JP3729534B2 - 蓄圧式燃料噴射装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、内燃機関の燃料噴射装置に係り、特に高圧ポンプによって加圧された燃料を蓄える蓄圧配管(コモンレール)を備えていると共に、高圧ポンプの吐出圧力と燃料噴射弁の開弁時間を制御して、機関の運転条件に見合った適量の燃料を燃焼室内へ噴射する蓄圧式燃料噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の燃料噴射装置としては、例えば特開平2−191865号公報に記載されているように、電磁式三方弁を制御弁として燃料噴射弁を開閉制御することにより、蓄圧配管にある高圧の燃料をディーゼルエンジンのような機関の燃焼室内へ噴射するものが知られている。図7はそのシステムの全体構成を示したものである。図において、燃料噴射弁31は噴口39を有するノズル32と、噴口39を開閉するニードル35を備えており、ニードル35は常時ニードルスプリング36によって噴口39を閉じる方向に付勢されていると共に、ニードル35の段部35bは、油溜まり40において高圧の燃料の圧力によって噴口39を開く方向、即ち上向きに付勢されている。
【0003】
ニードル35は上方に伸びるピストンロッド38によってピストン37に連結されており、本体33内においてピストン37を摺動自在に受け入れているシリンダ33aの上部に形成された作動室33bに導入される燃料の変化する圧力に応じて、ピストン37と共に上下方向に移動し、それによって噴口39が開閉される。ピストン37を移動させるために、作動室33bの燃料の圧力は高圧燃料の出入口59を介して三方電磁弁60によって制御される。
【0004】
燃料タンク44の燃料は高圧ポンプ42によって加圧されて蓄圧配管43に蓄えられているが、その高圧の燃料の一部が三方電磁弁60の供給ポート61に供給されていると共に、排出ポート62は低圧の燃料タンク44に常時接続されている。従って、三方電磁弁60はソレノイドコイル47が電気的に付勢されるか否かによって、供給ポート61の高圧か或いは排出ポート62の低圧を択一的に接続ポート50に連通させ、それが高圧燃料の出入口59を介して作動室33bに導かれることによって作動室33bの圧力が変化し、ピストン37を移動させ得るようになっている。
【0005】
図7において、56はプレート弁を示しており、プレート弁56にはオリフィス57が穿孔されている。プレート弁56はスプリング58によって高圧燃料の出入口59に向かって付勢されており、三方電磁弁60の接続ポート50と作動室33bとの間で、高圧燃料の出入口59を介して出入する燃料の流れの方向によって出入口59に対して密着或いは離間して、出入口59を通過する燃料に大きさの異なる絞り作用を与えるようになっている。なお、図7において、55はECU63の指令を受けて高圧ポンプ42の吐出量、従って、吐出圧力を制御するポンプ圧力制御装置を示しており、蓄圧配管43から出ている矢印は、他の気筒の燃料噴射弁31への高圧の燃料の流路を示している。
【0006】
駆動回路を含む電子式制御装置(ECU)63の指令によって三方電磁弁60のソレノイドコイル47に通電が行われた時には、接続ポート50が排出ポート62に連通するので作動室33bは低圧となり、ニードル35の段部35bが油溜まり40の高圧の燃料から受ける上向きの力によって、通電から僅かな時間遅れの後に、ニードル35とピストン37が一体となって押し上げられ、噴口39が開放されて燃料の噴射が開始される。
【0007】
次に、ECU63の指令によってソレノイドコイル47への通電が遮断された時は、接続ポート50が供給ポート61に連通するので、蓄圧配管43の高圧の燃料が三方電磁弁60と高圧燃料の出入口59を通って作動室33bに供給されて作動室33bが高圧となる。作動室33bの高圧の燃料による力は、ニードルスプリング36の付勢力と共に油溜まり40の圧力による上向きの力に打ち勝って、ピストン37とニードル35を押し下げる。それによって噴口39が閉鎖して燃料の噴射が停止される。
【0008】
この従来技術の燃料噴射弁に使用されている三方電磁弁60においては、構造上、接続ポート50が供給ポート61と排出ポート62との間で切り換えられる時に、きわめて短時間ではあるが供給ポート61と排出ポート62が相互に連通する期間がある。それによって、蓄圧配管43にある高圧の燃料が低圧の燃料タンク44側へ漏洩して蓄圧配管43の圧力が低下する。この性質を巧みに利用すれば、機関の急減速時において蓄圧配管43にある高圧の燃料の圧力を応答性良く低下させて、燃料噴射量の制御を適正化することができる。
【0009】
