JP3991470B2 - 噴射弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は噴射弁の開閉制御についての構造改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4にコモンレール式燃料噴射システム等に用いられる噴射弁の断面を示す。噴射弁6は棒状のハウジング61の先端側にノズル部62が設けられ、噴孔621から高圧流体を噴射する。ハウジング61には高圧流体が流通する高圧通路611が形成され、その先端は噴孔621に通じている。ハウジング61に形成したシリンダ622内には噴孔621を開閉するためのニードル623が摺動自在に保持されており、噴孔621直上流部の弁座624への着座とリフトとが切り替えられる。
【0003】
ニードル623の上方に、シリンダ622壁面により画成される背圧制御室625が形成され、これに高圧通路611からインオリフィス626を介して高圧燃料が制御圧として導入されてスプリング627の力とともにニードル623を下方すなわち閉弁方向に付勢する背圧を発生している。なお背圧制御室625にはドレーン通路612に通じる低圧のアウト通路613が接続され、背圧制御室625の高圧をリリーフする。一方、ニードル623の先端面623aおよび段面623bが高圧燃料の受圧面となって、ニードル623が上方すなわち開弁方向に付勢されている。
【0004】
ニードル623の開弁と閉弁の切り替えは、制御圧切り替え手段である電磁弁63が、背圧制御室625の高圧のリリーフを制御することにより背圧制御室625の圧力を増減して行われる。すなわち、電磁弁63が「開」のとき、背圧制御室625の圧力は、アウト通路613によりリリーフされるようになっており、このとき、ニードル623は、開弁方向の付勢力が優勢となってリフトし、電磁弁63が「閉」のとき背圧制御室625の圧力が高圧となって、閉弁方向の付勢力が優勢となって着座する。
【0005】
米国特許第5,682,858号には、ニードルの摺動部と連通するリリーフ弁を設けてニードル開閉時の油撃を緩和するようにした燃料噴射弁が記載されている。この燃料噴射弁では、電磁弁に三方弁を用い、電磁弁の作動でニードルの背圧を減じて開弁するときに同時に、リリーフ弁を拘束するスプール弁を作動せしめて燃料噴射中はリリーフ弁が開弁しないようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
電磁弁はソレノイドにより弁体を駆動するので、安定して良好な作動を確保するには、電磁弁の弁体への制御油圧による付勢力を余り強くはできない。このため、電磁弁の開口面積を大きくするには限界がある。したがって、インオリフィスの開口面積も大きくできない。このことから、背圧制御室の圧力の増減速度が十分ではなく、良好な作動特性が得られなかった。すなわち、ニードルが着座するのに時間がかかってシャープカットとすることができなかった。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みなされたもので、良好な作動特性を奏する噴射弁を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、シリンダ内に摺動自在に保持され高圧通路からの高圧燃料が噴射される噴孔を開閉するニードルと、上記高圧通路から絞りを介して高圧の制御燃料圧が導入されニードルの背圧を発生せしめる背圧制御室を備え、高圧通路は背圧制御室を介してニードル背面の背圧室に接続される。低圧の出口通路への背圧制御室の高圧のリリーフを制御することにより、背圧制御室で発生するニードルの背圧を増減する制御圧増減手段に、背圧制御室と出口通路間の連通と遮断とを切り替える弁体と、高圧通路から補助絞りを介して制御燃料圧が導入され弁体の背圧を発生せしめる補助背圧制御室とを有する油圧作動弁と、上記補助背圧制御室内の高圧の補助出口通路へのリリーフを制御する電磁弁とを具備せしめて、上記電磁弁の作動に伴い上記背圧室の高圧が上記背圧制御室から上記弁体を経て上記出口通路へリリーフさせる。
【0009】
