JP2006090262A - 内燃機関用燃料噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御弁5は、二位置三方弁として構成され、その制御弁5の切替ポート5eと増圧器3の制御室11とが、往復通路を介して制御弁5に接続され、制御弁5により制御室11の燃料圧力が制御される。
往復通路は、制御弁5の切替ポート5eと制御室11との間を並列に接続する2本の燃料通路15、16によって形成される。一方の燃料通路15には、制御室11から制御弁5へ向かう燃料の流れを阻止する逆止弁17が設けられ、他方の燃料通路16には、制御弁5から制御室11へ向かう燃料の流れを阻止する油圧弁18と絞りが設けられている。【選択図】図1
Description
これに対し、上記の公知技術(特許文献1)と同等の機能をより簡易に実現できる別のシステムが提案されている(特許文献2参照)。
この燃料噴射装置は、アクチュエータによって駆動される1個の制御弁100を有し、この制御弁100と増圧器110の制御室111とを接続する第1の燃料通路120と、制御弁100と噴射ノズル130の背圧室131とを接続する第2の燃料通路140と、蓄圧器150と増圧器110の制御室111とを接続する第3の燃料通路160とを有し、各燃料通路120、140、160にそれぞれ絞り170、180、190が設けられている。
弁体103が閉弁位置に駆動されると、蓄圧器150の燃料圧力が増圧器110の制御室111および噴射ノズル130の背圧室131に供給される。このとき、増圧器110では、油圧ピストン112の上下両側の油圧がバランスするため、蓄圧器150から加圧室113に供給された燃料が増圧されることはない。また、噴射ノズル130では、背圧室131の燃料圧力を受けてニードル(図示せず)が閉弁状態を維持するため、噴射は行われない。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、二位置アクチュエータを用いた制御弁により増圧動作と噴射動作の各制御を実現でき、且つアクチュエータを1つにしたことで生ずる制御自由度の低下を防ぐと共に、増圧器の制御室を低圧側に開放した際に、蓄圧器からの燃料の垂れ流しを防止できる内燃機関用燃料噴射装置を提供することにある。
本発明の内燃機関用燃料噴射装置は、蓄圧器の燃料圧力を増圧器の制御室および噴射ノズルの背圧室に供給する油圧供給通路と、制御室および背圧室の燃料圧力を低圧側に開放する油圧開放通路とを有すると共に、制御弁と増圧器の制御室との間を並列に接続する2本の燃料通路を有し、一方の燃料通路には、制御室から制御弁に向かう燃料の流れを阻止する第1の流れ方向規制手段が設けられて、前記油圧供給通路の一部を形成し、他方の燃料通路には、制御弁から制御室に向かう燃料の流れを阻止する第2の流れ方向規制手段が設けられて、前記油圧開放通路の一部を形成していることを特徴とする。
請求項1に記載した内燃機関用燃料噴射装置において、第2の流れ方向規制手段は、制御弁が油圧供給通路を遮断して油圧開放通路を開いた時に、背圧室の燃料圧力が所定値以下に低下するまで、他方の燃料通路を閉じていることを特徴とする。
この構成によれば、背圧室の燃料圧力が開放されて噴射が開始されても、背圧室の燃料圧力が所定値以下に低下するまでは、増圧器の制御室から燃料圧力が開放されることはなく、増圧動作は行われない。これにより、燃料噴射と同時に増圧が開始されることはなく、噴射の初期を低圧(蓄圧器の燃料圧力)にできると共に、超高圧を必要としない微小噴射(例えば、メイン噴射に先立って実施されるパイロット噴射)を低圧にて行うことができる。
請求項2に記載した内燃機関用燃料噴射装置において、第2の流れ方向規制手段の圧力所定値は、噴射開始後、増圧開始までの時間遅れに対応して設定することを特徴とする。 これにより、燃料噴射と同時に増圧が開始されることはなく、噴射の初期を低圧(蓄圧器の燃料圧力)にできると共に、超高圧を必要としない微小噴射を低圧にて行うことができる。