つまり、燃料の噴射が開始される時にはニードル35が噴口39を開くように三方電磁弁60の接続ポート50を排出ポート62に接続し、作動室33bにあった高圧の燃料を出入口59を通して燃料タンク44へ逃がすことになるが、前述の従来技術では高圧燃料の出入口59にオリフィス57を有するプレート弁56を設けているので、その時に燃料がプレート弁56の細いオリフィス57を通過して流れることになり、三方電磁弁60を切り換えてからピストン37とニードル35が上昇して噴口39が開くまでに短時間(例えば0.4ms)の遅れが生じる。従って、この時間遅れよりも短い0.3msというような時間だけ三方電磁弁60を切り換える操作を必要な回数だけ反復して行っても、噴口39からの燃料噴射は起こらないし、その間に蓄圧配管43の減圧だけが行われることになる。
【0010】
前述の従来技術はこのようにして、三方電磁弁の構造を利用した無噴射駆動により蓄圧配管にある高圧の燃料を減圧させると共に、ポンプ圧力制御装置によって高圧ポンプの駆動状態を制御することにより高圧ポンプの吐出量を変化させ、蓄圧配管の燃料消費量との関係から吐出圧力をも変化させることによって、総じて蓄圧配管43の高圧の燃料の圧力を、機関の運転条件の変化に合わせて追従性良く制御することができる。
【0011】
ところで、最近の内燃機関の燃料噴射装置に要求される噴射圧は、エミッション低減という目的のために150Pa以上の超高圧となって来ており、一般に燃料の流路における摺動部は燃料の漏れを発生しやすいので、摺動部が少ないか、或いは摺動部が全くない構造とすることが望ましい。そのような理由から、燃料噴射弁のための制御弁としては、摺動部が多く構造が複雑でコストも高い三方電磁弁よりも、構造の単純な開閉弁である二方電磁弁を使用する方がよいので、二方電磁弁を制御弁とする燃料噴射弁の試みがなされている。
【0012】
二方電磁弁98を燃料噴射弁71の制御弁として使用する燃料噴射装置の一例を図8に示す。図示しない高圧ポンプに通じる高圧燃料通路82は燃料通路85の拡大された空間として蓄圧配管93を形成しており、そこから高圧燃料通路81によって、ニードル75の段部75bに作用する油溜まり80に通じている。蓄圧配管93と、図示しない燃料タンクに通じるドレイン通路を意味する空間89との間は、二方電磁弁98の弁体88によって開閉される弁座90と、その上流側に設けられた流路断面積が非常に小さいオリフィス96とを介して連通している。弁座90とオリフィス96の間の燃料通路は、ニードル75の上端面に圧力を加えるニードル背圧室97となっている。
【0013】
なお、図8において、87は図示しない電子式制御装置によって通電制御される二方電磁弁98のソレノイドコイルを、91は弁体88を弁座90に向かって付勢するバルブスプリングを、72は燃料噴射弁71のノズルを、79はそれに設けられた噴口をそれぞれ示している。
【0014】
作動状態において、電子式制御装置の指令によってソレノイドコイル87に通電され、弁体88がバルブスプリング91に抗して弁座90を開く時は、ニードル背圧室97にあった高圧の燃料の圧力が低下するので、油溜まり80にある高圧の燃料の圧力がニードル75の段部75bに作用する力によってニードル75は上方へ移動し、噴口79が開放されて高圧の燃料が機関の燃焼室内へ噴射される。この時に蓄圧配管93にある高圧の燃料がドレイン通路89へ漏れる量は、非常に流路断面積の小さいオリフィス96によって制限される。
【0015】
また、噴射を停止する時は、ソレノイドコイル87への通電を遮断し、バルブスプリング91によって弁体88を弁座90に着座させる。それによって蓄圧配管93からオリフィス96を通って高圧の燃料がニードル背圧室97へ流入し、ニードル背圧室97の圧力が高まることによってニードル75が押し下げられて噴口79を閉塞し、燃料の噴射が停止する。従って、この例におけるオリフィス96は、図7に示す前述の従来技術において三方電磁弁60によって行われる蓄圧配管43から作動室33bへの高圧燃料の導入作用に相当する働きをすることになるから、オリフィス96の流路断面積が小さいと噴射停止時の制御応答が遅れることが明らかである。
【0016】
最近のように超高圧の燃料が使用される場合には、オリフィス96が較的流路断面積の小さいものであっても、それを通過する流量が大きくなるから、噴射停止時の制御応答を早めるためにオリフィス96の流路断面積を大きくすると、噴射中に開弁している二方電磁弁98を通ってドレイン側へ漏れる燃料の量が増加し、蓄圧配管93内の高圧の燃料の圧力が異常に低下する。またこれは高圧の燃料の浪費になることは言うまでもない。そして極端な場合には、二方電磁弁98の弁体88が弁座90を開いても、ニードル背圧室97の圧力が十分に低下しないために、ニードル75のリフトが不可能になって燃料噴射弁71による燃料噴射が行われないということも起こり得る。
【0017】
