JP2006087630A - 血管内異物除去用ワイヤおよび医療器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】血管内の異物を確実に捕捉、除去することのできる血管内異物除去用ワイヤおよび医療器具を提供すること。
【解決手段】血管内異物除去用ワイヤ1は、長尺なワイヤ本体2と、ワイヤ本体2の先端側に設けられた異物捕捉部3と、操作ワイヤ43とを有する。異物捕捉部3は、自然状態で螺旋状をなす線状体391で構成され、ワイヤ本体2の先端側に設けられている第1の捕捉部31と、自然状態で、そのループ径が先端方向に向って漸減している螺旋状をなす線状体392で構成され、第1の捕捉部31の先端側に設けられている第2の捕捉部32とを有し、操作ワイヤ43を操作することにより、第2の捕捉部32における隣接する線状体392同士の線間距離が減少するように変形することができる。
【選択図】図1
【解決手段】血管内異物除去用ワイヤ1は、長尺なワイヤ本体2と、ワイヤ本体2の先端側に設けられた異物捕捉部3と、操作ワイヤ43とを有する。異物捕捉部3は、自然状態で螺旋状をなす線状体391で構成され、ワイヤ本体2の先端側に設けられている第1の捕捉部31と、自然状態で、そのループ径が先端方向に向って漸減している螺旋状をなす線状体392で構成され、第1の捕捉部31の先端側に設けられている第2の捕捉部32とを有し、操作ワイヤ43を操作することにより、第2の捕捉部32における隣接する線状体392同士の線間距離が減少するように変形することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、血管内の異物を除去する血管内異物除去用ワイヤおよび医療器具に関する。
厚生労働省の人口動態統計によれば、日本人の死因の一位は癌、二位は心臓病、三位は脳卒中であり、特に脳卒中による死亡や後遺症が増加し、治療方法の確立が急務となっている。
近年、脳卒中の治療において急性期の脳梗塞治療に血栓溶解剤を用いた血栓溶解療法が開発され治療効果をあげているがその限界も指摘されている。すなわち、血栓溶解剤では血栓溶解に長時間を要したり、小さくなった血栓がさらに飛んで新たな塞栓部位を形成したり、また、血栓溶解剤で溶解しない血栓があることが医師の経験から認められている。
脳梗塞の場合、梗塞発症後3時間以内に血流が再開できれば救命の確率が高くなるばかりか、後遺症を少なくすることが米国や欧州で証明され、脳血管内に挿入可能で血栓を直接取ることができる医療器具の開発が強く求められている。
このような医療器具としては、シース(カテーテル)に対して後退位置から拡張位置まで可動と成されたバスケット(異物捕捉部)を有する医療用回収バスケットが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この医療器具では、例えば異物(血栓)が比較的柔らかい場合などには、バスケットを構成する螺旋脚の隙間から異物(血栓)が漏れ出してしまい、完全に捕捉することが困難であるという問題があった。
本発明の目的は、血管内の異物を確実に捕捉、除去することのできる血管内異物除去用ワイヤおよび医療器具を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(10)の本発明により達成される。
(1) 可撓性を有する長尺なワイヤ本体と、血管内の異物を捕捉する異物捕捉部と、該異物捕捉部を変形させる操作を行う操作ワイヤとを備えた血管内異物除去用ワイヤであって、
前記異物捕捉部は、自然状態で螺旋状をなす線状体で構成され、前記ワイヤ本体の先端側に設けられている第1の捕捉部と、自然状態で螺旋状をなす線状体で構成され、前記第1の捕捉部の先端側に設けられている第2の捕捉部とを有し、
前記操作ワイヤを操作することにより、前記第2の捕捉部は、該第2の捕捉部における隣接する線状体同士の線間距離が減少するように変形することを特徴とする血管内異物除去用ワイヤ。
(1) 可撓性を有する長尺なワイヤ本体と、血管内の異物を捕捉する異物捕捉部と、該異物捕捉部を変形させる操作を行う操作ワイヤとを備えた血管内異物除去用ワイヤであって、
前記異物捕捉部は、自然状態で螺旋状をなす線状体で構成され、前記ワイヤ本体の先端側に設けられている第1の捕捉部と、自然状態で螺旋状をなす線状体で構成され、前記第1の捕捉部の先端側に設けられている第2の捕捉部とを有し、
前記操作ワイヤを操作することにより、前記第2の捕捉部は、該第2の捕捉部における隣接する線状体同士の線間距離が減少するように変形することを特徴とする血管内異物除去用ワイヤ。
(2) 自然状態において、前記第2の捕捉部の隣接する線状体同士の線間距離(平均)は、前記第1の捕捉部の隣接する線状体同士の線間距離(平均)より大きい上記(1)に記載の血管内異物除去用ワイヤ。
(3) 前記第2の捕捉部の隣接する線状体同士の線間距離(平均)が、前記第1の捕捉部の隣接する線状体同士の線間距離(平均)より小さくなるまで、前記第2の捕捉部を変形させる上記(1)または(2)に記載の血管内異物除去用ワイヤ。
(4) 前記異物捕捉部は、螺旋状の線状体を複数有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の血管内異物除去用ワイヤ。
