JP2006089217A - シート供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シート供給装置において、多くの記録用紙を積載している場合だけでなく、少量の記録用紙を積載している場合であっても、その記録用紙の積載プレートを上昇させる駆動源の暴走発生時に、確実に積載プレート周辺の破損防止が図れるとともに、これを装置構成の複雑化等を招くことなく容易に実現可能にする。
【解決手段】記録用紙8が積載される積載プレート2と、前記積載プレート2を昇降させるための駆動源3と、前記積載プレート2上に積載された最上の記録用紙8が用紙供給高さに位置することを検知する検知手段4と、前記検知手段4による検知があるまで前記積載プレート2が上昇するように前記駆動源3に対する駆動指示を与えるとともに、前記駆動源3が発生させる駆動トルクを前記積載プレート2の用紙積載可能位置からの移動量に応じて変化させる制御手段5とを備えて、シート供給装置1を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機やプリンタ装置等に搭載されて用いられるもので、その複写機やプリンタ装置等における画像形成部へのシート状記録用紙の供給を行うためのシート供給装置に関する。
一般に、複写機やプリンタ装置等で用いられるシート供給装置としては、多枚数の記録用紙の収納に対応しつつ、その場合であっても用紙詰まり等のない安定した給紙動作を行い得るようにすべく、いわゆるエレベータ方式のリフトアップ機構を備えたものが広く知られている。リフトアップ機構を備えたシート供給装置では、給紙トレイ内に設けられた記録用紙の積載プレートをモータ等の駆動源によって昇降させるとともに、その積載プレート上に積載されたうちの最上の記録用紙が所定の用紙供給高さまで上昇したことをマイクロスイッチ等で検知すると、その積載プレートの上昇を停止させるようになっている(例えば、特許文献1参照)。これにより、積載プレート上に多枚数の記録用紙が積載された場合であっても、その記録用紙を所定の用紙供給高さにて1枚ずつ繰り出すことが可能になるのである。
このようなシート供給装置では、給紙トレイ内の積載プレートを駆動源によって昇降させるが、そのときに駆動源が発生させる力(例えば、駆動源がモータであれば駆動トルク)は「〔最大積載量の記録用紙〕+〔積載プレート〕の重量」に安全率を加味して決定される。そして、決定された力でもって、最上の記録用紙が用紙供給高さに達するまで、駆動源が積載プレートを上昇させる。
ただし、最上の記録用紙の上昇高さを検知するマイクロスイッチ等の検知手段は、何らかの原因(故障等)により機能しなくなることもあり得る。その場合には、最上の記録用紙が用紙供給高さに達しても、駆動源が積載プレートの上昇を継続(暴走)しようとする。
このことから、シート供給装置の中には、駆動源暴走時の積載プレート周辺(積載プレートやその周囲の構成部品、さらには積載プレート上の記録用紙等)の破損防止を図る手段が設けられたものがある。例えば、駆動源から積載プレートへの駆動伝達経路上にトルクリミッタを設け、暴走が発生した場合であっても、積載プレート周辺に対して負荷が及ばないようにする構成のものがある。また、その他にも、例えば、ステッピングモータからなる駆動源の脱調により暴走が発生した場合の積載プレート周辺の破損防止を図ったり(例えば、特許文献2参照)、モータからなる駆動源への過電流を検知して、過電流を検知したら直ちに駆動源を停止させることで、暴走が発生した場合の積載プレート周辺の破損防止を図るもの(例えば、特許文献3参照)も提案されている。
特公平6−15366号公報 特開2001−341852号公報 特開2003−137446号公報
ところで、エレベータ方式のリフトアップ機構を備えたシート供給装置において、上下に昇降する積載プレートに積載される記録用紙の量は必ずしも一定ではなく、少量の記録用紙を積載した状態の積載プレートを駆動源が上昇させる場合もあり得る。
しかしながら、従来のシート供給装置では、上述したように、最大積載量の記録用紙を基準にして駆動源の発生力が決定され、常にその力でもって駆動源が積載プレートを上昇させるようになっている。つまり、少量の記録用紙を積載した状態では、力の余裕分が大きくなる。そのため、積載プレートが少量の記録用紙を積載した状態で駆動源の暴走が発生すると、その力の余裕分が作用することで、積載プレート周辺に対して過度の負荷が及ぶことが考えられる。
