以下、図面を参照しながら、この発明の実施例に係るカラー画像形成装置及びカラー画像作成方法について説明をする。
図1は、本発明に係る実施例としてのカラー画像形成装置100の構成例を示す概念図である。
図1に示すカラー画像形成装置100は、カラー画像情報に基づいて色を重ね合わせ、像形成体を構成する感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kを介して中間転写ベルト6に色画像を形成する装置である。
カラー画像形成装置100は色ずれ補正モードを実行する。ここに色ずれ補正モードとは、像形成体に色ずれ補正用の基準色を含む各色の画像を形成し、ある基準時刻から印画像の通過時刻検出に至るまでの経過時間を各々算出し、各色の経過時間を像形成体環境情報に基づいて補正し、補正後の各々の経過時間からある基準色に対する色ずれ量を算出し、その色ずれ量情報に基づいて色ずれ補正をする動作をいう。
このカラー画像形成装置100は、装置本体101と画像読取装置102から構成される。装置本体101の上部には、自動原稿給紙装置201と原稿画像走査露光装置202から成る画像読取装置102が設置されている。自動原稿送り装置201の原稿台上に載置された原稿30は搬送手段により搬送され、原稿画像走査露光装置202の光学系により原稿30の片面又は両面の画像が走査露光され、原稿画像を反映する入射光がR(赤)色、G(緑)色及びB(青)色用のラインイメージセンサCCDにより読み込まれる。
ラインイメージセンサCCDにより光電変換されたカラー用のアナログ画像信号は、図示しない画像処理部において、RGB色毎にアナログ処理、A/D変換、シェーディング補正及び画像圧縮処理等がなされ、デジタルのカラー用の画像情報となる。画像情報は画像形成手段を構成する画像書き込みユニット(露光手段)3Y、3M、3C、3Kへ送られる。
上述の自動原稿送り装置201は自動両面原稿搬送手段を備えている。この自動原稿送り装置201は原稿載置台上から給送される多数枚の原稿30の内容を連続して一挙に読み取り、原稿内容を記憶手段に蓄積するようになされる(電子RDH機能)。この電子RDH機能は、複写機能により多数枚の原稿内容を複写する場合、或いはファクシミリ機能により多数枚の原稿30を送信する場合等に便利に使用される。
装置本体101は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるものである。画像形成手段は所定の速度で移動可能な像形成体に当該色のトナー像を形成する複数組の画像形成ユニット(画像形成系)10Y、10M、10C、10Kと、画像転写手段(画像転写系)の一例を成す無終端状の中間転写ベルト6と、再給紙機構(ADU機構)を含む給紙搬送手段と、トナー像を定着するための定着装置17とを備えている。像形成体は、4組の感光体ドラム1Y,1M,1C,1K及び1組の中間転写ベルト6から構成される。
イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成ユニット10Yは、Y色のトナー像を形成する感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配置されたY色用の帯電手段2Y、露光手段(以下画像書込みユニットという)3Y、現像装置4Y及び像形成体用のクリーニング手段8Yを有する。画像形成ユニット10Yは、色ずれ補正モード実行時に、感光体ドラム1Y上に色ずれ補正用のY色のレジストマークCRを形成する。
マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成ユニット10Mは、M色のトナー像を形成する感光体ドラム1Mと、M色用の帯電手段2M、画像書込みユニット3M、現像装置4M及び像形成体用のクリーニング手段8Mを有する。画像形成ユニット10Mは、色ずれ補正モード実行時に、感光体ドラム1M上に色ずれ補正用のM色のレジストマークCRを形成する。
シアン(C)色の画像を形成する画像形成ユニット10Cは、C色のトナー像を形成する感光体ドラム1Cと、C色用の帯電手段2C、画像書込みユニット3C、現像装置4C及び像形成体用のクリーニング手段8Cを有する。画像形成ユニット10Cは、色ずれ補正モード実行時に、感光体ドラム1C上に色ずれ補正用のC色のレジストマークCRを形成する。
黒(BK)色の画像を形成する画像形成ユニット10Kは、BK色のトナー像を形成する感光体ドラム1Kと、BK色用の帯電手段2K、画像書込みユニット3K、現像装置4K及び像形成体用のクリーニング手段8Kを有する。画像形成ユニット10Kは、色ずれ補正モード実行時に、感光体ドラム1K上に色ずれ補正用のBK色のレジストマークCRを形成する。
帯電手段2Yと画像書込みユニット3Y、帯電手段2Mと画像書込みユニット3M、帯電手段2Cと画像書込みユニット3C及び帯電手段2Kと画像書込みユニット3Kとは、潜像形成手段を構成する。現像装置4Y、4M、4C、4Kによる現像は、使用するトナー極性と同極性(本実施例においては負極性)の直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される反転現像にて行われる。
中間転写ベルト6は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持され、各々の感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに形成されたY色、M色、C色、BK色の各トナー像を転写するようになされる。中間転写ベルト6には柔軟性を有してゴム系のベルトが使用される。ベルト素材としては、傷が付き難く温度や湿度変化に対して伸縮しない物性のものが好ましい。
ここで画像形成プロセスの概要について以下に説明をする。画像形成ユニット10Y、10M、10C及び10Kより形成された各色の画像は、使用するトナーと反対極性(本実施例においては正極性)の1次転写バイアス(不図示)が印加される1次転写ローラ7Y、7M、7C及び7Kにより、回動する中間転写ベルト6上に逐次転写されて(1次転写)、合成されたカラー画像(色画像:カラートナー像)が形成される。カラー画像は中間転写ベルト6から用紙Pへ転写される。
用紙Pは、給紙カセット20A、20B、20C内に収容され、これらの給紙カセット20A、20B、20Cにそれぞれ設けられた送り出しローラ21および給紙ローラ22Aにより給紙され、搬送ローラ22B、22C、22D、レジストローラ23等を経て、2次転写ローラ7Aに搬送される。カラー画像は、用紙P上の一方の面(表面)に一括して転写される(2次転写)。
カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置17により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。転写後の感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kの周面上に残った転写残トナーは、像形成体クリーニング手段8Y、8M、8C、8Kによりクリーニングされ、次の画像形成サイクルに入る。
両面画像形成時には、一方の面(表面)に画像形成され、定着装置17から排出された用紙Pは、分岐手段26によりシート排紙路から分岐され、それぞれ給紙搬送手段を構成する、下方の循環通紙路27Aを経て、再給紙機構(ADU機構)である反転搬送路27Bにより表裏を反転され、再給紙搬送部27Cを通過して、給紙ローラ22Dにおいて合流する。
反転搬送された用紙Pは、レジストローラ23を経て、再度2次転写ローラ7Aに搬送され、用紙Pの他方の面(裏面)上にカラー画像(カラートナー像)が一括転写される。カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置17により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。
一方、2次転写ローラ7Aにより用紙Pにカラー画像を転写した後、用紙Pを曲率分離した中間転写ベルト6は、中間転写ベルト用のクリーニング手段8Aにより残留トナーが除去される。これらの画像形成の際には、用紙Pとして52.3〜63.9kg/m2(1000枚)程度の薄紙や64.0〜81.4kg/m2(1000枚)程度の普通紙、83.0〜130.0kg/m2(1000枚)程度の厚紙や150.0kg/m2(1000枚)程度の超厚紙が用いられる。用紙Pの厚み(紙厚)としては0.05〜0.15mm程度の厚さのものが用いられる。
上述の装置本体101の内部には、温度検出手段を構成する温度センサ11Aが取り付けられ、機内温度を検出して温度検出信号を出力するようになされる。温度検出手段11には熱電対構造、サーミスタ構造、IC熱電対構造のものが使用される。
