JP2006086397A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘテロ界面で生じる漏れ電流を低減することが可能な半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】SiC半導体基体100と、半導体基体100にヘテロ接合し、半導体基体100を構成する半導体材料とはバンドギャップの異なるヘテロ半導体材料からなるヘテロ半導体領域200とを有する半導体装置において、へテロ半導体領域200が、半導体基体100とヘテロ接合し、不純物濃度または導電型、ここでは導電型の異なる少なくとも2つ以上のヘテロ半導体層3、4から構成され、互いに隣接し合うヘテロ半導体層3、4が不純物の拡散を防止する不純物拡散防止膜5を介して隣接している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体装置およびその製造方法に関する。
本発明の背景となる従来技術として、本出願人が出願した下記特許文献1がある。
この従来技術では、N型炭化珪素基板上にN型炭化珪素エピタキシャル領域が形成された半導体基体の一主面に、N型多結晶シリコン領域とN型多結晶シリコン領域とが接するように形成されており、エピタキシャル領域とN型多結晶シリコン領域並びにN型多結晶シリコン領域とはヘテロ接合をしている。また、エピタキシャル領域とN型多結晶シリコン領域との接合部に隣接して、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成されている。N型多結晶シリコン領域はソース電極に接続され、N型炭化珪素基板の裏面にはドレイン電極が形成されている。
上記のような構成の従来技術の半導体装置は、ソース電極を接地し、ドレイン電極に所定の正の電位を印加した状態で、ゲート電極の電位を制御することで、スイッチとして機能する。つまり、ゲート電極を接地した状態では、N型多結晶シリコン領域並びにN型多結晶シリコン領域とエピタキシャル領域とのヘテロ接合には逆バイアスが印加され、ドレイン電極とソース電極との間に電流は流れない。しかし、ゲート電極に所定の正電圧が印加された状態では、N型多結晶シリコン領域とエピタキシャル領域とのヘテロ接合界面にゲート電界が作用し、ゲート酸化膜界面のヘテロ接合面がなすエネルギー障壁の厚さが薄くなるため、ドレイン電極とソース電極との間に電流が流れる。この従来技術においては、電流の遮断・導通の制御チャネルとしてヘテロ接合部を用いるため、チャネル長がヘテロ障壁の厚み程度で機能することから、低抵抗の導通特性が得られる。
特開2003−318398号公報
しかしながら、上記従来構造においては、ヘテロ半導体領域を不純物の拡散速度が非常に大きい多結晶シリコンで構成しているため、イオン注入後の活性化熱処理工程などの間に、不純物が結晶粒と結晶粒との間(粒界)を拡散するので、微小領域の伝導度制御が困難であった。このようにヘテロ半導体領域の電流の変調箇所の寸法を小さく形成することは困難であり、該変調箇所の寸法を大きく設計しなければならず、漏れ電流の増大を招くという問題があった。
本発明は、上記のような従来技術の問題を解決するためになされたものであり、ヘテロ界面で生じる漏れ電流を低減することが可能な半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、半導体基体にヘテロ接合し、該半導体基体を構成する半導体材料とはバンドギャップの異なるヘテロ半導体材料からなるヘテロ半導体領域を有し、該へテロ半導体領域が、前記半導体基体とヘテロ接合し、不純物濃度または導電型の異なる少なくとも2つ以上のヘテロ半導体層から構成され、互いに隣接し合う該ヘテロ半導体層が不純物の拡散を防止する膜を介して隣接しているという構成になっている。
本発明によれば、ヘテロ界面で生じる漏れ電流を低減することが可能な半導体装置およびその製造方法を提供することができる。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下で説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
《構造》
図1は本発明の実施の形態1のヘテロ接合ダイオードの断面図である。なお、以下の実施の形態においては、炭化珪素(SiC)を基板材料とした半導体装置を一例として説明する。
図1に示すように、第一導電型である例えばN型のSiC基板1上に、N型のSiCエピタキシャル層2が形成されてSiC半導体基体100が構成されている。また、エピタキシャル層2の基板1との接合面に対向する主面に接するように、ヘテロ半導体領域200が形成されている。このヘテロ半導体領域200は、例えばN型の多結晶シリコンからなる第一のヘテロ半導体層3と、第二導電型であるP型の多結晶シリコンからなる第二のヘテロ半導体層4とから構成されている。第一のヘテロ半導体層3と第二のヘテロ半導体層4とは、交互に隣接して配置されている。また、ヘテロ半導体領域200上にはアノード電極6が、基板1にはカソード電極8が接続するように形成されている。また、エピタキシャル層2と第二のヘテロ半導体層4とのヘテロ接合部の近傍の、エピタキシャル層2の表面領域に電界緩和領域7が形成されている。さらに、互いに隣接し合う第一のヘテロ半導体層3と第二のヘテロ半導体層4との間には、不純物の拡散を防止する不純物拡散防止膜5が形成されている。
