JP2006088535A - 成形型、および成形品の成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡単な構成で、意匠面と非意匠面とが形成された成形品、特にアンダーカット部を有する成形品を、開閉可能な成形型内に形成されたキャビティにより成形した後に、意匠面を傷つけることなく容易に且つ確実に取り出すことができる成形型および成形方法を提供する。
【解決手段】 成形型2は、意匠面F1と非意匠面F2とが形成された成形品1を成形するためのもので、意匠面F1を成形する第1の成形型としての固定型20と、非意匠面F2を成形し、型開き時に成形品1を保持するように形成された第2の成形型としての可動型21と、可動型21から成形品1を離型させるエジェクタ手段5と、可動型21に保持された状態で型開きすることにより固定型20から離型された成形品1をエジェクタ手段5により可動型21から離型させて、固定型20に成形品1を残すよう制御する制御手段と、を備えている。
【選択図】 図2
【解決手段】 成形型2は、意匠面F1と非意匠面F2とが形成された成形品1を成形するためのもので、意匠面F1を成形する第1の成形型としての固定型20と、非意匠面F2を成形し、型開き時に成形品1を保持するように形成された第2の成形型としての可動型21と、可動型21から成形品1を離型させるエジェクタ手段5と、可動型21に保持された状態で型開きすることにより固定型20から離型された成形品1をエジェクタ手段5により可動型21から離型させて、固定型20に成形品1を残すよう制御する制御手段と、を備えている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、成形型、および成形品の成形方法に関し、さらに詳しくは、意匠面と非意匠面とが形成された成形品、特にアンダーカット部を有する成形品にも適用することができる成形型およびその成形方法に関するものである。
成形型を所定の圧力で型閉じしてその内部にキャビティを形成し、このキャビティ内に加熱溶融することにより流動化された樹脂などの成形材料を射出充填して所定形状の成形品を成形し、型開きが完了した後にエジェクタピンを突き出すことによって成形品を離型させて、成形品を取り出すことが一般に行われている。そして、成形品のなかには、製品として人目に触れる意匠面と、人目に触れることのない非意匠面とを成形する場合がある。また、成形品の形状が、型開閉方向に対して負角となるアンダーカット部を有する場合には、成形型が開閉できるように型開閉方向と異なる方向に移動するスライドコアを設けて成形型を分割構造とすることが従来から知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1には、固定側型と可動側型の型閉時において型相互間に製品形状のキャビティが形成される射出成形用金型において、固定側型または可動側型のいずれか一方に、凹状アンダーカット成形部を形成するとともに樹脂成形品を離型するためのエジェクタピンを設け、他方の可動側型または固定側型に凸状アンダーカット成形部を形成し、凹状アンダーカット成形部により成形された樹脂成形品のアンダーカット部が凹状アンダーカット成形部から離れる方向に樹脂成形品を押し出す押出し手段と凸状アンダーカット成形部を形成するためのスライドコアとを固定側型または可動側型に進退可能に設けていることなどを特徴とする射出成形用金型が開示されている。
さらに、エジェクタによって離型された成形品を成形型から取り出すために、あるいは、エジェクタを設けることなく成形品を離型させて取り出すために、成形品を把持して移動させる取り出し装置を成形型の外部に設けることも従来から行われていた。なお、意匠面と非意匠面とが形成された成形品を取り出し装置によって成形型から取り出すときには、非意匠面を把持する必要がある。
特許文献1には、固定側型と可動側型の型閉時において型相互間に製品形状のキャビティが形成される射出成形用金型において、固定側型または可動側型のいずれか一方に、凹状アンダーカット成形部を形成するとともに樹脂成形品を離型するためのエジェクタピンを設け、他方の可動側型または固定側型に凸状アンダーカット成形部を形成し、凹状アンダーカット成形部により成形された樹脂成形品のアンダーカット部が凹状アンダーカット成形部から離れる方向に樹脂成形品を押し出す押出し手段と凸状アンダーカット成形部を形成するためのスライドコアとを固定側型または可動側型に進退可能に設けていることなどを特徴とする射出成形用金型が開示されている。
さらに、エジェクタによって離型された成形品を成形型から取り出すために、あるいは、エジェクタを設けることなく成形品を離型させて取り出すために、成形品を把持して移動させる取り出し装置を成形型の外部に設けることも従来から行われていた。なお、意匠面と非意匠面とが形成された成形品を取り出し装置によって成形型から取り出すときには、非意匠面を把持する必要がある。
しかしながら、成形品の意匠面を一方の成形型から離型させて非意匠面を他方の成形型に保持させるように構成した場合には、非意匠面が他方の成形型に面しているために取り出し装置に非意匠面を把持させることができない。そのため、取り出し装置を用いることができず、手作業によって他方の成形型から成形品を取り出す必要があり、負荷が大きく取り出し時間がかかるために生産性が向上しないなどの問題があった。
また、成形品の非意匠面を把持することができるように一方の成形型から非意匠面を離型させて意匠面を他方の成形型に保持させるように構成した場合には、エジェクタを突き出してその成形品を他方の成形型から離型させるときに意匠面にエジェクタ痕などの傷がつくこととなる。そのため、取り出し装置や手作業によって成形品の意匠面を他方の成形型から離型させて取り出す必要があり、この離型させる際の抵抗が大きくなることから、取り出し装置によって確実に成形品を取り出すことが保証できないという問題や、手作業によって成形品を取り出す場合には負荷が大きく、取り出し時間がかかるために生産性が向上しないなどの問題があった。