背圧制御室の圧力の増減は、電磁弁により作動する油圧制御弁により行うので、背圧制御室の低圧側の開口面積を大きくすることができる。したがって背圧制御室に制御圧を導入する絞りの開口面積も、上記低圧側の開口面積に応じて大きくすることができる。したがって、背圧制御室の圧力の増減速度を上げることができ、その結果、ニードルの作動速度も上昇して作動特性が向上する。よってシャープカットを実現できる。
【0010】
しかも、ニードルの作動速度は、油圧作動弁の弁体を作動せしめるための補助背圧制御室の圧力の増減速度に間接的には依存しないので、この圧力の増減速度を規定する、補助絞りの開口面積や電磁弁の開口面積は比較的小さくてよい。したがって電磁弁の安定して良好な作動を確保でき、また、電磁弁は、消費電力も少なく小さな形状のもので足りる。
【0011】
請求項2記載の発明では、上記油圧作動弁を、上記弁体が上記ニードルと略同じ軸線上を直線動する構成とし、かつ上記背圧室と上記背圧制御室とを接続する連通路は、上記弁体とその軸線位置をずらして配置する。
【0012】
請求項3記載の発明では、上記油圧作動弁を、上記弁体が上記ニードルと略同じ軸線上を直線動する構成とし、かつ上記電磁弁を略上記軸線上に配置せしめる。上記のごとく電磁弁は小型のものでよいので、かかる構成とするこにより噴射弁のスリム化を図ることができる。
【0013】
請求項記載の発明では、上記弁体は、先端部を上記背圧制御室内に突出せしめるとともに上記出口通路の上流端と対向せしめ、弁体に高圧の背圧が印加されて閉弁する構成とする。
【0014】
これにより背圧制御室および補助背圧制御室を、その高圧時に弁体の摺動部を介して低圧部と連通しないようにすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図2に、本発明の噴射弁を適用したディーゼルエンジンのコモンレール式燃料噴射システムの構成を示す。図示しないエンジンには各気筒の燃焼室に対応する複数の噴射弁11が配設される。これら噴射弁11は、高圧燃料ライン12を介して各気筒共通のコモンレール13と接続され、コモンレール13から高圧流体たる高圧の燃料が供給されるようになっている。噴射弁11は、システム全体を制御する電子制御ユニット(ECU)19の指令により必要な時期に必要な時間だけ開弁し、コモンレール13に蓄えられている高圧の燃料を上記燃焼室内に直接噴射する。コモンレール13には、上記エンジンで駆動される高圧ポンプ14により燃料タンク16内の燃料が加圧されて供給される。
【0016】
コモンレール13内の圧力はコモンレール13に設けられた圧力センサ18によって検出され、ECU19は、コモンレール13内圧力の不足分に応じて高圧ポンプ14の上流の調量弁15の開度を調整し、コモンレール13内圧力が20〜160MPa の所定の圧力値になるように制御している。
【0017】
また、コモンレール13から噴射弁11に供給された燃料は、上記燃焼室への噴射用の他、噴射弁11の制御油としても用いられ、噴射弁11から低圧のドレーンライン17を経て燃料タンク16に還流するようになっている。
【0018】
図1に噴射弁11の断面を示す。噴射弁11は棒状のハウジング2を有し、ハウジング2には下側よりノズル部3、油圧作動弁4、電磁弁5が設けてある。
【0019】
ハウジング2には、ハウジング2の上端部に高圧燃料ライン12(図2)と接続される高圧ポート21と、ドレーンライン17(図2)と接続されるドレーンポート22が設けてある。また、ハウジング2内部には、高圧ポート21において上記高圧燃料ライン12と連通する高圧通路23が形成され、ノズル部3を構成する噴孔31に通じている。高圧通路23は、コモンレール13(図2)からの高圧燃料が流通し、噴射用として供給されるとともに、後述するように上記油圧作動弁4、電磁弁5に制御油として供給される。また、ハウジング2内部には、ドレーンポート22と連通するドレーン通路24が形成してあり、油圧作動弁4、電磁弁5各部から、ドレーンライン17へと還流する低圧の燃料が流通するようになっている。
【0020】
ノズル部3について説明する。噴孔31はハウジング2の下端に形成され、図示しない燃焼室内に面している。噴孔31の上方には、ハウジング2の下側の略1/3の部分に軸線Cに沿って縦穴32が形成してある。縦穴32の上側半部はシリンダ321としてあり、これにニードル33が摺動自在に保持されている。ニードル33は段付きの棒状体で、大径のピストン部332がシリンダ321と摺接し、ピストン部332よりも下側の小径のノズルニードル331が、上記縦穴32の下側半部321内に収容される。ノズルニードル331の先端部は弁体部3311で、先端面33aが円錐状に形成されており、高圧通路23の噴孔31直上流部の周縁部を弁座34として着座するようになっている。