請求項1〜3に記載した何れかの内燃機関用燃料噴射装置において、制御弁は、燃料通路を介して制御室と背圧室とに接続される切替ポートと、蓄圧器に接続される入力ポートと、低圧側に通じる低圧ポートとが設けられ、弁体が低圧ポートと切替ポートとの間を遮断して、入力ポートと切替ポートとの間を連通する入力位置と、弁体が入力ポートと切替ポートとの間を遮断して、低圧ポートと切替ポートとの間を連通する開放位置とに駆動される二位置三方弁であることを特徴とする。
制御弁を二位置三方弁として構成することにより、1つの二位置アクチュエータを用いて油圧供給通路と油圧開放通路とを選択的に開閉できる。
請求項4に記載した内燃機関用燃料噴射装置において、2本の燃料通路(一方の燃料通路と他方の燃料通路)は、制御弁の切替ポートと増圧器の制御室との間を並列に接続していることを特徴とする。
これにより、制御弁の弁体が入力位置に駆動されると、低圧ポートと切替ポートとの間が遮断されて、入力ポートと切替ポートとの間が連通するので、蓄圧器の燃料圧力が、切替ポートから一方の燃料通路を通って増圧器の制御室に供給される。また、弁体が開放位置に駆動されると、入力ポートと切替ポートとの間が遮断されて、低圧ポートと切替ポートとの間が連通するので、制御室の燃料圧力が他方の燃料通路を通って制御弁の切替ポートより低圧側に開放される。
請求項5に記載した内燃機関用燃料噴射装置において、2本の燃料通路は、それぞれの一端側が共通に制御弁の切替ポートに接続され、それぞれの他端側が共通に増圧器の制御室に接続されていることを特徴とする。
2本の燃料通路は、制御弁の切替ポートと増圧器の制御室との間を完全に並列接続することもできるが、少なくとも、第1の流れ方向規制手段と第2の流れ方向規制手段とが設けられる部分のみ並列に設けて、互いの両端側をそれぞれ共通に設けても良い。つまり、2本の燃料通路の両端側をそれぞれ1本化して、制御弁の切替ポートと制御室とに接続しても良い。
請求項1〜6に記載した何れかの内燃機関用燃料噴射装置において、第1の流れ方向規制手段は、油圧弁または逆止弁であり、第2の流れ方向規制手段は、逆止弁または油圧弁であることを特徴とする。
第1の流れ方向規制手段として、油圧弁または逆止弁を用いることにより、増圧器の戻り速度を適切に調整できる。また、第2の流れ方向規制手段として、逆止弁または油圧弁を用いることにより、増圧器の増圧速度を適切に調整できる。
請求項1〜6に記載した何れかの内燃機関用燃料噴射装置において、第1の流れ方向規制手段と第2の流れ方向規制手段は、共に逆止弁であることを特徴とする。
第1の流れ方向規制手段として逆止弁を用いることにより、増圧器の戻り速度を適切に調整できる。また、第2の流れ方向規制手段として逆止弁を用いることにより、増圧器の増圧速度を適切に調整できる。
請求項1〜6に記載した何れかの内燃機関用燃料噴射装置において、第1の流れ方向規制手段と第2の流れ方向規制手段は、共に油圧弁であることを特徴とする。
第1の流れ方向規制手段として油圧弁を用いることにより、増圧器の戻り速度を適切に調整できる。また、第2の流れ方向規制手段として油圧弁を用いることにより、増圧器の増圧速度を適切に調整できる。
請求項7または9に記載した内燃機関用燃料噴射装置において、油圧弁は、二位置二方弁であることを特徴とする。
この場合、油圧弁を簡易な構成に、且つ安価にできる。
請求項7、9、10に記載した何れかの内燃機関用燃料噴射装置において、油圧弁は、噴射ノズルの背圧室または制御弁の切替ポートの燃料圧力と蓄圧器の燃料圧力との差圧で作動することを特徴とする。
制御弁が油圧供給通路を開くと、蓄圧器の燃料圧力が切替ポートを通じて噴射ノズルの背圧室に供給されるため、背圧室および切替ポートの燃料圧力は蓄圧器の燃料圧力と等しくなる。また、制御弁が油圧開放通路を開くと、背圧室の燃料圧力が切替ポートを通じて低圧側に開放されるため、背圧室および切替ポートの燃料圧力は蓄圧器の燃料圧力より小さくなる。この背圧室または切替ポートの燃料圧力と蓄圧器の燃料圧力との差圧を利用して油圧弁の作動を制御できる。
