JP2006089330A - ディスプレイ用排気管ガラスおよびディスプレイ用排気管 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、熱膨張係数が小さい基板を用いても割れやリークが発生しにくいとともに、パネル内部のガスの排気から希ガスを導入密封するに至る工程で軟化変形せず、短時間で熔断・封止しやすいディスプレイ用排気管ガラスおよびそのガラスを用いて作製したディスプレイ用排気管を提供することである。
【解決手段】本発明のディスプレイ用排気管ガラスは、SiO2−Al2O3−B2O3系ガラスであって、含有するホウ素をB2O3として換算し、含有するR(RはLi、NaおよびKから選ばれる1種以上)をR2Oとして換算した時の質量比(B2O3/R2O)が0.88〜4.0であることを特徴とし、本発明のディスプレイ用排気管は、SiO2−Al2O3−B2O3系ガラスであって、含有するホウ素をB2O3として換算し、含有するR(RはLi、NaおよびKから選ばれる1種以上)をR2Oとして換算した時の質量比(B2O3/R2O)が0.88〜4.0であるガラスからなることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】本発明のディスプレイ用排気管ガラスは、SiO2−Al2O3−B2O3系ガラスであって、含有するホウ素をB2O3として換算し、含有するR(RはLi、NaおよびKから選ばれる1種以上)をR2Oとして換算した時の質量比(B2O3/R2O)が0.88〜4.0であることを特徴とし、本発明のディスプレイ用排気管は、SiO2−Al2O3−B2O3系ガラスであって、含有するホウ素をB2O3として換算し、含有するR(RはLi、NaおよびKから選ばれる1種以上)をR2Oとして換算した時の質量比(B2O3/R2O)が0.88〜4.0であるガラスからなることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、ディスプレイ用排気管ガラスと、これにより作製されたディスプレイ用排気管に関し、特にプラズマディスプレイパネル(PDP)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造時にパネル内部のガスを排気する、または、パネル内部にガスを封入するために使用するディスプレイ用排気管に適したガラスと、そのガラスを用いて作製したディスプレイ用排気管に関するものである。
近年、大型平面テレビや壁掛けテレビとして、液晶ディスプレイ(LCD)、PDPなどのFPDの開発が急速に進められている。
PDPは、前面板と背面板の間に微小なセルが縦横方向に規則正しく形成されており、前記セル内部で放電するとセル内部に封入された希ガスから紫外線が放射され、その紫外線を吸収した蛍光体が可視光線の蛍光を発することで文字や画像を表示するというものである。
従って、PDPの製造工程において、パネル内部(前面板と背面板の間)に所定量の希ガスを密封する工程が必須となる。
この工程は、まずPDPの背面板の非表示部分に直径数mmの孔を設け、この孔を覆うように内径2〜5mm、長さ50〜400mm程度のガラス管、いわゆるディスプレイ用排気管(以後、排気管と称す。)を配設し、ガラスペーストやタブレットを用いて400〜500℃程度の温度で排気管と背面板とを封着する。
続いて、パネル全体を数百℃程度に加熱しながら前記排気管からパネル内部のガスを一旦排気し、高真空に保持した後、排気管からパネル内部に必要な量の希ガスを注入する。パネル内部のガスを排気して高真空にするには長時間を必要とすることから、最近では加熱温度を上げ、おおよそ400℃で排気し、所要時間の短縮が図られている。
最後に、フラットパネルディスプレイとしての最大の特徴であるディスプレイ本体の厚さを薄くするため背面板からできる限り近い位置で、ガラスからなる排気管を加熱し、熔断・封止することによって希ガスを密封するというものである。
排気管には、パネル内部のガスの排気から希ガスを導入密封するまでの工程において軟化変形しないこと、熔断・封止しやすいこと、および基板と封着した後に封着部がリークしにくいことが求められる。
PDPの基板としては、ソーダ石灰ガラス(熱膨張係数:80〜90×10-7/℃)やPDPの基板用途として開発された高歪点ガラス(熱膨張係数:80〜85×10-7/℃)が使用されている。それに対して、排気管には鉛ガラスが使用されていたが、環境上の問題から鉛を含有しない特許文献1や2のようなガラスが使用されている。