(5) 前記異物捕捉部は、前記螺旋状の線状体が2つ設けられており、それらが互いに反対方向に巻くように形成されている上記(4)に記載の血管内異物除去用ワイヤ。
(6) 可撓性を有する長尺なワイヤ本体と、血管内の異物を捕捉する異物捕捉部と、該異物捕捉部を引張る操作を行う操作ワイヤとを備えた血管内異物除去用ワイヤであって、
異物捕捉部は、自然状態で前記ワイヤ本体の長手方向に沿って間隔を置いて配置されている複数の第1のループワイヤを有し、前記ワイヤ本体の先端側に設けられている第1の捕捉部と、自然状態で前記ワイヤ本体の長手方向に沿って間隔を置いて配置されている複数の第2のループワイヤを有し、前記第1の捕捉部の先端に設けられている第2の捕捉部とを有し、
前記操作ワイヤを操作することにより、前記第2の異物捕捉部は、該第2の異物捕捉ワイヤにおける隣接する第2のループワイヤ同士の間隔が減少するように変形することを特徴とする血管内異物除去用ワイヤ。
異物捕捉部は、自然状態で前記ワイヤ本体の長手方向に沿って間隔を置いて配置されている複数の第1のループワイヤを有し、前記ワイヤ本体の先端側に設けられている第1の捕捉部と、自然状態で前記ワイヤ本体の長手方向に沿って間隔を置いて配置されている複数の第2のループワイヤを有し、前記第1の捕捉部の先端に設けられている第2の捕捉部とを有し、
前記操作ワイヤを操作することにより、前記第2の異物捕捉部は、該第2の異物捕捉ワイヤにおける隣接する第2のループワイヤ同士の間隔が減少するように変形することを特徴とする血管内異物除去用ワイヤ。
(7) 前記第2の捕捉部の隣接する第2のループワイヤ同士の間隔(平均)は、前記第1の異物捕捉ワイヤの隣接する第1のループワイヤ同士の間隔(平均)より大きい上記(6)に記載の血管内異物除去用ワイヤ。
(8) 前記第2の捕捉部の隣接する第2のループワイヤ同士の間隔(平均)が、前記第1の捕捉部の隣接する第1のループワイヤ同士の間隔(平均)より小さくなるまで、前記第2の捕捉部を変形させる上記(6)または(7)に記載の血管内異物除去用ワイヤ。
(9) 前記第2の捕捉部は、そのループ径が先端方向に向って漸減している上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の血管内異物除去用ワイヤ。
(10) 上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の血管内異物除去用ワイヤと、前記血管内異物除去用ワイヤを収納可能なルーメンを備えたカテーテルとを有することを特徴とする医療器具。
本発明によれば、異物捕捉部における線状体(ループワイヤ)同士の線間距離(間隔)が減少するように変形することができ、よって、血管内の異物を確実に捕捉、除去することができる。
以下、本発明の血管内異物除去用ワイヤおよび医療器具を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の血管内異物除去用ワイヤの第1実施形態(自然状態)を示す部分縦断面図、図2は、図1に示す血管内異物除去用ワイヤの収縮状態を示す部分縦断面図、図3〜図8は、それぞれ、図1に示す血管内異物除去用ワイヤの使用方法を順を追って説明するための図である。
図1は、本発明の血管内異物除去用ワイヤの第1実施形態(自然状態)を示す部分縦断面図、図2は、図1に示す血管内異物除去用ワイヤの収縮状態を示す部分縦断面図、図3〜図8は、それぞれ、図1に示す血管内異物除去用ワイヤの使用方法を順を追って説明するための図である。
なお、以下の説明では、図1および図2中の左側を「基端」、右側を「先端」と言い、図3〜図8中の右側を「基端」、左側を「先端」と言う。
図1に示す血管内異物除去用ワイヤ1は、血管100内の血栓(例えば、アテローム血栓)、血餅等の塞栓の原因となる異物(以下、「塞栓物200」と言う)を捕捉して除去するものである。
この血管内異物除去用ワイヤ1は、長尺なワイヤ本体2と、ワイヤ本体2の先端側に設けられた異物捕捉部3と、異物捕捉部3を変形させる操作を行う操作ワイヤ43とを有している。以下、各部の構成について説明する。
図1に示すワイヤ本体2は、管体26と、管体26の先端側に設けられた(固着された)コイル266とで構成されており、全長に渡って適度な剛性および弾性(可撓性)を有している。
このようにコイル266が設けられていることにより、管体26(コイル266を含む)の先端部は、より弾力性(柔軟性)を備えることができる。
このようなワイヤ本体2を構成する部位(部材)の構成材料としては、特に限定されず、各種金属材料や各種プラスチック等を単独または組み合わせて用いることができる。
また、ワイヤ本体2(管体26とコイル266との合計)の長さは、適用する血管100の位置、太さ等の症例によってもその好ましい値は異なるが、通常、500〜4000mm程度が好ましく、1500〜2200mm程度がより好ましい。
また、ワイヤ本体2の外径(太さ)は、適用する血管100の位置、太さ等の症例によってもその好ましい値は異なるが、通常、平均外径が0.1〜2.0mmであるのが好ましく、0.25〜0.9mmであるのがより好ましい。