つまり、暴走時の破損防止を図る手段が設けられていても、積載プレートが少量の記録用紙を積載した状態では、駆動源の暴走時に積載プレート周辺に破損や不具合等が生じてしまうおそれがある。
また、暴走時の破損防止を図る手段についても、従来のシート供給装置におけるものでは、装置構成の簡素化や機能実現の確実性等の観点から、必ずしも好ましいとは言えない。例えば、駆動伝達経路上にトルクリミッタを設ける構成では、高価な部品であるトルクリミッタが必要になることに加えて、その配設スペースの確保も必要になるため、装置の低コスト化や小型化等の流れに逆行することになる。また、ステッピングモータからなる駆動源の脱調を利用して破損防止を図る構成では、駆動源が常に一定の力で積載プレートを上昇させるため、記録用紙を積載した状態での上昇が可能であり、かつ、暴走時には脱調するような、その脱調トルクの設定が困難であり、記録用紙の積載量が多い(大容量トレイ)場合には適さない。さらに、過電流の検知を利用して破損防止を図る構成では、例えば直流モータのように、負荷変動によって電流値が変化する場合であれば適用可能であるが、ステッピングモータのような定電流制御の場合には適さない。
そこで、本発明は、多枚数の記録用紙の収納に対応するシート供給装置において、多くの記録用紙を積載プレートが積載している場合だけでなく、積載プレートが少量の記録用紙を積載している場合であっても、その積載プレートを上昇させる駆動源の暴走発生時に、確実に積載プレート周辺の破損防止が図れるとともに、これを装置構成の複雑化等を招くことなく容易に実現可能とすることを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出されたシート供給装置で、シート状の記録用紙が積載される積載プレートと、前記積載プレートを昇降させるための駆動源と、前記積載プレート上に積載されたうちの最上の記録用紙が所定の用紙供給高さに位置することを検知する検知手段と、前記検知手段による検知があるまで前記積載プレートが上昇するように前記駆動源に対する駆動指示を与えるとともに、前記駆動源が発生させる駆動トルクを前記積載プレートの用紙積載可能位置からの移動量に応じて変化させるように制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記移動量が大きくなるのに伴って前記駆動トルクが小さくなるように、当該駆動トルクを変化させることを特徴とするものである。
上記構成のシート供給装置によれば、駆動源が積載プレートを上昇させるのにあたり、上昇開始時には駆動トルクが「大」であっても、積載プレートの移動量が増えるのに伴って駆動トルクが「小」となるように、制御手段が駆動源における駆動トルクを変化させる。したがって、例えば、積載プレート上の記録用紙積載量が多い場合であっても、駆動源が大きな駆動トルクを発生させつつ積載プレートを上昇させることが可能となる一方、積載プレート上の記録用紙積載量が少ない場合には、積載プレートの移動量が大きいので、積載プレート上の最上の記録用紙が用紙供給高さに達する時点では、駆動源における駆動トルクが小さくなっている。つまり、記録用紙積載量が少ない場合に駆動源の暴走が発生しても、駆動トルクの大きさが記録用紙の積載量に応じたものとなっているので、積載プレート周辺に対して過度の負荷が及んでしまうことがない。しかも、駆動源の駆動トルク変化は、例えば駆動源が電動モータあるいはステッピングモータからなるものであれば、電流値や回転数等の変化によって実現可能となるので、そのために機械部品の追加を必要とすることがないとともに、その駆動源の特性に応じて実現することが考えられ、どのような駆動源であっても容易かつ適切に対応し得るようになる。
以上のように、本発明のシート供給装置では、積載プレートの移動量に応じて駆動源における駆動トルクを変化させるので、多くの記録用紙を積載プレートが積載している場合だけでなく、積載プレートが少量の記録用紙を積載している場合であっても、その積載プレートを上昇させる駆動源の暴走発生時に、確実に積載プレート周辺の破損防止が図ることができる。しかも、そのために、機械部品の追加等を要することもなく、駆動源の特性に応じた適切な対応が可能となるので、装置構成の複雑化等を招くことなく容易に暴走発生時の破損防止が図れるようになる。さらには、駆動トルクが小さくなるように制御することで省エネルギー化も期待できる。