このように本実施の形態は、半導体基体100と、半導体基体100にヘテロ接合し、半導体基体100を構成する半導体材料とはバンドギャップの異なるヘテロ半導体材料からなるヘテロ半導体領域200とを有する半導体装置において、へテロ半導体領域200が、半導体基体100とヘテロ接合し、不純物濃度または導電型、ここでは導電型の異なる少なくとも2つ以上のヘテロ半導体層3、4から構成され、互いに隣接し合うヘテロ半導体層3、4が不純物の拡散を防止する不純物拡散防止膜5を介して隣接している。
また、少なくとも2つ以上のヘテロ半導体層3、4が電気的に接続され、互いに同電位となっている。そのため、それぞれのヘテロ半導体層3、4によって構成されるヘテロ接合ダイオードが並列に接続されることになり、より大電流を流すことができる。
本実施の形態の特徴は、ヘテロ半導体領域200が、SiCからなる半導体基体100とヘテロ接合した導電型(不純物濃度でもよい)が異なる複数のヘテロ半導体層3、4から構成され、隣接し合うヘテロ半導体層3、4が不純物拡散防止膜5を介して接していることである。また、各々のヘテロ半導体層3、4がアノード電極6と接触してアノード電極6と同電位になっていることである。
本実施の形態では、不純物拡散防止膜5の作用により、隣接し合うヘテロ半導体層3、4の間で不純物の拡散が生じない。そのため、従来技術では困難であった、不純物濃度が異なる、あるいは導電型の異なる微細なヘテロ半導体層を形成することが可能である。
また、ヘテロ半導体層3、4の少なくとも1つ、ここでは第二のヘテロ半導体層4が、半導体基体100の導電型とは反対の導電型になっている。ヘテロ半導体領域200を構成するヘテロ半導体層の一部(ここではヘテロ半導体層4)の導電型を半導体基体100の導電型と反対の導電型にすることで、リーク電流の低減を図ることができ、より高耐圧な半導体素子を得ることができる。また、N型多結晶シリコン層とP型多結晶シリコン層とを組み合わせることで、高い逆方向耐圧と低いオン電圧の両立を図ることができる。
また、不純物拡散防止膜5は、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜からなっている。これにより一般的な半導体材料を用いて半導体装置を容易に実現することができる。
また、半導体基体100を構成する半導体材料がSiCである。これにより一般的な半導体材料を用いて高耐圧の半導体装置を容易に実現することができる。
さらに、へテロ半導体層3、4を構成する材料が、多結晶シリコン、単結晶シリコン、アモルファスシリコンの少なくとも1つからなっている。これにより一般的な半導体材料を用いて半導体装置を容易に実現することができる。
なお、本実施の形態では、ヘテロ半導体領域200を構成するヘテロ半導体層3、4の組み合わせが、導電型の異なるN型多結晶シリコン層とP型多結晶シリコン層との組み合わせになっているが、同じ導電型で不純物濃度が異なるヘテロ半導体層の組み合わせでも構わない。
また、ヘテロ半導体層3、4の種類が2種類の場合を示しているが、それ以上の種類の組み合わせでも構わない。
また、電界緩和領域7は無くても構わない。なお、電界緩和領域7があった方がより高耐圧になる。
《製造方法》
以下、図1に示したヘテロ接合ダイオードの製造方法について、図2(A)〜図4(J)を用いて説明する。図2(A)〜図4(J)は、図1のヘテロ接合ダイオードの製造方法を示す工程断面図である。
まず、図2(A)に示すように、N型SiC基板1上に、N型SiCエピタキシャル層2を成長させたSiC半導体基体100を用意する。SiCエピタキシャル層2の厚さは例えば10μm、不純物濃度は例えば1.0×1016cm−3である。
次に、図2(B)に示すように、CVD酸化膜などをマスク層60に用いて、所定領域にアルミニウムイオン50をイオン注入し、P型の電界緩和領域7を形成する。イオン注入の条件は例えば、加速電圧30〜360KeVの多段注入で、トータルドーズ量は5.0×1016cm−3、基板温度は800℃である。イオン注入後、CVD酸化膜をBHF溶液などで除去し、活性化アニールを行い、注入したアルミニウムの活性化させる。活性化アニールの条件は、例えばアルゴン雰囲気中で1700℃、10分である。
次に、図2(C)に示すように、N型SiCエピタキシャル層2上に多結晶シリコンを例えば厚さ5000Å堆積した後、BBrを用いた固層拡散を行い、P型多結晶シリコン層40を形成する。むろん、多結晶シリコンへのドーピングには、イオン注入法と活性化アニールとの組み合わせを用いても一向に構わない。P型ドーパントとしてはボロン(B)、アルミニウム(Al)などを用いることができる。
次に、図2(D)に示すように、フォトリソグラフィとエッチングにより、P型多結晶シリコン層40の所定領域をエッチングし、第二のヘテロ半導体層4を形成する。
次に、図3(E)に示すように、水蒸気分圧が1.0の酸化雰囲気中にて熱酸化を行い、第二のヘテロ半導体層4の表面に酸化膜からなる不純物拡散防止膜5を形成する。この際、水蒸気分圧が1.0の酸化雰囲気中で熱酸化を行うと、多結晶シリコンのみが選択的に酸化されるため、図3(E)に示すような構造を容易に形成することができる。
