JP4432604B2 - 導電性ペースト - Google Patents

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Description

本発明は、セラミック基板や金属基板等の各種基板や、電子部品に対し、高温で焼付けすることにより、厚膜導体回路や電極を形成するのに適した、鉛フリーの導電性ペーストに関する。
導電性ペーストは、通常、銀や銀−パラジウム、銅などの金属を主成分とする導電性粉末と、無機結合剤としてのガラスフリットとを、樹脂及び溶剤を含む有機ビヒクルに均一に分散させてペースト状にしたものであり、必要に応じて酸化ビスマス、酸化銅などの金属酸化物が添加される。近年では、環境や人体への影響への配慮から、鉛フリー(鉛を含まない)のガラスフリットで構成されたものも開発されている(例えば特許文献1参照。)。
当該導電性ペーストは、スクリーン印刷、ディッピング、刷毛塗り等の種々の方法で、各種基板上あるいは電子部品の端子部に所定のパターン形状に塗布され、その後700〜950℃程度の高温で焼成され、導体膜(厚膜導体)が形成される。
導体膜上にリード線や各種電子部品を取付けたり、電子部品をプリント基板等に半田で実装する場合、あるいは防湿、防塵処理が必要な場合、当該導体膜上には、必要によりめっき処理を施した後、半田層が形成される。半田層は、通常、前記基板を溶融半田浴に浸漬するか、又は半田ペーストを導体膜上の所定位置に印刷することにより形成される。この後、実際の半田接合を行うにあたっては、加熱して半田層をリフローさせる。
このような厚膜導体回路や電極の形成に用いられる導電性ペーストには、導電性、基板との接着強度及びエージング強度、半田付け性(半田濡れ性)、耐半田溶解性(半田耐熱性)等、様々の特性を満たすことが要求される。
特開平9−306236号公報
ところで、近年のマイクロエレクトロニクス分野においては、半田材料の鉛フリー化が強く要請されており、従来最も一般的に使用されている鉛−錫系半田に代わって、種々の鉛フリー半田が用いられ始めている。用途によっては、鉛−錫系半田より半田付け温度が高い高融点半田が使用される。例えば、厚膜抵抗素子における端子の半田付けには、導体との濡れ性や接続信頼性を確保するため、錫−銀−銅系半田(Sn/3Ag/0.5Cu)を使用する必要があるが、この半田は融点が高く、260℃程度の高温で溶融される。
しかしながら、上記錫−銀−銅系半田のような高融点半田の使用に際して下記のような不都合が生じている。すなわち、従来、導電性ペーストの設計・開発は、半田付け温度が230〜240℃程度の鉛−錫系半田を用いることを前提としておこなわれているため、高融点半田を使用すると、導電性ペースト中に導電性粉末として含有された金属が、溶融した半田中に拡散・溶解してしまい、所謂「半田食われ」という現象を引き起こす可能性がある。
上記半田食われは、導電性粉末として銀を用いた場合、特に問題となる。このような導電性粉末として銀を含む銀系導電性ペーストにおいては、耐半田溶解性を改善するのにパラジウム、白金等の貴金属の添加が有効であることが知られている。高融点半田の使用にあたっては、銀−白金系又は銀−パラジウム−白金系導電性ペーストで、特に、白金の含有量が多いもの、例えば導電性粉末中の白金の配合比率が10重量%以上のものが使用されている。しかし、銀系導電性ペースト中における白金の含有量が増えると、導体抵抗が高くなったり、高融点のために焼結性が悪くなったり、高価であるためにコストアップにつながったりする。
本発明の目的は、白金等の含有量を増やすことなく耐半田溶解性を改善し、前記のような高融点の鉛フリー半田を使用した場合にも、半田食われがなく、かつ、導電性や半田濡れ性、接着強度等の優れた導電性ペーストを提供することである。
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明の導電性ペーストは、
(A)導電性粉末と、
(B)酸化物換算で実質的に下記の組成からなる成分を含有し、かつ、鉛を含まないガラスフリットと、
(C)有機ビヒクルと、
を含み、
前記ガラスフリットの配合量が、前記導電性粉末100重量部に対して1〜15重量部であることを特徴としている。
SiO225〜40重量%,ZnO…25〜38重量%,B23…1〜15重量%,Al23…1〜15重量%,ZrO2…1〜10重量%,MnO2…0〜10重量%(ただし、前記ガラスフリット中のZnOの含有量が30重量%未満の場合は1〜10重量%),CaO…0〜20重量%,TiO2…0〜10重量%,Cu2O…0〜15重量%
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の導電性ペーストにおいて、