以下、図面に基づき本発明に係るシート供給装置について説明する。
ここで説明するシート供給装置は、複写機やプリンタ装置等に搭載されて用いられ、その複写機やプリンタ装置等における給紙トレイとして機能するものであり、多枚数の記録用紙の収納に対応すべくエレベータ方式のリフトアップ機構を備えたものである。なお、ここでいう「記録用紙」には、画像の印刷出力に供せるシート状のものであれば、普通紙や再生紙等のみならず、OHPシート等をも含むものとする。
図1は、本発明に係るシート供給装置の要部構成例を模式的に示す説明図である。図例のように、ここで説明するシート供給装置1は、エレベータ方式のリフトアップ機構を実現するために、積載プレート2と、駆動源3と、検知手段4と、制御手段5と、計時手段6と、管理テーブル7と、を備えている。
積載プレート2は、記録用紙8が積載されるものであり、記録用紙8が積載された状態で上下方向に昇降するものである。積載プレート2の昇降は、駆動源3による駆動力が伝わることによって行われるが、そのための機構(ワイヤやプーリ等の駆動伝達機構)については従来と同様の公知技術を利用して実現すればよいため、ここではその説明を省略する。
駆動源3は、積載プレート2を昇降させるためのものである。ただし、後述するように、発生させる駆動トルクの大きさを変化させ得るものとする。このような駆動源3としては、例えば電動モータやステッピングモータが挙げられる。なお、ここでは、パルス制御されるステッピングモータを除くACモータおよびDCモータのことを「電動モータ」と総称する。
検知手段4は、積載プレート2上に積載されたうちの最上の記録用紙8が所定の用紙供給高さ、さらに詳しくは図示せぬピックアップロールがその記録用紙8を繰り出すことが可能な高さに位置することを検知するものである。このような検知を行うものとしては、例えば接触型のマイクロスイッチや非接触型の光電センサが挙げられる。
制御手段5は、駆動源3の駆動を制御するものである。具体的には、駆動源3に対して、駆動開始または駆動停止の指示を与えたり、駆動時における発生トルクのコントロールを行ったりするものである。このような制御を行うものとしては、例えば駆動源3がステッピングモータであれば、そのステッピングモータのコントローラが挙げられる。また、例えば駆動源3が電動モータである場合には、ステッピングモータのコントローラに相当する電気回路群がこれに該当する。
計時手段6は、制御手段5が駆動源3に駆動指示を与えてからの経過時間を計測するものである。この計時手段6は、一般に広く用いられているタイマー機能を用いて実現すればよい。
管理テーブル7は、制御手段5がアクセス可能な記憶装置内に設けられたもので、駆動源3の発生トルクと駆動経過時間との対応関係をテーブル形式で管理するものである。なお、管理テーブル7が管理する対応関係は、実験やシミュレーション等を通じて経験的に特定されて登録されているものとする。
以上のような構成のシート供給装置1では、積載プレート2に記録用紙8が積載されて、その積載プレート2を含む給紙トレイごと複写機やプリンタ装置等の機内に挿入されると、その挿入を検知するセンサによる検知結果または操作パネルでのユーザ操作をトリガにして、制御手段5が駆動源3に駆動開始の指示を与えて、積載プレート2をホームポジションとなる機内挿入時のセット位置(以下、この位置を「用紙積載可能位置」という)から上昇させる。そして、検知手段4による検知があるまで積載プレート2が上昇するように駆動源3に対する駆動指示を与え、検知手段4による検知があると制御手段5が駆動源3に駆動停止の指示を与えて、その位置(高さ)で積載プレート2を停止させる。これにより、積載プレート2上に積載されたうちの最上の記録用紙8は、所定の用紙供給高さに位置することになり、ピックアップロールがその記録用紙8を繰り出すことが可能となるのである。また、記録用紙8の繰り出しによって検知手段4による検知がなくなると、制御手段5が再び駆動源3に駆動開始の指示を与えて、積載プレート2を上昇させることで、最上の記録用紙8の高さが用紙供給高さに維持されるようにする。したがって、シート供給装置1では、積載プレート2上に多枚数の記録用紙8が積載されている場合であっても、その記録用紙8を用紙供給高さにて1枚ずつ繰り出すことが可能になるのである。