このように、二方電磁弁98を使用する燃料噴射装置においては、オリフィス96の流路断面積をできるだけ小さく設定することによってニードル75をリフト可能にすると共に、高圧の燃料が無駄にドレイン側へ漏れる量を抑えることになるが、その反面において燃料噴射弁71の噴射停止時の制御の応答性が低下することは避けられない。また、機関の急減速時のように蓄圧配管93にある高圧の燃料の圧力を急速に低下させる必要がある場合に、図7の三方電磁弁60のように二方電磁弁98を「無噴射駆動」して、燃料噴射弁71のニードル75のリフトを生じない程度の短時間だけ二方電磁弁98を開弁させ、蓄圧配管93内の高圧の燃料をドレイン側へ逃がそうとしても、オリフィス96の流路断面積が小さいために十分な減圧が行われないという問題もある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような従来の燃料噴射装置における色々な問題に鑑み、構造が簡単で摺動部が少なく低価格である二方弁を燃料噴射弁の制御弁として使用することにより、超高圧の燃料でも無駄にドレイン側へ漏れる量を抑えると共に、機関の急減速時において無噴射駆動を行うことによって蓄圧配管にある高圧の燃料の圧力を応答性良く低下させることを可能とし、しかも、従来の二方弁による制御にみられるような噴射停止時等の制御応答性の低下を防止して、燃料噴射量の制御が追従性良く適正に行われるようにした蓄圧式燃料噴射装置を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された通りの蓄圧式燃料噴射装置を提供する。
【0020】
【作用】
本発明の蓄圧式燃料噴射装置に使用されている燃料噴射弁は、ニードルの上端側に形成された背圧室に作用する燃料圧力の変化によってニードルが移動して噴口を開閉するが、背圧室の圧力はドレイン側との間の流路を開閉するだけの二方弁によって変化させることができる。そして、ニードルが移動して噴口を開くことによりニードル又はコマンドピストンの上端面の隙間が閉じる時には、高圧燃料の流路として、請求項1に記載されものにおいては、ニードル又はコマンドピストンの上端面、或いはそれに対向する面に形成された溝からなる絞りのみが残ることにより、また、請求項2に記載されものにおいては、ニードル又はコマンドピストンの内部に設けられた小径の孔からなる絞りのみが残ることによって、蓄圧配管の高圧の燃料を背圧室に導入する流路の断面積が、ニードルが噴口を開放する位置へ移動した時に小さくなるように構成されているので、二方弁が開弁されて背圧室とドレイン側が連通すると、背圧室の圧力が低下することによってニードルが噴口を開放する位置へ移動して燃料の噴射が開始されるが、その時は蓄圧配管が断面積の小さくなった流路を介してドレイン側と連通することになるので、燃料の噴射中に蓄圧配管の高圧の燃料が無駄にドレイン側へ漏れて圧力が低下するようなことがない。
【0021】
また、二方弁が閉弁されて背圧室とドレイン側との連通が遮断されると、流路を介して蓄圧配管に連通している背圧室の圧力が上昇するので、ニードルが噴口を閉鎖する位置へ移動して燃料の噴射が停止するが、その時は流断面積が大きくなるので、噴射停止の応答性が低下することがない。噴射停中においては、二方弁を短時間開閉する無噴射駆動を行うことによって蓄圧配管の燃料の圧力を減圧することが可能であるから、機関の急減速時において蓄圧配管にある高圧の燃料の圧力を応答性良く低下させることが可能になり、機関の運転条件に合わせて燃料噴射量を追従性良く適正に制御することができる。
【0022】
【実施例】
図1によって本発明の第1実施例を説明する。第1実施例に使用されている燃料噴射弁1は、多気筒内燃機関の各気筒毎に1個ずつ設けられる。その基本的な構成は従来のものと同様に、下端のノズル2と、それを支持している燃料噴射弁の本体3と、ノズル2と本体3との間に介装されるディスタンスピース4と、ノズル2内で上下に摺動可能なニードル5と、ニードル5を常時下方へ付勢しているニードルスプリング6と、本体3内のシリンダ3a内に上下方向に摺動自在に2〜3μm程度のクリアランスを残して挿入されているコマンドピストン7と、ニードルスプリング6と共にニードル5とコマンドピストン7との間に挿入されたスプリングホルダ8と、本体3の上に取り付けられて概括的に30として示されている簡単な構造の二方電磁弁等からなっている。
【0023】
ノズル2の下端には噴口9が1個以上形成されており、ニードル5が上下運動することによって、その先端の円錐形部分5aが噴口9を開閉するようになっている。ニードル5に下向きの肩部として形成されている段部5bを取り囲んで、ノズル2内に油溜まり10と呼ぶ空間が形成されており、油溜まり10は下方においてニードル5の先端の円錐形部分5aの周囲に通じていて、円錐形部分5aが噴口9を開いたときに、油溜まり10から導いた高圧の燃料を噴口9から機関の燃焼室内へ噴射するようになっている。また、油溜まり10は上部において、ノズル2、ディスタンスピース4、及び本体3内に連続して形成された一連の高圧燃料通路11によって、高圧の燃料を受け入れる入口12に通じている。
