JP2005124821A - 血管内異物除去用ワイヤおよび医療器具 - Google Patents

血管内異物除去用ワイヤおよび医療器具 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な操作で血管内の塞栓物を確実に捕捉、除去することのできる血管内異物除去用ワイヤおよび医療器具を提供すること。
【解決手段】本発明の血管内異物除去用ワイヤ1は、可撓性を有する長尺なワイヤ本体2と、形状がループ状をなし、ワイヤ本体2の先端に、該ワイヤ本体2の軸に対し傾いて設けられたループワイヤ部4と、ループワイヤ部4における異なる2つの箇所の間に架設され、互いに交差するフィラメント部5a、5bとを有し、ループワイヤ部4およびフィラメント部5a、5bにより、血管内の異物を捕捉する異物捕捉空間3が形成され、ループワイヤ部4およびフィラメント部5a、5bが起立する起立状態と、異物捕捉空間3の大きさが起立状態のときの大きさよりも小さくなるように、ループワイヤ部4およびフィラメント部5a、5bが伏倒する伏倒状態とに変形可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、血管内の塞栓物を除去する血管内異物除去用ワイヤおよび医療器具に関するものである。
厚生労働省の人口動態統計によれば、日本人の死因の一位は癌、二位は心臓病、三位は脳卒中であり、特に脳卒中による死亡や後遺症が増加し、治療方法の確立が急務となっている。
近年、脳卒中の治療において急性期の脳梗塞治療に血栓溶解剤を用いた血栓溶解療法が開発され治療効果をあげているがその限界も指摘されている。すなわち、血栓溶解剤では血栓溶解に長時間を要したり、小さくなった血栓がさらに飛んで新たな塞栓部位を形成したり、また、血栓溶解剤で溶解しない血栓があることが医師の経験から認められている。
脳梗塞の場合、梗塞発症後3時間以内に血流が再開できれば救命の確率が高くなるばかりか、後遺症を少なくすることが米国や欧州で証明され、脳血管内に挿入可能で血栓を直接取ることができる医療器具の開発が強く求められている。
このような医療器具としては、先端に、形状がバスケット状の異物捕捉部を有するワイヤ(血管内異物除去用ワイヤ)を備えているものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この異物捕捉部は、血管内にある異物を捕捉、除去する部位であり、ワイヤの軸に沿って、該ワイヤの軸とほぼ垂直な方向に湾曲した、4つの湾曲部を有している。この湾曲部により、異物捕捉部は、血管内の内壁に滑らかに当接することができ、よって、内壁に密着している異物を除去する際、内壁に損傷を与えるのを防止することができる。
しかしながら、この医療器具は、例えば心原性血栓のような、血管内に密着している異物を除去する際、異物捕捉部が血管の内壁と異物との間に、充分に入り込むことができず、確実に異物を除去するのが困難であるという問題があった。また、異物に対する異物捕捉部の向きを調整する必要があり、この調整(操作)も困難であるという問題があった。
特表2001−506175号公報
本発明の目的は、簡単な操作で血管内の塞栓物を確実に捕捉、除去することのできる血管内異物除去用ワイヤおよび医療器具を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(8)の本発明により達成される。
(1) 可撓性を有する長尺なワイヤ本体と、
形状がループ状をなし、前記ワイヤ本体の先端に、該ワイヤ本体の軸に対し傾いて設けられたループワイヤ部と、
前記ループワイヤ部における異なる2つの箇所の間に架設され、互いに交差する複数のフィラメント部とを有し、
前記ループワイヤ部および前記フィラメント部により、血管内の異物を捕捉する異物捕捉空間が形成され、
前記ループワイヤ部および前記フィラメント部が起立する起立状態と、
前記異物捕捉空間の大きさが前記起立状態のときの大きさよりも小さくなるように、前記ループワイヤ部および前記フィラメント部が伏倒する伏倒状態とに変形可能であることを特徴とする血管内異物除去用ワイヤ。
(2) 前記起立状態において、前記ループワイヤ部は、前記ワイヤ本体の軸に対し35〜90°の角度で傾いている上記(1)に記載の血管内異物除去用ワイヤ。
(3) 前記ループワイヤ部には、2つの前記フィラメント部が設けられ、該2つのフィラメント部は、それぞれ、形状がアーチ状をなしており、互いに該アーチ状の頂部付近で交差している上記(1)または(2)に記載の血管内異物除去用ワイヤ。