ところで、本実施形態で説明するシート供給装置1では、上述した一連の処理動作を行うのにあたり、制御手段5が駆動源3に対して、その駆動源3が発生させる駆動トルクを積載プレート2の用紙積載可能位置からの移動量に応じて変化するような制御を行う点に大きな特徴がある。
続いて、この特徴点、すなわち本実施形態のシート供給装置1における特徴的な制御処理動作について説明する。図2は、シート供給装置における駆動源のトルク変化の具体例を示す説明図である。
一般に、積載プレート2上への記録用紙8の積載量が多い場合は、用紙積載可能位置から最上の記録用紙8が用紙供給高さに達するまでの移動距離が小さいため、積載プレート2の上昇完了時間(駆動源3の駆動開始から駆動停止までの時間)が短く、しかも積載プレート2の上昇に要する駆動源3への負荷トルクも大きい。また、積載プレート2上への記録用紙8の積載量が少ない場合には、用紙積載可能位置から最上の記録用紙8が用紙供給高さに達するまでの移動距離が大きいため、積載プレート2の上昇完了時間も長いが、積載プレート2の上昇に要する駆動源3への負荷トルクは小さくて済む。つまり、図2(a)に示すように、積載プレート2の上昇完了時間が短い場合には駆動源3への負荷トルクとして大トルクが必要となるが、上昇完了時間が長ければ駆動源3への負荷トルクは小さくて済む(図中A参照)。
したがって、例えば、従来における場合のように、駆動源3の発生させるトルクが積載プレート2上における記録用紙8の最大積載量を基準にして決定され、常にそのトルクでもって駆動源3が積載プレート2を上昇させるようになっていると(図中B参照)、その積載プレート2上への用紙積載量が少ない場合に、駆動源3が発生させるトルクと積載プレート2の上昇に要する負荷トルクとの差、すなわち力の余裕分が大きくなり、検知手段4の故障等により駆動源3の暴走が発生したときに、積載プレート2の周辺(積載プレート2やその周囲の構成部品、さらには積載プレート2上の記録用紙8等)のに対して過度の負荷が及ぶことが考えられる。
このことから、本実施形態のシート供給装置1では、制御手段5が駆動源3に対して、その駆動源3が発生させる駆動トルクを積載プレート2の用紙積載可能位置からの移動量に応じて変化させるように、さらに詳しくは移動量が大きくなるのに伴って駆動トルクが小さくなるように、駆動制御を行うのである(図中C参照)。
このような駆動制御を行えば、駆動源3が積載プレート2を上昇させるのにあたり、上昇開始時には駆動トルクが「大」であっても、積載プレート2の移動量が増えるのに伴って駆動トルクが「小」となる。つまり、例えば、積載プレート2上への用紙積載量が多い場合であっても、駆動源3が大きな駆動トルクを発生させつつ積載プレート2を上昇させることが可能となる一方、積載プレート2上への用紙積載量が少ない場合には、積載プレート2の移動量が大きいので、積載プレート2上の最上の記録用紙8が用紙供給高さに達する時点では、駆動源3における駆動トルクが小さくなっている。そのため、積載プレート2上への用紙積載量が少ない場合に、例えば検知手段4の故障等により駆動源3の暴走が発生したときであっても、駆動源3が発生させる駆動トルクの大きさが記録用紙8の積載量に応じたものとなっているので、力の余裕分が適切なものとなり、積載プレート2の周辺に対して過度の負荷が及んでしまうことがないのである。
積載プレート2の移動量に応じて駆動源3が発生させる駆動トルクを変化させるためには、積載プレート2の移動量を特定することが必要となるが、制御手段5は、その特定を、駆動源3に駆動指示を与えてからの経過時間に基づいて行う。例えば、経過時間が長ければ積載プレート2の移動量が大きいと判断する、といった具合である。このように、駆動指示からの経過時間に基づいて積載プレート2の移動量を特定すれば、積載プレート2の移動量の検出センサ等といった機械部品の追加を必要とすることがないので、装置構成の複雑化や大型化等を招くことがなく、積載プレート2の移動量を容易かつ適切に特定して、駆動源3の発生トルクを変化させ得るようになる。