特開2000−7373号公報
特開2003−261352号公報
PDPを作製するためには、基板と排気管とを封着する等の熱処理工程が必要であるが、熱処理工程の前後における加熱や冷却によって基板に熱衝撃が加わり、破損するおそれがあった。そこで、熱衝撃を軽減するために、熱膨張係数が60〜80×10-7/℃の基板が開発されている。
しかし、特許文献1や2のガラスからなる排気管をこの基板に対して用いると、封着後に熱膨張係数の差に起因する応力が生じ、封着部で排気管もしくは基板の割れが生じ、または、破損に至らなくても微小なクラックが生じ、排気管と基板との封着部でのリークが発生しやすいという問題を有していた。
また、上記排気管を短時間で加熱封止するために封止用バーナーの火力を強めると、熱膨張係数が大きいため、熱衝撃によってまたは封止部近傍に残留する応力によって破損するおそれがある。このため、排気管の封止を短時間で行なうことが困難であった。
本発明の目的は、熱膨張係数が小さい基板を用いても割れやリークが発生しにくいとともに、パネル内部のガスの排気から希ガスを導入密封するに至る工程で軟化変形せず、短時間で熔断・封止しやすいディスプレイ用排気管ガラスおよびそのガラスを用いて作製したディスプレイ用排気管を提供することである。
本発明のディスプレイ用排気管ガラスは、SiO2−Al2O3−B2O3系ガラスであって、含有するホウ素をB2O3として換算し、含有するR(RはLi、NaおよびKから選ばれる1種以上)をR2Oとして換算した時の質量比(B2O3/R2O)が0.88〜4.0であることを特徴とする。
また、本発明のディスプレイ用排気管は、SiO2−Al2O3−B2O3系ガラスであって、含有するホウ素をB2O3として換算し、含有するR(RはLi、NaおよびKから選ばれる1種以上)をR2Oとして換算した時の質量比(B2O3/R2O)が0.88〜4.0であるガラスからなることを特徴とする。
本発明のディスプレイ用排気管ガラスは、熱膨張係数が60〜80×10-7/℃の基板を用いても割れやリークが発生しにくいとともに、希ガスの密封工程で軟化変形せず、熔断・封止を容易に行なうことができる。
つまり、ディスプレイ用排気管ガラスと基板ガラスとの熱膨張係数の差が小さいため、熱膨張係数の差に起因する応力が発生しにくく、基板や排気管の割れや、基板と排気管との封着部でのリークを抑制できる。また、熱膨張係数が小さいため加熱封止時に熱衝撃が加わりにくく、また、封止部近傍の残留応力も小さくなり、短時間で熔断・封止することができる。
また、本発明のディスプレイ用排気管ガラスの歪点が、希ガスの密封工程における熱処理温度(約400℃)よりも高くなるため、密封工程において排気管が変形しない。
さらに、本発明のディスプレイ用排気管ガラスの作業温度が、970℃以下となるため、熔断・封止を容易に行なうことができる。なお、作業温度とは、ガラスの粘度が104dPa・sとなる温度を指す。
質量比(B2O3/R2O)が0.88よりも小さいと、熱膨張係数が大きくなる傾向があり、基板ガラスとの熱膨張係数の差に起因する応力が生じるため封着部で破損またはリークする場合があるとともに、加熱封止時の火力を強くすると熱衝撃や封止部近傍の残留応力よって破損しやすい傾向があり、封止時間を短縮できない。一方、4.0よりも大きいと、ホウ酸に起因する揮発物が増加する傾向があるため、均一なガラスが得られず、ガラス管の厚みや管径が不均一となる傾向がある。また、熱膨張係数は小さくなる傾向があり、基板ガラスの熱膨張係数と整合できず封着部で破損またはリークするおそれがある。質量比(B2O3/R2O)の好ましい範囲は0.9〜3.9、さらに好ましくは0.92〜3.8である。
本発明のディスプレイ用排気管ガラスは、30〜380℃における熱膨張係数が55〜74.9×10-7/℃であると、熱膨張係数が60〜80×10-7/℃の基板ガラスとの間で熱膨張係数の差が小さいため、封着部の応力が小さくなる。そのため、封着部で破損またはリークが発生しにくい。また、加熱封止時に受ける熱衝撃や封止部近傍の残留応力が小さくなるため、短時間で加熱封止することができる。好ましい熱膨張係数の範囲は58〜74.5×10-7/℃、さらに好ましい範囲は61〜73.5×10-7/℃である。