【0024】
ニードルスプリング6は本体3とディスタンスピース4内に連続して形成された空間であるスプリング室13内に圧縮して装着されているが、ニードルスプリング6の下端は、ニードル5の上端と係合しているスプリングホルダ8の肩状の段部によって受け止められており、それによってニードルスプリング6の弾性力がニードル5に伝えられて、噴口9を閉じる方向にニードル5を付勢する。スプリングホルダ8の中心軸部8aは、ニードルスプリング6の中心を通って上方に延び、コマンドピストン7の下端面に接触することができるようになっている。なお、スプリング室13は図示しない通路によってドレイン側、即ち、実質的に大気圧である燃料タンク14内に常時連通している。
【0025】
そして、コマンドピストン7を下方へ押し下げる力が作用していない休止状態では、ニードルスプリング6が伸びて、ニードル5を下方へ押し下げて噴口9の閉塞位置に向かって付勢しているので、スプリングホルダ8の中心軸部8aの上端とコマンドピストン7の下端は離れている。それに対して、コマンドピストン7を下方へ押し下げる力が作用している動作状態では、スプリングホルダ8の中心軸部8aの上端とコマンドピストン7の下端面とが接触し、ニードル5とコマンドピストン7は、スプリングホルダ8を介して一体となって運動することになる。
【0026】
制御用の電磁弁30は、概ね燃料噴射弁の本体3の上部に連結されている弁本体15と、その上に連結されたソレノイド部16からなっており、ソレノイド部16の内部にはソレノイドコイル17が装着されていて、図示しない電子式制御装置の指令を受けて作動する駆動回路によって通電制御される。電磁弁本体15に形成された弁シリンダ15aには、上下方向に摺動可能に2〜3μm程度のクリアランスを有するピストン状の弁体18が挿入され、弁体18の上部に拡大して形成された、少なくともこの部分だけは強磁性体からなっている円板部分18aは、弁本体15内に形成された作動室15b内においてソレノイドコイル17と対面して上下方向に可動に支持されている。そして、作動室15bはドレインパイプ19によって燃料タンク14と連通している。
【0027】
電磁弁本体15に形成された弁シリンダ15aの下部は空間としてのドレイン室15cを形成していて、その内部はやはりドレインパイプ19によって燃料タンク14と常時連通して実質的に大気圧となっている。電磁弁の弁体18の下部の円錐形先端は弁ニードル18bとして成形されており、この例では弁本体15に穿孔することによって形成された、ニードル5と連動するコマンドピストン7のための小さな背圧室である制御ポート20を、弁ニードル18bが上方から開閉することができるようになっている。従って、制御ポート20の上縁部は、弁ニードル18bが下降して着座したときに閉塞される弁座となる。電磁弁の弁体18は、上部に装着されたバルブスプリング21によって、弁ニードル18bがコマンドピストン7の背圧室である制御ポート20を閉塞する方向に常時付勢されており、ソレノイド部16が弁体18の円板部分18aに及ぼす磁気的な吸引力がバルブスプリング21の力に打ち勝ったときに、制御ポート20が開かれてドレイン室15cに連通する。
【0028】
図1に示す22は高圧ポンプであって、燃料タンク14から汲み上げた燃料を所定の高圧まで加圧して蓄圧配管23へ送り込むことができる。蓄圧配管23はコモンレールとも呼ばれるもので、高圧ポンプ22によって加圧された高圧の燃料を一時的に貯溜し、多気筒内燃機関の各気筒毎に設けられた燃料噴射弁1の全てか、或いは幾つかに対して、入口12を介して高圧の燃料を供給することができる耐圧性の高い比較的容量の大きな共通の燃料配管のことである。蓄圧配管23内にある高圧の燃料の圧力(実噴射圧)は、それに取り付けられた圧力センサ24によって検出されてポンプ圧力制御装置25へ入力される。ポンプ圧力制御装置25は、実噴射圧が機関の要求する指令噴射圧と等しくなるように、高圧ポンプ22の駆動状態を制御する。
【0029】
図2及び図4に拡大して示されているように、第1実施例ではコマンドピストン7の上部が下部よりも僅かに小径の縮径部7aとなっており、縮径部7aはシリンダ3aの壁面に対して比較的大きい数十μmのクリアランスを有している。そして、このクリアランスが第1の絞り26を形成することになる。シリンダ3aの壁面には部分的な拡径部3bが形成されており、拡径部3bは高圧燃料通路11によって高圧燃料の入口12と常時連通している。僅かに直径が小さい縮径部7aを設けることによってできた段部7bは、コマンドピストン7が上下に移動してもこの拡径部3bの範囲を出ることがないので、作動中において入口12から供給される高圧の燃料は常に第1の絞り26へ導入される。
