JP2006089302A - 光学素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス層の剥離や脱落が起こらない光学素子とその製造方法を提供する。
【解決手段】ガラス層と金属またはセラミックスのベース材からなる光学素子において、該金属またはセラミックスのベース材が該ガラス層に覆われて内包されており、かつ、上記内包された該金属またはセラミックスのベース材の一部が、該ガラス層の光学機能面形状と近似する形状を備えている。上記の光学素子のガラス層は金属またはセラミックスのベース材の周りに光学機能面を形成する前に予め接合されているか、または、光学機能面の形成中に接合されるようにする。光学機能面の形成は、軟化したガラス層に対し型を押し付けることにより行う。
【選択図】図1
【解決手段】ガラス層と金属またはセラミックスのベース材からなる光学素子において、該金属またはセラミックスのベース材が該ガラス層に覆われて内包されており、かつ、上記内包された該金属またはセラミックスのベース材の一部が、該ガラス層の光学機能面形状と近似する形状を備えている。上記の光学素子のガラス層は金属またはセラミックスのベース材の周りに光学機能面を形成する前に予め接合されているか、または、光学機能面の形成中に接合されるようにする。光学機能面の形成は、軟化したガラス層に対し型を押し付けることにより行う。
【選択図】図1
Description
本発明は光学素子およびその製造方法に関する。詳しくは、本発明は、ミラー等の光学素子およびその熱間プレス成形による製造方法に関する。
ガラス層と金属もしくはセラミックスの塊とを組み合わせた光学素子は、ガラス層と金属もしくはセラミックスの塊との界面の接合部の端部より剥離が生じることが多い。そのため、剥離したガラス層の光学機能面の形状が変化してしまい、光学性能が悪化する問題や、金属もしくはセラミックスの塊からガラス層が脱落する問題が生じる。こういった問題を解決するために、特許文献1、特許文献2および特許文献3等に、ガラス層を熱間でプレスし光学機能面を成形すると同時に金属もしくはセラミックスの塊に設けた逆テーパー状の凹部にガラス層を嵌め込む方法が開示されている。しかしながら、この方法は、脱落防止の効果は十分にあるが、剥離を防ぐ方法ではない。また、薄肉の光学素子の場合は、前記逆テーパー状の凹部を金属もしくはセラミックスの塊に加工することが困難になる。さらに、ガラス層の肉厚が不均一もしくは厚くなるために、ハイサイクルで成形を行うとガラス層の内部の応力が緩和されずに大きくなってしまい、剥離等の成形不良が生じるという問題がある。
特開平4−130025号公報
特開平4−26520号公報
特開平4−97916号公報
上記の問題を鑑み、本発明の課題は、ガラス層の剥離や脱落が起こらない光学素子、およびその製造方法を提供することとする。
本発明は、ガラス層と金属またはセラミックスのベース材からなる光学素子であって、該金属またはセラミックスのベース材が該ガラス層に覆われて内包されており、かつ、上記内包された該金属またはセラミックスのベース材の一部が、該ガラス層に形成する光学機能面形状と近似する形状を備えていることを特徴とする。
また、本発明は、上記のガラス層で覆われた該金属またはセラミックスのベース材をプリフォームとして、該ガラス層が軟化する温度まで加熱し、その軟化したガラス層に対し型を押し付けることにより該ガラス層の光学機能面が形成されていることを特徴とする光学素子の製造方法である。
さらにまた、本発明は、軟化したガラス板が上記のガラス層であり、このガラス層で上記の該金属またはセラミックスのベース材を囲み、その軟化したガラス層に対し型を押し付けることにより、該ガラス層の光学機能面を形成し、かつ、該金属またはセラミックスのベース材を該ガラス層に内包させることを特徴とする光学素子の製造方法である。
金属またはセラミックスのベース材をガラス層に内包することで、剥離の起点となる接合部を極力もしくは全く表面に出さない構成が得られた。また、内包した金属またはセラミックスのベース材の形状をガラス層の光学機能面形状と近似させることで、ハイサイクル成形を行っても、ガラス層がほぼ均一な厚みで、かつ層状であるために、ヒケ発生量の絶対値および不均一性を低減できる。
本発明の光学素子を製造する際は、予めガラス層で覆われた金属またはセラミックスのプリフォームを準備しておき、その後、プリフォームのガラス層が軟化する温度まで加熱し、その軟化したガラス層に対し型を押し付けることによりガラス層の光学機能面を形成する。これにより、プリフォームの成形型に対する位置合わせや容量調整を容易に行うことができる。
本発明の光学素子を製造する別の方法としては、軟化したガラス板(ガラス層)で金属またはセラミックスのベース材を囲み、その軟化したガラス層に対し型を押し付けることにより、光学機能面を形成し、前記金属またはセラミックスの塊をガラス層に内包させることを同時に行う方法がある。これにより、予めガラス層で覆われた金属またはセラミックスのプリフォームを用意することが必要で無くなり、製造コストが低減する。
図1は本発明であるガラス層の光学機能面形状と近似な形状の金属またはセラミックスのベース材を内包した光学素子の代表的な形状の断面図である。1はガラス層であり、内包させるベース材2の材質との相性を考えて、ガラス層とベース材との所望の温度域での平均熱膨張係数の差ができるだけ小さくなるようにする。これは、温度変化に伴う、接合部での熱応力の発生を小さくするためである。また、ベース材2の材質は、ガラスの軟化温度付近でも形状の安定している、耐熱性の金属もしくはセラミックスを選択する。これは、光学機能面3の形状と近似にした形状が大きく崩れないようにするためである。また、内包させるベース材2に稜部がある場合はなるべく面取りし、ガラス層に応力が集中しないようにする。