(D)金属酸化物を含むことを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、
請求項2に記載の導電性ペーストにおいて、
前記金属酸化物が、
酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ビスマス、酸化銅からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴としている。
請求項1に記載の発明では、従来の鉛−錫系半田より半田付け温度が高い高融点半田に対し耐半田溶解性に極めて優れており、例えば、半田耐熱性試験において、260℃を上回る270℃の溶融半田浴に10秒間浸漬処理した場合でも、半田食われがない。従って、従来の鉛−錫系半田のみならず、鉛フリーの高融点半田を使用することができる。
更に、請求項1に記載の発明では、耐半田溶解性の他にも、導電性や半田濡れ性、基板との接着強度等の諸特性に優れており、例えば、セラミック基板、ガラスセラミック基板、ガラス基板等の絶縁性基板や、表面に絶縁層を形成した金属基板等の各種基板や、電子部品素体のいずれに対しても、接着強度が高く、半田付け後にエージング試験を行っても強度が低下しない、優れた厚膜導体を形成することができる。
また請求項1に記載の発明では、導電性粉末として銀を含む銀系導電性ペーストである場合においても、パラジウム、白金等の含有量を増やすことなく、導電性や半田濡れ性、接着強度等の諸特性を低下させずに、耐半田溶解性を改善することができる。
請求項2,3に記載の発明では、上記ガラスフリットの他に金属酸化物、特に、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ビスマス、酸化銅からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むため、高融点半田に対し耐半田溶解性をさらに改善することができる。
本発明に係る導電性ペーストは、(A)導電性粉末、(B)ガラスフリット及び(C)有機ビヒクルを必須成分として含むものであり、その他任意成分として(D)金属酸化物を含んでもよい。
以下、(A)導電性粉末、(B)ガラスフリット、(C)有機ビヒクル及び(D)金属酸化物についてそれぞれ詳細に説明する。
(A)導電性粉末
本発明においては、導電性粉末は特に限定されないが、例えば、銀、パラジウム、白金、金等の貴金属粉末、銅、ニッケル、コバルト、鉄等の卑金属粉末、又はこれら金属を含む合金粉末や複合粉末等を用いることができる。
本発明においては、導電性粉末として銀粉末又は銀を主成分とする粉末を用いた場合でも、耐半田溶解性が極めて優れており、特に、導電性粉末中に占める銀の配合比率が70重量%以上の銀系導電性粉末を用いた場合に、耐半田溶解性に関する改善効果が顕著となる。
銀系導電性粉末において、銀以外の成分としては、耐半田溶解性、導電性、耐銀マイグレーション性の点から、パラジウム、白金、金、銅等を配合することが好ましい。特に、銀粉末又は銀を主成分とする粉末から構成された導電性粉末として、パラジウムが10〜30重量%配合され、白金が0〜10重量%配合され、その他の残りの成分が銀である混合粉末及び/又は合金粉末を用いるのが好ましい。
導電性粉末としては平均粒径が0.1〜10μmのものが使用される。
(B)ガラスフリット
本発明に係るガラスフリットは、SiO2とZnOとを主成分として含有する珪酸亜鉛系ガラスフリットであって、特に基板との反応性が高くて、ボイドの少ない緻密な金属−ガラス焼成膜構造を作るべく組成選択されたものである。具体的にはガラスフリットは、酸化物換算で実質的に下記の組成からなる成分を含有し、かつ、鉛を含まないものである。ガラスフリットとして、平均粒径1.0〜5.0μm程度のものを使用するのが好ましい。
SiO2…20〜45重量%,ZnO…20〜45重量%,B23…1〜15重量%,Al23…1〜15重量%,ZrO2…1〜10重量%,MnO2…0〜10重量%(ただし、ガラスフリット中のZnOの含有量が30重量%未満の場合は1〜10重量%である。),CaO…0〜20重量%,TiO2…0〜10重量%,Cu2O…0〜15重量%
なお、「SiO2,ZnO,B23,Al23,ZrO2,MnO2,CaO,TiO2,Cu2O」の各成分の含有量は、ガラスフリット中に占める割合である。
また、各成分は、上記の酸化物換算の量がガラスフリット中に含有されていればよく、ガラスフリット中に上記酸化物として存在していることを意味するものではない。一例として、Cu2OはCuOとして含まれていてもよい。
下記に、ガラスフリットの組成の限定理由について成分ごとにそれぞれ説明する。