(4) 前記ループワイヤ部は、放射線不透過材料で構成されている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の血管内異物除去用ワイヤ。
(5) 前記フィラメント部は、放射線不透過材料で構成されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の血管内異物除去用ワイヤ。
(6) 前記ループワイヤ部および/または前記フィラメント部の少なくとも一部は、生体内で超弾性を示す合金で構成されている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の血管内異物除去用ワイヤ。
(7) 上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の血管内異物除去用ワイヤと、前記血管内異物除去用ワイヤを収納可能なルーメンを備えたカテーテルとを有することを特徴とする医療器具。
(8) 前記ループワイヤ部および前記フィラメント部を前記ルーメン内に収納したとき、前記ループワイヤ部および前記フィラメント部は、前記ルーメンを画成する内壁面に規制されて、前記伏倒状態となり、
ループワイヤ部およびフィラメント部を前記ルーメンの先端開口部から突出させたとき、ループワイヤ部およびフィラメント部が前記起立状態となる上記(7)に記載の医療器具。
本発明によれば、ループワイヤ部およびフィラメント部が起立状態と伏倒状態とに変形可能であることにより、簡単な操作で血管内の塞栓物を確実に捕捉、除去することのできる。
また、起立状態における異物捕捉空間がより大きく形成されることにより、血管内の塞栓物を確実に捕捉、除去することができる。
また、ループワイヤ部が放射線不透過材料で構成されている場合には、X線などの透視下において、ループワイヤ部における塞栓物の捕捉状況を容易に確認することができ、よって、血管内の塞栓物をより確実に捕捉、除去することができる。
以下、本発明の血管内異物除去用ワイヤおよび医療器具を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の血管内異物除去用ワイヤの実施形態(起立状態)を示す斜視図、図2および図3は、それぞれ、図1中の矢印Aから見た図および矢印Bから見た図、図4は、図1に示す血管内異物除去用ワイヤの実施形態(伏倒状態)を示す側面図、図5ないし図8は、それぞれ、図1に示す血管内異物除去用ワイヤの使用方法を順を追って説明するための図である。
なお、以下の説明では、図1、図2および図4中の左側を「基端」、右側を「先端」と言い、図5〜図8中の右側を「基端」、左側を「先端」と言い、図3中の左側を「左」、右側を「右」と言う。
図1に示す血管内異物除去用ワイヤ1は、血管100内の血栓、血餅等の塞栓の原因となる異物(以下、「塞栓物200」と言う)を捕捉して除去するものである。
この血管内異物除去用ワイヤ1は、長尺なワイヤ本体2と、ワイヤ本体2の先端に設けられたループワイヤ部4と、ループワイヤ部4に撚り合わせて設けられた複数(本実施形態では、2つ)のフィラメント部5a、5bとを有している。
このような構成の血管内異物除去用ワイヤ1は、ループワイヤ部4とフィラメント部5a、5bとが起立する起立状態(図2参照)と、ループワイヤ部4とフィラメント部5a、5bとが伏倒する伏倒状態(図4参照)とに変形することができる。
以下、各部の構成について説明する。
図1に示すワイヤ本体2は、全長に渡って適度な剛性および弾性(可撓性)を有している。
ワイヤ本体2の構造としては、特に限定されず、例えば、単線からなるもの、複数本を束ねたもの、中空状のもの、多層構造のもの、芯材とその外周に巻回されたコイルとを有するもの、これらを組み合わせたものなどであってもよい。
ワイヤ本体2の構成材料としては、特に限定されず、各種金属材料や各種プラスチック等を単独または組み合わせて用いることができる。
また、ワイヤ本体2の長さは、適用する血管100の位置、太さ等の症例によってもその好ましい値は異なるが、通常、500〜4000mm程度が好ましく、1500〜2200mm程度がより好ましい。
また、ワイヤ本体2の外径(太さ)は、適用する血管100の位置、太さ等の症例によってもその好ましい値は異なるが、通常、平均外径が0.1〜2.0mmであるのが好ましく、0.25〜0.9mmであるのがより好ましい。
