JP2007227081A - 導体ペーストおよびセラミック多層基板製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】セラミック多層基板の表層導体部分におけるビア導体部分の凸状の突き出し量を小さくする。
【解決手段】金属粉末およびガラス粉末を含有する導体ペーストであって、金属粉末のタップ密度が1.3〜2.4g/cm3、平均粒径が1.0〜2.0μmであり、金属粉末の質量とガラス粉末の質量の合計を100質量部として金属粉末の質量割合が97質量部以下である導体ペースト。導体ペーストがビア形成用孔に充填されたセラミックグリーンシート積層体を焼成してセラミック多層基板を製造する方法であって、導体ペーストが前記導体ペーストであるセラミック多層基板製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】金属粉末およびガラス粉末を含有する導体ペーストであって、金属粉末のタップ密度が1.3〜2.4g/cm3、平均粒径が1.0〜2.0μmであり、金属粉末の質量とガラス粉末の質量の合計を100質量部として金属粉末の質量割合が97質量部以下である導体ペースト。導体ペーストがビア形成用孔に充填されたセラミックグリーンシート積層体を焼成してセラミック多層基板を製造する方法であって、導体ペーストが前記導体ペーストであるセラミック多層基板製造方法。
【選択図】図1
Description
低温同時焼成セラミックス(LTCC)技術によってセラミック多層基板を製造する方法および導体ペーストに関する。
LTCC技術は高周波用受動部品内蔵技術として広く用いられている。最近では無線LANやブルートウース、あるいはウルトラワイドバンド(UWB)向けのアンテナや各種フィルタなどへの応用が期待されている。
図1はセラミック多層基板の一種であるUWB向けの代表的なアンテナの断面の概念図である。アンテナ10はその本体であるガラスセラミックス層(セラミックス層)11の積層体と、その内部に配線される内層導体2、多層化されているために必要となる縦方向のパターンを電気的に接合するためのビア導体3およびアンテナへの給電やこれと接合すべき基板とのハンダ付けに用いられる表層導体1とを有する。
図1はセラミック多層基板の一種であるUWB向けの代表的なアンテナの断面の概念図である。アンテナ10はその本体であるガラスセラミックス層(セラミックス層)11の積層体と、その内部に配線される内層導体2、多層化されているために必要となる縦方向のパターンを電気的に接合するためのビア導体3およびアンテナへの給電やこれと接合すべき基板とのハンダ付けに用いられる表層導体1とを有する。
セラミックス層11の形成は、ガラスセラミックス組成物をセラミックグリーンシート(以下、単にグリーンシートということがある。)にしたものを焼成して行われる。そのようなガラスセラミックス組成物としては、たとえばSiO2−B2O3−Al2O3−RO(アルカリ土類金属酸化物)−ZnO系ガラス粉末およびアルミナ粉末からなるものが知られている(特許文献1参照)。
グリーンシートは積層されてグリーンシート積層体とされるが、焼成されて表層導体1となる導体ペースト層がグリーンシート積層体表面に、焼成されて内層導体2となる導体ペースト層がグリーンシート層間に、焼成されてビア導体3となる導体ペースト充填孔すなわち導体ペーストが充填されたビア形成用孔がグリーンシート内にそれぞれ形成される。
このようなセラミック多層基板は一般的なプリント基板上にハンダリフロー炉を用いて表層導体部分でハンダ付け実装されることが通常であり、また、セラミック多層基板上に、コンデンサや抵抗,インダクタなどのチップ部品あるいは半導体集積回路をハンダ付けでマウントすることも頻繁に行われるが、これらの場合良好なハンダ付け性を確保するために表層導体部分は平坦であることが求められる。
しかし、ビア導体部分は表層導体部分において凸状に突き出ることが多く、あるいは凹状にへこむことがあり、表層導体部分を平坦にすることは容易ではなかった。
このような問題を解決するための方法として、ビア導体部分を意図的に基板よりも凹にしておき、後から導体を充填する方法が知られている(特許文献2参照)。