次に、図3(F)に示すように、露出したN型SiCエピタキシャル層2を埋めるように多結晶シリコンを例えば厚さ5000Å堆積した後、POClを用いた固層拡散を行い、N型多結晶シリコン層30を形成する。むろん、多結晶シリコンへのドーピングには、イオン注入法と活性化アニールの組み合わせを用いても一向に構わない。N型ドーパントには燐(P)や砒素(As)、アンチモン(Sb)などを用いることができる。ここで、P型多結晶シリコンからなる第二のヘテロ半導体層4の表面には酸化膜である不純物拡散防止膜5が存在しているため、熱工程における不純物の拡散が生じない。すなわち、POClを用いた固層拡散工程中や、N型ドーパントのイオン注入後に行う活性化アニールなどの熱工程において、N型多結晶シリコン層30からP型多結晶シリコンからなる第二のヘテロ半導体層4へドーパントが拡散することもないし、P型多結晶シリコンからなる第二のヘテロ半導体層4からN型多結晶シリコン層30へドーパントが拡散することもない。また、これ以降の製造工程中における熱工程全てにおいても、同様にドーパントの拡散を防止することができる。つまり、多結晶シリコン中の伝導度制御を高精度に行うことが可能になる。
次に、ドライエッチングによりN型多結晶シリコン層30をエッチバックして、図3(G)に示すような構造にする。
次に、図4(H)に示すように、BHF溶液などを用いて、P型多結晶シリコンからなる第二のヘテロ半導体層4上に形成されている不純物拡散防止膜5である酸化膜の一部を除去する。これにより、N型多結晶シリコンからなる第一のヘテロ半導体層3とP型多結晶シリコンからなる第二のヘテロ半導体層4から構成されるヘテロ半導体領域200が形成される。
次に、図4(I)に示すように、第一のヘテロ半導体層3と第二のヘテロ半導体層4に接触するように、アルミニウムを堆積してアノード電極6を形成する。
次に、図4(J)に示すように、フォトリソグラフィとエッチングにより、アルミニウムからなるアノード電極6と、第一のヘテロ半導体層3と第二のヘテロ半導体層4とからなるヘテロ半導体領域200をパターニングする。また、SiC基板1の裏面にチタン、ニッケルを、その順に堆積してカソード電極8を形成し、図4(J)(図1)に示すヘテロ接合ダイオードを完成させる。
上記のように本実施の形態の半導体装置の製造方法は、半導体基体100上に所定の不純物が導入されたヘテロ半導体層を形成する工程(図2(C)。ヘテロ半導体層はP型多結晶シリコン層40)と、ヘテロ半導体層をエッチングする工程(図2(D))と、ヘテロ半導体層の表面に不純物の拡散を防止する不純物拡散防止膜5を形成する工程(図3(E))とを有する。本実施の形態の製造方法では、不純物拡散防止膜5により、隣接し合うヘテロ半導体層3、4の間で不純物の拡散が生じないので、従来技術では困難であった、不純物濃度が異なる、あるいは導電型の異なる微細なヘテロ半導体層を形成することが可能である。これにより、ヘテロ界面で生じる漏れ電流を低減することが可能なヘテロ接合ダイオードを実現することができる。
また、ヘテロ半導体層の表面に不純物拡散防止膜5を形成する工程は、ヘテロ半導体層を選択的に熱酸化、または熱窒化することによって行う。これにより一般的な半導体製造工程を用いてヘテロ接合ダイオードを容易に実現することができる。
図5(A)は本発明の別の実施の形態1のヘテロ接合ダイオードの断面図、(B)は(A)のA−B切断線における紙面に垂直な方向の断面図である。
本構造は、図1の構造の変形例であり、図5(A)、(B)に示すように、一方のヘテロ半導体層、ここでは第二のヘテロ半導体層4がアノード電極6と接触し、他方のヘテロ半導体層、ここでは第一のヘテロ半導体層3とアノード電極6とは紙面奥行き方向で接触している。その他の構成、効果は図1の構造と同様であるので、説明を省略する。
図6は本発明の別の実施の形態1のヘテロ接合ダイオードの断面図である。
本構造では、ヘテロ半導体領域を構成するヘテロ半導体層の組み合わせが、上記実施の形態1と同様にN型多結晶シリコンからなる第一のヘテロ半導体層3とP型多結晶シリコンからなる第一のヘテロ半導体層4の組み合わせで、かつ、第一のヘテロ半導体層4がSiC半導体基体100の所定位置に形成された溝14内部にも充填されている。トレンチ(溝)構造にすることで、より高耐圧となり、素子のオフ性が向上する。その他の構成、効果は図1の構造と同様であるので、説明を省略する。
(実施の形態2)
《構造》
図7は本発明の実施の形態2のヘテロ接合電界効果トランジスタの断面図である。
図7に示すように、第一導電型である例えばN型のSiC基板1上に、ドレイン領域を構成するN型のSiCエピタキシャル層2が形成されてSiC半導体基体100が構成されている。また、エピタキシャル層2の基板1との接合面に対向する主面に接するように、ヘテロ半導体領域200が形成されている。このヘテロ半導体領域200は、例えばN型の多結晶シリコンからなる第一のヘテロ半導体層3と、第二導電型であるP型の多結晶シリコンからなる第二のヘテロ半導体層4とから構成されている。つまり、エピタキシャル層2と第一のヘテロ半導体層3および第二のヘテロ半導体層4との接合部は、SiCと多結晶シリコンとのバンドギャップが異なる材料によるヘテロ接合からなっており、その接合界面にはエネルギー障壁が存在している。第一のヘテロ半導体層3とエピタキシャル層2との接合面に接するように、例えばシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜9が形成されている。また、ゲート絶縁膜9上にはゲート電極11が、第一のヘテロ半導体層3および第二のヘテロ半導体層4のエピタキシャル2との接合面に対向する対面にはソース電極12が、基板1にはドレイン電極13が接続するように形成されている。ゲート電極11とソース電極12とは、キャップ酸化膜20と層間絶縁膜10によって絶縁されている。また、エピタキシャル層2と第二のヘテロ半導体層4とのヘテロ接合部の近傍の、エピタキシャル層2の表面領域に電界緩和領域7が形成されている。また、互いに隣接し合う第一のヘテロ半導体層3と第二のヘテロ半導体層4との間には、不純物の拡散を防止する不純物拡散防止膜5が形成されている。
