JP2006090036A - 耐力壁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】耐力壁1を構成する土台3の上面3Aと構造用合板7の下端面7Cとの間に、床面材9が配置可能な隙間10を設け、土台3の上面3Aに、床面材9の端縁部分9A, 9Bを載置できるようにし、床面材9を支持するための床受部材を土台3に設ける必要がなくし、床の構築作業を容易にする。そして、構造用合板7及び床面材9の両方に接合される受材50を設け、受材50を介して構造用合板7と床面材9とを連結し、且つ、梁5及び土台3の中間部分同士を連結する間柱40を設け、この間柱40で枠材6を補強し、これにより、3倍率以上の耐力を耐力壁1に確保する。
【選択図】 図1
Description
このような耐力壁としては、その両側位置に鉛直方向に延びる柱等の鉛直軸組材をそれぞれ立設し、これらの鉛直軸組材の上下端を水平方向に延びる土台や梁等の水平軸組材で連結して四角形状の枠材を形成し、構造用合板等の構造用面材を当該枠材に張り付けて、当該枠材の開口全体を塞いだものが一般的である。
ここで、鉛直軸組材の側面には、端縁部分を段付状に切り欠くことにより形成された切り欠き部が設けられている。この切り欠き部により、鉛直軸組材には、構造用面材が嵌め込まれるシャクリ面が形成されている。このシャクリ面に構造用面材を張り付けることで、構造用面材の表面が鉛直軸組材の側面と同一面を形成するようになっている。
このような耐力壁によれば、大きな剛性が確保できるので、水平耐力を負担しない非耐力壁と併用して内壁や外壁を形成しても、建物の耐震性能を充分向上することができるうえ、構造用面材を枠体に張り付けただけの簡単な構造であるので、さらにローコストの非耐力壁と併用することで、耐震性能に優れた建物の建築コストの低減が可能となる。
一方、一般的な非耐力壁の枠材は、その側面に構造用面材が張り付けられておらず、いずれの側から見ても、床側水平軸組材の上面が露出している。このため、床側水平軸組材の上面に、床面材や根太を載置することができるので、床面材を支持するにあたり、床側水平軸組材の側面に床受部材や根太掛部材を固着する必要がない。
そこで、本出願人は、耐力壁に備えられている枠材の床側に配置された水平軸組材の上面と、この枠材に張り付けられた構造用面材の下端面との間に、床面材が配置可能な隙間を設けた構造の耐力壁を採用し、耐力壁の水平軸組材と構造用面材との隙間に床面材の端縁を配置することにより、床の構築を容易にし、且つ、耐震性能に優れた建物の建築コストを低減することを提案している(特願2004−124378号)。
一方、3倍率以上の耐力が必要な部位に、従来の耐力壁を採用すると、前述のように従来の耐力壁側には、床を支持するための床受部材や根太掛部材が必要なので、床の構築する作業が煩雑となり、ひいては、耐震性能に優れた建物の建築コストを増大させる、という問題が発生する。
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、3倍率以上の耐力が確保できるうえ、床の構築が容易に行え、耐震性能に優れた建物の建築コストが低減されるようになる耐力壁を提供することである。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
(特徴点)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1記載の発明は、水平方向に延びる水平軸組材(3,5)と鉛直方向に延びる鉛直軸組材(4)とで形成される四角形状の枠材(6)と、水平力に対する耐力を確保するために、前記枠材(6)の開口を塞ぐように前記枠材(6)に張り付けられた構造用面材(7)とを備えた耐力壁(1)であって、前記構造用面材(7)の表面が前記鉛直軸組材(4)の側面よりも外側に迫り出さないように、前記鉛直軸組材(4)の表面を凹ました凹み部(4D, 4F)が設けられ、この凹み部(4D, 