本発明のディスプレイ用排気管ガラスは、歪点が420℃以上であるとより好ましく、440℃以上であるとさらに好ましい。
また、本発明のディスプレイ用排気管ガラスは、作業温度が950℃以下であると、熔断・封止を容易に行なうことができるためより好ましい。
本発明のディスプレイ用排気管ガラスは、質量%で、SiO2 50〜75%、Al2O3 1〜20%、B2O3 7〜25%、R2O 6〜19%を含有すると好ましい。
上記組成範囲に限定した理由を以下に記載する。
SiO2は、ガラスのマトリックスを形成する必須の成分であるが、75%よりも多いと、ガラスの粘度が高くなることによって溶融が難しくなり、ブツ、脈理、気泡を多く含んだガラスとなる傾向がある。一方、50%よりも少ないと、耐候性が著しく悪化し、電子機器としての信頼性を保てなくなるおそれがある。SiO2の好ましい範囲は53〜73%、さらに好ましくは55〜70%である。
Al2O3は、ガラスの耐候性を向上させる効果が大きく、また、ガラスの失透を抑えるのに有効であるが、1%よりも少ないとその効果が得られにくく、20%よりも多いとガラスの粘度が高くなる傾向があり、ガラスを溶融しにくい。Al2O3の好ましい範囲は1.8〜16%、さらに好ましくは2.3〜14%である。
B2O3は、ガラスの粘度を小さくし、さらに耐候性を向上させる成分であるが、25%より多いと逆に耐候性が低下するとともに、溶融時のホウ酸に起因する成分の揮発量が多くなる傾向があり、均質性の高いガラスを得にくい。一方、7%よりも少ないとガラスの粘度を小さくしたり、耐候性を向上させたりする効果が得られにくい。B2O3の好ましい範囲は7.5〜24%、さらに好ましくは8〜23%である。
R2Oは、ガラスの粘度を下げるとともに、熱膨張係数を大きくする成分である。6%よりも少ないとガラスの熱膨張係数を大きくする効果が小さくなるため、熱膨張係数が小さくなる傾向がある。一方、19%よりも多いと熱膨張係数が大きくなり過ぎるため、60〜80×10-7/℃の熱膨張係数を有する基板との整合性が得られにくい。R2Oの好ましい範囲は6.5〜18%、さらに好ましくは7〜17%である。
Li2Oは、ガラスの粘度を下げる効果が特に大きく、鉛系ガラスと同等の低粘度を達成するために非常に有用な成分であるとともに、熱膨張係数を大きくする効果を有する。しかし、含有量が9%を超えるとガラスが急激に失透しやすくなり、安定してガラスを生産しにくくなる傾向がある。Li2Oの好ましい範囲は0.5〜8%、さらに好ましくは1〜7%である。
Na2Oは、ガラスの粘度を下げるとともに熱膨張係数を大きくする効果を有する有用な成分であるが、10%を超えると熱膨張係数が高くなりすぎるとともに、耐候性が大きく低下する傾向がある。Na2Oの好ましい範囲は1〜9%、さらに好ましくは1.5〜8%である。
K2Oは、Na2Oと同様にガラスの粘度を下げるとともに熱膨張係数を大きくする効果を有する成分であるが、18%を超えると熱膨張係数が高くなりすぎ、またガラスの失透性が悪化する。K2Oの好ましい範囲は0〜16%、さらに好ましくは0〜15%である。
上記した以外の成分について記載する。
PbOは、環境負荷物質であるため、実質的に含有しないことが好ましい。なお、本明細書において、ある物質を実質的に含有しないとは含有量が0.1%以下であることを指す。
清澄剤として、Sb2O3、As2O3、SnO2、F2、Cl2等をそれぞれ1%まで含有することができる。しかし、As2O3は、環境負荷物質であるため、実質的に含有しないことが好ましい。
CaO、MgO、SrO、BaO等のアルカリ土類金属酸化物やZnOは、粘度を下げ、加熱溶封しやすくさせる有用な成分であるが、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合量は、18%を超えるとガラスが失透しやすくなる傾向があり、特にダンナー法を用いてガラス管を成形するスリーブ上で失透しやすくなり、均質で寸法精度の高いガラス管が得られにくい。これらの合量の好ましい範囲は17%以下、さらに好ましくは16%以下である。
SrO、CaO、MgOは、ガラスの溶解を促進するとともに、ガラスの耐久性を高める成分であり、ガラスの粘度を下げる効果も大きいためそれぞれ5%まで含有させることができる。5%よりも多いと失透しやすい傾向があるため好ましくない。