なお、本実施の形態においては、エピタキシャル層2の表層部に溝14を形成して、その溝14中にゲート絶縁膜9を介してゲート電極11が形成されている、いわゆるトレンチ型の構成で説明しているが、図14に示すように、エピタキシャル層2に溝を形成しない、いわゆるプレーナ型の構成でも構わない。
このように本実施の形態は、半導体基体100と、半導体基体100にヘテロ接合し、半導体基体100を構成する半導体材料とはバンドギャップの異なるヘテロ半導体材料からなるヘテロ半導体領域200と、半導体基体100とヘテロ半導体領域200との接合部に隣接し、ゲート絶縁膜9を介して配設されたゲート電極11と、ヘテロ半導体領域200に接触するように形成されたソース電極12と、半導体基体100に接触するように形成されたドレイン電極13とを有する半導体装置において、へテロ半導体領域200が、半導体基体100とヘテロ接合し、不純物濃度または導電型、ここでは導電型の異なる少なくとも2つ以上のヘテロ半導体層3、4から構成され、互いに隣接し合うヘテロ半導体層3、4が不純物の拡散を防止する不純物拡散防止膜5を介して隣接している。
また、少なくとも2つ以上のヘテロ半導体層3、4は電気的に接続され、互いに同電位となっていている。そのため、それぞれのヘテロ半導体層3、4によって構成されるヘテロ接合ダイオードが並列に接続されることになり、還流動作時に、より大電流を流すことができる。
本実施の形態では、ヘテロ半導体領域200のゲート電極11によるソース−ドレイン電流の変調箇所である障壁が低い第一のヘテロ半導体層3と、耐圧を維持する障壁が高い第二のヘテロ半導体層4とが、不純物拡散防止膜5によって分離された構造のSi/SiCヘテロ接合界面変調型電界効果トランジスタであり、不純物拡散防止膜5の作用により、隣接し合うヘテロ半導体層3、4の間で不純物の拡散が生じない。そのため、従来技術では困難であった、不純物濃度が異なる、あるいは導電型の異なる微細なヘテロ半導体層を形成することが可能である。したがって、ヘテロ接合電界効果トランジスタのヘテロ界面で生じる漏れ電流を低減することができる。また、第一のヘテロ半導体層3と第二のヘテロ半導体層4とが独立しているため、それぞれの領域を最適な条件で形成することが可能である。
また、ヘテロ半導体層3、4の少なくとも1つが、半導体基体100の導電型とは反対の導電型である。ヘテロ半導体領域200を構成するヘテロ半導体層の一部(ここではヘテロ半導体層4)の導電型を半導体基体100の導電型と反対の導電型にすることで、リーク電流の低減を図ることができ、より高耐圧な半導体素子を得ることができる。また、N型多結晶シリコン層とP型多結晶シリコン層とを組み合わせることで、高い逆方向耐圧と低オン抵抗の両立を図ることができる。
また、ゲート絶縁膜9を介してゲート電極11と隣接する第一のへテロ半導体層3の導電型が、半導体基体100の導電型と同じである。これにより、従来と同等の駆動力を確保しつつ、ヘテロ界面で生じる漏れ電流を低減することが可能な高耐圧電界効果トランジスタを実現することができる。
また、不純物拡散防止膜5は、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜からなっている。これにより一般的な半導体材料を用いて半導体装置を容易に実現することができる。
また、半導体基体100を構成する半導体材料がSiCである。これにより一般的な半導体材料を用いて高耐圧の半導体装置を容易に実現することができる。
さらに、へテロ半導体層3、4を構成する材料が、多結晶シリコン、単結晶シリコン、アモルファスシリコンの少なくとも1つからなっている。これにより一般的な半導体材料を用いて半導体装置を容易に実現することができる。
なお、本実施の形態では、ヘテロ半導体領域200を構成するヘテロ半導体層3、4の組み合わせが、導電型の異なるN型多結晶シリコン層とP型多結晶シリコン層との組み合わせになっているが、同じ導電型で不純物濃度が異なるヘテロ半導体層の組み合わせでも構わない。
また、ヘテロ半導体層3、4の種類が2種類の場合を示しているが、それ以上の種類の組み合わせでも構わない。
また、電界緩和領域7は無くても構わない。なお、電界緩和領域7があった方がより高耐圧になる。
《製造方法》
以下、図7に示したヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法について、図8(A)〜図12(N)を用いて説明する。図8(A)〜図12(N)は、図7のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
まず、図8(A)に示すように、N型SiC基板1上に、N型SiCエピタキシャル層2を成長させたSiC基体100を用意する。ドレイン領域を構成するSiCエピタキシャル層2の厚さは例えば10μm、濃度は例えば1.0×1016cm−3である。
次に、図8(B)に示すように、CVD酸化膜などをマスク層60に用いて所定領域にアルミニウムイオン50をイオン注入し、電界緩和領域7を形成する。イオン注入の条件は例えば、加速電圧30〜360KeVの多段注入で、トータルドーズ量は5.0×1016cm−3、基板温度は800℃である。イオン注入後、CVD酸化膜をBHF溶液などで除去し、活性化アニールを行い、注入したアルミニウムの活性化させる。活性化アニールの条件は、例えばアルゴン雰囲気中で1700℃、10分である。