請求項1〜11に記載した何れかの内燃機関用燃料噴射装置において、一方の燃料通路または他方の燃料通路、あるいは両方の燃料通路には、増圧器の作動特性を設定する絞りが設けられていることを特徴とする。
この場合、絞りの値に応じて増圧器の増圧速度および戻り速度を調整できるので、増圧器の作動を最適化できる。
本発明の内燃機関用燃料噴射装置は、蓄圧器の燃料圧力を増圧器の制御室および噴射ノズルの背圧室に供給する油圧供給通路と、制御室および背圧室の燃料圧力を低圧側に開放する油圧開放通路と、油圧供給通路に設けられる第1の制御弁と、油圧開放通路に設けられる第2の制御弁とを備えている。
上記の構成によれば、油圧供給通路と油圧開放通路とにそれぞれ制御弁(第1の制御弁と第2の制御弁)が設けられているので、増圧器の増圧動作と戻り動作とをそれぞれ独自に調整できる。
請求項13に記載した内燃機関用燃料噴射装置において、第1の制御弁は、弁体が油圧供給通路を遮断する閉弁位置と、油圧供給通路を開く開弁位置との間で駆動される二位置二方弁であり、第2の制御弁は、弁体が油圧開放通路を遮断する閉弁位置と、油圧開放通路を開く開弁位置との間で駆動される二位置二方弁であることを特徴とする。
第1の制御弁は、弁体が油圧供給通路を開閉するだけで良いので、簡易な二位置二方弁として構成できる。同様に、第2の制御弁は、弁体が油圧開放通路を開閉するだけで良いので、簡易な二位置二方弁として構成できる。
請求項13または14に記載した内燃機関用燃料噴射装置において、第1の制御弁と第2の制御弁は、少なくとも第1の制御弁の弁体が開弁位置に駆動される間、第2の制御弁の弁体が閉弁位置に駆動され、第2の制御弁の弁体が開弁位置に駆動される間、第1の制御弁の弁体が閉弁位置に駆動されることを特徴とする。
この構成によれば、第2の制御弁の弁体が開弁位置に駆動された時、すなわち、制御室および背圧室の燃料圧力が低圧側に開放される時に、第1の制御弁の弁体が閉弁位置に駆動されるので、蓄圧器から低圧側に燃料が垂れ流しされることはなく、エネルギーロスを抑制できるので、内燃機関の燃費低下を防止できる。
請求項13〜15に記載した何れかの内燃機関用燃料噴射装置において、油圧供給通路または油圧開放通路、あるいは両通路には、増圧器の作動特性を設定する絞りが設けられていることを特徴とする。
この場合、絞りの値に応じて増圧器の増圧速度および戻り速度を調整できるので、増圧器の作動を最適化できる。
本発明の燃料噴射装置1は、例えば、車両用ディーゼル機関のコモンレールシステムに適用されるもので、図2に示す様に、燃料を所定の圧力状態に蓄える蓄圧器2と、この蓄圧器2より供給される燃料を増圧する増圧器3と、蓄圧器2より供給される燃料または増圧器3によって増圧された燃料を噴射する噴射ノズル4と、増圧器3の作動および噴射ノズル4の作動を制御する制御弁5等を備える。なお、蓄圧器2を除く増圧器3、噴射ノズル4、および制御弁5等は、図5に示す様に一体的に組み合わされて、1つの燃料噴射弁6として構成されている。
増圧器3は、大径ピストン8aと小径プランジャ8bとが同心位置に設けられた油圧ピストン8を有し、この油圧ピストン8がボディ9(図5参照)に形成された大径ボアと小径ボアとに摺動可能に収容されている。大径ピストン8aが収容される大径ボアには、大径ピストン8aの上端面より上側に駆動室10が形成され、大径ピストン8aの下端面より下側に制御室11が形成されている。一方、小径プランジャ8bが収容される小径ボアには、小径プランジャ8bの下端面より下側に加圧室12が形成されている。
制御室11は、以下に説明する往復通路を介して制御弁5に接続され、その制御弁5により制御室11の燃料圧力が制御される。なお、制御室11には、図5に示す様に、油圧ピストン8を図示上方へ付勢するスプリング14が配設されている。