また、クリーニング手段8Aの上流側であって、中間転写ベルト6の左側には、検出手段の一例となるレジストセンサ12が設けられており、上述した画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kによって中間転写ベルト6に形成されたレジストマークCRの位置を検出して位置検出信号S2を発生するようになされる。この例では、レジストセンサ12は、中間転写ベルト6に形成された各色のレジストマークCRの通過時刻を所定位置で検出するようになされる。レジストセンサ12には発光素子及び受光素子を有した反射型の光学センサが使用される。このレジストセンサ12は左側だけでなく右側に設けてもよい。
装置本体101には制御手段15が設けられ、温度センサ11Aから得られる温度検出信号と、レジストセンサ12から得られる位置検出信号S2に基づいて色ずれ補正モードを実行する。この色ずれ補正モードでは、中間転写ベルト6の画像基準位置に色ずれ補正用の基準色を含む各色のレジストマークCRが形成され、ある基準時刻からレジストマークCRの通過時刻検出に至るまでの経過時間を各々算出し、各色の経過時間を像形成体環境情報に基づいて補正し、補正後の各々の経過時間からある基準色に対する色ずれ量が算出され、その色ずれ量情報に基づいて色ずれ補正がなされる。ここに、像形成体環境情報(機械内環境)とは、機械内部の温度情報や湿度情報をいう。
上述の画像基準位置とは、レジストセンサ12が中間転写ベルト6上のレジストマークCRを精度良く読み込める位置である。この画像基準位置は感光体ドラム1Y等に対してレーザビームを走査する主走査方向において、感光体ドラム1Y,1M,1C,1B等のほぼ中心位置から例えば、左側に所定距離を置いて設定された設計基準位置である。この画像基準位置はレジストマークCRのマーク基準位置と同じ位置になる関係にある。
つまり、画像基準位置は、レジストマークCRのマーク基準位置である中央部とレジストセンサ12の受光部中央(光軸)とが一致する位置である。換言すると、中間転写ベルト6の移動方向を副走査方向としたとき、この副走査方向に移動する中間転写ベルト6において、レジストセンサ12の光軸がレジストマークCRの中央部の検出軌跡線上をトレースする位置関係にあるようになされる。
また、色重ね合わせ時の画像形成位置とは、カラー画像データに基づく任意の色画像を中間転写ベルト6で再現する場合に、Y色、M色、C色、BK色等の各々のトナー像を重ね合わせる位置をいう。この画像基準位置や画像形成位置等は、感光体ドラム1Bに対する感光体ドラム1C,1M,1Yの画像書込みタイミング(書出し位置)を調整することで補正される。
図2は第1の実施例としてのカラー画像形成装置100の画像転写系I及び画像形成系IIの構成例を示すブロック図である。
この例で、色ずれ補正モード実行時、使用環境温度とそのとき生ずる色ずれ量算出誤差Eとの関係は、搬送ベルトの物性によって決まるので、色ずれ補正モード実行時の使用環境温度θがわかれば、色ずれ量算出誤差Eを一意的に算出することができるようになる。そして、市場での色ずれ補正モード実行時に、そのときの使用環境温度θの関係式から色ずれ量算出誤差Eを算出し、従来方法で算出された色ずれ量を補正するようになされる。
図2に示すカラー画像形成装置100は、図1に示した温度検出センサ11やレジストセンサ12等を含む処理系を画像転写系Iとし、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを画像形成系IIとして抜き出したものである。図2において、カラー画像形成装置100は画像形成位置が予め規定された感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kにカラー画像を形成する装置であり、不揮発メモリ14、制御手段15、操作手段16、表示手段18、画像処理手段70を有している。
図2に示す制御手段15には温度検出手段11が接続され、機内温度を検出して得た機内温度情報を出力するようになされる。温度検出手段11は、例えば、図1に示した温度センサ11Aや、図示しないアナログ・デジタル変換器(以下A/D変換器という)から構成される。A/D変換器は温度センサ11Aから出力される温度検出信号をアナログ・デジタル変換し、機内温度情報となるA/D変換後の温度検出データDtpを制御手段15に出力する。
制御手段15は、温度検出手段11により出力される温度検出データDtpと、レジストセンサ12から得られる位置検出信号S2に基づいて色ずれ補正モードを実行する。この色ずれ補正モードでは、中間転写ベルト6の画像基準位置に色ずれ補正用の基準色を含む各色のレジストマークCRが形成され、ある基準時刻からレジストマークCRの通過時刻検出に至るまでの経過時間を各々算出し、各色の経過時間を像形成体環境情報に基づいて補正し、補正後の各々の経過時間からある基準色に対する色ずれ量が算出され、その色ずれ量情報に基づいて色ずれ補正がなされる。
この例で、像形成体環境情報には、少なくとも、温度又は湿度情報が含まれ、かつ、中間転写ベルト6の使用環境によって生じる色ずれ量算出誤差を予め測定すると共に、当該色ずれ量算出誤差から予め求めた温度補正係数又は湿度補正係数が含まれる。
この例で、中間転写ベルト6の使用環境温度(機械内温度)をθ[℃]とし、色ずれ量算出誤差Eがゼロとなるときの使用環境温度をθoとし、温度補正係数をαとし、色ずれ量算出誤差をEとしたとき、制御手段15は、(3)式、すなわち、
E=α(θ−θo) ・・・・・・・・(3)
を算出する。温度補正係数αは、使用環境温度θによって変化する搬送ベルトの物性により決まる係数である。例えば、ベルト素材#1に対して温度補正係数はα1であり、ベルト素材#2に対して温度補正係数はα2である。同様にして、ベルト素材#nに対して温度補正係数はαnである。
そして、制御手段15は色ずれ量から色ずれ量算出誤差Eを減算するようになされる。もちろん、これに限られることはなく、色ずれ算出誤差Eは、ある指定温度範囲内では一定の値を用い、色ずれ量の算出実行時に色ずれ量から色ずれ量算出誤差Eを減ずるようにしてもよい。この例で温度補正係数αは、複数の画像形成装置間で共通の値を用いるようになされる。
なお、上述の(3)式を用いずに、使用環境温度をある範囲に区切って、例えば、20℃〜30℃のとき、色ずれ量算出誤差はE=0.2画素のようにしてテーブル参照方式を採ってもよい。
制御手段15には操作手段16が接続され、通常のプリントモード時にユーザによって画像形成条件等の操作データD3を入力するように操作される。操作はユーザによってなされる。制御手段15には操作手段16の他に表示手段18が接続され、例えば、表示手段18は、色ずれ補正モードを実行するための操作設定画面を表示する。操作設定画面は制御手段15から供給される表示データDvに基づいて表示される。表示手段18には液晶ディスプレイが使用され、液晶ディスプレイは、操作手段16を構成する図示しないタッチセンサパネルと組み合わせて使用される。
制御手段15には更に不揮発メモリ14が接続されており、色ずれ補正モード実行時に参照するためのデータテーブルが格納される。このデータテーブルは、色ずれ量算出誤差Eがゼロとなるときの使用環境温度θoや使用環境湿度Ho、温度補正係数α、湿度補正係数βが格納される。また、使用環境温度又は湿度をある範囲に区切った場合に、その使用環境温度又は湿度の範囲に対応する色ずれ量算出誤差Eの画素値を格納するようになされる。
制御手段15は、例えば、色ずれ補正モード実行時に、データテーブルを参照し、このデータテーブルと、温度センサ11Aから得られる温度検出データDtpに基づいて演算して得られるタイミング調整量Sを画像データDy、Dm、Dcに演算し、当該画像データDy、Dm、Dcの感光体ドラム1Y,1M,1Cへの書き込みタイミングを調整するようになされる。この不揮発メモリ14には、上述のデータテーブルが格納される他、温度検出データDtp、位置検出データDpや、位置ずれ量、色ずれ量補正データDsが記憶される。
この制御手段15にはレジストセンサ12が接続されており、中間転写ベルト6に形成されたトナー像(レジストマークCR等の色画像)の位置を検出して位置検出信号S2を出力する。レジストセンサ12には、CCDセンサや反射型のフォトセンサ等が使用される。制御手段15は、レジストセンサ12から得られる位置検出信号S2をアナログ・デジタル変換した後の位置検出データDpに基づいて画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを制御する。
