JP2008054857A - 血管内異物除去用ワイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、血管内の異物を確実に捕捉、除去することのできる血管内異物除去用ワイヤおよび医療器具を提供すること。
【解決手段】血管内異物除去ワイヤ1Aは可撓性を有するワイヤ本体2と、該ワイヤ本体2の先端側に設けられ、血管内の異物を捕捉するための異物捕捉部3Aを備えている。
該異物捕捉部3Aは平板ワイヤ31Aから構成され、該平板ワイヤ31Aが、自然状態で該異物捕捉部3Aの長軸に対して斜めに配置されており、複数の巻回を有し、螺旋状又はループ状をなし、該複数の巻回の各ループ径φが先端方向に向かって漸減しているよう構成されている。

【選択図】図1

Description

本発明は、血管内の塞栓物を除去する血管内異物除去用ワイヤに関するものである。
厚生労働省の人口動態統計によれば、日本人の死因の一位は癌、二位は心臓病、三位は脳卒中であり、特に脳卒中による死亡や後遺症が増加し、治療方法の確立が急務となっている。
近年、脳卒中の治療において急性期の脳梗塞治療に血栓溶解剤を用いた血栓溶解療法が開発され治療効果をあげているが、その限界も指摘されている。すなわち、血栓溶解剤では血栓溶解に長時間を要したり、小さくなった血栓が深部に移動して新たな塞栓部位を形成したり、また、血栓溶解剤で溶解しない血栓があることが医師の経験から認められている。
脳梗塞の場合、梗塞発症後3時間以内に血流が再開できれば救命の確率が高くなるばかりか、後遺症を少なくすることが米国や欧州で証明され、脳血管内に挿入可能で血栓を直接取ることができる医療器具の開発が強く求められている。
このような医療器具としては、コイルの中心軸を中心として放射線状に配置された複数のループを備えたフィルタバスケットを有する医療用回収フィルタが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、異物(血栓)が比較的柔らかい場合などに、フィルタの隙間から異物(血栓)が漏れ出してしまい、完全に捕捉することが困難であるという問題があった。
米国特許第4425908号明細書
本発明の目的は、血管内の異物を確実に捕捉、除去することのできる血管内異物除去用ワイヤおよび医療器具を提供することにある。また本発明の別の目的は、血管壁を傷つけることなく異物捕捉部を異物付近に留置することのできる血管内異物除去用ワイヤおよび医療器具を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(5)の本発明により達成される。
(1)可撓性を有するワイヤ本体と、該ワイヤ本体の先端側に設けられ、血管内の異物を捕捉するための異物捕捉部を有する血管内異物除去ワイヤであって、
該異物捕捉部は平板ワイヤから構成され、前記平板ワイヤは幅と厚みを有し、該平板ワイヤの幅が、自然状態で該異物捕捉部の長軸に対して斜めに配置されており、複数の巻回を有する螺旋状又はループ状をなし、前記巻回の径が先端方向に向かって漸減している血管内異物除去ワイヤ。
(2)該異物捕捉部は、前記ワイヤ本体の長手方向に沿って間隔を置いて配置された複数のループワイヤから構成され、隣接する前記ループワイヤ同士が連結ワイヤにより連結されていることを特徴とする上記(1)に記載の血管内異物除去ワイヤ。
(3)前記異物捕捉部の長軸方向から、該平板ワイヤの各巻回の内面先端部までの距離と、前記異物捕捉部の長軸方向から、該巻回より1巻回分先端側に配置された巻回の外面基端部までの距離では、前記異物捕捉部の長軸方向から、該平板ワイヤの各巻回の内面先端部までの距離のほうが短い箇所が少なくとも1箇所ある上記(1)または(2)に記載の異物除去用ワイヤ。
(4)該異物捕捉部を正面から見たとき、該平板ワイヤの一番外側のワイヤの外縁によって形成される面積に対して、該平板ワイヤの間の隙間の面積が40%以下であることを特徴とする上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の血管内除去ワイヤ。
(5)可撓性を有するワイヤ本体と、該ワイヤ本体の先端側に設けられ、血管内の異物を捕捉するための異物捕捉部を有する血管内異物除去ワイヤであって、
該異物捕捉部は平板ワイヤから構成され、前記平板ワイヤは幅と厚みを有し、該平板ワイヤの幅が、自然状態で該異物捕捉部の長軸に対して斜めに配置されており、複数の巻回を有するループ状をなしており、当該異物捕捉部をワイヤ本体の長軸方向正面から見ると、各ループワイヤが隣接する巻回と異なる角度に設けられている、血管内異物除去ワイヤ。
本発明によれば、平板コイルを用いるために従来の横断面が円形のワイヤコイルを用いる場合よりも異物との接触面積が増し、血管内の異物が異物捕捉部を通過してしまう事を防止し、前記異物を確実に捕捉、除去することができる。また、平板が軸線に対し斜めに配置されているため、異物との接触面積をより増すことができる。さらに、螺旋状又はループ状をなす平板ワイヤが複数の巻回を有し、該複数の巻回の各ループ径が先端側に向かって小さくなり、かつ平板が軸線に対して斜めなので、異物捕捉部の正面側から見たとき平板間の隙間を効率的に小さくでき、異物が先端側に脱落し難くなる。