図2を参照しながら、図1の光学素子の製造方法について説明する。4はガラス層4aで覆われた金属またはセラミックスのベース材である。4と4aを合わせたものがプリフォームである。このプリフォームに、5の下型との位置決め基準4bを加工しておくと、高精度に上型6とプリフォームとの位置決めも行えるようになる。また、プリフォームの容量調整を行っておくと、外形のバラツキを抑えて成形することができる。光学機能面7を形成するには、少なくとも4aの部分が軟化する温度まで加熱し、その軟化した部分に対し上型6を押し付ける。その後は、冷却を行い、型から成形品を取り出せば、本発明の光学素子が得られる。
図3は、軟化したガラス板8a、8bで超硬合金製のベース材9を囲み、その軟化したガラス板に対し上型10を押し付けることにより、光学機能面11の形成と超硬合金製のベース材9をガラス層に内包させることを同時に行うことにより本発明の光学素子12を得る方法を示している。ガラス板8a、8bの材料には室温〜500℃の平均熱膨張係数が4.8×10−6[/℃]のホウケイ酸ガラスを用いた。ちなみにガラス転移点温度(Tg)は530℃で、軟化点温度(At)は650℃である。超硬合金製の塊9としては、8a、8bの熱膨張係数となるべく同じにするため、室温〜500℃の平均熱膨張係数が5.0×10−6[/℃]のWC基の超硬合金を選択している。
比較例1として、ガラス板8bを用いずに、ガラス層が超硬合金製のベース材9を内包しない従来例(図4)を作製し、冷却速度とガラス層と超硬合金のベース材との接合部13における剥離の発生の有無を調べた。なお、8bの肉厚は光学機能面の形成し易さと剥離のし難さとの相関から2mmとした。その結果、光学機能面の成形温度である640℃からTg(530℃)までの平均冷却速度を20℃/min以上とすると、従来例にだけ接合部13における剥離が成形中に観察された。本発明の光学素子12の形態の場合は、接合部13の端部が無いことから剥離の発生が防止されることを確認した。また、20℃/minよりも遅い10℃/minの冷却速度とすることで剥離なしに得られた図4の光学素子と、それと同じ冷却速度で作製した光学素子12との耐久性の違いを、200℃と500℃の間での熱サイクル試験で比較してみると、図4の光学素子では約10回で剥離したのに対して、本発明の光学素子12には、1000回以上の耐久性があることが確認できた。
これらの結果により、本発明の構成とすることにより、光学機能面の成形中も、成形後も接合部13における剥離の発生が、たとえ、ハイサイクル成形であっても抑制でき、容易に高精度な成形を行えることが確認できた。
本発明の光学素子では剥離現象が起こりにくいので、ミラー等の光学素子としての利用が期待できる。
1 ガラス層
2 ベース材(金属またはセラミックス)
3 光学機能面
4 ベース材(金属またはセラミックス)
4a ガラス層
4b 位置決め基準
5 下型
6 上型
7 光学機能面
8a、8b ガラス板
9 超硬合金製のベース材
10 上型
11 光学機能面
12 本発明の光学素子
13 接合部
2 ベース材(金属またはセラミックス)
3 光学機能面
4 ベース材(金属またはセラミックス)
4a ガラス層
4b 位置決め基準
5 下型
6 上型
7 光学機能面
8a、8b ガラス板
9 超硬合金製のベース材
10 上型
11 光学機能面
12 本発明の光学素子
13 接合部
Claims (3)
- ガラス層と金属またはセラミックスのベース材からなる光学素子であって、該金属またはセラミックスのベース材が該ガラス層に覆われて内包されており、かつ、前記内包された該金属またはセラミックスのベース材の一部が、該ガラス層の光学機能面形状と近似する形状を備えていることを特徴とする光学素子。
- ガラス層で覆われて内包された金属またはセラミックスのベース材をプリフォームとし、該プリフォームを該ガラス層が軟化する温度まで加熱し、その軟化したガラス層に対し型を押し付けることにより該ガラス層に光学機能面を形成することを特徴とする光学素子の製造方法。
- 前記プリフォームは、前記金属またはセラミックスのベース材を軟化したガラス板により覆い内包させていることを特徴とする請求項2に記載の光学素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004273525A JP2006089302A (ja) | 2004-09-21 | 2004-09-21 | 光学素子およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004273525A JP2006089302A (ja) | 2004-09-21 | 2004-09-21 | 光学素子およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006089302A true JP2006089302A (ja) | 2006-04-06 |
Family
ID=36230630
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004273525A Withdrawn JP2006089302A (ja) | 2004-09-21 | 2004-09-21 | 光学素子およびその製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006089302A (ja) |
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2004
- 2004-09-21 JP JP2004273525A patent/JP2006089302A/ja not_active Withdrawn
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