ZnOおよびBaOは、SrO、CaO、MgOと同様にガラスの溶解を促進すると共に、ガラスの耐久性を上げる作用があり、ガラスの粘度を下げる効果も大きい。また他のアルカリ土類金属酸化物と比較し、多く加えても失透しにくいので18%まで添加することができる。18%を越えると他のアルカリ土類金属酸化物同様に失透しやすくなる傾向がある。
耐候性を高めるために、また、歪点を高めるためにZrO2を5%まで添加することができる。5%よりも多いと、粘度が高くなりすぎ、溶融温度が高くなる傾向があるため好ましくない。好ましい範囲は4%以下、さらに好ましくは3.5%以下である。
上記以外にも、種々の成分を添加することは可能である。特にFe2O3は、不純物としても含まれやすい成分であるが、赤外域にFe2+に起因する吸収を有するため、加熱封止時にバーナー火炎の赤外線を排気管ガラスが吸収しやすくなり、より短時間で封止が可能となる。ただし、Fe2O3が3%を越えるとガラス溶解炉におけるガラス原料からガラス融液へ溶融する工程で重油や天然ガスなどを用いた燃焼炎の赤外線が溶融ガラス表層で吸収され溶融ガラス全体に熱が届きにくくなるため、均一なガラス溶解が困難になる傾向がある。
本発明のディスプレイ用排気管ガラスは、β−OH量が0.8/mmよりも少ないと、排気管を加熱封止する際に軟化した部位からパネル内部に水分が放出されにくく、水分による蛍光体の劣化を抑制できるため好ましい。なお、β−OH量は、赤外線吸収スペクトルを測定し、以下の式を用いて算出した。
β−OH量(/mm)=[log(T3850/T3500)]/t
T3850:3850cm-1の透過率(%)
T3500:3500cm-1付近の最小透過率(%)
t:スペクトル測定時の結晶性ガラスの板厚(mm)
T3850:3850cm-1の透過率(%)
T3500:3500cm-1付近の最小透過率(%)
t:スペクトル測定時の結晶性ガラスの板厚(mm)
次に、ディスプレイ用排気管の製造方法について説明する。
まず、上記したようなガラス組成となるように原料を調合し、溶融する。
次に、溶融ガラスをダンナー法、ダウンドロー法、アップドロー法等の成形方法を用いて所定の内径と外径を有するガラス管を作製し、所定の寸法に切断することによって排気管を作製する。基板ガラスと排気管ガラスとを封着するために用いるガラスペーストまたはタブレットを取り付けやすくするために、必要に応じて、排気管の片端をフレア加工する。
以下に、排気管と基板との封着方法について説明する。
まず、直径数mmの孔を基板ガラスの非表示部に設ける。
次に、排気管の軸心および基板ガラスに設けた孔の中心が略同心となるように排気管と基板ガラスの間に封着材料を配置し、治具を用いて排気管と基板ガラスを挟み、固定する。
封着材料として、ガラスペーストまたはタブレットが用いられる。
ガラスペーストは、低融点ガラス粉末とフィラー粉末の混合物をバインダーと溶媒からなるビークルと混合したものであり、タブレットは、低融点ガラス粉末とフィラー粉末の混合物と樹脂バインダーとを混合してなる造粒物を、プレス成型した後、脱バインダー焼成した成型体を指す。
封着材料としてガラスペーストを用いる場合は、排気管の基板ガラスとの接合面にガラスペーストを塗布し、乾燥させた後、脱バインダー焼成してペースト付き排気管を作製し、前記排気管を基板ガラスに固定する方法と、孔の設けられた基板ガラスの排気管が接合される位置にガラスペーストを塗布し、乾燥させた後、脱バインダー焼成してペースト付き基板を作製し、前記基板に排気管を固定する方法が用いられる。
封着材料としてタブレットを用いる場合は、排気管と基板ガラスの間にタブレットを配設して固定する方法が用いられる。
最後に、固定された排気管と基板ガラスを約400〜500℃まで加熱し、基板ガラスと排気管を封着する。
ガラスペーストやタブレットには、鉛を実質的に含有しないことが好ましい。
次に、排気管の封止方法について説明する。
まず、排気管を真空ポンプにつなぎ、ディスプレイパネルを約400℃に加熱し、パネル内部のガスを排気して、高真空にする。
続いて、排気管から所定量の希ガスをパネル内部に注入する。
最後に、バーナーを用いて排気管を軟化させ、熔断・封着する。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
表1〜4に試料1〜24を示す。なお、試料22は従来から使用されている鉛ガラスである。