【0021】
弁体部3311の先端面33aには、ニードル33の閉弁時に、弁座34との当接部よりも上側の、尖端部分を除く環状部分に制御油圧が作用し、開弁時に、先端面33a全体に油圧が作用する。かかる先端面33aに作用する制御油圧がニードル33を上方すなわち開弁方向へ付勢する。
【0022】
また、縦穴32には、ニードル33の段部位置に拡径部が形成され、縦穴32壁面とニードル33周壁面の間に環状の油溜まり35が形成される。油溜まり35には、常時、コモンレール13からの高圧燃料が供給されており、ニードル33の開弁時に、縦穴32の壁面とノズルニードル331の周壁面の間の環状間隙、弁体部3311の先端面33aと弁座34の間隙を介して噴孔31から噴射されるようになっている。
【0023】
油溜まり35において高圧燃料がニードル33の下向きの段面33bに作用してニードル33を上方すなわち開弁方向に付勢している。
【0024】
ニードル33の上方にシリンダ321の壁面により画成される空間は、スプリング36を格納するスプリング室37としてある。スプリング36はニードル33の細い軸状突起でなるスプリングガイド333の外周に配設され、ニードル33を下方すなわち閉弁方向に付勢している。
【0025】
またスプリング室37は連通路381を介して背圧制御室たる第1背圧制御室38と連通し、背圧室として機能する。第1背圧制御室38には高圧通路23から絞りたるインオリフィス39を介して制御油圧としての燃料圧が導入される。この燃料圧は連通路381を介してスプリング室37に導入され、ニードル33の上端面に作用してニードル33を下方すなわち閉弁方向に付勢する背圧を発生する。
【0026】
第1背圧制御室38の底壁面にはドレーン通路24の上流部である出口通路たる第1アウト通路25の上流端が軸線C位置に開口している。
【0027】
油圧作動弁4と電磁弁5とは制御圧増減手段を構成し、第1アウト通路25への、第1背圧制御室38の高圧のリリーフを制御することにより第1背圧制御室38内の制御圧を増減して閉弁方向の付勢力と開弁方向の付勢力を逆転しニードル33を開閉作動せしめるようになっている。
【0028】
油圧作動弁4は第1背圧制御室38と第1アウト通路25の間の連通と遮断とを切り替えるもので、ハウジング2に、第1背圧制御室38の上壁面に開口するシリンダ41が形成してある。シリンダ41は軸線Cに沿って形成され、シリンダ41には棒状の弁体42が摺動自在に保持されている。弁体42は先端部421が第1背圧制御室38内に突出し上記第1アウト通路25の上流端と対向している。弁体42の径は第1アウト通路25の上流端の開口径よりも大きく設定してある。弁体42は、先端面42aが円錐状に形成されており、アウト通路25の上流端の周縁部を弁座43として着座し、第1背圧制御室38とアウト通路25の間を遮断可能となっている。
【0029】
弁体42の先端面42aには、弁体42の閉弁時に、尖端部分を除く環状部分に制御油圧が作用し、開弁時に、先端面42a全体に制御油圧が作用する。かかる先端面42aに作用する制御油圧が弁体42を上方すなわち開弁方向へ付勢する。
【0030】
弁体42の上端面には深い凹部422が形成してあり、これにスプリング44が収容してある。スプリング44はシリンダ41の上壁面と凹部422の底面の間に圧縮状態で介設され、弁体42を下方すなわち閉弁方向に付勢している。
【0031】
また、弁体42の上方に、シリンダ41壁面により画成された空間は、補助背圧制御室たる第2背圧制御室45としてあり、この第2背圧制御室45には、高圧通路23から補助絞りたるオリフィス46を介して制御油圧が導入されており、制御油圧が弁体42の上記上端面に作用して、スプリング44とともに弁体42を下方すなわち閉弁方向に付勢している。
【0032】
