JP2006089310A - ガラス粉末及びこれを含む導体ペースト - Google Patents

ガラス粉末及びこれを含む導体ペースト Download PDF

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Abstract

【課題】緻密で、素体との接着強度が高く、且つ、耐めっき液性が極めて優れ、薄膜化にも対応可能な端子電極を形成することのできる導体ペースト、並びに、この導体ペーストに好適に用いられるガラス粉末を提供することにある。
【解決手段】SiO、Al、RO(Rはアルカリ金属)及びR’O(R’はアルカリ土類金属)、又はこれらの成分に更にBを含有するガラス粉末であって、該ガラス粉末中における前記各成分の重量%による含有率が下記式(1)を満たすと共に、該ガラス粉末の軟化点Ts〔℃〕及びガラス転移点Tg〔℃〕が、130≦(Ts−Tg)≦280を満たすことを特徴とするガラス粉末、酸化物換算で下記の組成からなる成分を含有し、下記式(1)を満たすことを特徴とするガラス粉末、及び該ガラス粉末用いた導体ペースト。
(RO+R’O+B)/SiO≦0.95 ・・・・・ (1)
【選択図】図1

Description

本発明は、コンデンサ、インダクタ等の積層セラミック電子部品(以下単に「積層電子部品」と言う)の端子電極を形成するのに適した導体ペースト、並びに当該導体ペーストに好適に用いられるガラス粉末に関する。
積層電子部品は、一般に次のようにして製造される。
先ず、誘電体、磁性体等の未焼成セラミックシート上に、内部電極用導体ペーストを所定のパターンで印刷する。このシートを複数枚積み重ね、圧着してセラミックシートと内部電極ペースト層とが交互に積層された未焼成の積層体を得る。得られた積層体を所定の形状のチップに切断した後、高温で焼成してセラミック素体(以下単に「素体」と言う)とする。次いで、該素体の内部電極の露出する端面に、導電性粉末と、ガラス粉末等の無機結合剤とを有機ビヒクルに分散させた端子電極ペーストをディッピング、刷け塗り、スクリーン印刷等種々の方法により塗布し、乾燥後、高温で焼成して、内部電極と電気的に接続した端子電極を形成する。この後、必要に応じて該端子電極上にニッケルめっき層を形成した後、半田付け性の良いスズ若しくはその合金からなるめっき層が、電気めっきにより形成される。内部電極材料としては、従来、Pd、Ag、Ag−Pd、Pt等の貴金属が用いられており、また、近年ではNiやCu等の卑金属材料も用いられるようになってきている。
一方、端子電極にはこれら内部電極材料と良好な電気的接続を形成しやすい金属が用いられ、Ag、Au、Pd、Pt、Ni、Co、Cuやこれらの合金が用いられている。特に端子電極材料に卑金属を用いる場合は、卑金属が酸化して導電性が低下するのを防止するため、非酸化性雰囲気中、即ち、窒素や水素−窒素などの不活性雰囲気中もしくは還元性雰囲気中において、ピーク温度700〜900℃程度で焼成が行われる。このような非酸化性雰囲気中で焼成しても導電性、接着性等、電極特性の優れた端子電極を形成するためには、端子電極に含まれる無機結合剤として、非酸化性雰囲気中で焼成しても安定な耐還元性ガラスを用いる必要がある。
また、端子電極膜に電気めっき処理を行う際、酸性の電気めっき液によってガラス成分が変質し溶解することでガラスの構造が破壊され、素体との接着強度が大きく低下することがある。また、この際にガラス成分の溶けた部分や、焼成膜中のボイド等から電極膜中に浸み込んだめっき液が原因となり、絶縁抵抗の低下や素体クラックの発生を招く他、浸入しためっき液が半田リフロー時に熱せられてガス化し、溶融した半田が飛び散る所謂「半田爆ぜ現象」を引き起こすことがある。このため、積層電子部品の端子電極を形成する導体ペーストに使用されるガラスには、酸性めっき液に侵されにくく、且つ、緻密な焼成膜を形成し得る特性が要求されている。
従来、このような目的から、端子電極には一般にBa系や、Zn系のガラスが用いられてきた(特許文献1)。また、Si成分の多いアルカリシリケートガラスを用いることも検討されている(特許文献2、特許文献3)。