試料は以下のようにして作製した。
まず、表中に記載の組成となるように調合した原料を白金ルツボに投入し、1500℃で2時間溶融した。
続いて、溶融ガラスをカーボン製の成形板の上に流し出した後、560℃に保持された箱型カンタル式アニール炉に入れ、4℃/分の平均冷却速度で炉冷して試料を作製した。
熱膨張係数は、30〜380℃において試料を外径3.5mm、長さ50mmの円柱状に加工し、ディラトメータを用いて測定した。
密度は、アルキメデス法を用いて測定した。
歪点は、ASTM C336−71に基づいて測定した。
軟化点は、ASTM C 388に準拠するファイバエロンゲーション法によって測定した。
作業温度は、ストークスの法則に基づく白金球引き上げ法を用いてガラスの粘度が104dPa・sとなる温度を求めた。
表1〜3より明らかなように、試料1〜20は、熱膨張係数が55.2〜74.7×10-7/℃であり、熱膨張係数が60〜80×10-7/℃のガラス基板を用いても熱膨張係数の差が小さいため、基板と排気管との封着部において熱膨張係数の差に起因する応力が発生しにくく、封着部でリークしにくいものと考えられる。
また、歪点は425〜504℃、軟化点は494〜663℃、作業温度は601〜960℃であった。
一方、表4から明らかなように、試料21は、熱膨張係数が46.8×10-7/℃であり、試料22〜24は、熱膨張係数が78.7〜95.0×10-7/℃であり、熱膨張係数が60〜80×10-7/℃のガラス基板を用いた場合熱膨張係数の差が大きいため、基板と排気管との封着部において熱膨張係数の差に起因する応力が大きくなり、ヒビ割れや封着部でのリークが発生しやすいものと考えられる。
本発明のディスプレイ用排気管ガラスおよびそれからなるディスプレイ用排気管は、PDP用途だけでなく、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、プラズマアドレスリキッドクリスタルディスプレイ(PALC)、表面電界ディスプレイ(SED)および蛍光表示管(VFD)の用途にも好適に使用可能である。
Claims (4)
- SiO2−Al2O3−B2O3系ガラスであって、含有するホウ素をB2O3として換算し、含有するR(RはLi、NaおよびKから選ばれる1種以上)をR2Oとして換算した時の質量比(B2O3/R2O)が0.88〜4.0であることを特徴とするディスプレイ用排気管ガラス。
- 30〜380℃における熱膨張係数が55〜74.9×10-7/℃であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ用排気管ガラス。
- 質量%で、SiO2 50〜75%、Al2O3 1〜20%、B2O3 7〜25%、R2O 6〜19%を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のディスプレイ用排気管ガラス。
- 請求項1〜3に記載のいずれかのディスプレイ用排気管ガラスからなることを特徴とするディスプレイ用排気管。
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JP2004276812A JP2006089330A (ja) | 2004-09-24 | 2004-09-24 | ディスプレイ用排気管ガラスおよびディスプレイ用排気管 |
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Cited By (2)
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WO2009139427A1 (ja) * | 2008-05-14 | 2009-11-19 | 株式会社オハラ | ガラス |
CN102745887A (zh) * | 2011-04-21 | 2012-10-24 | 日本电气硝子株式会社 | 排气管及使用其的料片一体型排气管 |
-
2004
- 2004-09-24 JP JP2004276812A patent/JP2006089330A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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