SiO2に関しては、含有量が20重量%を下回ると、緻密な焼成膜が形成されず、耐半田溶解性も低下する。また、SiO2が20〜45重量%の範囲外であるのは、ガラスの製造工程において失透し易いので望ましくない。SiO2は25〜40重量%の範囲内が好ましい。
ZnOに関しては、含有量が20重量%を下回ると、基板との界面に十分な反応層が形成されず、接着強度、耐半田溶解性が低下し、他方、45重量%を上回ると、結晶性が過度に強くなり、可撓性が不足して脆くなり、接着強度、耐半田溶解性が低下する。ZnOは25〜38重量%の範囲内が好ましい。
23はガラスフリット中で融剤として作用するものであり、1重量%を下回ると融剤としての効果が小さく、15重量%を上回ると耐半田溶解性が低下する。B23は3〜10重量%の範囲内が好ましい。
Al23に関しては、1重量%を下回ると耐半田溶解性が低下し、15重量%を上回るとガラス製造時に高融になりすぎて実用性に劣る。Al23は3〜10重量%の範囲内が好ましい。
ZrO2はガラスフリット中で核形成剤として作用し、その他に耐半田溶解性の向上に寄与するものである。含有量が1重量%を下回ると核形成剤としての作用が弱まるとともに耐半田溶解性が低下し、10重量%を上回るとガラス製造時に高融になりすぎる。ZrO2は3〜8重量%の範囲内が好ましい。
MnO2はガラス化範囲を広げるとともに、耐半田溶解性を向上させる目的で添加されるものであるが、10重量%を上回っても、それ以上改善されない。ガラスフリット中におけるZnOの含有量が高いときには、必須ではないが、MnO2を添加させるのが好ましく、この場合、MnO2は1〜8重量%の範囲内が好ましい。ガラスフリット中におけるZnOの含有量が30重量%を下回る場合には、MnO2を添加しないと耐半田溶解性が低下するので、MnO2を1重量%以上、含有される必要がある。この場合、MnO2は3〜8重量%の範囲内が好ましい。
CaOはガラスフリットにおいて必須成分ではないが、添加することにより、MnO2と同様、ガラス化範囲を広げる効果を有するものである。CaOは20重量%を上回っても、それ以上改善されない。CaOは1〜15重量%の範囲内が好ましい。
TiO2もガラスフリットにおいて必須成分ではないが、添加することにより、耐半田溶解性を向上させることができる。TiO2は10重量%を上回っても、それ以上耐半田溶解性を改善することはできない。TiO2は1〜8重量%の範囲内が好ましい。
Cu2Oもガラスフリットにおいて必須成分ではないが、適当量添加することでガラス化範囲を広げることができ、また、ガラスの結晶性が過度に強くなることを抑制することができる。Cu2Oが15重量%を上回ると、ガラスフリットの融点が低くなりすぎる。Cu2Oは1〜10重量%の範囲内が好ましい。
なお、上記ガラスフリットには、本発明の効果を損なわない範囲で少量の他の酸化物、例えばMoO3、La23等が含有されてもよい。
本発明のガラスフリットは、導電性ペーストの焼成温度で結晶化するものでもよいし、結晶化しないものでもよい。
ガラスフリットは、ガラスフリットを構成する各成分の原料化合物を混合し、その混合物を溶融、急冷、粉砕することで所望のガラスフリットを製造することができる。この通常の製造方法の他に、ゾルゲル法、噴霧熱分解法、アトマイズ法等の種々の方法で所望のガラスフリットを製造することもできる。特に噴霧熱分解法でガラスフリットを製造する場合には、微細で粒度の揃った球状のガラス粉末を得ることができ、導電性ペーストに使用する際に粉砕処理を行う必要がない点で、ガラスフリットの製造方法として噴霧熱分解法を適用することが好ましい。
(C)有機ビヒクル
有機ビヒクルとしては有機バインダや溶剤等を用いることができる。有機バインダとしては、セルロース類、アクリル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ロジンエステル等を用いることができる。他方、溶剤としては、アルコール系、エーテル系、エステル系、炭化水素系等の有機溶剤や水、これらの混合溶剤を用いることができる。
有機ビヒクルには、通常添加されるような可塑剤、高級脂肪酸や脂肪酸エステル系等の分散剤、界面活性剤等が適宜配合されてもよい。有機ビヒクルの配合量は特に限定されるものではなく、無機成分をペースト中に保持し得る適切な量で用途や塗布方法に応じて適宜調整される。
(D)金属酸化物