以下、本発明の血管内異物除去用ワイヤおよび医療器具を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の血管内異物除去用ワイヤの第1実施形態を示す平面図、図2は、図1に示す血管内異物除去用ワイヤの正面図、図3は図1に示す血管内異物除去用ワイヤの縦断面図、図4〜図9は、それぞれ、図1に示す血管内異物除去用ワイヤの使用方法を順を追って説明するための図である。なお、以下の説明では、図1、3、10,12中の左側を「基端側」、右側を「先端側」と言い、図4〜図9中の右側を「基端側」、左側を「先端側」と言う。図1に示す血管内異物除去用ワイヤ1Aは、血管100内の血栓(例えば、アテローム血栓)、血餅等の塞栓の原因となる異物(以下、「塞栓物200」と言う)を捕捉して除去するものである。
この血管内異物除去用ワイヤ1Aは、長尺なワイヤ本体2と、ワイヤ本体2の先端(先端側)に設けられた(固定された)異物捕捉部3Aとを有している。異物捕捉部3Aは平板ワイヤから構成され、該平板ワイヤが、図3に示すように自然状態で該異物捕捉部の長軸36に対して斜めに配置されていることを特徴とする血管内異物除去ワイヤである。以下、各部の構成について説明する。
図1に示すワイヤ本体2は、全長に渡って適度な剛性および弾性(可撓性)を有している。
ワイヤ本体2の構造としては、特に限定されず、例えば、単線からなるもの、複数本を束ねたもの、中空状のもの、多層構造のもの、芯材とその外周に巻回されたコイルとを有するもの、これらを組み合わせたものなどであってもよい。
ワイヤ本体2の構成材料としては、特に限定されず、各種金属材料や各種プラスチック等を単独または組み合わせて用いることができる。
また、ワイヤ本体2の長さは、適用する血管100の位置、太さ等の症例によってもその好ましい値は異なるが、通常、500〜4000mm程度が好ましく、1500〜2200mm程度がより好ましい。
また、ワイヤ本体2の外径(太さ)は、適用する血管100の位置、太さ等の症例によってもその好ましい値は異なるが、通常、平均外径が0.1〜2.0mmであるのが好ましく、0.25〜0.9mmであるのがより好ましい。
また、ワイヤ本体2は、基端側に位置し、比較的硬い第1の部位と、先端側に位置し、比較的柔軟な第3の部位と、前記第1の部位と前記第3の部位との間に位置し、可撓性が変化する第2の部位とを有するものであることが好ましい。換言すれば、ワイヤ本体2は、剛性(曲げ剛性、ねじり剛性等)が基端から先端に向かって漸減するようなものであるのが好ましい。これにより、手元での操作が先端部24まで確実に伝達し、血管100内での走行性や屈曲部での操作性に優れるとともに、先端部24の柔軟性を向上し、血管100の損傷を防ぐことができる。すなわち、ワイヤ本体2のトルク伝達性、押し込み性(プッシャビリティ)、耐キンク性(耐折れ曲がり性)を維持しつつ、より高い安全性を確保することができる。
ワイヤ本体2の外面(表面)には、後述するカテーテル8の内面との摩擦抵抗を軽減する被覆層が設けられていてもよい。これにより、カテーテル8に対する挿入・抜去をよりスムーズに行うことができる。この被覆層としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂の被覆層(テフロンコート(「テフロン」は登録商標))や、湿潤時に潤滑性を有する親水性ポリマーコート等が挙げられる。
なお、前述したように、ワイヤ本体2には、異物捕捉部3Aが固定されているが、その固定方法は、特に限定されず、例えば、異物捕捉部3Aの基端部をワイヤ本体2の先端部24に編み付け(巻き付け)、ロウ付け等の溶接、接着剤による接着等を施すことにより固定することができる。
また、本実施形態では、ワイヤ本体2の先端部24、には、異物捕捉部3のワイヤ本体2に対する固定部(ロウ付け部)を覆うコイル21が設けられている。コイル21の外表面は、平滑になっており、これにより、より高い安全性が得られる。コイル21は、X線造影性を高めるために例えばプラチナ(白金)金、プラチナ−イリジウム合金、タングステン、タンタル、パラジウム、鉛、銀、またはこれらのうちの少なくとも1種を含む合金、化合物等の線状体を巻回して形成されたものであることが好ましい。また、異物捕捉部3Aの先端部25にはコイル22が設けられている。コイル22はコイル21と同様の材料で構成されていることが望ましい。このように異物捕捉部の前後に造影性を高めるコイルを設けることにより、異物捕捉部3の正確な位置及び長さの把握を行なうことができる。
図1に示すように、異物捕捉部3Aは、平板状のワイヤで作られた、自然状態で螺旋状の構造をとる線状体31Aを有している。平板とは、楕円、長円、長方形などの断面を持ち厚みとそれより大きな幅を有するものである 。また線状体31Aはその螺旋状のループ径φが先端方向に向かって漸減するように構成されている。すなわち、異物捕捉部3Aの線状体31Aは複数の巻回を有し、その巻回の外径(ワイヤ本体2の中心軸に対して垂直な方向の長さ)が先端方向に向かって小さくなっており、全体として見た時異物捕捉部3Aは図3に示すように円錐状のような構造をしている。さらに、線状体31Aは図3に示すように幅w(図3参照)が、異物捕捉部3A長軸方向に対して斜めに配置されている。線状体31Aの幅wと長軸が形成する角度θ(図3参照)は鋭角であることが望ましい。これにより確実に血栓を捕捉することが可能となる。
