JP2005043422A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像形成位置の補正時期到来時のユーザ選択枝を拡張できるようにすると共に、機内温度が予め設定された制御基準温度を越えた場合に、画質優先モード又は速度優先モードを設定できるようにする。
【解決手段】感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに画像データDy、Dm、Dc、Dkを書き込んで色画像を形成する画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kと、機内温度を検出して温度検出データを出力する温度検出手段11と、この温度検出データに基づいて色ずれを補正するか否かを判断すると共に、自動色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードの選択に基づいて画像書込みユニット3Y,3M,3C,3Kにおける画像形成位置を補正する制御手段15を備えるものである。この構成によって、画像形成位置の補正時期到来時のユーザ選択枝を拡張することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに画像データDy、Dm、Dc、Dkを書き込んで色画像を形成する画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kと、機内温度を検出して温度検出データを出力する温度検出手段11と、この温度検出データに基づいて色ずれを補正するか否かを判断すると共に、自動色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードの選択に基づいて画像書込みユニット3Y,3M,3C,3Kにおける画像形成位置を補正する制御手段15を備えるものである。この構成によって、画像形成位置の補正時期到来時のユーザ選択枝を拡張することができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は中間転写ベルト又は感光体ベルトを有したタンデム型のカラープリンタや複写機、これらの複合機等に適用して好適な画像形成装置及び画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、タンデム型のカラープリンタや複写機、これらの複合機等が使用される場合が多くなってきた。これらのカラー画像形成装置ではイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(BK)色用の各々の露光手段、現像装置、感光体ドラムと、中間転写ベルト及び定着装置とを備えている。
【0003】
例えば、Y色用の露光手段では任意の画像情報に基づいて感光体ドラムに静電潜像を描くようになされる。現像装置では感光体ドラムに描かれた静電潜像にY色用のトナーを付着してカラートナー像を形成する。感光体ドラムはトナー像を中間転写ベルトに転写する。他のM、C、BK色についても同様の処理がなされる。中間転写ベルトに転写されたカラートナー像は用紙に転写された後に定着装置によって定着される。
【0004】
この画像形成装置によれば、最適なカラー画像形成品質を維持するために、原稿画像のR色、G色、B色を再現するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(Bk)色の間で色ずれが生じないように画像形成手段を補正することが必須となっている(以下色ずれ補正モードという)。色ずれは、一般に、書込みユニット、感光体ドラムの組み立て公差により生じる。また、外気温の変化や、連続使用により機内温度が変化することで、露光手段や、感光体ドラム等の支持部が伸縮し経時的に位置ずれを生じ、これを原因として発生すると考えられる。
【0005】
上述の色ずれ補正モードに関しては、中間転写ベルトまたは搬送材転写ベルト上に形成されたレジストマークを反射型センサなどの色ずれ検知用の検出手段(以下レジストセンサという)により検出し、ある基準色に対する他色のレジストマークに係る主走査、副走査、横倍率、スキューの各々のずれ量を算出し、画像形成タイミングなどを調整して色ずれを補正している。
【0006】
なお、この種のカラー画像形成装置に関して、特許文献1には画像形成装置及びその画像色ずれ調整方法が開示されている。この画像形成装置によれば、温度検出手段、調整時期検出手段及び色ずれ調整手段が備えられる。温度検出手段は装置内の温度を検出する。調整時期検出手段は温度検出手段から得られる温度検出情報に応じて色ずれ調整を実施する時期を検出するようになされる。
【0007】
色ずれ調整手段では調整時期検出手段から色ずれ調整実施時期情報に基づいて色ずれ調整をするか否かを判断し、色ずれ調整「要」と判断した場合は、色ずれ調整を実行し、色ずれ調整「不要」と判断した場合は、色ずれ調整を実行せずに通常の動作に戻るようになされる。このように構成すると、特許文献1によれば、適切な時期に、各色像の位置ずれを補正することができ、画像形成効率を低下させることなく、良好なカラー画像が形成できるというものである。
【0008】
【特許文献1】
特開平08−286566号公報(第8頁 第9図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1に見られるような従来例に係る画像形成装置によれば、機内温度をモニタし、一定以上の温度変化があると、画像形成位置の補正時期が到来したと判断し、自動色ずれ補正モードに移行するようになされる。従って、次のような問題がある。
【0010】
i.任意の色画像の作像中に一定以上の機内温度が検出されると、自動的に画像出力を中断して、色ずれ補正モードに移行する。この色ずれ補正モードでは、実際に、レジストマークが作成され、これを検出して位置ずれ量を算出し補正を行うため相当の時間を要し、画像形成出力時間が長くなるおそれがある。
【0011】
ii.色画像の形成条件によっては、色合わせ精度よりも、迅速に画像形成出力したいとする要求が考えられるが、色ずれ補正モードのみではその要求に柔軟に対処することができない。従って、画質よりも速度を優先した制御モードが選択できない装置はユーザにとって非常に不便なものとなる。
【0012】
そこで、この発明は上述した課題を解決したものであって、画像形成位置の補正時期到来時のユーザにおける選択枝を拡張できるようにすると共に、機内温度変化量が予め設定された制御基準温度変化量を越えた場合に、画質優先モード又は速度優先モードを設定できるようにした画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、像形成体に任意の色画像を形成する画像形成装置において、像形成体に色ずれ補正用の基準色を含む各色の画像を形成し、当該色ずれ補正用の画像の通過タイミングを読み取って、基準色画像に対する他の色画像の位置ずれ量を算出し、該位置ずれ量に基づいて画像形成位置を補正する動作を色ずれ補正モードとし、機内温度の変化量から基準色画像に対する他の色画像の位置ずれ量を予測し、当該位置ずれ予測量に基づいて画像形成位置を補正する動作を色ずれ予測補正モードとしたとき、像形成体を有して、当該像形成体に画像情報を書き込んで色画像を形成する画像形成手段と、機内温度を検出して温度検出情報を出力する温度検出手段と、この温度検出手段により出力される温度検出情報に基づいて色ずれを補正するか否かを判断すると共に、色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードの選択に基づいて画像形成手段における画像形成位置を補正する制御手段を備えることを特徴とするものである。
【0014】
本発明に係る画像形成装置によれば、像形成体に任意の色画像を形成する場合に、画像形成手段は像形成体を有しており、この像形成体に画像情報を書き込んで色画像を形成する。温度検出手段は機内温度を検出して温度検出情報を制御手段に出力する。これを前提にして、制御手段では、温度検出情報に基づいて色ずれを補正するか否かを判断すると共に、色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードの選択に基づいて色ずれを補正するようになされる。
【0015】
従って、色ずれの補正時期到来時のユーザにおける選択枝を拡張することができる。これにより、機内温度が予め設定された制御基準温度を越えた場合に、ユーザが画質を優先する用途では操作手段を操作して色ずれ補正モード(画質優先モード)を選択し設定すること、及び、速度を優先する用途では操作手段を操作して色ずれ予測補正モード(速度優先モード)を選択し設定することができる。使い勝手のよい画像形成装置を提供できる。
【0016】
本発明に係る画像形成方法は、像形成体に任意の色画像を形成する画像形成方法において、像形成体に色ずれ補正用の基準色を含む各色の画像を形成し、当該色ずれ補正用の画像の通過タイミングを読み取って、基準色画像に対する他の色画像の位置ずれ量を算出し、該位置ずれ量に基づいて画像形成位置を補正する動作を色ずれ補正モードとし、機内温度の変化量から基準色画像に対する他の色画像の位置ずれ量を予測し、当該位置ずれ予測量に基づいて画像形成位置を補正する動作を色ずれ予測補正モードとしたとき、機内温度を検出し、ここで検出された機内温度に基づいて色ずれを補正するか否かを判断すると共に、色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードの選択に基づいて画像形成位置を補正することを特徴とするものである。
【0017】
本発明に係る画像形成方法によれば、像形成体に任意の色画像を形成する場合に、画像形成位置の補正時期到来時に、ユーザに対して画質優先モード又は速度優先モードのいずれかを選択させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法について説明をする。
図1は、本発明の実施形態としてのカラー画像形成装置100の構成例を示す概念図である。
【0019】
この実施形態では、像形成体に任意の色画像を形成する場合に、温度検出情報に基づいて色ずれを補正するか否かを判断すると共に、色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードの選択に基づいて画像形成位置を補正する制御手段を備え、画像形成位置の補正時期到来時のユーザにおける選択枝を拡張できるようにする、すなわち、機内温度が予め設定された制御基準温度を越えた場合に、画質優先モード又は速度優先モードを設定できるようにしたものである。
【0020】
図1に示すカラー画像形成装置100は画像形成装置の一例を構成するものでであり、像形成体に任意の画像情報に基づいて色を重ね合わせて色画像を形成する装置である。このカラー画像形成装置100は、画像形成装置本体101と画像読取装置102とから構成される。画像形成装置本体101の上部には、自動原稿給紙装置201と原稿画像走査露光装置202から成る画像読取装置102が設置されている。自動原稿給紙装置201の原稿台上に載置された原稿dは搬送手段により搬送され、原稿画像走査露光装置202の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、原稿画像を反映する入射光がラインイメージセンサCCDにより読み込まれる。
【0021】
ラインイメージセンサCCDにより光電変換されたアナログ画像信号は、図示しない画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正及び画像圧縮処理等がなされ、デジタルの画像情報となる。画像情報は画像形成手段を構成する画像書き込みユニット(露光手段)3Y、3M、3C、3Kへ送られる。
【0022】
上述の自動原稿給紙装置201は自動両面原稿搬送手段を備えている。この自動原稿給紙装置201は原稿載置台上から給送される多数枚の原稿dの内容を連続して一挙に読み取り、原稿内容を記憶手段に蓄積するようになされる(電子RDH機能)。この電子RDH機能は、複写機能により多数枚の原稿内容を複写する場合、或いはファクシミリ機能により多数枚の原稿dを送信する場合等に便利に使用される。
【0023】
画像形成装置本体101は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるものである。画像形成手段は各色毎に像形成体を有する複数組の画像形成ユニット(画像形成系)10Y、10M、10C、10Kと、画像転写手段(画像転写系)の一例を成す無終端状の中間転写ベルト6と、再給紙機構(ADU機構)を含む給紙搬送手段と、トナー像を定着するための定着装置17とを備えている。
【0024】
イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成ユニット10Yは、Y色のトナー像を形成する像形成体としての感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配置されたY色用の帯電手段2Y、露光手段3Y、現像装置4Y及び像形成体用のクリーニング手段8Yを有する。マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成ユニット10Mは、M色のトナー像を形成する像形成体としての感光体ドラム1Mと、M色用の帯電手段2M、露光手段3M、現像装置4M及び像形成体用のクリーニング手段8Mを有する。
【0025】
シアン(C)色の画像を形成する画像形成ユニット10Cは、C色のトナー像を形成する像形成体としての感光体ドラム1Cと、C色用の帯電手段2C、露光手段3C、現像装置4C及び像形成体用のクリーニング手段8Cを有する。黒(BK)色の画像を形成する画像形成ユニット10Kは、BK色のトナー像を形成する像形成体としての感光体ドラム1Kと、BK色用の帯電手段2K、露光手段3K、現像装置4K及び像形成体用のクリーニング手段8Kを有する。
【0026】
帯電手段2Yと露光手段3Y、帯電手段2Mと露光手段3M、帯電手段2Cと露光手段3C及び帯電手段2Kと露光手段3Kとは、潜像形成手段を構成する。現像装置4Y、4M、4C、4Kによる現像は、使用するトナー極性と同極性(本実施形態においては負極性)の直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される反転現像にて行われる。中間転写ベルト6は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持され、各々の感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに形成されたY色、M色、C色、BK色の各トナー像を転写するようになされる。
【0027】
ここで画像形成プロセスの概要について以下に説明をする。画像形成ユニット10Y、10M、10C及び10Kより形成された各色の画像は、使用するトナーと反対極性(本実施形態においては正極性)の1次転写バイアス(不図示)が印加される1次転写ローラ7Y、7M、7C及び7Kにより、回動する中間転写ベルト6上に逐次転写されて(1次転写)、合成されたカラー画像(色画像:カラートナー像)が形成される。カラー画像は中間転写ベルト6から用紙Pへ転写される。
【0028】
給紙カセット20A、20B、20C内に収容された用紙Pは、給紙カセット20A、20B、20Cにそれぞれ設けられる送り出しローラ21および給紙ローラ22Aにより給紙され、搬送ローラ22B、22C、22D、レジストローラ23等を経て、2次転写ローラ7Aに搬送され、用紙P上の一方の面(表面)にカラー画像が一括して転写される(2次転写)。
【0029】
カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置17により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。転写後の感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kの周面上に残った転写残トナーは、像形成体クリーニング手段8Y、8M、8C、8Kによりクリーニングされ次の画像形成サイクルに入る。
【0030】