また、ワイヤ本体2は、基端側に位置し、比較的硬い第1の部位と、先端側に位置し、比較的柔軟な第3の部位と、前記第1の部位と前記第3の部位との間に位置し、可撓性が変化する第2の部位とを有するものであることが好ましい。換言すれば、ワイヤ本体2は、剛性(曲げ剛性、ねじり剛性等)が基端から先端に向かって漸減するようなものであるのが好ましい。これにより、手元での操作が先端部24まで確実に伝達し、血管100内での走行性や屈曲部での操作性に優れるとともに、先端部24の柔軟性を向上し、血管100の損傷を防ぐことができる。すなわち、ワイヤ本体2のトルク伝達性、押し込み性(プッシャビリティ)、耐キンク性(耐折れ曲がり性)を維持しつつ、より高い安全性を確保することができる。
ワイヤ本体2の外面(表面)には、後述するカテーテル8の内面との摩擦抵抗を軽減する被覆層が設けられていてもよい。これにより、カテーテル8に対する挿入・抜去をよりスムーズに行うことができる。この被覆層としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂の被覆層(テフロンコート(「テフロン」は登録商標))や、湿潤時に潤滑性を有する親水性ポリマーコート等が挙げられる。
図1(図2も同様)に示すように、コイル266の内腔261を画成する内周面262の先端部には、異物捕捉部3がコイル266の先端開口263から突出するように、管体26の長手方向と同方向に固定(固着)されている。
異物捕捉部3のコイル266(ワイヤ本体2)への固定の方法は、特に限定されないが、例えば、第1の捕捉部31の基端部を線状体39を介してワイヤ本体2の先端部に編み付け(巻き付け)、ロウ付け等の溶接、接着剤による接着等を施すことにより固定することができる(図1参照)。
本実施形態では、ワイヤ本体2の先端部には、異物捕捉部3のワイヤ本体2に対する固定部(ロウ付け部)を覆うコイル266が設けられている。コイル266の外表面は、平滑になっており、これにより、より高い安全性が得られる。コイル266は、例えばプラチナ(白金)線等を巻回して形成されたものであることが好ましい。
異物捕捉部3は、ワイヤ本体2の先端側に設けられている第1の捕捉部31と、第1の捕捉部31の先端側に設けられている第2の捕捉部32とを有する。
第1の捕捉部31は、自然状態で螺旋状をなす線状体391で構成されている。
また、第2の捕捉部32は、自然状態で、そのループ径が先端方向に向って漸減している螺旋状をなす線状体392で構成されている。第2の捕捉部32は、第1の捕捉部31よりも柔軟性を有している。
また、第2の捕捉部32は、自然状態で、そのループ径が先端方向に向って漸減している螺旋状をなす線状体392で構成されている。第2の捕捉部32は、第1の捕捉部31よりも柔軟性を有している。
このような構成の血管内異物除去用ワイヤ1は、図2に示すように、操作ワイヤ43を操作することにより、第2の捕捉部32における隣接する線状体392同士の線間距離が減少するように確実に変形することができる。
また、本実施形態では、第1の捕捉部31のループ径は、第2の捕捉部32のループ径よりも大きいものとなっている。このため、後述する異物捕捉時において、塞栓物200をこの第1の捕捉部31内に確実に捕捉(収納)することができる。
異物捕捉部3を構成する線状体39、391および392と、操作ワイヤ43とは、一本のワイヤを変形することにより一体的に形成されている。これにより、構成部品の数量を少なくすることができる。また、血管内異物除去用ワイヤ1が柔軟性を有するものとなり、よって、血管内異物除去用ワイヤ1が血管内の細部にまで十分に到達することができる。
また、線状体39、391、392を1本のワイヤで構成し、操作ワイヤ43を別の1本のワイヤで構成し、異物捕捉部3の先端でこれらワイヤを接合、接着、撚り込み固定がなされていてもよい。
本実施形態では、線状体391と線状体392とは、共通の(同一の)線状体となっている。
また、本実施形態では、第1の捕捉部31と第2の捕捉部32とは、互いに隣接し、第1の捕捉部31により形成される空間と、第2の捕捉部32により形成される空間とが互いに連通し、共通の異物捕捉空間35を(図7参照)を形成している。
図2に示すように、血管内異物除去用ワイヤ1では、操作ワイヤ43の基端に設けられた操作部材4を操作することにより、第2の捕捉部32は、第2の捕捉部32における隣接する線状体392同士の線間距離が減少するように変形する。これにより、例えば塞栓物200が比較的柔らかいものであっても、塞栓物200が線状体392同士の隙間から漏れ出ることを防止することができ、よって、塞栓物200を確実に捕捉することができる。
以下、第2の捕捉部32における隣接する線状体392同士の線間距離が減少するように変形した状態を、「収縮状態」と称する。
なお、収縮状態では、第1の捕捉部31は、線状体391同士の線間距離が変化してもよい、すなわち、変形してもよいが、その変形の度合いは、第2の捕捉部32の変形の度合いよりも小さくなるように設定されている。
異物捕捉部3において、隣接する線状体同士の線間距離は、特に限定されるものでもなく、目的とする塞栓物200を捕捉するのに十分な形状であればよいが、自然状態において、第2の捕捉部32の隣接する線状体392同士の平均線間距離(図1中、P2で示す長さ)は、第1の捕捉部31の隣接する線状体391同士の平均線間距離(図1中、P1で示す長さ)より大きいことが好ましい。