4F)に前記構造用面材(7)の端縁部分(7B)が配置された状態で前記構造用面材(7)が前記鉛直軸組材(4)に張り付けられ、前記水平軸組材(3,5)のうち、床側に配置された床側水平軸組材(3)の上面(3A)と、前記構造用面材(7)の下端面(7C)との間に、隙間(10)が設けられ、この隙間(10)に床を構成する床面材(9)の端縁部分が配置され、前記構造用面材(7)の下端縁と前記床面材(9)の端縁部分とが形成する入隅部分に応じた断面形状の受材(50)が当該入隅部分に接するように設けられ、この受材(50)が前記構造用面材(7)及び前記床面材(9)の両方に接合され、当該受材(50)を介して前記構造用面材(7)と前記床面材(9)とが連結されていることを特徴とする
なお、このような請求項1記載の発明の凹み部としては、鉛直軸組材(4)の4つの側面のうち、構造用面材(7)が張り付けられる側面(4C)を段付状に凹ますことにより形成されるとともに、構造用面材(7)の端縁部分(7B)が嵌め込めるようになった段付部(4D)、あるいは、構造用面材(7)の両側に配置される一対の鉛直軸組材(4)の互いに対向する側面(4E)を溝状に凹ますことにより形成されるとともに、構造用面材(7)の端縁が挿入される溝部(4F)等が採用できる。
(特徴点)
請求項2記載の発明は、前述した請求項1に記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項2記載の発明は、前記構造用面材(7)の表面(7A)と、前記鉛直軸組材(4)の側面(4C)とがほぼ同一面となるように、前記鉛直軸組材(4)の前記側面(4C)を段付状に凹ました段付部(4D)が前記凹み部として設けられていることを特徴とする。
(請求項3)
(特徴点)
請求項3記載の発明は、前述した請求項2記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
(請求項4)
(特徴点)
請求項4記載の発明は、前述した請求項1から請求項3までのいずれかに記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
(請求項5)
(特徴点)
請求項5記載の発明は、前述した請求項1から請求項4までのいずれかに記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
以上のように構成されている本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち、請求項1記載の発明によれば、床側水平軸組材の上面と前記構造用面材の下端面との間に、床面材が配置可能な隙間が設けられているので、枠材のいずれの側から見ても、床側水平軸組材の上面が露出している。このため、床側水平軸組材の上面に、床面材や根太を載置することができるので、床面材を支持するにあたり、床側水平軸組材の側面に床受部材や根太掛部材を固着する必要がない。
また、枠材に張り付けられた構造用面材の表面が枠材の側面よりも外側に迫り出さないので、非耐力壁と併用して外壁あるいは内壁を形成するにあたり、耐力壁の枠材に張り付けられた外壁仕上面材又は内壁下地面材の表面と、非耐力壁の枠材に張り付けられた外壁仕上面材又は内壁下地面材の表面とが同一面を形成するようになる。これにより、非耐力壁側の外壁仕上面材又は内壁下地面材の表面位置を耐力壁側に揃えるために、表面位置の調整を行う調整材を取り付ける必要がなくなる。
従って、非耐力壁との併用により外壁あるいは内壁を形成するにあたり、外壁仕上面材又は内壁下地面材の表面位置を調整する調整材が不要となり、外壁及び内壁を構築する作業が容易に行えるうえ、非耐力壁との併用により形成された外壁あるいは内壁に沿って床を形成するにあたり、床面材を支持するための床受部材や根太掛部材が不要となり、床の構築する作業が容易に行え、ひいては、耐震性能に優れた建物の建築コストを低減することができ、しかも、3倍率以上の耐力を確保することができる。