さらに、成形品がアンダーカット部を有する場合には、そのアンダーカット部を成形するためにスライドコアを設けて成形型を分割構造とすると、成形品にスライドコアによる分割線(パーティングライン)が形成されることとなる。そのため、成形品の意匠面を成形する側の成形型にはスライドコアを設けることができず、成形型の構成自由度が制限されるという問題があった。また、アンダーカット部を有する成形品は、成形型のアンダーカット部形成部分にアンダーカット部が干渉することから、取り出し装置によって自動的に成形型から取り出すことがさらに困難であり、手作業によって成形品を取り出さなければならなず、容易に且つ確実に成形品を取り出すことができないという問題があった。
また、成形品の非意匠面を把持することができるように一方の成形型から非意匠面を離型させて意匠面を他方の成形型に保持させるように構成した場合には、エジェクタを突き出してその成形品を他方の成形型から離型させるときに意匠面にエジェクタ痕などの傷がつくこととなる。そのため、取り出し装置や手作業によって成形品の意匠面を他方の成形型から離型させて取り出す必要があり、この離型させる際の抵抗が大きくなることから、取り出し装置によって確実に成形品を取り出すことが保証できないという問題や、手作業によって成形品を取り出す場合には負荷が大きく、取り出し時間がかかるために生産性が向上しないなどの問題があった。
さらに、成形品がアンダーカット部を有する場合には、そのアンダーカット部を成形するためにスライドコアを設けて成形型を分割構造とすると、成形品にスライドコアによる分割線(パーティングライン)が形成されることとなる。そのため、成形品の意匠面を成形する側の成形型にはスライドコアを設けることができず、成形型の構成自由度が制限されるという問題があった。また、アンダーカット部を有する成形品は、成形型のアンダーカット部形成部分にアンダーカット部が干渉することから、取り出し装置によって自動的に成形型から取り出すことがさらに困難であり、手作業によって成形品を取り出さなければならなず、容易に且つ確実に成形品を取り出すことができないという問題があった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、意匠面と非意匠面とが形成された成形品、特にアンダーカット部を有する成形品を、開閉可能な成形型内に形成されたキャビティにより成形した後に、意匠面を傷つけることなく容易に且つ確実に取り出すことができる成形型を提供することを目的とする。
また、本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、意匠面と非意匠面とが形成された成形品、特にアンダーカット部を有する成形品を、開閉可能な成形型内に形成されたキャビティにより成形した後に、意匠面を傷つけることなく容易に且つ確実に取り出すことができる成形品の成形方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、意匠面と非意匠面とが形成された成形品、特にアンダーカット部を有する成形品を、開閉可能な成形型内に形成されたキャビティにより成形した後に、意匠面を傷つけることなく容易に且つ確実に取り出すことができる成形品の成形方法を提供することを目的とする。
請求項1の成形型に係る発明は、上記目的を達成するため、意匠面と非意匠面とが形成された成形品を成形するための成形型であって、意匠面を成形する第1の成形型と、非意匠面を成形し、型開き時に成形品を保持するように形成された第2の成形型と、第2の成形型から成形品を離型させるエジェクタ手段と、第2の成形型に保持された状態で型開きすることにより第1の成形型から離型された成形品をエジェクタ手段により第2の成形型から離型させて、第1の成形型に成形品を残すよう制御する制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。
請求項2の成形型に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明において、さらに、アンダーカット部を有する成形品を成形するための成形型であって、第1の成形型に成形品のアンダーカット部を形成するアンダーカット部形成部分を設け、第2の成形型のみに非意匠面のアンダーカット部を成形するスライドコアを進退可能に設けたことを特徴とするものである。
請求項3の成形品の成形方法に係る発明は、上記目的を達成するため、意匠面と非意匠面とが形成された成形品を成形するための方法であって、意匠面を成形する第1の成形型と、非意匠面を成形し型開き時に成形品を保持するように形成された第2の成形型と、第2の成形型から成形品を離型させるエジェクタ手段と、を備えてなる成形型を用意し、成形型を型閉じして形成されたキャビティに成形材料を射出充填し、成形完了後に成形品を第2の成形型に保持させた状態で型開きすることにより、成形品の意匠面を第1の成形型から離型させ、成形品の意匠面が第1の成形型から離型されてから完全に型開きが完了するまでの間にエジェクタ手段により第2の成形型から成形品を完全に離型させて第1の成形型に残し、第1の成形型に残された成形品の非意匠面を把持して成形品を取り出すことを特徴とするものである。
請求項4の成形品の成形方法に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項3に記載の発明において、さらに、成形品がアンダーカット部を有し、成形品のアンダーカット部を形成するアンダーカット部形成部分を備えた第1の成形型を用意して、成形品の意匠面を少なくとも部分的に第1の成形型から離型させてからアンダーカット部形成部分に対してアンダーカット部が干渉することによる型開き限界までの間にエジェクタ手段により第2の成形型から成形品を完全に離型させて第1の成形型に残すことを特徴とするものである。