これにより、異物捕捉部3が自然状態から収縮状態へ確実に変化することができ、よって、収縮状態のとき、塞栓物200をより確実に捕捉(除去)することができる。
例えば、脳血管内にある塞栓物200(血栓)を捕捉する際には、自然状態において、第2の捕捉部32における線状体392同士の平均線間距離P2は、特に限定されないが、1〜20mm程度が好ましく、1〜8mm程度がより好ましい。
また、自然状態において、第1の捕捉部31における線状体391同士の平均線間距離P1は、特に限定されないが、0.5〜15mm程度が好ましく、1〜5mm程度がより好ましい。
また、塞栓物200を捕捉するときには、操作ワイヤ43(操作部材4)を操作することにより異物捕捉部3を収縮状態とするが、そのとき、第2の捕捉部32の隣接する線状体392同士の平均線間距離(図2中、P2’で示す長さ)が、平均線間距離P1より小さくなるまで、第2の捕捉部32を変形させる。これにより、塞栓物200が比較的柔らかいものであっても、塞栓物200を異物捕捉部3(異物捕捉空間35)内に収納する(絡め取る)ことができ、よって、塞栓物200をより確実に捕捉することができる。
例えば、脳血管内にある塞栓物200(血栓)を捕捉する際には、収縮状態における第2の捕捉部32の線状体同士の平均線間距離P2’は、特に限定されないが、0.1〜10mm程度が好ましく、0.1〜3mm程度がより好ましい。
また、異物捕捉部3において、最大ループ径(図1中のφDで示す長さ)は、特に限定されず、目的とする塞栓物200を捕捉するのに十分な大きさであればよい。例えば、脳血管内にある塞栓物200(血栓)を捕捉する際には、1〜5mm程度であるのが好ましく、2〜4mm程度であるのがより好ましい。
また、異物捕捉部3(線状体39、391および392)の線径(太さ)は、特に限定されず、目的とする塞栓物200を捕捉するのに十分な太さであればよい。例えば、脳血管内にある塞栓物200(血栓)を捕捉する際には、通常、0.04〜0.30mm程度が好ましく、0.04〜0.12mm程度がより好ましい。
また、異物捕捉部3において、異物捕捉部3の長さ(図1中のLで示す長さ)は、特に限定されず、目的とする塞栓物200を捕捉するのに十分な長さであればよく、適用する血管100の位置、太さ等の症例によってもその好ましい値は異なる。例えば、脳血管内にある塞栓物200(血栓)を捕捉する際には、自然状態では、1〜30mm程度が好ましく、5〜15mm程度がより好ましい。
また、異物捕捉部3のループ数(巻き数)は、特に限定されず、目的とする塞栓物200を捕捉するのに十分な数であればよい。例えば、脳血管内にある塞栓物200(血栓)を捕捉する際には、3〜16本程度であるのが好ましく、6〜10本程度であるのがより好ましい。
また、異物捕捉部3の構成材料としては、放射線不透過材料であるのが好ましい。この放射線不透過材料としては、特に限定されないが、例えば、金、プラチナ(白金)、プラチナ−イリジウム合金、タングステン、タンタル、パラジウム、鉛、銀、またはこれらのうちの少なくとも1種を含む合金、化合物等が挙げられる。
このような放射線不透過材料を用いることにより、X線などの透視下において、異物捕捉部3における塞栓物200の捕捉状況を容易に確認することができる。
また、異物捕捉部3の構成材料としては、生体内(少なくとも生体温度(37℃付近))で擬弾性を示す合金(超弾性を示す合金(以下、「超弾性合金」と言う)を含む)であるのが好ましい。
擬弾性を示す合金(以下、「擬弾性合金」と言う)には、引張りによる応力−ひずみ曲線のいずれの形状も含み、As、Af、Ms、Mf等の変態点が顕著に測定できるものも、できないものも含み、応力により大きく変形(歪)し、応力の除去により元の形状にほぼ戻るものは全て含まれる。
擬弾性合金には、超弾性合金が含まれる。この超弾性合金の好ましい組成としては、49〜52原子%NiのNi−Ti合金等のNi−Ti系合金、38.5〜41.5重量%ZnのCu−Zn合金、1〜10重量%XのCu−Zn−X合金(Xは、Be、Si、Sn、Al、Gaのうちの少なくとも1種)、36〜38原子%AlのNi−Al合金等が挙げられる。このなかでも特に好ましいものは、上記のNi−Ti系合金である。
このような擬弾性合金を用いることにより、異物捕捉部3は、十分な柔軟性と曲げに対する復元性が得られ、異物捕捉部3が変形を繰り返しても、優れた復元性により曲がり癖が付くのを防止することができる。
異物捕捉部3の外面(表面)には、後述するカテーテル8の内面との摩擦抵抗を軽減する被覆層が設けられていてもよい。これにより、カテーテル8に対する挿入・抜去をよりスムーズに行うことができる。この被覆層としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂の被覆層(テフロンコート(「テフロン」は登録商標))や、湿潤時に潤滑性を有する親水性ポリマーコート等が挙げられる。
前述したように、異物捕捉部3の基端側には、第2の捕捉部32をワイヤ本体2の長手方向に移動(操作)する操作部材4が設けられている。
この操作部材4は、ワイヤ本体2内を挿通している操作ワイヤ43を介して第2の捕捉部32と連結している。
このような操作部材4(操作ワイヤ43)により、第2の捕捉部32を容易に操作することができる。