往復通路は、図1および図2に示す様に、制御弁5と制御室11との間を並列に接続する2本の燃料通路15、16によって形成される。一方の燃料通路15には、制御室11から制御弁5へ向かう燃料の流れを阻止する逆止弁17が設けられ、他方の燃料通路16には、制御弁5から制御室11へ向かう燃料の流れを阻止する油圧弁18と絞り19が設けられている。
ノズルボディ24には、ニードル25の周囲に環状の燃料通路29が形成され、この燃料通路29の上流端に前記油溜まり4aが形成されている。また、燃料通路29と噴孔23との間に円錐状のシート面(図示せず)が形成されている。
ニードル25は、蓄圧器2の燃料圧力が背圧室26に供給されると、その蓄圧器2の燃料圧力と背圧室26に配設されたスプリング32(図5参照)の付勢力とを受けて閉弁方向(図5の下方)へ押圧され、ニードル25の先端部に設けられたシートライン(図示せず)が前記シート面に着座して燃料通路29と噴孔23との間を遮断する。一方、制御弁5により背圧室26の燃料圧力が開放されると、ニードル25がリフトして燃料通路29と噴孔23との間を開くことにより、油溜まり4aに供給される燃料が燃料通路29を通って噴孔23より噴射される。
バルブ室5aには、図5に示す様に、燃料通路35を介して蓄圧器2の燃料圧力が供給される入力ポート5cと、ドレン通路36を介して燃料タンク37に通じる低圧ポート5dと、前記往復通路を介して増圧器3の制御室11に接続される切替ポート5eと、燃料通路を介して噴射ノズル4の背圧室26に接続される切替ポート5eとが設けられている。以下、2つの切替ポート5eを共通の切替ポート5eとして説明する。
バルブ室18aには、制御弁5の切替ポート5eに連通する第1ポート18dと、増圧器3の制御室11に連通する第2ポート18eとが設けられている。
弁体18bは、第1ポート18dと第2ポート18eとの間を遮断する閉弁位置(図2、図3、図5に示す位置)と、第1ポート18dと第2ポート18eとの間を連通する開弁位置(図4に示す位置)との間で可動し、スプリング18cによって閉弁方向(図2の上向き)に付勢されている。
アクチュエータ33の電磁コイル40がOFF状態の時は、図2に示す様に、制御弁5の弁体5bが戻りバネ41に付勢されて入力位置に駆動されている。この状態では、制御弁5の切替ポート5eと低圧ポート5dとの間が遮断され、入力ポート5cと切替ポート5eとが連通するため、蓄圧器2と噴射ノズル4の背圧室26とが連通して、背圧室26に蓄圧器2の燃料圧力が供給される。
また、増圧器3では、蓄圧器2の燃料圧力が駆動室10および加圧室12にも供給されるため、油圧ピストン8の上下両端面に作用する燃料圧力がバランスする。その結果、油圧ピストン8がスプリング14(図5参照)に付勢されて図示上方に移動し、加圧室12の容積が拡大するのに伴って加圧室12に燃料が充填される。この状態では、噴射ノズル4の背圧室26が蓄圧器2と同じ燃料圧力となっているので、ニードル25がリフトすることはなく、燃料通路29と噴孔23との間が遮断されることにより、燃料が噴射されることはない。
この時、油圧弁18は、背圧室26の燃料圧力が所定の圧力に低下するまで、弁体18bが閉弁位置に止まるため、背圧室26の燃料圧力が開放されると同時に油圧ピストン8が作動することはない。従って、ここでの噴射圧力は、増圧器3によって増圧された超高圧ではなく、蓄圧器2の燃料圧力に略等しい。
これにより、増圧器3によって増圧された超高圧の燃料が、噴射ノズル4より噴射される(図6(f)参照)。
図7にコンピュータシミュレーションによる数値解析の結果を示す。但し、油圧ピストン8の断面積比を2:1とした場合の例である。このシミュレーションによれば、上記の作動説明と略同様の作動および性能が得られることが分かる。