請求項2の成形型に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明において、さらに、アンダーカット部を有する成形品を成形するための成形型であって、第1の成形型に成形品のアンダーカット部を形成するアンダーカット部形成部分を設け、第2の成形型のみに非意匠面のアンダーカット部を成形するスライドコアを進退可能に設けたことを特徴とするものである。
請求項3の成形品の成形方法に係る発明は、上記目的を達成するため、意匠面と非意匠面とが形成された成形品を成形するための方法であって、意匠面を成形する第1の成形型と、非意匠面を成形し型開き時に成形品を保持するように形成された第2の成形型と、第2の成形型から成形品を離型させるエジェクタ手段と、を備えてなる成形型を用意し、成形型を型閉じして形成されたキャビティに成形材料を射出充填し、成形完了後に成形品を第2の成形型に保持させた状態で型開きすることにより、成形品の意匠面を第1の成形型から離型させ、成形品の意匠面が第1の成形型から離型されてから完全に型開きが完了するまでの間にエジェクタ手段により第2の成形型から成形品を完全に離型させて第1の成形型に残し、第1の成形型に残された成形品の非意匠面を把持して成形品を取り出すことを特徴とするものである。
請求項4の成形品の成形方法に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項3に記載の発明において、さらに、成形品がアンダーカット部を有し、成形品のアンダーカット部を形成するアンダーカット部形成部分を備えた第1の成形型を用意して、成形品の意匠面を少なくとも部分的に第1の成形型から離型させてからアンダーカット部形成部分に対してアンダーカット部が干渉することによる型開き限界までの間にエジェクタ手段により第2の成形型から成形品を完全に離型させて第1の成形型に残すことを特徴とするものである。
請求項1の発明では、第1の成形型と第2の成形型とを型閉じて成形品の形状に応じたキャビティを形成し、溶融流動化した成形材料をキャビティ内に射出充填して、成形材料が固化すると、所定形状の成形品が成形される。成形品の意匠面は第1の成形型によって成形され、非意匠面は第2の成形型によって成形される。また、第2の成形型は、後に型開きしたときに成形品を保持し得るように成形されている。その後、第1の成形型と第2の成形型を離間させて型開きする。このとき、成形品は非意匠面が第2の成形型に保持された状態で型開きされるため、意匠面が部分的にまたは全体にわたって第1の成形型から離型される。成形品の意匠面が第1の成形型から離型された時点から型開きが完了するまでの間に成形品を第2の成形型から離型させるよう、第2の成形型に設けられたエジェクタ手段は制御手段によって制御される。そのため、成形品は、その意匠面にエジェクタ手段による痕がつくことなく、エジェクタ手段により離型された非意匠面が露出し意匠面が第1の成形型から離型した状態で、第1の成形型に残される。したがって、取り出し装置または手作業により成形品の非意匠面を把持して、容易に且つ確実に取り出すことが可能となる。
請求項2の発明では、請求項1に記載の発明において、スライドコアは第2の成形型のみに設けられてキャビティを形成し、成形品の非意匠面のアンダーカット部を成形する。このようにして成形された成形品は、第1の成形型にスライドコアを設けていないために、パーティングラインが意匠面に形成されることがない。成形材料が固化して成形品の成形が完了して第1の成形型と第2の成形型を離間させて型開きすると同時に、スライドコアはアンダーカット部から退避するよう後退移動される。型開きのとき、第2の成形型に保持された成形品の意匠面におけるアンダーカット部が、第1の成形型のアンダーカット部形成部分に干渉する型開き限界を迎えることとなる。そのため、制御手段は、成形品の意匠面が少なくとも部分的に第1の成形型から離型された時点から型開き限界を迎える時点までの間に成形品を第2の成形型から離型させるよう、エジェクタ手段を制御する。
請求項3の発明では、意匠面を成形する第1の成形型と、非意匠面を成形し型開き時に成形品を保持するように形成された第2の成形型と、第2の成形型から成形品を離型させるエジェクタ手段と、を備えてなる成形型を用意して、成形型を型閉じして形成されたキャビティに成形材料を射出充填し、意匠面と非意匠面とが形成された成形品を成形する。その後、型開きすると、成形品は第2の成形型に保持された状態であるため、第1の成形型から離型される。この第1の成形型から離型されてから完全に型開きするまでの間にエジェクタ手段により成形品を第2の成形型から離型させて、第1の成形型に残す。これにより、成形品は、その意匠面にエジェクタ手段による痕がつくことなく、エジェクタ手段によって離型された非意匠面が露出し意匠面が第1の成形型から離型した状態で、第1の成形型に残される。そのため、取り出し装置または手作業により成形品の非意匠面を把持して、容易に且つ確実に取り出すことが可能となる。
請求項4の発明では、請求項3に記載の発明において、成形品を第2の成形型に保持した状態で第1の成形型から離型させようとすると、成形品がアンダーカット部を有していることにより、この成形品のアンダーカット部が第1の成形型のアンダーカット部成形部分に干渉して型開きができない型開き限界を迎えることとなる。そこで、成形品の意匠面が少なくとも部分的に第1の成形型から離型された時点から型開き限界を迎える時点までの間にエジェクタ手段により第2の成形型から成形品を完全に離型させて第1の成形型に残す。成形品は、その意匠面が第1の成形型から部分的または全体的に離型されているため、アンダーカット部を有していても、取り出し装置または手作業により容易に且つ確実に取り出すことが可能となる。