このような構成の血管内異物除去用ワイヤ1は、以下のような状態(操作)を経て異物捕捉部3が自然状態から収縮状態へ変化する。
操作部材4が基端方向(図1中の矢印Aの方向)へ移動すると、これに伴い、異物捕捉部3において、第2の捕捉部32の先端が、第1の捕捉部31に向って(図1中の矢印Aの方向へ)移動する。このとき、第2の捕捉部32は、当該第2の捕捉部32の平均線間距離P2が平均線間距離P2’に減少するように変形する。すなわち、異物捕捉部3が自然状態(図1参照)から収縮状態(図2参照)となる。
このような構成の血管内異物除去用ワイヤ1では、収縮状態の異物捕捉部3により、血管100内の塞栓物200(異物)を捕捉する異物捕捉空間35が形成されている。
以上のような構成により、異物捕捉時に、第2の捕捉部32を収縮状態へと変形させることで、塞栓物200を絡め取り、また塞栓物200が線状体391、392の隙間から漏れ出ることを防止して、この塞栓物200を確実に捕捉、除去することができる。
なお、異物捕捉部3には、捕捉した塞栓物200が異物捕捉部3から滑るのを防止する滑り止め手段を設けてもよい。これにより、捕捉した塞栓物をより確実に保持(捕捉)することができる。
この滑り止め手段としては、異物捕捉部3に、比較的摩擦係数の高いゴム等の弾性材料を被覆したり、微小の凹凸(粗面も含む)を例えばサンドブラスト等により形成したりすることができる。
また、他の滑り止め手段としては、異物捕捉部3およびワイヤ本体2には、繊維またはフィラメントを付与させることにより、塞栓物200に対する捕捉性能を向上させる構造を付与させてもよい。これにより、例えば、異物捕捉部3(繊維またはフィラメント)と塞栓物200とに摩擦が生じて、当該塞栓物200が異物捕捉部3から離脱(滑り落ちる)のを防止することができる、すなわち、捕捉した塞栓物をより確実に捕捉することができる。
また、異物捕捉部3には、液体と接触することにより膨潤性を発揮するコーティングがなされていてもよい。これにより、収縮状態での平均線間距離P1と平均線間距離P2’とを狭めることができ、よって、捕捉した塞栓物200をより確実に保持することができる。
この膨潤性を発揮するコーティングとしては、PVA等ごく一般的に用いられるゲルでもよいが、好ましくはヒドロゲルフォーム物質、特には親水性のマクロ多孔質、重合体ヒドロゲルフォーム物質、特にフォーム安定化剤と、最高約10重量%のマルチオレフィン官能性架橋結合剤で架橋結合された遊離基の重合性親水性オレフィンモノマの重合体または共重合体とより成るマクロ多孔質固形物として形成された水膨張性フォームマトリックスから構成される。
図1に示すように、血管内異物除去用ワイヤ1は、自然状態の異物捕捉部3が収縮状態となるのを防止する、すなわち、異物捕捉部3における自然状態を維持する自然状態維持手段44を有している。
この自然状態維持手段44では、管体26の基端開口265近傍には、外周面264が管体26の径方向に突出した突起部267が形成され、操作部材4の先端付近には、突起部267に係合可能な爪部41が形成されている。すなわち、自然状態維持手段44は、突起部267と爪部41とで構成されている。
また、爪部41を突起部267から外すときは、爪部41が弾性変形して、突起部267から外れるよう構成されている。
このような構成の自然状態維持手段44により、異物捕捉部3が自然状態のとき、操作部材4が基端方向に移動して、異物捕捉部3が不本意に収縮状態となるのを防止することができる。
図2に示すように、血管内異物除去用ワイヤ1は、異物捕捉部3における収縮状態を維持する収縮状態維持手段5を有している。
この収縮状態維持手段5は、クリップ51で構成されている。クリップ51は、その径方向に形成された切欠き部511を有している。
図2に示すように、収縮状態では、クリップ51における先端側にある側面512を管体26の基端に当接させつつ、クリップ51をその切欠き部511から操作ワイヤ43に装着して(図2中の矢印方向)、固定する。
このような構成のクリップ51(収縮状態維持手段5)により、異物捕捉部3が収縮状態のとき、異物捕捉部3が不本意に開く(自然状態となる)のを防止することができる。
なお、このようなクリップ51の構成材料としては、特に限定されず、各種金属材料や各種プラスチック等を単独または組み合わせて用いることができる。
以上のような構成の血管内異物除去用ワイヤ1は、血栓の除去治療・血管内異物除去治療の治療用具として用いることが可能で、特に脳卒中の治療器具として非常に有用である。また、血管内異物除去用ワイヤ1は、脳卒中ばかりでなく血栓溶解剤の利かないまたは利きづらい虚血性の疾患(静脈塞栓、動脈塞栓)にも有用であり、さまざまな血管内の異物除去にも対処可能である。
なお、血管内異物除去用ワイヤ1では、異物捕捉部3において、螺旋状の線状体を1つ有する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、螺旋状の線状体を複数有するものであってもよい。これにより、異物捕捉部3における線状体同士がより複雑で密なものとなり、塞栓物200をより効果的に絡め取ることができ、また塞栓物200が線状体同士の隙間から漏れ出ることをより確実に防止することができる。従って、塞栓物200をより確実に捕捉、除去することができる。