両面画像形成時には、一方の面(表面)に画像形成され、定着装置17から排出された用紙Pは、分岐手段26によりシート排紙路から分岐され、それぞれ給紙搬送手段を構成する、下方の循環通紙路27Aを経て、再給紙機構(ADU機構)である反転搬送路27Bにより表裏を反転され、再給紙搬送部27Cを通過して、給紙ローラ22Dにおいて合流する。反転搬送された用紙Pは、レジストローラ23を経て、再度2次転写ローラ7Aに搬送され、用紙Pの他方の面(裏面)上にカラー画像(カラートナー像)が一括転写される。カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置17により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。一方、2次転写ローラ7Aにより用紙Pにカラー画像を転写した後、用紙Pを曲率分離した中間転写ベルト6は、中間転写ベルト用のクリーニング手段8Aにより残留トナーが除去される。
【0031】
これらの画像形成の際には、用紙Pとして52.3〜63.9kg/m2(1000枚)程度の薄紙や64.0〜81.4kg/m2(1000枚)程度の普通紙、83.0〜130.0kg/m2(1000枚)程度の厚紙や150.0kg/m2(1000枚)程度の超厚紙が用いられる。用紙Pの厚み(紙厚)としては0.05〜0.15mm程度の厚さのものが用いられる。
【0032】
この画像形成装置本体101の内部には、温度検出手段を構成する温度センサ11Aが取り付けられ、機内温度を検出して温度検出信号を出力するようになされる。温度センサ11Aには熱電対構造、サーミスタ構造、IC熱電対構造のものが使用される。また、上述のクリーニング手段8Aの上流側であって、中間転写ベルト6の左側には、レジストセンサ12が設けられており、上述した画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kによって中間転写ベルト6に形成された色ずれ補正用の基準色を含む各色の画像(以下、レジストマークCRという)の位置を検出して位置検出信号S2を発生するようになされる。
【0033】
画像形成装置本体101には制御手段15が設けられ、上述の温度センサ11Aにより得られる温度検出信号(温度検出情報)に基づいて色ずれを補正するか否かを判断すると共に、自動色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードの選択に基づいて画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kにおける画像形成位置を補正するようになされる。自動色ずれ補正モードとは、色ずれ補正用のレジストマークCRを中間転写ベルト6に形成し、当該レジストマークCRの通過タイミングを読み取って、基準色のレジストマークCRの位置(エッジ、重心等)に対する他の色のレジストマークの位置ずれ量を算出し、該位置ずれ量に基づいて色重ね合わせ時の画像形成位置を補正する動作をいう。
【0034】
また、色重ね合わせ時の画像形成位置とは、カラー画像データに基づく任意の色画像を中間転写ベルト6で再現する場合に、Y色、M色、C色、BK色等の各々のトナー像を重ね合わせる位置をいう。この画像形成位置は、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに対する画像書込み開始位置を調整することで補正される。
【0035】
更に、カラー画像形成装置100には自動色ずれ補正モードの他に、色ずれ予測補正モードが準備されている。色ずれ予測補正モードとは機内温度の変化量から基準色に対する他の色の位置ずれ量を予測し、当該位置ずれ予測量に基づいて色重ね合わせ時の画像形成位置を補正する動作をいう。これは温度が変わるとドラム支持部材が伸縮して感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの位置がずれ、各色の画像形成位置がずれる。これを予測するためである。
【0036】
この例で中間転写ベルト6の幅方向を主走査方向としたとき、色ずれ補正用の色画像は、主走査方向に平行な線分と、当該主走査方向に対して所定の角度(例えば、45°)を有した線分とにより構成される。例えば、色画像は「フ」字を構成する。
【0037】
図2はカラー画像形成装置100の画像転写及び画像形成系の構成例を示すブロック図である。図2に示すカラー画像形成装置100は、図1に示した温度センサ11Aやレジストセンサ12等を含む処理系を画像転写系Iとし、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを画像形成系IIとして抜き出したものである。
【0038】
図2において、カラー画像形成装置100は画像形成位置が予め規定された感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに任意の色画像を形成する装置であり、不揮発メモリ14、制御手段15、操作手段16、表示手段18、画像処理手段70を有している。
【0039】
図2に示す制御手段15には温度検出手段11が接続され、機内温度を検出して得た温度検出情報を出力するようになされる。温度検出手段11は、例えば、図1に示した温度センサ11Aや、図示しないアナログ・デジタル変換器(以下A/D変換器という)から構成される。A/D変換器は温度センサ11Aから出力される温度検出信号をアナログ・デジタル変換し、温度検出情報となるA/D変換後の温度検出データDtpを制御手段15に出力する。
【0040】
制御手段15は、温度検出手段11により出力される温度検出データDtpに基づいて色ずれを補正するか否かを判断する。制御手段15は色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードの選択に基づいて画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kにおける画像形成位置を補正するように動作する。自動色ずれ補正モードを実行する場合には、レジストセンサ12から制御手段15へ位置検出信号S2が出力される。
【0041】
制御手段15には操作手段16が接続され、通常のプリントモード時にユーザによって画像形成条件等の操作データD3が入力される他、色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードのいずれかを選択するように操作される。操作はユーザによってなされる。
【0042】
制御手段15には操作手段16の他に表示手段18が接続され、温度検出データDtpに基づいて警告表示をするようになされる。例えば、表示手段18は、機内温度が予め設定された制御基準温度を越えた場合に、色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードのいずれかを選択させるためのモード選択操作設定画面P2を表示する(図13参照)。モード選択操作設定画面P2は制御手段15から供給される表示データDvに基づいて表示される。表示手段18には液晶ディスプレイが使用され、液晶ディスプレイは、操作手段16を構成する図示しないタッチセンサパネルと組み合わせて使用される。
【0043】
制御手段15には更に不揮発メモリ14が接続されており、色ずれ予測補正モード実行時に参照するためのデータテーブルが構築される。このデータテーブルは、基準色のレジストマークCRに対する他の色のレジストマークCRの位置ずれ量と機内温度の変化量とを予め関係付けたものである。不揮発メモリ14に格納される補正データは、電源ON時に実行された自動色ずれ補正モードを終了した時点からの温度変化と、この温度変化に伴う色ずれ補正量との関係をグラフ化したものである。
【0044】
制御手段15は、例えば、色ずれ予測補正モード実行時に、データテーブルを参照し、このデータテーブルを参照して得られる補正量に基づいて当該画像データDy、Dm、Dcの感光体ドラム1Y,1M,1Cへの書き込みタイミングを調整するようになされる。この不揮発メモリ14には、上述のデータテーブルが構築される他、位置検出データDpや、位置ずれ量、色ずれ量に係るデータが記憶される。
【0045】
この制御手段15にはレジストセンサ12が接続されており、中間転写ベルト6に形成されたトナー像(レジストマークCR等の色画像)の位置を検出して位置検出信号S2を出力する。レジストセンサ12には、CCDセンサや反射型のフォトセンサ等が使用される。制御手段15は、レジストセンサ12から得られる位置検出信号S2をアナログ・デジタル変換した後の位置検出データDpに基づいて画像書込みユニット3Y,3M,3Cの露光タイミングを制御する。
【0046】
制御手段15は、温度検出手段11から得られる機内温度変化量と、予め設定された制御基準温度変化量とを比較し、この機内温度変化量が予め設定された制御基準温度変化量を越えた場合に、上述の操作手段16を選択操作し設定された色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードに基づいて画像書込みユニット3Y,3M,3Cの露光タイミングを制御する。制御手段15には画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kが接続されており、画像形成ユニット10Yでは、画像処理手段70から出力されるY色用の書込みデータWyに基づいて中間転写ベルト6にY色のトナー画像を形成する。
【0047】
画像形成ユニット10MではM色用の書込みデータWmに基づいて中間転写ベルト6にM色のトナー画像を形成し、画像形成ユニット10CではC色用の書込みデータWcに基づいて中間転写ベルト6にC色のトナー画像を形成し、画像形成ユニット10KではBK色用の書込みデータWkに基づいて中間転写ベルト6にBK色のトナー画像を形成するようになされる。
【0048】
画像処理手段70は画像処理回路71、Y−信号切換部72Y、M−信号切換部72M、C−信号切換部72C及び、K−信号切換部72Kを有している。画像処理回路71には、任意の原稿から読み取ったカラー画像のR,G,B色成分に係るR,G,B信号及び、プリンタ等の外部機器から出力される任意のプリントに係るY,M,C,K信号が入力される。
【0049】
画像処理回路71では、画像処理制御信号S4に基づいてR,G,B信号を色変換して画像データDyをY−信号切換部72Yに出力する。同様にして、R,G,B信号を色変換して画像データDmをM−信号切換部72Mに出力し、R,G,B信号を色変換して画像データDcをC−信号切換部72Cに出力し、R,G,B信号を色変換して画像データDkをK−信号切換部72Kに出力する。
【0050】
この例で外部プリンタ等から、任意のプリントに係るY,M,C,K信号が画像処理回路71に入力された場合は、画像処理制御信号S4に基づいてY信号を例えば、スクリーン処理した後の画像データDy’をY−信号切換部72Yに出力する。同様にして、M信号をスクリーン処理した後の画像データDm’をM−信号切換部72Mに出力し、C信号をスクリーン処理した後の画像データDc’をC−信号切換部72Cに出力し、K信号をスクリーン処理した後の画像データDk’をK−信号切換部72Kに出力する。画像処理制御信号S4は制御手段15から画像処理回路71に出力される。
【0051】
Y−信号切換部72Yは、画像データDy又は画像データDy’のいずれか一方を書込選択信号S5に基づいて選択し、この画像データDy又はDy’を画像書込みユニット3Yに出力する。画像書込みユニット3YはY色用のレーザ光の照射タイミングを検知してレーザ検知信号(以下Y−INDEX信号という)を検出するようになされる。
【0052】
M−信号切換部72Mは、画像データDm又は画像データDm’のいずれか一方を書込選択信号S5に基づいて選択し、この画像データDm又はDm’を画像書込みユニット3Mに出力する。画像書込みユニット3MはM色用のレーザ光の照射タイミングを検知してレーザ検知信号(以下M−INDEX信号という)を検出するようになされる。
【0053】
C−信号切換部72Cは、画像データDc又は画像データDc’のいずれか一方を書込選択信号S5に基づいて選択し、この画像データDc又はDc’を画像書込みユニット3Cに出力する。画像書込みユニット3CはC色用のレーザ光の照射タイミングを検知してレーザ検知信号(以下C−INDEX信号という)を検出するようになされる。
【0054】
K−信号切換部72Kは、画像データDk又は画像データDk’のいずれか一方を書込選択信号S5に基づいて選択し、この画像データDk又はDk’を画像書込みユニット3Kに出力する。画像書込みユニット3KはBK色用のレーザ光の照射タイミングを検知してレーザ検知信号(以下K−INDEX信号という)を検出するようになされる。書込選択信号S5は制御手段15からY〜K−信号切換部72Y〜72Kに各々出力される。
【0055】
この例ではY色用の画像書込みユニット(露光手段)3Yには補正手段5Yが取り付けられており、制御手段15からのユニット位置補正信号Syに基づいて当該書込みユニット3Yの水平位置の傾きを調整するようになされる。同様にしてM色用の画像書込みユニット3Mには補正手段5Mが取り付けられており、制御手段15からのユニット位置補正信号Smに基づいて当該書込みユニット3Mの水平位置の傾きを調整するようになされる。C色用の画像書込みユニット3Cには補正手段5Cが取り付けられており、制御手段15からのユニット位置補正信号Scに基づいて当該書込みユニット3Cの水平位置の傾きを調整するようになされる(部分横倍補正処理)。
【0056】
この例で色ずれ量の算出に関しては、BK色のレジストマークCR1を基準にしている。Y,M,C色の色画像の書込み位置をBK色に合わせるように調整するためである。例えば、Y色の書込み位置調整に関しては、BK色のレジストマークCRの書込み位置と、Y色のレジストマークCRの書込み位置とを検知し、Y色のレジストマークCRの書込み位置とBK色のレジストマークCRの書込み位置とのずれ量からその補正量を算出する。同様にして、M、C色の書込み位置調整に関しても、BK色のレジストマークCRの書込み位置と、MやC色のレジストマークCRの書込み位置とのずれ量を各々検知し、このずれ量から各々の補正量を算出する。その後、Y、M、C色の画像形成位置を調整するようになされる。
【0057】
図3は、Y色用の画像書込みユニット3Y及びそのスキュー調整手段9Yの構成例を示すイメージ図である。図3に示すY色用の画像書込みユニット3Yは、半導体レーザ光源31、コリメータレンズ32,補助レンズ33、ポリゴンミラー34、ポリゴンモータ35、f(θ)レンズ36、ミラー面結像用のCY1レンズ37、ドラム面結像用のCY2レンズ38、反射板39、ポリゴンモータ駆動基板45及び、LD駆動基板46を有している。
【0058】
半導体レーザ光源31は、Y色用のLD駆動基板46に接続される。LD駆動基板46には画像書込みユニット3Yからの書込みデータWyが供給される。LD駆動基板46では書込みデータWyがPWM変調され、PWM変調後の所定のパルス幅のレーザ駆動信号SLyを半導体レーザ光源31に出力する。半導体レーザ光源31では、Y色用のレーザ駆動信号SLyに基づいてレーザ光が発生される。半導体レーザ光源31から出射されたレーザ光はコリメータレンズ32,補助レンズ33及び、CY1レンズ37によって所定のビーム光に整形される。
【0059】
このビーム光は、ポリゴンミラー34によって主走査方向に偏向される。例えば、ポリゴンミラー34にはポリゴンモータ35が取り付けられる。ポリゴンモータ35にはポリゴン駆動基板45が接続される。先に述べた制御手段15からポリゴン駆動基板45には、YポリゴンCLKが供給される。ポリゴン駆動基板45は、YポリゴンCLKに基づき、ポリゴンモータ35を所定の回転速度で回転するようになされる。ポリゴンミラー34によって偏向されるビーム光は、f(θ)レンズ36及びCY2レンズ38によって感光体ドラム1Yの方へ結像される。この動作により、感光体ドラム1YにレジストマークCR等の静電潜像を形成するようになされる。
【0060】
この画像書込みユニット3Yにはスキュー調整手段9Yが設けられる。スキュー調整手段9Yは本体部に取り付けられる。この本体部には反射板39が設けられ、この反射板39に対峙した位置には、レーザインデックスセンサ49が取り付けられる。レーザインデックスセンサ49はポリゴンミラー34によって偏向されるビーム光を検知して、Y−INDEX信号を制御手段15に出力するようになされる。スキュー調整手段9Yは調整ギヤユニット41及び、調整用のモータ42を有している。調整ギヤユニット41にはCY2レンズ38が取り付けられている。調整ギヤユニット41はCY2レンズ38に対して可動自在に取り付けられる。調整用のモータ42ではスキュー調整信号SSyに基づいて調整ギヤユニット41を水平方向に移動調整するようになされる。