制御手段15には画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kが接続されており、画像形成ユニット10Yでは、画像処理手段70から出力されるカラー用の画像情報を構成するY色用の画像データDyに基づいて中間転写ベルト6にY色のトナー画像を形成する。例えば、画像書込みユニット3Yは感光体ドラム1Yに対峙して設けられ、レーザ光を感光体ドラム1Yに照射して画像データDyを書き込むように動作する。感光体ドラム1Yの前方には、レーザ光検知センサ(検出手段)9Yが設けられ、Y色用のレーザ光の照射タイミングを検知してレーザ光検知信号S9yを制御手段15に出力するようになされる。
画像形成ユニット10MではM色用の画像データDmに基づいて中間転写ベルト6にM色のトナー画像を形成する。例えば、画像書込みユニット3Mは感光体ドラム1Mに対峙して設けられ、レーザ光を感光体ドラム1Mに照射して画像データDmを書き込むように動作する。感光体ドラム1Mの前方には、レーザ光検知センサ(検出手段)9Mが設けられ、M色用のレーザ光の照射タイミングを検知してレーザ光検知信号S9mを制御手段15に出力するようになされる。
画像形成ユニット10CではC色用の画像データDcに基づいて中間転写ベルト6にC色のトナー画像を形成する。例えば、画像書込みユニット3Cは感光体ドラム1Cに対峙して設けられ、レーザ光を感光体ドラム1Cに照射して画像データDcを書き込むように動作する。感光体ドラム1Cの前方には、レーザ光検知センサ(検出手段)9Cが設けられ、C色用のレーザ光の照射タイミングを検知してレーザ光検知信号S9cを制御手段15に出力するようになされる。
画像形成ユニット10KではBK色用の画像データDkに基づいて中間転写ベルト6にBK色のトナー画像を形成する。例えば、画像書込みユニット3Kは感光体ドラム1Kに対峙して設けられ、レーザ光を感光体ドラム1Kに照射して画像データDkを書き込むように動作する。感光体ドラム1Kの前方には、レーザ光検知センサ(検出手段)9Kが設けられ、BK色用のレーザ光の照射タイミングを検知してレーザ光検知信号S9kを制御手段15に出力するようになされる。
画像処理手段70は画像処理回路71、Y−信号切換部72Y、M−信号切換部72M、C−信号切換部72C及びK−信号切換部72Kを有している。画像処理回路71には、任意の原稿から読み取ったカラー画像のR,G,B色成分に係るR,G,B信号及び、プリンタ等の外部機器から出力されるユーザが希望するプリントに係るY,M,C,K信号が入力される。
画像処理回路71では、画像処理制御信号S4に基づいてR,G,B信号を色変換して画像データDyをY−信号切換部72Yに出力する。同様にして、R,G,B信号を色変換して画像データDmをM−信号切換部72Mに出力し、R,G,B信号を色変換して画像データDcをC−信号切換部72Cに出力し、R,G,B信号を色変換して画像データDkをK−信号切換部72Kに出力する。
この例で外部プリンタ等から、ユーザの希望するプリントに係るY,M,C,K信号が画像処理回路71に入力された場合は、画像処理制御信号S4に基づいてY信号を例えば、スクリーン処理した後の画像データDy’をY−信号切換部72Yに出力する。同様にして、M信号をスクリーン処理した後の画像データDm’をM−信号切換部72Mに出力し、C信号をスクリーン処理した後の画像データDc’をC−信号切換部72Cに出力し、K信号をスクリーン処理した後の画像データDk’をK−信号切換部72Kに出力する。画像処理制御信号S4は制御手段15から画像処理回路71に出力される。
Y−信号切換部72Yは、画像データDy又は画像データDy’のいずれか一方を書込選択信号S5に基づいて選択し、この画像データDy又はDy’を画像書込みユニット3Yに出力する。画像書込みユニット3YはY色用のレーザ光の照射タイミングを検知してレーザ検知信号(以下Y−INDEX信号という)を検出するようになされる。
M−信号切換部72Mは、画像データDm又は画像データDm’のいずれか一方を書込選択信号S5に基づいて選択し、この画像データDm又はDm’を画像書込みユニット3Mに出力する。画像書込みユニット3MはM色用のレーザ光の照射タイミングを検知してレーザ検知信号(以下M−INDEX信号という)を検出するようになされる。
C−信号切換部72Cは、画像データDc又は画像データDc’のいずれか一方を書込選択信号S5に基づいて選択し、この画像データDc又はDc’を画像書込みユニット3Cに出力する。画像書込みユニット3CはC色用のレーザ光の照射タイミングを検知してレーザ検知信号(以下C−INDEX信号という)を検出するようになされる。
K−信号切換部72Kは、画像データDk又は画像データDk’のいずれか一方を書込選択信号S5に基づいて選択し、この画像データDk又はDk’を画像書込みユニット3Kに出力する。画像書込みユニット3KはBK色用のレーザ光の照射タイミングを検知してレーザ検知信号(以下K−INDEX信号という)を検出するようになされる。書込選択信号S5は制御手段15からY〜K−信号切換部72Y〜72Kに各々出力される。
この例ではY色用の画像書込みユニット(露光手段)3Yには補正手段5Yが取り付けられており、制御手段15からのY色用の書込み位置補正信号Syに基づいて画像書込みユニット3Yの水平位置の傾きを調整するようになされる。同様にしてM色用の画像書込みユニット3Mには補正手段5Mが取り付けられており、制御手段15からのM色用の書込み位置補正信号Smに基づいて画像書込みユニット3Mの水平位置の傾きを調整するようになされる。C色用の画像書込みユニット3Cには補正手段5Cが取り付けられており、制御手段15からのC色用の書込み位置補正信号Scに基づいて画像書込みユニット3Cの水平位置の傾きを調整するようになされる(部分横倍補正処理)。
この例で色ずれ量の算出に関しては、BK色のレジストマークCR1を基準にしている。Y,M,C色の色画像の書込み位置をBK色に合わせるように調整するためである。例えば、Y色の書込み位置調整に関しては、BK色のレジストマークCRの書込み位置と、Y色のレジストマークCRの書込み位置とを検知し、Y色のレジストマークCRの書込み位置をBK色のレジストマークCRの書込み位置に換算した際のずれ量からその補正量を算出する。
同様にして、M、C色の書込み位置調整に関しても、BK色のレジストマークCRの書込み位置と、MやC色のレジストマークCRの書込み位置とのずれ量を各々検知し、このずれ量から各々の補正量を算出する。その後、BK色用の画像形成ユニット10K以外のY、M、C色用の画像ユニット10Y,10M,10Cを調整するようになされる。
図3は、Y色用の画像書込みユニット3Y及びスキュー調整手段90Yの構成例を示すイメージ図である。図3に示すY色用の画像書込みユニット3Yは、半導体レーザ光源31、コリメータレンズ32,補助レンズ33、ポリゴンミラー34、ポリゴンモータ35、f(θ)レンズ36、ミラー面結像用のCY1レンズ37、ドラム面結像用のCY2レンズ38、反射板39、ポリゴンモータ駆動基板45及びLD駆動基板46を有している。
半導体レーザ光源31は、Y色用のLD駆動基板46に接続される。LD駆動基板46には画像書込みユニット3Yからの書込みデータWyが供給される。LD駆動基板46では書込みデータWyがPWM変調され、PWM変調後の所定のパルス幅のレーザ駆動信号SLyを半導体レーザ光源31に出力する。半導体レーザ光源31では、Y色用のレーザ駆動信号SLyに基づいてレーザ光が発生される。半導体レーザ光源31から出射されたレーザ光はコリメータレンズ32、補助レンズ33及びCY1レンズ37によって所定のビーム光に整形される。
このビーム光は、ポリゴンミラー34によって主走査方向に偏向される。例えば、ポリゴンミラー34にはポリゴンモータ35が取り付けられる。ポリゴンモータ35にはポリゴン駆動基板45が接続される。先に述べた制御手段15からポリゴン駆動基板45には、YポリゴンCLKが供給される。ポリゴン駆動基板45は、YポリゴンCLKに基づき、ポリゴンモータ35を所定の回転速度で回転するようになされる。ポリゴンミラー34によって偏向されるビーム光は、f(θ)レンズ36及びCY2レンズ38によって感光体ドラム1Yの方へ結像される。この動作により、感光体ドラム1Yに画像データDyに基づくレジストマークCR等の静電潜像を形成するようになされる。
この画像書込みユニット3Yにはスキュー調整手段90Yが設けられる。スキュー調整手段90Yは本体部に取り付けられる。この本体部には反射板39が設けられ、この反射板39に対峙した位置、例えば、感光体ドラム1Yの一方の端部上、この例では、左端前方には、レーザ光検知センサ9Yが設けられる。レーザ光検知センサ9Yはポリゴンミラー34によって偏向されるビーム光を検知して、レーザ光検知信号(以下Y−INDEX信号という)S9yを制御手段15に出力するようになされる。