また、ワイヤ本体2は、基端側に位置し、比較的硬い第1の部位と、先端側に位置し、比較的柔軟な第3の部位と、前記第1の部位と前記第3の部位との間に位置し、可撓性が変化する第2の部位とを有するものであることが好ましい。換言すれば、ワイヤ本体2は、剛性(曲げ剛性、ねじり剛性等)が基端から先端に向かって漸減するようなものであるのが好ましい。これにより、手元での操作が先端部24まで確実に伝達し、血管100内での走行性や屈曲部での操作性に優れるとともに、先端部24の柔軟性を向上し、血管100の損傷を防ぐことができる。すなわち、ワイヤ本体2のトルク伝達性、押し込み性(プッシャビリティ)、耐キンク性(耐折れ曲がり性)を維持しつつ、より高い安全性を確保することができる。
ワイヤ本体2の外面(表面)には、後述するカテーテル8の内面との摩擦抵抗を軽減する被覆層が設けられていてもよい。これにより、カテーテル8に対する挿入・抜去をよりスムーズに行うことができる。この被覆層としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂の被覆層(テフロンコート(「テフロン」は登録商標))や、湿潤時に潤滑性を有する親水性ポリマーコート等が挙げられる。
図1に示すように、ループワイヤ部4は、形状が同一方向に湾曲し、ほぼ一平面上にあるようなループ状をなしており、ワイヤ本体2の軸に対し傾いて設けられている(固定されている)。
この固定の方法は、特に限定されないが、例えば、ループワイヤ部4の基端部42をワイヤ本体2の先端部24に編み付け(巻き付け)、ロウ付け等の溶接、接着剤による接着等を施すことにより固定することができる。
本実施形態では、ワイヤ本体2の先端部24には、ループワイヤ部4のワイヤ本体2に対する固定部(ロウ付け部)を覆うコイル21が設けられている。コイル21の外表面は、平滑になっており、これにより、より高い安全性が得られる。コイル21は、例えばプラチナ(白金)線等を巻回して形成されたものであることが好ましい。
このようなループワイヤ部4は、図2に示すように、自然状態(起立状態)において、ワイヤ本体2に対し、起立した状態となっている。このときのループワイヤ部4のワイヤ本体2の中心軸23(軸)に対する角度(図2中のθで示す角度)は、20〜90°程度であるのが好ましく、40〜60°程度であるのがより好ましい。
このような構成により、塞栓物200を捕捉する際、ループワイヤ部4の先端部41が塞栓物200と血管100の内壁100aとの間により確実に入り込むことができ、よって、より確実に塞栓物200を捕捉(除去)することができる(図8参照)。
また、ループワイヤ部4の構成材料としては、放射線不透過材料であるのが好ましい。この放射線不透過材料としては、特に限定されないが、例えば、金、プラチナ(白金)、プラチナ−イリジウム合金、タングステン、タンタル、パラジウム、鉛、銀、またはこれらのうちの少なくとも1種を含む合金、化合物等が挙げられる。
このような放射線不透過材料を用いることにより、X線などの透視下において、ループワイヤ部4における塞栓物200の捕捉状況を容易に確認することができる。
また、ループワイヤ部4の構成材料としては、生体内(少なくとも生体温度(37℃付近))で擬弾性を示す合金(超弾性を示す合金(以下、「超弾性合金」と言う)を含む)であるのが好ましい。
擬弾性を示す合金(以下、「擬弾性合金」と言う)には、引張りによる応力−ひずみ曲線のいずれの形状も含み、As、Af、Ms、Mf等の変態点が顕著に測定できるものも、できないものも含み、応力により大きく変形(歪)し、応力の除去により元の形状にほぼ戻るものは全て含まれる。
擬弾性合金には、超弾性合金が含まれる。この超弾性合金の好ましい組成としては、49〜52原子%NiのNi−Ti合金等のNi−Ti系合金、38.5〜41.5重量%ZnのCu−Zn合金、1〜10重量%XのCu−Zn−X合金(Xは、Be、Si、Sn、Al、Gaのうちの少なくとも1種)、36〜38原子%AlのNi−Al合金等が挙げられる。このなかでも特に好ましいものは、上記のNi−Ti系合金である。
このような擬弾性合金を用いることにより、ループワイヤ部4は、十分な柔軟性と曲げに対する復元性が得られ、ループワイヤ部4が起立・伏倒するような変形を繰り返しても、優れた復元性により曲がり癖が付くのを防止することができる。