金属酸化物は、本発明に係る導電性ペーストにおいては任意成分であり、導電性ペースト中に配合されることで半田食われを確実に防止することができる。金属酸化物としては、酸化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化銅、ジルコン、アルミナ、シリカ、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ランタン等、従来から導電性ペーストに配合される種々の酸化物が挙げられるが、特に、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化チタン(TiO2,TiO)、酸化ビスマス(Bi23)、酸化銅(CuO,Cu2O)等を用いるのが好ましい。金属酸化物としては、平均粒径5.0μm以下の粉末を用いるのが好ましい。
本発明の導電性ペーストは、例えば次のように製造される。
(A)導電性粉末と、(B)ガラスフリットと、必要に応じて(D)金属酸化物とを、適切な配合比率で調合・混合し、(C)有機ビヒクル中に均一に分散させてペースト状とする。
(A)導電性粉末、(B)ガラスフリット、及び必要に応じて配合される(D)金属酸化物の比率は特に限定されず、目的・用途に応じて通常使用される範囲内で適宜調整される。好ましくは、(A)導電性粉末100重量部に対し、(B)ガラスフリットを1〜15重量部、(D)金属酸化物を合計量で1〜20重量部程度配合する。
本発明の導電性ペーストは、スクリーン印刷やディッピング、刷毛塗り等の適宜な方法によって基板上に所望のパターンで塗布され、その後、高温で焼成される。焼成工程において、本発明のガラスフリットは昇温過程の600〜700℃程度の温度域で軟化して流動し、膜全体に拡散して導電性粉末の表面を濡らして焼結を促進し、その後、粘度降下に伴って主成分であるZnOが一部基板との界面に移行して、基板中の成分と反応し、例えば、基板としてアルミナを用いた場合には、ZnO−Al23のような化合物を作り、基板との界面に強固な接着層を形成する。
これにより、ボイドが少ない緻密な金属の焼成膜構造になるとともに、強固な基板−金属焼成膜界面構造が形成され、この結果半田食われがなく、かつ、接着強度の大きい導体膜が得られると考えられる。特に、焼結した金属粒子間の界面に残存するガラスと基板−焼成膜界面の反応接着層の存在により、金属の焼成膜が強固に保持されているため、焼成膜の表面の一部が半田食われを起こしても、下部まで溶解が進行しにくく、そのため耐半田溶解性が格段に向上するものと推測される。
また、導電性ペーストに、(D)金属酸化物を添加した場合は、より確実に半田食われを防止することができる。これは以下のように考えられる。
金属酸化物を添加しない場合は、焼成膜中にボイド、クラック等の欠陥が生じた時、ここに溶融半田が浸透することによって半田食われを起こしやすくなる。本発明において、ペースト中に前記ガラスフリットとともに酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ビスマス、酸化銅等の金属酸化物が配合されると、焼成膜中の上記ボイド、クラック部分にガラス質が入り込んで満たし、「ガラス溜り」のような状態になる。このガラス質が溶融半田の浸入に対して抵抗として働き、その結果、半田食われが抑制される。
更に、本発明に係る導電性ペーストでは、耐半田溶解性の他にも、導電性や半田濡れ性、基板との接着強度等の特性に優れており、例えば、アルミナ、チタン酸バリウム等のセラミック基板、ガラス基板、ガラスセラミック基板等の絶縁性基板や、表面に絶縁層を形成したステンレス等の金属基板等の各種基板のいずれに対しても、接着強度が高く、半田付け後にエージング試験を行っても強度が低下しない、優れた厚膜導体を形成することができる。
なお、本発明に係る導電性ペーストは、各種基板に対して厚膜導体回路や電極等を形成するのに適しているが、その他、チップ抵抗、積層チップコンデンサ、積層チップインダクタ等のセラミックチップ部品やその他の電子部品の電極形成、セラミック多層基板の表面導体層の形成等にも使用することができる。特に、本発明に係る導電性ペーストを焼成して得られる導体膜は、耐候性、耐酸性に優れており、焼成後にめっき処理を行う必要のある電子部品の端子電極の形成用に好適である。
また、本発明に係るガラスフリットは、上記導電性ペーストの他に多種多様な用途に使用することができ、例えば抵抗体ペーストや誘電体ペースト等のガラス成分として好適に使用することができる。
本実施例では、導電性ペーストの組成が互いに異なる複数種の試料を作製し、各試料の性質・特性等を評価した。
(1)試料の作製
(1.1)ガラスフリットの作製
SiO2、ZnO、B23、Al(OH)3、ZrO2、MnO2、CaCO3、TiO2、Cu2O、PbO及びSnOを下記表1に示すガラス組成となるように秤量・混合し、各混合物を1400〜1500℃で1〜1.5時間溶融させ、溶融させた各混合物をグラファイト上に流出させて急冷した。急冷後に得られたガラス質物質を、アルミナボールを用いたボールミルで48時間粉砕して、平均粒径約2.5μmのガラスフリットa〜nを作製した。