実施例1に示す燃料噴射装置1では、制御弁5を二位置三方弁として構成することにより、蓄圧器2の燃料圧力を増圧器3の制御室11および噴射ノズル4の背圧室26に供給する油圧供給通路と、制御室11および背圧室26の燃料圧力を低圧側に開放する油圧開放通路とを1個の制御弁5によって選択的に開閉できる。また、制御弁5の切替ポート5eと増圧器3の制御室11との間を2本の燃料通路15、16で並列に接続し、一方の燃料通路15には逆止弁17を設けることで、制御弁5から制御室11へ向かう燃料の流れを許容し、他方の燃料通路16には油圧弁18を設けることで、制御室11から制御弁5へ向かう燃料の流れを許容している。
また、蓄圧器2の燃料圧力を増圧器3の制御室11に供給するための通路(一方の燃料通路15)と制御室11の燃料圧力を低圧側に開放するための通路(他方の燃料通路16)とを別々に設けているので、例えば、図6(e)の破線グラフで示す様に、増圧器3の作動特性を任意に変えることができ、それに応じて、図6(f)の破線グラフで示す様に、噴射率パターンを変えることができる。
この実施例2に示す燃料噴射装置1は、制御弁5の切替ポート5eと増圧器3の制御室11とを接続する他方の燃料通路16に逆止弁43を設けたことが実施例1の構成と異なる。つまり、実施例1では、他方の燃料通路16に油圧弁18を設けているが、この実施例2では、油圧弁18に替えて逆止弁43を設けている。また、図8には、一方の燃料通路15に絞り19を設けているが、実施例1と同様に、他方の燃料通路16に絞り19を設けても良いし、両方の燃料通路15、16にそれぞれ絞り19を設けることもできる。
また、制御弁5は、実施例1と同じく、二位置三方弁を用いているので、スイッチングリーク以外に燃料の垂れ流しを防止できる効果は同じである。
この実施例3に示す燃料噴射装置1は、増圧器3の作動および噴射ノズル4の作動を2個の制御弁(第1の制御弁44と第2の制御弁45)により制御する一例である。
2個の制御弁は、蓄圧器2の燃料圧力を増圧器3の制御室11および噴射ノズル4の背圧室26に供給するための油圧供給通路46に設けられる第1の制御弁44と、制御室11および背圧室26の燃料圧力を低圧側に開放するための油圧開放通路47に設けられる第2の制御弁45である。
第2の制御弁45は、二位置アクチュエータによって駆動される弁体45aを有し、この弁体45aが油圧開放通路47を閉じる閉弁位置(図9に示す位置)と、油圧開放通路47を開く開弁位置との間で可動する二位置二方弁である。
なお、第1の制御弁44と第2の制御弁45は、両方が開弁状態にならない様に制御される。
また、第1の制御弁44と第2の制御弁45は、両方が開弁状態にならない様に制御されるので、蓄圧器2からの燃料の垂れ流しを完全に防止でき、エネルギーロスの無い油圧回路を実現できる。
2 蓄圧器
3 増圧器
4 噴射ノズル
5 制御弁
5b 弁体(制御弁)
5c 入力ポート(制御弁)
5d 低圧ポート(制御弁)
5e 切替ポート(制御弁)
8 油圧ピストン
11 増圧器の制御室
15 一方の燃料通路(往復通路)
16 他方の燃料通路(往復通路)
17 逆止弁(第1の流れ方向規制手段)
18 油圧弁(第2の流れ方向規制手段)
19 絞り
25 ニードル
26 噴射ノズルの背圧室
30 絞り
33 二位置アクチュエータ
44 第1の制御弁
45 第2の制御弁
46 油圧供給通路(実施例3)
47 油圧開放通路(実施例3)
48 絞り
Claims (16)
- a)燃料を所定の圧力状態に蓄える蓄圧器と、
b)燃料の流入または流出により油圧が増減する制御室と、この制御室の油圧の増減に応じて可動する油圧ピストンとを備え、この油圧ピストンの増圧動作によって前記蓄圧器より供給される燃料を増圧する増圧器と、
c)燃料の流入または流出により油圧が増減する背圧室と、この背圧室の油圧の増減に応じて可動するニードルとを備え、前記蓄圧器より供給される燃料または前記増圧器によって増圧された燃料を前記ニードルの開弁動作に伴って噴射する噴射ノズルと、