また、グリーンシート積層体の上下にアルミナからなる拘束シートをセットしこれを加圧しながら焼成することにより平坦性を確保する方法も知られている(特許文献3参照)。
このような問題を解決するための方法として、ビア導体部分を意図的に基板よりも凹にしておき、後から導体を充填する方法が知られている(特許文献2参照)。
また、グリーンシート積層体の上下にアルミナからなる拘束シートをセットしこれを加圧しながら焼成することにより平坦性を確保する方法も知られている(特許文献3参照)。
特許文献2で開示されている方法には、後から導体を充填するという工程が増える問題があった。
特許文献3で開示されている方法には、焼成後にアルミナからなる拘束シートを除去する際に表層導体のビア導体部分に付着したアルミナを完全には除去できず、そのためにハンダ付け性が低下する問題があった。
特許文献3で開示されている方法には、焼成後にアルミナからなる拘束シートを除去する際に表層導体のビア導体部分に付着したアルミナを完全には除去できず、そのためにハンダ付け性が低下する問題があった。
本発明はこのような問題を解決できるセラミック多層基板製造方法および導体ペーストの提供を目的とする。
本発明は、金属粉末およびガラス粉末を含有する導体ペーストであって、金属粉末のタップ密度が1.3〜2.4g/cm3、平均粒径が1.0〜2.0μmであり、金属粉末の質量とガラス粉末の質量の合計を100質量部として金属粉末の質量割合が97質量部以下である導体ペースト(本発明の導体ペースト)を提供する。
また、金属粉末およびガラス粉末を含有する導体ペーストが充填されたビア形成用孔を有するセラミックグリーンシート積層体を焼成してセラミック多層基板を製造する方法であって、その導体ペーストが本発明の導体ペーストであるセラミック多層基板製造方法を提供する。
また、金属粉末およびガラス粉末を含有する導体ペーストが充填されたビア形成用孔を有するセラミックグリーンシート積層体を焼成してセラミック多層基板を製造する方法であって、その導体ペーストが本発明の導体ペーストであるセラミック多層基板製造方法を提供する。
本発明者は前記ビア導体部分が表層導体部分において凸状に突き出る量(以下、この量を凸量ということがある。)を小さくするために、ビア用導体ペーストの銀粉末の粒径を変更したり、ビア用導体ペーストにグリーンシートに用いられたと同じガラス粉末を添加したり、凸量を小さくするために一般的に用いられている扁平状の銀粉末を用いたり、等のことを行ったが凸量を50μm以下とすることは困難であった。
しかし、ビア用導体ペーストに用いると焼成収縮が大きいので導通不良が発生しやすいとして従来使用されていなかったタップ密度の小さい銀粉末を軟化点(Ts)の低いガラス粉末とともに用いると凸量を50μm以下にできることを見出し、本発明に至った。
なお、そのようなタップ密度の小さい銀粉末は表層導体用または内層導体用の導体ペーストに用いられ、先にも述べたようにビア用導体ペーストに用いられることはなかった。また、前記扁平状の銀粉末のタップ密度は典型的には4〜6g/cm3である。
なお、そのようなタップ密度の小さい銀粉末は表層導体用または内層導体用の導体ペーストに用いられ、先にも述べたようにビア用導体ペーストに用いられることはなかった。また、前記扁平状の銀粉末のタップ密度は典型的には4〜6g/cm3である。
本発明によれば、特に工程を増やすことなく表層導体部分を平坦にすることが可能になり、また、その際にアルミナ拘束シートを用いる必要もなくなる。
本発明のセラミック多層基板製造方法はグリーンシート積層体のビア形成用孔を充填する導体ぺーストを本発明の導体ペーストとすることに特徴があり、その他の部分については限定されない。
本発明の導体ペーストは、LTCC技術等によって製造されるセラミック多層基板のビア導体を形成する導体ペーストとして好適である。
本発明の導体ペーストは、LTCC技術等によって製造されるセラミック多層基板のビア導体を形成する導体ペーストとして好適である。
本発明の導体ペーストを焼成して得られる導体の比抵抗は好ましくは4μΩ・cm以下である。4μΩ・cm超では高周波用受動部品に使用することが困難になるおそれがある。
本発明の導体ペーストは金属粉末およびガラス粉末の他に通常有機質ワニスを含有するが、その他にも必要に応じてアルミナ粉末、ジルコニア粉末などの無機粉末をフィラーとして含有するなどしてもよい。