スキュー調整手段90Yは調整ギヤユニット41及び、調整用のモータ42を有している。調整ギヤユニット41にはCY2レンズ38が取り付けられている。調整ギヤユニット41はCY2レンズ38に対して可動自在に取り付けられる。調整用のモータ42ではスキュー調整信号SSyに基づいて調整ギヤユニット41を水平方向に移動調整するようになされる。
図4は、第1の実施例としてのカラー画像形成装置100の制御系の構成例を示すブロック図である。
この実施例では、自動レジスト調整中において、温度によって変化する中間転写ベルト6の使用状態により生じるレジストマーク間隔の読み取り誤差を、書出しタイミングTbを補正するときに、予め測定し置いた温度θと色ずれ量検出誤差Eの関係式に基づいて補正することにより、環境変化によるカラーレジスト調整誤差を低減できるようにした。
図4に示すカラー画像形成装置100は、温度検出手段11、レジストセンサ12、不揮発メモリ14、制御手段15、操作手段16及び表示手段18を有している。制御手段15は例えば、A/D変換器13、補正量演算部51、主走査開始タイミング制御部52、副走査開始タイミング制御部53、画素クロック周期制御部54、画像形成ユニット駆動部55及びCPU57から構成される。
温度検出手段11はCPU57に接続され、温度検出データDtpを当該CPU57に出力する。レジストセンサ12はA/D変換器13に接続される。A/D変換器13では、色ずれ補正モード時にレジストセンサ12から出力された位置検出信号S2をA/D変換して二値化した後の位置検出データDpを出力するようになされる。A/D変換器13は、不揮発メモリ14に接続される。不揮発メモリ14には、温度検出データDtpや位置検出データDp、色ずれ量算出誤差E、色ずれ量補正データDs等が格納される。
不揮発メモリ14は、補正量演算部51及びCPU57に接続される。補正量演算部51は主走査補正量算出部511、副走査補正量算出部512、全体横倍補正量算出部513、部分横倍補正量算出部514及び、スキュー補正量算出部515から構成される。補正量演算部51では、色ずれ補正モード時に、不揮発メモリ14から色ずれ補正データDsを読み出し、この色ずれ補正データDsから各誤差要因(主走査、全体倍率、部分横倍、スキュー)のずれ量が算出され、ここで算出されたずれ量より各誤差要因毎の補正量が求められる。
例えば、主走査補正量算出部511では、不揮発メモリ14から色ずれ補正データDsを読み出して主走査方向の位置ずれ量を算出し、この位置ずれ量を無くすように主走査方向の書き出しタイミングを調整するためのタイミング制御データD1を出力する。このタイミング制御データD1により、主走査方向の位置ずれを補正するようになされる。
副走査補正量算出部512では、不揮発メモリ14から色ずれ補正データDsを読み出して副走査方向の位置ずれ量を算出し、この位置ずれ量を無くすように副走査方向の書き出しタイミングを調整するためのタイミング制御データD2を出力する。このタイミング制御データD2により、副走査方向の位置ずれを補正するようになされる。
全体横倍補正量算出部513では、不揮発メモリ14から色ずれ補正データDsを読み出して全体横倍ずれ量を算出し、この全体横倍ずれ量を無くすように画素クロック信号の周波数を調整するためのクロック制御データD3を出力する。このクロック制御データD3により、全体横倍ずれ量を補正することができる。
部分横倍補正量算出部514では、不揮発メモリ14から色ずれ補正データDsを読み出して部分横倍ずれ量を算出し、この部分横倍ずれ量を無くすように画像書込みユニット3Y等の水平方向の傾きを調整するための書込み制御データD4を出力する。この書込み制御データD4により、部分横倍ずれ量を補正することができる。
スキュー補正量算出部515では、不揮発メモリ14から色ずれ補正データDsを読み出してスキューずれ量を算出し、このスキューずれ量を無くすように画像書込みユニット3Y等の垂直方向の傾きを調整するための書込み制御データD5を出力する。この書込み制御データD5により、スキューずれ量を補正することができる。
CPU57は各誤差要因の補正量に従って、Y色、M色、C色及びBK色用の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを制御する。例えば、CPU57は主走査補正量算出部511で作成されたタイミング制御データD1を主走査開始タイミング制御部52に出力する。主走査開始タイミング制御部52では、タイミング制御データD1に基づいて主走査方向の位置ずれ量を無くすように主走査方向の書き出しタイミングを調整するように動作する。また、CPU57は副走査補正量算出部512で作成されたタイミング制御データD2を副走査開始タイミング制御部53に出力する。副走査開始タイミング制御部53では、タイミング制御データD2に基づいて副走査方向の位置ずれ量を無くすように副走査方向の書き出しタイミングを調整するように動作する。
更に、CPU57は全体横倍補正量算出部513で作成されたクロック制御データD3を画素クロック周期制御部54に出力する。画素クロック周期制御部54では、クロック制御データD3に基づいて全体横倍ずれ量を補正するようになされる。また、CPU57は部分横倍補正量算出部514で作成された書込み制御データD4を書込みユニット駆動部55に出力する。書込みユニット駆動部55では、書込み制御データD4に基づいて部分横倍ずれ量を補正するようになされる。また、CPU57はスキュー補正量算出部515で作成された書込み制御データD4を画像形成ユニット駆動部56に出力する。画像形成ユニット駆動部56では、書込み制御データD5に基づいてスキューずれ量を補正するようになされる。
図5は、2つのレジストセンサ12A、12BによるレジストマークCRの検知例を示す斜視図である。図6は、色ずれ補正用のレジストマークCRの形成例を示す図である。図6に示すレジストマークCRは、色ずれ補正モード実行時に形成されるものである。色ずれ補正用のレジストマークCRは、図4に示したCPU57によって、中間転写ベルト6に形成するように画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kが制御される。
この例では、中間転写ベルト6の移動方向である副走査方向に、色ずれ補正用の「フ」字状のBK色のレジストマークCRが左右端に連続して4個ずつ形成され、これに続いて、C色のレジストマークCRが左右端に連続して4個ずつ形成され、更に、M色のレジストマークCRが左右端に連続して4個ずつ形成され、続いて、Y色のレジストマークCRが左右端に連続して4個ずつ各々形成される。各々の色のレジストマークCRを左右端で4個ずつ形成するようにしたのは、各色のレジストマークCRの画像形成位置を検出し、これを精度良く補正するためである。
これらの色ずれ補正用のレジストマークCRをレジストセンサ12A及び12Bにより検出し、各色のレジストマークCRの画像形成位置に対する色ずれ量を算出し、画像形成位置を補正するように画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを制御する。この制御は、色ずれ補正モード実行後の画像形成系でカラー用の画像データに基づく色画像を精度良く重ね合わせるためである。
図7A及びBは、レジストセンサ12B等による位置検出信号S2の二値化例を示す図である。
図7Aにおいてレジストセンサ12A等により得られる位置検出信号S2は、予め設定された閾値Lthに基づいて二値化される。この例では、位置検出信号S2が立ち下がるa点が閾値Lthをクロスする時刻taに通過タイミングパルス信号Spが立ち上がり、位置検出信号S2が立ち上がるb点が閾値Lthをクロスする時刻tbに通過タイミングパルス信号Spが立ち下がる。この通過タイミングパルス信号Spは二値化された後に位置検出データDpとなる。位置検出データDpは色画像の位置ずれを調整するための基準に使用される。例えば、位置検出データDpはBK色のレジストマークCRの書込み位置に対するY,M,C色の書き込み位置のずれ量算出に使用される。
図8は、色ずれ補正用のレジストマークCRとレジストセンサ12Bとの関係例を示す図である。