また、線状体31Aは、異物捕捉部3Aの正面から見たとき、該平板ワイヤ(線状体31A)の一番外側のワイヤの外縁によって形成される面積に対して平板ワイヤの間の隙間が占める面積が40%以下であることが望ましい。より詳しくは特に限定されないが、図2に示すように異物捕捉部3Aの正面側(図1中矢印A側)から見たとき、平板ワイヤ(線状体31A)の一番外側のワイヤの外縁によって形成される面積をS2とした場合、平板ワイヤ(線状体31A)が占める総面積がS2が60%以上(言い換えると、線状体31A以外の空間313Aが占める面積が40%以下)の範囲にあることが好ましい。より好ましくはS2の面積が60〜70%の(言い換えると、線状体31A以外の空間313Aが占める面積が30〜40%)範囲にあることが望ましい。S2の面積が70%(言い換えると、線状体31A以外の空間313Aが占める面積が40%以下)を超える構造にするには異物捕捉部3Aの長さを長く確保する必要があり、血管内異物除去用ワイヤの操作性に支障をきたすので好ましくない。また、平板間の空間313Aの、捕捉部3Aの径方向における幅tとしては、特に限定されないが、捕捉部3Aに捕捉された異物(塞栓物200)が先端側に脱落することを好適に防止するため、0.3mm以下程度が好ましく、0.1mm以下程度であればより好ましい。
また、異物捕捉部3を構成する線状体31Aは、一本のワイヤを変形することにより一体的に形成されている。これにより、構成部品の数量を少なくすることができる。また、血管内異物除去用ワイヤ1Aが柔軟性を有するものとなり、よって、血管内異物除去用ワイヤ1が血管内の細部にまで十分に到達することができる。
これらの機構により、平板コイルを用いるために従来の横断面が円形のワイヤコイルを用いる場合よりも塞栓物200との接触面積が増し、血管内の異物が異物捕捉部を通過してしまう事を防止し、前記異物を確実に捕捉、除去することができる。また、平板が異物捕捉部3Aの幅w(図3参照)が長軸36に対し斜めに(線状体31Aの幅wと長軸が形成する角度θは、特に限定されないが鋭角であることが望ましい)配置されているため、平板ワイヤ(線状体31A)の厚さt方向の面(側面)よりも広い面である、幅wを形成する幅面(内面)で塞栓物200と接触し、塞栓物200との接触面積をより増すことができる。さらに、線状体31Aにおける螺旋状のループ径が先端側に向かって小さくなり、かつ平板の幅wが異物捕捉部3Aの長軸36に対して斜めなので、異物捕捉部3Aの正面側から見たとき、平板ワイヤ間の空間313Aを効率的に小さくでき、捕捉部3A内に捕捉された塞栓物200が先端側に脱落し難くなる。したがって、例えば塞栓物200が比較的柔らかい物であっても塞栓物200が線状体31A同士の隙間から漏れ出ることを防止することができ、よって、塞栓物200を確実に捕捉することができる。
また、異物捕捉部3Aを構成する平板ワイヤの幅wが長軸36に対し斜めで、線状体31Aのループ径φが先端側に行くにしたがって漸減している為、異物捕捉部3Aがカテーテル8から血管100に突出する場合に、異物捕捉部3Aの先端部で血管内壁100aを傷つけることなくスムーズに突出される。
また、平板ワイヤからなる異物捕捉部3の製造方法は、平板ワイヤを棒状の物体にほぼ同位置に巻きつけ、その後巻きつけた物の両端同士を引っ張った状態で熱処理を行い、形状付けを行うことにより、製造される。
また、図3に示すように、異物捕捉部の長軸方向から、該平板ワイヤの各巻回の内面先端部までの距離と、異物捕捉部の長軸方向から、該巻回より1巻回分先端側に配置された巻回の外面基端部までの距離では、異物捕捉部の長軸方向から、該平板ワイヤの各巻回の内面先端部までの距離が近くなることが少なくとも1箇所あることが望ましく、異物捕捉部3Aの基端側よりも先端側に存在することが望ましい。このようにすることにより、異物捕捉部3Aを正面側から見たとき、平板コイル(線状体31A)間の先端側の隙間を占める面積が小さくなり、捕捉部3Aに捕捉された塞栓物200が異物捕捉部3Aの先端側を通過しても、先端側で確実に捕捉できる。なお、上記先端内面部311Aと基端外面312部Aとオーバーラップさせる場合、異物捕捉部3Aの径方向におけるオーバーラップする長さL3は、特に限定されないが、平板コイル(線状体31A)の厚さtの1〜10%程度が好ましい。
自然状態において、捕捉部3Aにおける線状体31A同士の平均線間距離L2は、特に限定されないが、0.5〜15mm程度が好ましく、1〜5mm程度がより好ましい。また、異物捕捉部3Aにおいて、最大ループ径(図1中のφで示す長さ)は、特に限定されず、目的とする塞栓物200を捕捉するのに十分な大きさであればよい。例えば、脳血管内にある塞栓物200(血栓)を捕捉する際には、1〜5mm程度であるのが好ましく、2〜4mm程度であるのがより好ましい。
異物捕捉部3A(線状体31A)を形成する平板ワイヤの厚さt(図3参照)は、特に限定されず、適度な強度をもちかつ血管内への異物捕捉部のスムーズな挿入を妨げない程度の薄さであればよい。例えば、脳血管内にある塞栓物200(血栓)を捕捉する際には、通常、0.03〜0.07mm程度が好ましく、0.04〜0.07mm程度がより好ましい。また、異物捕捉部3A(線状体31A)を形成する平板ワイヤの幅w(図3参照)は、厚さtよりも大きければ特に限定されず、適度な柔軟性を保ち、かつ目的とする塞栓物200を捕捉するのに十分な幅であればよい。例えば、脳血管内にある塞栓物200(血栓)を捕捉する際には、通常、0.06〜0.15mm程度が好ましく、0.08〜0.10mm程度がより好ましい。