具体的には、計時手段6によるタイマー機能を利用して、駆動源3に駆動指示を与えてからの経過時間を認識すればよい。この場合に、管理テーブル7には、例えば図2(b)に示すような駆動源3の発生トルクと駆動経過時間との対応関係が予め登録されているものとする。そして、制御手段5は、計時手段6によるタイマー機能を利用して経過時間を監視しつつ、管理テーブル7に登録されている対応関係とを参照しながら、駆動源3が発生させるべき駆動トルクを決定する。これにより、制御手段5は、積載プレート2の移動量に応じて駆動源3が発生させる駆動トルクを変化させることが可能となる。
なお、積載プレート2の移動量の特定は、必ずしも駆動源3に駆動指示を与えてからの経過時間に基づいて行う場合のみに限定されることはなく、例えば積載プレート2の移動量を検知する移動量検知手段を設け、その移動量検知手段での検出結果に基づいて積載プレート2の移動量を特定するようにしても構わない。移動量検知手段としては、例えば、積載プレート2の移動方向に沿って固設された複数の光反射型光電センサからなるものや、積載プレート2または記録用紙8に当接する移動可能な接触子とその接触子の移動量を検知する変位センサからなるものや、その他の公知技術を利用してなるものを用いればよい。このような移動量検知手段での検出結果に基づいて積載プレート2の移動量を特定すれば、駆動源3が積載プレート2を移動させる際の移動速度の影響を受けることなく、その積載プレート2を移動量を正確に特定することが可能となる。
積載プレート2の移動量を特定したら、制御手段5は、管理テーブル7に登録されている対応関係を参照しつつ、駆動源3に対して発生トルク変化を指示するが、この駆動源3におけるトルク変化は以下に述べるようにして実現することが考えられる。
例えば、駆動源3が電動モータからなる場合であれば、制御手段5は、駆動源3に与える電流値を変化させることで、その駆動源3における駆動トルクを変化させる。すなわち、一般に電動モータは、電流値が大きいほど駆動発生トルクが大きくなり、電流値を小さくするほど駆動発生トルクが小さくなる特性を有していることから、駆動源3に駆動指示を与えた後、積載プレート2の用紙積載可能位置からの移動量が小さい段階では電流値を大きくするのに対し、移動量が増えるのに伴って電流値を小さくすることで、その駆動源3における駆動トルクを「大」→「小」に変化させる。
このとき、制御手段5は、図2(b)に示すように、複数の電流値を段階的に(階段状に)切り替えるようにすることで(図中D参照)、駆動源3に与える電流値を変化させる処理の煩雑化を抑制するものであってもよい。この場合、切り替え値が少ないほど処理の煩雑化が押さえられる一方、切り替え値が多ければ駆動制御の信頼性が向上することになる。なお、このような段階的の切り替えを行うためには、管理テーブル7内に予め階段状の対応関係を登録しておけばよい。
また、例えば、駆動源3がステッピングモータからなる場合であれば、制御手段5は、駆動源3を動作させる回転数を変化させることで、その駆動源3における駆動トルクを変化させる。すなわち、一般にステッピングモータは、図2(c)に示すように、駆動回転数を大きくすることで駆動トルクが小さくなる特性を有していることから(図中E参照)、駆動源3に駆動指示を与えた後、積載プレート2の用紙積載可能位置からの移動量が小さい段階では駆動回転数を小さくするのに対し、移動量が増えるのに伴って駆動回転数を大きくすることで、その駆動源3における駆動トルクを「大」→「小」に変化させる。
ステッピングモータの駆動回転数は、そのステッピングモータに与える駆動パルス数の大小によってコントロールすることができる。したがって、制御手段5は、上述した電流値による制御の場合と同様、図2(b)に示すように、複数の駆動パルス数を段階的に(階段状に)切り替えるようにすることで、駆動源3に与える駆動パルス数を変化させる処理の煩雑化を抑制するものであってもよい。この場合も、切り替え値が少ないほど処理の煩雑化が押さえられる一方、切り替え値が多ければ駆動制御の信頼性が向上することになる。また、管理テーブル7内に予め階段状の対応関係を登録しておくことも、電流値による制御の場合と同様である。
このように、駆動源3の駆動トルク変化は、例えば駆動源3が電動モータあるいはステッピングモータからなるものであれば、電流値や回転数等の変化によって実現することが可能となる。