特開2003−246644号公報 特開2003−347148号公報 特開2002−25337号公報
近年、積層セラミック部品に対する高容量化、高性能化、信頼性の向上の要求はますます厳しくなっている。特に小型大容量の積層セラミックコンデンサにおいては、小型化に伴って端子電極の薄膜化の要求が高まっており、膜厚が50μm以下のもの、さらには膜厚が20μmの薄いものも要求されるようになってきた。このように薄い電極膜で、従来と同等以上の優れた電極特性を得るためには、より緻密で、素体との接着強度が大きく、また耐めっき液性の優れていることが必要である。
しかし前記Ba系ガラスやZn系ガラスを用いたペーストは、端子電極をこのような要求に応えて薄膜化した場合、十分な特性が得られなくなるという問題があり、比較的耐酸性が良好なZn系ガラスを用いた場合でも耐めっき液性が不十分となる。これは次のように考えられる。
即ち、従来のBa系ガラスやZn系ガラスは、ガラス自体の耐酸性はそれほど高くない。しかし、これらのガラスは、導電性粉末とともに焼成される際、ボイドの少ない緻密な焼成膜構造を形成することによって、めっき液の膜への浸み込みを抑制すると共に、特にZn系ガラスの場合にはガラスと素体との間により強固な反応層が形成され、接着強度や膜強度が高められて、めっき液が浸み込んでも強度劣化が起こりにくくなっていると考えられる。それ故、Ba系ガラスやZn系ガラスにおいては、電極膜に或る程度の厚みがある場合には、その焼成膜構造により、焼成膜全体として耐めっき液性を備えるが、電極の膜厚が薄くなってくると、これらのガラスでは限界がある。
一方、前記アルカリシリケートガラスを用いると、ガラス自体の耐酸性が大きく、電極膜の耐めっき液性は或る程度向上する。しかし、軟化点を下げるためにアルカリ金属成分を多く含むため、流動性が大きく、ガラスが素体に浸み込んで素体強度の低下やクラックを引き起こしやすい。また、電極表面にガラス浮きを起こし、めっきや半田が付きにくくなる問題もある。
本発明者らは、端子電極に酸性めっき液を用いて電気めっき処理する際、ガラス自体が十分な耐酸性を有し、かつ端子電極焼成膜が十分な緻密性を持っていないと、特に薄い電極膜を形成する際に十分な耐めっき液性が得られず、積層部品の信頼性を低下させると考えた。そして、ガラスのめっき液に対する溶解性が小さく、且つ、焼成時に適切な流動特性を示すようなガラスを使用することにより、耐めっき液性が改善されることを見出し、更にガラスの組成について種々の検討を行った結果、本発明に到達したものである。
上述した背景のもとに成された本発明の目的は、緻密で、素体との接着強度が高く、且つ、耐めっき液性が極めて優れ、薄膜化にも対応可能な端子電極を形成することのできる導体ペースト、並びに、この導体ペーストに好適に用いられるガラス粉末を提供することにある。
本発明は、以下の構成からなる。
(1)SiO、Al、RO(Rはアルカリ金属)及びR’O(R’はアルカリ土類金属)、又はこれらの成分に更にBを含有するガラス粉末であって、該ガラス粉末中における前記各成分の重量%による含有率が下記式(1)を満たすと共に、該ガラス粉末の軟化点Ts〔℃〕及びガラス転移点Tg〔℃〕が、130≦(Ts−Tg)≦280を満たすことを特徴とするガラス粉末。
(RO+R’O+B)/SiO≦0.95 ・・・・・ (1)
(2)酸化物換算で下記の組成からなる成分を含有し、下記式(1)を満たすことを特徴とするガラス粉末。
SiO 42.0〜65.0重量%、RO(Rはアルカリ金属) 8.0〜18.0重量%、R’O(R’はアルカリ土類金属) 4.0〜20.0重量%、B 0〜18重量%、Al 3.0〜18.0重量%、La 0〜15重量%
(RO+R’O+B)/SiO≦0.95 ・・・・・ (1)
(3)前記ガラス粉末の軟化点Ts〔℃〕とガラス転移点Tg〔℃〕が130≦(Ts−Tg)≦280を満たすことを特徴とする上記(2)に記載のガラス粉末。
(4)導電性粉末と、上記(1)乃至(3)の何れかに記載のガラス粉末と、有機ビヒクルを含む導体ペースト。
(5)更に亜鉛系ガラス粉末を含むことを特徴とする上記(4)に記載の導体ペースト。