請求項2記載の発明によれば、上記した請求項1記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項2記載の発明によれば、鉛直軸組材の側面を溝状に凹まして溝部を形成する加工よりも、構造用面材の側面を段付状に凹まして段付部を形成する加工の方が容易であるうえ、溝部を採用すると、水平軸組材と鉛直軸組材とを組む前でなければ、構造用面材の組み付けが行えないのに対し、段付部を採用すれば、水平軸組材と鉛直軸組材とを組んで枠材を形成した後でも、構造用面材の組み付けが可能であるので、耐力壁を構築する作業が容易となり、作業効率の向上を図ることができる。
請求項3記載の発明によれば、上記した請求項2記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項3記載の発明によれば、構造用面材の上端縁が天井側水平軸組材の段付部に到達するように、構造用面材の高さ寸法を延長するだけで、構造用面材の上端縁を天井側水平軸組材の段付部に接合することができ、天井側水平軸組材の段付部に構造用面材を接合することにより、耐力壁の構造を大幅に変更することなく、耐力壁の耐力を更に強化することができる。
請求項4記載の発明によれば、上記した請求項3記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項4記載の発明によれば、間柱の下端が床面材を介して床側水平軸組材に連結され、これにより、床側水平軸組材及び天井側水平軸組材の中間部分を間柱が連結し、間柱で枠体が補強されるようになる。しかも、この間柱の側面には、構造用面材が接合されているので、枠体と構造用面材との接合ポイントが増え、耐力壁に外力が加わった際に、各接合点に作用する力が分散されるので、この点からも、耐力壁の耐力を更に強化することができる。
請求項5記載の発明によれば、上記した請求項4記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項5記載の発明によれば、構造用面材を鉛直軸組材に張り付けている釘として、直径が3mm以上の比較的太いものを採用するので、耐力壁に外力が加わった際に、釘の中間部分が張力で破断することがない。
また、釘が抜けにくい場合には、大きな外力が耐力壁に加わると、この外力により釘が構造用面材を接合している部分が一度に裂けて、耐力壁が瞬間的にバラバラになるが、太さの割に釘の長さを短くしたので、耐力壁に外力が加わった際に、釘が徐々に抜けるようになり、大きな外力に対する粘りを耐力壁に付与でき、耐力壁が瞬間的にバラバラになることが防止され、この点からも、耐力壁の耐力を更に強化することができる。
図1ないし図5は、本実施形態を示す図である。図1は、本実施形態に係る耐力壁を示す正面図、図2は、本実施形態に係る耐力壁の要部を示す拡大断面図、図3は、本実施形態に係る内壁を示す断面図、図4は、本実施形態に係る内壁を示す床面近傍における断面図、図5は、本実施形態に係る外壁を示す断面図、図6は、本実施形態に係る外壁を示す床面近傍の断面図である。
本実施形態に係る耐力壁1は、図1の如く、地面に打設された基礎2の上に構築されている。すなわち、基礎2の上端面2Aには、水平方向に延びる水平軸組材である土台3が載置されている。土台3の上面3Aには、鉛直方向に延びる鉛直軸組材である柱4が所定間隔をおいて複数立設されている。これらの柱4の上端部は、水平軸組材である梁5により相互に連結されている。これらの土台3及び梁5並びに柱4により、四角形状の枠材6が形成されている。
ここで、土台3の上面3Aには、柱4を設置すべき位置にホゾ穴3Bがそれぞれ形成されている。また、梁5の下面5Aには、柱4を設置すべき位置にホゾ穴5Bが形成されるとともに、間柱40を設置すべき位置に、後述する段付部41の側面よりもさらに凹んだ凹部42が形成されている。
また、柱4には、図2の如く、構造用合板7の表面7Aが柱4の側面4Cよりも外側に迫り出さないように、柱4の表面(4C)を凹ました凹み部(4D)が設けられている。凹み部(4D)は、柱4の4つの側面のうち、構造用合板7が張り付けられる側面4Cを段付状に凹ますことにより形成されるとともに、構造用合板7の端縁部分7Bが嵌め込めるようになった段付部4Dとなっている。この段付部4Dに構造用合板7の端縁部分7Bが配置され、これにより、構造用合板7の表面7Aと柱4の側面4Cとがほぼ同一面となっている。
