実施形態に係る積層型コンデンサの製造方法について説明する。
本実施形態による製造方法は、単位積層体を形成する工程、積層体を形成する工程、バインダを除去する工程及び積層体を焼成する工程を含む点では第1実施形態による製造方法と同じであるが、積層体を形成する工程において、支持体を剥離した後に単位積層体を積層する点で第1実施形態とは異なる。
積層体を形成する工程を説明する。まず、矩形シート状の単位積層体10を複数用意し、各単位積層体10から支持体2を剥離する。支持体2を剥離した後、単位積層体10のうち一の単位積層体10の第1のセラミック層3が、それとは異なる他の単位積層体10の第2のセラミック層6と接するように順次に積層して圧着し、積層体を形成する。具体的には、図6に示すように、既に積層された単位積層体10Aの第2のセラミック層6に、新たに積層する単位積層体10Bの第1のセラミック層3が接するようにして、この単位積層体10Bを積層する。あるいは、図7に示すように、既に積層された単位積層体10Aの第1のセラミック層3に、新たに積層する単位積層体10Bの第2のセラミック層6が接するようにして、この単位積層体10Bを積層してもよい。なお、図6及び図7に示すように、新たに積層する単位積層体10Bと直前に積層された単位積層体10Aとで内部電極4の位置がd/2だけずれるように、単位積層体10Bを積層する。
以上のように、第2実施形態においても、第1実施形態と同じく、短絡不良の発生を抑制でき、さらにデラミネーションの発生も抑制できる積層型電子部品の製造をすることができる。
また、第1実施形態同様、確実に厚みの制御ができる第1のセラミック層3の厚みが第2のセラミック層6の厚みに比べて厚いため、単位積層体10自体の厚みの制御が容易となる。
また、第1のセラミックペースト及び第2のセラミックペーストの双方がバインダを含み、焼成前にバインダを除去する工程を含むため、第1実施形態同様、セラミックペーストを所望の形状に形成することができ、さらには、積層体の焼成不良を引き起こすことを防ぐことができる。
また、第1のセラミックペーストと第2のセラミックペーストとは同じ材料からなる。そのため、第1実施形態同様、積層チップ30の焼成条件の設定が容易となる。
また、第1のセラミック層3上において内部電極4が形成されていない余白部3bに、厚みが内部電極4の厚みと同じである補助層5を形成する。そのため、第1実施形態同様、内部電極4及び補助層5の上に形成される第2のセラミック層6の表面を容易に平坦化できる。また、こうして第2のセラミック層6表面が平坦化されることにより、単位積層体10間でのデラミネーションの発生をさらに抑制することが可能となる。
また、積層前に単位積層体10から支持体2を剥離するので、一の単位積層体10Aの第1のセラミック層3と、それとは異なる他の単位積層体10Bの第2のセラミック層6とが接するような積層を容易に行うことができる。その結果、内部電極4の導通による短絡不良、あるいは耐電圧不良の発生が抑制される。
なお、第1実施形態同様、積層体の層間距離を安定させるため、第2のセラミック層6の内部電極4に対応する領域での厚みDが、第1のセラミック層3の内部電極4に対応する領域での厚みDの1/2以下であることが好ましい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では補助層を形成していたが、形成していなくてもよい。補助層を形成しない場合、図8に示すよう、余白部を埋めるように第2のセラミックペーストを塗布して第2のセラミック層46を形成し、単位積層体40を得る。さらに、こうして得られた単位積層体40を積層して、積層体42を形成する。
なお、第1のセラミックペーストと第2のセラミックペーストとでその材料が異なっていてもよい。また、第1のセラミックペーストと第2のセラミックペーストは、バインダを含んでいなくてもよい。あるいは、一方のみがバインダを含んでいてもよい。ただし、双方ともがバインダを含まない場合は、バインダを除去する工程は含まない。
単位積層体を形成する工程を説明する図である。 内部電極が有する電極パターンを表す図である。 積層体を形成する工程を説明するための工程断面図である。 積層体の積層分解断面を模式的に表す図である。 積層型コンデンサの断面構成を説明するための図である。 第2実施形態に係る積層型電子部品の製造方法について説明する図である。 第2実施形態に係る積層型電子部品の製造方法の変形例について説明する図である。 積層型電子部品の製造方法の変形例について説明する図である。
符号の説明
2…支持体、3…第1のセラミック層、4…内部電極、5…補助層、6、46…第2のセラミック層、10、10A、10B、40…単位積層体、20、42…積層体、22…保護層、30…積層チップ、50…積層型コンデンサ、52…外部電極

Claims (6)

  1. 第1のセラミック層と第2のセラミック層との間に内部電極を位置させた単位積層体を支持体上に形成する工程と、
    前記単位積層体を複数用意し、用意された前記単位積層体のうち一の単位積層体の前記第1のセラミック層が、用意された前記単位積層体のうち他の単位積層体の前記第2のセラミック層と接するように順次に積層して積層体を形成する工程と、
    前記積層体を焼成する工程と、を備えており、
    前記単位積層体を形成する工程は、
    前記支持体上に第1のセラミックペーストを塗布し、これを乾燥させて前記第1のセラミック層を形成する工程と、
    前記第1のセラミック層表面の所定領域上に電極ペーストを印刷し、これを乾燥させて前記内部電極を形成する工程と、
    前記内部電極が形成された前記第1のセラミック層上に第2のセラミックペーストを塗布し、これを乾燥させて前記第2のセラミック層を形成する工程と、を有し、
    前記第1のセラミック層の前記内部電極に対応する領域での厚みが、前記第2のセラミック層の前記内部電極に対応する領域での厚みよりも厚いことを特徴とする積層型電子部品の製造方法。
  2. 前記積層体を形成する前記工程において、新たに積層する単位積層体を、既に積層された単位積層体の前記第1のセラミック層に新たに積層する前記単位積層体の前記第2のセラミック層が接するようにして積層した後に、新たに積層した前記単位積層体から前記支持体を剥離することを特徴とする請求項1に記載の積層型電子部品の製造方法。
  3. 前記積層体を形成する前記工程において、前記支持体を剥離した後に前記単位積層体を順次に積層することを特徴とする請求項1に記載の積層型電子部品の製造方法。
  4. 前記第1のセラミックペースト及び前記第2のセラミックペーストの双方又はいずれか一方はバインダを含み、
    前記積層体を焼成する前記工程の前に、前記第1のセラミック層及び前記第2のセラミック層の双方又はいずれか一方から前記バインダを除去する工程をさらに備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の積層型電子部品の製造方法。
  5. 前記第1のセラミックペーストと前記第2のセラミックペーストとが同じ材料からなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の積層型電子部品の製造方法。
  6. 前記内部電極を形成する前記工程において、前記電極ペーストが印刷される前記所定領域が、前記第1のセラミック層表面の一部であって、
    前記単位積層体を形成する前記工程は、前記第1のセラミック層上において前記内部電極が形成されていない余白部に第3のセラミックペーストを印刷し乾燥させて、補助層を形成する工程をさらに備え、前記補助層の厚みが、前記内部電極の厚みと同じであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の積層型電子部品の製造方法。

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