つまり、本実施形態のシート供給装置1では、制御手段5が駆動源3の特性を利用して、その駆動源3が発生する駆動トルクを変化させるのである。したがって、駆動トルク変化のために、駆動伝達経路上に機械部品を追加配置するといった必要がなく、装置の低コスト化や小型化等に容易に対応し得るようになる。また、駆動源3の特性を利用することから、どのような駆動源3であっても容易かつ適切に対応し得るようになる。
制御手段5が変化させる駆動トルクの大きさは、以下に述べるようなものであればよい。例えば、積載プレート2が用紙積載可能位置またはその近傍(用紙積載可能位置と同等に扱える位置)に位置するときには、最大積載量の記録用紙8が積載されている状態の積載プレート2を上昇させ得る大きさの駆動トルクを、駆動源3に発生させる。一方、積載プレート2に積載された最上の記録用紙8が用紙供給高さまたはその近傍(用紙供給高さと同等に扱える高さ)まで達した際には、駆動源3が発生させる駆動トルクの大きさと、積載プレート2およびその積載プレート2上に積載されている記録用紙8の合計重量の大きさとが、一定の関係を保つように、駆動源3に駆動トルクを発生させる。すなわち、積載プレート2上の最上の記録用紙8が用紙供給高さまたはその近傍に位置するときには、「〔駆動源3が発生させる駆動トルクの大きさ〕−〔積載プレート2の重量+積載プレート2上の記録用紙の重量〕=略一定」の関係を成立させる。この「略一定」の大きさが、積載プレート2を上昇させる際の力の余裕分となる。
管理テーブル7内には、これらの駆動トルクの大きさから例えば線形補間によって特定された、積載プレート2の昇降範囲全域に対応する駆動トルクの大きさ、すなわち積載プレート2の用紙積載可能位置からの移動量と駆動源3の発生トルクとの対応関係が、テーブル形式で管理されているものとする。
このうち、積載プレート2上の最上の記録用紙8が用紙供給高さまたはその近傍に位置するときの駆動トルクの大きさについては、例えば駆動源3がステッピングモータからなる場合であれば、その駆動源3に過負荷がかかると当該駆動源3が脱調するように設定されていることが望ましい。過負荷によって脱調すれば、例えば検知手段4の故障等により駆動源3の暴走が発生したときであっても、駆動源3を脱調させることによって、積載プレート2の周辺に過度の負荷が及んでしまうのを回避できるからである。このような脱調トルクの設定は、最上の記録用紙8が用紙供給高さまたはその近傍に位置するときのものであり、用紙積載可能位置からの駆動開始時等といったその他の場合については別途設定すればよいため、その設定が困難になってしまうことはない。
また、積載プレート2上における最上の記録用紙8が用紙供給高さまたはその近傍に位置するときには、その最上の記録用紙8が繰り出された後も、新たに最上となる記録用紙8の高さを維持すべく、制御手段5が駆動源3に対して駆動停止/駆動再開の指示を繰り返す。その場合にも、制御手段5が駆動源3に発生させる駆動トルクは、原則として、積載プレート2の用紙積載可能位置からの移動量に応じて小さくなったものであり、かつ、「〔駆動源3が発生させる駆動トルクの大きさ〕−〔積載プレート2の重量+積載プレート2上の記録用紙の重量〕=略一定」の関係が成立するものであるが、駆動再開時については、その駆動再開を円滑に行うべく、その駆動再開に必要となる起動トルクを加えたものであってもよい。
以上のように、本実施形態のシート供給装置1では、駆動源3が積載プレート2を上昇させるのにあたり、積載プレート2の用紙積載可能位置からの移動の時間経過に伴って、駆動源3が発生させる駆動トルクを「大」→「小」へ変化させるようになっている。したがって、装置構成の複雑化を招くことなく、例えば記録用紙8の積載量が多くても「大」トルクによる上昇が可能である一方、記録用紙8の積載量が少ない場合には用紙積載可能位置から用紙供給高さまでの移動量が大きいため、駆動開始時は「大」トルクでもそのうちに「小」トルクとなり、その結果、暴走等が生じてもそれによるダメージを軽減できるのである。