図8に示す色ずれ補正用のレジストマークCRは、このレジストマークCRの基準線Lrとレジストセンサ12Bの検出軌跡線Loとが一致した例である。この検出軌跡線Loは、レジストセンサ12Bを装置本体側の設計位置に取り付け、中間転写ベルト6を移動することで一義的に決まる。色ずれ補正用のレジストマークCRは、主走査方向に平行な線分と、主走査方向に対してθ=45°の角度を有した線分で構成される。この例で、主走査方向に平行な線分の中央の点cから、副走査方向に平行な補助線を引いて、この45°の角度を有した線分とこの補助線とが交わる点をdとしたとき、点cと点dとを結ぶ線分をこのレジストマークCRの基準線Lrと定義し、この点c−d間の線分の長さをLbとする。
この例では、レジストマークCRの点cと点dとの検出時刻の差から点c−d間の線分の長さLbを算出することで、色ずれ補正用のレジストマークCRの基準線Lrと、レジストセンサ12Bの検出軌跡線Loとを一致させるようになされる。これにより、レジストセンサ12Bの検出軌跡線Lo上にレジストマークCRの中央の点cをトレースさせることができる。
図9は、カラー画像形成装置100における色ずれ量算出誤差Eを考慮した経過時間測定例を示すタイミングチャートである。
この実施例では、中間転写ベルト6の画像基準位置に色ずれ補正用の基準色を含む各色のレジストマークCRが形成され、ある基準時刻からレジストマークCRの通過時刻検出に至るまでの経過時間を各々算出し、各色の経過時間を色ずれ量算出誤差Eに基づいて補正し、補正後の各々の経過時間からある基準色に対する色ずれ量が算出され、その色ずれ量情報に基づいて色ずれ補正がなされる。
図9に示す時刻t1は、画像形成時の基準(書き出し)時刻であり、例えば、基準となるINDEX信号が立ち上がってから所定時間経過後に到達する。この例では、時刻t11で、ジストセンサ12は、第1番目のBK色のレジストマークCRのエッジ(特定部位)を検出する。具体的には、基準時刻t1から時刻t11に至る経過時間Tijが測定される。ここに、iはY色、M色、C色及びBK色を各々指すy,m,c,kが代入される。jは、レジストマークCRの個数(第何番目)を示すj=1,2,3,4・・・nが代入される。この例では、BK色を基準となされる。
この例で、中間転写ベルト6の使用環境温度(機械内温度)をθ[℃]とし、色ずれ量算出誤差Eがゼロとなるときの使用環境温度をθoとし、温度補正係数をαとしたとき、CPU57は、上述した(3)式により、色ずれ量算出誤差E算出する。温度補正係数αは、使用環境温度θによって変化する搬送ベルトの物性により決まる係数である。色ずれ量算出誤差Eは小数点以下かつ±で示され、色ずれ量算出誤差データDeで示される。
そして、CPU57は色ずれ量から色ずれ量算出誤差Eを減算するようになされる。具体的には、CPU57が、BK色とC,M,Y色の各々のレジストマークCRとのマーク間隔Txを測定して得られる経過時間データDtiを演算し、補正係数を(1−E)としたとき、BK色とC,M,Y色の各々のレジストマークCRとのマーク間隔Txを示す経過時間データDtiに当該補正係数(1−E)を演算する。
BK色の次の色、この例ではC色のレジストマークCRの基準(書き出し)タイミングをTbとし、補正係数を(1−E)とし、基準時刻t1から第1番目のC色のレジストマークCRの書き出しに至る経過時間をTij=Tc1としたとき、色ずれ量算出誤差Eを無くすためのタイミング調整値Sは、(1)’式、すなわち、
S=Tb−(Tc1−Tk1)×(1−E) ・・・・(1)’
により与えられる。
そして、CPU57は、補正係数(1−E)を演算した経過時間データDtiに基づく書込みタイミングと当該色のレジストマークCRの基準書込みタイミングとの差Sを(4)式より演算し、この差Sを無くすように当該色のレジストマークCRの書込みタイミングを調整するように制御する。この例で、時刻t12における補正前のC色のレジストマークCRの書き出しタイミングをToとし、変更後の書き出しタイミングをTnとすると、Tnは、(4)式、すなわち、
Tn=To−S ・・・・(4)
により与えられる。
図10は不揮発メモリ14におけるデータテーブル例を示す図である。図10に示すデータテーブル例によれば、使用環境温度θの検出範囲0〜10%、11〜20%、21〜30%、31〜40%、41〜50%、51〜60%、61〜70%に対して、主走査補正量[DOT]、副走査補正量[DOT]及び倍率補正量[DOT]の各々の補正データが準備される。主走査補正量に関しては、使用環境温度θ=0〜10%の検出範囲に対して主走査補正量は0.2[DOT]である。同様にしてTP=11〜20%に対して0.4[DOT]、TP=21〜30%に対して0.6[DOT]、TP=31〜40%に対して0.8[DOT]、TP=41〜50%に対して1.0[DOT]、TP=51〜60%に対して1.2[DOT]、TP=61〜70%に対して1.4[DOT]である。
副走査補正量に関しては、使用環境温度θ=0〜10%の検出範囲に対して副走査補正量は0.5[DOT]である。同様にしてTP=11〜20%に対して1.0[DOT]、TP=21〜30%に対して1.5[DOT]、TP=31〜40%に対して2.0[DOT]、TP=41〜50%に対して2.5[DOT]、TP=51〜60%に対して3.0[DOT]、TP=61〜70%に対して3.5[DOT]である。
倍率補正量に関しては、使用環境温度θ=0〜10%の検出範囲に対して倍率補正量は0.3[DOT]である。同様にしてTP=11〜20%に対して0.6[DOT]、TP=21〜30%に対して0.9[DOT]、TP=31〜40%に対して1.2[DOT]、TP=41〜50%に対して1.5[DOT]、TP=51〜60%に対して1.8[DOT]、TP=61〜70%に対して2.1[DOT]である。
これらの補正量データは、色ずれに起因するドラム支持部材や書き込みレンズなどの膨張係数より算出されたものである。この例では、画像形成位置の補正が必要と判断された時点での温度差に対応する補正データをデータテーブルより参照し、この補正データに従って、各補正対象の位置調整データ等をシフト(補正)するようになされる。
続いて、第1の実施例に係る画像形成方法を説明する。図11は第1の実施例としてのカラー画像形成装置100における色ずれ補正例(温度)を示すフローチャートである。
この実施例では、色ずれ補正モード実行時、機械内環境によって生じる色ずれ量算出誤差Eが、予め温度補正係数α及びそのときの使用環境温度に基づいて求められる。その後、中間転写ベルト6の画像基準位置に色ずれ補正用の基準色を含む各色のレジストマークCRが形成され、ある基準時刻からレジストマークCRの通過時刻検出に至るまでの経過時間を各々算出し、各色の経過時間を温度情報に基づいて補正し、補正後の各々の経過時間からある基準色に対する色ずれ量が算出され、その色ずれ量情報に基づいて色ずれ補正がなされる。この例では、BK色が基準となされる。
これらを色ずれ補正モードの処理条件にして、図11に示すフローチャートのステップST1で、機械内環境を認識するためCPU57は温度センサ11Aを通して使用環境温度θ[℃]を測定するようになされる。このとき、温度検出手段11では、図1に示した温度センサ11Aから、図示しないA/D変換器に温度検出信号を出力する。A/D変換器では温度センサ11Aから出力される温度検出信号をA/D変換し、機内温度情報となるA/D変換後の温度検出データDtpをCPU57に出力する。
その後、ステップST2でCPU57は、温度検出データ(温度測定値)とベルト物性から色ずれ量算出誤差Eを算出する。このとき、CPU57は、中間転写ベルト6の使用環境温度(機械内温度)をθ[℃]とし、色ずれ量算出誤差Eがゼロとなるときの使用環境温度をθoとし、温度補正係数をαとしたとき、CPU57は、先に説明した(3)式により、色ずれ量算出誤差Eを算出する。温度補正係数αは、使用環境温度θによって変化する搬送ベルトの物性により決まる係数である。色ずれ量算出誤差Eは小数点以下かつ±で示され、色ずれ量算出誤差データDeで示される。
そして、ステップST3に移行して、CPU57は、所定の速度で移動可能な中間転写ベルト6に各色毎に複数の色ずれ補正用のレジストマークCRを形成する。この色ずれ補正モードでは、予め規定された中間転写ベルト6の画像基準位置に、例えば、画像形成ユニット10Kにおいて、感光体ドラム1Kの左右に色ずれ補正用のBK色画像データを4回書き込んで、色ずれ補正用のレジストマークCRとなる静電潜像が形成され、この静電潜像がBK色用のトナー剤によって現像され、現像後の色ずれ補正用のBK色トナー像が中間転写ベルト6の画像基準位置に転写される。これにより、図6に示した中間転写ベルト6の左右端に、色ずれ補正用の「フ」字状のBK色のレジストマークCRを連続して4個ずつ形成することができる。
