JP2006088405A - 印刷装置及び印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速印刷を行ってもサーマルヘッドの両端部で高温部分が発生し、印刷された画像に濃度ムラ等が発生することを防止する。
【解決手段】印刷する画像データの各ライン両端部又は近傍の画素データに基づいて、前ラインの蓄熱データを元に各ラインのサーマルヘッド108の蓄熱データを算出し、各ラインの蓄熱データを所定値データと比較し、蓄熱データの何れかが所定値データより大きいとき、発熱素子113のエネルギを下げ、発熱素子113のエネルギを下げた状態で印刷媒体104に画像データを印刷する。
【選択図】図6

Description

本発明は、印刷媒体を走行させる走行手段と、印刷媒体の走行方向に対して直交する方向に発熱素子がライン状に配列された印刷ヘッドを有する印刷装置及び印刷方法に関する。
従来、サーマルヘッドを備えたサーマルプリンタには、昇華方式、溶融方式、感熱方式がある。これらの方式に使用されるサーマルヘッドは、複数の発熱素子がライン状に配列されており、これら複数の発熱素子に階調レベルに応じて通電量を制御し、その際に発生する熱エネルギを利用して各種印刷媒体に印刷を行う。
ここで、サーマルプリンタについて説明すると、図5に示すように、サーマルプリンタは、ガイドローラ101によりガイドされ、キャプスタン102とピンチローラ103とで印刷媒体104を挟持して走行させる。また、このサーマルプリンタには、インクリボンカートリッジが装着され、巻取リール106が回転駆動されることによって、インクリボン105を供給リール107から巻取リール106に走行させる。インクリボン105のインクを印刷媒体104に転写する印刷位置には、サーマルヘッド108とプラテンローラ109とが対向配置されている。インクリボン105のインクは、サーマルヘッド108によって昇華され、印刷媒体104に転写される。
サーマルヘッド108は、図6に示すように、セラミック基板111にグレース層112を介して発熱抵抗体等でなる発熱素子113がライン状に設けられ、その上層に、発熱素子113を保護する保護層114が設けられてなる。セラミック基板111は、放熱性に優れ、発熱素子113の蓄熱を防止する機能を有する。また、グレース層112は、発熱素子113を印刷媒体104やインクリボン105に当接させるため、発熱素子113を印刷媒体104やインクリボン105に突出させるものであり、また、発熱素子113の熱がセラミック基板111に吸収され過ぎないようにするためのバッファ層となる。サーマルヘッド108は、印刷媒体104との間に介在するインクリボン105のインクを発熱素子113で昇華させて印刷媒体104に転写する。
このサーマルヘッド108は、熱容量を持っており、発熱素子113で発生する熱は、遅延して印刷媒体104へ伝達されるため、印刷に直接必要な熱よりも発熱素子113そのものの熱の方が温度が高い状態となっている。また、サーマルヘッド108は、より高速な印刷を実現するため、単位面積あたりの瞬時発熱量が更に高められ、発熱素子113で発生する温度は、益々高温に制御される方向にある。
ところで、図7に示すように、サーマルヘッド108に用いられている発熱素子113は、高温化で抵抗値が変化する物性を有する。すなわち、発熱素子113は、発熱温度T1から抵抗値が変化し始め、発熱温度T2において、破壊されてしまう。高速印刷を実現する場合には、印刷媒体104の走行速度が速くなることから、発熱素子113の発熱温度を高くする必要がある。しかしながら、温度が高くなりT1を超えると、抵抗値が変化してしまい、発熱素子113の発熱エネルギが変化し、印刷において濃度ムラを引き起こしてしまう。
この問題点を解決する技術として、特許文献1がある。この特許文献1では、サーミスタとツェナーダイオードの組み合わせにより上述の問題点を解決することが記載されている。また、特許文献2には、抵抗値データとプリント濃度階調データから補正データを補正データテーブルより検索し、その補正データによって各単位発熱体に印加すべき電気量を補正し、発熱素子の抵抗値変動に影響されずに高階調の濃度表現を行うことが記載されている。更に、特許文献3には、ヘッド又は用紙の温度を検出し、この検出温度が所定の印画濃度より濃くなる温度の場合に、ヘッド搬送速度又は用紙搬送速度を速くすることが記載されている。