【0061】
この例で色ずれ量の算出に関しては、BK色のレジストマークCRを基準にしている。Y,M,C色の色画像の書込み位置をBK色に合わせるように調整するためである。補正処理内容は例えば、次のi〜vの5つある。補正処理内容のうち、i〜iiiは画像データを補正することにより実現され、iv及びvはモータ42を駆動し、実際に、画像書込みユニット3Y,3M,3C,3Kを駆動して調整するようになされる。
【0062】
i.主走査補正処理
この処理は、Y,M,C、BK色の色画像の主走査方向の書出し位置を揃える補正である。例えば、Y色の書込み位置補正に関しては、BK色のレジストマークCRの位置検出データDpと、Y色のレジストマークCRの位置検出データDpからBk色に対するY色の主走査方向の位置ずれ量を求め、ここで求めた位置ずれ量からその補正量を算出する。この補正量に基づいて、Y,M,C色の主走査方向の書込みタイミングを調整してBk色と他のY,M,C色の書込み位置とを揃えるようになされる。
【0063】
ii.副走査補正処理
この処理は、Y,M,C、BK色の色画像の副走査方向における書出し位置を揃える補正である。例えば、Y色の書込み位置調整に関しては、BK色のレジストマークCRの位置検出データDpと、Y色のレジストマークCRの位置検出データDpからBk色に対するY色の副走査方向の位置ずれ量を求め、ここで求めた位置ずれ量からその補正量を算出する。この補正量に基づいて、Y,M,C色の副走査方向の書込みタイミングを調整してBk色と他のY,M,C色の書込み位置とを揃えるようになされる。
【0064】
iii.全体横倍補正処理
この処理は、Y,M,C,BK色の色画像の全体における画像形成位置を揃える補正である。例えば、画像クロック信号の周期を調整して、レーザ発光タイミングを調整し、この調整に基づいて全体横倍ずれ量を補正するようになされる。
【0065】
iv.部分横倍補正処理
この処理は、各画像書込みユニット3Y,3M,3C,3K等の水平位置の傾きを調整する補正である。例えば、画像書込みユニット3Yの水平方向の一方が本体部に固定され、他方が可動可能になされ、図2に示したY色用の補正手段5Yで位置補正信号Syに基づいて図示しないモータを回転して調整ギヤユニットを駆動し、画像書込みユニット3YをX−Y(水平)方向に傾き調整するようになされる。感光体ドラム1Yに対する書込みユニット3Yの水平位置の傾きを調整するためである。他の画像形成ユニット10M,10Cにおいても同様な処理がなされる。
【0066】
v.スキュー補正処理
この処理は、各画像書込みユニット3Y,3M,3C,3K内のCY2レンズ38の垂直位置の傾きを調整する補正である。例えば、CY2レンズ38の一方の側は、画像書込みユニット3Yに支持固定され、他方の側は上下に可動可能になされ、図3に示したY色用のスキュー調整手段9Yでモータ42は、スキュー調整信号SSyに基づいて調整ギヤユニット41を駆動し、CY2レンズ38を垂直方向に移動調整するようになされる。感光体ドラム1Yに対するCY2レンズ38の垂直位置の傾きを調整するためである。他の画像形成ユニット10M,10Cにおいても同様な処理がなされる。
【0067】
図4は、カラー画像形成装置100の制御系の構成例を示すブロック図である。図4に示すカラー画像形成装置100は、温度検出手段11、レジストセンサ12、不揮発メモリ14、制御手段15、操作手段16及び表示手段18を有している。制御手段15は例えば、A/D変換器13、補正量演算部51、主走査開始タイミング制御部52、副走査開始タイミング制御部53、画素クロック周期制御部54、画像形成ユニット駆動部55及びCPU57から構成される。
【0068】
温度検出手段11はCPU57に接続され、温度検出データDtpを当該CPU57に出力する。レジストセンサ12はA/D変換器13に接続される。A/D変換器13では、自動色ずれ補正モード時にレジストセンサ12から出力された位置検出信号S2をA/D変換して二値化した後の位置検出データDpを出力するようになされる。A/D変換器13は、不揮発メモリ14に接続される。不揮発メモリ14には、位置検出データDpや、位置ずれ量ε、色ずれ量に係るデータが格納される。
【0069】
不揮発メモリ14は、補正量演算部51及びCPU57に接続される。補正量演算部51は主走査補正量算出部511、副走査補正量算出部512、全体横倍補正量算出部513、部分横倍補正量算出部514及び、スキュー補正量算出部515から構成される。補正量演算部51では、自動色ずれ補正モード時に、不揮発メモリ14から位置検出データDpを読出し、この位置検出データDpから各誤差要因(主走査、全体倍率、部分横倍、スキュー)のずれ量が算出され、ここで算出されたずれ量より各誤差要因毎の補正量が求められる。
【0070】
例えば、主走査補正量算出部511では、不揮発メモリ14から位置検出データDpを読み出して主走査方向の位置ずれ量を算出し、この位置ずれ量を無くすように主走査方向の書き出しタイミングを調整するためのタイミング制御データD1を出力する。このタイミング制御データD1により、主走査方向の位置ずれを補正するようになされる。
【0071】
副走査補正量算出部512では、不揮発メモリ14から位置検出データDpを読み出して副走査方向の位置ずれ量を算出し、この位置ずれ量を無くすように副走査方向の書き出しタイミングを調整するためのタイミング制御データD2を出力する。このタイミング制御データD2により、副走査方向の位置ずれを補正するようになされる。
【0072】
全体横倍補正量算出部513では、不揮発メモリ14から位置検出データDpを読み出して全体横倍ずれ量を算出し、この全体横倍ずれ量を無くすように画素クロック信号の周波数を調整するためのクロック制御データD3を出力する。このクロック制御データD3により、全体横倍ずれ量を補正することができる。
【0073】
部分横倍補正量算出部514では、不揮発メモリ14から位置検出データDpを読み出して部分横倍ずれ量を算出し、この部分横倍ずれ量を無くすように画像書込みユニット3Y等の水平方向の傾きを調整するためのユニット制御データD4を出力する。このユニット制御データD4により、部分横倍ずれ量を補正することができる。
【0074】
スキュー補正量算出部515では、不揮発メモリ14から位置検出データDpを読み出してスキューずれ量を算出し、このスキューずれ量を無くすように画像書込みユニット3Y等の垂直方向の傾きを調整するためのスキュー制御データD5を出力する。このスキュー制御データD5により、スキューずれ量を補正することができる。
【0075】
CPU57は各誤差要因の補正量に従って、Y色、M色及びC色の書出しタイミングや、CLK周波数、水平、垂直方向の傾き等を調整する。例えば、CPU57は主走査補正量算出部511で作成されたタイミング制御データD1を主走査開始タイミング制御部52に出力する。主走査開始タイミング制御部52では、タイミング制御データD1に基づいて主走査方向の位置ずれ量を無くすように主走査方向の書き出しタイミングを調整するように動作する。また、CPU57は副走査補正量算出部512で作成されたタイミング制御データD2を副走査開始タイミング制御部53に出力する。副走査開始タイミング制御部53では、タイミング制御データD2に基づいて副走査方向の位置ずれ量を無くすように副走査方向の書き出しタイミングを調整するように動作する。
【0076】
更に、CPU57は全体横倍補正量算出部513で作成されたクロック制御データD3を画素クロック周期制御部54に出力する。画素クロック周期制御部54では、クロック制御データD3に基づいて全体横倍ずれ量を補正するようになされる。また、CPU57は部分横倍補正量算出部514で作成されたユニット制御データD4を書込みユニット駆動部55に出力する。書込みユニット駆動部55では、ユニット制御データD4に基づいて部分横倍ずれ量を補正するようになされる。また、CPU57はスキュー補正量算出部515で作成されたスキュー制御データD5を画像形成ユニット駆動部56に出力する。画像形成ユニット駆動部56では、スキュー制御データD5に基づいてスキューずれ量を補正するようになされる。
【0077】
図5は、2つのレジストセンサ12A、12BによるレジストマークCRの検知例を示す斜視図である。図6は、色ずれ補正用のレジストマークCRの形成例を示す図である。図6に示すレジストマークCRは、自動色ずれ補正モード実行時に形成されるものである。色ずれ補正用のレジストマークCRは、図4に示したCPU57によって、中間転写ベルト6に形成するように画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kが制御される。
【0078】
この例では、中間転写ベルト6の移動方向である副走査方向に、色ずれ補正用の「フ」字状のBK色のレジストマークCRが左右端に連続して4個ずつ形成され、これに続いて、C色のレジストマークCRが左右端に連続して4個ずつ形成され、更に、M色のレジストマークCRが左右端に連続して4個ずつ形成され、続いて、Y色のレジストマークCRが左右端に連続して4個ずつ各々形成される。各々の色のレジストマークCRを左右端で4個ずつ形成するようにしたのは、各色のレジストマークCRの画像形成位置を検出し、これを精度良く補正するためである。
【0079】
これらの色ずれ補正用のレジストマークCRをレジストセンサ12により検出し、各色のレジストマークCRの画像形成位置に対する色ずれ量を算出し、Y、M、C色の画像形成位置を補正する。この補正は、色ずれ補正モード実行後の画像形成系で任意の画像データに基づく色画像を精度良く重ね合わせるためである。
【0080】
図7A及びBは、レジストセンサ12A等による位置検出信号S2の二値化例を示す図である。
図7Aにおいてレジストセンサ12A等により得られる位置検出信号S2は、予め設定された閾値Lthに基づいて二値化される。この例では、位置検出信号S2が立ち下がるa点が閾値Lthをクロスする時刻taに通過タイミングパルス信号Spが立ち上がり、位置検出信号S2が立ち上がるb点が閾値Lthをクロスする時刻tbに通過タイミングパルス信号Spが立ち下がる。この通過タイミングパルス信号Spは二値化された後に位置検出データDpとなる。位置検出データDpはBK色のレジストマークCRの書込み位置に対するY,M,C色の書き込み位置のずれ量算出に使用される。
【0081】
図8は、色ずれ補正用のレジストマークCRとレジストセンサ12との関係例を示す図である。
図8に示す色ずれ補正用のレジストマークCRは、主走査方向に平行な線分と、主走査方向に対してθ=45°の角度を有した線分で構成される。この例で、主走査方向に平行な線分の中央の点cから、副走査方向に平行な補助線を引いて、この45°の角度を有した線分とこの補助線とが交わる点をdとしたとき、この点c−d間の線分の長さをLbとする。この例では、レジストマークCRの点cと点dとの検出時刻の差から点c−d間の線分の長さLbを算出することで、色ずれ補正用のレジストマークCRのレジストセンサ12の検出点に対する主走査方向の位置関係を検出することができる。
【0082】
図9は、自動色ずれ補正モード時の色ずれ補正量の算出例を示す図である。この例で色ずれ補正量に関しては、Y,M,C色のレジストマークCRの書込み位置をBK色のレジストマークCRに合わせるように調整するため、BK色のレジストマークCRを基準にして算出される。例えば、C色の書込み位置調整に関しては、BK色のレジストマークCRの書込み位置と、C色のレジストマークCRの書込み位置とを検知し、Bk色に対するC色の書込み位置のずれ量を算出し、その補正量を求める。
【0083】
ここで、図9に示すレジストセンサ12Aが左端のBK色のレジストマークCRの主走査方向の直線部を検知した時刻をT11とし、同センサ12Aが同レジストマークCRの傾斜部を検知した時刻をT12とし、同センサ12Aの検出軌跡線Loと左端のBK色のレジストマークCRの一端に至る跳ね出し距離をA1とし、同センサ12Aの検出軌跡線Loと左端のC色のレジストマークCRの一端に至る跳ね出し距離をA2としたとき、主走査粗調整値[1]は、(1)式、すなわち、
[1]=A2−A1=T12−T11 ・・・・(1)
によって算出される。
【0084】
更に、レジストセンサ12Aにより左側のC色のレジストマークCRの主走査方向の直線部を検知した時刻をT13とし、副走査方向における左側のBK色のレジストマークCRと左側のC色のレジストマークCRとの間の離隔距離(基準値)B1としたとき、副走査微調整値[2]は、(2)式、すなわち、
[2]=2240−B1=2240(T13−T11) ・・・・(2)
によって算出される。但し、数値「2240」は、Bk色とC色の離隔距離の設計値である。実際の距離はずれ方によって異なる。
【0085】
また、レジストセンサ12Aにより左側のC色の同レジストマークCRの傾斜部を検知した時刻をT14とし、更に、図26に示すレジストセンサ12Bが右側のBK色のレジストマークCRの主走査方向の直線部を検知した時刻をT21とし、同センサ12Bが同レジストマークCRの傾斜部を検知した時刻をT22とし、同センサ12Bにより右側のC色のレジストマークCRの主走査方向の直線部を検知した時刻をT23とし、同センサ12Bにより同レジストマークCRの傾斜部を検知した時刻をT24とし、レジストセンサ12Bの検出軌跡線Loと右側のBK色のレジストマークCRの一端に至る跳ね出し距離をA3とし、同センサ12Bの検出軌跡線Loと右側のC色のレジストマークCRの一端に至る跳ね出し距離をA4とし、レジストセンサ12Aの検出軌跡線Loとレジストセンサ12Bの検出軌跡線Loとの間の離隔距離(基準値)をC1とし、レジストセンサ12Aの検出軌跡線Loとレジストセンサ12Bの検出軌跡線Loとの間の離隔距離(基準値)をC2としたとき、主走査方向の全体横倍率調整値[3]は、(3)式、すなわち、
によって算出される。但し、左右側のBK色のレジストマークCR間の離隔距離の設計値は、例えば2360ドットとしている。
【0086】
更に、副走査方向における左側のBK色のレジストマークCRと右側のBK色のレジストマークCRとの間の位置ずれ量(未知)をD1とし、副走査方向における左側のC色のレジストマークCRと右側のC色のレジストマークCRとの間の位置ずれ量(未知)をD2としたとき、スキュー調整値[4]は、(4)式、すなわち、
によって算出される。
【0087】
同様にして、他のM、Y色の書込み位置調整に関しても、BK色のレジストマークCRの書込み位置と、MやY色のレジストマークCRの書込み位置とのずれ量を各々検知し、このずれ量から各々の補正量を算出する。その後、BK色用の画像形成ユニット10K以外のC、M、Y色の画像形成位置を調整するようになされる。
【0088】
図10は機内温度TP及び色ずれ量εの関係例を示す図である。図10に示す縦軸は、機内温度TP及び色ずれ量εである。横軸は当該装置の使用時間Tである。機内温度TPの縦軸の目盛りは100%表記しており、色ずれ量εの縦軸の目盛りは200%表記している。横軸の使用時間は100%表記している。
【0089】
この例で、実線に菱形ドット印は機内温度グラフG1であり、実線に四角形ドット印が色ずれ量グラフG2である。機内温度グラフG1によれば、機内温度TPの最大温度を100%としたとき、電源をオンして、使用時間T=10%付近から使用時間T=70%に至る間に、機内温度TPが50%から85%に上昇し、それ以降はほぼ横ばい状態となっている。
【0090】
これに対して、色ずれ量グラフG2によれば、色ずれ量εの最大値を100%としたとき、使用時間10%付近はゼロで、この時点から使用時間70%に至る間に、色ずれ量εが0%から90%に上昇し、それ以降はほぼ横ばい状態となっている。この例では、機内温度グラフG1と色ずれ量グラフG2とが同じ形態で変化する場合である。
【0091】
従って、機内温度TPの変化量と色ずれ量εの相関関係から、温度センサ11Aにより検知された温度変化に対する各色の色ずれ量を予測し、画像形成ユニット10Y、10M、10C、等における書き出しタイミングデータを補正することができる(検知温度予測制御)。機内温度TPの変化量とは、温度検出範囲を設定し、この温度検出範囲において、単位時間当たりの上昇温度[℃/h]で示される。例えば、ある温度検出範囲における時刻Tにおける機内温度をTP1とし、時刻TからΔT時間経過後の機内温度をTP2としたとき、(TP2−TP1)/ΔT[℃/h]で示される。