(6)前記導電性粉末が、銅若しくは銅を主成分とする金属粉末であることを特徴とする上記(4)又は(5)に記載の導体ペースト。
本発明のガラス粉末には、ガラス自体の特性として十分な耐酸性が備わっている。それ故、このガラス粉末を含む本発明の導体ペーストを用いて形成された積層電子部品の端子電極は、緻密性及びセラミック素体との接着強度が優れていると共に、薄膜であっても優れた耐めっき液性を示し、めっき液の浸み込みによる接着強度の低下や剥離等の問題を生ずることなく信頼性の高い積層電子部品を提供する。しかも前記導体ペーストは非酸化性雰囲気でも焼成が可能である。
本発明の導体ペーストにおいて導電性粉末は特に限定されず、積層電子部品の端子電極形成用の導体ペーストにおいて通常用いられるAu、Ag、Pt、Pd、Cu、Ni、Co等の金属粉末を用いることができるが、特にCuを含む導電性粉末を用いた場合に本発明の作用効果をより享受することができる。Cuを含む導電性粉末としては、Cu粉末の他、Cuの合金粉末やこれらと他の導電性金属との混合粉末でもよく、またCu粉末の表面に金属酸化物、ガラス、セラミックなどの無機材料を存在させた金属−無機複合粉末や、金属酸化物、ガラス、セラミックなどの粉末や他の金属粉末にCuを被覆した金属−無機複合粉末を用いることもできる。
本発明の導体ペーストに使用されるガラス粉末は、アルカリ金属成分とアルカリ土類金属成分を含有するSiO−Al系ガラスにおいて、特定のガラス構成成分の比率、更にはガラス軟化点Tsとガラス転移点Tgとの温度の差(Ts−Tg)が制御されたものであることを特徴とする。
以下、図1に基づいて説明する。図1は、一般に市販されているガラス粉末をサンプルパンに入れ、示差熱分析を行って得られたDTA曲線である。図1に見られるように、ガラス粉末に熱を加えるとガラス転移点Tgや屈伏点等の特定の温度において吸熱や発熱が生じる。最初に出現する吸熱の開始温度はガラス転移点Tgであることが知られている。
そこで以下の説明においては、ガラス粉末の転移点Tgは示差熱分析により得られたDTA曲線から求めたものを記しており、具体的には、DTA曲線上でベースラインの接線と、ガラス転移による吸熱領域における屈曲後の急峻な位置における接線との交点から求めた値を記載している。
また、図1においてガラス粉末はガラス転移点Tgを過ぎると焼結を開始し、温度Tsまでは粉末の形状を保持し表面が荒れた状態となっている。そして該温度Tsの直前では、粉末同士が最も焼き締まった状態になるが、該温度Tsを越えると流動し始め、急激に粉末としての形状を保つことができなくなって試料表面に光沢を呈し始める様子が観察される。
そこで以下においてガラス粉末の軟化点Tsとは、このような状態変化が出現する温度Tsを言い、具体的には、DTA曲線上でガラス軟化によって生じる屈曲点の前後の急峻な位置において、それぞれ引いた各接線の交点から求めた値を記載している。
本発明のガラス粉末において、ガラス軟化点Tsとガラス転移点Tgとの差(Ts−Tg)の値は、130℃以上280℃以下の範囲内でなければならない。(Ts−Tg)の値は、現象的にはガラスが粘性を持ち始めてから流動を始めるまでの温度に対応する。この値が130℃を下回る場合には、ガラスが素体中に浸透しやすくなり、素体にダメージを与えやすくなる。また、280℃を上回ると、高温で流動しにくくなり、金属粉末の焼結が阻害されて端子電極が緻密になりにくくなる。好ましくは、(Ts−Tg)は150℃以上250℃以下の範囲内である。また、ガラス転移点Tgは500℃以下であることが好ましい。
なお、一般にはアルカリ金属成分やアルカリ土類金属成分を多く含むガラスは耐酸性・耐水性が劣るとされている。しかし、本発明者らによる研究によれば、上述した各成分を特定の比率に制御することで、耐酸性・耐水性に優れ、非酸化性雰囲気焼成でも安定で、セラミック素体との接着強度の大きい緻密な焼成膜を形成し得るガラス粉末が得られた。
以下、本発明で用いるガラスの組成範囲について説明する。なお、以下において本発明のガラスを構成する各成分の含有率%は、特に断らない限り、ガラスの全重量を基にしての重量百分率である。