図1及び図2の如く、構造用合板7は、その端縁部分7Bが柱4の段付部4Dに配置された状態で、段付部4Dの長手方向に沿って所定のピッチで打ち付けられた複数の釘8により柱4に張り付けられている。また、構造用合板7は、その上端縁部分7Eが梁5の段付部41に配置された状態で、段付部41の長手方向に沿って所定のピッチで打ち付けられた複数の釘8により梁5に張り付けられている。さらに、構造用合板7は、幅方向の中心となる中心線部分が間柱40の側面に沿うように配置されるとともに、所定のピッチで打ち付けられた複数の釘8により間柱40に張り付けられている。
そして、耐力壁1の構造用合板7側の床を構成する床面材9は、その端縁部分が隙間10の内部に挿通されるとともに、土台3の上面3Aに載置され、この状態で、接合具、例えば、複数の釘により床側水平軸組材である土台3に接合されている。
ここで、本発明に基づく耐力壁1は、床面材9の端縁部分の上方を押さえるように配置された受材50を有するものとなっている。この受材50は、構造用合板7の下端縁と床面材9の端縁部分とが形成する入隅部分に応じた長方形の断面形状を有する角材であり、前述の入隅部分に接するように設けられている。
さらに、間柱40の下端部も、接合具、例えば、複数の斜め釘により床面材9に接合されている。これにより、構造用合板7及び床面材9は、間柱40によっても相互に連結され、間柱40の下端部は、床面材9を介して床側水平軸組材である土台3に連結されている。
なお、受材50及び間柱40によって構造用合板7及び床面材9を相互に連結したことにより、6倍率以上の耐力を耐力壁1に確保させることが図れるようになっている。
この際、天井面材11は、耐力壁1の部分で途切れたものとなっている。一方、耐力壁1の構造用合板7は、天井面材11の下方から途切れずに当該天井面材11の上方まで延びたものとなっている。換言すると、天井面材11及び構造用合板7の取り合いについては、いわゆる「壁勝ち」となっている。
ここで、構造用合板7を接合している複数の釘8のピッチPは、50mm以上200mm未満の範囲に設定され、これにより、構造用合板7の柱4への接合強度が確保され、ひいては、耐力壁1の水平力に対する耐力が充分確保されている。
次に、本実施形態に係る耐力壁1の構築手順について簡単に説明する。
まず、土台3の上面3Aの所定位置に柱4をそれぞれ立設し、これらの柱4の上端部を梁5で連結し、これにより、四角形状の枠材6を形成する。
この後、その幅方向の中心となる中心線上に間柱40が取り付けられた構造用合板7を枠材6に取り付ける。続いて、土台3の上面3Aと、構造用合板7の下端面7Cとの間の隙間10に、床面材9の端縁部分を挿入し、この状態で、土台3に床面材9を接合する。
なお、本実施形態に係る耐力壁1は、次の構築手順でも構築できる。
すなわち、四角形状の枠材6の形成後、先に、床面材9を土台3に接合し、床を構築してしまう。この後、枠材6の所定位置に間柱40を取り付けてから、構造用合板7を枠材6に張り付ける。この後、構造用合板7の下端縁と床面材9の端縁部分とが形成する入隅部分に受材50を配置するとともに構造用合板7及び床面材9の両方に接合し、以上のような手順でも、本実施形態に係る耐力壁1の構造部分を構築することができる。
非耐力壁20は、耐力壁1と同様に、土台3及び梁5並びに柱4により形成された四角形状の枠材6を備えているが、構造用合板7、間柱40及び受材50が省略されたものであり、換言すれば、単なる四角形状の枠材6からなる構造体を有している。なお、非耐力壁20を構成する柱4及び梁5は、それぞれ段付部4D, 41が省略されている。
内壁21は、内壁21を設置すべき位置に沿って、耐力壁1及び非耐力壁20を連続するように配列したものである。
なお、耐力壁1及び非耐力壁20の両側に張り付けられた内壁下地面材22の間には、遮音材23が充填されている。
また、耐力壁1及び非耐力壁20の枠材6に設けられた床側水平軸組材である土台3は、内壁21を設置すべき位置に沿って延びている。