次に、図8(C)に示すように、N型SiCエピタキシャル層2上に多結晶シリコンを例えば厚さ5000Å堆積した後、BBrを用いた固層拡散を行い、P型多結晶シリコン層40を形成する。むろん、多結晶シリコンへのドーピングには、イオン注入法と活性化アニールとの組み合わせを用いても一向に構わない。P型ドーパントとしてはボロン(B)、アルミニウム(Al)などを用いることができる。
次に、図9(D)に示すように、フォトリソグラフィとエッチングにより、P型多結晶シリコン層40の所定領域をエッチングし、第二のヘテロ半導体層4を形成する。
次に、図9(E)に示すように、水蒸気分圧が1.0の酸化雰囲気中にて熱酸化を行い、P型多結晶シリコンからなる第二のヘテロ半導体層4の表面に、酸化膜からなる拡散防止膜5を形成する。この際、水蒸気分圧が1.0の酸化雰囲気中で熱酸化を行うと、多結晶シリコンのみが選択的に酸化されるため、図9(E)に示すような構造を容易に形成することができる。
次に、図9(F)に示すように、露出したN型SiCエピタキシャル層2を埋めるように多結晶シリコンを例えば厚さ5000Å堆積した後、POClを用いた固層拡散を行い、N型多結晶シリコン層30を形成する。むろん、多結晶シリコンへのドーピングには、イオン注入法と活性化アニールとの組み合わせを用いても一向に構わない。N型ドーパントには燐(P)や砒素(As)、アンチモン(Sb)などを用いることができる。ここで、P型多結晶シリコンからなる第二のヘテロ半導体層4の表面には酸化膜である拡散防止膜5が存在しているため、熱工程における不純物の拡散が生じない。すなわち、POClを用いた固層拡散工程中や、N型ドーパントのイオン注入後に行う活性化アニールなどの熱工程において、N型多結晶シリコン層30からP型多結晶シリコンからなる第二のヘテロ半導体層4へドーパントが拡散することもないし、P型多結晶シリコンからなる第二のヘテロ半導体層4からN型多結晶シリコン層30へドーパントが拡散することもない。また、これ以降の製造工程中における熱工程全てにおいても、同様にドーパントの拡散を防止することができる。つまり、多結晶シリコン中の伝導度制御を高精度に行うことが可能になる。
次に、図10(G)に示すように、フォトリソグラフィとエッチングを用いて、N型多結晶シリコン層30とN型SiCエピタキシャル層2をエッチングし、溝14を形成する。
次に、図10(H)に示すように、N型多結晶シリコン層30と溝14の内壁を覆うように、TEOS膜からなるゲート絶縁膜9および層間絶縁膜10を堆積する。なお、ゲート絶縁膜9と層間絶縁膜10とは同一の層であり、両機能を兼ねている。
次に、図10(I)に示すように、溝14の内部を埋めるように多結晶シリコンを例えば厚さ5000Å堆積した後、POClを用いた固層拡散を行い、ゲート電極となる多結晶シリコン層300を形成する。むろん、多結晶シリコンへのドーピングには、イオン注入法と活性化アニールとの組み合わせを用いても一向に構わない。N型ドーパントには燐(P)や砒素(As)、アンチモン(Sb)などを用いることができる。
次に、図11(J)に示すように、ドライエッチングによりゲート電極となる多結晶シリコン層300をエッチバックし、ゲート電極11を形成する。
次に、図11(K)に示すように、酸化雰囲気中にてゲート電極11の一部を熱酸化し、ゲート電極11の絶縁を確保するキャップ酸化膜20を形成する。
次に、図11(L)に示すように、フォトリソグラフィとエッチングの組み合わせを用いて、層間絶縁膜10をパターニングし、第二のヘテロ半導体層4へのコンタクトホールを開孔する。
次に、図12(M)に示すように、同じくフォトリソグラフィとエッチングの組み合わせを用いて、N型多結晶シリコン層30と酸化膜からなる拡散防止膜5をエッチングし、第二のヘテロ半導体層4へのコンタクトホールを開孔する。これにより、N型多結晶シリコンからなる第一のヘテロ半導体層3が形成され、第一のヘテロ半導体層3と第二のヘテロ半導体層4からなるヘテロ半導体領域200が形成される。
次に、図12(N)に示すように、第一のヘテロ半導体層3と第二のヘテロ半導体層4に接触するように、アルミニウムを堆積してソース電極12を形成した後、SiC基板1の裏面にチタン、ニッケルを、その順に堆積してドレイン電極13を形成し、図12(N)(図7)に示した電界効果トランジスタを完成させる。
上記のように本実施の形態の半導体装置の製造方法は、半導体基体100上に所定の不純物が導入されたヘテロ半導体層を形成する工程(図8(C)。ヘテロ半導体層はP型多結晶シリコン層40)と、ヘテロ半導体層をエッチングする工程(図9(D))と、ヘテロ半導体層の表面に不純物の拡散を防止する不純物拡散防止膜5を形成する工程(図9(E))とを有する。本実施の形態の製造方法では、不純物拡散防止膜5により、隣接し合うヘテロ半導体層3、4の間で不純物の拡散が生じないので、従来技術では困難であった、不純物濃度が異なる、あるいは導電型の異なる微細なヘテロ半導体層を形成することが可能である。これにより、ヘテロ界面で生じる漏れ電流を低減することが可能なヘテロ接合電界効果トランジスタを実現することができる。
また、ヘテロ半導体層の表面に不純物拡散防止膜5を形成する工程は、ヘテロ半導体層を選択的に熱酸化、または熱窒化することによって行う。これにより一般的な半導体製造工程を用いてヘテロ接合電界効果トランジスタを容易に実現することができる。