また、画像形成ユニット10Cにおいては、感光体ドラム1Cの左右に色ずれ補正用のC色画像データを4回書き込んで、色ずれ補正用のレジストマークCRとなる静電潜像が形成され、この静電潜像がC色用のトナー剤によって現像され、現像後の色ずれ補正用のC色トナー像が中間転写ベルト6の画像基準位置に転写される。これにより、図6に示した中間転写ベルト6の左右端に、色ずれ補正用の「フ」字状のC色のレジストマークCRを連続して4個ずつ形成することができる。
同様にして、画像形成ユニット10Mにおいて、感光体ドラム1Mの左右に色ずれ補正用のM色画像データを4回書き込んで、色ずれ補正用のレジストマークCRとなる静電潜像が形成され、この静電潜像がM色用のトナー剤によって現像され、現像後の色ずれ補正用のM色トナー像が中間転写ベルト6の画像基準位置に転写される。これにより、図6に示した中間転写ベルト6の左右端に、色ずれ補正用の「フ」字状のM色のレジストマークCRを連続して4個ずつ形成することができる。
また、画像形成ユニット10Yにおいて、感光体ドラム1Yの左右に色ずれ補正用のY色画像データを4回書き込んで、色ずれ補正用のレジストマークCRとなる静電潜像が形成される。この静電潜像がY色用のトナー剤によって現像され、現像後の色ずれ補正用のY色トナー像が中間転写ベルト6の画像基準位置に転写される。これにより、図6に示した中間転写ベルト6の左右端に色ずれ補正用の「フ」字状のY色のレジストマークCRを連続して4個ずつ形成することができる。中間転写ベルト6の副走査方向に、色ずれ補正用のレジストマークCRを作成することができる。色ずれ補正用のレジストマークCRは、レジストセンサ12A、12Bにより検出される。
そして、ステップST4でCPU57は、位置検出データDpの取得処理を実行する。この例で、レジストセンサ12A及び12Bは、中間転写ベルト6上に形成された各色のレジストマークCRの通過時刻を所定位置で検出する。レジストセンサ12A及び12Bにより得られる位置検出信号S2は、図7Aに示した閾値Lthに基づいて二値化される。この例では、位置検出信号S2が立ち下がるa点が閾値Lthをクロスする時刻taに通過タイミングパルス信号Spが立ち上がり、位置検出信号S2が立ち上がるb点が閾値Lthをクロスする時刻tbに通過タイミングパルス信号Spが立ち下がる。通過タイミングパルス信号Spには、位置検出信号S2が含まれる。
例えば、図9に示した基準となるINDEX信号が立ち上がってから所定時間経過後に時刻t11に到達する。この例では、時刻t11で、ジストセンサ12A及び12Bは、第1番目のBK色のレジストマークCRのエッジ(特定部位)を検出する。具体的には、基準時刻t1から時刻t11に至る経過時間Tijが測定される。ここに、iはY色、M色、C色及びBK色を各々指すy,m,c,kが代入される。jは、レジストマークCRの個数(第何番目)を示すj=1,2,3,4・・・nが代入される。
そして、ステップST5でCPU57は、基準時刻t1からBK色のレジストマークCRの通過時刻検出に至るまでの経過時間Tk1と、同基準時刻t1から次の色のレジストマークCRの通過時刻検出に至るまでの経過時間Ti1とを各々算出する。そして、BK色のレジストマークと次の色のレジストマークCRとの間のマーク間隔検出(測定)値Tx=(Ti1−Tk1)が測定される。この例では、マーク間隔検出値Txは(Tc1−Tk1)で与えられる。具体的には、CPU57が、BK色とC色の各々のレジストマークCRとのマーク間隔検出値Txを測定して得られる経過時間データDtiを演算する。
その後、ステップST6でC色のレジストマークの検出に係る経過時間Tc1やTk1等を補正すべく、CPU57は、BK色のレジストマークとC色のレジストマークとの間のマーク間隔検出値Txに補正係数(1−E)を演算して補正する。この補正係数(1−E)の演算により、レジストマークCRの通過時間の検出誤差を低減できるようになる。
そして、ステップST7で補正後の各々の経過時間(Tc1−Tk1)×(1−E)から、BK色に対する当該C色の書き出しタイミングTbを調整するための色ずれ調整値(色ずれ量)Sを算出する。このとき、BK色のレジストマークCRの次に続くC色のレジストマークCRの時刻t12における書き出しタイミングをTbとすると、色ずれ量算出誤差Eを無くすためのタイミング調整値Sは、上述した(1)’式により与えられる。タイミング調整値Sは色ずれ補正データDsとなる。
そして、ステップST8で色ずれ補正を実行すべく、色ずれ補正データDsに基づいて、BK色に続くC色のレジストマークCRの書き出しタイミングを先に説明した(1)’式に基づいて変更する。先の例では、時刻t12における補正前のC色のレジストマークCRの書き出しタイミングをToとしたとき、CPU57は、(4)式により変更後の書き出しタイミングTnを計算する。調整後の書き出しタイミング値は、C色の画像データの書き出しタイミングデータとして不揮発メモリ14等に保存される。
色ずれ補正処理の際に、補正量演算部51では、不揮発メモリ14から色ずれ補正データDsを読み出し、この色ずれ補正データDsから各誤差要因(主/副走査、全体倍率、部分横倍率、スキュー)のずれ量が算出され、ここで算出されたずれ量より各誤差要因毎の補正量が求められる。
例えば、主走査補正量算出部511は、不揮発メモリ14から色ずれ補正データDsを読み出して主走査方向の位置ずれ量を算出し、CPU57の制御を受けてタイミング制御データD1を作成し、このタイミング制御データD1を主走査開始タイミング制御部52に出力する。タイミング制御データD1は、位置ずれ量を無くすように主走査方向の書き出しタイミングを調整するための情報である。主走査開始タイミング制御部52は、タイミング制御データD1に基づいて主走査方向の書き出しタイミングを調整するように動作する。
また、副走査補正量算出部512は、不揮発メモリ14から色ずれ補正データDsを読み出して副走査方向の位置ずれ量を算出し、CPU57の制御を受けてタイミング制御データD2を作成し、このタイミング制御データD2を副走査開始タイミング制御部53に出力する。タイミング制御データD2は、位置ずれ量を無くすように副走査方向の書き出しタイミングを調整するための情報である。副走査開始タイミング制御部53は、タイミング制御データD2に基づいて副走査方向の書き出しタイミングを調整するように動作する。
全体横倍補正量算出部513は、不揮発メモリ14から色ずれ補正データDsを読み出して全体横倍ずれ量を算出し、CPU57の制御を受けてクロック制御データD3を作成し、このクロック制御データD3を画素クロック周期制御部54に出力する。クロック制御データD3は全体横倍ずれ量を無くすように画素クロック信号の周波数を調整するための情報である。画素クロック周期制御部54は、クロック制御データD3に基づいて全体横倍ずれ量を補正するようになされる。
部分横倍補正量算出部514は、不揮発メモリ14から色ずれ補正データDsを読み出して部分横倍ずれ量を算出し、CPU57の制御を受けてユニット制御データD4を作成し、このユニット制御データD4を書込みユニット駆動部55に出力する。ユニット制御データD4は、部分横倍ずれ量を無くすように画像書込みユニット3Y等の水平方向の傾きを調整するための情報である。書込みユニット駆動部55では、ユニット制御データD4に基づいて部分横倍ずれ量を補正するようになされる。他のM色、C色用の画像書込みユニット等においても同様な処理がなされる。
スキュー補正量算出部515では、不揮発メモリ14から色ずれ補正データDsを読み出してスキューずれ量を算出し、CPU57の制御を受けてスキュー制御データD5を作成し、このスキュー制御データD5を画像形成ユニット駆動部56に出力する。スキュー制御データD5は、スキューずれ量を無くすようにスキュー調整手段90Y等の垂直方向の傾きを調整するための情報である。画像形成ユニット駆動部56では、スキュー制御データD5に基づいてスキューずれ量を補正するようになされる。他のM色、C色用のスキュー調整手段等においても同様な処理がなされる。
そして、ステップST9に移行してCPU57は、他の色の書き出しタイミングを調整したかを判別する。他の色の書き出しタイミングを調整していない場合は、ステップST4に戻って上述した処理を繰り返すようになされる。全ての色の書き出しタイミングを調整して色ずれ補正モードを終了する。
このように本発明に係る第1の実施例としてのカラー画像形成装置及びカラー画像形成方法によれば、予め温度補正係数α及びそのときの使用環境温度に基づいて機械内環境によって生じる色ずれ量算出誤差Eが求められる。これを前提して、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kは、所定の速度で移動可能な中間転写ベルト6上に各色毎に複数の色ずれ補正用のレジストマークを形成する。