ところで、サーマルプリンタの中には、印刷媒体104に余白無しで画像データを印刷するものがある。このプリンタでは、図8に示すように、サーマルヘッド108の発熱素子113を、印刷媒体104の幅W1より広い幅W2で駆動する必要がある。したがって、余白無し印刷を行う場合には、サーマルヘッド108の両端部にインクリボン105や印刷媒体104に接触しない非接触部121が発生する。サーマルヘッド108の熱は、セラミック基板111の他、インクリボン105や印刷媒体104に接触することによっても放熱される。しかしながら、非接触部121では、空気層で保温されて、インクリボン105や印刷媒体104を介しての放熱を行うことができなくなってしまう。したがって、非接触部121では、図7に示したように、発熱温度T1、更には発熱温度T2を超えてしまうことがある。この状態は、夜景等色の濃い部分が画像の周囲にあるとき、発熱素子113の発熱温度を高くする必要があることから発生しやすい。高速印刷を行う場合には、更に発熱素子113の発熱温度を高くしなければならず、更にこのような状態が発現しやすくなる。
また、印刷媒体104には、L判(89mm×127mm)やKG判(106mm×156mm)といった様々なサイズのものがあり、プリンタには、複数サイズの印刷媒体104を印刷することができるものが多い。図9(A)に示すように、小さいサイズの印刷媒体104aで余白無し印刷を行い、連続して、図9(B)に示すように、大きいサイズの印刷媒体104bの印刷を行うと、小さいサイズの印刷媒体104aの余白無し印刷を行った際のサーマルヘッド108の非接触部121が大きいサイズの印刷媒体104bの印刷を行う際には、インクリボン105や印刷媒体104に接触する接触部122となる。この接触部122は、先の印刷の際、非接触部121となっていたことから、高温となっており、したがって、大きいサイズの印刷媒体104に印刷を行う際、非接触部121であった部分だけ、インクリボン105のインクが昇華され過ぎ、印刷された画像に、インクの高濃度部123が形成され、濃度ムラとなって現れてしまう。この濃度ムラは、発熱素子113の抵抗値が1%程度変化するだけで、人間によって目視可能な程度の濃度ムラとなって現れてしまう。また、抵抗値が下がったときには、パワー、熱量が上がってしまい、濃度ムラが発生しやすくなる。
特開平2−59359号公報 実開平6−39440号公報 特開平6−8502号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、高速印刷を行ってもサーマルヘッドの両端部で高温部分が発生し、印刷された画像に濃度ムラ等が発生することを防止する印刷装置及び印刷方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、サーマルヘッドの両端部で高温部分が発生し、蓄熱によって破壊されてしまうことを防止する印刷装置及び印刷方法を提供することを目的とする。
更に、本発明は、サーマルヘッドを備えた印刷装置に接続されているときに、上述のような問題が発生することを防止する情報処理装置及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る印刷装置は、印刷媒体を走行させる走行手段と、印刷媒体の走行方向に対して直交する方向に発熱素子がライン状に配列された印刷ヘッドと、印刷する画像データのライン両端部又は近傍の画素データに基づいて、前ラインの蓄熱データを元に現ラインの上記印刷ヘッドの蓄熱データを算出する算出手段と、上記ラインの蓄熱データを所定値データと比較する比較手段と、上記蓄熱データの何れかが上記所定値データより大きいとき、上記発熱素子による上記印刷媒体への印加エネルギを下げる制御手段とを備える。
また、本発明に係る印刷方法は、印刷媒体を走行させる走行手段と、印刷媒体の走行方向に対して直交する方向に発熱素子がライン状に配列された印刷ヘッドとを有する印刷装置の印刷方法において、印刷する画像データの各ライン両端部又は近傍の画素データに基づいて、前ラインの蓄熱データを元に現ラインの上記印刷ヘッドの蓄熱データを算出するステップと、上記ラインの蓄熱データを所定値データと比較するステップと、上記蓄熱データの何れかが上記所定値データより大きいとき、上記発熱素子による上記印刷媒体への印加エネルギを下げるステップと、上記印刷媒体への印加エネルギを下げた状態で印刷媒体に画像データを印刷するステップとを有する。