d)前記蓄圧器の燃料圧力を前記制御室および前記背圧室に供給する油圧供給通路と、 e)前記制御室および前記背圧室の燃料圧力を低圧側に開放する油圧開放通路と、
f)前記油圧供給通路と前記油圧開放通路とに共通して設けられると共に、二位置アクチュエータによって駆動される弁体を有し、この弁体により、前記油圧供給通路と前記油圧開放通路とを選択的に開閉することで、前記増圧器の作動および前記噴射ノズルの作動を制御する制御弁とを備えた内燃機関用燃料噴射装置であって、
前記制御弁と前記制御室との間を並列に接続する2本の燃料通路を有し、
一方の燃料通路には、前記制御室から前記制御弁に向かう燃料の流れを阻止する第1の流れ方向規制手段が設けられて、前記油圧供給通路の一部を形成し、
他方の燃料通路には、前記制御弁から前記制御室に向かう燃料の流れを阻止する第2の流れ方向規制手段が設けられて、前記油圧開放通路の一部を形成していることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。 - 請求項1に記載した内燃機関用燃料噴射装置において、
前記第2の流れ方向規制手段は、前記制御弁が前記油圧供給通路を遮断して前記油圧開放通路を開いた時に、前記背圧室の燃料圧力が所定値以下に低下するまで、前記他方の燃料通路を閉じていることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。 - 請求項2に記載した内燃機関用燃料噴射装置において、
前記第2の流れ方向規制手段の圧力所定値は、噴射開始後、増圧開始までの時間遅れに対応して設定することを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。 - 請求項1〜3に記載した何れかの内燃機関用燃料噴射装置において、
前記制御弁は、前記2本の燃料通路を介して前記制御室と前記背圧室とに接続される切替ポートと、前記蓄圧器に接続される入力ポートと、低圧側に通じる低圧ポートとが設けられ、前記弁体が前記低圧ポートと前記切替ポートとの間を遮断して、前記入力ポートと前記切替ポートとの間を連通する入力位置と、前記弁体が前記入力ポートと前記切替ポートとの間を遮断して、前記低圧ポートと前記切替ポートとの間を連通する開放位置とに駆動される二位置三方弁であることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。 - 請求項4に記載した内燃機関用燃料噴射装置において、
前記2本の燃料通路(前記一方の燃料通路と前記他方の燃料通路)は、前記制御弁の切替ポートと前記増圧器の制御室との間を並列に接続していることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。 - 請求項5に記載した内燃機関用燃料噴射装置において、
前記2本の燃料通路は、それぞれの一端側が共通に前記制御弁の切替ポートに接続され、それぞれの他端側が共通に前記増圧器の制御室に接続されていることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。 - 請求項1〜6に記載した何れかの内燃機関用燃料噴射装置において、
前記第1の流れ方向規制手段は、油圧弁または逆止弁であり、前記第2の流れ方向規制手段は、逆止弁または油圧弁であることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。 - 請求項1〜6に記載した何れかの内燃機関用燃料噴射装置において、
前記第1の流れ方向規制手段と前記第2の流れ方向規制手段は、共に逆止弁であることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。 - 請求項1〜6に記載した何れかの内燃機関用燃料噴射装置において、