金属粉末のタップ密度(ρT)は、たとえば硬質ガラス製50mLメスシリンダ(内径21.4mm、高さ200mm)に金属粉末50gを入れ、20mmの高さから400回タッピングした時の体積を求め、50gをこの体積で除して求めればよい。なお、ρTの測定法はこれに限らずたとえばISO3953:1993(Metallic powders −− Determination of tap density)に記載の方法に準じて測定してもよい。
金属粉末のタップ密度(ρT)は、たとえば硬質ガラス製50mLメスシリンダ(内径21.4mm、高さ200mm)に金属粉末50gを入れ、20mmの高さから400回タッピングした時の体積を求め、50gをこの体積で除して求めればよい。なお、ρTの測定法はこれに限らずたとえばISO3953:1993(Metallic powders −− Determination of tap density)に記載の方法に準じて測定してもよい。
金属粉末のρTが1.3g/cm3未満では充填率が低くなり、ビア導体部分が表層導体部分よりも凹む現象が起こりやすくなってビア導体と表層導体の導通がとれなくなるという問題が起こる。典型的には1.4g/cm3以上である。2.4g/cm3超では凸量を小さくすることが困難になる。典型的には1.8g/cm3以下である。
金属粉末の平均粒径(D50)は通常、島津製作所社製レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−2100などの市販の測定装置によってレーザ回折・散乱法によって測定される。金属粉末が凝集しやすくレーザ回折・散乱法によるD50測定が困難である場合には、D50は電子顕微鏡を用いて測定すればよい。たとえば電子顕微鏡で金属粉末を倍率3000で撮影しその中の100個の金属粒子についてそれが球形であるとした場合の直径を読み取りそれらを平均したものをD50とすればよい。
D50が1.0μm未満では充填率が低くなり、ビア導体部分が表層導体部分よりも凹む現象が起こりやすくなる。典型的には1.5μm以上である。2.0μm超では凸量を小さくすることが困難になる。典型的には1.8μm以下である。
D50が1.0μm未満では充填率が低くなり、ビア導体部分が表層導体部分よりも凹む現象が起こりやすくなる。典型的には1.5μm以上である。2.0μm超では凸量を小さくすることが困難になる。典型的には1.8μm以下である。
金属粉末は銀、金および銀−パラジウム合金からなる群から選ばれる1種以上の金属の粉末である、または、銀、金および銀−パラジウム合金からなる群から選ばれる1種以上の金属の粉末とパラジウム粉末との混合粉末であることが好ましい。典型的には銀粉末である。
ガラス粉末はビア導体をセラミック多層基板本体に接着させる成分である。すなわち、ビア導体中のガラス成分は、ビア導体およびそれと接触するセラミック多層基板本体部分(ビア形成用孔部分)とを接着させる。
ガラス粉末のTsは典型的には450〜650℃である。650℃超ではグリーンシート積層体の焼成時にガラスの軟化流動が不十分となりビア導体とセラミック多層基板本体との接着が不十分になるおそれがある。
ガラス粉末が鉛を含まないものであればTsは典型的には500℃以上である。
前記比抵抗を4μΩ・cm以下にしたい、等の場合にはTsは好ましくは600℃以下である。
ガラス粉末が鉛を含まないものであればTsは典型的には500℃以上である。
前記比抵抗を4μΩ・cm以下にしたい、等の場合にはTsは好ましくは600℃以下である。
ガラス粉末の一態様として、下記酸化物基準のモル%表示で、SiO2 30〜60%、B2O3 5〜25%、ZnO 5〜30%、Li2O+Na2O+K2O 5〜20%、Bi2O3 0〜10%、TiO2 0〜10%、CeO2 0〜3%、から本質的になるものが挙げられる。ここでたとえば「Bi2O3 0〜10%」とはBi2O3は必須ではないが10%まで含有してもよいことを意味する。また、この態様において上記成分が本質的な成分であるが、これら以外の成分を本発明の目的を損なわない範囲で含有してもよく、その場合そのような成分の含有量の合計は好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。