更に、本発明に係る情報処理装置は、印刷媒体を走行させる走行手段と、印刷媒体の走行方向に対して直交する方向に発熱素子がライン状に配列された印刷ヘッドを有する印刷装置に対して印刷する画像データを出力する情報処理装置において、印刷する画像データのライン両端部又は近傍の画素データに基づいて、前ラインの蓄熱データを元に現ラインの上記印刷ヘッドの蓄熱データを算出する算出手段と、上記ラインの蓄熱データを所定値データと比較する比較手段と、上記蓄熱データの何れかが上記所定値データより大きいとき、上記発熱素子による上記印刷媒体への印加エネルギを下げるように画像データの補正データを生成する制御手段と、上記制御手段で補正された補正データを上記印刷装置に出力する出力手段とを備える。
更に、本発明に係るコンピュータプログラムは、印刷媒体を走行させる走行手段と、印刷媒体の走行方向に対して直交する方向に発熱素子がライン状に配列された印刷ヘッドを有する印刷装置と接続されたコンピュータにより実行可能なコンピュータプログラムにおいて、印刷する画像データの各ライン両端部又は近傍の画素データに基づいて、前ラインの蓄熱データを元に現ラインの上記印刷ヘッドの蓄熱データを算出するステップと、上記蓄熱データを所定値データと比較するステップと、上記蓄熱データの何れかが上記所定値データより大きいとき、上記発熱素子による上記印刷媒体への印加エネルギを下げるように画像データの補正データを生成するステップとを有する。
本発明によれば、入力された画像データのうち、印刷媒体の走行方向と直交する方向、すなわち各ラインの両端部又は近傍の画素データの抽出を行い、その部分に対応する印刷ヘッドに印加される総合的な印加エネルキ量を事前に算出し、その結果に基づいて印刷速度と印加エネルギを制御するものとなっている。したがって、印刷ヘッドの両端部における部分的過熱が無くなり蓄熱による濃度ムラやスジの発生を低減することができ、余白無し印刷や高速印刷を行っても高品質の印刷結果を得ることができる。
以下、本発明を適用したプリンタ装置を図面を参照して説明する。
本発明を適用したプリンタ装置1は、サーマルプリンタであり、上記図5及び図6に示した構成を有する。すなわち、このプリンタ装置1は、ガイドローラ101によりガイドされ、キャプスタン102とピンチローラ103とで印刷媒体104を挟持して走行させる。また、このプリンタ装置1には、インクリボンカートリッジが装着され、巻取リール106が回転駆動されることによって、インクリボン105を供給リール107から巻取リール106に走行させる。インクリボン105のインクを印刷媒体104に転写する印刷位置には、サーマルヘッド108とプラテンローラ109とが対向配置されている。インクリボン105のインクは、サーマルヘッド108によって昇華され、印刷媒体104に転写される。インクリボン105は、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、保護フィルムを1画像分として、フィルムに直列に設けられており、順次、サーマルヘッド108により昇華され印刷媒体104に転写される。
サーマルヘッド108は、図6に示すように、セラミック基板111にグレース層112を介して発熱抵抗体等でなる発熱素子113がライン状に設けられ、その上層に、発熱素子113を保護する保護層114が設けられてなる。セラミック基板111は、放熱性に優れ、発熱素子113の蓄熱を防止する機能を有する。また、グレース層112は、発熱素子113を印刷媒体104やインクリボン105に当接させるため、発熱素子113を印刷媒体104やインクリボン105に突出させるものであり、また、発熱素子113の熱がセラミック基板111に吸収され過ぎないようにするためのバッファ層となる。サーマルヘッド108は、1ラインずつ印刷媒体104との間に介在するインクリボン105のインクを発熱素子113で加熱し昇華させて印刷媒体104に転写する。このサーマルヘッド108は、印刷媒体104に周囲に余白を設けた余白あり印刷を行う他、周囲の余白を無くした余白無し印刷を行うことができる。余白無し印刷を行うとき、サーマルヘッド108は、機械的な精度誤差を吸収するため印刷媒体104の幅よりやや広い範囲で駆動される。また、このプリンタ装置1は、L判(89mm×127mm)やKG判(106mm×156mm)といった様々なサイズの印刷媒体104に画像データを印刷することができる。