【0030】
本発明においては一般的に、コマンドピストン7が上昇してその上端面7cが電磁弁本体15の下面15dに密着したときでも、拡径部3bと制御ポート20との間を僅かに連通させるように、第1の絞り26に比べて通路断面積の小さい第2の絞り27が設けられる。第1実施例における第2の絞り27としては、図に示すように、電磁弁本体15の下面15dにおいて、シリンダ3aの直交する任意の2本の直径に相当する部分にのみ細くて浅い溝27aを十文字状に形成している。なお、十文字の溝27aは電磁弁本体15の下面15dではなく、それと対面しているコマンドピストン7の上端面7c側に形成されてもよい。いずれにしても第1実施例の場合は、入口12に常時通じている拡径部3bと、弁ニードル18bの位置によって燃料タンク14と連通し得る制御ポート20との間に、第2の絞り27と第1の絞り26が直列になった状態で形成されている。
【0031】
次に第1実施例の燃料噴射弁1の作動について説明する。高圧ポンプ22が作動して蓄圧配管23内の燃料が高圧となり、各気筒毎に設けられた燃料噴射弁1の高圧燃料の入口12へ供給されると、高圧燃料通路11によって一部の燃料が油溜まり10を経てニードル5の先端の円錐形部分5aによって閉じられた噴口9の上流側まで導かれる。また、他の一部の燃料はシリンダ3aの拡径部3bを経て、直列になっている第1の絞り26と第2の絞り27(十文字の溝27a)を満たし、コマンドピストン7の上端面7cと、その背圧室である制御ポート20の内部の小さい空間まで導かれる。
【0032】
制御用電磁弁30のソレノイドコイル17が電気的に付勢されておらず、弁体18がバルブスプリング21によって押し下げられて、弁ニードル18bが制御ポート20を閉塞している状態では、図2に示すように、第1の絞り26と第2の絞り27によってコマンドピストン7の上端面7cに高圧の燃料圧力が作用して、コマンドピストン7を押し下げる方向の力を発生する。その力とニードルスプリング6の付勢力が加わったものが、ニードル5の段部5bに作用する油溜まり10の高圧の燃料圧力によって発生する上向きの力よりも大きくなるように設定されているために、背圧室である制御ポート20が弁ニードル18bによって閉じられている状態では、コマンドピストン7とスプリングホルダ8とニードル5が一体になって下向きに押しつけられて、ニードル5の先端の円錐形部分5aが噴口9を閉じており、燃料噴射弁1からの燃料の噴射は行われない。
【0033】
図示しない電子式制御装置の指令によって駆動回路がソレノイドコイル17に通電を行うと、弁体18の円板部分18aが吸引されてバルブスプリング21に抗して上方へ移動し、弁ニードル18bが制御ポート20を開放する。それによって制御ポート20内と、それに続くシリンダ3a内でコマンドピストン7の上端面7cに接している部分にある高圧の燃料が、ドレイン室15cとドレインパイプ19を介して燃料タンク14へ逃げて、背圧室である制御ポート20の圧力が低下するから、コマンドピストン7を押し下げる力は実質的にニードルスプリング6の付勢力だけとなる。油溜まり10においてニードル5の段部5bに作用している高圧の燃料による上向きの力はニードルスプリング6の付勢力よりも大きいから、この状態では図4に示すようにニードル5は上方へ移動する。それによってニードル5の先端の円錐形部分5aが噴口9を開き、高圧の燃料が噴口9から機関の燃焼室内へ噴射される。
【0034】
以上の説明から明らかなように、図2に示すようなコマンドピストン7が下降して、その上端面7cとそれに対面している電磁弁本体15の下面15dとの間隔が開いている状態では、第2の絞り27は実質的に絞り作用をしないので、入口12から制御ポート20までの高圧の燃料の経路は、比較的断面積の大きなクリアランスからなる第1の絞り26のみになる。従って、この状態で入口12から制御ポート20まで高圧の燃料が流れるときは大きな流量が得られる。即ち、弁体18の弁ニードル18bが制御ポート20を開放して制御ポート20内が減圧される噴射の開始時や、弁ニードル18bが制御ポート20を閉鎖する噴射の停止時においては、第2の絞り27による絞り作用が殆どなくなるので、第1の絞り26と第2の絞り27を通過する燃料の流量が大きくなり、噴射開始や噴射停止の制御に対する応答性が高くなる。
【0035】
これに対して、噴射を継続している状態ではコマンドピストン7の上端面7cが図4に示すように電磁弁本体15の下面15dに密着し、上端面7cにおける燃料の流路は第2の絞り27である十文字の溝27aのみになるから、第1の絞り26が燃料の流れに殆ど抵抗を与えなくても、流路断面積の小さい第2の絞り27(十文字の溝27a)が大きな抵抗を示すため、燃料の噴射中に入口12から制御ポート20を通って燃料タンク14へ逃げる高圧の燃料の量はきわめて僅かなものとなる。従って、燃料の噴射中に蓄圧配管23の高圧の燃料の圧力が低下したり、高圧の燃料が無駄に漏れるという問題が解消する。