また、異物捕捉部3Aのループ数(巻き数)は、特に限定されず、目的とする塞栓物200を捕捉するのに十分な数であればよい。例えば、脳血管内にある塞栓物200(血栓)を捕捉する際には、3〜16回程度であるのが好ましく、6〜10回程度であるのがより好ましい。
また、異物捕捉部3Aの長さ(図1中のL1で示す長さ)は、特に限定されず、目的とする塞栓物200を捕捉するに十分な長さであればよく、適用する血管100の位置、太さ等の症例によってもその好ましい値は異なる。例えば、脳血管内にある塞栓物200(血栓)を捕捉する際には、1〜30mm程度が好ましく、5〜15mm程度がより好ましい。
このような放射線不透過材料を用いることにより、X線などの透視下において、異物捕捉部3における塞栓物200の捕捉状況を容易に確認することができる。
また、異物捕捉部3Aの構成材料としては、生体内(少なくとも生体温度(37℃付近))で擬弾性を示す合金(超弾性を示す合金(以下、「超弾性合金」と言う)を含む)であるのが好ましい。
擬弾性を示す合金(以下、「擬弾性合金」と言う)には、引張りによる応力−ひずみ曲線のいずれの形状も含み、As、Af、Ms、Mf等の変態点が顕著に測定できるものも、できないものも含み、応力により大きく変形(歪)し、応力の除去により元の形状にほぼ戻るものは全て含まれる。
擬弾性合金には、超弾性合金が含まれる。この超弾性合金の好ましい組成としては、49〜52原子%NiのNi−Ti合金等のNi−Ti系合金、38.5〜41.5重量%ZnのCu−Zn合金、1〜10重量%XのCu−Zn−X合金(Xは、Be、Si、Sn、Al、Gaのうちの少なくとも1種)、36〜38原子%AlのNi−Al合金等が挙げられる。このなかでも特に好ましいものは、上記のNi−Ti系合金である。
このような擬弾性合金を用いることにより、異物捕捉部3は、十分な柔軟性と曲げに対する復元性が得られ、異物捕捉部3Aが変形を繰り返しても、優れた復元性により曲がり癖が付くのを防止することができる。
異物捕捉部3Aの外面(表面)には、後述するカテーテル8の内面との摩擦抵抗を軽減する被覆層が設けられていてもよい。これにより、カテーテル8に対する挿入・抜去をよりスムーズに行うことができる。この被覆層としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂の被覆層(テフロンコート(「テフロン」は登録商標))や、湿潤時に潤滑性を有する親水性ポリマーコート等が挙げられる。
このような構成の血管内異物除去用ワイヤ1は、異物捕捉部3Aにより、血管100内の塞栓物200(異物)を捕捉する異物捕捉空間35が形成される。
以上のような構成により、異物捕捉時に塞栓物200を絡め取り、また塞栓物200が異物捕捉部3の隙間から漏れ出ることを防止して、この塞栓物200を確実に捕捉、除去することができる。
なお、異物捕捉部3Aには、捕捉した塞栓物200が異物捕捉部3Aから滑るのを防止する滑り止め手段を設けてもよい。これにより、捕捉した塞栓物をより確実に保持(捕捉)することができる。
この滑り止め手段としては、異物捕捉部3に、比較的摩擦係数の高いゴム等の弾性材料を被覆したり、微小の凹凸(粗面も含む)を例えばサンドブラスト等により形成したりすることができる。
また、他の滑り止め手段としては、異物捕捉部3およびワイヤ本体2には、繊維またはフィラメントを付与させることにより、塞栓物200に対する捕捉性能を向上させる構造を付与させてもよい。これにより、例えば、異物捕捉部3(繊維またはフィラメント)と塞栓物200とに摩擦が生じて、当該塞栓物200が異物捕捉部3から離脱(滑り落ちる)のを防止することができる、すなわち、捕捉した塞栓物をより確実に捕捉することができる。
また、異物捕捉部3には、液体と接触することにより膨潤性を発揮するコーティングがなされていてもよい。これにより、異物捕捉部3Aの表面積を大きくすることができ、よって、捕捉した塞栓物200をより確実に保持することができる。
この膨潤性を発揮するコーティングとしては、PVA等ごく一般的に用いられるゲルでもよいが、好ましくはヒドロゲルフォーム物質、特には親水性のマクロ多孔質、重合体ヒドロゲルフォーム物質、特にフォーム安定化剤と、最高約10重量%のマルチオレフィン官能性架橋結合剤で架橋結合された遊離基の重合性親水性オレフィンモノマの重合体または共重合体とより成るマクロ多孔質固形物として形成された水膨張性フォームマトリックスから構成される。
なお、本実施形態の医療器具9は、このような血管内異物除去用ワイヤ1と、血管内異物除去用ワイヤ1を収納可能なルーメン82が形成されたカテーテル8とを有するものである。
次に、血管内異物除去用ワイヤ1を備えた医療器具9の使用方法の一例について詳細に説明する。
[1] 図4は、血管100内に血栓等の塞栓物200が詰まり、血流を阻害している状態を示している。塞栓物200は、血圧により血管100の内壁100aに押し付けられ、容易に移動しない状態になっている。
カテーテル(マイクロカテーテル)8と、そのルーメン82内に挿通されたガイドワイヤ10とを、血管100内に挿入し、カテーテル8の先端開口部81から突出させたガイドワイヤ10の先端部101を塞栓物200より奥(末梢側)まで挿入する。すなわち、ガイドワイヤ10の先端部101が塞栓物200と血管100の内壁100aとの隙間を通り抜けて、塞栓物200を越えた状態とする。この操作は、ガイドワイヤ10として、例えば潤滑性に優れるマイクロガイドワイヤを使用することにより、より容易に行うことができる。