SiO及びBはガラス形成成分として働き、好ましくはSiOは42.0〜65.0%、Bは0〜18%の範囲で含まれる。SiOがこの範囲を下回るとガラス粉末の耐酸性が低下し、上回ると粘性が高くなって焼結しにくくなる。またBがこの範囲を上回ると耐酸性、耐水性が悪くなり、耐めっき液性が低下する。B/SiOは0.25以下が望ましい。
O及びR’Oは融剤として働き、ガラス軟化点を低下させ、流動性を向上させる効果がある。RO又はR’Oの一方が含まれない場合には、ガラスが結晶化したり、或いは焼成膜が詰まり過ぎてガラス浮きが発生するといった問題が発生しやすくなる。好ましくは、ROは8.0〜18.0%、R’Oは4.0〜20.0%の範囲で含まれる。
Oのアルカリ金属の種類は限定されないが、混合アルカリ効果によって、より高い耐酸性を期待できることから、Li、Na、K、Rb、Cs等から選ばれる2種類以上を含むことが望ましい。またR’Oのアルカリ土類金属の種類も限定されないが、同様の理由によりBe、Mg、Ca、Sr、Ba等から選ばれる2種類以上を含むことが望ましい。
本発明においては、上述したSiO、B、RO、R’Oに関して下記式(1)が成り立つことが重要である。
(RO+R’O+B)/SiO≦0.95 ・・・・・ (1)
式(1)において (RO+R’O+B)/SiOの値が0.95を上回ると、耐酸性及び耐水性が悪くなり、耐めっき液性と端子電極の緻密性の両立が困難になる。また、(RO+R’O+B)/SiOは0.30以上であることが望ましい。これを下回ると流動性が悪くなる。
Al及びLaは共に耐酸性等の化学的耐久性を改善し、また特にAlは代表的な中間酸化物としてガラス化を促進する。好ましくはAlは3.0〜18.0%、Laは0〜15%の範囲で含まれる。Alがこの範囲を下回ると結晶化しやすくなり、逆に上回るとガラスの軟化点が上昇して、(Ts−Tg)の値を130〜280℃の範囲内に制御することが困難になる。Laはガラスを低融化させる効果があるが、15%以上含むとガラスの素体への浸み込みが促進される。
その他、本発明のガラス粉末中に含まれる成分として、酸化マンガン、酸化銅の一種以上を含んでもよい。酸化マンガン、酸化銅は、Cu粉末との濡れを高める作用を有し、また脱バインダー性を向上させる。共に5%程度でガラス中に含まれることで十分な効果があり、好ましくは0〜10%の範囲で含まれる。
本発明のガラス粉末には、これらの他、特性に影響のない範囲で少量の他の酸化物、例えばSn、Ni、Fe、Co等の酸化物を含有させることができる。
なお、ガラス粉末中にZnOが含まれている場合、ガラス粉末は基板に含まれる酸化チタンと反応し、反応層をつくりやすくなる。それ故、例えば積層セラミックコンデンサの端子電極用導体ペーストに用いた場合には、チタン酸バリウム系や酸化チタン系の誘電体と反応して、セラミック素体とガラスの接着強度の向上に寄与する他、素体端部における内部電極の露出が不十分で内部電極の端部がセラミックで覆われているような場合に、そのセラミックを溶解することによって内部電極と端子電極の接合性を改善する作用をも期待することができる。しかしながら、その一方で、ZnOが含まれていることにより、酸化チタンとの反応相である結晶相が過度に生成し、逆に接着強度及び素体のセラミックの強度を劣化させるという問題が発生する原因にも成り得る。
そこで本発明の導体ペーストにおいては、本発明のガラス粉末に加えて、ZnOを主成分とするZn系ガラス粉末を混合して用いることが望ましい。この場合、各ガラス粉末の焼成中の挙動が異なるため、上述したような問題は発生せず、酸化チタン成分を含む積層電子部品に対する接着強度と耐めっき液性の向上を両立することができる。
Zn系ガラス粉末としては種々知られているR’O−ZnO−B系、R’O−ZnO−B−MnO系、R’O−ZnO系、R’O−ZnO−MnO系、R’O−ZnO−SiO系、ZnO−B系等のガラス粉末(R、R’は、それぞれ上記と同様にアルカリ金属、アルカリ土類金属である)を用いることができ、中でも、特許文献1に記載されているZnOを40〜60%、Bを15〜35%、SiOを1〜16%含有する硼珪酸亜鉛系Pbフリーガラス粉末を使用することが好ましい。