【0092】
この検知温度予測制御では、実際に、レジストマークを作成しない分だけ、補正処理時間はかからないが、色合わせ精度は自動色ずれ補正モードに比べて劣る。速度優先モードの用途では、色ずれ予測補正モードを選択できる。このような検知温度予測制御によれば、機内温度の変化量と補正量との関係を補正データにして予め準備することで、当該色ずれ予測補正モード選択時に、データテーブルを参照し、補正データに基づいて書き出しタイミングの補正量を算出できるようになる。
【0093】
図11は不揮発メモリ14におけるデータテーブル例を示す図である。図11に示すデータテーブル例によれば、機内温度TPの検出範囲0〜10%、11〜20%、21〜30%、31〜40%、41〜50%、51〜60%、61〜70%に対して、主走査補正量[DOT]、副走査補正量[DOT]及び倍率補正量[DOT]の各々の補正データが準備される。主走査補正量に関しては、機内温度TP=0〜10%の検出範囲に対して主走査補正量は0.2[DOT]である。同様にしてTP=11〜20%に対して0.4[DOT]、TP=21〜30%に対して0.6[DOT]、TP=31〜40%に対して0.8[DOT]、TP=41〜50%に対して1.0[DOT]、TP=51〜60%に対して1.2[DOT]、TP=61〜70%に対して1.4[DOT]である。
【0094】
副走査補正量に関しては、機内温度TP=0〜10%の検出範囲に対して副走査補正量は0.5[DOT]である。同様にしてTP=11〜20%に対して1.0[DOT]、TP=21〜30%に対して1.5[DOT]、TP=31〜40%に対して2.0[DOT]、TP=41〜50%に対して2.5[DOT]、TP=51〜60%に対して3.0[DOT]、TP=61〜70%に対して3.5[DOT]である。
【0095】
倍率補正量に関しては、機内温度TP=0〜10%の検出範囲に対して倍率補正量は0.3[DOT]である。同様にしてTP=11〜20%に対して0.6[DOT]、TP=21〜30%に対して0.9[DOT]、TP=31〜40%に対して1.2[DOT]、TP=41〜50%に対して1.5[DOT]、TP=51〜60%に対して1.8[DOT]、TP=61〜70%に対して2.1[DOT]である。
【0096】
これらの補正量データは、色ずれに起因するドラム支持部材や書き込みレンズなどの膨張係数より算出されたものである。この例では、画像形成位置の補正が必要と判断された時点での温度差に対応する補正データをデータテーブルより参照し、この補正データに従って、各補正対象の位置調整データ等をシフト(補正)するようになされる。
【0097】
図12は、表示手段18における基本設定画面P1の表示例を示すイメージ図である。図12に示す基本設定画面P1は、電源ON後、図示しないウエイクアップ画面及びウオームアップ画面等に続いて表示手段18に表示される。基本設定画面P1は、メッセージエリアAR1、ステータスアイコン表示エリアAR2、枚数表示エリアAR3、各種アイコン表示エリアAR4、メモリ残量エリアAR5、フォルダボタンエリアAR6、画面設定表示エリアAR7から構成される。
【0098】
メッセージエリアAR1には「コピー予約できます」等のメッセージが表示される。画面設定表示エリアAR7には「応用設定」アイコンが表示される。「応用設定」アイコンには、「画質調整」、「原稿設定」、「応用機能」、「自動画像回転解除」、「原稿読込み」等のキーK1〜K5が設けられる。ユーザは、コピー予約時等において、「応用設定」アイコンの中から各種キーK1〜K5を選択できるようになされている。
【0099】
図13はモード選択操作設定画面P2のポップアップ表示例を示すイメージ図である。図13に示すモード選択操作設定画面P2は、基本設定画面P1上にポップアップ表示されるものである。この画面P2は例えば、機内温度変化量が予め設定された制御基準温度変化量を越えた場合に、画像形成位置(色ずれ)の補正時期到来を知らしめるために、表示手段18に表示される。この制御基準温度変化量に関しては、前回レジスト補正が行われ、色ずれがない状態から何度温度が変化したら何画素変化するという考えに基づくものである。ある温度になったら色ずれが何ドットとなるという考え方ではない。
【0100】
モード選択操作画面P2には、「補正タイミングです。」のメッセージ情報と共に、「自動」アイコンキーK6及び、「予測」アイコンキーK7が表示される。「自動」アイコンキーK6は自動色ずれ補正モード(画質優先モード)を設定する際に押下される。「予測」アイコンキーK7は、色ずれ予測補正モード(速度優先モード)を設定する際に押下される。ユーザはこの画面P2が表示手段18に表示された場合に、適宜好みに応じて「自動」アイコンキーK6又は「予測」アイコンキーK7を押下するようになされる。
【0101】
続いて、本発明に係る画像形成方法についてカラー画像形成装置100の動作例を説明する。図14はカラー画像形成装置100における画像形成例を示す図である。
この実施形態では、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに任意の色画像を形成する場合であって、補正タイミング到来時に、自動色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードとに基づいて画像形成位置を補正する場合を前提とする。この色ずれ予測補正モードでは、図10に示した機内温度グラフG1と色ずれ量グラフG2とが同じ形態で変化する場合を例に挙げる。不揮発メモリ14には、予め図11に示したデータテーブルが準備されている場合を想定する。
【0102】
これを画像形成条件にして、図14に示すフローチャートのステップE1で電源オンと共に機内温度TPを検出する。機内温度TPは図1に示した温度センサ11Aで検出され、温度検出手段11で温度検出信号がA/D変換された後に、温度検出データDtpがCPU57に出力される。レジスト補正が完了した場合に、この温度は記憶される。機内温度Tpと記憶された温度との差は常に検出され、温度差に基づいて画像形成位置の補正が必要か否かを判断するために、ステップE2でCPU57は温度検出データDtpを入力して一定以上の温度差があるか否かを判別する。一定以上の機内温度変化がない場合は、ステップE1に戻ってCPU57は機内温度TPの監視を継続する。
【0103】
ステップE2で一定以上の機内温度変化がある場合は、ステップE3に移行して、図13に示したような基本設定画面P1上にモード選択操作設定画面P2をポップアップ表示する。このとき、モード選択操作画面P2には、「補正タイミングです。」の警告メッセージ情報と共に、「自動」アイコンキーK6及び、「予測」アイコンキーK7が表示される。その後、ステップE4に移行してCPU57は、「自動」アイコンキーK6又は「予測」アイコンキーK7の選択を待機する。
【0104】
このとき、ユーザは画質を優先する場合は、「自動」アイコンキーK6を押下すればよいし、速度を優先する場合は、「予測」アイコンキーK7を押下すればよい。この装置100では、「自動」アイコンキーK6又は「予測」アイコンキーK7の押下に基づいてCPU57は制御を分岐する。例えば、「予測」アイコンキーK7が押下された場合は、ステップE5に移行して色ずれ予測補正モード(速度優先モード)を実行する。
【0105】
ここで、図10に示した機内温度グラフG1による機内温度TPの変化量と、色ずれ量グラフG2による色ずれ量εの相関関係から、例えば、ステップE51でデータテーブルを参照し、ステップE52で温度センサ11Aにより検知された温度変化に対する各色の色ずれ量を予測し、ステップE53で画像形成ユニット10Y、10M、10C、等における書き出しタイミングを補正するようになされる(検知温度予測制御)。
【0106】
このとき、ある機内温度TP、例えば、TP=41〜50%の検出範囲における時刻Tにおける機内温度をTP1とし、時刻TからΔT時間経過後の機内温度をTP2としたとき、機内温度TPの変化量は(TP2−TP1)/ΔT[℃/h]で示される。この機内温度TP=41〜50%の検出範囲における主走査補正量は、1.0[DOT]であり、副走査補正量は、2.5[DOT]、倍率補正量は、1.5[DOT]である。これらの補正データが不揮発メモリ14から補正量演算部51に読み出される。
【0107】
主走査補正量算出部511では、不揮発メモリ14から読み出された主走査補正量=1.0[DOT]に基づいて主走査方向の書き出しタイミングを調整するためのタイミング制御データD1を出力する。このタイミング制御データD1により、主走査方向の位置ずれを補正するようになされる。副走査補正量算出部512では、不揮発メモリ14から読み出された副走査補正量=2.5[DOT]に基づいて副走査方向の書き出しタイミングを調整するためのタイミング制御データD2を出力する。このタイミング制御データD2により、副走査方向の位置ずれを補正するようになされる。
【0108】
全体横倍補正量算出部513では、不揮発メモリ14から読み出された倍率補正量=1.5[DOT]に基づいて画素クロック信号の周波数を調整するためのクロック制御データD3を出力する。このクロック制御データD3により、全体横倍ずれ量を補正することができる。これにより補正された書き出しタイミングで、予め規定された感光体ドラム1Y,1M,1,Cの画像形成位置にレーザビームを照射できるようになる。なお、部分横倍補正及びスキュー補正処理については温度変化による影響が少ないため省略される。
【0109】
また、ステップE4で「自動」アイコンキーK6が押下された場合は、ステップE6に移行して自動色ずれ補正モードを実行する。この自動色ずれ補正モードでは、例えばステップE61で中間転写ベルト6上にレジストマークCRを作成し、ステップE62でレジストセンサ12A,12Bにより基準色に対する各色のレジストマークCRを検出し、ステップE63でこれらの色ずれ量を算出し、ステップE64でこれらの色ずれ量に基づいて画像データDy,Dm、Dc等の書き出しタイミングを補正するようになされる(図9参照)。このモードは高精度な色合わせが可能となるが、レジストマークCRを作成するために中間転写ベルト6を数周させるため、補正処理に所定の時間を要する。
【0110】
そして、ステップE7に移行してCPU57は終了判断をして画像形成処理を終了する。画像形成処理を終了しない場合は、ステップE1に戻ってCPU57は機内温度TPの監視を継続するようになされる。
【0111】
このように、本発明に係る実施形態としてのカラー画像形成装置及び画像形成方法によれば、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに任意の色画像を形成する場合であって、電源オン後に、CPU57は、温度検出手段11から得られる温度検出データDtpに基づいて色ずれを補正するか否かを判断すると共に、機内温度変化量が予め設定された制御基準温度変化量を越えた場合に表示手段18上にモード選択設定操作画面P2を表示するようになされる。この画面P2には「自動」アイコンキーK6及び「予測」アイコンキーK7を選択可能なように表示される。
【0112】
従って、画像形成位置の補正時期到来時のユーザにおける選択枝を拡張することができる。つまり、ユーザが画質を優先する用途ではモード選択設定操作画面P2で「自動」アイコンキーK6を押下して自動色ずれ補正モード(画質優先モード)を選択し設定すること、及び、速度を優先する用途では「予測」アイコンキーK7を押下して色ずれ予測補正モード(速度優先モード)を選択し設定することができる。CPU57は「自動」アイコンキーK6又は「予測」アイコンキーK7の選択操作に基づいて画像形成位置を補正するようになされる。これにより、使い勝手のよいカラー画像形成装置を提供できる。
【0113】
なお、この実施形態では、画像形成手段に関して、感光体ドラム1Y,1M,1C,1KにY色、M色、C色及びBK色のトナー像を形成する画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kと、これらの各色用の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに形成されたトナー像を転写する画像転写ベルト6とを有する場合について説明したが、これに限られることはなく、本発明は、1つの転写材搬送ベルト上に色を重ね合わせて色画像を形成するカラー画像形成装置にも適用することができる。
【0114】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る画像形成装置及び画像形成方法によれば、像形成体に任意の色画像を形成する場合に、機内温度変化に基づいて色ずれを補正するか否かを判断すると共に、色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードの選択に基づいて画像形成位置を補正する制御手段を備えるものである。
【0115】
この構成によって、画像形成位置の補正時期到来時のユーザにおける選択枝を拡張することができる。従って、機内温度変化が予め設定された制御基準温度変化を越えた場合に、ユーザが画質を優先する用途では色ずれ補正モードを選択し設定すること、及び、速度を優先する用途では色ずれ予測補正モードを選択し設定することができる。
【0116】
この発明は中間転写ベルト又は感光体ベルトを有したタンデム型のカラープリンタや複写機、これらの複合機等に適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態としてのカラー画像形成装置100の構成例を示す概念図である。
【図2】カラー画像形成装置100の画像転写系I及び画像形成系IIの構成例を示すブロック図である。
【図3】Y色用の画像書込みユニット3Y及びそのスキュー調整手段9Yの構成例を示すイメージ図である。
【図4】カラー画像形成装置100の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図5】2つのレジストセンサ12A、12BによるレジストマークCRの検知例を示す斜視図である。
【図6】色ずれ補正用のレジストマークCRの形成例を示す図である。
【図7】A及びBはレジストセンサ12A等よる位置検出信号S2の二値化例を示す図である。
【図8】色ずれ補正用のレジストマークCRとレジストセンサ12との関係例を示す図である。
【図9】自動色ずれ補正モード時の色ずれ補正量の算出例を示す図である。
【図10】機内温度TP及び色ずれ量εの関係例を示す図である。
【図11】不揮発メモリ14におけるデータテーブル例を示す図である。
【図12】表示手段18における基本設定画面P1の表示例を示すイメージ図である。
【図13】モード選択操作設定画面P2のポップアップ表示例を示すイメージ図である。
【図14】カラー画像形成装置100における画像形成例を示す図である。
【符号の説明】
1Y,1M,1C,1K 感光体ドラム(像形成体)
3Y,3M,3C,3K 画像書込みユニット(露光手段)
4Y,4M,4C,4K 現像装置
5Y,5M,5C,5K 補正手段
6 中間転写体(画像転写手段)
9Y スキュー調整手段
10Y,10M,10C,10K 画像形成ユニット(画像形成手段)
11 温度検出手段
11A 温度センサ
12,12A〜12B レジストセンサ
14 不揮発メモリ(記憶装置)
15 制御手段
16 操作手段
18 表示手段
100 カラー画像形成装置
101 画像形成装置本体
102 画像読取装置
201 自動原稿給紙装置
202 原稿画像走査露光装置
【発明の属する技術分野】
この発明は中間転写ベルト又は感光体ベルトを有したタンデム型のカラープリンタや複写機、これらの複合機等に適用して好適な画像形成装置及び画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、タンデム型のカラープリンタや複写機、これらの複合機等が使用される場合が多くなってきた。これらのカラー画像形成装置ではイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(BK)色用の各々の露光手段、現像装置、感光体ドラムと、中間転写ベルト及び定着装置とを備えている。
【0003】