ハウジング2には、軸線Cに沿って第2背圧制御室45と連通する連通路47が形成してある。連通路47と、ドレーン通路24に通じる補助出口通路たる第2アウト通路26との間に電磁弁5が介設してあり、連通路47の上端471が、電磁弁5の入口となっている。電磁弁5は、第2アウト通路26への、第2背圧制御室45の高圧のリリーフを制御する。なお、この連通路47は、途中にT字の分岐部が形成されてこの分岐部を介してオリフィス46から制御油圧が第2背圧制御室45に導入されている。
【0033】
電磁弁5の構成は一般的なもので、軸線Cに沿って変位する段付き棒状のアーマチャ51と、これと一体的に変位する弁体52とを有し、上記連通路47の上端471を開閉するようになっている。弁体52がリフトすると、第2背圧制御室45が連通路47およびアーマチャ51の先端部の外周に形成された環状間隙53、第2アウト通路26を介してドレーン通路24と連通し、第2背圧制御室45の高圧がリリーフされるようになっている。
【0034】
アーマチャ51の上方には、スプリング室54に配設されたスプリング55が設けられてアーマチャ51を下方すなわち閉弁方向に付勢しており、弁体52は常閉となっている。またアーマチャ51の基部の外周にはソレノイド56が配設してあり、これに通電するとアーマチャ51を上方に吸引駆動し、弁体52をリフトせしめるようになっている。
【0035】
すなわち、電磁弁5は、第2アウト通路26への、第2背圧制御室45の高圧のリリーフを制御することにより第2背圧制御室45内の制御圧を増減して弁体42の閉弁方向の付勢力と開弁方向の付勢力を逆転し弁体42を開閉作動せしめるようになっている。
【0036】
さて、油圧作動弁4は上記のごとく制御油圧の増減により作動する構成としてあるので、電磁弁のソレノイドのような、弁体42への付勢力の不足等は生じない。そこで、油圧作動弁4の弁体42の径および第1アウト通路25の径を十分に大きくして、油圧作動弁4の開口面積を電磁弁5の開口面積よりも大きくし、油圧作動弁4が「開」のときに第1背圧制御室38の減圧速度が速くなるようにしてある。また、インオリフィス39の開口面積も、油圧作動弁4の開口面積に応じて十分に大きく設定し、油圧作動弁4が「閉」のときに第1背圧制御室38の昇圧速度が速くなるようにしてある。
【0037】
また、油圧作動弁4の弁体42がリフトを開始するのに必要な第2背圧制御室45の減圧幅は、上記第1背圧制御室38の減圧幅のように十分とる必要はない。油圧作動弁4は、第1背圧制御室38の圧力増減用であり、ニードル33のように誤噴射の防止を考慮する必要がないからである。したがって、油圧作動弁4を、電磁弁5の開作動に対して応答性よく作動せしめることができる。
【0038】
コモンレール式燃料噴射システム全体の作動とともに噴射弁11の作動を説明する。ECU19から所定のタイミングで噴射弁11の電磁弁5に通電指令と通電停止指令とが出力され、略この間に燃焼室に向けて噴孔31から燃料が噴射される。
【0039】
図3に噴射弁11各部の経時変化を示す。図3の(a)は電磁弁5の通電電流、図3の(b)は電磁弁5の開口面積、図3の(c)は第2背圧制御室45の圧力、図3の(d)は油圧作動弁4の開口面積、図3の(e)は第1背圧制御室38の圧力、図3の(f)はニードル33のリフトである。図中、比較のため、図4に示した、電磁弁63のみでニードル623の背圧を増減する構造の噴射弁6の作動について、電磁弁63の電流を図3の(a)の後半に、電磁弁63の開口面積を図3の(b)の後半に、背圧制御室625の圧力を図3の(e)の後半に、ニードル623のリフトを図3の(f)の後半に併せて示す。なお、本発明の噴射弁11と比較例の噴射弁6とで、電磁弁5と電磁弁63、ノズル部3とノズル部62を基本的に同じ仕様とする。
【0040】
先ず、電磁弁5,63に通電する(図3の(a))と電磁弁5,63が「開」となる(図3の(b))。この作動に実質的に差はない。
【0041】
そして従来例では、電磁弁63が「開」となることにより、背圧制御室625とアウト通路64とが連通し、背圧制御室625の圧力が電磁弁63の開口面積に応じた速度で低下する(図3の(e))。そして背圧制御室625の減圧幅が、ニードル623がリフトするのに必要な減圧幅になると、ニードル623がリフトを開始し(図3の(f))、噴孔621から燃料の噴射が開始される。
【0042】
これに対して本発明では、電磁弁5が「開」となることにより、第2背圧制御室45とアウト通路26とが連通し、それまで高圧通路23と同じ油圧だった第2背圧制御室45の高圧をリリーフし、第2背圧制御室45の圧力が低下する(図3の(c))。