請求項2の発明では、請求項1に記載の発明において、スライドコアは第2の成形型のみに設けられてキャビティを形成し、成形品の非意匠面のアンダーカット部を成形する。このようにして成形された成形品は、第1の成形型にスライドコアを設けていないために、パーティングラインが意匠面に形成されることがない。成形材料が固化して成形品の成形が完了して第1の成形型と第2の成形型を離間させて型開きすると同時に、スライドコアはアンダーカット部から退避するよう後退移動される。型開きのとき、第2の成形型に保持された成形品の意匠面におけるアンダーカット部が、第1の成形型のアンダーカット部形成部分に干渉する型開き限界を迎えることとなる。そのため、制御手段は、成形品の意匠面が少なくとも部分的に第1の成形型から離型された時点から型開き限界を迎える時点までの間に成形品を第2の成形型から離型させるよう、エジェクタ手段を制御する。
請求項3の発明では、意匠面を成形する第1の成形型と、非意匠面を成形し型開き時に成形品を保持するように形成された第2の成形型と、第2の成形型から成形品を離型させるエジェクタ手段と、を備えてなる成形型を用意して、成形型を型閉じして形成されたキャビティに成形材料を射出充填し、意匠面と非意匠面とが形成された成形品を成形する。その後、型開きすると、成形品は第2の成形型に保持された状態であるため、第1の成形型から離型される。この第1の成形型から離型されてから完全に型開きするまでの間にエジェクタ手段により成形品を第2の成形型から離型させて、第1の成形型に残す。これにより、成形品は、その意匠面にエジェクタ手段による痕がつくことなく、エジェクタ手段によって離型された非意匠面が露出し意匠面が第1の成形型から離型した状態で、第1の成形型に残される。そのため、取り出し装置または手作業により成形品の非意匠面を把持して、容易に且つ確実に取り出すことが可能となる。
請求項4の発明では、請求項3に記載の発明において、成形品を第2の成形型に保持した状態で第1の成形型から離型させようとすると、成形品がアンダーカット部を有していることにより、この成形品のアンダーカット部が第1の成形型のアンダーカット部成形部分に干渉して型開きができない型開き限界を迎えることとなる。そこで、成形品の意匠面が少なくとも部分的に第1の成形型から離型された時点から型開き限界を迎える時点までの間にエジェクタ手段により第2の成形型から成形品を完全に離型させて第1の成形型に残す。成形品は、その意匠面が第1の成形型から部分的または全体的に離型されているため、アンダーカット部を有していても、取り出し装置または手作業により容易に且つ確実に取り出すことが可能となる。
請求項1の発明によれば、意匠面を成形する第1の成形型と、非意匠面を成形し、型開き時に成形品を保持するように形成された第2の成形型と、第2の成形型から成形品を離型させるエジェクタ手段と、第2の成形型に保持された状態で型開きすることにより第1の成形型から離型された成形品をエジェクタ手段により第2の成形型から離型させて、第1の成形型に成形品を残すよう制御する制御手段と、を備えた簡単な構成で、意匠面にパーティングラインを形成することなく意匠面と非意匠面とが形成された成形品を成形することができ、しかも、成形後に意匠面を傷つけることなく容易に且つ確実に取り出すことができる成形型を提供することができる。
請求項2の発明によれば、請求項1に記載の発明において、さらに、第1の成形型に成形品のアンダーカット部を形成するアンダーカット部形成部分を設け、第2の成形型のみに非意匠面のアンダーカット部を成形するスライドコアを進退可能に設けた簡単な構成で、アンダーカット部を有する成形品を成形した後に、容易に且つ確実に取り出すことができる成形型を提供することができる。
請求項3の発明によれば、成形完了後に成形品を第2の成形型に保持させた状態で型開きすることにより、成形品の意匠面を第1の成形型から離型させ、成形品の意匠面が第1の成形型から離型されてから完全に型開きが完了するまでの間にエジェクタ手段により第2の成形型から成形品を完全に離型させて第1の成形型に残し、第1の成形型に残された成形品の非意匠面を把持して成形品を取り出すという簡単な構成で、意匠面にパーティングラインを形成することなく意匠面と非意匠面とが形成された成形品を成形することができ、しかも、成形後に意匠面を傷つけることなく容易に且つ確実に取り出すことができる成形方法を提供することができる。
請求項4の発明によれば、請求項3に記載の発明において、さらに、成形品のアンダーカット部を形成するアンダーカット部形成部分を備えた第1の成形型を用意して、成形品の意匠面を少なくとも部分的に第1の成形型から離型させてからアンダーカット部形成部分に対してアンダーカット部が干渉することによる型開き限界までの間にエジェクタ手段により第2の成形型から成形品を完全に離型させて第1の成形型に残すという簡単な構成で、アンダーカット部を有する成形品を成形した成形した後に、容易に且つ確実に取り出すことができる成形方法を提供することができる。
請求項2の発明によれば、請求項1に記載の発明において、さらに、第1の成形型に成形品のアンダーカット部を形成するアンダーカット部形成部分を設け、第2の成形型のみに非意匠面のアンダーカット部を成形するスライドコアを進退可能に設けた簡単な構成で、アンダーカット部を有する成形品を成形した後に、容易に且つ確実に取り出すことができる成形型を提供することができる。
請求項3の発明によれば、成形完了後に成形品を第2の成形型に保持させた状態で型開きすることにより、成形品の意匠面を第1の成形型から離型させ、成形品の意匠面が第1の成形型から離型されてから完全に型開きが完了するまでの間にエジェクタ手段により第2の成形型から成形品を完全に離型させて第1の成形型に残し、第1の成形型に残された成形品の非意匠面を把持して成形品を取り出すという簡単な構成で、意匠面にパーティングラインを形成することなく意匠面と非意匠面とが形成された成形品を成形することができ、しかも、成形後に意匠面を傷つけることなく容易に且つ確実に取り出すことができる成形方法を提供することができる。