本発明のガラス粉末とZn系ガラス粉末とを混合する場合、その比率は重量比で6:1〜3:2の範囲内であることが好ましい。
但し、本発明は、本発明のガラス粉末自体にZnOを含むことを除外するものではなく、特性に影響のない範囲であれば含まれていても構わない。
本発明のガラス粉末は、各成分の原料化合物を混合、溶融、急冷、粉砕して製造する一般的な方法の他、ゾルゲル法、噴霧熱分解法、アトマイズ法等の方法で製造することができる。
本発明のガラス粉末の大きさは特に限定されるものではないが、通常、平均粒径 0.1〜10μmのものが用いられる。なお、端子電極表面にガラス浮きが生じやすい場合には、ガラス粉末の粒径を制御することによって防止できることがある。それ故、本発明のガラス粉末としては、好ましくは平均粒径0.5〜5μm、更に好ましくは1〜4μmのものが用いられる。
本発明のガラス粉末を含む導体ペーストにおいて、導電性粉末に対する上記ガラス粉末の配合比率は特に限定されるものではないが、通常、導電性粉末100重量部に対して1〜20重量部程度配合される。
導体ペースト中のビヒクルとしては特に限定はなく、通常、使用されている有機バインダーや溶剤等を適宜選択して配合する。例えば有機バインダーとしては、セルロース類、アクリル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ロジンエステル等が、また溶剤としてはアルコール系、エーテル系、エステル系、炭化水素系等の有機溶剤や水、これらの混合溶剤が挙げられる。この他、通常、添加されるような可塑剤や、高級脂肪酸や脂肪酸エステル系などの分散剤、界面活性剤等を適宜配合することができる。ビヒクルの配合量は特に限定されるものではなく、無機成分をペースト中に保持し得る適切な量で、用途や塗布方法に応じて適宜調整される。
本発明の導体ペーストには、上記成分以外に通常配合されるような無機成分、例えばアルミナ、シリカ、酸化銅、酸化マンガン、チタン酸バリウム、酸化チタン等の金属酸化物や、誘電体層と同質のセラミック粉末、モンモリロナイトなどを、目的に応じて適宜添加することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
実施例1
表1に示す酸化物組成になるようにガラス原料をそれぞれ調合し、白金ルツボを用いて約1300〜1450℃で溶融し、次いでグラファイト上に流出させて空冷して得られたガラスをスタンプミルで平均粒径35μm程度に粗粉砕後、アルミナボ−ルを用いたボールミルにより微粉砕し平均粒径が約4μmのガラス粉末A〜Mを得た。また平均粒径を約1.5μmとする以外は同様にしてガラス粉末Nを作製した。さらにまた、ガラス原料を約1150℃で溶融し、平均粒径を約1.5μmとする以外は同様にして、亜鉛系のガラス粉末Zを作製した。なお、表1中に*印がついているガラス粉末は、本発明の範囲外のものである。
また、前記粗粉砕した状態のガラス粉末A〜N及びZについてDTA測定を行い、ガラス転移点Tgとガラス軟化点Tsを求め、(Ts−Tg)を算出した。
次に、ガラスの耐めっき液性の試験を次のようにして行った。
各ガラス粉末 10重量部を、アクリル樹脂系バインダーをベンジルアルコールに溶解した有機ビヒクル 3重量部中に分散したペーストを作製し、チタン酸バリウムを焼結して作られた平板上に印刷、乾燥させた後、酸素濃度が約5ppmの窒素雰囲気中800℃で焼成して、膜厚20μm程度のガラス皮膜を形成した。その後、ガラス皮膜が形成された基板をpHが約4の有機スズめっき浴に2時間浸漬し、浸漬前後の重量変化を調べ、ガラス皮膜の残存率を耐めっき液性の指標とした。
以上の結果を表1に示す。
Figure 2006089310
<実施例2>
次に、Cu粉末 100重量部とガラス粉末A 7重量部を、アクリル樹脂系バインダーをテルピネオールに溶解したビヒクル 40重量部と共にロールミルで混練して導体ペーストを作製し、これを試料1とした。
ガラス粉末をガラス粉末B〜Mにした以外は試料1と同様にして、試料2〜13を作製した。