[2] ガイドワイヤ10の先端部101が塞栓物200を越えたら、ガイドワイヤ10に対しカテーテル8を前進させ、図5に示すように、カテーテル8の先端部を塞栓物200と血管100の内壁100aとの隙間に入り込ませる。このとき、カテーテル8の先端部は、ガイドワイヤ10に沿って円滑に隙間に入り込むので、この操作は容易に行うことができる。
なお、従来の治療としては、この状態でカテーテル8を介して逆行性に血栓溶解剤を流し、血栓溶解を速めることが行なわれてきたが、血栓溶解剤で溶けない血栓があることや溶解に長時間かかることがしばしば医師により経験されている。本発明は、そのような場合にも有用である。
[3] 図5に示す状態から、ガイドワイヤ10を抜去し、カテーテル8のルーメン82に本発明の血管内異物除去用ワイヤ1を挿入する。このとき、図6に示すように、異物捕捉部3A(線状体31A)は、引き伸ばされる(引張られる)ようにルーメン82を画成する内壁面821に規制されて、ほぼ直線状に伸びた伸長状態となっている。このように異物捕捉部3が伸長状態に変化可能であることにより、ルーメン82内を容易に挿通(通過)することができる。
そして図7に示すように、異物捕捉部3Aをカテーテル8の先端開口部81から突出させると、伸長状態でカテーテル8内にあった異物捕捉部3Aの先端部は、自身の弾性により自動的に変形し、自然状態となる。このとき、異物捕捉部3Aを構成する平板ワイヤは図3に示すように幅w(図3参照)が、長軸36方向に対して斜めに配置されている。線状体31Aの幅wと長軸が形成する角度θが鋭角を形成し、線状体31Aのループ径φが先端側に行くにしたがって漸減している場合、螺旋状の線状体31Aの各巻回におけるらせんの外周が造っている先端の角が異物捕捉部3Aの内側方向、すなわち血管内壁100aとは反対の方向を向いており、当該先端が血管内壁100aに接触しがたい。したがって、異物捕捉部3Aがカテーテル8から血管100に突出する場合に、異物捕捉部3Aの先端部で異物捕捉部3Aの厚みtが薄くなることにより鋭利になった場合でも血管内壁100aを傷つけることなくスムーズに突出される。
[4] 前述の自然状態から、血管内異物除去用ワイヤ1を少し手元側に引き寄せながらカテーテル8を基端方向に移動させ、カテーテル8の先端部を塞栓物200の手前に引き戻す。すると、図8に示すように、カテーテル8の先端が塞栓物200の先端よりも基端側に移動するにつれて、自然状態となった異物捕捉部3Aの先端部における巻回が塞栓物200の内側に入り込む。さらに、カテーテル8を基端側に移動させ、異物捕捉部3の基端側部分も自然状態に変形すると、図9に示すように、異物捕捉部3Aによって、塞栓物200が絡め取られるようにして確実に捕捉(収納)される。
[5] 前記の保持状態(捕捉状態)を維持しつつ、血管内異物除去用ワイヤ1をカテーテル8とともに抜去する。これにより、親のガイディングカテーテルまたはシースイントロデューサー(図示せず)内に塞栓物200が確実に回収(除去)される。
また、塞栓物200を捕捉する際、操作をより確実なものとするために、カテーテル8の基端側から造影剤を投与し、異物捕捉部3Aの向きを調整するとともに、この捕捉を確認しつつ、ワイヤ本体2を操作してもよい。
以上のような構成の血管内異物除去用ワイヤ1Aは、血栓の除去治療・血管内異物除去治療の治療用具として用いることが可能で、特に脳卒中の治療器具として非常に有用である。また、血管内異物除去用ワイヤ1は、脳卒中ばかりでなく血栓溶解剤の利かないまたは利きづらい虚血性の疾患にも有用であり、さまざまな血管内の異物除去にも対処可能である。
また、血管内異物除去ワイヤ1Aは、特に比較的柔らかいとされる血栓等を絡め取ることができる。また、血管内異物除去ワイヤ1Aは、血管の末梢へ飛散し易い微小血栓を容易に(確実に)捕捉することができる。このように、血管内異物除去ワイヤ1は、血液の再還流の諸治療において治療性能・治療効果を一段と向上する優れた効果がある。
<第2実施形態>
図10は、本発明の血管内異物除去用ワイヤの第2実施形態を示す斜視図であり、図11は、図10に示す血管内異物除去用ワイヤの実施形態を示す正面図である。以下、これらの図を参照して本発明の血管内異物除去用ワイヤの第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。本実施形態における血管内異物除去ワイヤ1Bは、異物捕捉部の形状が異なること以外は前記第1実形態と同様である。
図10に示すように、異物捕捉部3Bは、平板状のワイヤ(線状体)で作られた、6つのループワイヤ31Bと、隣接するループワイヤ31B同士を連結する連結ワイヤ39とを有している。連結ワイヤ39は、自然状態で、ほぼ直線状をなしている。
6つのループワイヤ31Bは、それぞれ、ワイヤ本体2の長手方向に沿って間隔を置いて配置されている。
各ループワイヤ31Bは、1対となっておりお互いの大きさがほぼ同等の複数(本実施形態では、2つ)のループ部311Bで構成されている。各ループ部311Bは、自然状態で、その形状がほぼ円形または楕円形をなしている。