請求項4の発明によれば、請求項3に記載の発明において、さらに、成形品のアンダーカット部を形成するアンダーカット部形成部分を備えた第1の成形型を用意して、成形品の意匠面を少なくとも部分的に第1の成形型から離型させてからアンダーカット部形成部分に対してアンダーカット部が干渉することによる型開き限界までの間にエジェクタ手段により第2の成形型から成形品を完全に離型させて第1の成形型に残すという簡単な構成で、アンダーカット部を有する成形品を成形した成形した後に、容易に且つ確実に取り出すことができる成形方法を提供することができる。
最初に、本発明の成形型の実施の一形態を図1〜図4に基づいて詳細に説明する。なお、異なる実施の形態において、同様の部分または相当する部分については同一符号を付してその説明を省略する。
本発明の成形型2は、概略、意匠面F1と非意匠面F2とが形成された成形品1を成形するためのもので、意匠面F1を成形する第1の成形型としての固定型20と、非意匠面F2を成形し、型開き時に成形品1を保持するように形成された第2の成形型としての可動型21と、可動型21から成形品1を離型させるエジェクタ手段5と、可動型21に保持された状態で型開きすることにより固定型20から離型された成形品1をエジェクタ手段5により可動型21から離型させて、固定型20に成形品1を残すよう制御する制御手段(後述する)と、を備えている。
なお、この実施の形態においては、成形品1は、その断面が屈曲したパネル状のものであり、意匠面F1が外側面(図の左方から下方に位置する面)であり、非意匠面F2が内側面(図の右方から上方に位置する面)であり、その厚さ方向と曲げ方向に弾性変形が可能であるものの場合により説明する。そして、図1〜図4に示した実施の形態では、成形品1に比較的小さなアンダーカット部1a’となる段部が形成されている場合により説明する。
本発明の成形型2は、概略、意匠面F1と非意匠面F2とが形成された成形品1を成形するためのもので、意匠面F1を成形する第1の成形型としての固定型20と、非意匠面F2を成形し、型開き時に成形品1を保持するように形成された第2の成形型としての可動型21と、可動型21から成形品1を離型させるエジェクタ手段5と、可動型21に保持された状態で型開きすることにより固定型20から離型された成形品1をエジェクタ手段5により可動型21から離型させて、固定型20に成形品1を残すよう制御する制御手段(後述する)と、を備えている。
なお、この実施の形態においては、成形品1は、その断面が屈曲したパネル状のものであり、意匠面F1が外側面(図の左方から下方に位置する面)であり、非意匠面F2が内側面(図の右方から上方に位置する面)であり、その厚さ方向と曲げ方向に弾性変形が可能であるものの場合により説明する。そして、図1〜図4に示した実施の形態では、成形品1に比較的小さなアンダーカット部1a’となる段部が形成されている場合により説明する。
成形型2は、下方に位置する固定型20と、上方に位置する可動型21と、により構成されている。固定型20に対する可動型21の型開閉方向は、図2に矢印で示すように垂直方向となっている。固定型20のキャビティ面が成形品1の意匠面F1を成形し、可動型21のキャビティ面が成形品1の非意匠面F2を成形する。そして、成形型2は、成形品の抜き勾配などの形状や固化による収縮によって、成形が完了して型開きしたときに、成形品1がその非意匠面F2を成形された可動型21に保持されるように設定され構成されている。成形品1の段部は、固定型20に対する可動型21の型開閉方向からアンダーカット部1a’となる。したがって、固定型20および可動型21は、成形品1のアンダーカット部1a’に応じて比較的小さなアンダーカット形成部分20a’、21aが一体に形成されている。
エジェクタ手段5は、可動型21を貫通する複数のエジェクタピン50と、各エジェクタピン50の基端部が接合されるエジェクタプレート51と、エジェクタプレート51に接合されてエジェクタピン50を進退駆動する流体圧シリンダ52と、を備えてなるもので、可動型21のみに設けられる。
なお、本発明の成形型は、上述した実施の形態に限定されることなく、固定型20を上方に配置すると共に可動型21を下方に配置してもよく、また、固定型20に対して可動型21を水平方向に移動させるよう構成してもよい。さらに、成形品1の内側が意匠面F1となり外側が非意匠面F2となる場合には、意匠面F1を成形すべく固定型20全体の形状を凸状とし、非意匠面F2を成形すべく可動型21全体の形状を凹状とすることもできる。さらにまた、可動型21に意匠面F1を形成させると共に、固定型20に非意匠面F2を形成させて、型開きしたときに成形品1を可動型21に残すよう構成することもできる。この場合には、エジェクタ手段5は、固定型20のみに設けられる。
エジェクタ手段5は、可動型21を貫通する複数のエジェクタピン50と、各エジェクタピン50の基端部が接合されるエジェクタプレート51と、エジェクタプレート51に接合されてエジェクタピン50を進退駆動する流体圧シリンダ52と、を備えてなるもので、可動型21のみに設けられる。
なお、本発明の成形型は、上述した実施の形態に限定されることなく、固定型20を上方に配置すると共に可動型21を下方に配置してもよく、また、固定型20に対して可動型21を水平方向に移動させるよう構成してもよい。さらに、成形品1の内側が意匠面F1となり外側が非意匠面F2となる場合には、意匠面F1を成形すべく固定型20全体の形状を凸状とし、非意匠面F2を成形すべく可動型21全体の形状を凹状とすることもできる。さらにまた、可動型21に意匠面F1を形成させると共に、固定型20に非意匠面F2を形成させて、型開きしたときに成形品1を可動型21に残すよう構成することもできる。この場合には、エジェクタ手段5は、固定型20のみに設けられる。