Figure 0004432604
(1.2)試料1の作製
銀−パラジウム合金粉末(銀:パラジウムの重量比が75:22)97重量部、白金粉末3重量部、ガラスフリットa3重量部、Bi23粉末5重量部、およびエチルセルロース10重量%とα−テルピネオール90重量%からなる有機ビヒクル35重量部を混合し、3本ロールミルを用いて混練し、更にα−テルピネオール6重量部を希釈剤として添加し、4/secの剪断速度における粘度が100〜150Pa・sになるように粘度調整を行って、導電性ペーストを製造した。
その後、250メッシュのスクリーンを用いてアルミナ基板上に上記導電性ペーストをスクリーン印刷し、そのアルミナ基板をピーク温度850℃で10分間保持して焼成し、導体膜が形成されたアルミナ基板(試験片)を得た。そしてその試験片を「試料1」とした。
(1.3)試料2〜13,比較試料1〜5の作製
金属粉末、ガラスフリットa〜n、各種金属酸化物粉末を表2及び3に示す比率で混合し、(1.2)と同様にして導電性ペーストを製造した。但し、試料3,4は、銀−パラジウム合金粉末に代えて、銀粉末とパラジウム粉末をそれぞれ表に示す比率で用いたものである。ビヒクルおよび希釈剤は試料1と同じものを用い、4/secの剪断速度における粘度が100〜150Pa・sになるよう粘度調整を行った。
得られたそれぞれの導電性ペーストにつき、上記(1.2)の項目と同様の処理を施して複数種の試験片を作製し、それら各試験片を「試料2〜13」,「比較試料1〜5」とした。
Figure 0004432604
Figure 0004432604
(2)各試料の性質・特性等の評価
各試料1〜13,比較試料1〜5に対し、面積抵抗値、半田濡れ性、耐半田溶解性、初期接着強度及びエージング強度を測定・評価した。各測定・評価項目の詳細を下記に示し、各試料1〜13,比較試料1〜5の測定・評価結果を試料ごとに上記表2,表3に示した。
(2.1)面積抵抗値の測定(導電性の評価)
各試料において、0.5mm×50mmパターン間の抵抗値をデジタルマルチメータで測定し、導体膜の膜厚を13μmに補正したときの値を面積抵抗値とした。
(2.2)半田濡れ性の評価
各試料をフラックスに浸漬し、その後各試料を260℃のSn/3Ag/0.5Cu半田浴中に10秒間浸漬し、当該半田浴から取り出した後の各試料における導体膜の半田の付着量を測定し、その測定結果から各試料の半田濡れ性を評価した。具体的には、導体膜上に占める半田の割合(被覆率)が略100%のときに「○」と評価し、それ以外のときに「×」と評価した。
(2.3)耐半田溶解性の評価
各試料をフラックスに浸漬し、その後各試料を270℃のSn/3Ag/0.5Cu半田浴中に10秒間浸漬し、当該半田浴から取り出した後の各試料における導体膜の残存率を測定し、その測定結果から各試料の耐半田溶解性を評価した。具体的には導体膜の溶解がほとんどみられず、その導体膜の残存率が80%以上のときに「○」と評価し、試料中の導体膜の残存率が80%未満で70%を上回るときに「△」と評価し、試料中の導体膜の残存率が70%以下のときに「×」と評価した。
(2.4)初期接着強度,エージング強度の測定
2mm×2mmの正方形パターンで初期接着強度,エージング強度を測定した。ただし、エージング強度の測定は、各試料を150℃の恒温槽に24時間放置した後におこなった。

Claims (3)

  1. (A)導電性粉末と、
    (B)酸化物換算で実質的に下記の組成からなる成分を含有し、かつ、鉛を含まないガラスフリットと、
    (C)有機ビヒクルと、
    を含み、
    前記ガラスフリットの配合量が、前記導電性粉末100重量部に対して1〜15重量部である導電性ペースト。
    SiO225〜40重量%,ZnO…25〜38重量%,B23…1〜15重量%,Al23…1〜15重量%,ZrO2…1〜10重量%,MnO2…0〜10重量%(ただし、前記ガラスフリット中のZnOの含有量が30重量%未満の場合は1〜10重量%),CaO…0〜20重量%,TiO2…0〜10重量%,Cu2O…0〜15重量%
  2. 請求項1に記載の導電性ペーストにおいて、
    (D)金属酸化物を含むことを特徴とする導電性ペースト。
  3. 請求項2に記載の導電性ペーストにおいて、
    前記金属酸化物が、
    酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ビスマス、酸化銅からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする導電性ペースト。
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