【0036】
このようにして、コマンドピストン7の背圧室である制御ポート20内の燃料の圧力が少しでも高くなれば、第2の絞り27が実質的な絞り作用を失うので、燃料噴射弁1が燃料を噴射していない時は燃料が漏れ易くなり、機関の急減速時に電磁弁30を短時間だけ開弁することによって蓄圧配管23内の高圧の燃料の圧力を低下させる所謂「無噴射駆動」を効果的に行うことが可能になる。また、コマンドピストン7の上端面7cが電磁弁本体15の下面15dに密着している燃料の噴射時だけは、第2の絞り27が形成されて燃料が漏れ難くなるという好都合な特性を有する燃料噴射弁1が、開弁と閉弁の二位置のみをとり得るに過ぎない、構造の簡単な二方弁である低価格の電磁弁30の単なる開閉制御によって実現する。
【0037】
図5に、第1実施例の燃料噴射弁1について、図5(B)に示すようなアクセル開度急変時(急減速時)における実噴射圧、即ち蓄圧配管23内の高圧の燃料の圧力を低下させる場合の、減圧応答のタイムチャートを示す。本発明の特徴として、アクセル開度が0%の時でも、機関の電子式制御装置(ECU)内では、図6に示したような指令噴射量対噴射圧のマップにおける指令噴射量が0の時の電磁弁開弁時間τ0 (この例では一律に300μs)をとるように、電磁弁30へ図5(C)に示すような駆動信号が出力される。
【0038】
このように、アクセル開度が0の時でも、マップ上の電磁弁開弁時間τ0 の値を0としないで、燃料噴射弁1のコマンドピストン7が実際に上昇を開始しない程度の、即ちニードル5がリフトを開始しない程度のきわめて短い開弁時間をマップ上に設定しておけば、電子式制御装置内のプログラムを大幅に改造しなくても所謂「無噴射駆動」を容易に達成して、実噴射圧を低下させ、簡単な構造の二方弁式の制御弁を備えている燃料噴射弁においても、速やかな減圧応答を実現することができる。
【0039】
因みに、燃料噴射弁1において無噴射駆動を行わない場合は、図5の(A)において一点鎖線で示すように減圧応答が非常に悪く、t2 以降の再加速時になっても指令噴射圧に追従しないため、騒音やエミッション、或いはドライバビリティの悪化を招くというように、機関の性能が低下することになる。なお、ポンプ圧力制御装置25による高圧ポンプ22の駆動制御も併せて行われる結果、蓄圧配管23の燃料消費量は図5(D)に示されているように変化し、高圧ポンプ22の燃料供給量は図5(E)に示されているように変化する。
【0040】
また、実噴射圧の指令噴射圧に対する追従性を更に良くするためには、通常は機関の回転に同期して作動する制御用の電磁弁30を、時間t1 から実噴射圧が指令噴射圧に達するまでの間は非同期として、高い周波数できわめて速く複数回作動させて、無噴射駆動の効果を高めるとよい。この作動を多気筒機関の気筒毎に設けられた燃料噴射弁によって同時に行うことにより、この効果を更に顕著なものとすることができる。
【0041】
図9及び図10に本発明の第2実施例の要部を示す。これらの図面は先に説明した第1実施例の図2及び図4に対応するものであるから、実質的に同じ部分については同じ参照符号を使用することによって、重複する説明を省略している。第2実施例においても、第1の絞り26は第1実施例のそれと同様にコマンドピストン7の縮径部7aの外周のクリアランスによって形成する。第2実施例の特徴として、縮径部7aには移動範囲がシリンダ3aの拡径部3b内にあるように横方向の貫通孔7dが穿孔されると共に、コマンドピストン7の上端面7cから貫通孔7dに達する小径の孔27bを穿孔される。その結果、主として小径の孔27bによる絞り作用と、追加的に貫通孔7dによる絞り作用とを有する、第2実施例における第2の絞り27が構成される。
【0042】
次に第2実施例の作動について説明する。図9に示す第2実施例の燃料噴射弁の噴射停止の状態においては、入口12から供給される高圧の燃料は、比較的流路断面積の大きい第1の絞り26と、流路断面積が小さくて第2の絞り27を構成する小径の孔27b(及び貫通孔7d)に分流して並列的に流れ得るので合計の流量が大きくなる。この状態は第1実施例における図2の状態に近く、第1の絞り26と第2の絞り27が並列になっているために流量は寧ろ多くなる。
【0043】