以上のように本実施の形態の半導体装置は、従来からある製造技術で容易に実現することが可能であるとともに、本製造方法をとることで、より幅の薄い第一のヘテロ半導体層3を形成することができる。また、第一のヘテロ半導体層3の導電型や不純物濃度を自由に設計することができる。
次に、動作について説明する。本実施の形態においては、例えばソース電極12を接地し、ドレイン電極13に正電位を印加して使用する。
まず、ゲート電極11を例えば接地電位もしくは負電位とした場合、遮断状態を保持する。すなわち、第一のヘテロ半導体層3および第二のヘテロ半導体層4とドレイン領域であるエピタキシャル層2とのヘテロ接合界面には、それぞれ伝導電子に対するエネルギー障壁が形成されているためである。このとき、第一のヘテロ半導体層3および第二のヘテロ半導体層4は共にシリコン材料からなるため、炭化珪素からなるドレイン領域とのエネルギー障壁差ΔEcはほぼ同様となる。しかし、N型である第一のヘテロ半導体層3とP型である第二のヘテロ半導体層4とでは、伝導帯からフェルミ準位までのエネルギーで示されるフェルミエネルギーに差があるため、エピタキシャル層2の接合界面に伸びる空乏層の幅が異なる。つまり、第二のヘテロ半導体層4との接合界面から伸びる空乏層幅は、第一のヘテロ半導体層3との接合界面から伸びる空乏層幅よりも大きいため、より高い遮断性、すなわち漏れ電流を低減することができる。さらに、例えば第二のヘテロ半導体層4の不純物濃度を第一のヘテロ半導体層3の不純物濃度よりも高く設定した場合、第二のヘテロ半導体層4と第一のヘテロ半導体層3とで構成されるPNダイオードのビルトイン電界によって生じる空乏層が第一のヘテロ半導体層側に伸張することから、第一のヘテロ半導体層とドレイン領域とのヘテロ接合部における漏れ電流をさらに低減することもできる。
さらに本実施の形態においては、製造方法上、第一のヘテロ半導体層3をゲート電極11からゲート電界が及ぶ程度の幅に容易に制御することが可能であるため、例えばゲート電極11を負電位として、例えば第一のヘテロ半導体層3の全域に反転領域を形成すれば、半導体装置としての遮断性をますます高めることも可能である。
また、本実施の形態においては、第一のヘテロ半導体層3をセルフアラインで形成しているため、例えば複数のセルを集積させた半導体素子を形成した場合においても、第一のヘテロ半導体層3の幅を精度よく制御できるため、遮断性のばらつきも抑えることができる。
このように本実施の形態においては、従来構造に比べて、より高い遮断性を実現することができる。
さらに本発明では、第一のヘテロ半導体層3を第二のヘテロ半導体層4とは別の多結晶シリコン層にて形成しているため、不純物の導電型や濃度を自由に設定できるため、設計自由度が向上する。
次に、遮断状態から導通状態へと転じるべくゲート電極11に正電位を印加した場合、ゲート絶縁膜9を介して第一のヘテロ半導体層3とエピタキシャル層2とが接するヘテロ接合界面までゲート電界が及ぶため、ゲート電極11の近傍の第一のヘテロ半導体層3並びにエピタキシャル層2には伝導電子の蓄積層が形成される。すなわち、ゲート電極11の近傍の第一のヘテロ半導体層3とエピタキシャル層2との接合界面における第一のヘテロ半導体層3側のポテンシャルが押し下げられ、かつ、エピタキシャル層2側のエネルギー障壁が急峻になることからエネルギー障壁中を伝導電子が導通することが可能となる。
このとき、本実施の形態においては、第一のヘテロ半導体層3をセルフアラインで形成しているため、例えば複数のセルを集積させた半導体素子を形成した場合においても、第一のヘテロ半導体層3の幅を精度よく制御できるため、各セルごとのオン抵抗のばらつきも抑えることができる。つまり、電流の集中を抑えることができるため、より高い信頼性を得ることができる。
次に、導通状態から遮断状態に移行すべく、再びゲート電極11を接地電位とすると、第一のヘテロ半導体層3並びにエピタキシャル層2のヘテロ接合界面に形成されていた伝導電子の蓄積状態が解除され、エネルギー障壁中のトンネリングが止まる。そして、第一のヘテロ半導体層3からエピタキシャル層2への伝導電子の流れが止まり、さらにエピタキシャル層2中にあった伝導電子は基板1に流れ、枯渇すると、エピタキシャル層2側にはヘテロ接合部から空乏層が広がり、遮断状態となる。
また、本実施の形態においては、従来構造と同様に、例えばソース電極12を接地し、ドレイン電極13に負電位が印加された逆方向導通(還流動作)も可能である。
例えばソース電極12並びにゲート電極11を接地電位とし、ドレイン電極13に所定の正電位が印加されると、伝導電子に対するエネルギー障壁は消滅し、エピタキシャル層2側から第一のヘテロ半導体層3並びに第二のヘテロ半導体層4側に伝導電子が流れ、逆導通状態となる。このとき、正孔の注入はなく、伝導電子のみで導通するため、逆導通状態から遮断状態に移行する際の逆回復電流による損失も小さい。なお、上述したゲート電極11を接地にせずに制御電極として使用する場合も可能である。
なお、ヘテロ接合電界効果トランジスタの一例として図1の構造で説明したが、例えば図13〜図16に示すような構造にも本発明の半導体装置およびその製造方法を適用できる。
〈図13の構造〉