そして、内壁21の両側に配置された床面材9の端縁部分9Aは、両方とも土台3の上面3Aの上に載置されている。このうち、一方の床面材9の端縁部分9Aは、構造用合板7の下方の隙間10(図示略)を通って土台3の上面3Aに達している。
外壁25は、建物の外周部分に沿って、耐力壁1及び非耐力壁20を連続するように配列したものである。
すなわち、耐力壁1の図5及図6中右側の面は、屋内側となっており、耐力壁1に設けられた枠材6の屋内側の面には、図5の如く、内壁面を形成するための内壁下地面材22が張り付けられている。一方、非耐力壁20に設けられている枠材6の屋内側の面には、耐力壁1と同様に、内壁面を形成するための内壁下地面材22が張り付けられている。
一方、非耐力壁20に設けられている枠材6の屋内側の面には、耐力壁1と同様に、外壁面を形成する外壁仕上面材26が張り付けられている。
そして、耐力壁1側の枠材6の屋内側に張り付けられた内壁下地面材22は、非耐力壁20側の枠材6の屋内側に張り付けられた内壁下地面材22と互いの表面が連続し、且つ、耐力壁1側の枠材6の屋外側に張り付けられた外壁仕上面材26は、非耐力壁20側の枠材6の屋外側に張り付けられた外壁仕上面材26と互いの表面が連続している。これにより、耐力壁1と非耐力壁20とで外壁25が形成されるようになっている。
ここで、図6に示すように、外壁25の屋内側、換言すれば、枠材6の屋内側に設けられる部屋の床を形成する床面材9は、その端縁部分9Bが柱4と干渉するのを回避するために、柱4の平面形状に応じた切り欠き部である逃げ部28が形成されている。
また、耐力壁1及び非耐力壁20の枠材6に設けられた土台3は、建物の外周部分に沿って延びるものとなっている。そして、外壁25の屋内側に配置された床面材9の端縁部分9Bは、構造用合板7の下方の隙間10(図示略)を通って土台3の上面3Aに達している。
一方、外壁25を形成している非耐力壁20は、断熱材27を収納している図示しない収納袋により屋外側との高気密性が確保されている。すなわち、非耐力壁20の内部に設けられている断熱材27は、合成樹脂製の図示しない収納袋の内部に収納されている。この収納袋の周縁部分には、当該収納袋を形成しているシート材のはみ出し部分である耳部が設けられている。収納袋の耳部は、枠材6と内壁下地面材22との間に介装され、枠材6と内壁下地面材22との間の隙間を塞ぐものとなっている。これにより、非耐力壁20の室内側と屋外側との高気密性が確保されている。
また、耐力壁1及び非耐力壁20としては、建築現場で原材料の状態の軸組材及び合板等を所定の寸法に切断して組み合わせたものだけでなく、工場等で枠材6の状態まで組み立てた後、あるいは、枠材6の両面に内壁下地面材22及び外壁仕上面材26等を張り付けた状態まで組み立てた後、建築現場まで搬送されたものも採用できる。
前述のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
また、耐力壁1の枠材6に張り付けられた構造用合板7の表面7Aが枠材6を形成する柱4の側面4Cよりも外側に迫り出さないようにし、これにより、非耐力壁20と併用して外壁25あるいは内壁21を形成するにあたり、表面位置の調整を行う調整材を非耐力壁20の枠材6に取り付けなくとも、耐力壁1の枠材6に張り付けられた外壁仕上面材26又は内壁下地面材22の表面と、非耐力壁20の枠材6に張り付けられた外壁仕上面材26又は内壁下地面材22の表面とが互いに同一面を形成するようにしたので、調整材を用いて非耐力壁20側の外壁仕上面材26又は内壁下地面材22の表面位置を耐力壁1側に揃える必要がなくなり、外壁25及び内壁21の構築作業を容易にすることができる。
従って、非耐力壁20との併用により外壁25あるいは内壁21を形成するにあたり、外壁仕上面材26又は内壁下地面材22の表面位置を調整する調整材が不要となり、外壁25及び内壁21を構築する作業が容易に行えるうえ、非耐力壁20との併用により形成された外壁25あるいは内壁21に沿って床を形成するにあたり、床面材9を支持するための床受部材や根太掛部材が不要となり、床の構築する作業が容易に行え、ひいては、耐震性能に優れた建物の建築コストを低減することができ、しかも、3倍率以上の耐力を耐力壁1に確保することができる。