例えば、Y色用の露光手段では任意の画像情報に基づいて感光体ドラムに静電潜像を描くようになされる。現像装置では感光体ドラムに描かれた静電潜像にY色用のトナーを付着してカラートナー像を形成する。感光体ドラムはトナー像を中間転写ベルトに転写する。他のM、C、BK色についても同様の処理がなされる。中間転写ベルトに転写されたカラートナー像は用紙に転写された後に定着装置によって定着される。
【0004】
この画像形成装置によれば、最適なカラー画像形成品質を維持するために、原稿画像のR色、G色、B色を再現するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(Bk)色の間で色ずれが生じないように画像形成手段を補正することが必須となっている(以下色ずれ補正モードという)。色ずれは、一般に、書込みユニット、感光体ドラムの組み立て公差により生じる。また、外気温の変化や、連続使用により機内温度が変化することで、露光手段や、感光体ドラム等の支持部が伸縮し経時的に位置ずれを生じ、これを原因として発生すると考えられる。
【0005】
上述の色ずれ補正モードに関しては、中間転写ベルトまたは搬送材転写ベルト上に形成されたレジストマークを反射型センサなどの色ずれ検知用の検出手段(以下レジストセンサという)により検出し、ある基準色に対する他色のレジストマークに係る主走査、副走査、横倍率、スキューの各々のずれ量を算出し、画像形成タイミングなどを調整して色ずれを補正している。
【0006】
なお、この種のカラー画像形成装置に関して、特許文献1には画像形成装置及びその画像色ずれ調整方法が開示されている。この画像形成装置によれば、温度検出手段、調整時期検出手段及び色ずれ調整手段が備えられる。温度検出手段は装置内の温度を検出する。調整時期検出手段は温度検出手段から得られる温度検出情報に応じて色ずれ調整を実施する時期を検出するようになされる。
【0007】
色ずれ調整手段では調整時期検出手段から色ずれ調整実施時期情報に基づいて色ずれ調整をするか否かを判断し、色ずれ調整「要」と判断した場合は、色ずれ調整を実行し、色ずれ調整「不要」と判断した場合は、色ずれ調整を実行せずに通常の動作に戻るようになされる。このように構成すると、特許文献1によれば、適切な時期に、各色像の位置ずれを補正することができ、画像形成効率を低下させることなく、良好なカラー画像が形成できるというものである。
【0008】
【特許文献1】
特開平08−286566号公報(第8頁 第9図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1に見られるような従来例に係る画像形成装置によれば、機内温度をモニタし、一定以上の温度変化があると、画像形成位置の補正時期が到来したと判断し、自動色ずれ補正モードに移行するようになされる。従って、次のような問題がある。
【0010】
i.任意の色画像の作像中に一定以上の機内温度が検出されると、自動的に画像出力を中断して、色ずれ補正モードに移行する。この色ずれ補正モードでは、実際に、レジストマークが作成され、これを検出して位置ずれ量を算出し補正を行うため相当の時間を要し、画像形成出力時間が長くなるおそれがある。
【0011】
ii.色画像の形成条件によっては、色合わせ精度よりも、迅速に画像形成出力したいとする要求が考えられるが、色ずれ補正モードのみではその要求に柔軟に対処することができない。従って、画質よりも速度を優先した制御モードが選択できない装置はユーザにとって非常に不便なものとなる。
【0012】
そこで、この発明は上述した課題を解決したものであって、画像形成位置の補正時期到来時のユーザにおける選択枝を拡張できるようにすると共に、機内温度変化量が予め設定された制御基準温度変化量を越えた場合に、画質優先モード又は速度優先モードを設定できるようにした画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、像形成体に任意の色画像を形成する画像形成装置において、像形成体に色ずれ補正用の基準色を含む各色の画像を形成し、当該色ずれ補正用の画像の通過タイミングを読み取って、基準色画像に対する他の色画像の位置ずれ量を算出し、該位置ずれ量に基づいて画像形成位置を補正する動作を色ずれ補正モードとし、機内温度の変化量から基準色画像に対する他の色画像の位置ずれ量を予測し、当該位置ずれ予測量に基づいて画像形成位置を補正する動作を色ずれ予測補正モードとしたとき、像形成体を有して、当該像形成体に画像情報を書き込んで色画像を形成する画像形成手段と、機内温度を検出して温度検出情報を出力する温度検出手段と、この温度検出手段により出力される温度検出情報に基づいて色ずれを補正するか否かを判断すると共に、色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードの選択に基づいて画像形成手段における画像形成位置を補正する制御手段を備えることを特徴とするものである。
【0014】
本発明に係る画像形成装置によれば、像形成体に任意の色画像を形成する場合に、画像形成手段は像形成体を有しており、この像形成体に画像情報を書き込んで色画像を形成する。温度検出手段は機内温度を検出して温度検出情報を制御手段に出力する。これを前提にして、制御手段では、温度検出情報に基づいて色ずれを補正するか否かを判断すると共に、色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードの選択に基づいて色ずれを補正するようになされる。
【0015】
従って、色ずれの補正時期到来時のユーザにおける選択枝を拡張することができる。これにより、機内温度が予め設定された制御基準温度を越えた場合に、ユーザが画質を優先する用途では操作手段を操作して色ずれ補正モード(画質優先モード)を選択し設定すること、及び、速度を優先する用途では操作手段を操作して色ずれ予測補正モード(速度優先モード)を選択し設定することができる。使い勝手のよい画像形成装置を提供できる。
【0016】
本発明に係る画像形成方法は、像形成体に任意の色画像を形成する画像形成方法において、像形成体に色ずれ補正用の基準色を含む各色の画像を形成し、当該色ずれ補正用の画像の通過タイミングを読み取って、基準色画像に対する他の色画像の位置ずれ量を算出し、該位置ずれ量に基づいて画像形成位置を補正する動作を色ずれ補正モードとし、機内温度の変化量から基準色画像に対する他の色画像の位置ずれ量を予測し、当該位置ずれ予測量に基づいて画像形成位置を補正する動作を色ずれ予測補正モードとしたとき、機内温度を検出し、ここで検出された機内温度に基づいて色ずれを補正するか否かを判断すると共に、色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードの選択に基づいて画像形成位置を補正することを特徴とするものである。
【0017】
本発明に係る画像形成方法によれば、像形成体に任意の色画像を形成する場合に、画像形成位置の補正時期到来時に、ユーザに対して画質優先モード又は速度優先モードのいずれかを選択させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法について説明をする。
図1は、本発明の実施形態としてのカラー画像形成装置100の構成例を示す概念図である。
【0019】
この実施形態では、像形成体に任意の色画像を形成する場合に、温度検出情報に基づいて色ずれを補正するか否かを判断すると共に、色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードの選択に基づいて画像形成位置を補正する制御手段を備え、画像形成位置の補正時期到来時のユーザにおける選択枝を拡張できるようにする、すなわち、機内温度が予め設定された制御基準温度を越えた場合に、画質優先モード又は速度優先モードを設定できるようにしたものである。
【0020】
図1に示すカラー画像形成装置100は画像形成装置の一例を構成するものでであり、像形成体に任意の画像情報に基づいて色を重ね合わせて色画像を形成する装置である。このカラー画像形成装置100は、画像形成装置本体101と画像読取装置102とから構成される。画像形成装置本体101の上部には、自動原稿給紙装置201と原稿画像走査露光装置202から成る画像読取装置102が設置されている。自動原稿給紙装置201の原稿台上に載置された原稿dは搬送手段により搬送され、原稿画像走査露光装置202の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、原稿画像を反映する入射光がラインイメージセンサCCDにより読み込まれる。
【0021】
ラインイメージセンサCCDにより光電変換されたアナログ画像信号は、図示しない画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正及び画像圧縮処理等がなされ、デジタルの画像情報となる。画像情報は画像形成手段を構成する画像書き込みユニット(露光手段)3Y、3M、3C、3Kへ送られる。
【0022】
上述の自動原稿給紙装置201は自動両面原稿搬送手段を備えている。この自動原稿給紙装置201は原稿載置台上から給送される多数枚の原稿dの内容を連続して一挙に読み取り、原稿内容を記憶手段に蓄積するようになされる(電子RDH機能)。この電子RDH機能は、複写機能により多数枚の原稿内容を複写する場合、或いはファクシミリ機能により多数枚の原稿dを送信する場合等に便利に使用される。
【0023】
画像形成装置本体101は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるものである。画像形成手段は各色毎に像形成体を有する複数組の画像形成ユニット(画像形成系)10Y、10M、10C、10Kと、画像転写手段(画像転写系)の一例を成す無終端状の中間転写ベルト6と、再給紙機構(ADU機構)を含む給紙搬送手段と、トナー像を定着するための定着装置17とを備えている。
【0024】
イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成ユニット10Yは、Y色のトナー像を形成する像形成体としての感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配置されたY色用の帯電手段2Y、露光手段3Y、現像装置4Y及び像形成体用のクリーニング手段8Yを有する。マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成ユニット10Mは、M色のトナー像を形成する像形成体としての感光体ドラム1Mと、M色用の帯電手段2M、露光手段3M、現像装置4M及び像形成体用のクリーニング手段8Mを有する。
【0025】
シアン(C)色の画像を形成する画像形成ユニット10Cは、C色のトナー像を形成する像形成体としての感光体ドラム1Cと、C色用の帯電手段2C、露光手段3C、現像装置4C及び像形成体用のクリーニング手段8Cを有する。黒(BK)色の画像を形成する画像形成ユニット10Kは、BK色のトナー像を形成する像形成体としての感光体ドラム1Kと、BK色用の帯電手段2K、露光手段3K、現像装置4K及び像形成体用のクリーニング手段8Kを有する。
【0026】
帯電手段2Yと露光手段3Y、帯電手段2Mと露光手段3M、帯電手段2Cと露光手段3C及び帯電手段2Kと露光手段3Kとは、潜像形成手段を構成する。現像装置4Y、4M、4C、4Kによる現像は、使用するトナー極性と同極性(本実施形態においては負極性)の直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される反転現像にて行われる。中間転写ベルト6は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持され、各々の感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに形成されたY色、M色、C色、BK色の各トナー像を転写するようになされる。
【0027】
ここで画像形成プロセスの概要について以下に説明をする。画像形成ユニット10Y、10M、10C及び10Kより形成された各色の画像は、使用するトナーと反対極性(本実施形態においては正極性)の1次転写バイアス(不図示)が印加される1次転写ローラ7Y、7M、7C及び7Kにより、回動する中間転写ベルト6上に逐次転写されて(1次転写)、合成されたカラー画像(色画像:カラートナー像)が形成される。カラー画像は中間転写ベルト6から用紙Pへ転写される。
【0028】
給紙カセット20A、20B、20C内に収容された用紙Pは、給紙カセット20A、20B、20Cにそれぞれ設けられる送り出しローラ21および給紙ローラ22Aにより給紙され、搬送ローラ22B、22C、22D、レジストローラ23等を経て、2次転写ローラ7Aに搬送され、用紙P上の一方の面(表面)にカラー画像が一括して転写される(2次転写)。
【0029】
カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置17により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。転写後の感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kの周面上に残った転写残トナーは、像形成体クリーニング手段8Y、8M、8C、8Kによりクリーニングされ次の画像形成サイクルに入る。
【0030】
両面画像形成時には、一方の面(表面)に画像形成され、定着装置17から排出された用紙Pは、分岐手段26によりシート排紙路から分岐され、それぞれ給紙搬送手段を構成する、下方の循環通紙路27Aを経て、再給紙機構(ADU機構)である反転搬送路27Bにより表裏を反転され、再給紙搬送部27Cを通過して、給紙ローラ22Dにおいて合流する。反転搬送された用紙Pは、レジストローラ23を経て、再度2次転写ローラ7Aに搬送され、用紙Pの他方の面(裏面)上にカラー画像(カラートナー像)が一括転写される。カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置17により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。一方、2次転写ローラ7Aにより用紙Pにカラー画像を転写した後、用紙Pを曲率分離した中間転写ベルト6は、中間転写ベルト用のクリーニング手段8Aにより残留トナーが除去される。
【0031】
これらの画像形成の際には、用紙Pとして52.3〜63.9kg/m2(1000枚)程度の薄紙や64.0〜81.4kg/m2(1000枚)程度の普通紙、83.0〜130.0kg/m2(1000枚)程度の厚紙や150.0kg/m2(1000枚)程度の超厚紙が用いられる。用紙Pの厚み(紙厚)としては0.05〜0.15mm程度の厚さのものが用いられる。
【0032】
この画像形成装置本体101の内部には、温度検出手段を構成する温度センサ11Aが取り付けられ、機内温度を検出して温度検出信号を出力するようになされる。温度センサ11Aには熱電対構造、サーミスタ構造、IC熱電対構造のものが使用される。また、上述のクリーニング手段8Aの上流側であって、中間転写ベルト6の左側には、レジストセンサ12が設けられており、上述した画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kによって中間転写ベルト6に形成された色ずれ補正用の基準色を含む各色の画像(以下、レジストマークCRという)の位置を検出して位置検出信号S2を発生するようになされる。
【0033】
画像形成装置本体101には制御手段15が設けられ、上述の温度センサ11Aにより得られる温度検出信号(温度検出情報)に基づいて色ずれを補正するか否かを判断すると共に、自動色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードの選択に基づいて画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kにおける画像形成位置を補正するようになされる。自動色ずれ補正モードとは、色ずれ補正用のレジストマークCRを中間転写ベルト6に形成し、当該レジストマークCRの通過タイミングを読み取って、基準色のレジストマークCRの位置(エッジ、重心等)に対する他の色のレジストマークの位置ずれ量を算出し、該位置ずれ量に基づいて色重ね合わせ時の画像形成位置を補正する動作をいう。