図13の構成は、図7の構造と同様に、ゲート電極11と第一のヘテロ半導体層3が対向する部分から所定の距離離れたところに、第一のヘテロ半導体層3もしくは第二のヘテロ半導体層4(ここでは第二のヘテロ半導体層4)に接するように、エピタキシャル層2の表面に電界緩和領域7が形成されている。さらに、ゲート電極11が形成されている溝14の底部に接するように電界緩和領域7が形成されている。以下、製造方法の一例を説明する。
まず、図8(B)に示すように、図7の構造と同様に、例えば多結晶シリコン層40を形成する前に、電界緩和領域7を形成しておき(このとき、溝14の底部の電界緩和領域7も同時に形成してもよい)、その後、図7の構造と同様に多結晶シリコン層40を形成し(図8(C)参照)、エッチングにより溝14を形成する(図10(G)参照)。次に、溝14のエッチング用のマスク層を有した状態で、例えばアルミニウムイオンもしくはボロンイオンをイオン注入して、電界緩和領域19を形成する。
このような構成にすることにより、遮断状態においては、第二のヘテロ半導体層40に接する電界緩和領域7および溝14の底部の電界緩和領域7と、エピタキシャル層2との間にドレイン電位に応じた空乏層が拡がる。つまり、第一のヘテロ半導体層3並びに第二のヘテロ半導体層4とエピタキシャル層2とのヘテロ接合界面に印加されていたドレイン電界が第二のヘテロ半導体層40に接する電界緩和領域7によって緩和されるため、さらに漏れ電流が低減され、遮断性能がさらに向上する。また、溝14の底部の電界緩和領域7により、ゲート絶縁膜9に印加されていたドレイン電界も緩和されるため、ゲート絶縁膜9の絶縁破壊を起こりにくくすることができ、ゲート絶縁膜9の信頼性を向上することができる。
〈図14の構造〉
図7に示した構造では、エピタキシャル層2の表層部に溝14を形成して、その溝14中にゲート絶縁膜9を介してゲート電極11が形成されている、いわゆるトレンチ型であったが、図14に示すようなエピタキシャル層2に溝を形成しない、いわゆるプレーナ型の構成にも適用できる。
図14の構造では、多結晶シリコン層40(図10(G)参照)をエッチングする際、エピタキシャル層2の表層部はエッチングしないで、多結晶シリコン層40のみエッチング除去する。
それ以降の工程は、図7の構造と同様であるので説明を省略する。
〈図15の構造〉
図15の構造は、P型多結晶シリコンからなるヘテロ半導体層4を形成する(図8(C)参照)前に、エピタキシャル層2に溝15を形成し、その後、ヘテロ半導体層4を形成する。以降の工程は、図7の構造と同様である。このような構成にすることで、逆方向電圧印加時に変調箇所に印加されるドレイン電界を、ヘテロ半導体層4から半導体基体100側に延びる空乏層によって緩和することができるので、図7の構造よりも第一のヘテロ半導体層3における漏れ電流をさらに低減することができる。図15の構造においても、図13の構造と同様に溝14の底部に接するように電界緩和領域7を設けており、その製造方法および効果は、図13の構造と同様である。
〈図16の構造〉
図16(A)は本発明の別の実施の形態2のヘテロ接合電界効果トランジスタの断面図、(B)は(A)のA−B切断線における紙面に垂直な方向の断面図である。
本構造は、図7の構造の変形例であり、図16(A)、(B)に示すように、一方のヘテロ半導体層、ここでは第二のヘテロ半導体層4がソース電極12と接触し、他方のヘテロ半導体層、ここでは第一のヘテロ半導体層3とソース電極12とは紙面奥行き方向で接触している。その他の構成、効果は図7の構造と同様であるので、説明を省略する。
以上説明したように、図2(a)〜図3(h)に示した本発明の基本プロセスを用いて、図4〜図8に示すような様々な構造を形成することができる。なお、ゲート絶縁膜9並びに第一のヘテロ半導体層3が接するエピタキシャル層2の所定部分に、エピタキシャル層2より高濃度のN型の導通領域を形成してもよい。これにより第一のヘテロ半導体領域3から導通領域を介してドレイン領域へと多数キャリアが流れやすくなり、より高い導通特性を得、さらにオン抵抗を低減することができる。
以上、全ての実施の形態において、SiCを半導体基体100の材料とした半導体装置を一例として説明したが、基体材料はシリコン、シリコンゲルマニウム、窒化ガリウム、ダイヤモンドなどその他の半導体材料でも構わない。また、全ての実施の形態において、SiCのポリタイプとして4Hタイプを用いて説明したが、6H、3C等その他のポリタイプでも構わない。また、実施の形態2において、ドレイン電極13とソース電極12とをドレイン領域を挟んで対向するように配置し、ドレイン電流を縦方向に流す所謂縦型構造のトランジスタで説明してきたが、例えばドレイン電極13とソース電極12とを同一主面上に配置し、ドレイン電流を横方向に流す所謂横型構造のトランジスタであっても構わない。
また、第一のヘテロ半導体層3、第二のヘテロ半導体層4に用いる材料として多結晶シリコンを用いた例で説明したが、SiCとヘテロ接合を形成する材料であればどの材料でも構わない。また、一例として、ドレイン領域としてN型のSiCを、第一のヘテロ半導体層3としてN型の多結晶シリコンを用いて説明しているが、それぞれN型のSiCとP型の多結晶シリコン、P型のSiCとP型の多結晶シリコン、P型のSiCとN型の多結晶シリコンの如何なる組み合わせでもよい。
さらに本発明の主旨を逸脱しない範囲での変形を含むことは言うまでもない。