前記第1の流れ方向規制手段と前記第2の流れ方向規制手段は、共に油圧弁であることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。 - 請求項7または9に記載した内燃機関用燃料噴射装置において、
前記油圧弁は、二位置二方弁であることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。 - 請求項7、9、10に記載した何れかの内燃機関用燃料噴射装置において、
前記油圧弁は、前記噴射ノズルの背圧室または前記制御弁の切替ポートの燃料圧力と前記蓄圧器の燃料圧力との差圧で作動することを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。 - 請求項1〜11に記載した何れかの内燃機関用燃料噴射装置において、
前記一方の燃料通路または前記他方の燃料通路、あるいは両方の燃料通路には、前記増圧器の作動特性を設定する絞りが設けられていることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。 - a)燃料を所定の圧力状態に蓄える蓄圧器と、
b)燃料の流入または流出により油圧が増減する制御室と、この制御室の油圧の増減に応じて可動する油圧ピストンとを備え、この油圧ピストンの増圧動作によって前記蓄圧器より供給される燃料を増圧する増圧器と、
c)燃料の流入または流出により油圧が増減する背圧室と、この背圧室の油圧の増減に応じて可動するニードルとを備え、前記蓄圧器より供給される燃料または前記増圧器によって増圧された燃料を前記ニードルの開弁動作に伴って噴射する噴射ノズルと、
d)前記蓄圧器の燃料圧力を前記制御室および前記背圧室に供給する油圧供給通路と、 e)前記制御室および前記背圧室の燃料圧力を低圧側に開放する油圧開放通路と、
f)前記油圧供給通路に設けられると共に、二位置アクチュエータによって駆動される弁体を有し、この弁体により、前記油圧供給通路を開閉する第1の制御弁と、
g)前記油圧開放通路に設けられると共に、二位置アクチュエータによって駆動される弁体を有し、この弁体により、前記油圧開放通路を開閉する第2の制御弁とを備え、
前記第1の制御弁と前記第2の制御弁とにより、前記増圧器の作動および前記噴射ノズルの作動を制御することを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。 - 請求項13に記載した内燃機関用燃料噴射装置において、
前記第1の制御弁は、前記弁体が前記油圧供給通路を遮断する閉弁位置と、前記油圧供給通路を開く開弁位置との間で駆動される二位置二方弁であり、
前記第2の制御弁は、前記弁体が前記油圧開放通路を遮断する閉弁位置と、前記油圧開放通路を開く開弁位置との間で駆動される二位置二方弁であることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。 - 請求項13または14に記載した内燃機関用燃料噴射装置において、
前記第1の制御弁と前記第2の制御弁は、少なくとも前記第1の制御弁の弁体が前記開弁位置に駆動される間、前記第2の制御弁の弁体が前記閉弁位置に駆動され、前記第2の制御弁の弁体が前記開弁位置に駆動される間、前記第1の制御弁の弁体が前記閉弁位置に駆動されることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。 - 請求項13〜15に記載した何れかの内燃機関用燃料噴射装置において、
前記油圧供給通路または前記油圧開放通路、あるいは前記油圧供給通路と前記油圧開放通の両通路には、前記増圧器の作動特性を設定する絞りが設けられていることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。
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