なお、本実施形態では、本発明の好適な実施具体例を説明したが、本発明はその内容に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、駆動開始からの経過時間に基づいて積載プレート2の移動量を特定し、積載プレート2の移動開始後に逐次駆動源3による駆動トルクを変化させる場合を例に挙げて説明したが、移動量検知手段での検知結果に基づいて積載プレート2の移動量を特定する場合であれば、移動開始後に逐次駆動トルクを変化させてもよいが、駆動開始前に積載プレート2の移動量を検知可能なので、駆動開始前にその移動量に適した駆動トルクを管理テーブル7内の登録内容から特定し、その特定した一定の駆動トルクで最上の記録用紙8が用紙供給高さに達するまで積載プレート2を上昇させるようにすることも考えられる。この場合であっても、駆動源3が積載プレート2を上昇させるのにあたり、積載プレート2の用紙積載可能位置からの移動量に応じて駆動トルクを変化させているので、駆動源3の暴走発生時に確実に積載プレート周辺の破損防止が図れるようになる。
本発明に係るシート供給装置の要部構成例を模式的に示す説明図である。 本発明に係るシート供給装置における駆動源のトルク変化の具体例を示す説明図である。
符号の説明
1…シート供給装置、2…積載プレート、3…駆動源、4…検知手段、5…制御手段、6…計時手段、7…管理テーブル、8…記録用紙

Claims (7)

  1. シート状の記録用紙が積載される積載プレートと、
    前記積載プレートを昇降させるための駆動源と、
    前記積載プレート上に積載されたうちの最上の記録用紙が所定の用紙供給高さに位置することを検知する検知手段と、
    前記検知手段による検知があるまで前記積載プレートが上昇するように前記駆動源に対する駆動指示を与えるとともに、前記駆動源が発生させる駆動トルクを前記積載プレートの用紙積載可能位置からの移動量に応じて変化させるように制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記移動量が大きくなるのに伴って前記駆動トルクが小さくなるように、当該駆動トルクを変化させる
    ことを特徴とするシート供給装置。
  2. 前記制御手段は、前記駆動源に駆動指示を与えてからの経過時間に基づいて、前記積載プレートの移動量を特定する
    ことを特徴とする請求項1記載のシート供給装置。
  3. 前記積載プレートの移動量を検知する移動量検知手段を備えるとともに、
    前記制御手段は、前記移動量検知手段での検知結果に基づいて、前記積載プレートの移動量を特定する
    ことを特徴とする請求項1記載のシート供給装置。
  4. 前記駆動源は、電動モータからなるものであり、
    前記制御手段は、前記駆動源に与える電流値を変化させることで、当該駆動源における駆動トルクを変化させるものである
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載のシート供給装置。
  5. 前記駆動源は、ステッピングモータからなるものであり、
    前記制御手段は、前記駆動源を動作させる回転数を変化させることで、当該駆動源における駆動トルクを変化させるものである
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載のシート供給装置。
  6. 前記制御手段は、前記駆動源に過負荷がかかると当該駆動源が脱調するように、当該駆動源における駆動トルクを設定するものである
    ことを特徴とする請求項5記載のシート供給装置。
  7. 前記制御手段は、前記最上の記録用紙が前記用紙供給高さまたは当該用紙供給高さの近傍まで達した際に、前記駆動源が発生させる駆動トルクの大きさと前記積載プレートおよび当該積載プレート上に積載されている記録用紙の合計重量の大きさとが一定の関係を保つように、前記駆動源における駆動トルクを変化させるものである
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のシート供給装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010260689A (ja) * 2009-05-07 2010-11-18 Riso Kagaku Corp 給紙台昇降制御装置
JP2015110475A (ja) * 2013-10-31 2015-06-18 キヤノン株式会社 画像形成装置

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