起立状態において、ループワイヤ部4のループ径(図2中のDで示す長さ)は、特に限定されないが、例えば、脳血管内にある塞栓物200(血栓)を捕捉する際には、通常、1〜20mm程度が好ましく、2〜5mm程度がより好ましい。
また、ループワイヤ部4の外径(太さ)は、特に限定されないが、例えば、脳血管内にある塞栓物200(血栓)を捕捉する際には、通常、0.02〜0.20mm程度が好ましく、0.04〜0.12mm程度がより好ましい。ここで、ループワイヤ部4の外径とは、ループワイヤ部4にフィラメント部5a、5bを撚り合わせた部分(撚り線部43)については、全体の外径を言う。
図1および図3に示すように、フィラメント部5aおよび5bは、それぞれ、ループワイヤ部4において、異なる2つの箇所の間に架設されており、前述したように、起立状態(図2参照)と伏倒状態(図4参照)とに変形可能となっている。
このようなフィラメント部5aおよび5bは、左右対称となるようループワイヤ部4に設置(架設)されている。
フィラメント部5aおよび5bのそれぞれの形状は、先端に向かって湾曲しているアーチ状をなしており、アーチ状の頂部51、51付近で交差している。ここで、交差とは、フィラメント部5a、5bが互いに接近していることを言い、必ずしも接触していなくてもよいし、さらには、接触していても、その交差箇所が移動可能に構成されていてもよい。
このように、フィラメント部5aとフィラメント部5bとが交差していることにより、塞栓物200を捕捉する際、一旦捕捉した塞栓物200が先端側から脱落(離脱)するのを防止することができる(図8参照)。
これにより、より確実に塞栓物200を捕捉(除去)することができる。
フィラメント部5a、5bの構成材料としては、ループワイヤ部4と同様に、放射線不透過材料であるのが好ましい。
これにより、前述したようなループワイヤ部4とほぼ同様の効果を得ることができる。
また、フィラメント部5a、5bの構成材料としては、ループワイヤ部4と同様に、擬弾性合金であるのが好ましい。
これにより、前述したようなループワイヤ部4とほぼ同様の効果を得ることができる。
起立状態において、ループワイヤ部4と頂部51との距離(図2中のHで示す距離)は、特に限定されないが、例えば、脳血管内にある塞栓物200(血栓)を捕捉する際には、通常、3〜20mm程度が好ましく、3〜10mm程度がより好ましい。
また、フィラメント部5a、5bの外径(太さ)は、特に限定されないが、例えば、脳血管内にある塞栓物200(血栓)を捕捉する際には、通常、0.01〜0.20mm程度が好ましく、0.04〜0.1mm程度がより好ましい。このときのフィラメント部5a、5bを構成する線材の本数は、特に限定されないが、2〜8本程度が好ましく、2〜4本程度がより好ましい。
このような構成の血管内異物除去用ワイヤ1は、ループワイヤ部4およびフィラメント部5a、5bにより、図1に示すような血管100内の塞栓物200(異物)を捕捉する異物捕捉空間3が形成されている。
伏倒状態において、この異物捕捉空間3は、大きさが起立状態のときの大きさよりも小さくなるよう構成されている(図2および図4参照)。
このように、起立状態で異物捕捉空間3がより大きく形成されていることにより、確実に塞栓物200を捕捉(除去)することができる。
また、ループワイヤ部4およびフィラメント部5a、5bが伏倒状態に変形することにより、血管100内にある塞栓物200を捕捉する際、カテーテル8内において血管内異物除去用ワイヤ1を容易に移動させることができる。
なお、ループワイヤ部4が擬弾性合金で構成されているとき、ループワイヤ部4は、全体的に擬弾性合金で構成されていてもよいし、部分的に構成されていてもよい。
また、フィラメント部5a、5bも同様に、擬弾性合金で構成されているとき、全体的に擬弾性合金で構成されていてもよいし、部分的に構成されていてもよい。
また、フィラメント部5a、5bは、左右対称にループワイヤ部4へ固定されているのに限定されず、非対称に固定されていてもよい。
なお、本発明の医療器具9は、このような血管内異物除去用ワイヤ1と、ルーメン82が形成されたカテーテル8とを有するものである。
次に、本発明の血管内異物除去用ワイヤ1の使用方法の一例について詳細に説明する。以下、ループワイヤ部4とフィラメント部5a、5bとで構成された部位を「捕捉部11」と言う。
[1] 図5は、血管100内に血栓等の塞栓物200が詰まり、血流を阻害している状態を示している。塞栓物200は、血圧により血管100の内壁100aに押し付けられ、容易に移動しない状態になっている。