上記態様においては典型的には、SiO2が40〜50%、B2O3が10〜16%、ZnOが15〜21%、Li2O+Na2O+K2Oが10〜16%、Bi2O3が2〜8%、TiO2が1〜6%、より典型的には、B2O3が10〜15%、Li2Oが4〜8%、Na2Oが5〜9%、K2Oが0〜2%、Bi2O3が3〜7%、TiO2が2〜5%である。
金属粉末の質量とガラス粉末の質量の合計を100質量部として金属粉末の質量割合は85〜97質量部であることが好ましい。85質量部未満では導体の比抵抗が小さくなるおそれがある。典型的には90質量部以上である。97質量部超ではガラス粉末の割合が小さくなり凸量が大きくなるおそれがある。典型的には95質量部以下である。
有機質ワニスは通常アクリルやセルロースなどの樹脂をαテレピネオールやブチルカルビトールアセテートなどの高沸点溶剤で溶いたものである。典型的には樹脂成分が10〜30質量%程度含まれ残りは溶剤である。
導体ペーストの各成分の含有割合を質量百分率で表したとき、金属粉末とガラス粉末の含有割合の合計は80〜97%、有機質ワニスの含有割合は3〜20%、であることが好ましい。
有機質ワニスの含有割合が3%未満では、焼成前の塗膜強度が不十分になる、またはペースト粘度が高くなり印刷性が低下するおそれがある。20%超ではビア導体に空隙が多くなり比抵抗が大きくなる、またはペースト粘度が小さくなりすぎ印刷性がかえって低下するおそれがある。典型的には10%以下である。
有機質ワニスの含有割合が3%未満では、焼成前の塗膜強度が不十分になる、またはペースト粘度が高くなり印刷性が低下するおそれがある。20%超ではビア導体に空隙が多くなり比抵抗が大きくなる、またはペースト粘度が小さくなりすぎ印刷性がかえって低下するおそれがある。典型的には10%以下である。
セラミックグリーンシートを次のようにして作製した。
まず、モル%表示組成が、SiO2 45.5%、Al2O3 7.9%、ZnO 9.1%、MgO 37.5%であるガラス粉末Aおよび、SiO2 30.5%、B2O3 22.0%、Al2O3 6.6%、ZnO 18.2%、CaO 7.8%、BaO 14.9%であるガラス粉末Bを用意した。なお、これら粉末は、原料を溶融して得られた溶融ガラスを流し出し冷却し、その後粉砕して製造したフレーク状のものであり、平均粒径は1μmであった。
まず、モル%表示組成が、SiO2 45.5%、Al2O3 7.9%、ZnO 9.1%、MgO 37.5%であるガラス粉末Aおよび、SiO2 30.5%、B2O3 22.0%、Al2O3 6.6%、ZnO 18.2%、CaO 7.8%、BaO 14.9%であるガラス粉末Bを用意した。なお、これら粉末は、原料を溶融して得られた溶融ガラスを流し出し冷却し、その後粉砕して製造したフレーク状のものであり、平均粒径は1μmであった。
また、チタン酸バリウム粉末は次のようにして作製した。すなわち、BaCO3粉末(堺化学工業社製炭酸バリウムBW−KT)88gとTiO2粉末(東邦チタニウム社製HT0210)130gとを水を溶媒としてボールミルで混合し、乾燥後1150℃に2時間保持した。その後ボールミルで60時間粉砕して平均粒経が1μmの粉末とした。
次に、ガラス粉末Aと住友化学工業社製アルミナ粉末スミコランダムAA2とを質量比60:40で混合してガラスセラミックス組成物GC−Aを作製した。
また、ガラス粉末Bと前記チタン酸バリウム粉末とを質量比52:48で混合してガラスセラミックス組成物GC−Bを作製した。
また、ガラス粉末Bと前記チタン酸バリウム粉末とを質量比52:48で混合してガラスセラミックス組成物GC−Bを作製した。
ガラスセラミックス組成物GC−A,Bのそれぞれについて、ガラスセラミックス組成物100質量部に、トルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、2−ブチルアルコールを質量比で4:2:2:1の割合で含有する有機溶剤を70質量部、フタル酸ジオクチルを5質量部、分散剤(ビックケミージャパン社製BYK180)を0.3質量部、ポリビニルブチラールを10質量部の割合で加えて攪拌し、なめらかなスラリーとした。
このスラリーをPETフィルム上にドクターブレード法によって塗布し、乾燥して厚みが200μmのセラミックグリーンシートGS−A,Bを得た。