また、構造用合板7の表面7Aが梁5の側面5Cよりも外側に迫り出さないように、梁5に段付部41を設けたので、構造用合板7の上端縁が梁5の段付部41に到達するように、構造用合板7の高さ寸法を延長するだけで、構造用合板7の上端縁を梁5の段付部41に接合することができ、梁5の段付部41に構造用合板7を接合することにより、耐力壁1の構造を大幅に変更することなく、耐力壁1の耐力を更に強化することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形及び改良などをも含むものである。
また、受材を釘で床面材に接合するにあたり、受材を接合する釘として、床面材を支持する床側水平軸組材にまで達するものを採用し、この釘で受材を床面材に接合するのと同時に、当該受材を床側水平軸組材にも接合するようにしてもよい。
3 水平軸組材としての土台
3A 床側水平軸組材である土台の上面
4 鉛直軸組材としての柱
4C 構造用面材が張り付けられる鉛直軸組材の側面
4D 凹み部としての段付部
4E 複数の鉛直軸組材の互いに対向する側面
4F 凹み部としての溝部
5 水平軸組材としての梁
6 枠材
7 構造用面材としての構造用合板
7A 構造用面材の表面
7B 構造用面材の端縁部分
7C 構造用面材の下端面
8 釘
9 床面材
9A 床面材の端縁部分
10 隙間
20 非耐力壁
21 内壁
22 内壁下地面材
25 外壁
26 外壁仕上面材
27 断熱材
40 間柱
41 天井側水平軸組材の段付部
50 受材
Claims (5)
- 水平方向に延びる水平軸組材と鉛直方向に延びる鉛直軸組材とで形成される四角形状の枠材と、水平力に対する耐力を確保するために、前記枠材の開口を塞ぐように前記枠材に張り付けられた構造用面材とを備えた耐力壁であって、
前記構造用面材の表面が前記鉛直軸組材の側面よりも外側に迫り出さないように、前記鉛直軸組材の表面を凹ました凹み部が設けられ、この凹み部に前記構造用面材の端縁部分が配置された状態で前記構造用面材が前記鉛直軸組材に張り付けられ、
前記水平軸組材のうち、床側に配置された床側水平軸組材の上面と前記構造用面材の下端面との間に隙間が設けられ、
この隙間に床を構成する床面材の端縁部分が配置され、
前記構造用面材の下端縁と前記床面材の端縁部分とが形成する入隅部分に応じた断面形状の受材が当該入隅部分に接するように設けられ、
この受材が前記構造用面材及び前記床面材の両方に接合され、当該受材を介して前記構造用面材と前記床面材とが連結されていることを特徴とする耐力壁。 - 前記構造用面材の表面と前記鉛直軸組材の側面とがほぼ同一面となるように、前記鉛直軸組材の前記側面を段付状に凹ました段付部が前記凹み部として設けられていることを特徴とする請求項1記載の耐力壁。
- 前記水平軸組材のうち、天井側に配置された天井側水平軸組材の側面と、前記構造用面材の表面とがほぼ同一面となるように、前記天井側水平軸組材の前記側面を段付状に凹ました段付部が設けられていることを特徴とする請求項2記載の耐力壁。
- 前記枠材を形成する鉛直軸組材の間に間柱が設けられ、この間柱は、その下端と前記床側水平軸組材の上面との間に隙間が設けられ、且つ、当該下端が前記隙間に配置された前記床面材に接合されるとともに、その上端が天井側に配置された天井側水平軸組材に接合され、
前記構造用面材は、前記間柱の側面に沿うように配置されるとともに、当該間柱に接合されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の耐力壁。 - 前記構造用面材は、釘で前記鉛直軸組材に張り付けられ、前記構造用面材を前記鉛直軸組材に張り付けている釘は、その長さがその直径の16倍以上あることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の耐力壁。
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