レジストセンサ12A及び12Bは、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kによって中間転写ベルト6上に形成されたBK色、C色、M色及びY色の各レジストマークCRの通過時刻を所定位置で検出する。CPU57は、レジストセンサ12Aや12B等から通過時刻情報を入力し、ある基準時刻t1から各色のレジストマークCRの通過時刻検出に至るまでの経過時間Tijを各々算出する。CPU57は、各色の経過時間を温度検出データDtpに基づいて補正し、補正後の各々の経過時間から、BK色に対する色ずれ量を算出し、当該色ずれ量に基づいて色ずれ補正を実行する。
従って、中間転写ベルト6の使用環境によって変化する色ずれ量算出誤差Eをそのときの使用環境温度θ[℃]に応じて容易かつ簡単に補正することができる。これにより、様々な使用環境でカラーレジストレーション性能を維持できるようになる。しかも、マーク間隔補正処理時のCPU57の制御負担を軽減できるばかりか、コストアップを招くことなく、カラーレジストレーション性能を向上できるようになる。
図12は、第2の実施例としてのカラー画像形成装置200の制御系の構成例を示すブロック図である。
この実施例では、自動レジスト調整中において、湿度によって変化する中間転写ベルト6の使用状態により生じるレジストマーク間隔の読み取り誤差を書出しタイミングTbを補正するときに、予め測定し置いた湿度Hと色ずれ量検出誤差Eの関係式に基づいて補正することにより、環境変化によるカラーレジスト調整誤差を低減できるようにした。
図12に示すカラー画像形成装置200は、レジストセンサ12、不揮発メモリ14、制御手段15、操作手段16及び表示手段18を有している。制御手段15は、A/D変換器13、補正量演算部51、主走査開始タイミング制御部52、副走査開始タイミング制御部53、画素クロック周期制御部54、画像形成ユニット駆動部55、CPU57及び湿度検出手段61から構成される。なお、第1の実施例と同じ名称及び符号のものは、同じ機能を有するのでその説明を省略する。
図12に示す湿度検出手段61はCPU57に接続され、湿度検出データDhuを当該CPU57に出力する。不揮発メモリ14には、湿度検出データDhuや位置検出データDp、色ずれ量算出誤差E、色ずれ量補正データDs等が格納される。
この例で、中間転写ベルト6の使用環境湿度(機械内湿度)をH[%]とし、色ずれ量算出誤差Eがゼロとなるときの使用環境湿度をHoとし、湿度補正係数をβとし、色ずれ量算出誤差をEとしたとき、制御手段15は、(5)式、すなわち、
E=β(H−Ho) ・・・・・・・・(5)
を算出する。湿度補正係数βは、使用環境湿度Hによって変化する中間転写ベルト6の物性により決まる係数である。例えば、ベルト素材#1に対して湿度補正係数はβ1であり、ベルト素材#2に対して湿度補正係数はβ2である。同様にして、ベルト素材#nに対して湿度補正係数はβnである。
続いて、第2の実施例に係る画像形成方法を説明する。図13はカラー画像形成装置200における色ずれ補正例(湿度)を示すフローチャートである。
この実施例では、色ずれ補正モード実行時、機械内環境によって生じる色ずれ量算出誤差Eが、予め湿度補正係数β及びそのときの使用環境湿度に基づいて求められる。その後、中間転写ベルト6の画像基準位置に色ずれ補正用の基準色を含む各色のレジストマークCRが形成され、ある基準時刻からレジストマークCRの通過時刻検出に至るまでの経過時間を各々算出し、各色の経過時間を湿度情報に基づいて補正し、補正後の各々の経過時間からある基準色に対する色ずれ量が算出され、その色ずれ量情報に基づいて色ずれ補正がなされる。この例では、BK色が基準となされる。
これらを色ずれ補正モードの処理条件にして、図13に示すフローチャートのステップST11で、機械内環境を認識するためCPU57は湿度検出手段61を通して使用環境湿度H[%]を測定するようになされる。このとき、湿度検出手段61では、図示しない湿度センサから出力される湿度検出信号が図示しないA/D器によってA/D変換され、機内湿度情報となるA/D変換後の湿度検出データDhuをCPU57に出力する。
その後、ステップST12でCPU57は、湿度検出データ(湿度測定値)Dhuとベルト物性から色ずれ量算出誤差Eを算出する。このとき、CPU57は、中間転写ベルト6の使用環境湿度(機械内湿度)をH[%]とし、色ずれ量算出誤差Eがゼロとなるときの使用環境湿度をHoとし、湿度補正係数をβとしたとき、CPU57は、先に説明した(5)式により、色ずれ量算出誤差Eを算出する。湿度補正係数βは、使用環境湿度Hによって変化する搬送ベルトの物性により決まる係数である。色ずれ量算出誤差Eは小数点以下かつ±で示され、色ずれ量算出誤差データDeで示される。
そして、ステップST13に移行して、CPU57は、所定の速度で移動可能な中間転写ベルト6に各色毎に複数の色ずれ補正用のレジストマークCRを形成する。この色ずれ補正モードでは、第1の実施例と同様にして、図6に示したような中間転写ベルト6の左右端に、色ずれ補正用の「フ」字状のBK色、C色、M色、Y色の各々のレジストマークCRが連続して4個ずつ形成される。
そして、ステップST14でCPU57は、位置検出データDpの取得処理を実行する。このとき、第1の実施例と同様にして、レジストセンサ12A及び12Bは、中間転写ベルト6上に形成された各色のレジストマークCRの通過時刻を所定位置で検出する。
そして、ステップST15でCPU57は、基準時刻t1からBK色のレジストマークCRの通過時刻検出に至るまでの経過時間Tk1と、同基準時刻t1からC色のレジストマークCRの通過時刻検出に至るまでの経過時間Tc1とを各々算出する。そして、BK色のレジストマークとC色のレジストマークCRとの間のマーク間隔検出(測定)値Tx=(Tc1−Tk1)が測定される。
その後、ステップST16でC色のレジストマークの検出に係る経過時間Tc1やTk1等を補正すべく、CPU57は、BK色のレジストマークとC色のレジストマークとの間のマーク間隔検出値Txに、湿度情報を考慮した補正係数(1−E)を演算して補正する。この補正係数(1−E)の演算により、レジストマークCRの通過時間の検出誤差を低減できるようになる。
そして、ステップST17で補正後の各々の経過時間(Tc1−Tk1)×(1−E)から、BK色に対する当該C色の書き出しタイミングTbを調整するための色ずれ調整値(色ずれ量)Sを算出する。このタイミング調整値Sは色ずれ補正データDsとなる。
その後、ステップST18で色ずれ補正を実行すべく、色ずれ補正データDsに基づいて、BK色に続くC色のレジストマークCRの書き出しタイミングを先に説明した(1)’式に基づいて変更する。調整後の書き出しタイミング値は、C色の画像データの書き出しタイミングデータとして不揮発メモリ14等に保存される。
色ずれ補正処理の際に、補正量演算部51では、不揮発メモリ14から色ずれ補正データDsを読み出し、この色ずれ補正データDsから各誤差要因(主/副走査、全体倍率、部分横倍率、スキュー)のずれ量が算出され、ここで算出されたずれ量より第1の実施例と同様にして、各誤差要因毎の補正量が求められる。
そして、ステップST19に移行してCPU57は、他の色の書き出しタイミングを調整したかを判別する。他の色の書き出しタイミングを調整していない場合は、ステップST14に戻って上述した処理を繰り返すようになされる。全ての色の書き出しタイミングを調整して色ずれ補正モードを終了する。
このように本発明に係る第2の実施例としてのカラー画像形成装置及びカラー画像形成方法によれば、予め湿度補正係数β及びそのときの使用環境湿度に基づいて機械内環境によって生じる色ずれ量算出誤差Eが求められる。これを前提して、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kは、所定の速度で移動可能な中間転写ベルト6上に各色毎に複数の色ずれ補正用のレジストマークを形成する。
レジストセンサ12A及び12Bは、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kによって中間転写ベルト6上に形成されたBK色、C色、M色及びY色の各レジストマークCRの通過時刻を所定位置で検出する。CPU57は、レジストセンサ12Aや12B等から通過時刻情報を入力し、ある基準時刻t1から各色のレジストマークCRの通過時刻検出に至るまでの経過時間Tijを各々算出する。CPU57は、各色の経過時間を湿度検出データDhuに基づいて補正し、補正後の各々の経過時間から、BK色に対する色ずれ量を算出し、当該色ずれ量に基づいて色ずれ補正を実行する。