【0043】
油圧作動弁4の弁体42は、先端面42aの上記環状部分に第1背圧制御室38の圧力が作用しており、弁体42の閉弁時にはこの第1背圧制御室38の圧力は高圧通路23の油圧と等しい。
【0044】
そして弁体42を下方へ付勢する、第2背圧制御室45の圧力があるところまで低下すると、弁体42を上方へ付勢する力が優勢となって弁体42がリフトし油圧作動弁4が「開」となる(図3の(d))。第2背圧制御室45の容積は比較的小さくできるので減圧速度は大きく、速いタイミングで油圧作動弁4が「開」となる。
【0045】
これにより第1背圧制御室38と第1アウト通路25とが連通して第1背圧制御室38の高圧をリリーフし、第1背圧制御室38の圧力が低下する(図3の(e))。なお、第1背圧制御室38の圧力すなわち弁体42の先端面42aに作用する圧力は低下するが、受圧面が、先端面42aの環状部分から全体へと拡大するので、弁体42はリフト状態を維持する。本発明では、油圧作動弁4の開口面積を大きくすることができるので、第1背圧制御室38の圧力は速い速度で低下する。そして第1背圧制御室38の減圧幅が、ニードル33がリフトするのに必要な減圧幅になると、ニードル33がリフトを開始し(図3の(f))、噴孔31から燃料の噴射が開始される。このニードル33がリフトするのに必要な減圧幅は基本的に従来例と変わらないから、ニードル33のリフト開始は、油圧作動弁4の「開」後、速いタイミングで行われる。
【0046】
かくして、電磁弁5通電後、速いタイミングでニードル33がリフトを開始する。このように本発明では、電磁弁通電に対するニードルリフト応答時間(t1 )を、従来例における電磁弁通電に対するニードルリフト応答時間(t1')よりも短くすることができ、優れた作動応答性を発揮する。
【0047】
次に閉弁時の作動を説明する。電磁弁5,63の通電をオフする(図3の(a))と電磁弁5,63が「閉」となる(図3の(b))。この時の作動応答性は本発明と従来例のいずれも実質的に差はない。
【0048】
そして、従来例では、電磁弁63が「閉」となることにより、背圧制御室625とアウト通路64とが再び遮断し、背圧制御室625の圧力が電磁弁63の開口面積に応じた速度で上昇し(図3の(e))、ニードル623が下降して弁座624に着座し(図3の(f))、噴孔621からの燃料の噴射が停止する。
【0049】
これに対して本発明では、電磁弁5が「閉」となることにより、第2背圧制御室45と第2アウト通路26とが遮断する。一方、第2背圧制御室45には高圧通路23からオリフィス46を介して高圧燃料が流入しているので、それまで高圧通路23よりも低い油圧だった第2背圧制御室45の圧力が上昇する(図3の(c))。
【0050】
そして第2背圧制御室45の圧力が上記のあるところまで上昇すると、弁体42を下方へ付勢する力が優勢となって、弁体42が下降を開始し、油圧作動弁4の開口面積が絞られていく(図3の(d))。一方、第1背圧制御室38には高圧通路23からインオリフィス39を介して高圧燃料が流入しているので、第1背圧制御室38の圧力が上昇する(図3の(e))。そしてニードル33を下方へ押し下げる付勢力が上方へ押し上げる付勢力よりも優勢となると、ニードル33は下降を開始する。その後、ニードル33は弁座34に着座し(図3の(f))、噴孔31からの燃料の噴射が停止する。
【0051】
本発明では、インオリフィス39の開口面積を大きくすることができるので高圧通路23から十分に高圧が導入され、第1背圧制御室38の圧力は高速で上昇し、ニードル33は速やかに下降を開始するとともに、速い速度で下降する。
【0052】
このように本発明では、ニードル33がリフト状態から着座するまでの時間(t3')が、従来例におけるニードル623がリフト状態から着座するまでの時間(t3 )よりも短くすることができ、シャープカットが実現できる。また、この結果、電磁弁通電オフに対するニードル着座応答時間(t2 )も、従来例における電磁弁通電に対するニードル着座応答時間(t2')よりも短くすることができる。
【0053】
このように、本発明では、優れた作動特性を奏する。しかも、電磁弁5は、消費電力も少なく小さな形状のもので足りる。