また、各ループワイヤ31Bは、当該ループワイヤ31Bを構成する2つのループ部311Bが1本のワイヤを変形することにより形成されている。ループワイヤ31Bと連結ワイヤ39Bも1本のワイヤを変形させることにより形成されている。これにより、構成部品の数量を少なくすることができ、また例えば異物捕捉部3B(ループワイヤ31B)に前記長手方向に沿って引張力を加えたとき、各ループワイヤ31Bがほぼ直線状に容易に変形し、柔軟性を有するものとなり、よってカテーテル8のルーメン82内を容易に通過(挿通)することができる。ループワイヤ31Bの各ループ部(巻回)311Bのループ径は先端側に向かって漸減している。すなわち、異物捕捉部3Bは、その外径(ワイヤ本体2の中心軸に対して垂直な方向の長さ)が先端方向に向かって漸減している。このため、異物捕捉部3Bの正面側から見たとき、平板ワイヤ間の空間313Bを効率的に小さくでき、捕捉部3B内に捕捉された塞栓物200が先端側に脱落し難くなる。
また、ループワイヤ31Bを構成する平板状のワイヤは、図3で示した第1実施形態の平板ワイヤ同様、長軸方向から見ると斜めに配置されている。なお、本実施形態においては、全てのループワイヤが同じ方向で斜めに配置されていてもよく、また、異なる方向で斜めに配置されていても構わない。このように、平板が異物捕捉部3Bの長軸に対し斜めに配置されているため、平板ワイヤ(ループワイヤ31B)が厚さ方向の面(側面)よりも広い幅面(内面)で塞栓物200と接触し、塞栓物200との接触面積をより増すことができる。さらに、捕捉部3Bの正面側から見たとき、平板ワイヤ間の空間313Bを効率的に小さくでき、捕捉部3B内に捕捉された塞栓物200が先端側に脱落し難くなる。また、ループワイヤ31Bを構成する平板状のワイヤは、図3で示した第1実施形態の平板ワイヤ同様、平板ワイヤの間にある隙間の面積が所定の範囲内であるような構造になっている。ここで言う所定の範囲とは、特に限定されないが、図11に示すように異物捕捉部3Bの正面側(図10中矢印B側)から見たとき、ループワイヤ31Bの一番外側のワイヤの外縁によって形成される面積(言い換えると、もっとも大きな径を有するループワイヤ31Bで形成される面積)をS2とした場合、ループワイヤ31Bが占める総面積がS2の30%以上、より好ましくは30〜40%(言い換えると、ループワイヤ31B以外の空間313Bが占める面積が70%以下、より好ましくは60〜70%)の範囲にあることが好ましい。また、平板間の空間313Bの、捕捉部3Bの径方向における幅t3としては、特に限定されないが、捕捉部3Bに捕捉された塞栓物200が先端側に脱落することを好適に防止するため、0.3mm以下程度が好ましく、0.1mm以下程度であればより好ましい。これらの機構により、本実施形態においても、従来の横断面が円形のワイヤコイルを用いる場合よりも塞栓物200との接触面積が増し、血管内の塞栓物200が異物捕捉部を通過してしまう事を防止し、前記異物を確実に捕捉、除去することができる。
各ループワイヤ31Bでは、自然状態で、2つのループ部311Bが互いにワイヤ本体2の中心軸を中心として対称となる(異なる)方向に形成されている。すなわち、ループワイヤ31Bは、その形状が8の字状(プロペラ状)をなすように形成されている。これにより、前述したループワイヤの径が先端側にいくにしたがって漸減することと平板が捕捉部長軸に対して斜めとなっていることと相成って、異物捕捉部の正面側から見たとき、平板間の隙間を効率的に小さくでき、ループワイヤ31Bが塞栓物200に容易に絡みつき、よって、塞栓物200をより確実に捕捉することができる。
また、各ループワイヤ31Bは、異物捕捉部3Bを正面(図10中、矢印Bで示す方向)から見たとき、それぞれの形成方向(突出方向)がほぼ同一方向となるように形成されている。
また、例えばループワイヤ31Bと連結ワイヤ39Bとが別体で構成されている場合、これらのつなぎ目にコブや段差が形成される(生じる)おそれがある。このため、血管内やカテーテル8内におけるスムーズな(円滑な)挿通が妨げられるという問題がある。これに対し、血管内異物除去用ワイヤ1では、ループワイヤ31Bと連結ワイヤ39Bとが1本のワイヤにより形成されているため、これらが血管内やカテーテル8内をスムーズに挿通することができる。
また、このような構成の異物捕捉部3Bにより、先端部付近の形状が複雑で密なものとなり、よって例えば塞栓物200が比較的柔らかいものであっても、塞栓物200を絡め取ることができる。これにより、塞栓物200が各ループ部311Bの隙間から漏れ出ることを防止することができ、よって、塞栓物200を確実に捕捉することができる。
また、異物捕捉部3Bのループ径が先端部に行くにしたがって漸減しているため、異物捕捉部3Bがカテーテル8から血管100に突出する場合に、血管内壁100aを傷つけることなくスムーズに突出される。
なお、異物捕捉部3Bにおいて、隣接するループワイヤ31B同士の距離(間隔)は、特に限定されるものでもなく、目的とする塞栓物200を捕捉するに十分な大きさであればよい。例えば、脳血管内にある塞栓物200(血栓)を捕捉する際には、ループワイヤ31B同士の距離(平均)は、0.5〜10mm程度が好ましく、1〜5mm程度がより好ましい。
これにより、例えば塞栓物200が比較的柔らかいものであっても、塞栓物200を絡め取ることができるとともに、隣接するループワイヤ31Bの隙間から塞栓物200が漏れ出ることを防止することができ、よって、塞栓物200をより確実に捕捉することができる。