【0034】
また、色重ね合わせ時の画像形成位置とは、カラー画像データに基づく任意の色画像を中間転写ベルト6で再現する場合に、Y色、M色、C色、BK色等の各々のトナー像を重ね合わせる位置をいう。この画像形成位置は、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに対する画像書込み開始位置を調整することで補正される。
【0035】
更に、カラー画像形成装置100には自動色ずれ補正モードの他に、色ずれ予測補正モードが準備されている。色ずれ予測補正モードとは機内温度の変化量から基準色に対する他の色の位置ずれ量を予測し、当該位置ずれ予測量に基づいて色重ね合わせ時の画像形成位置を補正する動作をいう。これは温度が変わるとドラム支持部材が伸縮して感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの位置がずれ、各色の画像形成位置がずれる。これを予測するためである。
【0036】
この例で中間転写ベルト6の幅方向を主走査方向としたとき、色ずれ補正用の色画像は、主走査方向に平行な線分と、当該主走査方向に対して所定の角度(例えば、45°)を有した線分とにより構成される。例えば、色画像は「フ」字を構成する。
【0037】
図2はカラー画像形成装置100の画像転写及び画像形成系の構成例を示すブロック図である。図2に示すカラー画像形成装置100は、図1に示した温度センサ11Aやレジストセンサ12等を含む処理系を画像転写系Iとし、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを画像形成系IIとして抜き出したものである。
【0038】
図2において、カラー画像形成装置100は画像形成位置が予め規定された感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに任意の色画像を形成する装置であり、不揮発メモリ14、制御手段15、操作手段16、表示手段18、画像処理手段70を有している。
【0039】
図2に示す制御手段15には温度検出手段11が接続され、機内温度を検出して得た温度検出情報を出力するようになされる。温度検出手段11は、例えば、図1に示した温度センサ11Aや、図示しないアナログ・デジタル変換器(以下A/D変換器という)から構成される。A/D変換器は温度センサ11Aから出力される温度検出信号をアナログ・デジタル変換し、温度検出情報となるA/D変換後の温度検出データDtpを制御手段15に出力する。
【0040】
制御手段15は、温度検出手段11により出力される温度検出データDtpに基づいて色ずれを補正するか否かを判断する。制御手段15は色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードの選択に基づいて画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kにおける画像形成位置を補正するように動作する。自動色ずれ補正モードを実行する場合には、レジストセンサ12から制御手段15へ位置検出信号S2が出力される。
【0041】
制御手段15には操作手段16が接続され、通常のプリントモード時にユーザによって画像形成条件等の操作データD3が入力される他、色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードのいずれかを選択するように操作される。操作はユーザによってなされる。
【0042】
制御手段15には操作手段16の他に表示手段18が接続され、温度検出データDtpに基づいて警告表示をするようになされる。例えば、表示手段18は、機内温度が予め設定された制御基準温度を越えた場合に、色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードのいずれかを選択させるためのモード選択操作設定画面P2を表示する(図13参照)。モード選択操作設定画面P2は制御手段15から供給される表示データDvに基づいて表示される。表示手段18には液晶ディスプレイが使用され、液晶ディスプレイは、操作手段16を構成する図示しないタッチセンサパネルと組み合わせて使用される。
【0043】
制御手段15には更に不揮発メモリ14が接続されており、色ずれ予測補正モード実行時に参照するためのデータテーブルが構築される。このデータテーブルは、基準色のレジストマークCRに対する他の色のレジストマークCRの位置ずれ量と機内温度の変化量とを予め関係付けたものである。不揮発メモリ14に格納される補正データは、電源ON時に実行された自動色ずれ補正モードを終了した時点からの温度変化と、この温度変化に伴う色ずれ補正量との関係をグラフ化したものである。
【0044】
制御手段15は、例えば、色ずれ予測補正モード実行時に、データテーブルを参照し、このデータテーブルを参照して得られる補正量に基づいて当該画像データDy、Dm、Dcの感光体ドラム1Y,1M,1Cへの書き込みタイミングを調整するようになされる。この不揮発メモリ14には、上述のデータテーブルが構築される他、位置検出データDpや、位置ずれ量、色ずれ量に係るデータが記憶される。
【0045】
この制御手段15にはレジストセンサ12が接続されており、中間転写ベルト6に形成されたトナー像(レジストマークCR等の色画像)の位置を検出して位置検出信号S2を出力する。レジストセンサ12には、CCDセンサや反射型のフォトセンサ等が使用される。制御手段15は、レジストセンサ12から得られる位置検出信号S2をアナログ・デジタル変換した後の位置検出データDpに基づいて画像書込みユニット3Y,3M,3Cの露光タイミングを制御する。
【0046】
制御手段15は、温度検出手段11から得られる機内温度変化量と、予め設定された制御基準温度変化量とを比較し、この機内温度変化量が予め設定された制御基準温度変化量を越えた場合に、上述の操作手段16を選択操作し設定された色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードに基づいて画像書込みユニット3Y,3M,3Cの露光タイミングを制御する。制御手段15には画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kが接続されており、画像形成ユニット10Yでは、画像処理手段70から出力されるY色用の書込みデータWyに基づいて中間転写ベルト6にY色のトナー画像を形成する。
【0047】
画像形成ユニット10MではM色用の書込みデータWmに基づいて中間転写ベルト6にM色のトナー画像を形成し、画像形成ユニット10CではC色用の書込みデータWcに基づいて中間転写ベルト6にC色のトナー画像を形成し、画像形成ユニット10KではBK色用の書込みデータWkに基づいて中間転写ベルト6にBK色のトナー画像を形成するようになされる。
【0048】
画像処理手段70は画像処理回路71、Y−信号切換部72Y、M−信号切換部72M、C−信号切換部72C及び、K−信号切換部72Kを有している。画像処理回路71には、任意の原稿から読み取ったカラー画像のR,G,B色成分に係るR,G,B信号及び、プリンタ等の外部機器から出力される任意のプリントに係るY,M,C,K信号が入力される。
【0049】
画像処理回路71では、画像処理制御信号S4に基づいてR,G,B信号を色変換して画像データDyをY−信号切換部72Yに出力する。同様にして、R,G,B信号を色変換して画像データDmをM−信号切換部72Mに出力し、R,G,B信号を色変換して画像データDcをC−信号切換部72Cに出力し、R,G,B信号を色変換して画像データDkをK−信号切換部72Kに出力する。
【0050】
この例で外部プリンタ等から、任意のプリントに係るY,M,C,K信号が画像処理回路71に入力された場合は、画像処理制御信号S4に基づいてY信号を例えば、スクリーン処理した後の画像データDy’をY−信号切換部72Yに出力する。同様にして、M信号をスクリーン処理した後の画像データDm’をM−信号切換部72Mに出力し、C信号をスクリーン処理した後の画像データDc’をC−信号切換部72Cに出力し、K信号をスクリーン処理した後の画像データDk’をK−信号切換部72Kに出力する。画像処理制御信号S4は制御手段15から画像処理回路71に出力される。
【0051】
Y−信号切換部72Yは、画像データDy又は画像データDy’のいずれか一方を書込選択信号S5に基づいて選択し、この画像データDy又はDy’を画像書込みユニット3Yに出力する。画像書込みユニット3YはY色用のレーザ光の照射タイミングを検知してレーザ検知信号(以下Y−INDEX信号という)を検出するようになされる。
【0052】
M−信号切換部72Mは、画像データDm又は画像データDm’のいずれか一方を書込選択信号S5に基づいて選択し、この画像データDm又はDm’を画像書込みユニット3Mに出力する。画像書込みユニット3MはM色用のレーザ光の照射タイミングを検知してレーザ検知信号(以下M−INDEX信号という)を検出するようになされる。
【0053】
C−信号切換部72Cは、画像データDc又は画像データDc’のいずれか一方を書込選択信号S5に基づいて選択し、この画像データDc又はDc’を画像書込みユニット3Cに出力する。画像書込みユニット3CはC色用のレーザ光の照射タイミングを検知してレーザ検知信号(以下C−INDEX信号という)を検出するようになされる。
【0054】
K−信号切換部72Kは、画像データDk又は画像データDk’のいずれか一方を書込選択信号S5に基づいて選択し、この画像データDk又はDk’を画像書込みユニット3Kに出力する。画像書込みユニット3KはBK色用のレーザ光の照射タイミングを検知してレーザ検知信号(以下K−INDEX信号という)を検出するようになされる。書込選択信号S5は制御手段15からY〜K−信号切換部72Y〜72Kに各々出力される。
【0055】
この例ではY色用の画像書込みユニット(露光手段)3Yには補正手段5Yが取り付けられており、制御手段15からのユニット位置補正信号Syに基づいて当該書込みユニット3Yの水平位置の傾きを調整するようになされる。同様にしてM色用の画像書込みユニット3Mには補正手段5Mが取り付けられており、制御手段15からのユニット位置補正信号Smに基づいて当該書込みユニット3Mの水平位置の傾きを調整するようになされる。C色用の画像書込みユニット3Cには補正手段5Cが取り付けられており、制御手段15からのユニット位置補正信号Scに基づいて当該書込みユニット3Cの水平位置の傾きを調整するようになされる(部分横倍補正処理)。
【0056】
この例で色ずれ量の算出に関しては、BK色のレジストマークCR1を基準にしている。Y,M,C色の色画像の書込み位置をBK色に合わせるように調整するためである。例えば、Y色の書込み位置調整に関しては、BK色のレジストマークCRの書込み位置と、Y色のレジストマークCRの書込み位置とを検知し、Y色のレジストマークCRの書込み位置とBK色のレジストマークCRの書込み位置とのずれ量からその補正量を算出する。同様にして、M、C色の書込み位置調整に関しても、BK色のレジストマークCRの書込み位置と、MやC色のレジストマークCRの書込み位置とのずれ量を各々検知し、このずれ量から各々の補正量を算出する。その後、Y、M、C色の画像形成位置を調整するようになされる。
【0057】
図3は、Y色用の画像書込みユニット3Y及びそのスキュー調整手段9Yの構成例を示すイメージ図である。図3に示すY色用の画像書込みユニット3Yは、半導体レーザ光源31、コリメータレンズ32,補助レンズ33、ポリゴンミラー34、ポリゴンモータ35、f(θ)レンズ36、ミラー面結像用のCY1レンズ37、ドラム面結像用のCY2レンズ38、反射板39、ポリゴンモータ駆動基板45及び、LD駆動基板46を有している。
【0058】
半導体レーザ光源31は、Y色用のLD駆動基板46に接続される。LD駆動基板46には画像書込みユニット3Yからの書込みデータWyが供給される。LD駆動基板46では書込みデータWyがPWM変調され、PWM変調後の所定のパルス幅のレーザ駆動信号SLyを半導体レーザ光源31に出力する。半導体レーザ光源31では、Y色用のレーザ駆動信号SLyに基づいてレーザ光が発生される。半導体レーザ光源31から出射されたレーザ光はコリメータレンズ32,補助レンズ33及び、CY1レンズ37によって所定のビーム光に整形される。
【0059】
このビーム光は、ポリゴンミラー34によって主走査方向に偏向される。例えば、ポリゴンミラー34にはポリゴンモータ35が取り付けられる。ポリゴンモータ35にはポリゴン駆動基板45が接続される。先に述べた制御手段15からポリゴン駆動基板45には、YポリゴンCLKが供給される。ポリゴン駆動基板45は、YポリゴンCLKに基づき、ポリゴンモータ35を所定の回転速度で回転するようになされる。ポリゴンミラー34によって偏向されるビーム光は、f(θ)レンズ36及びCY2レンズ38によって感光体ドラム1Yの方へ結像される。この動作により、感光体ドラム1YにレジストマークCR等の静電潜像を形成するようになされる。
【0060】
この画像書込みユニット3Yにはスキュー調整手段9Yが設けられる。スキュー調整手段9Yは本体部に取り付けられる。この本体部には反射板39が設けられ、この反射板39に対峙した位置には、レーザインデックスセンサ49が取り付けられる。レーザインデックスセンサ49はポリゴンミラー34によって偏向されるビーム光を検知して、Y−INDEX信号を制御手段15に出力するようになされる。スキュー調整手段9Yは調整ギヤユニット41及び、調整用のモータ42を有している。調整ギヤユニット41にはCY2レンズ38が取り付けられている。調整ギヤユニット41はCY2レンズ38に対して可動自在に取り付けられる。調整用のモータ42ではスキュー調整信号SSyに基づいて調整ギヤユニット41を水平方向に移動調整するようになされる。
【0061】
この例で色ずれ量の算出に関しては、BK色のレジストマークCRを基準にしている。Y,M,C色の色画像の書込み位置をBK色に合わせるように調整するためである。補正処理内容は例えば、次のi〜vの5つある。補正処理内容のうち、i〜iiiは画像データを補正することにより実現され、iv及びvはモータ42を駆動し、実際に、画像書込みユニット3Y,3M,3C,3Kを駆動して調整するようになされる。
【0062】
i.主走査補正処理
この処理は、Y,M,C、BK色の色画像の主走査方向の書出し位置を揃える補正である。例えば、Y色の書込み位置補正に関しては、BK色のレジストマークCRの位置検出データDpと、Y色のレジストマークCRの位置検出データDpからBk色に対するY色の主走査方向の位置ずれ量を求め、ここで求めた位置ずれ量からその補正量を算出する。この補正量に基づいて、Y,M,C色の主走査方向の書込みタイミングを調整してBk色と他のY,M,C色の書込み位置とを揃えるようになされる。
【0063】
ii.副走査補正処理
この処理は、Y,M,C、BK色の色画像の副走査方向における書出し位置を揃える補正である。例えば、Y色の書込み位置調整に関しては、BK色のレジストマークCRの位置検出データDpと、Y色のレジストマークCRの位置検出データDpからBk色に対するY色の副走査方向の位置ずれ量を求め、ここで求めた位置ずれ量からその補正量を算出する。この補正量に基づいて、Y,M,C色の副走査方向の書込みタイミングを調整してBk色と他のY,M,C色の書込み位置とを揃えるようになされる。
【0064】
iii.全体横倍補正処理
この処理は、Y,M,C,BK色の色画像の全体における画像形成位置を揃える補正である。例えば、画像クロック信号の周期を調整して、レーザ発光タイミングを調整し、この調整に基づいて全体横倍ずれ量を補正するようになされる。
【0065】
iv.部分横倍補正処理
この処理は、各画像書込みユニット3Y,3M,3C,3K等の水平位置の傾きを調整する補正である。例えば、画像書込みユニット3Yの水平方向の一方が本体部に固定され、他方が可動可能になされ、図2に示したY色用の補正手段5Yで位置補正信号Syに基づいて図示しないモータを回転して調整ギヤユニットを駆動し、画像書込みユニット3YをX−Y(水平)方向に傾き調整するようになされる。感光体ドラム1Yに対する書込みユニット3Yの水平位置の傾きを調整するためである。他の画像形成ユニット10M,10Cにおいても同様な処理がなされる。
【0066】
v.スキュー補正処理