カテーテル(マイクロカテーテル)8と、そのルーメン82内に挿通されたガイドワイヤ10とを、血管100内に挿入し、カテーテル8の先端開口部81から突出させたガイドワイヤ10の先端部101を塞栓物200より奥(末梢側)まで挿入する。すなわち、ガイドワイヤ10の先端部101が塞栓物200と血管100の内壁100aとの隙間を通り抜けて、塞栓物200を越えた状態とする。この操作は、ガイドワイヤ10として、例えば潤滑性に優れるマイクロガイドワイヤを使用することにより、より容易に行うことができる。
[2] ガイドワイヤ10の先端部101が塞栓物200を越えたら、ガイドワイヤ10に対しカテーテル8を前進させ、図6に示すように、カテーテル8の先端部を塞栓物200と血管100の内壁100aとの隙間に入り込ませる。このとき、カテーテル8の先端部は、ガイドワイヤ10に沿って円滑に隙間に入り込むので、この操作は容易に行うことができる。
なお、従来の治療としては、この状態でカテーテル8を介して逆行性に血栓溶解剤を流し、血栓溶解を速めることが行なわれてきたが、血栓溶解剤で溶けない血栓があることや溶解に長時間かかることがしばしば医師により経験されている。本発明は、そのような場合にも有用である。
[3] 図6に示す状態から、ガイドワイヤ10を抜去し、カテーテル8のルーメン82に本発明の血管内異物除去用ワイヤ1を挿入する。このとき、図7に示すように、捕捉部11は、ルーメン82を画成する内壁面821に規制されて、伏倒状態となっている。
[4] 図8に示すように、捕捉部11をカテーテル8の先端開口部81から突出させると、伏倒状態でカテーテル8内にあった捕捉部11は、自身の弾性により自動的に展開し、起立状態となる。このときの捕捉部11の向きは、ループワイヤ部4が塞栓物200側に位置し、フィラメント部5a、5bがループワイヤ部4に対して塞栓物200と反対側に位置した向きとなっている。また、このとき、捕捉部11で画成された空間、すなわち、異物捕捉空間3は、大きさが伏倒状態のときの大きさよりも大きくなっている。
このような捕捉部11および異物捕捉空間3の状態により、塞栓物200を確実に(容易に)捕捉することができる。
[5] 前述の起立状態から、カテーテル8を僅かに基端方向に移動させ、カテーテル8の先端部を塞栓物200の手前に引き戻す。さらに、血管内異物除去用ワイヤ1も手前に少し引き戻すと、図8に示すように、捕捉部11(異物捕捉空間3)に塞栓物200がすくい取られるようにして、捕捉(収納)される。すなわち、塞栓物200は、図7および図8中の上側から異物捕捉空間3に入り込む。
[6] 異物捕捉空間3に塞栓物200が収納されたら、カテーテル8に対しワイヤ本体2を基端方向(図8中の矢印の方向)に牽引する。これにより、ループワイヤ部4の幅が狭まり、かつ、若干、伏倒状態に近くなるように変形し、異物捕捉空間3に塞栓物200が深く入り込み(収納され)、よって、塞栓物200を確実に保持(捕捉)することができる。
[7] 前記の保持状態(捕捉状態)を維持しつつ、血管内異物除去用ワイヤ1をカテーテル8とともに抜去する。これにより、親のガイディングカテーテルまたはシースイントロデューサー(図示せず)内に塞栓物200が回収(除去)される。
なお、[6]の捕捉の操作を行わず、捕捉部11内に塞栓物200が収納されたら、そのまま血管内異物除去用ワイヤ1をカテーテル8とともに抜去して、塞栓物200を除去してもよい。
また、[4]の起立状態において、捕捉部11の向きが前述したような向きになっていない場合には、捕捉部11が塞栓物200を越えた位置で、当該向きを調整するのが好ましい。
また、同様に、捕捉部11の向きが前述したような向きになっていない場合には、塞栓物200を捕捉する際、カテーテル8の基端側から造影剤を投与し、この捕捉を確認しつつ、ワイヤ本体2を操作するのが好ましい。
以上、本発明の血管内異物除去用ワイヤおよび医療器具を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、血管内異物除去用ワイヤおよび医療器具を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
例えば、ループワイヤ部の形状は、同一方向に湾曲したループ状であるのに限定されず、例えば、複数の方向に湾曲したループ状であってもよい。
また、ループワイヤ部の形状は、ほぼ一平面上にあるようなループ状であるのに限定されず、例えば、矢印Aから見たときにアーチ状(弓なり状)に形成された、ループ状であってもよい。