以上のように構成されたプリンタ装置1の回路構成について説明すると、図1に示すように、プリンタ装置1は、画像データが入力されるインタフェース(以下、単にI/Fという。)11と、I/F11より入力された画像データを蓄積する画像メモリ12と、制御プログラム等が格納される制御メモリ13と、全体の動作を制御する制御部14とが、バス15を介して接続されている。また、このバス15には、印刷媒体104を給紙部から排紙部まで走行させる走行部16やサーマルヘッド108が接続されている。
I/F11は、印刷する画像を表示するLCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等の表示装置、記録媒体が装着される記録及び/又は再生装置等の電気機器が接続される。例えば、表示装置に動画が表示されているとき、ユーザが選択した静止画像データが入力される。また、I/F11は、記録及び/又は再生装置が接続されているとき、光ディスク、ICカード等の記録媒体に記録されている静止画像データが入力される。なお、このI/F11には、USB(Universal Serial Bus)、IEEE(the Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394、ブルートゥース(Bluetooth)等の規格に基づいて有線又は無線で電気機器が接続される。
画像メモリ12には、少なくとも画像データを1枚分記憶することができる容量を有し、I/F11より入力された印刷する画像データが入力され、一時的に保存される。制御メモリ13は、プリンタ装置1の全体の動作を制御する制御プログラム等が格納されている。制御部14は、制御メモリ13に格納された制御プログラムに基づいて全体の動作を制御する。制御部14は、ユーザにより、L判、KG判の何れのサイズの印刷媒体104が選択されたかを判断し、選択された印刷媒体104を走行部16で走行させるようにする。また、制御部14は、ユーザにより余白無し印刷が選択されたとき、サーマルヘッド108を、ユーザが選択した印刷媒体104の幅より広い範囲で駆動させる。更に、制御部14は、例えば、画像メモリ12に格納された画像データの各ラインの両端部の画素データに基づいてサーマルヘッド108の蓄熱データ等で算出し、算出したデータに基づいて、サーマルヘッド108の蓄熱状態を算出し、この蓄熱状態に基づいて走行部16を制御する。
走行部16は、例えば、上述した印刷媒体104を走行するためのキャプスタン102を駆動するためのモータやモータの駆動力をキャプスタン102に伝達する伝達機構を有する。また、走行部16は、印刷媒体104の走行をガイドする上述したガイドローラ101等を有する。モータは、制御部14に制御され、印刷媒体104の走行速度等を可変する。
以上のように構成されたプリンタ装置1の動作について図2及び図3を参照して説明する。
ステップS1において、制御部14は、I/F11より印刷する画像データが入力されると、画像メモリ12に入力された画像データを保存する。ステップS2において、制御部14は、画像メモリ12に格納された画像データの色変換処理を行う。すなわち、画像メモリ12に格納された画像データは、色変換処理のため展開され、光の3原色R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)より構成されるデータから印刷色であるC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)により構成される階調画像データへと変換される。
ステップS3において、制御部14は、画像メモリ12に格納された印刷する画像データのラインをカウントするため、先ず、n=1を設定する。ステップS4において、制御部14は、nが規定ライン数に達しかたどうかを判断する。すなわち、制御部14は、印刷する画像データの全ラインをスキャンしたかを判断する。そして、制御部14は、nが規定ライン数に達したとき、ステップS10に進み、達していないとき、ステップS5に進む。