この処理は、各画像書込みユニット3Y,3M,3C,3K内のCY2レンズ38の垂直位置の傾きを調整する補正である。例えば、CY2レンズ38の一方の側は、画像書込みユニット3Yに支持固定され、他方の側は上下に可動可能になされ、図3に示したY色用のスキュー調整手段9Yでモータ42は、スキュー調整信号SSyに基づいて調整ギヤユニット41を駆動し、CY2レンズ38を垂直方向に移動調整するようになされる。感光体ドラム1Yに対するCY2レンズ38の垂直位置の傾きを調整するためである。他の画像形成ユニット10M,10Cにおいても同様な処理がなされる。
【0067】
図4は、カラー画像形成装置100の制御系の構成例を示すブロック図である。図4に示すカラー画像形成装置100は、温度検出手段11、レジストセンサ12、不揮発メモリ14、制御手段15、操作手段16及び表示手段18を有している。制御手段15は例えば、A/D変換器13、補正量演算部51、主走査開始タイミング制御部52、副走査開始タイミング制御部53、画素クロック周期制御部54、画像形成ユニット駆動部55及びCPU57から構成される。
【0068】
温度検出手段11はCPU57に接続され、温度検出データDtpを当該CPU57に出力する。レジストセンサ12はA/D変換器13に接続される。A/D変換器13では、自動色ずれ補正モード時にレジストセンサ12から出力された位置検出信号S2をA/D変換して二値化した後の位置検出データDpを出力するようになされる。A/D変換器13は、不揮発メモリ14に接続される。不揮発メモリ14には、位置検出データDpや、位置ずれ量ε、色ずれ量に係るデータが格納される。
【0069】
不揮発メモリ14は、補正量演算部51及びCPU57に接続される。補正量演算部51は主走査補正量算出部511、副走査補正量算出部512、全体横倍補正量算出部513、部分横倍補正量算出部514及び、スキュー補正量算出部515から構成される。補正量演算部51では、自動色ずれ補正モード時に、不揮発メモリ14から位置検出データDpを読出し、この位置検出データDpから各誤差要因(主走査、全体倍率、部分横倍、スキュー)のずれ量が算出され、ここで算出されたずれ量より各誤差要因毎の補正量が求められる。
【0070】
例えば、主走査補正量算出部511では、不揮発メモリ14から位置検出データDpを読み出して主走査方向の位置ずれ量を算出し、この位置ずれ量を無くすように主走査方向の書き出しタイミングを調整するためのタイミング制御データD1を出力する。このタイミング制御データD1により、主走査方向の位置ずれを補正するようになされる。
【0071】
副走査補正量算出部512では、不揮発メモリ14から位置検出データDpを読み出して副走査方向の位置ずれ量を算出し、この位置ずれ量を無くすように副走査方向の書き出しタイミングを調整するためのタイミング制御データD2を出力する。このタイミング制御データD2により、副走査方向の位置ずれを補正するようになされる。
【0072】
全体横倍補正量算出部513では、不揮発メモリ14から位置検出データDpを読み出して全体横倍ずれ量を算出し、この全体横倍ずれ量を無くすように画素クロック信号の周波数を調整するためのクロック制御データD3を出力する。このクロック制御データD3により、全体横倍ずれ量を補正することができる。
【0073】
部分横倍補正量算出部514では、不揮発メモリ14から位置検出データDpを読み出して部分横倍ずれ量を算出し、この部分横倍ずれ量を無くすように画像書込みユニット3Y等の水平方向の傾きを調整するためのユニット制御データD4を出力する。このユニット制御データD4により、部分横倍ずれ量を補正することができる。
【0074】
スキュー補正量算出部515では、不揮発メモリ14から位置検出データDpを読み出してスキューずれ量を算出し、このスキューずれ量を無くすように画像書込みユニット3Y等の垂直方向の傾きを調整するためのスキュー制御データD5を出力する。このスキュー制御データD5により、スキューずれ量を補正することができる。
【0075】
CPU57は各誤差要因の補正量に従って、Y色、M色及びC色の書出しタイミングや、CLK周波数、水平、垂直方向の傾き等を調整する。例えば、CPU57は主走査補正量算出部511で作成されたタイミング制御データD1を主走査開始タイミング制御部52に出力する。主走査開始タイミング制御部52では、タイミング制御データD1に基づいて主走査方向の位置ずれ量を無くすように主走査方向の書き出しタイミングを調整するように動作する。また、CPU57は副走査補正量算出部512で作成されたタイミング制御データD2を副走査開始タイミング制御部53に出力する。副走査開始タイミング制御部53では、タイミング制御データD2に基づいて副走査方向の位置ずれ量を無くすように副走査方向の書き出しタイミングを調整するように動作する。
【0076】
更に、CPU57は全体横倍補正量算出部513で作成されたクロック制御データD3を画素クロック周期制御部54に出力する。画素クロック周期制御部54では、クロック制御データD3に基づいて全体横倍ずれ量を補正するようになされる。また、CPU57は部分横倍補正量算出部514で作成されたユニット制御データD4を書込みユニット駆動部55に出力する。書込みユニット駆動部55では、ユニット制御データD4に基づいて部分横倍ずれ量を補正するようになされる。また、CPU57はスキュー補正量算出部515で作成されたスキュー制御データD5を画像形成ユニット駆動部56に出力する。画像形成ユニット駆動部56では、スキュー制御データD5に基づいてスキューずれ量を補正するようになされる。
【0077】
図5は、2つのレジストセンサ12A、12BによるレジストマークCRの検知例を示す斜視図である。図6は、色ずれ補正用のレジストマークCRの形成例を示す図である。図6に示すレジストマークCRは、自動色ずれ補正モード実行時に形成されるものである。色ずれ補正用のレジストマークCRは、図4に示したCPU57によって、中間転写ベルト6に形成するように画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kが制御される。
【0078】
この例では、中間転写ベルト6の移動方向である副走査方向に、色ずれ補正用の「フ」字状のBK色のレジストマークCRが左右端に連続して4個ずつ形成され、これに続いて、C色のレジストマークCRが左右端に連続して4個ずつ形成され、更に、M色のレジストマークCRが左右端に連続して4個ずつ形成され、続いて、Y色のレジストマークCRが左右端に連続して4個ずつ各々形成される。各々の色のレジストマークCRを左右端で4個ずつ形成するようにしたのは、各色のレジストマークCRの画像形成位置を検出し、これを精度良く補正するためである。
【0079】
これらの色ずれ補正用のレジストマークCRをレジストセンサ12により検出し、各色のレジストマークCRの画像形成位置に対する色ずれ量を算出し、Y、M、C色の画像形成位置を補正する。この補正は、色ずれ補正モード実行後の画像形成系で任意の画像データに基づく色画像を精度良く重ね合わせるためである。
【0080】
図7A及びBは、レジストセンサ12A等による位置検出信号S2の二値化例を示す図である。
図7Aにおいてレジストセンサ12A等により得られる位置検出信号S2は、予め設定された閾値Lthに基づいて二値化される。この例では、位置検出信号S2が立ち下がるa点が閾値Lthをクロスする時刻taに通過タイミングパルス信号Spが立ち上がり、位置検出信号S2が立ち上がるb点が閾値Lthをクロスする時刻tbに通過タイミングパルス信号Spが立ち下がる。この通過タイミングパルス信号Spは二値化された後に位置検出データDpとなる。位置検出データDpはBK色のレジストマークCRの書込み位置に対するY,M,C色の書き込み位置のずれ量算出に使用される。
【0081】
図8は、色ずれ補正用のレジストマークCRとレジストセンサ12との関係例を示す図である。
図8に示す色ずれ補正用のレジストマークCRは、主走査方向に平行な線分と、主走査方向に対してθ=45°の角度を有した線分で構成される。この例で、主走査方向に平行な線分の中央の点cから、副走査方向に平行な補助線を引いて、この45°の角度を有した線分とこの補助線とが交わる点をdとしたとき、この点c−d間の線分の長さをLbとする。この例では、レジストマークCRの点cと点dとの検出時刻の差から点c−d間の線分の長さLbを算出することで、色ずれ補正用のレジストマークCRのレジストセンサ12の検出点に対する主走査方向の位置関係を検出することができる。
【0082】
図9は、自動色ずれ補正モード時の色ずれ補正量の算出例を示す図である。この例で色ずれ補正量に関しては、Y,M,C色のレジストマークCRの書込み位置をBK色のレジストマークCRに合わせるように調整するため、BK色のレジストマークCRを基準にして算出される。例えば、C色の書込み位置調整に関しては、BK色のレジストマークCRの書込み位置と、C色のレジストマークCRの書込み位置とを検知し、Bk色に対するC色の書込み位置のずれ量を算出し、その補正量を求める。
【0083】
ここで、図9に示すレジストセンサ12Aが左端のBK色のレジストマークCRの主走査方向の直線部を検知した時刻をT11とし、同センサ12Aが同レジストマークCRの傾斜部を検知した時刻をT12とし、同センサ12Aの検出軌跡線Loと左端のBK色のレジストマークCRの一端に至る跳ね出し距離をA1とし、同センサ12Aの検出軌跡線Loと左端のC色のレジストマークCRの一端に至る跳ね出し距離をA2としたとき、主走査粗調整値[1]は、(1)式、すなわち、
[1]=A2−A1=T12−T11 ・・・・(1)
によって算出される。
【0084】
更に、レジストセンサ12Aにより左側のC色のレジストマークCRの主走査方向の直線部を検知した時刻をT13とし、副走査方向における左側のBK色のレジストマークCRと左側のC色のレジストマークCRとの間の離隔距離(基準値)B1としたとき、副走査微調整値[2]は、(2)式、すなわち、
[2]=2240−B1=2240(T13−T11) ・・・・(2)
によって算出される。但し、数値「2240」は、Bk色とC色の離隔距離の設計値である。実際の距離はずれ方によって異なる。
【0085】
また、レジストセンサ12Aにより左側のC色の同レジストマークCRの傾斜部を検知した時刻をT14とし、更に、図26に示すレジストセンサ12Bが右側のBK色のレジストマークCRの主走査方向の直線部を検知した時刻をT21とし、同センサ12Bが同レジストマークCRの傾斜部を検知した時刻をT22とし、同センサ12Bにより右側のC色のレジストマークCRの主走査方向の直線部を検知した時刻をT23とし、同センサ12Bにより同レジストマークCRの傾斜部を検知した時刻をT24とし、レジストセンサ12Bの検出軌跡線Loと右側のBK色のレジストマークCRの一端に至る跳ね出し距離をA3とし、同センサ12Bの検出軌跡線Loと右側のC色のレジストマークCRの一端に至る跳ね出し距離をA4とし、レジストセンサ12Aの検出軌跡線Loとレジストセンサ12Bの検出軌跡線Loとの間の離隔距離(基準値)をC1とし、レジストセンサ12Aの検出軌跡線Loとレジストセンサ12Bの検出軌跡線Loとの間の離隔距離(基準値)をC2としたとき、主走査方向の全体横倍率調整値[3]は、(3)式、すなわち、
によって算出される。但し、左右側のBK色のレジストマークCR間の離隔距離の設計値は、例えば2360ドットとしている。
【0086】
更に、副走査方向における左側のBK色のレジストマークCRと右側のBK色のレジストマークCRとの間の位置ずれ量(未知)をD1とし、副走査方向における左側のC色のレジストマークCRと右側のC色のレジストマークCRとの間の位置ずれ量(未知)をD2としたとき、スキュー調整値[4]は、(4)式、すなわち、
によって算出される。
【0087】
同様にして、他のM、Y色の書込み位置調整に関しても、BK色のレジストマークCRの書込み位置と、MやY色のレジストマークCRの書込み位置とのずれ量を各々検知し、このずれ量から各々の補正量を算出する。その後、BK色用の画像形成ユニット10K以外のC、M、Y色の画像形成位置を調整するようになされる。
【0088】
図10は機内温度TP及び色ずれ量εの関係例を示す図である。図10に示す縦軸は、機内温度TP及び色ずれ量εである。横軸は当該装置の使用時間Tである。機内温度TPの縦軸の目盛りは100%表記しており、色ずれ量εの縦軸の目盛りは200%表記している。横軸の使用時間は100%表記している。
【0089】
この例で、実線に菱形ドット印は機内温度グラフG1であり、実線に四角形ドット印が色ずれ量グラフG2である。機内温度グラフG1によれば、機内温度TPの最大温度を100%としたとき、電源をオンして、使用時間T=10%付近から使用時間T=70%に至る間に、機内温度TPが50%から85%に上昇し、それ以降はほぼ横ばい状態となっている。
【0090】
これに対して、色ずれ量グラフG2によれば、色ずれ量εの最大値を100%としたとき、使用時間10%付近はゼロで、この時点から使用時間70%に至る間に、色ずれ量εが0%から90%に上昇し、それ以降はほぼ横ばい状態となっている。この例では、機内温度グラフG1と色ずれ量グラフG2とが同じ形態で変化する場合である。
【0091】
従って、機内温度TPの変化量と色ずれ量εの相関関係から、温度センサ11Aにより検知された温度変化に対する各色の色ずれ量を予測し、画像形成ユニット10Y、10M、10C、等における書き出しタイミングデータを補正することができる(検知温度予測制御)。機内温度TPの変化量とは、温度検出範囲を設定し、この温度検出範囲において、単位時間当たりの上昇温度[℃/h]で示される。例えば、ある温度検出範囲における時刻Tにおける機内温度をTP1とし、時刻TからΔT時間経過後の機内温度をTP2としたとき、(TP2−TP1)/ΔT[℃/h]で示される。
【0092】
この検知温度予測制御では、実際に、レジストマークを作成しない分だけ、補正処理時間はかからないが、色合わせ精度は自動色ずれ補正モードに比べて劣る。速度優先モードの用途では、色ずれ予測補正モードを選択できる。このような検知温度予測制御によれば、機内温度の変化量と補正量との関係を補正データにして予め準備することで、当該色ずれ予測補正モード選択時に、データテーブルを参照し、補正データに基づいて書き出しタイミングの補正量を算出できるようになる。
【0093】
図11は不揮発メモリ14におけるデータテーブル例を示す図である。図11に示すデータテーブル例によれば、機内温度TPの検出範囲0〜10%、11〜20%、21〜30%、31〜40%、41〜50%、51〜60%、61〜70%に対して、主走査補正量[DOT]、副走査補正量[DOT]及び倍率補正量[DOT]の各々の補正データが準備される。主走査補正量に関しては、機内温度TP=0〜10%の検出範囲に対して主走査補正量は0.2[DOT]である。同様にしてTP=11〜20%に対して0.4[DOT]、TP=21〜30%に対して0.6[DOT]、TP=31〜40%に対して0.8[DOT]、TP=41〜50%に対して1.0[DOT]、TP=51〜60%に対して1.2[DOT]、TP=61〜70%に対して1.4[DOT]である。
【0094】
副走査補正量に関しては、機内温度TP=0〜10%の検出範囲に対して副走査補正量は0.5[DOT]である。同様にしてTP=11〜20%に対して1.0[DOT]、TP=21〜30%に対して1.5[DOT]、TP=31〜40%に対して2.0[DOT]、TP=41〜50%に対して2.5[DOT]、TP=51〜60%に対して3.0[DOT]、TP=61〜70%に対して3.5[DOT]である。
【0095】
倍率補正量に関しては、機内温度TP=0〜10%の検出範囲に対して倍率補正量は0.3[DOT]である。同様にしてTP=11〜20%に対して0.6[DOT]、TP=21〜30%に対して0.9[DOT]、TP=31〜40%に対して1.2[DOT]、TP=41〜50%に対して1.5[DOT]、TP=51〜60%に対して1.8[DOT]、TP=61〜70%に対して2.1[DOT]である。
【0096】
これらの補正量データは、色ずれに起因するドラム支持部材や書き込みレンズなどの膨張係数より算出されたものである。この例では、画像形成位置の補正が必要と判断された時点での温度差に対応する補正データをデータテーブルより参照し、この補正データに従って、各補正対象の位置調整データ等をシフト(補正)するようになされる。
【0097】