このスラリーをPETフィルム上にドクターブレード法によって塗布し、乾燥して厚みが200μmのセラミックグリーンシートGS−A,Bを得た。
一方、表1に示すようなタップ密度ρT(単位:g/cm3)および平均粒径D50(単位:μm)を有する銀粉末Ag1〜7を用意した。Ag1、5は大崎工業社製銀粉末、Ag2は三井金属鉱業社製銀粉末、Ag3は徳力化学研究所社製銀粉末、Ag4は藤倉化成工業社製銀粉末、Ag6、7は大研化学工業社製銀粉末である。
なお、ρTは前記硬質ガラス製50mLメスシリンダを用いる方法によって測定した。
D50は、Ag2〜4、6、7については島津製作所社製レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−2100によって媒液を水、屈折率を3.0として測定し、Ag1、5については先に述べた電子顕微鏡を用いる方法によって測定した。
なお、ρTは前記硬質ガラス製50mLメスシリンダを用いる方法によって測定した。
D50は、Ag2〜4、6、7については島津製作所社製レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−2100によって媒液を水、屈折率を3.0として測定し、Ag1、5については先に述べた電子顕微鏡を用いる方法によって測定した。
また、導体ペースト用ガラス粉末として、モル%表示組成が、SiO2 44.65%、B2O3 13.13%、ZnO 18.44%、Li2O 6.58%、Na2O 7.06%、K2O 0.71%、Bi2O3 5.28%、TiO2 3.15%、CeO2 1.0%であるガラス粉末Lおよび、SiO2 51.9%、Al2O3 13.2%、ZnO 10.5%、MgO 24.4%であるガラス粉末Hを用意した。なお、これら粉末は、原料を溶融して得られた溶融ガラスを流し出し冷却し、その後粉砕して製造したフレーク状のものであり、前記粒度分布測定装置SALD−2100によって測定された平均粒径は1μmであった。
ガラスL、HのTsはそれぞれ552℃、620℃であり、結晶化温度Tcはそれぞれ670℃、800℃であった。
なお、Ts、Tcは次のようにして示差熱分析により測定した。すなわち、島津製作所社製DTA−50を用い、その白金容器にガラス粉末を30mg充填し、1分間につき10℃のスピードで900℃まで昇温した。その時の発吸熱曲線から第2吸熱部の裾の温度および発熱が最高になる温度を読み取り、それぞれをTsおよびTcとした。
なお、Ts、Tcは次のようにして示差熱分析により測定した。すなわち、島津製作所社製DTA−50を用い、その白金容器にガラス粉末を30mg充填し、1分間につき10℃のスピードで900℃まで昇温した。その時の発吸熱曲線から第2吸熱部の裾の温度および発熱が最高になる温度を読み取り、それぞれをTsおよびTcとした。
銀粉末Ag1〜7、ガラス粉末L、H、有機質ワニスを、表2、3の銀粉末量、ガラス粉末、ワニス量の欄にそれぞれ質量部で示す割合で調合後、磁器乳鉢中で1時間混練し、さらに三本ロールで3回分散を行って12種類の導体ペーストを作製した。なお、有機質ワニスとしては重合度7のエチルセルロ−ス樹脂をα−テレピネオ−ルに濃度が20質量%となるように溶解したものを用いた。
例1〜7の導体ペーストは実施例、例8〜12の導体ペーストは比較例である。
例1〜7の導体ペーストは実施例、例8〜12の導体ペーストは比較例である。
大きさが40mm×40mmであるセラミックグリーンシートGS−A4枚、GS−B2枚を、A、A、B、B、A、Aの順で積層したものを80℃に加熱して80MPaの圧力をかけて一体化し、セラミックグリーンシート積層体とした。
次に、この積層体の中央に直径が0.15mmのビア形成用孔を開け、このビア形成用孔に例1の導体ペーストをメタルマスクを用いてスクリーン印刷法により充填した。
例1の導体ペーストがビア形成用孔に充填されたセラミックグリーンシート積層体について、室温から550℃まで5時間、550℃から875℃まで30分で昇温し、875℃にて1時間30分保持する焼成を行った。
次に、この積層体の中央に直径が0.15mmのビア形成用孔を開け、このビア形成用孔に例1の導体ペーストをメタルマスクを用いてスクリーン印刷法により充填した。