次に、本発明の成形方法の実施の一形態を、以上のように構成された成形型2を用いる場合により、その制御手段の制御内容と合わせて詳細に説明する。
本発明の成形方法は、概略、意匠面F1と非意匠面F2とが形成された成形品1を成形するためのもので、意匠面F1を成形する第1の成形型としての固定型20と、非意匠面F2を成形し型開き時に成形品1を保持するように形成された第2の成形型としての可動型21と、可動型21から成形品1を離型させるエジェクタ手段5と、を備えてなる成形型2を用意し、成形型2を型閉じして形成されたキャビティ3に成形材料を射出充填し、成形完了後に成形品1を可動型21に保持させた状態で型開きすることにより、成形品1の意匠面F1を固定型20から離型させ、成形品1の意匠面F1が固定型20から離型されてから完全に型開きが完了するまでの間にエジェクタ手段5により可動型21から成形品1を完全に離型させて固定型20に残し、この固定型20に残された成形品1の非意匠面F2を把持して成形品1を取り出すものである。
本発明の成形方法は、概略、意匠面F1と非意匠面F2とが形成された成形品1を成形するためのもので、意匠面F1を成形する第1の成形型としての固定型20と、非意匠面F2を成形し型開き時に成形品1を保持するように形成された第2の成形型としての可動型21と、可動型21から成形品1を離型させるエジェクタ手段5と、を備えてなる成形型2を用意し、成形型2を型閉じして形成されたキャビティ3に成形材料を射出充填し、成形完了後に成形品1を可動型21に保持させた状態で型開きすることにより、成形品1の意匠面F1を固定型20から離型させ、成形品1の意匠面F1が固定型20から離型されてから完全に型開きが完了するまでの間にエジェクタ手段5により可動型21から成形品1を完全に離型させて固定型20に残し、この固定型20に残された成形品1の非意匠面F2を把持して成形品1を取り出すものである。
図1に示すように、成形品1を成形するにあたり、最初に固定型20に可動型21を近接駆動して型閉じし、所定の型締め力で保持し、成形型2の内部に成形品1の形状と対応するキャビティ3を形成する。この状態でキャビティ3内に溶融・流動化された樹脂材料などの成形材料を射出充填すると、固定型20によって意匠面F1が形成されると共に、可動型21によって非意匠面F2が形成され、型開閉方向に対するアンダーカット部1a’となる段部を有する成形品1が成形される。
成形材料が固化して成形品1の成形が完了した後に、図2に示すように、固定型20から可動型21を離間させるよう駆動して型開きすると、成形品1が可動型21に保持されているため、意匠面F1が固定型20から離型されることとなる。なお、この実施の形態では、成形品1のアンダーカット部1a’が比較的小さく、且つ、成形品1が弾性変形することが可能であるために、可動型21のアンダーカット部形成部分21aの突出は、成形品1のアンダーカット部1a’から上方で吸収される。また、成形品1の意匠面F1におけるアンダーカット部1a’が固定型20のアンダーカット部形成部分20a’に干渉することとなるが、成形品1のアンダーカット部1a’が比較的小さく、且つ、成形品1が弾性変形することが可能であるために、成形品1は可動型21に保持されて型開き初期に可動型21と共に移動することが許容される。そのため、成形品1の意匠面F1は、全体にわたって固定型20から離型され、成形品1の意匠面F1と固定型20のキャビティ面との間には空気層Sが形成される。
成形材料が固化して成形品1の成形が完了した後に、図2に示すように、固定型20から可動型21を離間させるよう駆動して型開きすると、成形品1が可動型21に保持されているため、意匠面F1が固定型20から離型されることとなる。なお、この実施の形態では、成形品1のアンダーカット部1a’が比較的小さく、且つ、成形品1が弾性変形することが可能であるために、可動型21のアンダーカット部形成部分21aの突出は、成形品1のアンダーカット部1a’から上方で吸収される。また、成形品1の意匠面F1におけるアンダーカット部1a’が固定型20のアンダーカット部形成部分20a’に干渉することとなるが、成形品1のアンダーカット部1a’が比較的小さく、且つ、成形品1が弾性変形することが可能であるために、成形品1は可動型21に保持されて型開き初期に可動型21と共に移動することが許容される。そのため、成形品1の意匠面F1は、全体にわたって固定型20から離型され、成形品1の意匠面F1と固定型20のキャビティ面との間には空気層Sが形成される。
成形品1の意匠面F1が少なくとも部分的に固定型20から離型されると、図3に示すように、制御手段は、エジェクタ手段5の流体圧シリンダ52を型開きと同調させて伸長駆動して各エジェクタピン50を可動型21のキャビティ面から突き出し、成形品1を可動型21から離型させるよう制御する。これにより、図4に示すように、型開きが完了すると、成形品1は、意匠面F1が離型して非意匠面F2が上向きに露出された状態で、固定型20上に残されることとなる。そのため、取出し装置7の吸着盤などの把持手段70が比較的小さい把持力で確実且つ容易に非意匠面F2を把持して、意匠面F1を傷つけることなく成形型2から成形品1が取り出される。
なお、流体圧シリンダ52の伸長駆動は、固定型20が可動型21から所定量離間した型開き完了までの間に行えばよいが、成形品1の意匠面F1が少なくとも部分的に固定型20から離型された直後(成形品1の意匠面F1が少なくとも部分的に固定型20から離型されてから型開き量が最も少ない時点)に行うことが望ましい。さらに、エジェクタ手段5は、上述したようにエジェクタピン50などによって構成することに限定されることはない。成形品1のアンダーカット部1a’が固定型20のアンダーカット部形成部分20a’に干渉して可動型21に伴う移動を阻止される場合には、その結果として、成形品1が可動型21から離型される。そのため、成形品1の形状によっては、型開き時に意匠面F1の離型後に、アンダーカット部1a’を固定型20のアンダーカット部形成部分20a’と干渉させて可動型21に保持されて移動させないようにすることにより、エジェクタ手段5を構成することもできる。さらに、本発明は、上述したようにアンダーカット部1a’が無視できるほど小さい成形品1に留まらず、アンダーカット部1a’を全く有しない成形品1にも適用することができる。