ステップS5において、制御部14は、nライン目の両端部周辺部の画素データ(Sn〜Snα)を抽出する。ここで、各ラインの両端部周辺部の範囲は、走行部16の機械的な精度誤差によって決まり、印刷媒体104に当接しない可能性のある領域を指す。ステップS6において、制御部14は、画素データ(Sn〜Snα)をガンマ変換し、印刷するのに必要な発熱素子113への通電エネルギ、すなわち印加エネルギ(En〜Enα)に変換する。この印加エネルギ(En〜Enα)は、理論や実験から得られる数値であり、ここでは、蓄熱や隣接発熱素子の影響を持たない単発エネルギである。そして、制御部14は、ステップ4からステップ9の処理が繰り返されることで、2ライン目以降についても、同様に、各ラインの両端部周辺部の印加エネルギ(En〜Enα)を算出する。
ステップS7において、制御部14は、E11〜En1,E12〜En2,E13〜En3,・・・,E1α〜Enαついて蓄熱や隣接発熱素子の影響を加味した積分を主とした演算を行い、熱軌跡f(ε)〜f(εα)を算出する。すなわち、制御部14は、前のラインの印刷時における蓄熱影響を考慮することで、サーマルヘッド108の熱軌跡を算出する。なお、このステップS7では、複数枚の画像が連続印刷されるときには、連続印刷による蓄熱も考慮するようにしても良い。
ステップS8において、制御部14は、f(ε)〜f(εα)を求める過程で印刷中に発熱素子113が変化を始める基準値T1を超えるか否か判定する。ここで、基準値T1は、上記図7に示した発熱素子113の抵抗値が変化し始める点又はそのやや手前の点である。制御部14は、熱軌跡f(ε)〜f(εα)が発熱素子113の抵抗値が変化を始める基準値T1を超えるとき、ステップS10に進み、印刷速度を遅くするように切り換える。
なお、以上の例では、全てのラインの両端部周辺部について、画素データの抽出を行うようにしたが、画素データの抽出は、高速印刷する目的や装置の性能的理由により予め指定されたラインのみ、例えば全ラインではなく数ラインおきに行っても良い。
制御部14は、ステップS9において、一のラインのf(ε)〜f(εα)を算出すると、次のラインの演算を行うため、nに1を加算し、ステップS4に戻る。制御部14は、制御部14は、熱軌跡f(ε)〜f(εα)が基準値T1を超えていないとき、すなわちステップS4において、全てのラインの熱軌跡f(ε)〜f(εα)が基準値T1を超えていないとき、ステップS13に進み、印刷媒体104の搬送速度が従来より高速な標準設定とする。
ここで、ステップS10に示す低速印画モードは、例えば従来のプリンタと同じ程度の速度で印刷を行うモードであり、本発明を適用したプリンタ装置1では、サーマルヘッド108の温度がT1より高くなったとき、例外的に設定されるモードである。これに対して、ステップS13に示す標準モードは、従来のプリンタより高速で印刷を行うモードである。すなわち、サーマルヘッド108を用いるプリンタ装置1において、高速印刷を行う場合、単位面積あたりの瞬時発熱量を従来より高める必要があり、サーマルヘッド108の温度が上記T1に達しやすくなる。そこで、プリンタ装置1では、ステップS5からステップS9の処理で、サーマルヘッド108の蓄熱温度がT1に達するかを印刷前に算出するようにし、T1に達するような場合には、ステップS10の低速印画モードを選択するようにしている。
すなわち、制御部14は、ステップS8において、f(ε)〜f(εα)を求める過程で印刷中に発熱素子113が変化を始める基準値T1を超えると判断したとき、ステップS10において、低速印画モードに切り換えられ、ステップS11において、画像メモリ12に格納されているこれから印刷する画像データに対して低速用のガンマ変換処理を施し、ステップS12において、低速用の蓄熱補正処理を施す。
また、制御部14は、制御部14は、ステップS4において、全てのラインの熱軌跡f(ε)〜f(εα)が基準値T1を超えていないとき、ステップS13において、標準印画モードに切り換え、ステップS14において、画像メモリ12に格納されているこれから印刷する画像データに対して高速用のガンマ変換処理を施し、ステップS12において、高速用の蓄熱補正処理を施す。