図10に示す第2実施例の燃料噴射弁の噴射中の状態では、コマンドピストン7の上端面7cが電磁弁本体15の下面15dに密着する位置まで上昇し、第1の絞り26の流路が遮断される結果、小径の孔27bによって絞られた第2の絞り27の流路のみとなる。それによって、第1実施例の図4と同様な状態になって、噴射中に必要以上に蓄圧配管23の高圧燃料が燃料タンク14へ逃げることを防止するというように、第1実施例の場合と同様な効果を奏する。第1実施例と第2実施例を比較すると、第1実施例では第1の絞り26と第2の絞り27が直列に接続されるのに対して、第2実施例では第1の絞り26と第2の絞り27が並列に接続されるという相違があるが、概ね同様な効果が得られる。
【0044】
図11に本発明の第3実施例による燃料噴射弁1’を含む蓄圧式燃料噴射装置の全体構成を示す。図1に示す第1実施例と実質的に同じ部分については同じ参照符号を付して説明を省略する。外見的に同様なものであっても多少異なる点があるものについては同じ参照符号に「’」を付して、両者の間に僅差があることを示している。
【0045】
第1実施例に対して第3実施例が異なる点は、燃料噴射弁1’に含まれる制御用の電磁弁30’が、第1実施例における燃料噴射弁1の電磁弁30と異なり、弁体18’が中空になっていて、内部に縦方向の小さなシリンダ18cが形成されていると共に、その下端から弁ニードル18bの先端まで連通孔18dが穿設されてコマンドピストン7の背圧室である制御ポート20内に達していること、及び、シリンダ18c内に2〜3μmのクリアランスで摺動自在にバランスロッド28が挿入されて、その上端がソレノイド部16の下面によって支持されていることである。なおバルブスプリング21’は、第1実施例のバルブスプリング21に比べて弱いものでよい。
【0046】
第3実施例の特徴である燃料噴射弁1’、特に電磁弁30’はこのような構造を有するから、制御ポート20内の燃料の圧力が連通孔18dを通ってシリンダ18c内に導入されて、バランスロッド28を上方へ加圧するので、その反作用として弁体18’が下方へ付勢される。この力は、制御ポート20に作用する燃料の圧力に抗して弁体18の弁ニードル18b’を押し下げるバルブスプリング21’の付勢力と同じ方向に作用するから、その分だけバルブスプリング21’の力が小さくて済むので、そのバルブスプリング21’の付勢力に抗して円板部分18aを吸引するソレノイド部16の力も小さくてよく、結果として制御用の電磁弁30’を第1実施例の電磁弁30よりも小型化することができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、前述のような手段によって、従来は三方弁を使用していた燃料噴射弁の制御弁として構造が簡単な二方弁を使用することができるので、摺動部が少なくなって超高圧の燃料でも無駄にドレイン側へ漏れる量を抑えることができると共に、価格を低減させることができる。更に、第2の絞りを設けることによって三方弁に劣らない効果的な無噴射駆動が可能になるので、機関の急減速時等において蓄圧配管にある高圧の燃料の圧力を応答性良く低下させることができると共に、従来の二方弁を使用した燃料噴射弁の制御にみられるような制御応答性の低下を伴うことなく、燃料噴射量の制御を追従性良く行なうことが可能になる。また、バランスタイプの二方弁を使用すれば、燃料噴射弁全体を更に小型化することができる。本発明はまた、機関の騒音やエミッションを抑制し、その機関を搭載した車両のドライバビリティを向上させるという効果をも奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としての蓄圧式燃料噴射装置の全体構成を示す断面図である。
【図2】図1の要部の一つの作動状態を拡大して示す断面図である。
【図3】図2におけるIII −III 断面図である。
【図4】図1の要部の他の作動状態を拡大して示す断面図である。
【図5】実施例の燃料噴射弁に関し、急減速時において実噴射圧を低下させる場合の状況を示すタイムチャートである。
【図6】指令噴射量対噴射圧のマップの一例である。
【図7】従来の蓄圧式燃料噴射装置の全体構成を例示する断面図である。
【図8】二方弁を用いた従来の蓄圧式燃料噴射装置の断面図である。
【図9】第2実施例の要部の一つの作動状態を拡大して示す断面図である。
【図10】第2実施例の要部の他の作動状態を拡大して示す断面図である。
【図11】第3実施例としての蓄圧式燃料噴射装置の全体構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1,1’…燃料噴射弁
2…ノズル
3…燃料噴射弁の本体
5…ニードル
5b…段部
6…ニードルスプリング
7…コマンドピストン
7a…縮径部
7c…上端面
7d…貫通孔
8…スプリングホルダ
9…噴口
10…油溜まり
11…高圧燃料通路
12…高圧燃料の入口
14…燃料タンク
15…電磁弁本体
15a…弁シリンダ
15c…ドレイン室
15d…下面
16…ソレノイド部
18,18’…弁体
18b…弁ニードル
18c…シリンダ