また、この場合、例えば2つの線状体の螺旋の向き(巻き方向)は、互いに同じであってもよいが、互いの向きが異なるもの(反対方向のもの)であることが好ましい。これにより、異物捕捉部3における線状体同士がさらに複雑で密なものとなり、塞栓物200をさらに効果的に絡め取ることができ、よって、塞栓物200をさらに確実に捕捉、除去することができる。
なお、本発明の医療器具9は、このような血管内異物除去用ワイヤ1と、ルーメン82が形成されたカテーテル8とを有するものである。
次に、血管内異物除去用ワイヤ1を備えた医療器具9の使用方法の一例について詳細に説明する。
[1] 図3は、血管100内に血栓等の塞栓物200が詰まり、血流を阻害している状態を示している。塞栓物200は、血圧により血管100の内壁100aに押し付けられ、容易に移動しない状態になっている。
カテーテル(マイクロカテーテル)8と、そのルーメン82内に挿通されたガイドワイヤ10とを、血管100内に挿入し、カテーテル8の先端開口部81から突出させたガイドワイヤ10の先端部101を塞栓物200より奥(末梢側)まで挿入する。すなわち、ガイドワイヤ10の先端部101が塞栓物200と血管100の内壁100aとの隙間を通り抜けて、塞栓物200を越えた状態とする。この操作は、ガイドワイヤ10として、例えば潤滑性に優れるマイクロガイドワイヤを使用することにより、より容易に行うことができる。
[2] ガイドワイヤ10の先端部101が塞栓物200を越えたら、ガイドワイヤ10に対しカテーテル8を前進させ、図4に示すように、カテーテル8の先端部を塞栓物200と血管100の内壁100aとの隙間に入り込ませる。このとき、カテーテル8の先端部は、ガイドワイヤ10に沿って円滑に隙間に入り込むので、この操作は容易に行うことができる。
なお、従来の治療としては、この状態でカテーテル8を介して逆行性に血栓溶解剤を流し、血栓溶解を速めることが行なわれてきたが、血栓溶解剤で溶けない血栓があることや溶解に長時間かかることがしばしば医師により経験されている。本発明は、そのような場合にも有用である。
[3] 図4に示す状態から、ガイドワイヤ10を抜去し、カテーテル8のルーメン82に本発明の血管内異物除去用ワイヤ1を挿入する。
このとき、図5に示すように、異物捕捉部3は、ルーメン82を画成する内壁面821に規制されるとともに、操作ワイヤ43が先端側に移動することにより引き伸ばされ(引張られ)、ほぼ直線状に伸びた伸長状態となっている。このように異物捕捉部3が伸長状態に変化可能であることにより、ルーメン82内を容易に挿通(通過)することができる。なお、異物捕捉部3がこのような伸長状態をとるためには、図1において、操作ワイヤ43が操作部材4と異物捕捉部3との間でたるんでいる必要がある。
そして、図6に示すように、異物捕捉部3をカテーテル8の先端開口部81から突出させると、伸長状態でカテーテル8内にあった異物捕捉部3は、自身の弾性により自動的に変形し、自然状態となる。
[5] 前述の自然状態から、カテーテル8を僅かに基端方向に移動させ、カテーテル8の先端部を塞栓物200の手前に引き戻す。さらに、血管内異物除去用ワイヤ1も手前に少し引き戻すと、図7に示すように、異物捕捉部3(異物捕捉空間35)内に塞栓物200が絡め取られるようにして、捕捉(収納)される。すなわち、塞栓物200は、図7中の右側から異物捕捉空間35に入り込む。
[6] 異物捕捉空間35に塞栓物200が収納されたら、操作ワイヤ43を基端方向(図8中の矢印Bの方向)に牽引する。これにより、第2の捕捉部32における隣接する線状体391同士の平均線間距離が減少するように変形する、すなわち、異物捕捉部3が収縮状態となる。このとき、前述したように、第2の捕捉部32の隣接する線状体392同士の平均線間距離が、第1の捕捉部31の隣接する線状体391同士の平均線間距離より小さくなるまで、第2の捕捉部32を変形させる。
このような操作により、異物捕捉空間35に塞栓物200が確実に収納され、また、異物捕捉部3の線状体391および392の線間に塞栓物200が絡め取られる。従って、塞栓物200を確実に保持(捕捉)することができる。
また、変形した第2の捕捉部32は、異物捕捉部3における先端壁としても機能している。これにより、捕捉された塞栓物200が先端側へ移動するのが防止され、よって、塞栓物200を確実に保持(捕捉)することができる。
[7] 前記の保持状態(捕捉状態)を維持しつつ、血管内異物除去用ワイヤ1をカテーテル8とともに抜去する。これにより、親のガイディングカテーテルまたはシースイントロデューサー(図示せず)内に塞栓物200が確実に回収(除去)される。
<第2実施形態>
図9は、本発明の血管内異物除去用ワイヤの第2実施形態(自然状態)を示す部分縦断面図、図10は、図9に示す血管内異物除去用ワイヤの収縮状態を示す部分縦断面図である。
図9は、本発明の血管内異物除去用ワイヤの第2実施形態(自然状態)を示す部分縦断面図、図10は、図9に示す血管内異物除去用ワイヤの収縮状態を示す部分縦断面図である。
以下、この図を参照して本発明の血管内異物除去用ワイヤの第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、異物捕捉部の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図9に示すように、血管内異物除去用ワイヤ1Aの異物捕捉部3Aは、前記ワイヤ本体2の先端側に設けられている第1の捕捉部31Aと、前記第1の捕捉部31Aの先端に設けられている第2の捕捉部32Aとで構成されている。