また、異物捕捉部3Bにおいて、ループ部311Bのループ径は、特に限定されず、目的とする塞栓物200の捕捉を防止するに十分な形状であればよい。例えば、脳血管内にある塞栓物200(血栓)を捕捉する際には、0.1〜3mm程度であるのが好ましく、1.0〜2.0mm程度であるのがより好ましい。
また、異物捕捉部3B(ループワイヤ31Bおよび連結ワイヤ39B)を構成する平板ワイヤの厚さは、特に限定されず、適度な強度をもちかつ血管内への異物捕捉部のスムーズな挿入を妨げない程度の薄さであればよい。例えば、脳血管内にある塞栓物200(血栓)を捕捉する際には、通常、0.03〜0.07mm程度が好ましく、0.04〜0.06mm程度がより好ましい。また、異物捕捉部3B(ループワイヤ31Bおよび連結ワイヤ39B)を構成する平板ワイヤの幅は、厚さよりも大きければ特に限定されず、適度な柔軟性を保ち、かつ目的とする塞栓物200を捕捉するのに十分な幅であればよい。例えば、脳血管内にある塞栓物200(血栓)を捕捉する際には、通常、50μm〜1.3mm程度が好ましく、1mm〜1.3mm程度がより好ましい。
また、異物捕捉部3Bの長さは、特に限定されず、目的とする塞栓物200を捕捉するに十分な長さであればよく、適用する血管100の位置、太さ等の症例によってもその好ましい値は異なる。例えば、脳血管内にある塞栓物200(血栓)を捕捉する際には、1〜30mm程度が好ましく、5〜15mm程度がより好ましい。
<第3実施形態>
図12は、本発明の血管内異物除去用ワイヤの第3実施形態を示す斜視図であり、図13は、図12に示す血管内異物除去用ワイヤの実施形態を示す正面図である。なお、以下の説明では、図12中の左側を「基端側」、右側を「先端側」と言う。
以下、これらの図を参照して本発明の血管内異物除去用ワイヤの第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、異物捕捉部の形状が異なること以外は前記第2実施形態と同様である。
図12に示すように、可撓性を有するワイヤ本体2と、該ワイヤ本体の先端側に設けられ、血管内の異物を捕捉するための異物捕捉部3Cを有する血管内異物除去ワイヤ1Cであって、該異物捕捉部3Cは平板ワイヤから構成され、前記平板ワイヤは幅と厚みを有し、該平板ワイヤの幅が、自然状態で該異物捕捉部3Cの長軸に対して斜めに配置されており、複数の巻回を有するループ状をなしており、当該異物捕捉部3Cをワイヤ本体2の長軸方向正面から見ると、各ループワイヤが隣接する巻回と異なる角度に設けられている、血管内異物除去用ワイヤ1Cの異物捕捉部3Cでは、隣接するループワイヤ31C同士は、異物捕捉部3Cを正面(図12中矢印Cで示す方向)から見たとき、それぞれのループ部311Cの突出方向が異なるように形成されている。すなわち、図13に示すように、異物捕捉部3Cでは、当該異物捕捉部3Cをワイヤ本体2の長軸方向正面から見ると、その中心軸を中心に放射状に各ループワイヤ31C(ループ部311C)が配置されている。最も望ましくは、各ループ部311Cがワイヤ本体2の長軸の延長線から周方向にほぼ等角度(図示の例では、30度)ずつずれて形成され、隙間が形成され難い構造になることが望ましい。
また、ループワイヤ31Cを構成する平板状のワイヤは、図3で示した第1実施形態の平板ワイヤ同様、長軸方向から見ると幅が斜めに配置されている。なお、本実施形態においては、全てのループワイヤが同じ方向で斜めに配置されていてもよく、また、異なる方向で斜めに配置されていても構わない。このように、平板が異物捕捉部3Cの長軸に対し斜めに配置されているため、平板ワイヤ(ループワイヤ31c)が厚さ方向の面(側面)よりも広い幅面(内面)で塞栓物200と接触し、塞栓物200との接触面積をより増すことができる。さらに、捕捉部3Bの正面側から見たとき、平板ワイヤ間の空間313Bを効率的に小さくでき、捕捉部3B内に捕捉された塞栓物200が先端側に脱落し難くなる。また、ループワイヤ31Cを構成する平板状のワイヤ(線状体)は、図3で示した第1実施形態の平板ワイヤ同様、実質的に平板ワイヤの間にある隙間が形成されないような構造になっている。「平板ワイヤの間に隙間が実質的に形成されない」とは、特に限定されないが、図11に示すように異物捕捉部3Cの正面側(図12中矢印C側)から見たとき、ループワイヤ31Cの一番外側のワイヤの外縁によって形成される面積(言い換えると、もっとも大きな径を有するループワイヤ31Bで形成される面積)をS3とした場合、平板ワイヤ(線状体31A)が占める総面積がS3の30%以上、より好ましくは30〜40%(言い換えると、ループワイヤ31C以外の空間313Cが占める面積が70%以下、より好ましくは60〜70%)の範囲にあることが好ましい。そして、前述した第2実施形態と同様に、異物捕捉部3C(ループワイヤ31C)は平板状のワイヤから構成され、かつ、異物捕捉部3Cの長軸に対して斜めに配置されている。 これにより、異物捕捉部3Cの正面側から見たとき、平板間の隙間を効率的に小さくでき、捕捉部3C内に捕捉された塞栓物200が先端側に脱落しにくくなる。
また、前記第3実施形態の異物捕捉部3Cは、前記第2実施形態の異物捕捉部と同様に、各ループ部のループ径が先端方向に向って漸減していてもよい。
また、1つのループワイヤが有するループ部の形成数は、2つであるのに限定されず、例えば、3つ以上であってもよい。