また、フィラメント部は、2つであるのに限定されず、3つ以上であってもよい。
また、フィラメント部のループワイヤ部への固定は、フィラメント部をループワイヤ部に撚り合せるのに限定されず、例えば、編み付け(巻き付け)、ロウ付け等の溶接、接着剤による接着等であってもよい。
また、ループワイヤ部およびフィラメント部の表面には、滑り止め手段が設けられていてもよい。これにより、捕捉した塞栓物をより確実に保持することができる。この滑り止め手段としては、比較的摩擦係数の高いゴム等の弾性材料を被覆したり、微小の凹凸(粗面も含む)を例えばサンドブラスト等により形成したりすることができる。
本発明の血管内異物除去用ワイヤの実施形態(起立状態)を示す斜視図である。 図1中の矢印Aから見た図である。 図1中の矢印Bから見た図である。 図1に示す血管内異物除去用ワイヤの実施形態(伏倒状態)を示す側面図である。 図1示す血管内異物除去用ワイヤの使用方法を順を追って説明するための図である。 図1示す血管内異物除去用ワイヤの使用方法を順を追って説明するための図である。 図1示す血管内異物除去用ワイヤの使用方法を順を追って説明するための図である。 図1示す血管内異物除去用ワイヤの使用方法を順を追って説明するための図である。
符号の説明
1 血管内異物除去用ワイヤ
11 捕捉部
2 ワイヤ本体
21 コイル
23 中心軸
24 先端部
3 異物捕捉空間
4 ループワイヤ部
41 先端部
42 基端部
43 撚り線部
5a、5b フィラメント部
51 頂部
8 カテーテル
81 先端開口部
82 ルーメン
821 内壁面
9 医療器具
10 ガイドワイヤ
101 先端部
100 血管
100a 内壁
200 塞栓物

Claims (8)

  1. 可撓性を有する長尺なワイヤ本体と、
    形状がループ状をなし、前記ワイヤ本体の先端に、該ワイヤ本体の軸に対し傾いて設けられたループワイヤ部と、
    前記ループワイヤ部における異なる2つの箇所の間に架設され、互いに交差する複数のフィラメント部とを有し、
    前記ループワイヤ部および前記フィラメント部により、血管内の異物を捕捉する異物捕捉空間が形成され、
    前記ループワイヤ部および前記フィラメント部が起立する起立状態と、
    前記異物捕捉空間の大きさが前記起立状態のときの大きさよりも小さくなるように、前記ループワイヤ部および前記フィラメント部が伏倒する伏倒状態とに変形可能であることを特徴とする血管内異物除去用ワイヤ。
  2. 前記起立状態において、前記ループワイヤ部は、前記ワイヤ本体の軸に対し35〜90°の角度で傾いている請求項1に記載の血管内異物除去用ワイヤ。
  3. 前記ループワイヤ部には、2つの前記フィラメント部が設けられ、該2つのフィラメント部は、それぞれ、形状がアーチ状をなしており、互いに該アーチ状の頂部付近で交差している請求項1または2に記載の血管内異物除去用ワイヤ。
  4. 前記ループワイヤ部は、放射線不透過材料で構成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の血管内異物除去用ワイヤ。
  5. 前記フィラメント部は、放射線不透過材料で構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の血管内異物除去用ワイヤ。
  6. 前記ループワイヤ部および/または前記フィラメント部の少なくとも一部は、生体内で超弾性を示す合金で構成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の血管内異物除去用ワイヤ。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の血管内異物除去用ワイヤと、前記血管内異物除去用ワイヤを収納可能なルーメンを備えたカテーテルとを有することを特徴とする医療器具。
  8. 前記ループワイヤ部および前記フィラメント部を前記ルーメン内に収納したとき、前記ループワイヤ部および前記フィラメント部は、前記ルーメンを画成する内壁面に規制されて、前記伏倒状態となり、
    ループワイヤ部およびフィラメント部を前記ルーメンの先端開口部から突出させたとき、ループワイヤ部およびフィラメント部が前記起立状態となる請求項7に記載の医療器具。
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