例1の導体ペーストがビア形成用孔に充填されたセラミックグリーンシート積層体について、室温から550℃まで5時間、550℃から875℃まで30分で昇温し、875℃にて1時間30分保持する焼成を行った。
このようにして得られた厚みが0.8mmのセラミック多層基板の上面に対してビア導体部分の上面が突き出ている量を、東京精密社製接触表面粗さ計サーフコムを用いて測定した。結果を表2の凸量の欄に示す(単位:μm)。
同様にして例2〜12の導体ペーストを用いて凸量を測定した。結果を表2または3に示す。なお、ビア導体部分の上面がセラミック多層基板の上面よりも低くなっている場合は凸量をマイナスとして表示した。凸量は0〜+50μmであることが好ましい。
同様にして例2〜12の導体ペーストを用いて凸量を測定した。結果を表2または3に示す。なお、ビア導体部分の上面がセラミック多層基板の上面よりも低くなっている場合は凸量をマイナスとして表示した。凸量は0〜+50μmであることが好ましい。
また、前記セラミックグリーンシート積層体と同じものを作製し、その表面に例1〜12の導体ペーストを用いて図2に示すような比抵抗測定用パターンを形成した。その後上記焼成を行って表面に比抵抗測定用導体パターンが形成されたセラミック多層基板を得た。
この導体パターンの電気抵抗Rをアドバンテスト社製デジタルマルチメーターによって測定し、導体断面積Sを導体線条断面の走査型電子顕微鏡観察によって求めた。
R、Sおよび導体線条の長さLを用いてR×S÷Lを算出し、これを比抵抗とした。結果を表2、3に示す(単位:μΩ・cm)が、比抵抗は4μΩ・cm以下であることが好ましい。
この導体パターンの電気抵抗Rをアドバンテスト社製デジタルマルチメーターによって測定し、導体断面積Sを導体線条断面の走査型電子顕微鏡観察によって求めた。
R、Sおよび導体線条の長さLを用いてR×S÷Lを算出し、これを比抵抗とした。結果を表2、3に示す(単位:μΩ・cm)が、比抵抗は4μΩ・cm以下であることが好ましい。
高周波用受動部品のビア用導体ペーストとして利用できる。
1:表層導体
2:内層導体
3:ビア導体
10:セラミック多層基板
11:ガラスセラミックス層
2:内層導体
3:ビア導体
10:セラミック多層基板
11:ガラスセラミックス層
Claims (8)
- 金属粉末およびガラス粉末を含有する導体ペーストであって、金属粉末のタップ密度が1.3〜2.4g/cm3、平均粒径が1.0〜2.0μmであり、金属粉末の質量とガラス粉末の質量の合計を100質量部として金属粉末の質量割合が97質量部以下である導体ペースト。
- 金属粉末が銀、金および銀−パラジウム合金からなる群から選ばれる1種以上の金属の粉末である、または、銀、金および銀−パラジウム合金からなる群から選ばれる1種以上の金属の粉末とパラジウム粉末との混合粉末である請求項1に記載の導体ペースト。
- 金属粉末のタップ密度が1.8g/cm3以下である請求項1または2に記載の導体ペースト。
- ガラス粉末の軟化点が500〜600℃である請求項1、2または3に記載の導体ペースト。
- ガラス粉末が下記酸化物基準のモル%表示で、SiO2 30〜60%、B2O3 5〜25%、ZnO 5〜30%、Li2O+Na2O+K2O 5〜20%、Bi2O3 0〜10%、TiO2 0〜10%、CeO2 0〜3%、から本質的になる請求項1〜4のいずれかに記載の導体ペースト。
- 導体ペースト中の金属粉末の質量とガラス粉末の質量の合計を100質量部として金属粉末の質量割合が85〜97質量部である請求項1〜5のいずれかに記載の導体ペースト。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の導体ペーストであって、焼成して得られる導体の比抵抗が4μΩ・cm以下である導体ペースト。
- 金属粉末およびガラス粉末を含有する導体ペーストが充填されたビア形成用孔を有するセラミックグリーンシート積層体を焼成してセラミック多層基板を製造する方法であって、前記導体ペーストが請求項1〜7のいずれかに記載の導体ペーストであるセラミック多層基板製造方法。
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