制御部14は、ステップS16において、画像メモリ12に格納されているステップS11又はステップS14でガンマ変換処理された画像データを、PWM変調(Pulse Width Modulation)をする。制御部14は、ステップS17において、印刷する画像データに応じて、サーマルヘッド108を駆動し、印刷媒体104に画像を印刷する。制御部14は、ステップS10で低速印画モードに設定されているとき、走行部16を、印刷媒体104が低速で走行するようにモータ等を制御する。低速で印刷するときには、発熱素子113へ印加するエネルギを下げることができ、サーマルヘッド108の発熱を抑えることができると共に、発熱素子113の蓄熱は、セラミック基板111より放熱される他、インクリボン105や印刷媒体104を介して放熱され、軌跡f(ε)〜f(εα)が基準値T1を超えないようにすることがきる。したがって、このプリンタ装置1では、連続印刷するような場合であっても、印刷速度が遅くなるだけで、印刷が中止してしまうことも防止することができる。また、制御部14は、ステップS13で標準印画モードに設定されているとき、走行部16を、印刷媒体104が高速で走行するようにモータ等を制御する。
以上のようなプリンタ装置1では、I/F11から入力された画像データのうち、印刷媒体104の走行方向と直交する方向、すなわち各ラインの両端部周辺部の画素データの抽出を行い、その部分に対応するサーマルヘッド108に印加される総合的な印加エネルキ量を事前に算出し、その結果に基づいて印刷速度と印加エネルギを制御するものとなっている。したがって、サーマルヘッド108の両端部における部分的過熱が無くなり、すなわち、図7に示すT1を超えることが無くなり、蓄熱による濃度ムラやスジの発生を低減することができ、余白無し印刷や高速印刷を行っても高品質の印刷結果を得ることができる。
なお、以上の例では、ステップS13の標準印画モードと低速印画モードを備えた例を説明したが、本発明では、熱軌跡f(ε)〜f(εα)が基準値T1を超えてるとき、温度に応じた複数の低速印画モードを設け、装置の状況に応じたより細かい制御を行っても良い。また、以上の例では、熱軌跡f(ε)〜f(εα)が基準値T1を超えてるとき、印刷媒体104の走行速度を遅くする場合を説明したが、本発明では、他に、熱軌跡f(ε)〜f(εα)が基準値T1を超えたとき、印刷媒体104の走行速度を遅くすることなく、冷却ファンを用いてサーマルヘッド108を冷却したり、発熱素子113への印加電圧を下げるようにしても良い。
また、本発明は、図4に示すように、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置20にインストールされるソフトウェアで構成されたプリンタドライバ21で構成しても良い。この場合、プリンタドライバ21では、上記ステップS1乃至ステップS15までの処理を行い、処理されたデータを、情報処理装置20のI/F20aを介してプリンタ装置22のI/F22aに出力する。このプリンタ装置22は、上述のようにサーマルヘッド108を備えた装置であり、情報処理装置20から入力されたデータに対して上記ステップS16及びステップS17の処理を行う。このプリンタドライバ21は、光ディスク等の記録媒体やネットワークを介して情報処理装置20のハードディスク等にインストールすることができる。
更に、本発明は、サーマルヘッド108の他、発熱抵抗体でインクに気泡を発生させてインクを吐出するインクジェットのプリンタヘッドであって、発熱抵抗体がライン状に配列されたラインヘッドにも適用することができる。
本発明を適用したプリンタ装置のブロック図である。 上記プリンタ装置の動作を説明するフローチャートである。 図2の処理の続きを示すフローチャートである。 本発明をソフトウェアで構成したときのハードウェアの構成を示す図である。 サーマルプリンタの構成を示す図である。 サーマルヘッドの正面図である。 サーマルヘッドに用いられる発熱抵抗体の熱と抵抗値変化率との関係を示す図である。 余白無し印刷を行うときの印刷媒体とサーマルヘッドとの関係を示す図である。 L判の余白無し印刷の後の後KG判を印刷する状態を示す図である。
符号の説明