次に試料1〜13を、Ni内部電極を有する外形寸法が2.0mm×1.2mm×1.2mmのチタン酸バリウム系積層セラミックコンデンサ素体表面の端子部に、焼成膜厚が40μmとなるようにディッピング法で塗布し、乾燥させた後、酸素濃度が約5ppmの窒素雰囲気中800℃で焼成し、端子電極を形成した。次いで端子電極上に電気めっきによりNiめっき膜及びSnめっき膜を形成し、それぞれについて、以下の要領で、膜密度(緻密性)、素体への浸み込みの有無、耐熱衝撃性、引っ張り強度、容量不良の測定を行った。結果を表2に示す。
〔膜密度〕各コンデンサチップ(以下、単に「チップ」と言う)の端子電極付近断面を走査型電子顕微鏡で観察し、焼成膜中の気孔の状態を調べた。
〔素体への浸み込みの有無〕各チップの端子電極付近断面を走査型電子顕微鏡で観察し、ガラスの素体への浸み込みによって素体中に発生するマイクロクラックの有無を調べた。
〔耐熱衝撃性〕各チップ20個を350℃に設定した半田浴に10秒間浸漬した後、自然空冷し、各チップ中にクラックの発生した比率が0%の場合には○、10%以下の場合には△、10%より高い場合には×とした。
〔引っ張り強度〕対向する2つの端子電極に、リード線が電極表面に対して垂直になるようにそれぞれ半田付けし、強度測定器を用いてリード線を反対方向に引っ張り、電極部分や電極と素体との界面部分が破壊された時の値を調べた。
〔容量不良〕内部電極との接合性を見るために、各チップの静電容量を測定し、設計値の±10%以内のものを○、それ以上離れているものを×とした。
Figure 2006089310
<実施例3>
ガラス粉末Nを用いた以外は試料1と同様にして試料14−1を作製した。
更に、ガラス粉末をガラス粉末Nと亜鉛系ガラス粉末Zとをそれぞれ5:2、1:1の重量比で混合した混合ガラス 7重量部とした以外は、試料14−1と同様にして試料14−2、14−3を作製した。
次に、各試料を酸素濃度約5ppmの窒素雰囲気中800℃、酸素濃度約5ppmの窒素雰囲気中780℃、酸素濃度約10ppmの窒素雰囲気中780℃と3つの焼成条件で焼成した以外は、実施例2と同様にして端子電極を形成し、Niめっき膜、Snめっき膜を形成した後、各チップについて膜密度、素体への浸み込みの有無、耐熱衝撃性、引っ張り強度、容量不良の試験を行った結果を表3に示す。
Figure 2006089310
一般に市販されているガラス粉末をサンプルパンに入れ、示差熱分析を行って得られたDTA曲線である。

Claims (6)

  1. SiO、Al、RO(Rはアルカリ金属)及びR’O(R’はアルカリ土類金属)、又はこれらの成分に更にBを含有するガラス粉末であって、該ガラス粉末中における前記各成分の重量%による含有率が下記式(1)を満たすと共に、該ガラス粉末の軟化点Ts〔℃〕及びガラス転移点Tg〔℃〕が、130≦(Ts−Tg)≦280を満たすことを特徴とするガラス粉末。
    (RO+R’O+B)/SiO≦0.95 ・・・・・ (1)
  2. 酸化物換算で下記の組成からなる成分を含有し、下記式(1)を満たすことを特徴とするガラス粉末。
    SiO 42.0〜65.0重量%、RO(Rはアルカリ金属) 8.0〜18.0重量%、R’O(R’はアルカリ土類金属) 4.0〜20.0重量%、B 0〜18重量%、Al 3.0〜18.0重量%、La 0〜15重量%
    (RO+R’O+B)/SiO≦0.95 ・・・・・ (1)
  3. 前記ガラス粉末の軟化点Ts〔℃〕とガラス転移点Tg〔℃〕が130≦(Ts−Tg)≦280を満たすことを特徴とする請求項2に記載のガラス粉末。
  4. 導電性粉末と、請求項1乃至3の何れかに記載のガラス粉末と、有機ビヒクルを含む導体ペースト。
  5. 更に亜鉛系ガラス粉末を含むことを特徴とする請求項4に記載の導体ペースト。
  6. 前記導電性粉末が、銅若しくは銅を主成分とする金属粉末であることを特徴とする請求項4又は5に記載の導体ペースト。
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