従って、中間転写ベルト6の使用環境によって変化する色ずれ量算出誤差Eをそのときの使用環境湿度H[%]に応じて容易かつ簡単に補正することができる。これにより、様々な使用環境でカラーレジストレーション性能を維持できるようになる。しかも、マーク間隔補正処理時のCPU57の制御負担を軽減できるばかりか、コストアップを招くことなく、カラーレジストレーション性能を向上できるようになる。
図14は、第3の実施例としてのカラー画像形成装置300の制御系の構成例を示すブロック図である。
この実施例では、自動レジスト調整中において、温度又は湿度によって変化する中間転写ベルト6の使用状態により生じるレジストマーク間隔の読み取り誤差を書出しタイミングTbを補正するときに、予め測定し置いた温度θ又は湿度Hと色ずれ量検出誤差Eの関係式に基づいて補正することにより、環境変化によるカラーレジスト調整誤差を低減できるようにした。
図14に示すカラー画像形成装置300は、温度検出手段11、レジストセンサ12、不揮発メモリ14、制御手段15、操作手段16、表示手段18及び湿度検出手段61を有している。制御手段15は、A/D変換器13、補正量演算部51、主走査開始タイミング制御部52、副走査開始タイミング制御部53、画素クロック周期制御部54、画像形成ユニット駆動部55、CPU57及び湿度検出手段61から構成される。なお、第1及び第2の実施例と同じ名称及び符号のものは、同じ機能を有するのでその説明を省略する。
図14に示す温度検出手段11はCPU57に接続され、温度検出データDtpを当該CPU57に出力する。湿度検出手段61はCPU57に接続され、湿度検出データDhuを当該CPU57に出力する。不揮発メモリ14には、温度検出データDtpや湿度検出データDhu、位置検出データDp、色ずれ量算出誤差E、色ずれ量補正データDs等が格納される。
続いて、第3の実施例に係る画像形成方法を説明する。図15はカラー画像形成装置300における色ずれ補正例(温度+湿度)を示すフローチャートである。この実施例では、色ずれ補正モード実行時、予め温度補正係数α、湿度補正係数β、そのときの使用環境温度及び湿度に基づいて色ずれ量算出誤差Eが求められる。その後、中間転写ベルト6の画像基準位置に色ずれ補正用のBK色を含む各色のレジストマークCRが形成され、ある基準時刻からレジストマークCRの通過時刻検出に至るまでの経過時間を各々算出し、各色の経過時間を温度及び湿度情報に基づいて補正し、補正後の各々の経過時間からある基準色に対する色ずれ量が算出され、その色ずれ量情報に基づいて色ずれ補正がなされる。この例では、BK色が基準となされる。
これらを色ずれ補正モードの処理条件にして、図15に示すフローチャートのステップST21で、機械内環境を認識するためCPU57は温度測定手段11を通して使用環境温度θ[℃]を測定し、湿度測定手段61を通して使用環境湿度H[%]を測定するようになされる。このとき、温度検出手段11では、図1に示した温度センサ11Aから出力される温度検出信号がA/D変換器13によってA/D変換され、機内温度情報となるA/D変換後の温度検出データDtpをCPU57に出力する。湿度検出手段61では、図示しない湿度センサから出力される湿度検出信号が図示しないA/D変換器によってA/D変換され、機内湿度情報となるA/D変換後の湿度検出データDhuをCPU57に出力する。
その後、ステップST22でCPU57は、温度検出データ(温度測定値)Dtpと、湿度検出データ(湿度測定値)Dhuと、ベルト物性から色ずれ量算出誤差Eを算出する。このとき、CPU57は、中間転写ベルト6の使用環境温度(機械内温度)をθ[℃]とし、色ずれ量算出誤差Eがゼロとなるときの使用環境温度をθoとし、温度補正係数をαとしたとき、CPU57は、先に説明した(3)式により、色ずれ量算出誤差Eを算出する。温度補正係数αは、使用環境温度θによって変化する搬送ベルトの物性により決まる係数である。
また、中間転写ベルト6の使用環境湿度(機械内湿度)をH[%]とし、色ずれ量算出誤差Eがゼロとなるときの使用環境湿度をHoとし、湿度補正係数をβとしたとき、CPU57は、先に説明した(5)式により、色ずれ量算出誤差Eを算出する。湿度補正係数βは、使用環境湿度Hによって変化する搬送ベルトの物性により決まる係数である。色ずれ量算出誤差Eは小数点以下かつ±で示され、色ずれ量算出誤差データDeで示される。
そして、ステップST23に移行して、CPU57は、所定の速度で移動可能な中間転写ベルト6に各色毎に複数の色ずれ補正用のレジストマークCRを形成する。この色ずれ補正モードでは、第1及び第2の実施例と同様にして、図6に示したような中間転写ベルト6の左右端に、色ずれ補正用の「フ」字状のBK色、C色、M色、Y色の各々のレジストマークCRが連続して4個ずつ形成される。
そして、ステップST24でCPU57は、位置検出データDpの取得処理を実行する。このとき、第1及び第2の実施例と同様にして、レジストセンサ12A及び12Bは、中間転写ベルト6上に形成された各色のレジストマークCRの通過時刻を所定位置で検出する。
そして、ステップST25でCPU57は、基準時刻t1からBK色のレジストマークCRの通過時刻検出に至るまでの経過時間Tk1と、同基準時刻t1からC色のレジストマークCRの通過時刻検出に至るまでの経過時間Tc1とを各々算出する。そして、BK色のレジストマークとC色のレジストマークCRとの間のマーク間隔検出(測定)値Tx=(Tc1−Tk1)が測定される。
その後、ステップST26でC色のレジストマークの検出に係る経過時間Tc1やTk1等を補正すべく、CPU57は、BK色のレジストマークとC色のレジストマークとの間のマーク間隔検出値Txに、温度又は湿度情報を考慮した補正係数(1−E)を演算して補正する。この補正係数(1−E)の演算により、レジストマークCRの通過時間の検出誤差を低減できるようになる。
そして、ステップST27で補正後の各々の経過時間(Tc1−Tk1)×(1−E)から、BK色に対する当該C色の書き出しタイミングTbを調整するための色ずれ調整値(色ずれ量)Sを算出する。このタイミング調整値Sは色ずれ補正データDsとなる。
その後、ステップST28で色ずれ補正を実行すべく、色ずれ補正データDsに基づいて、BK色に続くC色のレジストマークCRの書き出しタイミングを先に説明した(5)式に基づいて変更する。調整後の書き出しタイミング値は、C色の画像データの書き出しタイミングデータとして不揮発メモリ14等に保存される。
色ずれ補正処理の際に、補正量演算部51では、不揮発メモリ14から色ずれ補正データDsを読み出し、この色ずれ補正データDsから各誤差要因(主/副走査、全体倍率、部分横倍率、スキュー)のずれ量が算出され、ここで算出されたずれ量より第1及び第2の実施例と同様にして、各誤差要因毎の補正量が求められる。
そして、ステップST29に移行してCPU57は、他の色の書き出しタイミングを調整したかを判別する。他の色の書き出しタイミングを調整していない場合は、ステップST24に戻って上述した処理を繰り返すようになされる。全ての色の書き出しタイミングを調整して色ずれ補正モードを終了する。
このように本発明に係る第3の実施例としてのカラー画像形成装置及びカラー画像形成方法によれば、予め温度補正係数α、湿度補正係数β、そのときの使用環境温度又は湿度に基づいて機械内環境によって生じる色ずれ量算出誤差Eが求められる。これを前提して、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kは、所定の速度で移動可能な中間転写ベルト6上に各色毎に複数の色ずれ補正用のレジストマークを形成する。
レジストセンサ12A及び12Bは、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kによって中間転写ベルト6上に形成されたBK色、C色、M色及びY色の各レジストマークCRの通過時刻を所定位置で検出する。CPU57は、レジストセンサ12Aや12B等から通過時刻情報を入力し、ある基準時刻t1から各色のレジストマークCRの通過時刻検出に至るまでの経過時間Tijを各々算出する。CPU57は、各色の経過時間を温度検出データDtp又は湿度検出データDhuに基づいて補正し、補正後の各々の経過時間から、BK色に対する色ずれ量を算出し、当該色ずれ量に基づいて色ずれ補正を実行する。
従って、中間転写ベルト6の使用環境によって変化する色ずれ量算出誤差Eをそのときの使用環境温度θ[℃]又は使用環境湿度H[%]に応じて容易かつ簡単に補正することができる。これにより、様々な使用環境でカラーレジストレーション性能を維持できるようになる。しかも、マーク間隔補正処理時のCPU57の制御負担を軽減できるばかりか、コストアップを招くことなく、カラーレジストレーション性能を向上できるようになる。