図9に示すように、血管内異物除去用ワイヤ1Aの異物捕捉部3Aは、前記ワイヤ本体2の先端側に設けられている第1の捕捉部31Aと、前記第1の捕捉部31Aの先端に設けられている第2の捕捉部32Aとで構成されている。
第1の捕捉部31Aは、自然状態でワイヤ本体2の長手方向に沿って間隔を置いて配置されている複数(本実施形態では、3つ)の第1のループワイヤ311〜313を有している。各第1のループワイヤ311〜313は、それらを連結する連結ワイヤ33で連結されている。
また、第2の捕捉部32Aは、自然状態で前記ワイヤ本体2の長手方向に沿って間隔を置いて配置され、ループ径が先端方向に向って漸減している複数(本実施形態では、3つ)の第2のループワイヤ321〜323を有している。各第2のループワイヤ321〜323は、それらを連結する、伸縮自在なパイプ34で連結されている。このパイプ34内には、操作ワイヤ43が挿通されている。
血管内異物除去用ワイヤ1Aでは、操作ワイヤ43を操作することにより、パイプ34が圧縮されるのに伴い、第2のループワイヤ321〜323同士の間隔が減少する、すなわち、第2の捕捉部32Aが収縮状態となる。これにより、例えば塞栓物200が比較的柔らかいものであっても、塞栓物200が異物捕捉部3の隙間から漏れ出ることを防止することができ、よって、塞栓物200を確実に捕捉することができる。
前記異物捕捉部3Aにおいて、隣接するループワイヤ同士の間隔は、特に限定されるものでもなく、目的とする異物を捕捉するのに十分な形状であればよいが、自然状態において、第2の捕捉部32Aの第2のループワイヤ321〜323同士の平均間隔(図9、Q2で示す長さ)は、第1の捕捉部31Aの隣接する第1のループワイヤ311〜313同士の平均間隔(図9中、Q1で示す長さ)より大きいことが好ましい。
これにより、異物捕捉部3が自然状態から収縮状態へ確実に変化することができ、よって、収縮状態のとき、塞栓物200をより確実に捕捉(除去)することができる。
例えば、脳血管内にある塞栓物200(血栓)を捕捉する際には、自然状態において、第2の捕捉部32Aにおける第2のループワイヤ321〜323同士の平均間隔Q2は、1〜20mm程度が好ましく、3〜10mm程度がより好ましい。
また、自然状態において、第1の捕捉部31Aにおける第1のループワイヤ311〜313同士の平均間隔Q1は、0.1〜15mm程度が好ましく、1〜5mm程度がより好ましい。
また、塞栓物200を捕捉するときには、操作ワイヤ43を操作することにより、異物捕捉部3Aを収縮状態とするが、そのとき、第2の捕捉部32Aの隣接する第2のループワイヤ321〜323同士の平均間隔(図2中、Q2’で示す長さ)が、平均間隔Q1より小さくなるまで、第2の捕捉部32Aを変形させる。これにより、塞栓物200が比較的柔らかいものであっても、塞栓物200を異物捕捉部3(異物捕捉空間35)内に絡め取ることができ、よって、塞栓物200を確実に捕捉することができる。
例えば、脳血管内にある塞栓物200(血栓)を捕捉する際には、収縮状態における第2の捕捉部32の平均間隔Q2’は、特に限定されないが、0.1〜10mm程度が好ましく、0.1〜3mm程度がより好ましい。
なお、第1のループワイヤの形成数は、3つであるのに限定されず、例えば、2つまたは4つ以上であってもよい。
また、第2のループワイヤの形成数も第1のループワイヤと同様に、3つであるのに限定されず、例えば、2つまたは4つ以上であってもよい。
以上、本発明の血管内異物除去用ワイヤおよび医療器具を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、血管内異物除去用ワイヤおよび医療器具を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、前述した説明では、異物捕捉部において、第1の捕捉部と第2の捕捉部とは同一材料により一体的に形成されている場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1の捕捉部と第2の捕捉部とは異なる材料から構成されていてもよい。
また、第2の捕捉部のループ径は、先端方向に向って漸減しているのに限定されず、例えば、先端方向に向って漸増していてもよいし、中央部分が両端部より拡径されていてもよい。
また、膨潤性を発揮するコーティングは異物捕捉部3にのみ施されているのに限定されず、例えば、ワイヤ本体にも施されていてもよい。
また、操作ワイヤの操作は、操作部材による操作であるのに限定されず、例えば、操作ワイヤにラックを設け、ワイヤ本体内にピニオンギアを設けて、これらラックおよびピニオンギアの駆動により操作されてもよい。これにより、操作ワイヤを容易に操作することができる。
また、第1の捕捉部と第2の捕捉部とで構成材料を変えること、または同一の構成材料であっても線径を変えることにより、その剛性に傾斜物性を持たせることができる。これにより、操作部材を操作した際に、第1の捕捉部の形状はそのままに、第2の捕捉部は手元側に引っ張られ、より容易に意図する変形が可能となる。