なお、流体圧シリンダ52の伸長駆動は、固定型20が可動型21から所定量離間した型開き完了までの間に行えばよいが、成形品1の意匠面F1が少なくとも部分的に固定型20から離型された直後(成形品1の意匠面F1が少なくとも部分的に固定型20から離型されてから型開き量が最も少ない時点)に行うことが望ましい。さらに、エジェクタ手段5は、上述したようにエジェクタピン50などによって構成することに限定されることはない。成形品1のアンダーカット部1a’が固定型20のアンダーカット部形成部分20a’に干渉して可動型21に伴う移動を阻止される場合には、その結果として、成形品1が可動型21から離型される。そのため、成形品1の形状によっては、型開き時に意匠面F1の離型後に、アンダーカット部1a’を固定型20のアンダーカット部形成部分20a’と干渉させて可動型21に保持されて移動させないようにすることにより、エジェクタ手段5を構成することもできる。さらに、本発明は、上述したようにアンダーカット部1a’が無視できるほど小さい成形品1に留まらず、アンダーカット部1a’を全く有しない成形品1にも適用することができる。
次に、本発明の成形型2とその成形方法の別の実施の形態を図5〜図8に基づいて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明することとする。
この実施の形態においては、成形品1の段部となるアンダーカット部1aが比較的大き形状に設定されている。これに伴って、成形型2は、固定型20のアンダーカット部形成部分20aが一体で成形されており、非意匠面F2のアンダーカット部1aを成形するためのスライドコア22が可動型21のみに型開閉に伴って進退可能に設けられている。
そして、成形品1の成形方法は、概略、成形品1の意匠面F1を少なくとも部分的に固定型20から離型させてからそのアンダーカット部形成部分20aに対して成形品1のアンダーカット部1aが干渉することによる型開き限界までの間にエジェクタ手段5により可動型21から成形品1を完全に離型させて固定型20に残し、成形品1の非意匠面F2を把持して成形品1を取り出すものである。
この実施の形態においては、成形品1の段部となるアンダーカット部1aが比較的大き形状に設定されている。これに伴って、成形型2は、固定型20のアンダーカット部形成部分20aが一体で成形されており、非意匠面F2のアンダーカット部1aを成形するためのスライドコア22が可動型21のみに型開閉に伴って進退可能に設けられている。
そして、成形品1の成形方法は、概略、成形品1の意匠面F1を少なくとも部分的に固定型20から離型させてからそのアンダーカット部形成部分20aに対して成形品1のアンダーカット部1aが干渉することによる型開き限界までの間にエジェクタ手段5により可動型21から成形品1を完全に離型させて固定型20に残し、成形品1の非意匠面F2を把持して成形品1を取り出すものである。
非意匠面F2におけるアンダーカット部1aを形成するためのスライドコア22は、成形品1の意匠面F1を成形する固定型20に設けることなく、非意匠面F2を成形する可動型21のみに設けられている。なお、スライドコア22には、油圧シリンダや傾斜ピンを含むカム機構など、固定型20に対する可動型21の近接・遠退移動に伴って進退移動するよう構成された公知の駆動手段を採用することができる。
成形品1を成形するにあたっては、図5に示すように、最初に固定型20に可動型21を近接駆動して型閉じし、所定の型締め力で保持し、成形型2の内部に成形品1の形状と対応するキャビティ3を形成する。このとき、スライドコア22は、型閉じに伴って前進して、可動型21と共に成形品1の非意匠面F2を成形することができるよう、キャビティ3を構成している。この状態でキャビティ3内に溶融・流動化された樹脂材料などの成形材料を射出充填すると、固定型20によって意匠面F1全体が形成されると共に、可動型21によって非意匠面のアンダーカット部1a以外の部分が形成され、スライドコア22によって非意匠面F2のアンダーカット部1aが形成される。
成形材料が固化して成形品1の成形が完了した後に、図6に示すように、固定型20から可動型21を離間させるよう駆動し、これに伴ってスライドコア22をアンダーカット部1aから退避するよう後退させて型開きを開始すると、成形品1がスライドコア22から離型されるが可動型21に保持されているため、意匠面F1が固定型20から離型され、成形品1の意匠面F1と固定型20のキャビティ面との間には空気層Sが形成される。そして、この実施の形態では、成形品1が比較的大きなアンダーカット部1aを有しているため、所定量型開きした時点で可動型21に保持された成形品1のアンダーカット部1aが固定型20のアンダーカット部成形部分20aに干渉して型開きができない型開き限界を迎えることとなる。そこで、成形品1の意匠面F1が少なくとも部分的に固定型20から離型された時点から、この型開き限界を迎える時点までの間に、図7に示すように、流体圧シリンダ52を型開きと同調させて伸長駆動してエジェクタピン50を突き出し、可動型21から成形品1を完全に離型させるよう制御する。これにより、図8に示すように、型開きが完了すると、成形品1は、意匠面F1が離型して非意匠面F2が上向きに露出された状態で、固定型20上に残されることとなる。そのため、取出し装置7の吸着盤などの把持手段70が比較的小さい把持力で確実且つ容易に非意匠面F2を把持して、意匠面F1を傷つけることなく成形型2から成形品1が取り出される。