また、1つのループワイヤを形成する複数のループ部について、正面から見たときにワイヤ本体の長軸を中心として対称に存在した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、長軸を中心にいかなる方向に存在していてもよい。
また、ループワイヤの形成数は、6つであるのに限定されず、例えば、脳血管内にある塞栓物(血栓)を捕捉する際には、1〜30程度であるのが好ましく、2〜15程度であるのがより好ましい。
また、1つのループワイヤ31が有するループ部311の形成数は、2つであるのに限定されず、例えば、脳血管内にある塞栓物を捕捉する際には、1〜10程度であるのが好ましく、2〜6程度であるのがより好ましい。
また、ループワイヤでは、それに属する各ループ部のループ径がほぼ同等であるのに限定されず、各ループ部のループ径がそれぞれ異なるものであってもよい。これにより、様々な大きさの塞栓物に対応することができ、よって、塞栓物をより確実に捕捉することができる。
また、ループ部は、同一平面上に形成されたものであってもよいし、湾曲平面状に形成されたもの、すなわち、弓なり状(アーチ状)のものであってもよい。
また、各ループの形状は、楕円形であるのに限定されず、例えば、多角形状や、これらを組み合わせたような形状であってもよい。
また、カテーテルの内面との摩擦抵抗を軽減する被覆層は、異物捕捉部の外面に設けられているのが好ましいが、ワイヤ本体にも設けられていてもよい。
また、膨潤性を発揮するコーティングは異物捕捉部にのみ施されているのに限定されず、例えば、ワイヤ本体にも施されていてもよい。
本発明の血管内異物除去用ワイヤの第1実施形態を示す平面図である。 図1に示す血管内異物除去用ワイヤの正面図である。 図1に示す血管内異物除去用ワイヤの縦断面図である。 図1に示す血管内異物除去用ワイヤの使用方法を順を追って説明するための図である。 図1に示す血管内異物除去用ワイヤの使用方法を順を追って説明するための図である。 図1に示す血管内異物除去用ワイヤの使用方法を順を追って説明するための図である。 図1に示す血管内異物除去用ワイヤの使用方法を順を追って説明するための図である。 図1に示す血管内異物除去用ワイヤの使用方法を順を追って説明するための図である。 図1に示す血管内異物除去用ワイヤの使用方法を順を追って説明するための図である。 本発明の血管内異物除去用ワイヤの第2実施形態を示す斜視図である。 図10に示す血管内異物除去用ワイヤの実施形態を示す正面図である。 本発明の血管内異物除去用ワイヤの第3実施形態を示す斜視図である。 本発明の血管内異物除去用ワイヤの第3実施形態を示す正面図である。
符号の説明
1、1A、1B、1C 血管内異物除去用ワイヤ
2 ワイヤ本体
21、22 コイル
24、25 先端部
3、3A、3B,3C 異物捕捉部
31A 線状体
31、31B、31C ループワイヤ
311 螺旋部
311A 先端内面部
312A 先端外面部
311B、311C ループ部
313A、313B、313C 空間
35 異物捕捉空間
39A、39B、39C 連結ワイヤ
8 カテーテル
81 先端開口部
82 ルーメン
821 内壁面
9 医療器具
10 ガイドワイヤ
101 先端部
100 血管
100a 内壁
200 塞栓物

























Claims (5)

  1. 可撓性を有するワイヤ本体と、該ワイヤ本体の先端側に設けられ、血管内の異物を捕捉するための異物捕捉部を有する血管内異物除去ワイヤであって、
    該異物捕捉部は平板ワイヤから構成され、前記平板ワイヤは幅と厚みを有し、該平板ワイヤの幅が、自然状態で該異物捕捉部の長軸に対して斜めに配置されており、複数の巻回を有する螺旋状又はループ状をなし、前記巻回の径が先端方向に向かって漸減している血管内異物除去ワイヤ。
  2. 該異物捕捉部は、前記ワイヤ本体の長手方向に沿って間隔を置いて配置された複数のループワイヤから構成され、隣接する前記ループワイヤ同士が連結ワイヤにより連結されていることを特徴とする請求項1に記載の血管内異物除去ワイヤ。
  3. 前記異物捕捉部の長軸方向から、該平板ワイヤの各巻回の内面先端部までの距離と、前記異物捕捉部の長軸方向から、該巻回より1巻回分先端側に配置された巻回の外面基端部までの距離では、前記異物捕捉部の長軸方向から、該平板ワイヤの各巻回の内面先端部までの距離のほうが短い箇所が少なくとも1箇所ある請求項1または2に記載の異物除去用ワイヤ。
  4. 該異物捕捉部を正面から見たとき、該平板ワイヤの一番外側のワイヤの外縁によって形成される面積に対して、該平板ワイヤの間の隙間の面積が40%以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の血管内除去ワイヤ。
  5. 可撓性を有するワイヤ本体と、該ワイヤ本体の先端側に設けられ、血管内の異物を捕捉するための異物捕捉部を有する血管内異物除去ワイヤであって、
    該異物捕捉部は平板ワイヤから構成され、前記平板ワイヤは幅と厚みを有し、該平板ワイヤの幅が、自然状態で該異物捕捉部の長軸に対して斜めに配置されており、複数の巻回を有するループ状をなしており、当該異物捕捉部をワイヤ本体の長軸方向正面から見ると、各ループワイヤが隣接する巻回と異なる角度に設けられている、血管内異物除去ワイヤ。

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