【0054】
また、ニードル33、弁体42を軸線Cに沿って直線動せしめるとともに、小型の電磁弁5も軸線C上に配置したから、噴射弁11のスリム化を図ることができる。
【0055】
また、弁体42は、先端部421を第1背圧制御室38内に突出せしめるとともに第1アウト通路25の上流端と対向し、第2背圧制御室45にて発生する高い背圧が印加されて閉弁する構成としたから、第1背圧制御室38および第2背圧制御室45が、その高圧時に弁体42とシリンダ41とのクリアランス部(摺動部)を介して低圧部であるドレーン通路24と連通しないようにすることができる。
【0056】
なお、本発明の噴射弁の構成は上記実施形態のものに限定されるものではなく、本発明の主旨に反しない限り任意である。例えば、要求される噴射弁の仕様によっては、噴射弁11のスリム化を図るための構成とする必要はなく、例えば、油圧作動弁と電磁弁とを非軸線上に配置してもよい。また、第1背圧制御室38および第2背圧制御室45が、その高圧時に弁体42とシリンダ41とのクリアランス部を介してドレーン通路24と連通しないようにする構成とする必要はなく、例えば、油圧作動弁の弁体は、先端部が背圧制御室内に突出するとともに出口通路の上流端と対向し、補助背圧制御室が低圧のとき閉弁する構成としてもよい。
【0057】
また、本実施形態はコモンレール式燃料噴射システムに適用したものを示したが、本発明は他の用途にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の噴射弁の全体断面図である。
【図2】本発明の噴射弁を適用したコモンレール式燃料噴射システムの構成図である。
【図3】本発明の噴射弁の作動を従来例と比較して示したタイムチャートである。
【図4】従来の噴射弁の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
11 噴射弁
2 ハウジング
23 高圧通路
24 ドレーン通路
25 第1アウト通路(出口通路)
26 第2アウト通路(補助出口通路)
3 ノズル部
31 噴孔
321 シリンダ
33 ニードル
38 第1背圧制御室(背圧制御室)
39 インオリフィス(絞り)
4 油圧作動弁(制御圧増減手段)
42 弁体
45 第2背圧制御室(補助背圧制御室)
46 オリフィス(補助絞り)
5 電磁弁(制御圧増減手段)
C 軸線

Claims (4)

  1. シリンダ内に摺動自在に保持され高圧通路からの高圧燃料が噴射される噴孔を開閉するニードルと、上記高圧通路から絞りを介して高圧の制御燃料圧が導入されニードルの背圧を発生せしめる背圧制御室と、背圧制御室と接続され背圧制御室の高圧がリリーフされる低圧の出口通路と、出口通路への高圧のリリーフを制御することにより背圧制御室内の制御燃料圧を増減してニードルを開閉作動せしめる制御圧増減手段とを有する噴射弁において、上記高圧通路は上記背圧制御室を介して上記ニードル背面の背圧室に接続され、上記制御圧増減手段には、上記背圧制御室と上記出口通路間の連通と遮断とを切り替える弁体と、上記高圧通路から補助絞りを介して制御燃料圧が導入され弁体の背圧を発生せしめる補助背圧制御室とを有する油圧作動弁と、補助背圧制御室と接続され補助背圧制御室の高圧がリリーフされる低圧の補助出口通路と、補助出口通路への高圧のリリーフを制御する電磁弁とを具備せしめて、上記電磁弁の作動に伴い上記背圧室の高圧が上記背圧制御室から上記弁体を経て上記出口通路へリリーフされることを特徴とする噴射弁。
  2. 請求項1記載の噴射弁において、上記油圧作動弁を、上記弁体が上記ニードルと略同じ軸線上を直線動する構成とし、かつ上記背圧室と上記背圧制御室とを接続する連通路は、上記弁体とその軸線位置をずらして配置される噴射弁。
  3. 請求項1または2記載の噴射弁において、上記油圧作動弁を、上記弁体が上記ニードルと略同じ軸線上を直線動する構成とし、かつ上記電磁弁を略上記軸線上に配置せしめた噴射弁。
  4. 請求項1ないし3いずれか記載の噴射弁において、上記弁体は、先端部を上記背圧制御室内に突出せしめるとともに上記出口通路の上流端と対向せしめ、弁体に高圧の背圧が印加されて閉弁する構成とした噴射弁。
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