本発明の実施の形態1のヘテロ接合ダイオードの断面図である。 図1のヘテロ接合ダイオードの製造方法を示す工程断面図である。 図1のヘテロ接合ダイオードの製造方法を示す工程断面図である。 図1のヘテロ接合ダイオードの製造方法を示す工程断面図である。 本発明の別の実施の形態1のヘテロ接合ダイオードの断面図である。 本発明の別の実施の形態1のヘテロ接合ダイオードの断面図である。 本発明の実施の形態2のヘテロ接合電界効果トランジスタの断面図である。 図7のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法を示す工程断面図である。 図7のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法を示す工程断面図である。 図7のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法を示す工程断面図である。 図7のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法を示す工程断面図である。 図7のヘテロ接合電界効果トランジスタの製造方法を示す工程断面図である。 本発明の別の実施の形態2のヘテロ接合電界効果トランジスタの断面図である。 本発明の別の実施の形態2のヘテロ接合電界効果トランジスタの断面図である。 本発明の別の実施の形態2のヘテロ接合電界効果トランジスタの断面図である。 本発明の別の実施の形態2のヘテロ接合電界効果トランジスタの断面図である。
符号の説明
1…基板 2…エピタキシャル層
3…第一のヘテロ半導体層 4…第二のヘテロ半導体層
5…不純物拡散防止膜 6…アノード電極
7…電界緩和領域 8…カソード電極
9…ゲート絶縁膜 10…層間分離膜
11…ゲート電極 12…ソース電極
13…ドレイン電極 14…溝
15…溝 20…キャップ酸化膜
30…N型多結晶シリコン層 40…P型多結晶シリコン層
50…アルミニウムイオン 60…マスク層
100…半導体基体 200…へテロ半導体領域
300…多結晶シリコン層

Claims (10)

  1. 半導体基体と、
    前記半導体基体にヘテロ接合し、前記半導体基体を構成する半導体材料とはバンドギャップの異なるヘテロ半導体材料からなるヘテロ半導体領域とを有する半導体装置において、
    前記へテロ半導体領域が、前記半導体基体とヘテロ接合し、不純物濃度または導電型の異なる少なくとも2つ以上のヘテロ半導体層から構成され、
    互いに隣接し合う前記ヘテロ半導体層が不純物の拡散を防止する不純物拡散防止膜を介して隣接していることを特徴とする半導体装置。
  2. 半導体基体と、
    前記半導体基体にヘテロ接合し、前記半導体基体を構成する半導体材料とはバンドギャップの異なるヘテロ半導体材料からなるヘテロ半導体領域と、
    前記半導体基体と前記ヘテロ半導体領域との接合部に隣接し、ゲート絶縁膜を介して配設されたゲート電極と、
    前記ヘテロ半導体領域に接触するように形成されたソース電極と、
    前記半導体基体に接触するように形成されたドレイン電極とを有する半導体装置において、
    前記へテロ半導体領域が、前記半導体基体とヘテロ接合し、不純物濃度または導電型の異なる少なくとも2つ以上のヘテロ半導体層から構成され、
    互いに隣接し合う前記ヘテロ半導体層が不純物の拡散を防止する不純物拡散防止膜を介して隣接していることを特徴とする半導体装置。
  3. 前記少なくとも2つ以上のヘテロ半導体層が電気的に接続されていることを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置。
  4. 前記ヘテロ半導体層の少なくとも1つが、前記半導体基体の導電型とは反対の導電型であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の半導体装置。
  5. 前記ゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極と隣接する前記へテロ半導体層の導電型が、前記半導体基体の導電型と同じであることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか記載の半導体装置。
  6. 前記不純物拡散防止膜が、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の半導体装置。
  7. 前記半導体基体を構成する半導体材料が炭化珪素であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか記載の半導体装置。
  8. 前記へテロ半導体層を構成する材料が、多結晶シリコン、単結晶シリコン、アモルファスシリコンの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1乃至7に記載の半導体装置。
  9. 半導体基体上に、前記半導体基体にヘテロ接合し、前記半導体基体を構成する半導体材料とはバンドギャップの異なるヘテロ半導体層を形成する工程と、
    前記ヘテロ半導体層をエッチングする工程と、
    前記ヘテロ半導体層の表面に不純物の拡散を防止する不純物拡散防止膜を形成する工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 前記ヘテロ半導体層の表面に前記不純物拡散防止膜を形成する工程は、前記ヘテロ半導体層を選択的に熱酸化、または熱窒化することによって行うことを特徴とする請求項9記載の半導体装置の製造方法。
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