18d…連通孔
19…ドレインパイプ
20…制御ポート(背圧室)
21,21’…バルブスプリング
22…高圧ポンプ
23…蓄圧配管(コモンレール)
24…圧力センサ
25…ポンプ圧力制御装置
26…第1の絞
27…第2の絞
27a…十文字の溝(第1実施例)
27b…小径の孔(第2実施例)
28…バランスロッド(第3実施例)
30,30’…二方弁(二方電磁弁)
31…従来の燃料噴射弁
50…接続ポート
56…プレート弁
57…オリフィス
60…三方電磁弁(従来例)
61…供給ポート
62…排出ポート
71…従来の燃料噴射弁
75…ニードル
80…油溜まり
81,82…高圧燃料通路
88…弁体
89…ドレイン通路
93…蓄圧配管
96…オリフィス
97…ニードル背圧室
98…二方電磁弁(従来例)

Claims (11)

  1. 高圧の燃料を蓄える蓄圧配管と、
    燃料を噴射する噴口と、前記噴口を開閉するニードルと、前記噴口を閉鎖する位置に向かって前記ニードルを付勢するために前記ニードルの上端側に燃料圧力を作用させる背圧室とを備えている燃料噴射弁と、
    前記背圧室とドレイン側との間の流路を開閉することによって前記背圧室の圧力を変化させ、前記ニードルを移動させて前記燃料噴射弁の燃料の噴射と停止を制御する二方弁と、
    前記蓄圧配管の高圧の燃料を前記背圧室に導入する高圧燃料用流路に設けられた絞りとを備えていると共に、
    前記絞りが、前記ニードル又はそれと一体となって運動するコマンドピストンの上端側に溝として形成された絞りと、前記ニードル又は前記コマンドピストンの側面に隙間として形成された別の絞りとからなっていて、それらの絞りが相互に直列の流路を形成しており、
    前記ニードルが前記噴口を開放する位置へ移動した時に前記高圧燃料用流路の断面積が小さくなるように構成されている蓄圧式燃料噴射装置。
  2. 高圧の燃料を蓄える蓄圧配管と、
    燃料を噴射する噴口と、前記噴口を開閉するニードルと、前記噴口を閉鎖する位置に向かって前記ニードルを付勢するために前記ニードルの上端側に燃料圧力を作用させる背圧室とを備えている燃料噴射弁と、
    前記背圧室とドレイン側との間の流路を開閉することによって前記背圧室の圧力を変化させ、前記ニードルを移動させて前記燃料噴射弁の燃料の噴射と停止を制御する二方弁と、
    前記蓄圧配管の高圧の燃料を前記背圧室に導入する高圧燃料用流路に設けられた絞りとを備えていると共に、
    前記絞りが、前記ニードル又はそれと一体となって運動するコマンドピストンの内部に小径の孔として形成された絞りと、前記ニードル又は前記コマンドピストンの側面に隙間として形成された別の絞りとからなっていて、それらの絞りが相互に並列の流路を形成しており、
    前記ニードルが前記噴口を開放する位置へ移動した時に前記高圧燃料用流路の断面積が小さくなるように構成されている蓄圧式燃料噴射装置。
  3. 更に、燃料を高圧に加圧して前記蓄圧配管へ送り込む高圧ポンプと、前記高圧ポンプを制御して前記蓄圧配管内の燃料の圧力を制御するポンプ圧力制御装置とを備えている請求項1又は2に記載された蓄圧式燃料噴射装置。
  4. 前記燃料噴射弁が、更に、前記噴口を開放する位置に向かって前記ニードルを付勢するために前記ニードルの段部の周囲に形成されて前記蓄圧配管の高圧の燃料を導入される油溜まりと、前記噴口を閉鎖する位置に向かって前記ニードルを付勢するために前記ニードルに付設されたニードルスプリングとを備えている請求項1ないし3のいずれかに記載された蓄圧式燃料噴射装置。
  5. 前記背圧室が前記ニードルの上端面の少なくとも一部に形成される請求項1ないしのいずれかに記載された蓄圧式燃料噴射装置。
  6. 前記背圧室が前記ニードルの上端側に連結されるコマンドピストンの上端面の少なくとも一部に形成される請求項1ないしのいずれかに記載された蓄圧式燃料噴射装置。
  7. 前記ニードル又は前記コマンドピストンの上端面が絞りを構成する前記溝を備えている請求項1に記載された蓄圧式燃料噴射装置。
  8. 前記ニードル又は前記コマンドピストンの上端面と対面する面が絞りを構成する前記溝を備えている請求項1に記載された蓄圧式燃料噴射装置。
  9. 前記ニードルが前記噴口を開放する位置へ移動した時に、前記別の絞りを形成する流路が遮断される請求項2に記載された蓄圧式燃料噴射装置。
  10. 前記二方弁が前記背圧室に連通するシリンダを内部に形成された弁体と、前記シリンダ内に挿入されるバランスロッドとを備えている請求項1ないしのいずれかに記載された蓄圧式燃料噴射装置。
  11. 前記二方弁が電磁弁である請求項1ないし10のいずれかに記載された蓄圧式燃料噴射装置。
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