図12は、表示手段18における基本設定画面P1の表示例を示すイメージ図である。図12に示す基本設定画面P1は、電源ON後、図示しないウエイクアップ画面及びウオームアップ画面等に続いて表示手段18に表示される。基本設定画面P1は、メッセージエリアAR1、ステータスアイコン表示エリアAR2、枚数表示エリアAR3、各種アイコン表示エリアAR4、メモリ残量エリアAR5、フォルダボタンエリアAR6、画面設定表示エリアAR7から構成される。
【0098】
メッセージエリアAR1には「コピー予約できます」等のメッセージが表示される。画面設定表示エリアAR7には「応用設定」アイコンが表示される。「応用設定」アイコンには、「画質調整」、「原稿設定」、「応用機能」、「自動画像回転解除」、「原稿読込み」等のキーK1〜K5が設けられる。ユーザは、コピー予約時等において、「応用設定」アイコンの中から各種キーK1〜K5を選択できるようになされている。
【0099】
図13はモード選択操作設定画面P2のポップアップ表示例を示すイメージ図である。図13に示すモード選択操作設定画面P2は、基本設定画面P1上にポップアップ表示されるものである。この画面P2は例えば、機内温度変化量が予め設定された制御基準温度変化量を越えた場合に、画像形成位置(色ずれ)の補正時期到来を知らしめるために、表示手段18に表示される。この制御基準温度変化量に関しては、前回レジスト補正が行われ、色ずれがない状態から何度温度が変化したら何画素変化するという考えに基づくものである。ある温度になったら色ずれが何ドットとなるという考え方ではない。
【0100】
モード選択操作画面P2には、「補正タイミングです。」のメッセージ情報と共に、「自動」アイコンキーK6及び、「予測」アイコンキーK7が表示される。「自動」アイコンキーK6は自動色ずれ補正モード(画質優先モード)を設定する際に押下される。「予測」アイコンキーK7は、色ずれ予測補正モード(速度優先モード)を設定する際に押下される。ユーザはこの画面P2が表示手段18に表示された場合に、適宜好みに応じて「自動」アイコンキーK6又は「予測」アイコンキーK7を押下するようになされる。
【0101】
続いて、本発明に係る画像形成方法についてカラー画像形成装置100の動作例を説明する。図14はカラー画像形成装置100における画像形成例を示す図である。
この実施形態では、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに任意の色画像を形成する場合であって、補正タイミング到来時に、自動色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードとに基づいて画像形成位置を補正する場合を前提とする。この色ずれ予測補正モードでは、図10に示した機内温度グラフG1と色ずれ量グラフG2とが同じ形態で変化する場合を例に挙げる。不揮発メモリ14には、予め図11に示したデータテーブルが準備されている場合を想定する。
【0102】
これを画像形成条件にして、図14に示すフローチャートのステップE1で電源オンと共に機内温度TPを検出する。機内温度TPは図1に示した温度センサ11Aで検出され、温度検出手段11で温度検出信号がA/D変換された後に、温度検出データDtpがCPU57に出力される。レジスト補正が完了した場合に、この温度は記憶される。機内温度Tpと記憶された温度との差は常に検出され、温度差に基づいて画像形成位置の補正が必要か否かを判断するために、ステップE2でCPU57は温度検出データDtpを入力して一定以上の温度差があるか否かを判別する。一定以上の機内温度変化がない場合は、ステップE1に戻ってCPU57は機内温度TPの監視を継続する。
【0103】
ステップE2で一定以上の機内温度変化がある場合は、ステップE3に移行して、図13に示したような基本設定画面P1上にモード選択操作設定画面P2をポップアップ表示する。このとき、モード選択操作画面P2には、「補正タイミングです。」の警告メッセージ情報と共に、「自動」アイコンキーK6及び、「予測」アイコンキーK7が表示される。その後、ステップE4に移行してCPU57は、「自動」アイコンキーK6又は「予測」アイコンキーK7の選択を待機する。
【0104】
このとき、ユーザは画質を優先する場合は、「自動」アイコンキーK6を押下すればよいし、速度を優先する場合は、「予測」アイコンキーK7を押下すればよい。この装置100では、「自動」アイコンキーK6又は「予測」アイコンキーK7の押下に基づいてCPU57は制御を分岐する。例えば、「予測」アイコンキーK7が押下された場合は、ステップE5に移行して色ずれ予測補正モード(速度優先モード)を実行する。
【0105】
ここで、図10に示した機内温度グラフG1による機内温度TPの変化量と、色ずれ量グラフG2による色ずれ量εの相関関係から、例えば、ステップE51でデータテーブルを参照し、ステップE52で温度センサ11Aにより検知された温度変化に対する各色の色ずれ量を予測し、ステップE53で画像形成ユニット10Y、10M、10C、等における書き出しタイミングを補正するようになされる(検知温度予測制御)。
【0106】
このとき、ある機内温度TP、例えば、TP=41〜50%の検出範囲における時刻Tにおける機内温度をTP1とし、時刻TからΔT時間経過後の機内温度をTP2としたとき、機内温度TPの変化量は(TP2−TP1)/ΔT[℃/h]で示される。この機内温度TP=41〜50%の検出範囲における主走査補正量は、1.0[DOT]であり、副走査補正量は、2.5[DOT]、倍率補正量は、1.5[DOT]である。これらの補正データが不揮発メモリ14から補正量演算部51に読み出される。
【0107】
主走査補正量算出部511では、不揮発メモリ14から読み出された主走査補正量=1.0[DOT]に基づいて主走査方向の書き出しタイミングを調整するためのタイミング制御データD1を出力する。このタイミング制御データD1により、主走査方向の位置ずれを補正するようになされる。副走査補正量算出部512では、不揮発メモリ14から読み出された副走査補正量=2.5[DOT]に基づいて副走査方向の書き出しタイミングを調整するためのタイミング制御データD2を出力する。このタイミング制御データD2により、副走査方向の位置ずれを補正するようになされる。
【0108】
全体横倍補正量算出部513では、不揮発メモリ14から読み出された倍率補正量=1.5[DOT]に基づいて画素クロック信号の周波数を調整するためのクロック制御データD3を出力する。このクロック制御データD3により、全体横倍ずれ量を補正することができる。これにより補正された書き出しタイミングで、予め規定された感光体ドラム1Y,1M,1,Cの画像形成位置にレーザビームを照射できるようになる。なお、部分横倍補正及びスキュー補正処理については温度変化による影響が少ないため省略される。
【0109】
また、ステップE4で「自動」アイコンキーK6が押下された場合は、ステップE6に移行して自動色ずれ補正モードを実行する。この自動色ずれ補正モードでは、例えばステップE61で中間転写ベルト6上にレジストマークCRを作成し、ステップE62でレジストセンサ12A,12Bにより基準色に対する各色のレジストマークCRを検出し、ステップE63でこれらの色ずれ量を算出し、ステップE64でこれらの色ずれ量に基づいて画像データDy,Dm、Dc等の書き出しタイミングを補正するようになされる(図9参照)。このモードは高精度な色合わせが可能となるが、レジストマークCRを作成するために中間転写ベルト6を数周させるため、補正処理に所定の時間を要する。
【0110】
そして、ステップE7に移行してCPU57は終了判断をして画像形成処理を終了する。画像形成処理を終了しない場合は、ステップE1に戻ってCPU57は機内温度TPの監視を継続するようになされる。
【0111】
このように、本発明に係る実施形態としてのカラー画像形成装置及び画像形成方法によれば、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに任意の色画像を形成する場合であって、電源オン後に、CPU57は、温度検出手段11から得られる温度検出データDtpに基づいて色ずれを補正するか否かを判断すると共に、機内温度変化量が予め設定された制御基準温度変化量を越えた場合に表示手段18上にモード選択設定操作画面P2を表示するようになされる。この画面P2には「自動」アイコンキーK6及び「予測」アイコンキーK7を選択可能なように表示される。
【0112】
従って、画像形成位置の補正時期到来時のユーザにおける選択枝を拡張することができる。つまり、ユーザが画質を優先する用途ではモード選択設定操作画面P2で「自動」アイコンキーK6を押下して自動色ずれ補正モード(画質優先モード)を選択し設定すること、及び、速度を優先する用途では「予測」アイコンキーK7を押下して色ずれ予測補正モード(速度優先モード)を選択し設定することができる。CPU57は「自動」アイコンキーK6又は「予測」アイコンキーK7の選択操作に基づいて画像形成位置を補正するようになされる。これにより、使い勝手のよいカラー画像形成装置を提供できる。
【0113】
なお、この実施形態では、画像形成手段に関して、感光体ドラム1Y,1M,1C,1KにY色、M色、C色及びBK色のトナー像を形成する画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kと、これらの各色用の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに形成されたトナー像を転写する画像転写ベルト6とを有する場合について説明したが、これに限られることはなく、本発明は、1つの転写材搬送ベルト上に色を重ね合わせて色画像を形成するカラー画像形成装置にも適用することができる。
【0114】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る画像形成装置及び画像形成方法によれば、像形成体に任意の色画像を形成する場合に、機内温度変化に基づいて色ずれを補正するか否かを判断すると共に、色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードの選択に基づいて画像形成位置を補正する制御手段を備えるものである。
【0115】
この構成によって、画像形成位置の補正時期到来時のユーザにおける選択枝を拡張することができる。従って、機内温度変化が予め設定された制御基準温度変化を越えた場合に、ユーザが画質を優先する用途では色ずれ補正モードを選択し設定すること、及び、速度を優先する用途では色ずれ予測補正モードを選択し設定することができる。
【0116】
この発明は中間転写ベルト又は感光体ベルトを有したタンデム型のカラープリンタや複写機、これらの複合機等に適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態としてのカラー画像形成装置100の構成例を示す概念図である。
【図2】カラー画像形成装置100の画像転写系I及び画像形成系IIの構成例を示すブロック図である。
【図3】Y色用の画像書込みユニット3Y及びそのスキュー調整手段9Yの構成例を示すイメージ図である。
【図4】カラー画像形成装置100の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図5】2つのレジストセンサ12A、12BによるレジストマークCRの検知例を示す斜視図である。
【図6】色ずれ補正用のレジストマークCRの形成例を示す図である。
【図7】A及びBはレジストセンサ12A等よる位置検出信号S2の二値化例を示す図である。
【図8】色ずれ補正用のレジストマークCRとレジストセンサ12との関係例を示す図である。
【図9】自動色ずれ補正モード時の色ずれ補正量の算出例を示す図である。
【図10】機内温度TP及び色ずれ量εの関係例を示す図である。
【図11】不揮発メモリ14におけるデータテーブル例を示す図である。
【図12】表示手段18における基本設定画面P1の表示例を示すイメージ図である。
【図13】モード選択操作設定画面P2のポップアップ表示例を示すイメージ図である。
【図14】カラー画像形成装置100における画像形成例を示す図である。
【符号の説明】
1Y,1M,1C,1K 感光体ドラム(像形成体)
3Y,3M,3C,3K 画像書込みユニット(露光手段)
4Y,4M,4C,4K 現像装置
5Y,5M,5C,5K 補正手段
6 中間転写体(画像転写手段)
9Y スキュー調整手段
10Y,10M,10C,10K 画像形成ユニット(画像形成手段)
11 温度検出手段
11A 温度センサ
12,12A〜12B レジストセンサ
14 不揮発メモリ(記憶装置)
15 制御手段
16 操作手段
18 表示手段
100 カラー画像形成装置
101 画像形成装置本体
102 画像読取装置
201 自動原稿給紙装置
202 原稿画像走査露光装置
Claims (6)
- 像形成体に任意の色画像を形成する画像形成装置において、前記像形成体に色ずれ補正用の基準色を含む各色の画像を形成し、当該色ずれ補正用の画像の通過タイミングを読み取って、基準色画像に対する他の色画像の位置ずれ量を算出し、該位置ずれ量に基づいて画像形成位置を補正する動作を色ずれ補正モードとし、
機内温度の変化量から前記基準色画像に対する他の色画像の位置ずれ量を予測し、当該位置ずれ予測量に基づいて画像形成位置を補正する動作を色ずれ予測補正モードとしたとき、
前記像形成体を有して、当該像形成体に画像情報を書き込んで色画像を形成する画像形成手段と、
前記機内温度を検出して温度検出情報を出力する温度検出手段と、
前記温度検出手段により出力される前記温度検出情報に基づいて前記色ずれを補正するか否かを判断すると共に、前記色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードの選択に基づいて前記画像形成手段における画像形成位置を補正する制御手段を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードのいずれかを選択するように操作される操作手段を備え、
前記制御手段は、
機内温度が予め設定された制御基準温度を越えた場合に、前記操作手段を選択操作し設定された色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードに基づいて前記画像形成手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記機内温度に基づいて警告表示をする表示手段を備え、
前記表示手段は、
前記機内温度変化量が予め設定された制御基準温度変化量を越えた場合に、前記色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードのいずれかを選択させるための操作設定画面を表示することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、
前記色ずれ予測補正モード実行時に、
前記基準色画像に対する他の色画像の位置ずれ量と機内温度の変化量とを予め関係付けたデータテーブルを参照することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、
前記色ずれ予測補正モード実行時に、
前記データテーブルを参照して得られる補正量を画像情報に演算し、当該画像情報の前記像形成体への書き込みタイミングを調整することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。 - 像形成体に任意の色画像を形成する画像形成方法において、前記像形成体に色ずれ補正用の基準色を含む各色の画像を形成し、当該色ずれ補正用の画像の通過タイミングを読み取って、基準色画像に対する他の色画像の位置ずれ量を算出し、該位置ずれ量に基づいて画像形成位置を補正する動作を色ずれ補正モードとし、
機内温度の変化量から前記基準色画像に対する他の色画像の位置ずれ量を予測し、当該位置ずれ予測量に基づいて画像形成位置を補正する動作を色ずれ予測補正モードとしたとき、
前記機内温度を検出し、
検出された前記機内温度に基づいて前記色ずれを補正するか否かを判断すると共に、前記色ずれ補正モード又は色ずれ予測補正モードの選択に基づいて前記画像形成位置を補正することを特徴とする画像形成方法。
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