1、1A 血管内異物除去用ワイヤ
2 ワイヤ本体
24 先端部
26 管体
261 内腔
262 内周面
263 先端開口
264 外周面
265 基端開口
266 コイル
267 突起部
3、3A 異物捕捉部
31、31A 第1の捕捉部
311〜313 第1のループワイヤ
32、32A 第2の捕捉部
321〜323 第2のループワイヤ
33 連結ワイヤ
34 パイプ
35 異物捕捉空間
39、391、392 線状体
4 操作部材
41 爪部
43 操作ワイヤ
44 自然状態維持手段
5 収縮状態維持手段
51 クリップ
511 切欠き部
512 側面
8 カテーテル
81 先端開口部
82 ルーメン
821 内壁面
9 医療器具
10 ガイドワイヤ
101 先端部
100 血管
100a 内壁
200 塞栓物
2 ワイヤ本体
24 先端部
26 管体
261 内腔
262 内周面
263 先端開口
264 外周面
265 基端開口
266 コイル
267 突起部
3、3A 異物捕捉部
31、31A 第1の捕捉部
311〜313 第1のループワイヤ
32、32A 第2の捕捉部
321〜323 第2のループワイヤ
33 連結ワイヤ
34 パイプ
35 異物捕捉空間
39、391、392 線状体
4 操作部材
41 爪部
43 操作ワイヤ
44 自然状態維持手段
5 収縮状態維持手段
51 クリップ
511 切欠き部
512 側面
8 カテーテル
81 先端開口部
82 ルーメン
821 内壁面
9 医療器具
10 ガイドワイヤ
101 先端部
100 血管
100a 内壁
200 塞栓物
Claims (10)
- 可撓性を有する長尺なワイヤ本体と、血管内の異物を捕捉する異物捕捉部と、該異物捕捉部を変形させる操作を行う操作ワイヤとを備えた血管内異物除去用ワイヤであって、
前記異物捕捉部は、自然状態で螺旋状をなす線状体で構成され、前記ワイヤ本体の先端側に設けられている第1の捕捉部と、自然状態で螺旋状をなす線状体で構成され、前記第1の捕捉部の先端側に設けられている第2の捕捉部とを有し、
前記操作ワイヤを操作することにより、前記第2の捕捉部は、該第2の捕捉部における隣接する線状体同士の線間距離が減少するように変形することを特徴とする血管内異物除去用ワイヤ。 - 自然状態において、前記第2の捕捉部の隣接する線状体同士の線間距離(平均)は、前記第1の捕捉部の隣接する線状体同士の線間距離(平均)より大きい請求項1に記載の血管内異物除去用ワイヤ。
- 前記第2の捕捉部の隣接する線状体同士の線間距離(平均)が、前記第1の捕捉部の隣接する線状体同士の線間距離(平均)より小さくなるまで、前記第2の捕捉部を変形させる請求項1または2に記載の血管内異物除去用ワイヤ。
- 前記異物捕捉部は、螺旋状の線状体を複数有する請求項1ないし3のいずれかに記載の血管内異物除去用ワイヤ。
- 前記異物捕捉部は、前記螺旋状の線状体が2つ設けられており、それらが互いに反対方向に巻くように形成されている請求項4に記載の血管内異物除去用ワイヤ。
- 可撓性を有する長尺なワイヤ本体と、血管内の異物を捕捉する異物捕捉部と、該異物捕捉部を引張る操作を行う操作ワイヤとを備えた血管内異物除去用ワイヤであって、
異物捕捉部は、自然状態で前記ワイヤ本体の長手方向に沿って間隔を置いて配置されている複数の第1のループワイヤを有し、前記ワイヤ本体の先端側に設けられている第1の捕捉部と、自然状態で前記ワイヤ本体の長手方向に沿って間隔を置いて配置されている複数の第2のループワイヤを有し、前記第1の捕捉部の先端に設けられている第2の捕捉部とを有し、
前記操作ワイヤを操作することにより、前記第2の異物捕捉部は、該第2の異物捕捉ワイヤにおける隣接する第2のループワイヤ同士の間隔が減少するように変形することを特徴とする血管内異物除去用ワイヤ。 - 前記第2の捕捉部の隣接する第2のループワイヤ同士の間隔(平均)は、前記第1の異物捕捉ワイヤの隣接する第1のループワイヤ同士の間隔(平均)より大きい請求項6に記載の血管内異物除去用ワイヤ。
- 前記第2の捕捉部の隣接する第2のループワイヤ同士の間隔(平均)が、前記第1の捕捉部の隣接する第1のループワイヤ同士の間隔(平均)より小さくなるまで、前記第2の捕捉部を変形させる請求項6または7に記載の血管内異物除去用ワイヤ。
- 前記第2の捕捉部は、そのループ径が先端方向に向って漸減している請求項1ないし8のいずれかに記載の血管内異物除去用ワイヤ。
- 請求項1ないし9のいずれかに記載の血管内異物除去用ワイヤと、前記血管内異物除去用ワイヤを収納可能なルーメンを備えたカテーテルとを有することを特徴とする医療器具。
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WO2016145250A1 (en) | 2015-03-12 | 2016-09-15 | Cedars-Sinai Medical Center | Devices, systems, and methods to optimize annular orientation of transcatheter valves |
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