なお、この実施の形態では、流体圧シリンダ52の伸長駆動は、成形品1の意匠面F1が少なくとも部分的に固定型20から離型された時点から、型開き限界を迎える時点までの間に行えばよいが、成形品1の意匠面F1が少なくとも部分的に固定型20から離型された直後(成形品1の意匠面F1が少なくとも部分的に固定型20から離型されてから型開き量が最も少ない時点)に行うことが望ましい。
成形材料が固化して成形品1の成形が完了した後に、図6に示すように、固定型20から可動型21を離間させるよう駆動し、これに伴ってスライドコア22をアンダーカット部1aから退避するよう後退させて型開きを開始すると、成形品1がスライドコア22から離型されるが可動型21に保持されているため、意匠面F1が固定型20から離型され、成形品1の意匠面F1と固定型20のキャビティ面との間には空気層Sが形成される。そして、この実施の形態では、成形品1が比較的大きなアンダーカット部1aを有しているため、所定量型開きした時点で可動型21に保持された成形品1のアンダーカット部1aが固定型20のアンダーカット部成形部分20aに干渉して型開きができない型開き限界を迎えることとなる。そこで、成形品1の意匠面F1が少なくとも部分的に固定型20から離型された時点から、この型開き限界を迎える時点までの間に、図7に示すように、流体圧シリンダ52を型開きと同調させて伸長駆動してエジェクタピン50を突き出し、可動型21から成形品1を完全に離型させるよう制御する。これにより、図8に示すように、型開きが完了すると、成形品1は、意匠面F1が離型して非意匠面F2が上向きに露出された状態で、固定型20上に残されることとなる。そのため、取出し装置7の吸着盤などの把持手段70が比較的小さい把持力で確実且つ容易に非意匠面F2を把持して、意匠面F1を傷つけることなく成形型2から成形品1が取り出される。
なお、この実施の形態では、流体圧シリンダ52の伸長駆動は、成形品1の意匠面F1が少なくとも部分的に固定型20から離型された時点から、型開き限界を迎える時点までの間に行えばよいが、成形品1の意匠面F1が少なくとも部分的に固定型20から離型された直後(成形品1の意匠面F1が少なくとも部分的に固定型20から離型されてから型開き量が最も少ない時点)に行うことが望ましい。
1:成形品、 1a’・1a:アンダーカット部、 F1:意匠面、F2:非意匠面、 2:成形型、 3:キャビテイ、 5:エジェクタ手段、 7:取り出し装置、 20、固定型、 20a’・20a:アンダーカット部形成部分、 21:可動型、 21a:アンダーカット部形成部分、 22:スライドコア
Claims (4)
- 意匠面と非意匠面とが形成された成形品を成形するための成形型であって、
意匠面を成形する第1の成形型と、
非意匠面を成形し、型開き時に成形品を保持するように形成された第2の成形型と、
第2の成形型から成形品を離型させるエジェクタ手段と、
第2の成形型に保持された状態で型開きすることにより第1の成形型から離型された成形品をエジェクタ手段により第2の成形型から離型させて、第1の成形型に成形品を残すよう制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする成形型。 - さらに、アンダーカット部を有する成形品を成形するための成形型であって、
第1の成形型に成形品のアンダーカット部を形成するアンダーカット部形成部分を設け、
第2の成形型のみに非意匠面のアンダーカット部を成形するスライドコアを進退可能に設けたことを特徴とする請求項1に記載の成形型。 - 意匠面と非意匠面とが形成された成形品を成形するための方法であって、
意匠面を成形する第1の成形型と、非意匠面を成形し型開き時に成形品を保持するように形成された第2の成形型と、第2の成形型から成形品を離型させるエジェクタ手段と、を備えてなる成形型を用意し、
成形型を型閉じして形成されたキャビティに成形材料を射出充填し、
成形完了後に成形品を第2の成形型に保持させた状態で型開きすることにより、成形品の意匠面を第1の成形型から離型させ、
成形品の意匠面が第1の成形型から離型されてから完全に型開きが完了するまでの間にエジェクタ手段により第2の成形型から成形品を完全に離型させて第1の成形型に残し、
第1の成形型に残された成形品の非意匠面を把持して成形品を取り出すことを特徴とする成形品の成形方法。 - さらに、成形品がアンダーカット部を有し、
成形品のアンダーカット部を形成するアンダーカット部形成部分を備えた第1の成形型を用意して、
成形品の意匠面を少なくとも部分的に第1の成形型から離型させてからアンダーカット部形成部分に対してアンダーカット部が干渉することによる型開き限界までの間にエジェクタ手段を突き出して第2の成形型から成形品を完全に離型させて第1の成形型に残すことを特徴とする請求項3に記載の成形方法。
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JP2004277247A JP2006088535A (ja) | 2004-09-24 | 2004-09-24 | 成形型、および成形品の成形方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108839309A (zh) * | 2018-07-06 | 2018-11-20 | 珠海格力精密模具有限公司 | 一种注塑模出模结构及模具及出模方法 |
CN113619026A (zh) * | 2020-05-08 | 2021-11-09 | 上海汽车集团股份有限公司 | 汽车地图袋成型模具、冲压设备及制作方法 |
-
2004
- 2004-09-24 JP JP2004277247A patent/JP2006088535A/ja active Pending
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