1 プリンタ装置、11 I/F、12 画像メモリ、13 制御メモリ、14 制御部、q5 バス、16 走行部、101 ガイドローラ、102 キャプスタン、103 ピンチローラ、104 印刷媒体、105 インクリボン、106 巻取リール、107 供給リール、108 サーマルヘッド、109 プラテンローラ、111 セラミック基板、112 グレース層、113 発熱素子、114 保護層、121 非接触部、122 接触部、123 高濃度部

Claims (8)

  1. 印刷媒体を走行させる走行手段と、
    印刷媒体の走行方向に対して直交する方向に発熱素子がライン状に配列された印刷ヘッドと、
    印刷する画像データのライン両端部又は近傍の画素データに基づいて、前ラインの蓄熱データを元に現ラインの上記印刷ヘッドの蓄熱データを算出する算出手段と、
    上記ラインの蓄熱データを所定値データと比較する比較手段と、
    上記蓄熱データの何れかが上記所定値データより大きいとき、上記発熱素子による上記印刷媒体への印加エネルギを下げる制御手段とを備える印刷装置。
  2. 上記算出手段は、指定されたラインの両端部又は近傍の画素データに基づいて、前ラインの蓄熱データを元に現ラインの上記印刷ヘッドの蓄熱データを算出することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
  3. 上記制御手段は、上記走行手段による印刷媒体の走行速度を遅くすることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
  4. 上記複数サイズの印刷媒体に対して画像データの印刷が可能であることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
  5. 上記印刷ヘッドは、上記印刷媒体の全面に画像データを印刷することができることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
  6. 印刷媒体を走行させる走行手段と、印刷媒体の走行方向に対して直交する方向に発熱素子がライン状に配列された印刷ヘッドとを有する印刷装置の印刷方法において、
    印刷する画像データの各ライン両端部又は近傍の画素データに基づいて、前ラインの蓄熱データを元に現ラインの上記印刷ヘッドの蓄熱データを算出するステップと、
    上記ラインの蓄熱データを所定値データと比較するステップと、
    上記蓄熱データの何れかが上記所定値データより大きいとき、上記発熱素子による上記印刷媒体への印加エネルギを下げるステップと、
    上記印刷媒体への印加エネルギを下げた状態で印刷媒体に画像データを印刷するステップとを有する印刷方法。
  7. 印刷媒体を走行させる走行手段と印刷媒体の走行方向に対して直交する方向に発熱素子がライン状に配列された印刷ヘッドを有する印刷装置に対して印刷する画像データを出力する情報処理装置において、
    印刷する画像データのライン両端部又は近傍の画素データに基づいて、前ラインの蓄熱データを元に現ラインの上記印刷ヘッドの蓄熱データを算出する算出手段と、
    上記ラインの蓄熱データを所定値データと比較する比較手段と、
    上記蓄熱データの何れかが上記所定値データより大きいとき、上記発熱素子による上記印刷媒体への印加エネルギを下げるように画像データの補正データを生成する制御手段と、
    上記制御手段で補正された補正データを上記印刷装置に出力する出力手段とを備える情報処理装置。
  8. 印刷媒体を走行させる走行手段と印刷媒体の走行方向に対して直交する方向に発熱素子がライン状に配列された印刷ヘッドを有する印刷装置と接続されたコンピュータにより実行可能なコンピュータプログラムにおいて、
    印刷する画像データの各ライン両端部又は近傍の画素データに基づいて、前ラインの蓄熱データを元に現ラインの上記印刷ヘッドの蓄熱データを算出するステップと、
    上記蓄熱データを所定値データと比較するステップと、
    上記蓄熱データの何れかが上記所定値データより大きいとき、上記発熱素子による上記印刷媒体への印加エネルギを下げるように画像データの補正データを生成するステップとを有するコンピュータプログラム。
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